説明

植物性原料の可塑化装置

【課題】植物性原料の可塑化を安定して実行させる可塑化装置を提供する。
【解決手段】植物性原料を成形する可塑化装置であって、植物性原料を攪拌して加熱筒12内へ押出す原料供給装置26と、加熱筒12内に嵌挿されデコンプレッションゾーンを備えるとともにサーモパイプ23により前部の温度を降下させるようにしたスクリュ14とを有し、原料供給装置26は、押出し手段28の上方に攪拌手段27が設けられ、スクリュ14の圧縮比(H1/H2)は0.85〜0.95の範囲であり、スクリュ14のリード37部分における全長(L)と直径(D)との比は17〜23の範囲であり、スクリュ14に設けられたサーモパイプ23はスクリュ14の先端に設けた突出部材の中心穿孔43まで延長して挿入され、加熱筒12の温度制御は加熱筒12に設けた通路に熱媒体を循環させて行われ、加熱筒12の温度制御は3〜5ゾーンに分割して行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性原料を射出成形又は押出し成形する可塑化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天然素材を用いた射出成形が実用化されつつある(例えば、特許文献1参照。)。天然素材とは、例えば、木粉と、その繊維を相互に接着し強化させる植物性の結合剤と、可塑性と流動性を現出させる可塑剤としての水とを適宜な割合で混合し混錬した粉末状のものである(以下植物性原料という。)。この植物性原料は、結合剤の量が最少に制限されかつ水分が加えられているので、従来のプラスチック原料のようにペレット化することは困難であって、かさばりが大きくふわふわとした粉末状である。そのため、植物性原料を従来の漏斗状のホッパにより自然落下させて加熱筒に供給することは困難で不安定であった。そこで、特許文献1では、漏斗状容器によっては自然落下しない原料を強制的に射出装置へ搬送する搬送手段として横断面積が一定かもしくは下方に拡大する垂直な有底筒形状のホッパと、該ホッパの底部に設けた搬送スクリュとを備えたのである。しかしながら、その効果は十分ではなかった。
【0003】
また、特許文献1におけるような1以上の圧縮比を有するスクリュにより可塑化する場合は、加熱筒内でのスクリュによる植物性原料のいわゆる原料の食込みが十分ではないとともに発熱が過大となって、極端な場合、植物性原料が加熱筒内で滞留して劣化・分解することもあった。
【特許文献1】特開2004−114509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、植物性原料の可塑化を安定して実行させる可塑化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1の発明は、植物性原料を射出成形又は押出し成形する可塑化装置であって、植物性原料を攪拌して加熱筒内へ押出す原料供給装置と、前記加熱筒内に嵌挿されサーモパイプにより前部の温度を降下させるようにしたスクリュとを有することを特徴とする可塑化装置に係る。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、前記原料供給装置は、押出し手段の上方に攪拌手段を設けたものである可塑化装置に係る。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1において、前記スクリュに設けられた前記サーモパイプは、スクリュの先端に設けた突出部材の中心穿孔まで延長して挿入される可塑化装置に係る。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1において、前記スクリュは、デコンプレッションゾーンを備える可塑化装置に係る。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4において、前記スクリュのデコンプレッションゾーンの圧縮比は、0.85〜0.95の範囲である可塑化装置に係る。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1において、前記スクリュのリード部分における全長(L)と直径(D)との比は、射出成形では17〜25、押出し成形では20〜35の範囲である可塑化装置に係る。