説明

検出器モジュール、検出器およびコンピュータ断層撮影装置

【課題】信号処理電子回路装置を配置するための十分なスペースが検出器面の近くに存在するようにする。
【解決手段】検出素子のアレイおよび第1のプリント回路基板(12)を備え、検出素子のアレイが第1のプリント回路基板(12)の一方の側に配置され、第1のプリント回路基板(12)が少なくとも1つの凹部(15)を有し、凹部(15)内に信号処理に用いられる少なくとも1つの電子デバイス(16)が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出素子のアレイおよびプリント回路基板を有する検出器モジュールに関する。更に、本発明はこの種の検出器モジュールを有する検出器およびコンピュータ断層撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線源およびX線検出器を有するX線装置、例えばコンピュータ断層撮影装置を用いた画像化法においては、例えば患者の周りにおけるX線システムの一回転で患者の心臓の如き器官の全体を走査することができるように、画像取得に使用できるX線検出器の検出器面をできるだけ大きく構成する努力がなされている。平面型検出器と呼ばれるこの種のX線検出器は、一般に2次元に並べられた多数の検出器モジュールから構成される。各検出器モジュールは、例えば、互いに位置合わせされかつ検出器モジュールの検出素子を形成するシンチレータアレイおよびフォトダイオードアレイを有する。シンチレータアレイのシンチレータ素子は入射するX線を可視光線に変換し、可視光線がフォトダイオードアレイのフォトダイオードによって電気信号に変換される。
【0003】
平面型検出器の組立時の問題は検出器モジュールのフォトダイオードの電気的接続であることが分かっている。個々の検出器モジュールが前後に並べられて円弧上に配置されて組み立てられたX線検出器においては、信号処理電子回路装置を側方に配置することができ、もしくはモジュールのフォトダイオードの電気的接続に用いるケーブルを信号処理電子回路装置を有するプリント回路基板に対して側方に延ばすことができるのに対して(例えば、特許文献1参照)、平面型検出器の場合この構造はもはや不可能である。なぜならば、検出器モジュールの2次元配置によって側方に自由空間が存在しないからである。この場合に、検出器モジュールの検出素子から供給された測定信号を信号処理するための電子回路装置は、測定技術上の理由からできるだけ検出素子の近くに配置すべきであるが、検出器モジュールの検出面よりも2〜4倍も大きい占有面積を要求する。この理由から、信号処理電子回路装置を有する検出器モジュールを垂直方向に構成することが必要であるように思われる。
【0004】
いわゆるエレメントモジュールをそれぞれ含む多数の検出器モジュールが並べられている平面型検出器の構造は知られている(例えば、特許文献2参照)。検出器のエレメントモジュールは垂直構造を有し、すなわち、シンチレータ、フォトダイオード、信号処理電子回路装置を有する基板およびモジュールベース板を含むエレメントモジュールの構成要素が垂直に重ね合わされて配置されている。
【0005】
検出器モジュールのこの種の垂直構造の場合には更に良好な熱排出が考慮されなければならない。さもなければ信号処理電子回路装置の動作中の少なからぬ熱発生が電子回路装置の損傷をひき起こすことがあるからである。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0029463号明細書
【特許文献2】米国特許第6396898号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、冒頭に述べた検出器モジュールを、平面型検出器の組立が可能でありかつ信号処理電子回路装置を配置するための十分なスペースが検出器面の近くに存在するように構成することにある。本発明の他の課題は、この種の検出器モジュールから組み立てられた検出器およびかかる検出器を有するコンピュータ断層撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、検出器モジュールに関する課題は、検出素子のアレイおよび第1のプリント回路基板を備え、検出素子のアレイが第1のプリント回路基板の一方の側に配置され、第1のプリント回路基板が少なくとも1つの凹部を有し、凹部内に信号処理に用いられる少なくとも1つの電子デバイスが配置されていることによって解決される。従って、検出器モジュールの垂直構造が提案される。第1のプリント回路基板に凹部を設けることは、プリント回路基板を枠状構造に構成することに等しくなり、信号処理のための電子デバイスを凹部内に配置して保護するという前提がもたらされる。検出素子のアレイおよび第1のプリント回路基板は通常外側に向かって面一になっているので、全側面で2次元の並列配置が可能である。
