説明

構内電話交換機および電話システム

【課題】接続先に接続される固定電話機をユーザに知らせることが可能な構内電話交換機を提供する。
【解決手段】このゲートウェイ機器1(構内電話交換機)は、携帯電話機2aから接続先4に関する接続先電話番号224aを取得することが可能な赤外線通信部13と、接続先電話番号224aに基づいて、携帯電話機2aに対応する固定電話機3aと接続先4との間で電話通信を行うことが可能なアナログ通信部11およびIP通信部12と、接続先電話番号224aに基づいて接続先4へ発信させるとともに、接続先電話番号224aを取得した携帯電話機2aに対応する固定電話機3aを鳴動させる制御を行うCPU16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、構内電話交換機および電話システムに関し、特に、携帯端末から接続先特定情報を取得することが可能な構内電話交換機および電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末から接続先特定情報を取得することが可能な電話システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、メモリに登録されている電話番号を赤外線により送信可能な携帯電話機と、携帯電話機から受信した電話番号を自動的に送信するボタン電話機(固定電話機)と、ボタン電話機から受信した電話番号を外線に発信する主装置とを備えるシステムが開示されている。なお、上記特許文献1には、主装置から電話番号を外線に発信した後の処理は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−320110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、主装置から電話番号を外線に発信した後の処理は記載されていないため、複数のボタン電話機が存在する場合には、複数のボタン電話機のうちのどのボタン電話機が、携帯電話機から送信された電話番号の相手先と接続されるのかをユーザに知らせることができないという問題点があると考えられる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、接続先に接続される固定電話機をユーザに知らせることが可能な構内電話交換機および電話システムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による構内電話交換機は、携帯端末から接続先に関する接続先特定情報を取得することが可能な第1通信部と、接続先特定情報に基づいて、携帯端末に対応する固定電話機と接続先との間で電話通信を行うことが可能な第2通信部と、接続先特定情報に基づいて接続先へ発信させるとともに、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させる制御を行う制御部とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による構内電話交換機では、上記のように、携帯端末から接続先に関する接続先特定情報を取得することが可能な第1通信部と、接続先特定情報に基づいて接続先へ発信させるとともに、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させる制御を行う制御部とを設けることによって、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させることにより、接続先特定情報に基づく接続先に接続される固定電話機をユーザに知らせることができる。
【0009】
上記第1の局面による構内電話交換機において、好ましくは、複数の携帯端末の各々と、複数の携帯端末の各々に対応する固定電話機との対応関係を記憶した記憶部をさらに備え、制御部は、記憶部に記憶された携帯端末と固定電話機との対応関係に基づいて、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させるように構成されている。このように構成すれば、制御部は、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を、記憶部に予め記憶されている対応関係に基づいて認識することができるので、より確実に、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させることができる。
【0010】
