説明

楽曲再生装置、楽曲再生方法及びプログラム

【課題】1つの楽曲の再生時間を調整して、その一部を所望のタイミングで再生できるようにすること。
【解決手段】楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データと、該所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データと、を再生する楽曲再生装置において、第1楽曲データが部分的に先頭から順に格納されるリングバッファ52aと、第2楽曲データの少なくとも先頭部分が格納される補助バッファ52bと、リングバッファ52aの記憶内容に従って、第1楽曲データをループ再生する第1楽曲データループ再生部54と、第1楽曲データのループ再生中にユーザによる所定操作を検知する操作検知部60と、操作検知部60により所定操作が検知される場合に、楽曲の前記所定のループタイミングの到来を待機するループタイミング待機部56と、所定のループタイミングが到来した場合に、補助バッファ52bの記憶内容に従って、第2楽曲データの再生を開始する第2楽曲データ再生部58と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は楽曲再生装置、楽曲再生方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種ゲームプログラムでは、プレイヤ(ユーザ)の操作に応じてゲームが進行し、それに伴ってBGM等の楽曲が変化するようになっていることが多い。こうしたゲームプログラムでは、複数の楽曲データが予め用意されており、ゲーム進行に伴って再生楽曲が切り替えられる。
【0003】
なお、下記特許文献1には、ゲームイベントの発生に応じて再生楽曲を切り替える際、その遅延時間を短縮する構成、切り替えの際にフェードイン処理やフェードアウト処理を行う構成が開示されている。また、下記特許文献2には、ゲームイベントの発生に応じて、再生中の楽曲の小節の切れ目で次の楽曲へと再生曲の切り替えを行う構成が開示されている。
【特許文献1】特開2005−21597号公報
【特許文献2】特開平11−231872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記背景技術では、ある楽曲の再生中に全く別の楽曲の再生を開始することを前提としており、1つの楽曲の再生時間を調整して、その一部が所望のタイミングで再生されるようにするようになっていなかった。このため、例えばゲーム進行に併せて楽曲のサビ部分が再生される等の演出が困難であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、1つの楽曲の再生時間を調整して、その一部を所望のタイミングで再生できる楽曲再生装置、楽曲再生方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る楽曲再生装置は、楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データと、該所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データと、を再生する楽曲再生装置において、前記第1楽曲データが部分的に先頭から順に格納される第1のバッファと、前記第2楽曲データの少なくとも先頭部分が格納される第2のバッファと、前記第1のバッファの記憶内容に従って、前記第1楽曲データをループ再生する第1楽曲データループ再生手段と、前記第1楽曲データのループ再生中にユーザによる所定操作を検知する操作検知手段と、前記操作検知手段により前記所定操作が検知される場合に、前記楽曲の前記所定のループタイミングの到来を待機するループタイミング待機手段と、前記所定のループタイミングが到来した場合に、前記第2のバッファの記憶内容に従って、前記第2楽曲データの再生を開始する第2楽曲データ再生手段と、を含むことを特徴とする。この楽曲再生装置は、ゲーム装置の一部として構成されてもよい。
【0007】
また、本発明に係る楽曲再生方法は、楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データと、該所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データと、を再生する楽曲再生方法において、第1のバッファに前記第1楽曲データを部分的に先頭から順に格納するステップと、第2のバッファに前記第2楽曲データの少なくとも先頭部分を格納するステップと、前記第1のバッファの記憶内容に従って、前記第1楽曲データをループ再生するステップと、前記第1楽曲データのループ再生中にユーザによる所定操作を検知するステップと、前記第1楽曲データのループ再生中に前記所定操作が検知される場合に、前記楽曲の前記所定のループタイミングの到来を待機するステップと、前記所定のループタイミングが到来した場合に、前記第2のバッファの記憶内容に従って、前記第2楽曲データの再生を開始するステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明に係るプログラムは、楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データが部分的に先頭から順に格納される第1のバッファ、前記楽曲のうち前記所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データの少なくとも先頭部分が格納される第2のバッファ、前記第1のバッファの記憶内容に従って、前記第1楽曲データをループ再生する第1楽曲データループ再生手段、前記第1楽曲データのループ再生中にユーザによる所定操作を検知する操作検知手段、前記操作検知手段により前記所定操作が検知される場合に、前記楽曲の前記所定のループタイミングの到来を待機するループタイミング待機手段、及び前記所定のループタイミングが到来した場合に、前記第2のバッファの記憶内容に従って、前記第2楽曲データの再生を開始する第2楽曲データ再生手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。コンピュータは、例えば家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ等である。このプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0009】
