説明

植物体廃棄物製シート状体およびその製造方法

【課題】 植物性の食品加工廃棄物の画期的な有効利用法となるとともに、食用可能であり、かつ広い範囲で応用可能な植物体廃棄物製シート状体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 植物体からの搾汁残渣等廃棄物1と、搾汁残渣等廃棄物1中の繊維同士を結着させる結着剤2とを混合する混合過程P1と、混合過程P1により得られる混合物3がシート状に形成されるように圧する加圧過程P2とを経て、シート状体4を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物体廃棄物製シート状体およびその製造方法に係り、特に、リンゴ搾汁残渣等の食品加工廃棄物の画期的な有効利用法となるとともに、食用可能かつ応用範囲の広い、植物体廃棄物製シート状体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リンゴジュース製造過程において大量に排出されるリンゴ搾汁残渣の有効利用については、従来多くの取り組みがなされている。たとえば後掲特許文献1、2に開示された技術はいずれも、飼料として利用しようというものである。このうち特許文献1開示技術は、リンゴ搾汁残渣を動物の糞尿に対し消臭効果のある飼料としての利用に係るものである。また、特許文献2開示の技術は、糖分・りんご酸・ビタミンCなど、家畜には不要もしくは有害な養分を搾り捨てて乾燥させた、搾り粕再生飼料を提案するものである。
【0003】
また、特許文献3開示の技術は、リンゴ搾汁残渣に、長さ1mm〜15mm程度、径1mm以下程度の寸法の植物長繊維屑からなる補助材を混合し、その混合物に高圧を付加することでさらにリンゴ果汁を抽出するというものであるが、結局はやはり、二次圧搾後の混合物を乾燥、発酵処理して家畜飼料にするというものである。
【0004】
このように、リンゴ搾汁残渣の利用または利用に関する技術的提案は、主として付加価値の低い飼料用途に留まる。また、有効利用されずに、結局は産業廃棄物として有償で処理されている量も相当多いのが実態である。
【0005】
【特許文献1】特開2003−199509「動物糞尿臭消臭用飼料」
【特許文献2】登録実用新案第3032813号「りんご搾り粕再生飼料」
【特許文献3】特開2006−280332「一次圧搾後のリンゴ滓の再利用法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしリンゴ搾汁残渣には、まだ栄養価値が豊富に残存している。したがってこれを、飼料用途等の付加価値の低い利用に留めること、あるいは全く利用せずにコストをかけて処分することは、資源の有効利用の観点から好ましくない。できる限り、1個のリンゴを利用し尽くす、しかも食用として余すことなく全て利用し尽くすことができれば、資源有効利用の観点はいうまでもなく、それを超えた効果も大いに期待できる。
【0007】
つまり、「食」に対する意識の向上、ひいては社会全体に対する教育効果も期待でき、産業が社会の健全な発展に貢献できることにもなる。かかる問題はリンゴジュース製造業のみならず、ミカン、ニンジン、トマト等、他の搾汁工業においても共通するものである。
【0008】
一方、従来、リンゴ搾汁残渣の多くが未利用のまま最終処分されていることは、もちろん、環境負荷の低減の観点からも好ましいことではない。かかる問題はやはりリンゴジュース製造業のみならず、ミカン、ニンジン、トマト等、他の搾汁工業においても共通するものである。
【0009】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、リンゴ搾汁残渣等の植物性の食品加工廃棄物の画期的な有効利用法となるとともに、食用可能であり、かつ広い範囲で応用可能な、植物体廃棄物製シート状体およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、こんにゃく等、複合多糖類やそれを成分とする食用可能(可食性)の材料が、植物体搾汁残渣等の植物体廃棄物に対して結着剤として機能でき、これによって全体を食用可能な素材として形成できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本願において特許請求もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0011】
(1) 植物体からの廃棄物と、該廃棄物中の繊維同士を結着する可食性の結着剤とを含んでなる、植物体廃棄物製シート状体。
(2) 植物体からの搾汁残渣と、該搾汁残渣中の繊維同士を結着する可食性の結着剤とを含んでなる、植物体廃棄物製シート状体。
(3) 前記結着剤は、複合多糖類、または複合多糖類を成分とするものであることを特徴とする、(1)または(2)に記載の植物体廃棄物製シート状体。