上記第1の局面による構内電話交換機において、好ましくは、第2通信部は、携帯端末と接続先とに同時に接続することが可能なように構成されており、制御部は、ユーザが固定電話機の鳴動に対して固定電話機で電話通信を行わない場合には、固定電話機と接続先との間での電話通信に代えて、固定電話機に対応する携帯端末と接続先とを第2通信部を介して接続することによって、携帯端末と接続先との間で電話通信を行わせるように構成されている。このように構成すれば、ユーザが固定電話機の鳴動に対して固定電話機で電話通信を行わない場合においても、接続先特定情報を取得した携帯端末と接続先とを第2通信部を介して接続することによって、より確実に、携帯端末から接続先特定情報を送信したユーザに接続先との電話通信を行わせることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、固定電話機に対応する携帯端末と接続先とを第2通信部を介して接続する前に、第2通信部を介して、待機する旨の通知を接続先に対して送信するように構成されている。このように構成すれば、第2通信部を介して携帯端末と接続するために要する時間(待ち時間)が経過する前に予め接続先に待機する旨を通知しておくことができるので、待ち時間中に、構内電話交換機との接続が途切れたと接続先が誤って認識するのを抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による構内電話交換機において、好ましくは、制御部は、接続先との接続が確立しない場合には、固定電話機を鳴動させずに、第1通信部を介して、接続先との接続が確立しない旨の通知を携帯端末に対して送信するように構成されている。このように構成すれば、接続先との接続が確立しない状態を容易にユーザに認識させることができる。
【0013】
この発明の第2の局面による電話システムは、接続先の接続先特定情報を送信可能な携帯端末と、複数の固定電話機と、携帯端末から送信された接続先特定情報を取得することが可能な第1通信部と、接続先特定情報に基づいて、携帯端末に対応する固定電話機と接続先との間で電話通信を行うことが可能な第2通信部と、接続先特定情報に基づいて接続先へ発信させるとともに、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させる制御を行うように構成されている制御部とを含む構内電話交換機とを備える。
【0014】
この発明の第2の局面による電話システムでは、上記のように、構内電話交換機に、携帯端末から接続先に関する接続先特定情報を取得することが可能な第1通信部と、接続先特定情報に基づいて接続先へ発信させるとともに、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させる制御を行う制御部とを設けることによって、接続先特定情報を取得した携帯端末に対応する固定電話機を鳴動させることにより、接続先特定情報に基づく接続先に接続される固定電話機をユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による電話システムの全体構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による携帯電話機−固定電話機対応表を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態による携帯電話機での接続先との接続における処理を示したフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態によるゲートウェイ機器での接続先との接続における処理を示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による固定電話機での接続先との接続における処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による電話システム100の構成について説明する。
【0018】
本発明の一実施形態による電話システム100は、図1に示すように、ゲートウェイ(Gate Way)機器1と、4つの携帯電話機2a、2b、2cおよび2dと、4つの固定電話機3a、3b、3cおよび3dとを備えている。ゲートウェイ機器1は、外部の接続先4および携帯電話機2a〜2dのいずれかと、4つの固定電話機3a〜3dのいずれかとの間の中継を行う機能を有している。なお、ゲートウェイ機器1は、本発明の「構内電話交換機」の一例であり、携帯電話機2a、2b、2cおよび2dは、本発明の「携帯端末」の一例である。
【0019】
携帯電話機2a、2b、2cおよび2dには、各々に固有の電話番号が割り当てられている。また、固定電話機3a、3b、3cおよび3dには、各々に固有の内線番号が割り当てられている。
【0020】
携帯電話機2aは、図1に示すように、携帯電話機での通話時などに使用される通信部21aと、通話時以外のデータ通信に使用される赤外線通信部22aと、鳴動部23aと、ROM24aと、RAM25aと、CPU26aとを備えている。
【0021】
通信部21aは、携帯電話網5への接続が可能であり、これにより、1回線の電話通信が可能に構成されている。この結果、携帯電話機2aは、携帯電話網5を介して、外線電話網6およびIP網7に接続されたゲートウェイ機器1と電話通信可能なように構成されている。赤外線通信部22aは、ゲートウェイ機器1の後述する赤外線通信部13との無線通信が可能なように構成されている。鳴動部23aは、通信部21aにより着信を受けた場合に、CPU26aの制御に基づいて着信音を発したり振動を発する(鳴動する)ように構成されている。これにより、CPU26aは、携帯電話機2aを操作するユーザに着信が存在する旨を知らせるように構成されている。
【0022】