本発明によれば、楽曲の開始タイミングからループタイミングまでの部分がループ再生され、ループ再生中に所定の操作がされると、そのままループタイミングまで再生が継続され、続いてループタイミング以降の部分の再生が開始されるので、1つの楽曲の再生時間を調整して、その一部を所望のタイミングで再生できるようになる。
【0010】
なお、前記第1のバッファは、同一サイズの2つのバッファから構成されてよい。また、前記第1楽曲データのサイズは、前記第1のバッファを構成する前記バッファのサイズの整数倍に調整されると好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成されるものであり、例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。このゲーム装置10は、本発明の実施形態に係る楽曲再生装置として動作するものである。
【0013】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0014】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0015】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0016】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にスクリーン画像を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18(ゲーム画面)に出力する。
【0017】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0018】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。具体的には、音声処理部20は、所定数のチャネルを処理可能であり、各チャネルに割り当てられた音データをミキシング再生し、スピーカ22から出力する。また、音声処理部20は、DVD−ROM25に格納された楽曲データのうち、マイクロプロセッサ14から指示された箇所を読み出し、サウンドバッファに格納することができる。
【0019】
DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆるコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0020】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0021】
コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号を、バス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0022】
以下、上述のハードウェア構成を有する家庭用ゲーム機11により、楽曲データの再生時間を調整し、プレイヤが所定操作を行った場合に、それに応じて楽曲データのサビ部分の再生が始まるようにする技術について説明する。
【0023】
図2は、ゲーム装置10のモニタ18に表示されるゲーム画面の推移例を示している。同図(a)は、ゲームのエンディングに表示されるゲーム画面であり、ゲームストーリの終わりの部分を示す文章が表示されている。また、同画面の表示中、スピーカ22からはエンディング用の楽曲の前奏部分が繰り返して再生(ループ再生)されている。同ゲーム画面にはコントローラ32の所定ボタンの押下が案内されており、コントローラ32の同ボタンを押下すると、同図(b)のゲーム画面にモニタ18の表示が切り替わる。このとき、エンディング用の前奏部分のループ再生が終了し、前奏部分に続く部分(サビ部分を含む)の再生が開始される。本ゲーム装置10では、このように構成されているので、同図(a)のゲーム画面の表示中にスピーカ22からサビ部分が流れる、といった不都合を防止することができる。また、同図(a)のゲーム画面の表示中にスピーカ22から楽曲が流れなくなる、といった不都合も防止することができる。
【0024】
図3は、図2(a)及び(b)のゲーム画面の表示中の楽曲再生手順を示す図である。同図に示すように、ゲームのエンディング用の楽曲の開始タイミング40sから終了タイミング40eまでは、その間のループタイミング40rにより2分割されている。そして、開始タイミング40sからループタイミング40rまでの部分は第1楽曲データに収録されており、ループタイミング40rから終了タイミング40eまでの部分は第2楽曲データに収録されている。
【0025】
図2(a)のゲーム画面の表示中は、図3に示すように、第1楽曲データが繰り返して再生される。すなわち、第1楽曲データの開始タイミング40sからループタイミング40rまでの部分が再生されると、再び第1楽曲データの開始タイミング40sからループタイミング40rまでの部分が再生され、これが繰り返される。第1楽曲データのループ再生中にコントローラ32の所定ボタンが押下(所定操作)されると、ループタイミング40rまで第1楽曲データの再生が継続され、続いて第2楽曲データが再生される。第1楽曲データ及び第2楽曲データは、1つの楽曲の前奏部分及びそれに続く部分を示しており、第1楽曲データの終わりの部分と第2楽曲データの始まりの部分とは、滑らかに繋がるようになっている。このため、図2(a)のゲーム画面の表示中に所定操作がされ、第1楽曲データの再生から第2楽曲データの再生に移行しても、不連続な音が再生されるという不具合を生じない。図4は、かかる楽曲データの構成を示しており、楽曲データはヘッダデータとしてループタイミング40rを示すデータを含んでおり、さらにそれに続く部分に第1楽曲データ及び第2楽曲データを含んでいる。
