説明

構造体の製造方法

【課題】 簡便な工程で、余剰の接着剤を溜めるための接着剤溜りを形成することが可能な、構造体の製造方法の提供。
【解決手段】 少なくとも第1及び第2の基板を接着剤を介して接合する構造体の製造方法であって、当該第1の基板及び当該第2の基板に位置決めピンを挿入するための位置決め孔を形成する第1工程と、当該第1の基板又は当該第2の基板の少なくとも一方の当該位置決め孔の周囲にレーザを照射して接着剤溜りを形成する第2工程と、当該第1の基板及び当該第2の基板に各々形成された当該位置決め孔に当該位置決めピンを挿入し、当該第1の基板と当該第2の基板とを接着剤を介して接合する第3工程と、を含む、構造体の製造方法により、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体の製造方法に関し、詳しくは、簡便な工程で、余剰の接着剤を溜めるための接着剤溜りを形成することが可能な構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッド又は微小な機械部品と電子回路を集積したシステム(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)等の各種デバイスを製造する際に、複数の基板を接合して形成する場合がある。この際、一般に、基板同士の位置決めを高精度かつ容易に行うために、各基板に位置決め孔を形成し、位置決めピンを挿入して位置決めが行われる。
【0003】
しかし、複数の基板を接着剤で接着する場合、位置決め孔の内部へ余剰の接着剤がはみ出して位置決めピンが汚れたり、また、はみ出した接着剤が硬化して挿入した位置決めピンが外せない等の問題が生じる場合がある。また、同一の位置決め孔を複数回利用したい場合に、はみ出した接着剤が硬化して、次の位置決めピンを挿入し得ない場合がある。
【0004】
このような問題を解決するために、様々な方法が採られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、余剰の接着剤を溜めるための段差部を位置決め孔の内周部に設け、接着剤がはみ出すのを防止する方法が開示されている。
【特許文献1】特開平8−174825号公報
【特許文献2】特開2002−96473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら従来の方法では、エッチングにより段差部を形成しているが、具体的な工程については開示されていない。通常、エッチングにより段差部を形成する場合、複数のエッチングパターンを形成する必要があり、二回以上のフォトリソグラフィー工程が必要となる。フォトリソグラフィー工程では、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを通して紫外光等のフォトレジスト上に光を照射しマスクパターンを転写した後、現像を行うといった多くの工程が必要となる。したがって、作業工程が多く、作業工程数の増加に伴う歩留まりの低下や処理コストの増加を招く虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、簡便な工程で、余剰の接着剤を溜めるための接着剤溜りを形成することが可能な、構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、少なくとも第1及び第2の基板を接着剤を介して接合する構造体の製造方法であって、上記第1の基板及び上記第2の基板に位置決めピンを挿入するための位置決め孔を形成する第1工程と、上記第1の基板又は上記第2の基板の少なくとも一方の上記位置決め孔の周囲にレーザを照射して接着剤溜りを形成する第2工程と、上記第1の基板及び上記第2の基板に各々形成された上記位置決め孔に前記位置決めピンを挿入し、上記第1の基板と上記第2の基板とを接着剤を介して接合する第3工程と、を含む、構造体の製造方法である。
【0008】
これによれば、複数の基板の位置決め(アライメント)を行うための位置決め孔の少なくとも一方に、余剰の接着剤を溜めるための接着剤溜りをレーザにより形成するので、複数のフォトリソグラフィー工程を行う必要がなく、作業工程数を減らすことが可能となる。よって、歩留まりよく、安価に複数の基板を接合した構造体を得ることが可能となる。
【0009】
上記第2工程が、上記位置決め孔の周縁を当該位置決め孔の形状に沿ってレーザを照射することにより、上記位置決め孔の周縁に接着剤溜りとしての段差部を形成する工程であってもよい。これによれば、位置決め孔の形状に沿って加工をするので、新たなパターンを形成する必要もなく、容易に加工が可能となる。