ROM24aは、書き換え可能な不揮発性メモリであり、携帯電話機2aを制御するためプログラムなどが記憶されている。また、ROM24aには、アドレス帳124aが格納されている。アドレス帳124aには、複数の接続先4の各々に対応する接続先電話番号224aが複数記憶されている。また、ユーザの操作によって、アドレス帳124aから複数の接続先電話番号224aのうちのいずれか1つが選択されることにより、CPU26aは、選択された接続先電話番号224aと、携帯電話機2aが有する電話番号「aaa−aaaa−aaaa」とを赤外線通信部22aを介してゲートウェイ機器1に送信するように構成されている。なお、接続先電話番号224aは、本発明の「接続先特定情報」の一例である。
【0023】
RAM25aは、揮発性メモリであり、CPU26aの作業領域として使用される。CPU26aは、ROM24aに記憶されたプログラムを実行することにより携帯電話機2aの各部の動作を制御するように構成されている。
【0024】
なお、携帯電話機2b、2cおよび2dについては、携帯電話機2aと同様の構造を有しているので、その説明を省略する。
【0025】
固定電話機3aは、図1に示すように、アナログ回線接続を行うための通信部31aと、鳴動部32aと、CPU33aとを備えている。通信部31aは、ゲートウェイ機器1の後述するアナログ通信部11に接続されており、ゲートウェイ機器1との間で内線用回線を介して電話通信が可能に構成されている。鳴動部32aは、通信部31aにより着信を受けた場合に、CPU33aの制御に基づいて着信音を発する(鳴動する)ように構成されている。これにより、CPU33aは、ユーザに固定電話機3aに着信が存在する旨を知らせるように構成されている。また、CPU33aは、図示しないプログラムを実行することにより固定電話機3aの各部の動作を制御するように構成されている。
【0026】
なお、固定電話機3b、3cおよび3dについては、固定電話機3aと同様の構造を有しているので、その説明を省略する。
【0027】
ゲートウェイ機器1は、図1に示すように、アナログ回線接続を行うためのアナログ通信部11と、IP(Internet Protocol)ネットワークへの回線接続を行うためのIP通信部12と、赤外線通信部13とを備えている。また、ゲートウェイ機器1は、ROM14と、RAM15と、CPU16とを備えている。
【0028】
アナログ通信部11は、複数の外線用回線によって外線電話網6に接続されており、各々の外線用回線を用いて複数の電話通信を同時に行うことが可能に構成されている。IP通信部12は、IP網7に接続されており、複数の電話通信を同時に行うことが可能に構成されている。これにより、アナログ通信部11またはIP通信部12を用いてゲートウェイ機器1と接続先4とを接続するのと同時に、アナログ通信部11またはIP通信部12を用いてゲートウェイ機器1と携帯電話機2a(2b〜2d)とを接続することによって、アナログ通信部11またはIP通信部12を介して、接続先4と携帯電話機2a(2b〜2d)とを接続することが可能に構成されている。なお、アナログ通信部11およびIP通信部12は、本発明の「第2通信部」の一例である。
【0029】
また、アナログ通信部11は、複数の内線用回線によって4つの固定電話機3a〜3dに接続されており、外線用回線またはIP通信部12と、内線用回線とを接続することによって、固定電話機3a〜3dと、接続先4または携帯電話機2a〜2dとの間で電話通信することが可能に構成されている。また、IP通信部12には、LAN(Local Area Network)8が接続されており、LAN8上の端末装置(図示せず)同士を通信可能に接続する機能を有している。
【0030】
赤外線通信部13は、携帯電話機2a(2b〜2d)との無線通信が可能なように構成されており、携帯電話機2a(2b〜2d)においてユーザによって選択された接続先電話番号224aと、携帯電話機2a(2b〜2d)が有する電話番号とを受信可能なように構成されている。なお、赤外線通信部13は、本発明の「第1通信部」の一例である。
【0031】
ROM14には、ゲートウェイ機器1を制御するためプログラムや、ゲートウェイ機器1の各種の設定情報などに加えて、図2に示すような携帯電話機−固定電話機対応表16aが記憶されている。携帯電話機−固定電話機対応表16aには、携帯電話機2a、2b、2cおよび2dの電話番号の各々と、携帯電話機2a、2b、2cおよび2dの各々に対応する固定電話機3a、3b、3cおよび3dの内線番号との対応関係がリスト形式で記憶されている。なお、ROM14は、本発明の「記憶部」の一例である。
【0032】
具体的には、電話番号「aaa−aaaa−aaaa」を有する携帯電話機2aが、内線番号「AAA」を有する固定電話機3aと対応づけられている。また、電話番号「bbb−bbbb−bbbb」を有する携帯電話機2bが、内線番号「BBB」を有する固定電話機3bと対応づけられている。また、電話番号「ccc−cccc−cccc」を有する携帯電話機2cが、内線番号「CCC」を有する固定電話機3cと対応づけられている。また、電話番号「ddd−dddd−dddd」を有する携帯電話機2dが、内線番号「DDD」を有する固定電話機3dと対応づけられている。
