説明

検品システム、検品システムの検品処理方法、及びプログラム

【課題】検品の結果、印刷結果が正常でないと判断された箇所を、明示するための挿入紙の無駄を防ぐ。
【解決手段】原稿の画像を読み取る画像読取装置と、画像を用紙に印刷する印刷装置と、印刷されて搬送される印刷物を検品する検品装置と、順次搬送される用紙と用紙との間に特定の用紙を挿入する給紙装置とを接続して印刷された用紙の画像を検品処理する検品システムにおいて、前記検品装置は、ジョブ処理で前記画像読取装置が読み取る原稿の枚数を取得する取得手段と、搬送される用紙の画像を検品するための検品モードと、前記原稿の枚数に対応づけて前記給紙装置が給紙すべき前記特定の用紙に対する挿入モードを設定する設定手段とを備え、前記給紙装置は、前記原稿の枚数と、前記設定手段が設定した挿入モードとから前記検品装置が特定する給紙条件に従い、前記特定の用紙の挿入処理を制御する制御手段を備えことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検品システム、検品システムの検品処理方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置による画像の印刷結果を検査する検品装置を備えた印刷システムが知られている(特許文献1参照)。検品装置には、搬送路に沿って搬送される用紙に印刷された画像を検査画像データとして取得するための画像読取装置が設けられている。そして、この画像読取装置で取得した検査画像データに基づいて印刷結果の良否を判断する。これにより自動で印刷結果の良否を判断することが可能となる。そして、ユーザは、印刷結果が正常ではないと判断された印刷物の画像を再印刷し、正常であると判断された印刷物と合わせるといった対応を取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−195680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷システムでは、ユーザが、後から正常ではないと判断された印刷物の画像を再印刷した場合に、再印刷された印刷物を、正常であると判断された印刷物のどこに合わせればよいか、わかりづらい。
例えば、特許文献1は、検品の結果、印刷結果が正しくないと判断した場合、印刷結果が正しくないことをユーザに通知するのみであり、再印刷された印刷物を、正常であると判断された印刷物のどこに合わせればよいか、わかりやすくするものではない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、検品の結果、印刷結果が正常でないと判断されたことを示す箇所を、印刷システムの生産性を極力維持しつつ、わかりやすくする仕組みを提供することである。
また、本発明の別の目的は、検品の結果、印刷結果が正常でないと判断されたことを示す箇所をわかりやすくするために用いる挿入紙を無駄に使用してしまうことを防ぐ仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の検品システムは以下に示す構成を備える。
画像データに従って画像を印刷することによって印刷物を生成する印刷装置と、
前記印刷物に印刷された画像を読み取り、当該読み取られた画像を検品する検品装置と、
1部あたり1枚の印刷用紙を出力するジョブを実行する場合には、挿入紙を挿入しないよう制御する原稿の画像を読み取る画像読取装置と、画像を用紙に印刷する印刷装置と、前記印刷装置から印刷されて搬送される印刷物を検品する検品装置と、順次搬送される用紙と用紙との間に特定の用紙を挿入する給紙装置とを接続して印刷された用紙の画像を検品処理する検品システムであって、前記検品装置は、ジョブ処理で前記画像読取装置が読み取る原稿の枚数を取得する取得手段と、前記印刷装置から搬送される用紙の画像を前記検品装置で検品するための検品モードと、前記原稿の枚数に対応づけて前記給紙装置が給紙すべき前記特定の用紙に対する挿入モードを設定する設定手段と、を備え、前記給紙装置は、前記取得手段が取得した前記原稿の枚数と、前記設定手段が設定した挿入モードとから前記検品装置が特定する給紙条件に従い、前記特定の用紙の挿入処理を制御する制御手段を備えことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検品の結果、印刷結果が正常でないと判断されたことを示す箇所を、印刷システムの生産性を極力維持しつつ、わかりやすくすることができる。また、検品の結果、印刷結果が正常でないと判断されたことを示す箇所をわかりやすくするために用いる挿入紙を無駄に使用してしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態を示す検品システムの構成を説明する図である。