【0008】
第1のプリント回路基板のこの実施態様により、本発明による一変形に基づいて、検出器モジュールの垂直構造の継続として第1のプリント回路基板の下側に第2のプリント回路基板を配置することができる。第2のプリント回路基板は、同様に少なくとも1つの凹部を有し、この凹部内に信号処理のための少なくとも1つの電子デバイスが配置されている。プリント回路基板の凹部内に信号処理電子デバイスを配置することによって、信号処理電子デバイスに必要な占有スペースに応じて、複数のこの種のプリント回路基板を上下に重ねて配置することができる。プリント回路基板のこの実施態様によって、検出器モジュールのコンパクトな安定な構造が達成され、検出素子の近くに信号処理電子回路装置を配置するために十分なスペースが使用できる。
【0009】
本発明の変形に従って、凹部が直方体状またはスリット状に形成されているとよく、後者は簡単なフライス削りによって作ることができる。
【0010】
本発明の実施態様によれば、第1および第2のプリント回路基板は、電気信号が一方のプリント回路基板から他方のプリント回路基板へ伝達可能であるように互いに接続されている。本発明の一変形によれば、両プリント回路基板の相互の電気的接続が枠状のプラグによって行なわれるので、付加的な接続ケーブルなしに両プリント回路基板間で電気信号の伝達を行なうことができる。これは、明確な外形を有する検出器モジュールのコンパクトな構造を可能にするので、この種の複数の検出器モジュールを簡単に平面状に並列配置することができる。プリント回路基板間で電気信号が伝達されることに関して、この伝達は、検出素子のアレイによって測定された信号の伝達のみならず、供給電流または供給電圧の伝達ならびに場合によってはプリント回路基板上に存在する電子デバイスのための制御信号の伝達も意味している。
【0011】
本発明の変形によれば、第1のプリント回路基板の凹部および/または第2のプリント回路基板の凹部内に少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)が凹部から突出しないように配置されているので、プリント回路基板の面一の重ね配置を行なうことができる。更に、凹部内に配置された他の電子デバイスも、それぞれの凹部から突出しないように配置されている。
【0012】
好ましくは、一方のプリント回路基板の凹部内に配置されたASICは、プリント回路基板の表面とほぼ面一になる。本発明の変形に従って第1のプリント回路基板と第2のプリント回路基板との間に、熱良導性材料を有する間挿板が配置されているので、ASICを間挿板と接触させるか、もしくASICを間挿板に配置することができるので、検出器モジュールもしくはASICの動作時に発生した放出熱は間挿板を介して排出することができる。本発明の実施態様によれば、間挿板は金属、例えば銅またはアルミニウムからなる。
【0013】
本発明の他の変形によれば、検出器モジュールが、同様に熱良導性材料を有する担持板上に配置されている。担持板は、銅のような熱良導性材料の被覆を施されてもよいが、完全にこの種の材料から作ることもできる。検出器モジュールの動作時に発生した熱を担持板を介して検出器モジュールから良好に排出できるようにするために、本発明の実施態様によれば、検出器モジュールが適切な熱良導性の接続手段により担持板に固定されている。担持板に検出器モジュールを固定するための適切な接続手段としては、本発明の一変形によれば、金属材料からなるねじが有効であることが分かった。従って、間挿板、接続手段および担持板を通して、検出器モジュールの動作時に発生する放出熱の排出を行なうことができる。
【0014】
本発明の実施態様によれば、検出素子のアレイがX線を直接変換する検出素子のアレイであってよい。しかし、検出素子のアレイは互いに相対的に位置合わせされた1つのシンチレータアレイおよび1つのフォトダイオードアレイを有するとよい。
【0015】
更に、本発明の実施態様によれば、定められた空間方向のX線のみを検出素子のアレイへ到達させるために、検出素子のアレイの上にコリメータが配置されている。
【0016】