【0033】
図1に示すように、RAM15は、揮発性メモリであり、CPU16の作業領域として使用される。CPU16は、ROM14に記憶されたプログラムを実行することによりゲートウェイ機器1の各部の動作を制御するように構成されている。なお、CPU16は、本発明の「制御部」の一例である。
【0034】
ここで、本実施形態では、CPU16は、携帯電話機2aから受信した接続先電話番号224aを、アナログ通信部11またはIP通信部12を介して外部の電話局交換機(図示せず)などに発信することによって、接続先電話番号224aによって特定される接続先4との接続を試みるように構成されている。この際、CPU16は、外線電話網6またはIP網7のうち、すでに他の通話などにより占有されておらず電話通信が可能な電話網であり、かつ、通話料金の安い電話網を選択して、選択した電話網に対応するアナログ通信部11またはIP通信部12を用いて発信するように構成されている。
【0035】
また、CPU16は、接続先4と接続が確立した際には、接続先4と接続を維持した状態で、ROM14に記憶された携帯電話機−固定電話機対応表16aを参照して、携帯電話機2aに対応する固定電話機3aを抽出するとともに、抽出した固定電話機3aの内線番号「AAA」に発信するように構成されている。これにより、固定電話機3aが通話中である場合を除き、固定電話機3aにおいて、鳴動部32aが鳴動されるように構成されている。そして、固定電話機3aにおいて、所定の時間内に図示しない受話器を取り上げられるなどの通話開始操作が行われて回線が接続(オフフック)されたことを検出した場合には、CPU16は、固定電話機3aと接続先4とを外部の電話局交換機に接続させて、固定電話機3aと接続先4との間で電話通信を行わせるように構成されている。
【0036】
また、本実施形態では、固定電話機3aが通話中の場合、または、固定電話機3aがオフフックされずに、鳴動部32aが所定の時間以上鳴動している場合(固定電話機3aとの接続を確立できない場合)には、CPU16は、アナログ通信部11またはIP通信部12を介して「今接続しておりますので、少々お待ちください」という待機を促す通知(待機通知)を、接続が確立している接続先4に対して送信するように構成されている。これにより、接続先4において、音声や画像などにより待機を促す旨が出力されるように構成されている。
【0037】
そして、CPU16は、待機通知を送信した後に、アナログ通信部11またはIP通信部12を用いて、携帯電話機2aが有する電話番号「aaa−aaaa−aaaa」を、外部の携帯電話基地局(図示せず)などに発信することによって、携帯電話機2aとの接続を試みるように構成されている。これにより、接続先電話番号224aを送信した携帯電話機2aの鳴動部23aが鳴動されるように構成されている。その後、携帯電話機2aにおいて、図示しない所定のボタンが押下されたなどの通話開始操作が行われて回線が接続(オフフック)されたことを検出した場合には、CPU16は、携帯電話機2aと接続先4とをアナログ通信部11およびIP通信部12を介して接続することによって、携帯電話機2aと接続先4との間で電話通信を行わせるように構成されている。
【0038】
また、接続先4が通話中の場合(接続先4との接続を確立できない場合)には、CPU16は、赤外線通信部13を介して「接続先は、ただ今通話中です」という通話中である旨の通知(通話中通知)を、携帯電話機2aに対して送信するように構成されている。これにより、携帯電話機2aにおいて、音声や画像などにより通話中である旨が出力されるように構成されている。なお、CPU16は、外部の電話局交換機(図示せず)から発信されたビジートーンを検出することによって、接続先4が通話中であることを認識するように構成されている。また、CPU16は、携帯電話機2aに対して通話中通知を行った場合には、携帯電話機2aに対応する固定電話機3aに発信しないように構成されている。すなわち、携帯電話機2aに対して通話中通知が行われた際には、固定電話機3aにおいて鳴動部32aが鳴動されないように構成されている。
【0039】
なお、ゲートウェイ機器1のCPU16は、携帯電話機2b、2cおよび2dに対しても、携帯電話機2aと同様の制御を行うように構成されている。また、CPU16は、固定電話機3b、3cおよび3dに対しても、固定電話機3aと同様の制御を行うように構成されている。
【0040】
次に、図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による電話システム100の接続先4への接続における携帯電話機2aのCPU26a、ゲートウェイ機器1のCPU16および固定電話機3aのCPU33aでの各々の処理について説明する。
【0041】