(4) 前記結着剤は、こんにゃく、寒天またはこれらのいずれかの成分物質のうち、少なくともいずれか一つを用いるものであることを特徴とする、(1)または(2)に記載の植物体廃棄物製シート状体。
(5) 前記植物体はリンゴその他の果汁を搾汁可能な果実、またはニンジンその他の野菜汁を搾汁可能な野菜であることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体。
(6) 前記廃棄物または搾汁残渣に対して前記結着剤は、5重量%以上含まれていることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体。
【0012】
(7) 植物体からの廃棄物と、該廃棄物中の繊維同士を結着させる結着剤とを混合する混合過程と、該混合過程により得られる混合物がシート状に形成されるように圧する加圧過程とを経てシート状体を得る、植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
(8) 植物体からの搾汁残渣と、該搾汁残渣中の繊維同士を結着させる結着剤とを混合する混合過程と、該混合過程により得られる混合物がシート状に形成されるように圧する加圧過程とを経てシート状体を得る、植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
(9) 前記結着剤は、複合多糖類、または複合多糖類を成分とするものであることを特徴とする、(7)または(8)に記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
(10) 前記結着剤は、こんにゃく、寒天またはこれらのいずれかの成分物質のうち、少なくともいずれか一つを用いるものであることを特徴とする、(7)または(8)に記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【0013】
(11) 前記植物体はリンゴその他の果汁を搾汁可能な果実、またはニンジンその他の野菜汁を搾汁可能な野菜であることを特徴とする、(7)ないし(10)のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
(12) 前記混合過程において、前記結着剤はこんにゃくであり、前記廃棄物または前記搾汁残渣に対して該結着剤は5重量%以上混合されることを特徴とする、(7)ないし(11)のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
(13) 前記加圧過程と並行して、または前記加圧過程の後に、前記混合物を加熱する加熱過程が設けられることを特徴とする、(7)ないし(12)のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
(14) 前記加熱過程では、前記混合物に対して40℃以上の加熱がなされることを特徴とする、(13)に記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
(15) 前記加圧過程にはラミネータを用いることを特徴とする、(7)ないし(14)のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明の植物体廃棄物製シート状体およびその製造方法は上述のように構成されるため、これによれば、リンゴ搾汁残渣等の植物性の食品加工廃棄物を用いて食用可能かつ広い範囲で応用可能な、付加価値の高い素材を提供することができる。したがって、従来はコストをかけて処理されることの多かったリンゴ搾汁残渣等の植物性の食品加工廃棄物の、画期的な有効利用法を提供することになる。
【0015】
本発明によれば、たとえばリンゴであれば、その1個のリンゴを余すことなく食べ尽くすというように、リンゴその他食用可能な植物性資源を、食用として、あるいは可食性を備えた形で全て利用し尽くすことができるため、極めて高度な資源有効利用を実現することができる。
【0016】
さらに本発明の、可食性の植物性資源を余すことなく利用するという思想は、「食」に対する意識の向上、ひいては社会全体に対する教育効果も期待できる。したがって、本発明を利用して今後創出される事業・産業は、単に産業の発達に資するのみならず、社会のより健全な発展にも貢献できるものである。
【0017】
また本発明によれば、リンゴ搾汁残渣を始め多くが未利用のまま最終処分されている可食性の植物資源を、焼却等によって最終処分する必要性を大いに軽減もしくは解消することができるため、環境負荷の低減にも寄与できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明の植物体廃棄物製シート状体は、植物体からの搾汁残渣その他の廃棄物と、廃棄物中の繊維同士を結着する可食性の結着剤とを含んで構成されるものであるが、ここで植物体とは、リンゴ・ミカン等の果実、ニンジン・トマト等の野菜を始め、その他広く可食性の植物体をいう。