検出器に関する課題は、複数の上述の検出器モジュールを有するX線用の検出器によって解決される。この場合に、複数の検出器モジュールが1つの担持板上に配置されると好ましい。本発明の実施態様によれば、担持板は、複数の検出器モジュールが前後に並べられて担持板上に配置されているように構成されている。平面型検出器を構成するために、最終的には検出器モジュールを有する複数の担持板が並んで配置される。検出器がコンピュータ断層撮影装置のために設けられる場合には、コンピュータ断層撮影装置のシステム軸線の方向に向けられた検出器モジュールを備えた担持板が、検出器円弧体上にφ方向に並んで配置されるので、円筒部分面に検出器モジュールが装備される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施例が添付の概略図面に示されている。
図1は部分的にブロック図を含む概略図でコンピュータ断層撮影装置を示し、
図2は断面図で図1のコンピュータ断層撮影装置の検出器モジュールを示し、
図3は分解斜視図で図2の検出器モジュールを示し、
図4および図5は平面図で凹部を有するプリント回路基板を示す。
【0018】
図1には部分的にブロック図を含む概略図でコンピュータ断層撮影装置1が示されている。コンピュータ断層撮影装置1はX線源2を含み、X線源2の焦点FからX線ビーム3が出射する。X線ビーム3は図1に示されていない公知の絞りにより例えばファン状またはピラミッド状に形成される。X線ビーム3は、検査すべき検査対象4を透過し、X線検出器5に入射する。X線源2およびX線検出器5は、図1に示されていないが、互いに対向するようにコンピュータ断層撮影装置1の回転枠に配置されている。その回転枠はコンピュータ断層撮影装置1のシステム軸線Zを中心にφ方向に回転可能である。コンピュータ断層撮影装置1の動作時に、回転枠に配置されたX線源2およびX線検出器5が検査対象4の周りを回転し、種々の投影方向から検査対象4のX線撮影画像が得られる。投影ごとに検査対象4を通り抜けその検査対象4の通り抜けによって減弱されたX線がX線検出器5に入射する。X線検出器5は入射するX線の強度に対応する信号を発生する。X線検出器5により求められた信号から画像コンピュータ6が公知のように検査対象4の1つ又は複数の2次元または3次元の画像を算出し、その画像は表示装置7に表示可能である。
【0019】
X線検出器5は、本実施例の場合、円筒部分面である検出器円弧体29上にφ方向およびZ方向に並べられて配置されている多数の検出器モジュール8を有し、平面型のX線検出器5を形成している。
【0020】
図2にX線検出器5の検出器モジュール8が典型例にて断面図で示されている。検出器モジュール8は垂直構造を有し、シンチレータアレイ10がフォトダイオードアレイ11上に配置されている。シンチレータアレイ10の上側にはコリメータ9が存在するので、X線は定められた空間方向からのみシンチレータアレイ10へ到達することができる。シンチレータアレイ10は構造化されており、それに従って多数の詳しくは図示されていないシンチレータ素子を含む。これらのシンチレータ素子はそれぞれ、多数のフォトダイオードを含むフォトダイオードアレイ11の1つのフォトダイオードに付設されている。シンチレータアレイ10およびフォトダイオードアレイ11は互いに相対的に位置合わせされかつ互いに接着されている。従って、シンチレータアレイ10およびフォトダイオードアレイ11はX線用の検出素子のアレイを形成し、しかも1つの検出素子は1つのシンチレータ素子と1つのフォトダイオードとを有する。
【0021】
フォトダイオードアレイ11は、本実施例の場合、第1のプリント回路基板12上に配置されている。プリント回路基板12は、フォトダイオードアレイ11側に、図3から分かるように、ハンダ領域13いわゆるハンダパッドを有する。フォトダイオードアレイ11のフォトダイオードは、この実施例ではHTCC担持材料(HTCC=High Temperature Cofired Ceramic、高温焼成セラミック)上に配置され、ハンダ玉14を介してHTCC担持材料の下側でプリント回路基板12のハンダ領域13と電気的に接続されている。
【0022】