まず、携帯電話機2aの処理として、図3に示すように、ステップS1において、CPU26a(図1参照)により、アドレス帳124a(図1参照)から複数の接続先電話番号224aのうちのいずれか1つが選択されたか否かが判断される。そして、ステップS1において、複数の接続先電話番号224aのうちのいずれか1つが選択されたと判断されるまで、この判断が繰り返される。また、ステップS1において、複数の接続先電話番号224aのうちのいずれか1つが選択されたと判断された場合には、ステップS2において、CPU26aにより、選択された接続先電話番号224aと、携帯電話機2aが有する電話番号「aaa−aaaa−aaaa」とが赤外線通信部22a(図1参照)を介してゲートウェイ機器1に送信される。なお、本実施形態では、接続先4に対応する接続先電話番号224aが選択された場合を示す。
【0042】
ここで、ゲートウェイ機器1の処理として、図4に示すように、ステップS11において、CPU16(図1参照)により、接続先電話番号224aと、接続先電話番号224aを送信した携帯電話機2aの電話番号とを受信したか否かが判断される。そして、ステップS11において、接続先電話番号224aと携帯電話機2aの電話番号とを受信したと判断されるまで、この判断が繰り返される。また、ステップS11において、接続先電話番号224aと携帯電話機2aの電話番号とを受信したと判断された場合には、ステップS12において、CPU16により、接続先電話番号224aを、アナログ通信部11またはIP通信部12(図1参照)を介して外部の電話局交換機(図示せず)などに発信することによって、接続先電話番号224aによって特定される接続先4との接続が試みられる。
【0043】
そして、ステップS13において、CPU16により、接続先4側で図示しない受話器を取り上げられて回線が接続(オフフック)されたことが検出されたか否かが判断される。ステップS13において、接続先4のオフフックが検出されていないと判断された場合には、ステップS14において、CPU16により、接続先4が通話中であることを示すビジートーンが検出されたか否かが判断される。ステップS14において、ビジートーンが検出されていないと判断された場合には、ステップS13に戻り、再度、接続先4のオフフックが検出されたか否かが判断される。また、ステップS14において、ビジートーンが検出されたと判断された場合には、ステップS15において、CPU16により、接続先4と接続を確立できないと判断されて「接続先は、ただ今通話中です」という通話中である旨の通知(通話中通知)が携帯電話機2aに対して送信される。
【0044】
ここで、携帯電話機2aの処理として、図3に示すように、ステップS3において、CPU26aにより、通話中通知が受信されたか否かが判断される。ステップS3において、通話中通知が受信されたと判断された場合には、ステップS4において、CPU26aにより、音声や画像などにより通話中である旨が出力される。これにより、携帯電話機2aのCPU26aの処理が終了される。また、ステップS3において、通話中通知が受信されていないと判断された場合には、後述するステップS5に進む。
【0045】
また、ゲートウェイ機器1の処理として、図4に示すように、ステップS13において、接続先4のオフフックが検出されたと判断された場合には、接続先4とゲートウェイ機器1との接続が確立した状態となる。そして、ステップS16において、CPU16により、携帯電話機−固定電話機対応表16a(図2参照)が参照されて、電話番号「aaa−aaaa−aaaa」を有する携帯電話機2aに対応する固定電話機3aが抽出される。そして、ステップS17において、CPU16により、アナログ通信部11(図1参照)から内線用回線を介して固定電話機3aの内線番号「AAA」に発信される。そして、後述するステップS18に進む。
【0046】
ここで、固定電話機3aの処理として、図5に示すように、ステップS31において、CPU33a(図1参照)により、通信部31a(図1参照)により着信を受けたか否かが判断される。そして、ステップS31において、着信を受けたと判断されるまで、この判断が繰り返される。また、ステップS31において、着信を受けたと判断された場合には、ステップS32において、CPU33aにより、他の接続先や他の固定電話機4b〜4dとすでに通話中であるか否かが判断される。ステップS32において、通話中であると判断された場合には、ステップS33において、CPU33aにより、ビジートーンがゲートウェイ機器1に向けて発信される。これにより、固定電話機3aが通話中であることがゲートウェイ機器1に伝達される。そして、固定電話機3aのCPU33aの処理が終了される。また、ステップS32において、通話中でないと判断された場合には、ステップS34において、CPU33aにより、鳴動部32aが鳴動される。
【0047】
そして、ステップS35において、CPU33aにより、通話開始操作を受け付けたか否かが判断される。そして、ステップS35において、通話開始操作を受け付けたと判断されるまで、この判断が繰り返される。また、ステップS35において、通話開始操作を受け付けたと判断された場合には、ステップS36において、CPU33aにより、ゲートウェイ機器1と回線が接続(オフフック)されるとともに、オフフックされたことがゲートウェイ機器1に伝達される。これにより、接続先4とゲートウェイ機器1との接続と、固定電話機3aとゲートウェイ機器1との接続との両方が確立した状態になる。そして、固定電話機3aのCPU33aの処理が終了される。