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1において、前記加熱筒の温度制御は、加熱筒に設けた通路に熱媒体を循環させて行われる可塑化装置に係る。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1において、前記加熱筒の温度制御は、3〜5ゾーンに分割して行われる可塑化装置に係る。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明は、植物性原料を射出成形又は押出し成形する可塑化装置であって、植物性原料を攪拌して加熱筒内へ押出す原料供給装置と、前記加熱筒内に嵌挿されサーモパイプにより前部の温度を降下させるようにしたスクリュとを有するので、植物性原料の可塑化を安定して速く実行させることができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1において、前記原料供給装置は、押出し手段の上方に攪拌手段を設けたので、植物性原料を効果的に加熱筒へ供給することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1において、前記スクリュに設けられた前記サーモパイプは、スクリュの先端に設けた突出部材の中心穿孔まで延長して挿入されるので、植物性原料の加熱筒前部での発熱を効果的に低下させることができる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1において、前記スクリュは、デコンプレッションゾーンを備えるので、植物性原料の可塑化に際して、発熱を防止するとともに可塑化の時間が短縮される。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4において、前記スクリュのデコンプレッションゾーンの圧縮比は、0.85〜0.95の範囲であるので、植物性原料の加熱筒での発熱をより効果的に低減できるとともに可塑化の時間をより短縮することができる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1において、前記スクリュのリード部分における全長(L)と直径(D)との比は、射出成形では17〜25、押出し成形では20〜35の範囲であるので、植物性原料の加熱筒での搬送が速く安定して行われる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1において、前記加熱筒の温度制御は、加熱筒に設けた通路に熱媒体を循環させて行われるので、均一な温度制御と吸熱作用により植物性原料の可塑化が安定して行われる。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1において、前記加熱筒の温度制御は、3〜5ゾーンに分割して行われるので、植物性原料の可塑化が安定して行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明を実施する可塑化装置の縦断面図、図2は図1におけるスクリュの説明図、図3は図1における逆止弁部分の拡大部分断面図である。
【0022】
図1に示すように、可塑化装置10は、ハウジング24と、ハウジング24の貫通孔に挿通して固着された加熱筒12と、加熱筒12の内孔に回転・往復動自在に嵌挿されたスクリュ14と、加熱筒の後部に設けた原料落下口36に連通するようにハウジング24の上面に立設した原料供給装置26とを備える。
【0023】
ハウジング24は、可塑化装置10が射出成形機として用いられるときは、加熱筒12の前方に設けた図示しない型締装置に近接・離隔移動可能に構成されるとともに、加熱筒12から突出したスクリュ14の後端部は、図示しないスクリュ回転駆動装置とスクリュ前後進駆動装置に接続される。また、ハウジング24は、可塑化装置10が押出し成形機として用いられるときは、固定的に設置されるとともに、加熱筒12から突出したスクリュ14の後端部は、図示しないスクリュ回転駆動装置に接続される。
【0024】