プリント回路基板12は、この実施例の場合、フォトダイオードアレイ11とは反対側に、例えばフライス削りによって作成可能である直方体状の凹部15を有する。凹部15は、凹部が縁部によって取囲まれもしくは閉じ込められ、それによりプリント回路基板12がいわば枠状の構造を有するように、構成されているとよい。しかし、凹部は、凹部が縁部の2つの側面では覆われ2つの側面では開放されているように、スリット状に実施されていてもよい。後者の変形例は凹部の製作に関していえば有利である。凹部の上述の両実施形態が図4および図5に平面図で示されている。凹部15の底は明確に示されていないが導体路を備えている。プリント回路基板12の凹部15内には、フォトダイオードから供給された測定信号を処理するために必要な電子デバイスが配置され、電子デバイスは電気的接続のために個々の導体路に接続されている。凹部15内の導体路は、明確に示されていない方法で、スルーホールによりプリント回路基板12を貫通してハンダ領域13に電気的に接続されている。信号処理のための電子デバイスは、特に少なくとも1つのASIC16を含むが、しかし、例えば供給電圧の安定化のためのコンデンサ、増幅器回路などのような明確に示されていない他のデバイスも含む。凹部15内の電子デバイスは、凹部15から突出しないように配置されているので、凹部15は電子デバイスのための保護作用を有する。
【0023】
更に、プリント回路基板12の凹部15は他のプリント回路基板を簡単な方法でプリント回路基板12の下側に配置することを可能にする。これはしばしば必要である。なぜならば、冒頭に述べたように、フォトダイオードから供給された測定信号を信号処理するための電子回路装置は、測定技術上の理由からできるだけフォトダイオードの近くに配置すべきであるが、検出器モジュール8自体の検出器面よりも2〜4倍大きい占有面積を要求するからである。従って、この実施例の場合、プリント回路基板12の下側に第2のプリント回路基板17が間挿板18を介して配置されている。第2のプリント回路基板17も、第1のプリント回路基板12の凹部15と同じように構成された凹部19を有する。第2のプリント回路基板17の凹部19内には、同様に導体路および信号処理用の電子デバイスがあり、それらにはこの実施例の場合2つのASIC20,21がある。電子デバイスは同様に凹部19から突出しないように凹部19内に配置されているので、凹部19は電子デバイスのための保護作用を有する。
【0024】
第1のプリント回路基板12においても第2のプリント回路基板17においても、図示されていない方法で導体路は、それぞれのプリント回路基板12,17の縁部に導かれている。プリント回路基板12,17の相互の電気的接続は、両プリント回路基板12,17の縁部側の導体路間に案内された接続ケーブルを介してまたは好ましくは枠状のプラグ22を介して行なわれる。このために、プリント回路基板12,17の互いに向かい合った側は、両側に差込み接触部を有する枠状のプラグ22の差込み接触部とそれぞれ協動する差込み接触部23を有する。第2のプリント回路基板17の差込み接触部23が図3において認識できる。
【0025】
検出器モジュール8自体の電気的接続のために、この実施例の場合には、第2のプリント回路基板17が接続ケーブル24を有する。接続ケーブル24は、第2のプリント回路基板17を貫通する図示されていないスルーホールを介して第2のプリント回路基板17の導体路に電気的に接続され、そして枠状のプラグ22を介して第1のプリント回路基板12にも電気的に接続されている。それに従ってフォトダイオーから発生された測定信号が2つのプリント回路基板12,17の電子デバイスにより事前処理され、継続的な信号処理のためにケーブル24を介して、検出器モジュール8に後続接続されている電子回路装置に伝達され、最終的には処理された測定信号がコンピュータ6に達する。この場合に、処理された測定信号は、コンピュータ断層撮影装置1の回転部分とコンピュータ断層撮影装置1の静止部分との間の図示されていないインターフェース、例えばスリップリングを介して画像コンピュータ6に導かれる。
【0026】
更に、枠状のプラグ22内には検出器モジュール8の組み立てられた状態において既述の間挿板18が収容される。特に、両プリント回路基板12,17のASIC16,20,21は間挿板18に当接するように凹部15,19内に配置されている。間挿板18は熱良導性材料を有するので、すなわちこの種の材料を被覆されているかまたはこの実施例の場合のように完全に金属、例えば銅またはアルミニウムから作られているので、このようにして検出器モジュール8、特にASIC16,20,21の動作時に発生された熱が検出器モジュール8から排出される。
【0027】
これは、とりわけ、第1のプリント回路基板12が、検出器アレイ、間挿板18および第2のプリント回路基板17と共に、金属ねじ25により、同様に熱良導性材料を有する担持板26上に固定されていることによって行なわれる。担持板26は熱排出のために金属材料、例えば銅からなる熱案内路を有するか、またはこの実施例の場合には完全に熱良導性材料、特に金属から作られている。
【0028】