【0048】
また、ゲートウェイ機器1の処理として、図4に示すように、ステップS18において、CPU16により、固定電話機3aから発信されたビジートーン(図5のステップS33参照)が検出されたか否かが判断される。ステップS18において、ビジートーンが検出されていないと判断された場合には、ステップS19において、CPU16により、所定時間内に固定電話機3aのオフフックが検出されたか否かが判断される。ステップS19において、所定時間内に固定電話機3aのオフフックが検出されたと判断された場合には、ステップS20において、CPU16により、接続先4と固定電話機3aとが外部の電話局交換機によって接続されて、接続先4と固定電話機3aとの間で電話通信が行われる。そして、ゲートウェイ機器1のCPU16の処理が終了される。
【0049】
また、ステップS18において、ビジートーンが検出されたと判断された場合、および、ステップS19において、所定時間内に固定電話機3aのオフフックが検出されていないと判断された場合には、ステップS21において、CPU16により、固定電話機3aとの接続を確立できないと判断されて「今接続しておりますので、少々お待ちください」という待機を促す通知(待機通知)が、接続が確立されている接続先4に対して送信される。そして、ステップS22において、CPU16により、接続を確立できない固定電話機3aに対応する携帯電話機2a(接続先電話番号224aを送信した携帯電話機2a)の電話番号「aaa−aaaa−aaaa」を、アナログ通信部11またはIP通信部12を介して外部の携帯電話基地局(図示せず)などに発信することによって、携帯電話機2aとの接続が行われる。
【0050】
ここで、携帯電話機2aの処理として、図3に示すように、ステップS5において、CPU26aにより、通信部21aにより着信を受けたか否かが判断される。ステップS5において、着信を受けていないと判断された場合には、携帯電話機2aのCPU26aの処理が終了される。また、ステップS5において、着信を受けたと判断された場合には、ステップS6において、CPU26aにより、鳴動部23aが鳴動される。
【0051】
そして、ステップS7において、CPU26aにより、通話開始操作を受け付けたか否かが判断される。そして、ステップS7において、通話開始操作を受け付けたと判断されるまで、この判断が繰り返される。また、ステップS7において、通話開始操作を受け付けたと判断された場合には、ステップS8において、CPU26aにより、ゲートウェイ機器1と回線が接続(オフフック)されるとともに、オフフックされたことがゲートウェイ機器1に伝達される。これにより、接続先4とゲートウェイ機器1との接続と、携帯電話機2aとゲートウェイ機器1との接続との両方が確立した状態になる。そして、携帯電話機2aのCPU26aの処理が終了される。
【0052】
また、ゲートウェイ機器1の処理として、図4に示すように、ステップS23において、CPU16により、携帯電話機2aのオフフックが検出されたか否かが判断される。そして、ステップS23において、携帯電話機2aのオフフックが検出されたと判断されるまで、この判断が繰り返される。ステップS23において、携帯電話機2aのオフフックが検出されたと判断された場合には、ステップS24において、CPU16により、携帯電話機2aと固定電話機3aとが接続されて、携帯電話機2aと固定電話機3aとの間で電話通信が行われる。そして、ゲートウェイ機器1のCPU16の処理が終了される。
【0053】
本実施形態では、上記のように、接続先電話番号224aと携帯電話機2aが有する電話番号とを携帯電話機2aの赤外線通信部22aから受信可能な赤外線通信部13と、接続先電話番号224aに発信することにより、接続先電話番号224aによって特定される接続先4と接続するとともに、ROM14に記憶された携帯電話機−固定電話機対応表16aを参照して、携帯電話機2aに対応する固定電話機3aの内線番号「AAA」に発信することにより、固定電話機3aの鳴動部32aを鳴動させるように制御するCPU16とをゲートウェイ機器1に設けることによって、接続先電話番号224aを取得した携帯電話機2aに対応する固定電話機3aを鳴動させることにより、接続先電話番号224aに基づく接続先4に接続される固定電話機3aをユーザに知らせることができる。また、CPU16は、接続先電話番号224aを取得した携帯電話機2aに対応する固定電話機3aを、ROM14に予め記憶されている対応関係に基づいて認識することができるので、より確実に、接続先電話番号224aを取得した携帯電話機2aに対応する固定電話機3aを鳴動させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、固定電話機3aとの接続を確立できない場合に、CPU16を、携帯電話機2aが有する電話番号「aaa−aaaa−aaaa」を、外部の携帯電話基地局などに発信して携帯電話機2aに接続することにより、携帯電話機2aと接続先4との間で電話通信を行わせるように構成すれば、ユーザが固定電話機3aの鳴動に対して固定電話機3aで電話通信を行わない場合においても、接続先電話番号224aを取得した携帯電話機2aと接続先4とをアナログ通信部11またはIP通信部12を介して接続することによって、より確実に、携帯電話機2aから接続先電話番号224aを送信したユーザに接続先4との電話通信を行わせることができる。