加熱筒12は、その前端面に螺着したノズル11を有する。ノズル11は、図3に示すように、ノズルチップと本体に二分してもよい。加熱筒12は、その外周面に多条の溝が刻設され、その溝を円筒状のカバー15,16,17,18,19で液密に覆うことにより形成される熱媒流路22を有する。但し、加熱筒12の最前部においては、軸方向に穿孔した複数の熱媒孔20が連通するように形成されている。これらカバー15,16,17,18,19で区分された熱媒孔20と熱媒流路22は、それぞれ二の熱媒口21を有しており、一方の熱媒口21から他方の熱媒口21へ熱媒体が流通するように構成されている。熱媒口21には図示しない熱媒温調器が、カバー15,16,17,18,19で区分された区分毎に接続されて、区分毎に任意の温度設定がなされ、フィードバック制御により温度制御が行われる。このため、バンドヒータによる加熱制御と比較して、局部加熱が回避できるとともに、スクリュ14の回転により発生する植物性原料の発熱を吸収することができ、安定な可塑化に寄与する。また、熱硬化性プラスチック原料の可塑化装置で常用されている上記熱媒体による温度制御の制御区分数は2〜3であるのに対し、本発明の可塑化装置の温度制御区分数は5である。温度制御区分数は、多いほどきめ細かい制御が可能となるが、コストとの兼ね合いによりこの区分数は3〜5であることが好ましい。なお、この区分数には加熱筒12の後部におけるハウジング24に挿入された部分は含んでいない。この部分は、ハウジング24に穿孔された冷却通路25に水等の熱媒体を流通させて別途に温度制御される。
【0025】
原料供給装置26は、漏斗状であってその下部先端部に設けた円筒状部が原料供給口36に連通するようにハウジング24に立設された容器29と、容器29の上部開口面を閉鎖するように固着された蓋32と、蓋32の上面中央部に出力回転軸が位置するように設けられた減速機付きのモータ31と、蓋の上面に設けられ下部開口が容器29の内部に向かうホッパ30と、モータ31の出力回転軸に固着され蓋32を貫通して容器29の内部へ延長する駆動軸33と、駆動軸33に二箇所で支持され容器29の漏斗状の傾斜面に近接して漏斗状の軌跡を描いて回転する攪拌棒34と駆動軸33に二箇所で支持され容器29の漏斗状の傾斜面と駆動軸33との中間域で漏斗状の軌跡を描いて回転する攪拌棒35とからなる攪拌手段27と、駆動軸33の下部端面に固着され容器29の下部先端部に設けた円筒状部に嵌挿される押出し手段28とからなる。押出し手段28は、図1に示すように、スクリュ形状のものが好適に用いられるが、往復動するプランジャ等で構成してもよい。また、攪拌手段27として攪拌棒34,35を例示したが、その断面形状は丸に限らず多角形やL字状等を採用してもよく、それらの数や容器29内の位置は任意に変更可能である。
【0026】
図1及び図2に示すように、スクリュ14は、貫通孔39を有する丸棒であるスクリュ軸38の外周面に螺旋状に連続するリード37を立設させた形態のものである。リード37は、原料供給口36に近い側の始端から、ノズル11に近い側の終端まで全長Lの長さを有する。リード37の直径Dは、加熱筒12の内孔の直径より僅か小さく形成されている。スクリュ軸38の直径は、リード37の始端から長さL1までは連続して縮径され、長さL1を越してリード37の終端までの長さL2の間はL1の終端と同一の直径である。すなわち、リード37の始端における高さH1は、リード37のL1の終端における高さH2よりも僅か小さくなっている。したがって、従来のプラスチック等の原料を可塑化する可塑化装置におけるスクリュは、リードの始端から終端に向かってリードの高さが次第に低くなるようにし、フィードゾーン、コンプレッションゾーン及びメータリングゾーンが形成されるのに対して、本発明の可塑化装置におけるスクリュ14は、デコンプレッションゾーンを備えたものといえる。高さH1と高さH2との比は、圧縮比と称されるものであるが、本発明のスクリュ14においては1以下となり、効果の良好な実施例では、0.91であった。圧縮比の好ましい範囲は、0.85〜0.95である。なお、長さL1と長さL2との比は任意であり、長さL2部分を有しない場合もある。また、長さL2に相当する部分をリードの始端側に設けるように構成してもよい。また、デコンプレッションゾーンは、植物性原料の可塑化に際しては、発熱を防止するとともに、可塑化時間を短縮する効果も有する。
【0027】