図3から分かるように、担持板26は検出器モジュール8のための複数の場所、この実施例の場合には5つの場所を有する。検出器モジュール8は、担持板26上に、検出器モジュール8間の大きな間隙なしに検出器バーもしくは検出器列が構成されるように配置されている。図1によるコンピュータ断層撮影装置1のX線検出器5に関しては、コンピュータ断層撮影装置1のシステム軸線Zの方向に向けられた複数のこのような検出器列がφ方向に並べられて検出器円弧体29上に配置されていた。
【0029】
検出器モジュール8の上述の構成は、特に、これが検出器モジュール8の垂線の方向に相当する主遠心力方向に僅かな広がりをもって非常にコンパクトに構成可能であるという利点を有する。それによって、X線検出器は、全体として重量的により軽く構成することができ、それによって、X線検出器の高回転速度での動作時に何倍にも高まる回転質量が減少する。軽量構成による減少した機械的負担によって、たわみ現象が減少する。従ってX線検出器5は動作時に寸法が安定し、位置が正確である。これにより、X線検出器5の相応の大型構成によって、システム軸線Zの方向の広がりが拡張可能であるだけでなく、検出器内の信号線の短い線路長によって信号の品質が改善され、マイクロフォニック効果の発生が減少する。
【0030】
検出器モジュールにおいて信号処理電子回路装置のためにさらに大きなスペースが要求される場合、上述の装置は、なおも1つ又は複数のプリント回路基板だけ垂直構造で既述のようにして拡張することができる。
【0031】
しかし、信号処理電子回路装置が僅かなスペースしか要求しない場合、検出器モジュールは一般に間挿板なしで担持板上に配置されている1つのプリント回路基板しか含んでいなくてもよい。
【0032】
第1のプリント回路基板と第2のプリント回路基板との間に間挿板を配置することは随意的であるに過ぎず、それゆえ省略可能である。
【0033】
検出器モジュールも必ず担持板にねじ止めされる必要はない。むしろ、これは取付け金具やそのほかの手段により担持板に配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による検出器モジュールにより組み立てられた検出器を備えたコンピュータ断層撮影装置を示す概略図
【図2】図1のコンピュータ断層撮影装置の検出器モジュールを示す断面図
【図3】図2の検出器モジュールを示す分解図
【図4】凹部を有するプリント回路基板の例を示す平面図
【図5】凹部を有するプリント回路基板の他の例を示す平面図
【符号の説明】
【0035】
1 コンピュータ断層撮影装置
2 X線源
3 X線ビーム
4 検査対象
5 X線検出器
6 画像コンピュータ
7 表示装置
8 検出器モジュール
9 検出器プレート
10 シンチレータアレイ
11 フォトダイオードアレイ
12 プリント回路基板
13 ハンダ領域
14 ハンダ玉
15 凹部
16 ASIC
17 プリント回路基板
18 間挿板
19 凹部
20 ASIC
21 ASIC
22 枠状プラグ
23 差込み接触部
24 接続ケーブル
25 金属ねじ
26 担持板
29 検出器円弧体
F 焦点
Z システム軸線
φ 回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出素子のアレイおよび第1のプリント回路基板(12)を備え、検出素子のアレイが第1のプリント回路基板(12)の一方の側に配置され、第1のプリント回路基板(12)が少なくとも1つの凹部(15)を有し、凹部(15)内に信号処理に用いられる少なくとも1つの電子デバイス(16)が配置されていることを特徴とする検出器モジュール。
【請求項2】
第1のプリント回路基板(12)の下側に第2のプリント回路基板(17)が配置され、第2のプリント回路基板(17)が少なくとも1つの凹部(19)を有し、凹部(19)内に信号処理に用いられる少なくとも1つの電子デバイス(20,21)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の検出器モジュール。
【請求項3】
凹部(15,19)が直方体状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の検出器モジュール。
【請求項4】
凹部(15,19)がスリット状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項5】
第1および第2のプリント回路基板(12,17)は、電気信号が一方のプリント回路基板(12,17)から他方のプリント回路基板(12,17)へ伝達可能であるように互いに接続されていることを特徴とする請求項2乃至4の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項6】