【0019】
本発明の植物体とは、さらにいえば、果実・野菜・穀類・豆類・山菜類その他食用になる植物体をいう。特に果実では、リンゴ・ナシ・モモ・ブドウ・ミカン・ナツミカン・その他柑橘類・セイヨウナシ・カキ・クリ・オウトウ・ウメ・バナナ・パインアップル・ブルーベリー・カシス・キウイフルーツその他果実全般が、また野菜では、イチゴ・スイカ・メロン等の果実的野菜、トマト・カボチャ・エダマメ・スイートコーン等の果菜類、ホウレンソウ・ニンニク・タマネギ等の葉茎菜類、ニンジン・ビート・ゴボウ・ナガイモ・ナガイモ以外のヤマノイモ属・ヤーコン等の根菜類、ショウガ等の香辛野菜、その他野菜全般が含まれる。
【0020】
また、搾汁残渣とは、いわゆる果実ジュースや野菜ジュースの搾汁過程で産出されるものに限定せず、たとえばイモ搾汁残渣なども広く含む。
【0021】
さらにまた、植物体の搾汁残渣以外の廃棄物も、これに繊維質が含まれるものである限り、本発明では搾汁残渣に替えて用いることも可能である。たとえば可食部から搾汁以外の方法で分離されたリンゴ・パインナップルの芯・皮、クリ・ミカン・バナナ・メロン・スイカ・カボチャ・ナガイモの皮、ニンジン・ゴボウ・ダイコンの葉・皮、スイートコーンの皮・芯等、それが可食性を有する限りは広く該当する。
【0022】
さらにまた、蒸煮処理、蒸煮以外の加温処理・加熱処理、凍結処理、乾燥処理等、植物体に対する食品加工処理その他の加工処理の過程において産出する廃棄物も、それが可食性のものである限り、本発明では搾汁残渣に替えて用いることも可能である。たとえば豆類を蒸煮処理した後の搾汁残渣も、本発明の植物体に該当する。したがって、ダイズ蒸煮処理後の残渣であるオカラを用いてもよい。なお、本発明の植物体からの廃棄物には、農林業の生産現場において発生する廃棄物も該当する。
【0023】
植物体からの廃棄物として、たとえばリンゴ搾汁残渣を用いる場合、リンゴジュース製造過程で発生する搾汁残渣には、果肉部(花托)残渣のみならずリンゴの皮・種子・果梗も含まれるのが通常である。これらも全て可食性を有するものであり、本発明はこれらを全て用いて、結着剤とのペースト状の混合物とし、最終的にシート状体を得るものである。つまり、食用可能な部分は全て利用し尽くすことができる。
【0024】
本発明で植物体廃棄物製シート状体とは、植物体搾汁残渣等の廃棄物を原料としてシート状に形成されたものを広くいう。つまり、その厚さ、組織構造、表面の平滑度、強度その他の物性に特に限定されず、紙状、膜状、布状、平板状等のように、側面部に比して上面・底面各部の方が大面積を有し、「表裏」という認識により、側面部よりも上面・底面部の方がより強く認識される形態のものをいう。後述する実施例等においては、本発明のシート状体は「ペーパー(紙)」とも表現され得るものであるが、その場合も、厳密に「紙」を指すものではなく、ここに述べた「シート状体」を指すものである。また本発明にいう「シート状」には、厳密に平面状、平板状のものだけではなく、形成された当初から曲面状のものも含まれる。要するに、平面状か曲面状かに関わらず、薄く面状に展開された状態をいうものである。
【0025】
また、可食性の結着剤とは、搾汁残渣等の廃棄物中の繊維同士を結着する作用を有するものであるが、要するに可食性で、かつ上記植物体の搾汁残渣等廃棄物中の繊維同士を相互につなぎ合わせられる作用を有するものは、広く該当する。特に結着剤としては、複合多糖類、または複合多糖類を成分とするものを好適に用いることができる。
【0026】
ここで複合多糖類とは、広くヘテログリカンを指す。したがって、複合多糖類からは、コンニャク成分であるコンニャクマンナン(グルコマンナン)、寒天成分であるアガロース、アガロペクチンの他にも、プロテオグリカンを形成するムコ多糖類も排除されない。
【0027】
しかしながら、実施例として後述するように本発明においては、こんにゃく、寒天、あるいはこれらの成分物質であるコンニャクマンナン、アガロース、アガロペクチンのうち少なくともいずれか一つを用いることで、特に良好な結果を得られる。
【0028】
こんにゃくは96〜97%が水分からなり、水分を除くと主成分は、複合多糖類のコンニャクマンナンである。これは、ヒトの消化管ではほとんど消化されないため、カロリーが極めて低い食品、つまり、100gあたり5〜7kcal程度のカロリーしかない食品であり、摂取カロリー制限が必要な場合の食品素材として、従来から多用されている。代表的な食物繊維であり、血糖値や血中コレステロールを下げる効果、さらに免疫増強活性もあるとされているものである。
【0029】
また寒天は、コンニャク同様ほとんどがアガロースやアガロペクチンといった複合多糖類である。これも、ヒトの消化酵素のみではほとんど分解されない。したがってコンニャクマンナン同様、摂取カロリー制限が必要な場合の食品素材として多用されているとともに、代表的な食物繊維でもある。