ところで、スクリュ14の全長Lとリード37の直径Dとの比は、スクリュの可塑化における能力の指標として従来から重要視されている。一般に熱可塑性プラスチック原料では、スクリュが長くてL/Dの値が大きい程原料の食込みが良好となり可塑化に要する時間が短縮されるので、L/Dは射出成形では17以上、押出し成形では20以上が採用されている。一方、熱硬化性プラスチック原料では、原料の可塑化特性の相違と加熱筒内での硬化を防ぐため、L/Dは16〜17と比較的小さい。本発明に用いる植物性原料は、熱硬化性プラスチック原料の可塑化温度とほぼ同等の70〜120℃で可塑化可能であるにもかかわらず、熱可塑性プラスチック原料の特性に類似した特性を有するので、押出し効率の向上と経済性との兼ね合いも考慮して、本発明のスクリュ14のL/Dは、射出成形では17〜25、押出し成形では20〜35が好ましい。
【0028】
可塑化装置10が射出成形機に用いられる場合、スクリュ14の先端面には、図1及び図3に示すように、突出部材としての逆止弁13が螺着されている。逆止弁13は、ノズル11の内部円錐状面に倣った円錐状の先端とそれから突設した軸部を備え該軸部から円錐状の先端近傍まで穿孔した中心穿孔43を有するスクリュヘッド42と、スクリュヘッド42の軸部を遊貫するリングバルブ41と、スクリュヘッド42の軸部をスクリュ14の前端部に螺着するときリングバルブ41との間に介在されるウエアプレート40とからなる。リングバルブ41は、スクリュヘッド42の円錐状部とウエアプレート40との間を移動可能である。可塑化工程では、溶融原料の圧力により、リングバルブ41がスクリュヘッド42の円錐状部側に移動し、溶融原料は容易にスクリュヘッド42の前方へ流動する。スクリュヘッド42の前方へ流動した溶融原料は、ノズル11の先端が図示しない金型に当接して閉塞されているので、圧力が発生してスクリュヘッド42を押圧しスクリュ14を後退させる。そして、加熱筒12内孔の逆止弁13前方には溶融原料が貯留される。射出工程では、図示しないスクリュ前後進駆動装置によりスクリュ14が前進駆動され、前記の溶融原料が加圧されてリングバルブ41がウエアプレート40に当接するように移動し、溶融原料の逆流が阻止されて溶融原料の射出が良好に行われる。
【0029】
逆止弁13はリングバルブ41のような可動部を有し、この可動部が過熱されて植物性原料に焼けを生じさせることがある。そのため、逆止弁13に代えて可動部を有しないスミヤヘッドを採用する場合がある。スミヤヘッドは、逆止弁13の外形に類似した形状の突出部材であり、その外周面は、加熱筒12の内壁との間に適宜な間隙を形成し、溶融原料に対する絞り効果と混錬効果を有するとともに、実質的に十分な逆流防止効果を有する。なお、可塑化装置10が押出し成形機として用いられる場合は、逆止弁13は必要としないが、スクリュ14の先端面には、ノズル11に代えて設けたダイス等の内面形状に応じて形成される逆止弁13の外形に類似した突出部材が設けられる。このときも、前記突出部材の先端近傍まで中心穿孔43のように穿孔を設けることが好ましい。
【0030】
スクリュ14の貫通孔39とスクリュヘッド42の中心穿孔43とは同一の内径を有し、スクリュヘッド42をスクリュ14の先端部に螺着したとき、両者は直線状に連通する。この連通孔には、スクリュ14の後端面からサーモパイプ23が挿入されている。サーモパイプ23の長さは、中心穿孔43の底からリード37の始端近傍までの距離に相当するものである。リード37の始端近傍からスクリュ14の後端面まではサーモパイプ23ではない他の適宜な棒部材が挿入され、スクリュ14の後端面においてプラグ等で封止される。サーモパイプ23の挿入部分には熱媒油等が封入され、サーモパイプ23の表面と中心穿孔43・貫通孔39との熱伝導が均一かつ良好に行われるようにしている。サーモパイプ23は、熱量の伝導を極めて速く行うため、スクリュ14の前部、特には突出部材において多く発生する熱量をスクリュ14の後部へ速やかに伝導して、植物性原料の過熱を抑制して植物性原料の劣化や分解を防止する。
【0031】
次に、可塑化工程の作動について詳述する。まず別途用意した植物性原料をホッパ30に投入する。植物性原料は、木粉等と、その繊維を相互に接着し強化させる澱粉等の植物性の結合剤と、可塑性と流動性を現出させる水とを適宜な割合で混合し混錬した粉末状の天然素材のものである。植物性原料は、容易に自然落下しないので、原料供給装置26では、攪拌手段27により効果的に攪拌されて下方に搬送される。そして、植物性原料は、攪拌手段27の下方に設けられた押出し手段28により原料供給口36から加熱筒12の内孔へ強制的に搬送される。
【0032】