【図2】検品システムの検品処理方法を説明するフローチャートである。
【図3】操作部に表示されるUI画面の一例を示す図である。
【図4】操作部に表示されるUI画面の一例を示す図である。
【図5】本実施形態を示す検品システムの検品処理方法を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態の印刷システムの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す検品システムの構成を説明する図である。本検品システムは、画像形成装置10、検品装置500、インサータ600、フィニッシャ700から構成される。画像形成装置10は、原稿の画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを生成するスキャナ部100と、スキャナ部100が読み取った画像を用紙に印刷するプリンタ部300とで構成される。本実施形態では、画像形成装置10の例として、コピー機能やPDLプリント機能等の複数の機能を持つMFP(Multi Functional Peripheral)を例に説明するが、画像形成装置10は、1つの機能を持つSFPであってもよい。検品装置500は、画像形成装置10で印刷されて搬送される印刷物を検品する。インサータ600は、搬送路を順次搬送される用紙と用紙との間に特定の用紙(タブ紙や色紙等の挿入紙)を挿入可能である。フィニッシャは、インサータから搬送される印刷物を排紙トレイに排紙したり、必要に応じて当該印刷物に対してステイプルを実行したり、中綴じ製本処理を実行したりする。画像形成装置10と、検品装置500と、インサータ600と、フィニッシャ700は、それぞれ互いに着脱可能であり、ユーザが所望する通りに順番を変えることができる。本実施形態では、印刷システムは、画像形成装置10に近いほうから順に、検品装置500、インサータ600、フィニッシャ700の順で接続されている。ここで、画像形成装置10側を上流と定義し、フィニッシャ側を下流と定義する。つまり、検品装置500は、画像形成装置10よりも下流側に設けられており、インサータ600は、検品装置500よりも下流側に設けられているといえる。また、画像形成装置10と、検品装置500と、インサータ600と、フィニッシャ700は、図1に示すように制御線を介して接続できるように構成されている。それぞれの装置の制御線は、各装置が互いに接続されたときに連結されるようになっている。各装置は、それぞれCPU、ROM、RAM等を備える制御部を有しており、各装置の制御部は、制御線を介してコマンドやデータを送受信することができる。
【0009】
検品装置500は、デバイス制御部530を備える。デバイス制御部530は、画像形成装置10で読み取られた原稿の画像データを取得し、当該取得した画像データと光学ユニット570、571が読み取る用紙の画像データとを比較して、印刷物の状態を検品する。また、デバイス制御部530は、検品結果をインサータ600に通知する。
【0010】
図6は、印刷システムの構成を示すブロック図である。
CPU801は、ROM802に記憶されたプログラムをRAM803に読み出して実行することによって、印刷システムを統括的に制御する。ROM802は、CPU801によって読みだされる各種プログラムを記憶する。RAM803は、CPU801の作業領域として機能する。
画像処理部804は、CPU801からの指示に従って画像データの色空間変換や、解像度変換を行う。
プリンタ部300は、給紙装置809から給紙された用紙に画像を形成する。画像が形成された用紙は、画像形成装置10の下流側に接続された装置に搬送される。
メモリ部420は、例えば、HDDであり、画像データやプログラムを格納しておく。
MFP制御部は、操作部540、スキャナ部100、NIC部808、給紙装置809、検品装置500、インサータ600、フィニッシャ700と信号の送受信が可能であり、各装置との間でデータを通信することによって各装置を制御する。
このようなMFP制御部は、スキャナ部100から受信した画像データをメモリ部420に記憶し、記憶された画像データに従った印刷をプリンタ部300によって印刷する。また、MFP制御部は、NIC部808を介して受信した印刷データを解析し、解析された印刷データに従った印刷をプリンタ部300で実行する。 本実施形態における印刷システムでは、検品装置500よりも下流側にインサータ600が接続されているため、検品装置500で検査された印刷結果が正常でないと判断されたことを示す挿入紙を、印刷を止めることなく挿入することができる。