【0030】
したがって、本発明の可食性結着剤として、こんにゃく、寒天、あるいはこれらの成分物質であるコンニャクマンナン、アガロース、アガロペクチンを用いることは、最終的に製造される植物体廃棄物製シート状体がこれらの成分を豊富に含むものになるため、摂取カロリー低減効果、血糖値や血中コレステロールを下げる効果、さらに免疫増強活性効果を得ることも期待できる。
【0031】
なお本発明に係る結着剤としてこんにゃくを用いる場合、あらゆる種類、形態のこんにゃくを用いることができる。たとえば製品形態としては、角こんにゃく(板こんにゃく)、玉こんにゃく、突きこんにゃく、糸こんにゃく、ねじり糸こんにゃく、さしみこんにゃく等、成分・色としては、白いこんにゃく(精粉のみ)、黒いこんにゃく(海藻−アラメ−入り)、生芋こんにゃく(コンニャクイモの皮入り)等、あらゆるものが該当する。また、水分含量や他の添加物の有無およびその添加量にも、物性等にも限定されない。
【0032】
また、本発明に係る結着剤として寒天を用いる場合も、あらゆる種類、形態の寒天を用いることができる。たとえば製品形態としては、粉末状(粉末寒天)、棒状(棒寒天)、糸状(糸寒天)等あらゆるものが該当する。原料となる海藻種(天草、オゴ草等)とその組成も限定されない。
【0033】
本発明では、上述したように植物体として広範な種類が該当する。後述する実施例では、このうち特にリンゴ果汁搾汁残渣を取り上げる。しかし、リンゴ以外でも、果汁が搾汁される果実、あるいはニンジンやその他の野菜汁が搾汁される野菜を原料植物体として、その搾汁残渣を用いて本発明シート状体を得ることもまた、リンゴ果汁搾汁残渣利用と同様に産業上の利用性が高い。ジュース製造産業は、全国各地はいうに及ばず、世界各地に広く存在するからである。
【0034】
本発明の植物体廃棄物製シート状体を構成する主成分は、植物体からの搾汁残渣等の廃棄物と結着剤であるが、結着剤として特にこんにゃくを用いる場合は、搾汁残渣に対して5重量%以上含まれるようにすることが望ましい。5重量%以上用いることによって、シート状体を形成することは充分可能である。なお、同じく7重量%以上を用いることにより、一層容易にシート状体を形成することができる。
【0035】
なおまた、結着剤としてこんにゃくを用いる場合は、使用する結着剤量が搾汁残渣等の廃棄物に対して3重量%以下の場合は、シート状体を形成することは困難であることも確認済みである。したがって本発明の植物体廃棄物製シート状体を得るためには、搾汁残渣等の廃棄物に対する結着剤量は、3重量%を超えて用いることが、より推奨される。
【0036】
図1は、本発明の植物体廃棄物製シート状体の製造方法の構成を示すフロー図である。図示するように本製造方法は、植物体からの搾汁残渣等廃棄物1と、搾汁残渣等廃棄物1中の繊維同士を結着させる結着剤2とを混合する混合過程P1と、混合過程P1により得られる混合物3がシート状に形成されるように圧する加圧過程P2とを経てシート状体4が得られることを、基本的な構成とする。
【0037】
かかる構成により、まず混合過程P1において、植物体からの搾汁残渣等廃棄物1と結着剤2とが混合されて混合物3が得られ、ついで加圧過程P2において、混合物3は加圧処理されて、搾汁残渣等廃棄物1中の繊維同士が結着剤2の作用によって結着せしめられシート状に形成されて、シート状体4が得られる。
【0038】
結着剤2としては、複合多糖類、または複合多糖類を成分とするものを用いることができ、特に、こんにゃく、寒天またはこれらのいずれかの成分物質を好適に使用できることは、上述の通りである。また植物体からの搾汁残渣等廃棄物1として、リンゴその他の果汁が搾汁される果実およびニンジンその他の野菜汁が搾汁される野菜に由来する植物体搾汁残渣の他、種々のものを適用できることも、上述の通りである。
【0039】
また、混合過程P1においては、結着剤2としてこんにゃくを用いる場合は、搾汁残渣等廃棄物1に対して結着剤2を望ましくは5重量%以上、より望ましくは7重量%以上混合すれば、簡易にかつ良好な植物体廃棄物製シート状体4を得られること、また、3重量%を超える量がより推奨されることも、上述の通りである。
【0040】
植物体からの搾汁残渣等の廃棄物1が乾燥状態である場合は、これに水または水溶液を加えて適度に水分を含んだ状態として、結着剤2と混合することによって、両者の混合処理が良好になされ、最終的に、廃棄物1中の繊維同士が良好に結着できる混合物3とすることができる。水分を含ませる方法としては、水または水溶液への浸漬、噴霧、蒸煮等、適宜の方法を用いることができる。
【0041】
図1−2は、本発明の植物体廃棄物製シート状体製造方法の別の構成を示すフロー図である。また、