【0055】
また、本実施形態では、固定電話機3aとの接続を確立できない場合に、CPU16を、携帯電話機2aに接続する前に、アナログ通信部11またはIP通信部12を介して「今接続しておりますので、少々お待ちください」という待機を促す通知を接続が確立している接続先4に対して送信するように構成すれば、アナログ通信部11またはIP通信部12を介して携帯電話機2aと接続するために要する時間(待ち時間)が経過する前に予め接続先4に待機を促す旨を通知しておくことができるので、待ち時間中に、ゲートウェイ機器1との接続が途切れたと接続先4が誤って認識するのを抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態では、接続先4が通話中であって、接続先電話番号224aによって特定される接続先4との接続を確立できない場合には、CPU16を、赤外線通信部13を介して「接続先は、ただ今通話中です」という通話中である旨の通知を携帯電話機2aに対して送信するように構成すれば、接続先4との接続が確立しない状態を容易にユーザに認識させることができる。
【0057】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0058】
たとえば、上記実施形態では、構内電話交換機の一例として、ゲートウェイ機器1を示すとともに、携帯端末の一例として、携帯電話機2a〜2dを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、構内電話交換機は、IP−PBX(Internet Protocol Private Branch exchange)などの他の構内電話交換機であってもよい。また、携帯端末は、接続先電話番号を送信可能に構成されていればよく、たとえば、通話機能を有さないPDA(Personal Digital Assistant)などの他の携帯端末であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、携帯電話機が、赤外線通信部を介した無線通信により、接続先電話番号と携帯電話機が有する電話番号とをゲートウェイ機器1に送信した例に示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、携帯電話機は、Bluetooth(登録商標)などの赤外線以外の他の無線通信により、接続先電話番号と携帯電話機が有する電話番号とをゲートウェイ機器に送信してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、携帯電話機2a〜2dとゲートウェイ機器1とを、携帯電話網5だけでなく外線電話網6およびIP網7を介して電話通信可能なように接続した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ゲートウェイ機器に携帯電話網での通話が可能な携帯電話通信部を設けることによって、外線電話網およびIP網を介さずに、携帯電話網のみを介して携帯電話機とゲートウェイ機器とを電話通信可能なように接続してもよい。この際、ゲートウェイ機器が携帯電話網における電話交換機を兼ねることによって、構内でのみ使用可能な携帯電話網を構築してもよい。これにより、外部の携帯電話網を介して通話を行う場合と異なり、携帯電話網を用いた電話通信における通話料金の発生を抑制することが可能である。
【0061】
また、上記実施形態では、ゲートウェイ機器1と固定電話機3a〜3dとを内線用回線を介して接続した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ゲートウェイ機器と固定電話機とを外線用回線および外部電話網を介して接続してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、ROM14に記憶された携帯電話機−固定電話機対応表16aを参照して、接続先電話番号が送信された携帯電話機に対応する固定電話機を抽出した例について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、携帯電話機−固定電話機対応表を用いずに携帯電話機に対応する固定電話機を抽出してもよい。たとえば、携帯電話機に予め対応する固定電話機の内線番号を記憶させておき、携帯電話機を、携帯電話機が有する電話番号の代わりに記憶させておいた固定電話機の内線番号を送信するように構成する。これにより、ゲートウェイ機器は、携帯電話機と固定電話機との対応関係を参照せずに、携帯電話機から送信された固定電話機の内線番号を発信することが可能である。また、ゲートウェイ機器が、接続先電話番号が送信された携帯電話機の位置をGPSなどにより認識することによって、携帯電話機に最も近い位置に存在する固定電話機を携帯電話機に対応する固定電話機として対応づけるように構成してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、接続先4が通話中であって、接続先電話番号224aによって特定される接続先4との接続を確立できない場合には、固定電話機3aを鳴動させずに、通話中である旨の通知を携帯電話機2aに対して送信するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続先との接続を確立できない場合に、固定電話機に設けられた表示部などに通話中である旨の通知を表示させてもよい。これにより、赤外線通信部を介して携帯電話機に通知を送信できない場合であっても、ユーザに通話中である旨を通知することが可能である。