次に、具体的な制御方法について説明する。
以下、両面原稿1枚を100部コピーし、その結果を検品装置500で検品するコピージョブ処理における検品処理フローについて、図2を用いて説明する。なお、本発明は、コピージョブに限らず、外部装置から受信するプリントジョブ処理であっても同様の検品処理を行うことが可能である。
【0011】
図2は、本実施形態を示す検品システムの検品処理方法を説明するフローチャートである。本例は、MFP制御部400、デバイス制御部530、630が備えるCPUがROM等に記憶された制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。
まず、検品装置400は、操作部540を介して、ユーザが設定する検品条件を受け付ける(S100)。
【0012】
図3、図4は、図1に示した検品装置500の操作部540の表示部に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図である。本例は、検品設定画面例である。本例に示す検品設定画面では、検品モードM1〜M3と白黒モードM1,カラーモードCM2が表示されており、ユーザにより選択された検品モードM2(汚れモード、白黒)がハイライト表示されている状態に対応する。
【0013】
ここで、本実施形態での検品モードについて説明する。
本実施形態では、検品モードM1としてVDP文字モード(VDP Characters)を持つものとする。また、検品モードM2として汚れモード(Spots,Scatterings,etc.)を持つものとする。また、検品モードM3として濃度ムラモード(Uneven Density)を持つものとする。本実施形態では、3つの検品モードを示すが、これらに限るものではない。
まず、VDP文字モードであるが、VDPとはVariable Data Publishingの略で、異なるターゲットを対象とした印刷物を可能にする、パーソナライズパブリッシングのことである。例えばダイレクトメールの印刷で、郵便番号や宛先など、それぞれの内容が異なるデータの印刷が挙げられる。これらの印刷内容が意図した内容となっているかを検査するのがVDP文字モードである。
【0014】
次に汚れモードであるが、これはトナーのボタ落ち(Spots or Scatterings)、白抜け(White Spots)、スジ(Unexpected Lines)など、印刷物に意図しない画像が含まれているかを検査する。最後に濃度ムラモードであるが、これは印刷物の同じ濃度の部分が同じ濃度で出力されているかを検査する。
通常は、VDP文字モードは、プリントジョブに対して有効となる設定であり、汚れモード、濃度ムラモードは、コピージョブ、プリントジョブの両方に対して有効となる設定である。
カラーモードについては、白黒モードCM1とカラーモードCM2の2種類が存在する。白黒モードCM1ではグレースケール8bitで読み取り、カラーモードCM2ではRGB各色8bitで読み取る。
【0015】
さらに、図3に示す画面において、ユーザが検品モードの詳細設定ボタンBT1をユーザが押下すると、デバイス制御部530は、表示画面を図4に示す表示画面に遷移させる。つまり、図4に示す画面は、検品設定画面に従ってさらに表示されるインサータ600から給紙する挿入紙の給紙条件を設定するための画面例である。
本画面において、ユーザはインサータ600の挿入モードをジョブ処理で読み取る原稿の枚数に対応づけて挿入処理を実行するかどうかを詳細に設定することができる。
図4では、1部あたり1枚の印刷を行うジョブを実行する時、NG時に用紙(挿入紙)を挿入するかどうかを設定するための選択ボタンS11、S12を備える。また、1枚分を複数枚印刷するジョブ時、NG時に用紙(挿入紙)を挿入するかどうかを設定するための選択ボタンS21、S22を備える。1部あたり1枚の印刷を行うジョブを実行する場合、同じ画像が印刷された印刷物が複数枚排紙される。この場合、NGと判定された画像をユーザが後から再度印刷させた場合に、ユーザは、印刷された印刷物を、先に印刷されてOKと判定された印刷物のどこに挿入してもかまわない。そのため、先に印刷されてOKと判定された印刷物には、NGと判定された箇所を示す挿入紙を挿入しておかなくてもよい。従って、本実施形態では、1部あたり1枚の印刷を行うジョブを実行する場合に、NG時に用紙を挿入するかどうかを設定するため設定をユーザが行えるようにしている。そして、ユーザが1部あたり1枚の印刷を行うジョブを実行する場合に、NG時に用紙を挿入しないと設定した場合には、挿入紙が無駄に使用されることを防ぐことができる。一方で、1部あたり1枚の印刷を行うジョブを実行する場合でも、NG時に挿入紙を挿入してほしいユーザであれば、NG時に挿入紙を挿入するよう設定しておくことで、そのユーザは、NGであると判定された箇所を後から特定することができるようになる。