図1−3は、本発明の植物体廃棄物製シート状体製造方法のまた別の構成を示すフロー図である。これらに図示するように、本植物体廃棄物製シート状体製造方法では、前記加圧過程P2の後に、混合物3を加熱する加熱過程P3を設ける構成とすることができる。あるいはまた、加圧過程と並行して加熱処理もなされる同時加圧・加熱過程P23を設けることとしてもよい。
【0042】
このように、加圧過程と並行して、またはその後に、加熱処理の過程を設けることによって、混合物3から形成されるシート状体24、34を、構造的により強く、安定したものとすることができる。なお加熱過程を設ける場合、あるいは加圧過程を同時加圧・加熱過程とする場合、加熱温度は40℃以上とすることによって、より良好な結果を得ることができる。
【0043】
加圧過程P2、あるいは同時加圧・加熱過程P23における加圧手段としては、適宜の方法を用いることができる。たとえば後述するようにラミネータを用いてもよい。要するに加圧過程は、混合物3を平たく伸ばして成形するための過程であるから、かかる処理が可能である限り、プレス装置、熱プレス装置など適宜の方法を使用できる。
【0044】
一方、特段の装置を用いずに行う方法、たとえば、混合物3を硬い物体に対して手で押し付ける処理も、あるいは簡単な押圧用の器具を用いて押圧する処理等も、本発明の加圧過程に該当する。なお、ラミネータを用いる場合は加熱処理も可能であるため、同時加圧・加熱過程とすることができる。
【0045】
また、加熱過程P3等における加熱手段としても、適宜の方法を用いることができる。後述するラミネータの他にも、電子レンジ等による電磁波加熱、温風、熱風、焙焼、ジュール加熱等、具体的手段は特に限定されない。
【0046】
図1−3に示したように、加圧過程を同時加圧・加熱過程P23とすることによって、植物体廃棄物製シート状体34を良好に製造することができる。加熱温度はラミネータを使用する場合、40℃以上であれば、良好なシート状体を簡易に得ることができる。なおまた、同時加圧・加熱過程P23において加えられる圧力は、ラミネータによって可能な程度の圧力か、それ以上であれば充分である。しかしながら、上述したように本発明では、加圧処理の具体的手段が限定されるものではない。たとえば人力にて可能な程度の加圧であってもよく、ラミネータによって可能な程度の圧力よりも低い圧力であっても、本発明が実施できないわけではない。
【0047】
加圧過程においては、混合物に含まれる水分を適宜除去しつつ、あるいは水分が適当に除去された状態、つまり適度に脱水された状態で、同時加圧・加熱処理することが、より望ましい。また、加圧過程P2等に供される混合物3の状態としては、ペースト状であることが望ましい。その物性としては、粘り気がなく、たとえば柔らかめの漉し餡程度であれば、最も良好な結果を得られるが、これに限定されるものではない。
【0048】
なお、図1−3に示した同時加圧・加熱過程P23を設ける製造フローでは、ラミネータや熱プレス装置を用い、これらの装置において可能な加圧・加熱条件を適宜設定して用いることによって、本発明の植物体廃棄物製シート状体4を容易に得ることができる。つまり、製造条件としては、さほど特別な条件を必要とするものではないため、本発明は、小規模な事業体においても充分に導入可能な技術である。
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<1.実施例1 リンゴ搾汁残渣を用いたシート状体の作製>
〈1〉使用原料
以下を原料として用いた。
植物体からの廃棄物:リンゴジュースの搾汁残渣 500g
水 1000ml
結着剤:角こんにゃく(太子食品(株)製) 50g
すなわち、搾汁残渣に対して用いた結着剤の量は10重量%
【0050】
〈2〉作製工程
〈2−1〉混合処理
まず、搾汁残渣を水に浸漬した。ついで搾汁残渣を水から取り出し、ざるに入れて、水気を切った。それから結着剤として用いる角こんにゃくを搾汁残渣に合わせ、ミキサーを用いて、ペースト状になるまで混合した。
【0051】
〈2−2〉脱水処理
ペースト状となった混合物を脱水処理した。脱水処理は、漉し布を用いて布漉しで絞り、できる限り水分を除くようにした。かかる方法によって混合物は、粘り気がなく、柔らかめの漉し餡程度のペースト状となった。なお、混合物を裏漉しして押し付けることによって水気を除去することもできるが、水分除去効果はより低い。次の工程でラミネータにかける上では、水分が少ないほど速くシート状体を得られるため、両者を比べれば、布漉しで絞る方が望ましい結果を得ることができた。
【0052】
〈2−3〉加圧・加熱処理
混合物を、ラミネータを用いて加圧・加熱処理し、シート状体を得た。使用したラミネータは、フジラミパッカー キュービックA3(商品番号:LPD321、7フジプラ(株)製)である。また、処理条件は下記の通りである。
ラミネータ速度 360mm/分
温度 40℃
【0053】
得られたシート状体は、これを折り曲げたり、畳んだりしても、またはさみで切断しても、容易に破壊しない程度の柔軟性と強度を備え、搾汁残渣が充分に結着した状態であった。