【0026】
図5は、以上の動作をするゲーム装置10の機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置10は、機能的には楽曲データ記憶部50、サウンドバッファ52、第1楽曲データループ再生部54、ループタイミング待機部56、第2楽曲データ再生部58、操作検知部60を含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25に格納されたゲームプログラムがマイクロプロセッサ14により実行されることで実現されるものである。
【0027】
楽曲データ記憶部50は、DVD−ROM25及びDVD−ROM再生部24を中心に構成されており、エンディング用の楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データと、該所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データと、ループタイミングを示すヘッダデータと、を含む楽曲データを記憶している。
【0028】
サウンドバッファ52は、音声処理部20に内蔵されるサウンドバッファを中心に構成されており、同一サイズ(例えば16k)の3つのバッファ(バッファA〜C)を含んでいる。そして、バッファA及びバッファBによりリングバッファ52a(第1のバッファ)が構成されており、バッファCにより補助バッファ52b(第2のバッファ)が構成されている。ここで、前記第1楽曲データのサイズは、例えばサンプリングレートを調整する等してバッファAやバッファBのサイズの整数倍にされている。これにより、リングバッファ52aを用いた第1楽曲データの再生と、補助バッファ52bを用いた第2楽曲データの頭の部分の再生と、を滑らかに接続することができる。
【0029】
第1楽曲データループ再生部54は、マイクロプロセッサ14及び音声処理部20を中心に構成されるものであり、ゲームのエンディングが到来した場合に、楽曲データ記憶部50に記憶されたエンディング用の楽曲のデータのうち、ヘッダデータであるループタイミングを読み出すとともに、第1楽曲データを先頭から順に部分的に(バッファA及びBのサイズ分だけ)読み出し、バッファA及びバッファBに交互に格納しながら、第1楽曲データを再生し、その楽音をスピーカ22から出力する。そして、開始タイミング40sからループタイミング40rまでの再生が完了し、ヘッダデータに示されるループタイミングが到来すると、再び第1楽曲データを先頭から順に部分的に読み出し、再度その楽音をスピーカ22から出力する。こうして、第1楽曲データが示す楽音を繰り返して再生する。また、第1楽曲データループ再生部54は、ゲームのエンディングが到来した場合に、第1楽曲データの再生を開始するとともに、第2楽曲データの先頭部分(バッファCのサイズ分)を読み出し、それをバッファC(補助バッファ52b)に格納するようにしている。
【0030】
操作検知部60は、マイクロプロセッサ14を中心に構成されるものであり、第1楽曲データループ再生部54により第1楽曲データのループ再生が開始されると、コントローラ32の所定ボタンが押下されるか否かを監視するようになっている。そして、所定ボタンが押下されると、その旨をループタイミング待機部56に通知する。ループタイミング待機部56は、第1楽曲データループ再生部54による第1楽曲データの現再生タイミング(現在再生されている箇所)を監視し、第1楽曲データのループタイミング40rに現再生タイミングが一致すると(すなわち、ループタイミング40rが到来すると)、第1楽曲データループ再生部54による第1楽曲データのループ再生を停止するとともに、第2楽曲データ再生部58による第2楽曲データの再生を開始する。
【0031】
第2楽曲データ再生部58は、マイクロプロセッサ14及び音声処理部20を中心に構成されるものであり、ループタイミング待機部56から第2楽曲データの再生が指示されると、バッファC(補助バッファ52b)に格納された第2楽曲データの先頭部分を再生し、スピーカ22から出力させるとともに、楽曲データ記憶部50に記憶されたエンディング用の楽曲のデータのうち、第2楽曲データの先頭部分に続く部分を順に部分的に(バッファA及びBのサイズ分だけ)読み出し、バッファA及びバッファBに交互に格納する。そして、バッファCに格納されたデータの再生が終了すると、直ちにバッファA及びバッファBに格納されたデータの再生を開始し、その後、第2楽曲データの続く部分を順に部分的に(バッファA及びBのサイズ分だけ)読み出しながら、第2楽曲データを再生し、その楽音をスピーカ22から出力する。こうして、バッファA〜Cを用いて、第1楽曲データに続いて、直ちに第2楽曲データの再生を行っている。
【0032】
図6は、ゲーム装置10による楽曲再生処理を示すフロー図である。この処理は、ゲームのエンディングが到来し、エンディング用の楽曲の再生開始がゲームプログラムにより判断された場合に実行されるものである。同図に示すように、この処理では、まず第1楽曲データループ再生部54が楽曲データ記憶部50に記憶された第2楽曲データの先頭部分を読み出し、それを補助バッファ52bに格納する(S100)。続いて、第1楽曲データループ再生部54は楽曲データ記憶部50に記憶された第1楽曲データのループ再生を開始する(S101)。第1楽曲データのループ再生では、第1楽曲データが先頭(開始タイミング40s)から順に部分的に読み出され、それらが交互にリングバッファ52aに格納される。そして、リングバッファ52aの記憶内容に基づいて第1楽曲データが再生される。そして、第1楽曲データのループタイミング40rが到来すると、再度第1楽曲データが先頭から再生される。
【0033】