加熱筒12の内孔に供給された植物性原料は、スクリュ14のリード37により前方へ可塑化されつつ搬送されるが、このときの発熱により、植物性原料に含有されている水分のガス化が促進される。この現象は、水分量を最適に制御することによりある程度抑制できるが、皆無にはできない。また、加熱筒12の温度制御区分の温度設定が加熱筒12の後部から前部にかけて、例えば、70℃、80℃、90℃、100℃、120℃のようになされるので、前記のガス化は加熱筒12の前部において多く発生する。
【0033】
そこで、上記のように、スクリュ14においてはそのL/Dを熱可塑性プラスチック原料用に相当する程度に大きくしデコンプレッションゾーンを設けるとともにサーモパイプを設け、加熱筒12においてはその温度制御を熱媒体により行うとともに熱可塑性プラスチック原料用に相当する程度の多区分に分割したのである。これらの総合効果により、植物性原料は加熱筒12内で過熱することなく安定して可塑化され溶融原料となる。
【0034】
このようにして得られた溶融原料は、射出成形であれば加熱筒12の前部に貯留され、次の射出工程で逆止弁13により逆流が阻止されてプランジャとして作用するスクリュ14により、図示しない金型へ射出・充填される。また、可塑化中の溶融原料は、押出し成形であればノズル11に代えて設けられたダイス等から押出されて賦形される。
【0035】
なお、本発明は、当業者の知識に基づいて様々な変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものを含む。また、前記変更等を加えた実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りいずれも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を実施する射出装置の縦断面図である。
【図2】図1におけるスクリュの説明図である。
【図3】図1における逆止弁部分の拡大部分断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 可塑化装置
12 加熱筒
13 逆止弁
14 スクリュ
20 熱媒孔
22 熱媒流路
23 サーモパイプ
24 ハウジング
26 原料供給装置
27 攪拌装置
28 押出し装置
37 リード
38 スクリュ軸
39 貫通孔
43 中心穿孔
L リードの全長
L1 デコンプレッションゾーンの長さ
D リードの直径
H1 リード始端の高さ
H2 リード終端の高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性原料を射出成形又は押出し成形する可塑化装置であって、
植物性原料を攪拌して加熱筒内へ押出す原料供給装置と、前記加熱筒内に嵌挿されサーモパイプにより前部の温度を降下させるようにしたスクリュとを有することを特徴とする可塑化装置。
【請求項2】
前記原料供給装置は、押出し手段の上方に攪拌手段を設けたものである請求項1に記載の可塑化装置。
【請求項3】
前記スクリュに設けられた前記サーモパイプは、スクリュの先端に設けた突出部材の中心穿孔まで延長して挿入される請求項1に記載の可塑化装置。
【請求項4】
前記スクリュは、デコンプレッションゾーンを備える請求項1に記載の可塑化装置。
【請求項5】
前記スクリュのデコンプレッションゾーンの圧縮比は、0.85〜0.95の範囲である請求項4に記載の可塑化装置。
【請求項6】
前記スクリュのリード部分における全長(L)と直径(D)との比は、射出成形では17〜25、押出し成形では20〜35の範囲である請求項1に記載の可塑化装置。
【請求項7】
前記加熱筒の温度制御は、加熱筒に設けた通路に熱媒体を循環させて行われる請求項1に記載の可塑化装置。
【請求項8】
前記加熱筒の温度制御は、3〜5ゾーンに分割して行われる請求項1に記載の可塑化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−1122(P2007−1122A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183304(P2005−183304)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000155159)株式会社名機製作所 (255)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】