【0064】
また、上記実施形態では、ゲートウェイ機器1のCPU16を、接続先4と接続が確立した際には、接続先4と接続を維持した状態で、携帯電話機2aに対応する固定電話機3aを抽出するとともに、抽出した固定電話機3aの内線番号に発信するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ゲートウェイ機器を、接続先と接続が確立した際には、接続先との接続を維持せずに一旦接続を解除するとともに、接続先からゲートウェイ機器に発信させて、接続先とゲートウェイ機器とを再度接続(コールバック)するように構成してもよい。これにより、ゲートウェイ機器が固定電話機(携帯電話機)と接続する際に要する時間が長くなることに起因して、接続先との接続を維持するための通話料金が増加するのを抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 ゲートウェイ機器(構内電話交換機)
2a、2b、2c、2d 携帯電話機(携帯端末)
3a、3b、3c、3d 固定電話機
4 接続先
11 アナログ通信部(第2通信部)
12 IP通信部(第2通信部)
13 赤外線通信部(第1通信部)
14 ROM(記憶部)
16 CPU(制御部)
100 電話システム
224a 接続先電話番号(接続先特定情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末から接続先に関する接続先特定情報を取得することが可能な第1通信部と、
前記接続先特定情報に基づいて、前記携帯端末に対応する固定電話機と前記接続先との間で電話通信を行うことが可能な第2通信部と、
前記接続先特定情報に基づいて前記接続先へ発信させるとともに、前記接続先特定情報を取得した前記携帯端末に対応する前記固定電話機を鳴動させる制御を行う制御部とを備える、構内電話交換機。
【請求項2】
複数の前記携帯端末の各々と、前記複数の携帯端末の各々に対応する前記固定電話機との対応関係を記憶した記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記携帯端末と前記固定電話機との対応関係に基づいて、前記接続先特定情報を取得した前記携帯端末に対応する前記固定電話機を鳴動させるように構成されている、請求項1に記載の構内電話交換機。
【請求項3】
前記第2通信部は、前記携帯端末と前記接続先とに同時に接続することが可能なように構成されており、
前記制御部は、ユーザが前記固定電話機の鳴動に対して前記固定電話機で電話通信を行わない場合には、前記固定電話機と前記接続先との間での電話通信に代えて、前記固定電話機に対応する前記携帯端末と前記接続先とを前記第2通信部を介して接続することによって、前記携帯端末と前記接続先との間で電話通信を行わせるように構成されている、請求項1または2に記載の構内電話交換機。
【請求項4】
前記制御部は、前記固定電話機に対応する前記携帯端末と前記接続先とを前記第2通信部を介して接続する前に、前記第2通信部を介して、待機する旨の通知を前記接続先に対して送信するように構成されている、請求項3に記載の構内電話交換機。
【請求項5】
前記制御部は、前記接続先との接続が確立しない場合には、前記固定電話機を鳴動させずに、前記第1通信部を介して、前記接続先との接続が確立しない旨の通知を前記携帯端末に対して送信するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構内電話交換機。
【請求項6】
接続先の接続先特定情報を送信可能な携帯端末と、
複数の固定電話機と、
前記携帯端末から送信された前記接続先特定情報を取得することが可能な第1通信部と、前記接続先特定情報に基づいて、前記携帯端末に対応する前記固定電話機と前記接続先との間で電話通信を行うことが可能な第2通信部と、前記接続先特定情報に基づいて前記接続先へ発信させるとともに、前記接続先特定情報を取得した前記携帯端末に対応する前記固定電話機を鳴動させる制御を行うように構成されている制御部とを含む構内電話交換機とを備える、電話システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−120000(P2012−120000A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268827(P2010−268827)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】