こうして第1楽曲データのループ再生が行われている間、操作検知部60はコントローラ32の所定ボタンが押下されたか否かを監視する(S102)。そして、所定ボタンが押下されれば、続いてループタイミング待機部56は、第1楽曲データのループタイミング40rが到来したか否かを監視する(S103)。ループタイミング40rが到来すると、第1楽曲データループ再生部54による第1楽曲データのループ再生を終了し(S104)、第2楽曲データ再生部58は、補助バッファ52bに格納された第2楽曲データの先頭部分を再生する(S105)。その後、第2楽曲データ再生部58は、続きの部分を、リングバッファ52aを用いて再生する(S106)。
【0034】
以上説明したゲーム装置10(楽曲再生装置)によれば、1つの楽曲を第1の部分及び第2の部分に分割し、コントローラ32の所定ボタンが押下されるまで第1の部分を示す第1楽曲データをループ再生し、押下されれば、続いて第2の部分を示す第2楽曲データを再生するので、第2の部分に楽曲のサビ部分が含まれていても、それが所定ボタンが押下される前に再生されてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置(楽曲再生装置)のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム画面の推移例を示す図である。
【図3】楽曲データの再生手順を示す図である。
【図4】楽曲データの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るゲーム装置における楽曲再生処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0036】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、50 楽曲データ記憶部、52 サウンドバッファ、52a リングバッファ(第1のバッファ)、52b 補助バッファ(第2のバッファ)、54 第1楽曲データループ再生部、56 ループタイミング待機部、58 第2楽曲データ再生部、60 操作検知部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データと、該所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データと、を再生する楽曲再生装置において、
前記第1楽曲データが部分的に先頭から順に格納される第1のバッファと、
前記第2楽曲データの少なくとも先頭部分が格納される第2のバッファと、
前記第1のバッファの記憶内容に従って、前記第1楽曲データをループ再生する第1楽曲データループ再生手段と、
前記第1楽曲データのループ再生中にユーザによる所定操作を検知する操作検知手段と、
前記操作検知手段により前記所定操作が検知される場合に、前記楽曲の前記所定のループタイミングの到来を待機するループタイミング待機手段と、
前記所定のループタイミングが到来した場合に、前記第2のバッファの記憶内容に従って、前記第2楽曲データの再生を開始する第2楽曲データ再生手段と、
を含むことを特徴とする楽曲再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の楽曲再生装置において、
前記第1のバッファは、同一サイズの2つのバッファから構成される、
ことを特徴とする楽曲再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の楽曲再生装置において、
前記第1楽曲データのサイズは、前記第1のバッファを構成する前記バッファのサイズの整数倍に調整される、
ことを特徴とする楽曲再生装置。
【請求項4】
楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データと、該所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データと、を再生する楽曲再生方法において、
第1のバッファに前記第1楽曲データを部分的に先頭から順に格納するステップと、
第2のバッファに前記第2楽曲データの少なくとも先頭部分を格納するステップと、
前記リ第1のバッファの記憶内容に従って、前記第1楽曲データをループ再生するステップと、
前記第1楽曲データのループ再生中にユーザによる所定操作を検知するステップと、
前記第1楽曲データのループ再生中に前記所定操作が検知される場合に、前記楽曲の前記所定のループタイミングの到来を待機するステップと、
前記所定のループタイミングが到来した場合に、前記第2のバッファの記憶内容に従って、前記第2楽曲データの再生を開始するステップと、
を含むことを特徴とする楽曲再生方法。
【請求項5】
楽曲の開始タイミングから所定のループタイミングまでの部分を示す第1楽曲データが部分的に先頭から順に格納される第1のバッファ、
前記楽曲のうち前記所定のループタイミング以降の部分を示す第2楽曲データの少なくとも先頭部分が格納される第2のバッファ、
前記第1のバッファの記憶内容に従って、前記第1楽曲データをループ再生する第1楽曲データループ再生手段、
前記第1楽曲データのループ再生中にユーザによる所定操作を検知する操作検知手段、
前記操作検知手段により前記所定操作が検知される場合に、前記楽曲の前記所定のループタイミングの到来を待機するループタイミング待機手段、及び
前記所定のループタイミングが到来した場合に、前記第2のバッファの記憶内容に従って、前記第2楽曲データの再生を開始する第2楽曲データ再生手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−147818(P2007−147818A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339812(P2005−339812)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】