【0010】
上記第2工程が、上記位置決め孔の上記位置決めピンが接触する接触部周辺部にレーザを照射することにより、接着剤溜りとしての段差部を形成する工程であってもよい。これによれば、位置決め孔の位置決めピンと接触する接触部を含む周辺(近傍)領域にのみ、接着剤溜りとしての段差部を形成するので、加工に必要なエネルギーを低減することが可能となり、構造体の製造の低コスト化を図ることが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様は、少なくとも第1及び第2の基板を接着剤を介して接合する構造体の製造方法であって、上記第1の基板又は上記第2の基板に位置決めピンを挿入するための位置決め孔を形成する第1工程と、上記第1の基板又は上記第2の基板の少なくとも一方の基板の片面にエッチング保護膜を形成し、上記位置決め孔の周囲にレーザを照射して当該エッチング保護膜をパターニングする第2工程と、上記パターニングした基板に、エッチング処理を行い、接着剤溜りを形成する第3工程と、上記第1の基板及び上記第2の基板に各々形成された上記位置決め孔に前記位置決めピンを挿入し、上記第1の基板と上記第2の基板とを接着剤を介して接合する第4工程と、を含む、構造体の製造方法である。
【0012】
これによれば、エッチング保護膜のパターニングをフォトリソグラフィーの代わりにレーザにより行うので、作業工程数を低減することが可能である。
【0013】
上記第2工程において、上記レーザを上記エッチング保護膜の表面上に集光させる手段が高開口数のレンズであることが好ましい。
【0014】
高開口数のレンズを使用することで、焦点深度を短くすることが可能となるので、加工するエッチング保護膜の下層に与えるレーザ照射の影響を低減することが可能となる。
【0015】
本発明の構造体の製造方法は、例えば、インクジェットヘッド、微小機械装置又は半導体装置等の製造に好適に使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第一の実施形態)
本実施形態に係る構造体の製造方法について、インクジェットヘッドの製造方法を例に採り、具体的に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るインクジェットヘッドの一例を示す図である。また、図2は、本実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
まず、図2(a)に示すように、位置決め孔12を形成した加圧室基板10を準備する。加圧室基板10は、例えば一のシリコン単結晶基板上に複数の加圧室基板10のパターンを露光して、異方性エッチングした後、各加圧室基板10に分離することにより得られる。加圧室基板10のパターンは、図1に示すように、複数の短冊状の加圧室102が設けられ、すべての加圧室102にインクを供給するための共通流路104を有するよう形成される。この際、位置決め孔12も同時又は別個にパターニングしてエッチングすることにより形成する。位置決め孔12の形状は、特に限定するものではなく、矩形状、円形状、平行四辺形状等のいずれの形状であってもよい。なお、位置決め孔12は、エッチングによらず、レーザ照射により形成してもよい。
【0019】
次に、加圧室基板10と、別途位置決め孔16が形成された流路基板14とを接合する。流路基板14には、加圧室基板10の加圧室102と図示しないインクタンクとを接続する流路が形成されている。流路基板14と加圧室基板10とは、例えば接着剤等により接合する。
【0020】
図2(b)に示すように、加圧室基板10に形成された位置決め孔12の周囲にレーザを照射することにより、接着剤溜りとしての段差部18を形成する。段差部18は、後の工程でノズル基板20を接合する際に、位置決め孔12内にはみ出す余剰の接着剤を収容し得る大きさに段差高さL及び段差幅Dを適宜調整する。段差部18の形成方法については、後に詳述する。なお、レーザ照射による飛散物(デブリ等)を除去するため、水等の液体中で加工を行ってもよい。また、レーザ加工後に、アンモニア水、KOH水溶液、NaOH水溶液等のアルカリ水溶液を用いて、飛散物の除去を行ってもよい。
【0021】
次に、図2(c)に示すような、位置決め孔22を形成したノズル基板20を準備する。図1中の符号106はノズル孔を示す。加圧室基板10及びノズル基板20に形成された位置決め孔12及び22に位置決めピン26を挿入し、加圧室基板10とノズル基板20とを位置合わせしながら、接着剤24を介して接合する。すると、図2(d)に示すように、余剰の接着剤24が段差部18に収容されるので、位置決めピン26に接着剤24が付着するのを回避することが可能となる。また、接着剤24が位置決め孔12及び22内に入り込むことがないので、繰り返し、この位置決め孔12及び22を位置合わせに使用することが可能となる。