【0016】
さらに、後続ジョブがあるとき、ジョブ終了後に用紙を挿入するかどうかを設定するための選択ボタンS31、S32を備える。ここで、ユーザが選択した選択ボタンに対応するボタンは、デバイス制御部530が(図4では全てYesに対応する選択ボタン)がハイライト表示するように制御されている。
ここで、1枚分のジョブとは、原稿が1枚、コピー部数が1部のジョブのことである。また、1枚分を複数枚印刷するジョブとは、原稿が1枚、コピー部数が複数部のジョブのことである。
【0017】
ユーザによる検品の設定が確定するためのボタンBT2あるいはボタンBT11が押下された場合、原稿搬送装置110の読取制御装置130は、ユーザが原稿トレイ111にセットされた原稿を検知する。ここで、原稿の有無は、原稿トレイ111に上設けられる光学センサの情報から検知する。
そして、操作部200は、ユーザによる操作部200内の図示しないコピースタートボタンの押下を検知して、MFP制御部400にコピースタートを指示する(S110)。
【0018】
MFP制御部400は、コピースタートの指示を検知すると、読取制御装置130にスキャンスタートを指示する。読取制御装置130は、原稿搬送装置110に、原稿トレイ111上にセットされた原稿を先頭ページから順に1枚ずつ搬送するように指示し、湾曲したパスを介して原稿台ガラス114の上へと搬送する。
本実施形態では、両面原稿のコピーなので、スキャナユニット121で表面の画像を読取り、原稿搬送装置110内に配置した光学ユニット113を使用して裏面の画像を読取る(S111)。光学ユニット113内には図示しないイメージセンサおよび光源等が配置されている。
【0019】
また、原稿トレイ111には、図示しない光学センサが配置されていて、光学センサにより、原稿トレイ111にまだ原稿があるかどうかを検知する(S112)。光学センサが検知した検知結果は、画像読取装置100内の読取制御装置130からMFP制御部400内の画像処理部410に通知される。原稿トレイ111にまだ原稿があると判断された場合、MFP制御部400は、原稿複数枚のジョブであると認識する。原稿トレイ111にもう原稿がないと判断された場合、MFP制御部400は、原稿1枚のジョブであると認識する。さらに、MFP制御部400は、認識した枚数情報を、検品装置500の画像処理部510に通知する(S101)。画像処理部510は、通知された枚数情報を記憶装置520に格納する。また、検品装置500は、記憶装置520に格納された枚数情報をインサータ600に通知する。S128で、インサータ600のデバイス制御部630は、通知された枚数情報を不図示のメモリに記憶しておく。これによって、インサータ600は、ジョブで印刷される用紙の枚数が1部あたり1枚であるのか、複数枚であるのかを判断し、判断結果をS124で挿入紙を挿入するかしないかの設定に使用することができる。
【0020】
一方、レンズ122を介してイメージセンサ123により読み取られた原稿の画像は、画像処理部410にて画像処理されて記憶装置420に格納されるとともに(S115)、プリンタ制御部330を介して露光制御部301に送られる。
また、記憶装置420に格納された原稿の画像データは、リファレンス画像として検品装置500内の記憶装置520に送られる(S102)。
【0021】
露光制御部301は、画像処理された画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光が感光ドラム302に照射されると、感光ドラム302上には静電潜像が形成される。感光ドラム302上の静電潜像は現像器303により現像され、感光ドラム302上の現像剤はカセット311、312、手差し給紙部313のいずれかから給紙された印刷媒体に転写部306で転写される。現像剤が転写されたシートは定着部304に導かれると、現像剤の定着処理が行われ画像が用紙上にプリントされる(S116)。
【0022】