図2は、実施例1の植物体廃棄物製シート状体の外観を示す写真図である。
【0054】
<2.添加する結着剤量の検討>
結着剤として用いる角こんにゃくを下記のように変えた他は実施例1と同様にして、シート状体の作製を試みた。
実施例2 7重量%
実施例3 5重量%
比較例1 3重量%
【0055】
その結果、実施例2では問題なくシート状体を作製することができた。実施例3でもシート状体を作製できたが、加圧・加熱処理工程において、より作業の慎重さを要した。また、比較例1ではシート状体が形成されなかった。したがって、結着剤としてこんにゃくを用いる場合、植物体からの廃棄物重量に対して3重量%を超える量、望ましくは5重量%以上を用いることが推奨される結果であった。
【0056】
<3.結着剤の種類の検討>
結着剤の種類を変えて、シート状体の作製を試みた。なお、下記の通りの各実施例および比較例に示す各条件以外は、実施例1と同様にして試験した。
実施例4 角こんにゃく
浸漬したリンゴ搾汁残渣 170g
角こんにゃく(太子食品(株)製) 10g
実施例5 生芋角こんにゃく
浸漬したリンゴ搾汁残渣 170g
生芋角こんにゃく(太子食品(株)製) 10g
実施例6 糸こんにゃく
浸漬したリンゴ搾汁残渣 170g
糸こんにゃく((株)マルイシフーズ製) 10g
【0057】
実施例7 刺身こんにゃく
浸漬したリンゴ搾汁残渣 170g
刺身こんにゃく((株)マルイシフーズ製) 10g
組成は、こんにゃく精粉、クロレラ、水酸化カルシウム、青のり
実施例8 粉末寒天
浸漬したリンゴ搾汁残渣 170g
粉末寒天((株)マルハINA製) 1g
【0058】
比較例2 粉ゼラチン
浸漬したリンゴ搾汁残渣 100g
粉ゼラチン 0.7g
比較例3 小麦粉
浸漬したリンゴ搾汁残渣 100g
小麦粉 小さじ1杯
比較例4 片栗粉(バレイショでんぷん)
浸漬したリンゴ搾汁残渣 100g
片栗粉 小さじ1杯
比較例5 上新粉(うるち米製粉)
浸漬したリンゴ搾汁残渣 100g
上新粉 小さじ1杯
比較例6 結着剤不使用
浸漬したリンゴ搾汁残渣 100g のみ
【0059】
図3〜7はそれぞれ、実施例5、6、7、8のリンゴ搾汁残渣製製シート状体の外観を示す写真図である。これらに図示するように(実施例4については、実施例1と同様のため図示せず)、実施例4〜8はいずれもリンゴ搾汁残渣が良好に結着して、良好なシート状体を得ることができた。ただし実施例8では、加圧・加熱処理工程において、ラミネータに供した後、水分とともに繊維質が広がり穴が形成されて、まとまりの弱い状態が形成されやすい傾向があり、若干の作業上の取扱いにくさがあった。
【0060】
一方、各比較例2〜6では、リンゴ搾汁残渣は結着せず、シート状体が形成されなかった。図7〜11はそれぞれ、比較例2、3、4、5、6のリンゴ搾汁残渣製製シート状体試作結果の外観を示す写真図である。
【0061】
<4.リンゴ搾汁残渣製シート状体による容器その他の製作>
実施例1の製法、もしくはその他の製法により得たシート状体を用いて、あるいはシート状体を形成する過程と同時に、容器その他の製作を試みた。
〈1〉実施例9:コップ状容器
図12は、実施例1によるリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作したコップ状容器の外観を示す写真図である。ただし、加圧・加熱過程は図1−2によった。すなわち、リンゴ搾汁残渣と結着剤による混合物を、市販の紙製コップの外側面および底面に対して広げながら押し付ける(加圧過程)ことによって、目的とする容器の形状を形成し、その後、電子レンジを用いて比較的弱い加熱条件によって処理し(加熱過程)、コップ状容器を製作した。
【0062】
本実施例9は、素材としてリンゴ搾汁残渣製シート状体を得てから、これを二次加工したものではなく、シート状体の形成と目的物である容器への加工を同時に行ったものである。このように、特定の型を用いて、それに対してシート状体を形成する方法によって、任意形状の植物体廃棄物製シート状体を、容易に製造することができる。また、本法によって製造可能な形状は、本実施例に示したような容器には限定されない。たとえば、メガホン、帽子等である。また、型を複数用いてシート状体を形成し、それを後から合わせて製作してもよい。
【0063】
実施例9の方法により製造される容器は、既成の飲料・食品・その他の物品を収容する容器としても、また、焼き菓子や蒸し菓子製造過程においてカップ等として用いるなど菓子等の食品製造用の容器としても、用いることができ、かつ、もちろん食用可能である。具体的な用途としては、たとえば、キャンディ類等を入れる袋、ソフトクリーム容器(コーンの代替)、マドレーヌや蒸し菓子のように通常容器入りで焼かれ提供される菓子製造用、同じく趣味の菓子づくり用、プリンなどのカップ、カステラの底の紙、等である。