第1および第2のプリント回路基板(12,17)は、電気信号が一方のプリント回路基板(12,17)から他方のプリント回路基板(12,17)へ伝達可能であるように、枠状のプラグ(23)により互いに接続されていることを特徴とする請求項2乃至5の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項7】
第1のプリント回路基板(12)の凹部(15)内に少なくとも1つのASIC(16)が凹部(15)から突出しないように配置されていることを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項8】
第2のプリント回路基板(17)の凹部(19)内に少なくとも1つのASIC(20,21)が凹部(19)から突出しないように配置されていることを特徴とする請求項2乃至7の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項9】
第1のプリント回路基板(12)と第2のプリント回路基板(17)との間に、熱良導性材料を有する間挿板(18)が配置されていることを特徴とする請求項2乃至8の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項10】
間挿板(18)は金属からなることを特徴とする請求項9記載の検出器モジュール。
【請求項11】
間挿板(18)は銅またはアルミニウムからなることを特徴とする請求項9又は10記載の検出器モジュール。
【請求項12】
少なくとも1つのASIC(16,20,21)が間挿板(18)に当接していることを特徴とする請求項9乃至11の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項13】
熱良導性材料を有する担持板(26)上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至12の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項14】
検出器モジュール(8)の動作時に発生された放出熱が担持板(26)を介して検出器モジュール(8)から排出可能であるように接続手段(25)により担持板(26)上に固定されていることを特徴とする請求項13記載の検出器モジュール。
【請求項15】
担持板(26)にねじ止めされていることを特徴とする請求項13又は14記載の検出器モジュール。
【請求項16】
検出素子のアレイがX線を直接変換する検出素子のアレイであることを特徴とする請求項1乃至15の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項17】
検出素子のアレイが1つのシンチレータアレイ(10)および1つのフォトダイオードアレイ(11)を有することを特徴とする請求項1乃至15の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項18】
検出素子のアレイの上にコリメータが配置されていることを特徴とする請求項1乃至17の1つに記載の検出器モジュール。
【請求項19】
請求項1乃至18の1つに記載の検出器モジュールを複数有することを特徴とするX線用の検出器。
【請求項20】
複数の検出器モジュール(8)が配置されている少なくとも1つの担持板(26)を有することを特徴とする請求項19記載の検出器。
【請求項21】
検出器モジュール(8)が前後に並べられて担持板(26)上に配置されていることを特徴とする請求項20記載の検出器。
【請求項22】
検出器モジュール(8)を有する複数の担持板(26)が並列配置されていることを特徴とする請求項20又は21記載の検出器。
【請求項23】
担持板(26)が検出器円弧体(29)上に配置されていることを特徴とする請求項20乃至22の1つに記載の検出器。
【請求項24】
請求項19乃至23の1つに記載の検出器(5)を有することを特徴とするコンピュータ断層撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−47173(P2007−47173A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217159(P2006−217159)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】