定着部304を通過した用紙を、図示しないフラッパにより、一旦、パス307からパス310に導き、シートの後端がパス307を抜けた後、用紙をスイッチバックさせてパス308から排出ローラ305に導く。これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ305により印刷装置300から排出することが可能である。これを反転排紙という。
【0023】
このように、フェイスダウンで排出することにより、原稿搬送装置110を用いて複数枚の原稿を読取った画像をプリントする場合など、先頭ページから正しいページ順で画像形成を行うことが可能である。
なお、手差し給紙部313からOHPシートなどの硬い用紙に画像形成を行う場合、画像形成装置10は、その用紙をパス307に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のままで排出ローラ305から排出する。
また、用紙の両面に画像形成を行う場合、印刷媒体を定着部304からパス307、パス310に導き、印刷媒体の後端がパス307を抜けた直後に用紙をスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス309に導く。
【0024】
両面搬送パス309に導かれた用紙に対し、再度、転写部306で静電潜像が転写され、定着部304で定着処理が施される。このように、転写部306から両面搬送パス309を経由して再び転写部306に戻る一巡のパスの中に、A4、B5等のハーフサイズ用紙が5枚入った状態でも搬送可能なように、パス長、ローラ配置、駆動系の分割がなされている。なお、これらの処理による排出ページ順は、奇数ページが下向きになるように排出されるので、両面コピー時のページ順を合わせることができる。
【0025】
画像形成装置10で印刷された用紙は、水平搬送路を介して検品装置500に搬送される。検品装置500には、用紙の搬送パス上に検知センサ560が設けられている。検知センサ560が搬送パス上の用紙を検知すると、読取制御装置550は光学ユニット570、571を使用して、用紙に印刷された印刷済み画像を読み取る(S103)。ここで、読み取られた画像データは、記憶装置520に格納される(S104)。なお、光学ユニット570、571が配置される搬送路上には、印刷された用紙を搬送するための搬送ローラ574〜576が設けられている。
次に、検品装置500は、S102でMFP制御部400から取得した画像データと、S104の読取処理で得られる画像データとを画像照合する(S105)。ここでの画像照合方法の一例については、図5を用いて説明する。
【0026】
S105で、画像データの照合の結果、システム制御部530がOK(画像汚れなし)画像であると判断した場合(S106でYes)、S107へ処理を進める。そして、検品装置500は、デバイス制御部530から、照合OKの通知をインサータ600のデバイス制御部630に通知する(S107)。
インサータ600のデバイス制御部630はインサータ600のフラッパ610の先端を上に向ける(S120)。これにより、検品装置500から排出された用紙は、インサータ600内で、フラッパ610、ローラ612、613、614、615を通り、フィニッシャ700に排出される(S121)。
【0027】
また、S106で、画像データの照合結果、NG(画像汚れあり)であるとデバイス制御部530が判断した場合は(S106でNo)、デバイス制御部530から、照合NGの通知をインサータ600のデバイス制御部630に通知する(S108)。
これを受けて、インサータ600のデバイス制御部630はインサータ600のフラッパ610の先端を下に向ける(S122)。それによって、検品装置500から排出された用紙をインサータ600内で、フラッパ610、ローラ616、617、618を通り、NG排紙トレイ620に排出される(S123)。
さらに、インサータ600のデバイス制御部630は、S128で不図示のメモリに記憶された枚数情報を参照する。
【0028】
本実施形態の場合、インサータ600は、枚数情報として、両面原稿1枚分の100部コピーという情報を受け取る。また、インサータ600は、詳細設定情報で、1枚分を複数枚印刷するジョブ時、NG時に用紙を挿入しない設定となっているか否かを示す情報も枚数情報と同様にMFP制御部400から受信する。
したがって、S124で、デバイス制御部630が1枚分を複数枚印刷するジョブ時、NG時に用紙を挿入しない設定になっていると判断し、判断結果がYesとなり、挿入紙を挿入しないで、用紙を排紙して、本処理を終了する。