【0064】
〈2〉実施例10:紙状体および折り紙風オブジェ
図13は、実施例1により作製したリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作した折り紙様オブジェの外観を示す写真図である。ペーパー状に作製されたシート状体を、通常の折り紙の大きさに切断し、それを用いて、折り紙と同じように折り込む作業を行って、折り鶴のオブジェとした。このように本発明の植物体廃棄物製シート状体は、紙代替品となり得、本例で示した装飾品だけではなく、次の例に示すように、実用品にも応用できる。
【0065】
〈3〉実施例11:封筒
図14は、実施例1により作製したリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作した封筒の外観を示す写真図である。ペーパー状に作製されたシート状体を切断処理し、接着剤を用いて封筒形状とした。なお本例では、接着剤としては瞬間接着剤(α−シアノアクリレート)を用いた。
【0066】
これまで述べたように、本発明の植物体廃棄物製シート状体は食用可能に構成できることが特徴の一つだが、本実施例に示すような合成接着剤を用いた場合は、食用とはならない。しかしながら、かかる応用も、本発明の範囲内である。なお、接着剤としてはデンプン糊等の天然接着剤を用いることも可能であり、可食性の接着剤を用いることによって、本実施例のような場合も、可食性の製品とすることができる。
【0067】
〈4〉実施例12:スリッパ
図15は、実施例1により作製したリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作したスリッパの外観を示す写真図である。厚めに作製されたシート状体を、スリッパの型寸法にしたがって切断処理し、それとは別に細く紐状に切断したものを用いて編むことによって、スリッパとした。このように本発明の植物体廃棄物製シート状体は、布の代替品となり得、本例で示した実用品だけではなく、装飾品にも応用可能である。
【0068】
各実施例に示した他にも、本発明によれば様々な利用方法が可能である。下記はその例である。
(I)食品として、ペーパー状食品。また、それを畳む、折る、折り紙のように細工する、切り紙のように細工する、紙テープ状にする等、アレンジした食品。
(II)食用可能な折り紙、切り紙、紙テープ等。
(III)食器としては、皿、深皿、コップ、酒器、他。
(IV)食器以外の容器としては、箱、筒、他。
(V)紙・布・不織布の代替製品としては、しおり、名刺、ペナント、葉書、帽子、他。
(VI)クッキングペーパー、紙タオルの代替。
(VII)さらに布の代替製品としては、衣服、テント、他。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の植物体廃棄物製シート状体およびその製造方法によれば、廃棄物を用いて食用可能かつ広い範囲で応用可能な、付加価値の高い素材を提供できる。廃棄物の有効利用として画期的であり、新規事業・産業の創出とその拡大が大いに期待でき、関連する種々の産業分野において利用性が極めて高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の植物体廃棄物製シート状体製造方法の構成を示すフロー図である。
【図1−2】本発明の植物体廃棄物製シート状体製造方法の別の構成を示すフロー図である。
【図1−3】本発明の植物体廃棄物製シート状体製造方法のまた別の構成を示すフロー図である。
【図2】実施例1のリンゴ搾汁残渣製製シート状体の外観を示す写真図である。
【図3】実施例5のリンゴ搾汁残渣製製シート状体の外観を示す写真図である。
【図4】実施例6のリンゴ搾汁残渣製製シート状体の外観を示す写真図である。
【図5】実施例7のリンゴ搾汁残渣製製シート状体の外観を示す写真図である。
【図6】実施例8のリンゴ搾汁残渣製製シート状体の外観を示す写真図である。
【図7】比較例2のリンゴ搾汁残渣製製シート状体試作結果の外観を示す写真図である。
【図8】比較例3のリンゴ搾汁残渣製製シート状体試作結果の外観を示す写真図である。
【図9】比較例4のリンゴ搾汁残渣製製シート状体試作結果の外観を示す写真図である。
【図10】比較例5のリンゴ搾汁残渣製製シート状体試作結果の外観を示す写真図である。
【図11】比較例6のリンゴ搾汁残渣製製シート状体試作結果の外観を示す写真図である。
【0071】
【図12】実施例1によるリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作したコップ状容器の外観を示す写真図である。
【図13】実施例1により作製したリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作した折り紙様オブジェの外観を示す写真図である。