一方、S124で、インサータ600のデバイス制御部630は、実行中のジョブが1部あたり1枚の印刷物を印刷するジョブであり、NG時に用紙を挿入しない設定になっていないと判断した場合、判断結果がNoとなる。この場合、インサータ600は、給紙ローラ619を動作させ、挿入紙カセット601から挿入紙を給紙する(S125)。ここで、給紙された挿入紙はインサータ600内で、給紙ローラ619、ローラ612、613、614、615を通り、フィニッシャ700に排出され(S126)、本処理を終了する。なお、フィニッシャ700にはデバイス制御部730を備え、排紙される用紙に対する後処理を制御する。
なお、S106で画像照合結果がNGのときの挿入紙の給紙タイミングは、デバイス制御部630によって、フラッパ610とローラ612の搬送距離、用紙の搬送速度などから決定される。
【0029】
以上説明した検品フローは、1ページだけのものであるが、複数ページの場合には、同様の処理がページ分繰り返されることになる。つまり、画像形成装置10においては、S116にて画像をプリントした後、全原稿のコピーが終了したかを画像処理部410が判断し(S117)、もしまだ終了していないと画像処理部410が判断した場合、S119に進む。そして、S119で、画像形成装置10は、次の原稿を読み取り、S115以降の処理を実行する。
そして、実行中のジョブが1部あたり1枚の印刷物を印刷するジョブである場合には、S124からS125に処理を進め、詳細設定情報で、1枚分を複数枚印刷するジョブ時、NG時に用紙を挿入しない設定となっているか否かに関わらず、挿入紙挿入する。
S119で次の原稿の画像読み取りを行う。
また、S109にて全画像の照合が終了したかを画像処理部510が判断し、もしまだ終了していないと判断した場合は、S105へ戻り、画像照合を行う。
一方、S109にて全画像の照合を終了していると画像処理部510が判断した場合は、本処理を終了する。
【0030】
本実施形態では、原稿の読み取りをしながら同時にプリントして画像を検品するフローについて説明したが、例えば、原稿の読み取りだけ先に全部済ませておいて、その後にプリントして画像を検品しても構わない。
また、プリントジョブについても同様に検品が可能である。プリントジョブでは、図1の画像形成装置10内のシステムコントローラ400にプリントジョブが投入され、リファレンス画像が形成されることになる。
【0031】
さらに、ジャムが発生した位置によって、印刷を継続するか、停止するかを制御することも可能である。
例えば、インサータ600内のローラ616〜618の間でジャムが発生した場合、画像照合結果がOKのときの動作に影響を及ぼさないので、画像形成装置10の操作部200には警告表示をするだけで処理を継続する。画像照合結果がNGのときの動作に影響を及ぼすようになって初めて印刷を停止することで、より画像形成装置10の稼働率を向上可能である。
【0032】
ここで、図2のコピー検品フローチャートのS105の画像照合処理の一例について、図5のフローチャートを用いて説明する。当該フローチャートに示す処理は、デバイス制御部530が備えるCPUがROM等に記憶された制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。
まず、S401で、デバイス制御部530は、S102で取得したリファレンス画像の解像度を、画像処理部510によって変換する。通常、リファレンス画像データは600dpiや1200dpiであるが、画像照合は300dpiや150dpiで行うため、解像度を変換する処理を行う。
【0033】
次に、S402で、デバイス制御部530は、画像処理部510によって位置合わせを行うために、リファレンス画像内の特徴部分の抽出を行う。
なお、S102で光学ユニット570、571を使用してシート上の画像を読取るための解像度は、S401でリファレンス画像を解像度変換した後の解像度に合わせるようにする。それによって、読み取ったプリント画像のための解像度変換が必要なくなるため好ましい。
次に、S403で、デバイス制御部530は、S402で抽出した、リファレンス画像の特徴部分と同様の部分を、S102で読み取った画像データの中から抽出する。そして、デバイス制御部530は、画像処理部510によってシフト量、拡大/縮小の割合、回転角度を計算し、位置合わせを行う。
【0034】
次に、S404で、デバイス制御部530は、画像処理部510によって、解像度変換されたリファレンス画像データと、S102で読み取られた画像データとの画像照合を行い、印刷結果が正常であるかどうかを検出する。ここでの画像データ照合に基づく照合の結果、2つの画像データの差異量が小さいと画像処理部510が判断した場合、画像は正常に印刷できたと画像処理部510が判断する。一方、S406で、差異量が大きいと画像処理部510が判断した場合、用紙に印刷された画像に汚れがあると画像処理部510が判断する。
なお、画像照合処理についても、上述の方法に限らず、種々の処理方法が適用可能である。
なお、リファレンス画像が外部装置から受信した画像データである場合には、S402とS403の間で、プリント画像の色空間を読取画像の色空間に合わせるために、リファレンス画像を、画像処理部510にて色空間変換(輝度→濃度)を行うとよい。それによって、リファレンス画像と、S102で読み取った画像とを正しく比較することができる。
以上のような制御を行うことによって、検品の結果、印刷結果が正常でないと判断されたことを示す箇所を、印刷システムの生産性を極力維持しつつ、わかりやすくすることができる。また、検品の結果、印刷結果が正常でないと判断されたことを示す箇所をわかりやすくするために用いる挿入紙を無駄に使用してしまうことを防ぐことができる。
【0035】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0036】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0037】
10画像形成装置
410画像処理部
500検品装置
510画像処理部
530デバイス制御部
600インサータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取装置と、画像を用紙に印刷する印刷装置と、前記印刷装置から印刷されて搬送される印刷物を検品する検品装置と、順次搬送される用紙と用紙との間に特定の用紙を挿入する給紙装置とを接続して印刷された用紙の画像を検品処理する検品システムであって、
前記検品装置は、
ジョブ処理で前記画像読取装置が読み取る原稿の枚数を取得する取得手段と、
前記印刷装置から搬送される用紙の画像を前記検品装置で検品するための検品モードと、前記原稿の枚数に対応づけて前記給紙装置が給紙すべき前記特定の用紙に対する挿入モードを設定する設定手段と、
を備え、
前記給紙装置は、
前記取得手段が取得した前記原稿の枚数と、前記設定手段が設定した挿入モードとから前記検品装置が特定する給紙条件に従い、前記特定の用紙の挿入処理を制御する制御手段を備えことを特徴とする検品システム。
【請求項2】
前記検品装置は、
前記印刷装置で印刷されて搬送される用紙の画像を読み取る読取り手段と、
前記画像読取装置が読み取る原稿の画像データを取得し、当該取得した画像データと前記読み取り手段が読み取る用紙の画像データとを比較して印刷物を検品して検品結果を前記給紙装置に通知することを特徴とする請求項1記載の検品システム。
【請求項3】
前記ジョブ処理は、コピージョブ処理、プリントジョブ処理を含むことを特徴とする請求項1記載の検品システム。
【請求項4】
原稿の画像を読み取る画像読取装置と、画像を用紙に印刷する印刷装置と、前記印刷装置から印刷されて搬送される印刷物を検品する検品装置と、順次搬送される用紙と用紙との間に特定の用紙を挿入する給紙装置とを接続して印刷された用紙の画像を検品処理する検品システムの検品処理方法であって、
前記検品装置は、
ジョブ処理で前記画像読取装置が読み取る原稿の枚数を取得する取得工程と、
前記印刷装置から搬送される用紙の画像を前記検品装置で検品するための検品モードと、前記原稿の枚数に対応づけて前記給紙装置が給紙すべき前記特定の用紙に対する挿入モードを設定する設定工程と、
を備え、
前記給紙装置は、
前記取得工程が取得した前記原稿の枚数と、前記設定工程で設定した挿入モードとから前記検品装置が特定する給紙条件に従い、前記特定の用紙の挿入処理を制御する制御工程を備えことを特徴とする検品システムの検品処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の検品システムの検品処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−236343(P2012−236343A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107000(P2011−107000)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】