【図14】実施例1により作製したリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作した封筒の外観を示す写真図である。
【図15】実施例1により作製したリンゴ搾汁残渣製シート状体製法を用いて製作したスリッパの外観を示す写真図である。
【符号の説明】
【0072】
1…搾汁残渣等廃棄物
2…結着剤
3…混合物
4、24、34…シート状体
P1…混合過程
P2…加圧過程
P3…加熱過程
P23…同時加圧・加熱過程



【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物体からの廃棄物と、該廃棄物中の繊維同士を結着する可食性の結着剤とを含んでなる、植物体廃棄物製シート状体。
【請求項2】
植物体からの搾汁残渣と、該搾汁残渣中の繊維同士を結着する可食性の結着剤とを含んでなる、植物体廃棄物製シート状体。
【請求項3】
前記結着剤は、複合多糖類、または複合多糖類を成分とするものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の植物体廃棄物製シート状体。
【請求項4】
前記結着剤は、こんにゃく、寒天またはこれらのいずれかの成分物質のうち、少なくともいずれか一つを用いるものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の植物体廃棄物製シート状体。
【請求項5】
前記植物体はリンゴその他の果汁を搾汁可能な果実、またはニンジンその他の野菜汁を搾汁可能な野菜であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体。
【請求項6】
前記廃棄物または搾汁残渣に対して前記結着剤は、5重量%以上含まれていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体。
【請求項7】
植物体からの廃棄物と、該廃棄物中の繊維同士を結着させる結着剤とを混合する混合過程と、該混合過程により得られる混合物がシート状に形成されるように圧する加圧過程とを経てシート状体を得る、植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項8】
植物体からの搾汁残渣と、該搾汁残渣中の繊維同士を結着させる結着剤とを混合する混合過程と、該混合過程により得られる混合物がシート状に形成されるように圧する加圧過程とを経てシート状体を得る、植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項9】
前記結着剤は、複合多糖類、または複合多糖類を成分とするものであることを特徴とする、請求項7または8に記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項10】
前記結着剤は、こんにゃく、寒天またはこれらのいずれかの成分物質のうち、少なくともいずれか一つを用いるものであることを特徴とする、請求項7または8に記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項11】
前記植物体はリンゴその他の果汁を搾汁可能な果実、またはニンジンその他の野菜汁を搾汁可能な野菜であることを特徴とする、請求項7ないし10のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項12】
前記混合過程において、前記結着剤はこんにゃくであり、前記廃棄物または前記搾汁残渣に対して該結着剤は5重量%以上混合されることを特徴とする、請求項7ないし11のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項13】
前記加圧過程と並行して、または前記加圧過程の後に、前記混合物を加熱する加熱過程が設けられることを特徴とする、請求項7ないし12のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項14】
前記加熱過程では、前記混合物に対して40℃以上の加熱がなされることを特徴とする、請求項13に記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。
【請求項15】
前記加圧過程にはラミネータを用いることを特徴とする、請求項7ないし14のいずれかに記載の植物体廃棄物製シート状体の製造方法。


【図1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−240253(P2009−240253A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92379(P2008−92379)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(508098648)
【Fターム(参考)】