【0022】
その後、位置決めピン26を引き抜き、図1に示すような基板120上に固定された基台114に、ノズル基板20と加圧室基板10と流路基板14を貼り合せた接合体を取り付け、その後、枠体122により接合体を固定する。これにより、圧電駆動方式によるインクジェットヘッドを得ることができる。なお、基台114の振動しユニット収容孔110内には、複数の図示しない圧電振動子を固定して構成された振動子ユニット108が収容されている。また、基板120は、インクジェットヘッドを図示しないキャリッジに固定するためのものである。
【0023】
次に、段差部18の形成方法について説明する。
段差部18を形成するための加工光学系は、固定光学系であってもスキャン光学系であってもよい。また、レーザ光学系は、結像光学系であっても集光光学系であってもよい。集光用固定光学系の場合には、被加工対象である加圧室基板10を、X軸方向及びY軸方向に移動可能な移動テーブル等により移動することで、パターンを形成する。スキャン光学系では、例えばミラー又は光ファイバ等により集光側を移動することにより、パターンを形成する。また、結像光学系では、スリットやマスクパターンなどを被加工対象である加圧室基板10表面に結像させて所望の形状を一括加工する。
【0024】
段差部18を形成するためのレーザ照射パターン(平面パターン)は特に限定されず、位置決め孔12と略同形であってもよい。また、位置決め孔12と異なる形状であってもよい。
【0025】
図3乃至図6にレーザ照射パターンの例を示す。
図3(a)〜(c)には、集光用固定光学系又はスキャン光学系による場合のレーザ照射パターンを示す。集光用固定光学系又はスキャンの場合には、レーザスキャンの軌跡48a〜48cの集合がレーザ照射パターンとなる。図3(a)〜(c)に示すように、レーザスキャンによる場合には、位置決め孔12に沿ってレーザ照射パターンを形成することが好ましい。これにより、加工時間を短縮させることが可能となる。集光用固定光学系又はスキャン光学系では、レーザのスポット径の大きさは特に限定するものではないが、スポット径を大きくすることで、スキャン回数を少なくすることが可能となる。また、集光用固定光学系又はスキャン光学系によれば、段差幅Dは、スキャン領域により定まるので、段差幅Dの調整が容易となる。また、レーザ光は、ビームスプリッタ、回折格子(位相格子)等により分岐して用いてもよい。分岐したビームを同時に走査することで、一本のレーザ光で照射する場合に比してスキャン回数を低減することが可能となり、加工時間の短縮化が図れる。
【0026】
図4(a)〜(c)及び図5(a)〜(c)には、結像光学系による場合のレーザ照射パターンを示す。図4(a)〜(c)に示すように、位置決め孔12a〜12cの形状が各々矩形状、円状、平行四辺形状(ひし形を含む)である場合に、結像光学系によるレーザ照射パターンは位置決め孔12a〜12cと略同形であって位置決め孔12a〜12cよりも大きなレーザ照射パターン50a〜50cであってもよい。これによれば、位置決め孔12a〜12cとレーザ照射パターン50a〜50cの位置合わせの精度が厳格に要求されないので、容易に位置決め孔12a〜12cの周囲(周縁)に一括して段差部18を形成することができる。このような場合の照射ビームのエネルギー分布の調整法としては、特に限定するものではなく、例えば、位相格子、非球面レンズ、又は分布の異なる複数のビームを合成する方法等を用いることができる。また、段差幅Dはレーザ照射パターンにより定まるので、パターンを所望の段差幅Dに適宜調整する。
【0027】
また、図5(a)〜(c)に示すように、レーザ照射パターンを中空(枠状)のレーザ照射パターン50d〜50fにしてもよい。これによれば、全体にレーザを照射する場合に比し、中抜けになっている分、段差部18を形成するのに使用するレーザの光量が減るので、照射エネルギーを低減することが可能となる。なお、レーザ照射パターン50d〜50fは、位置合わせを容易にし得るという観点から、位置決め孔12a〜12cまで多少被さる形状をしていることが好ましい。すなわち、枠の内側が位置決め孔12a〜12cを一部覆う大きさであることが好ましい。
【0028】
図6(a)及び(b)は、レーザ照射パターンの他の例を示す図である。図6(a)及び(b)に示すように、段差部18を、位置決め孔12a、12cと位置決めピン26との接触部周辺52a、52bのみに形成してもよい。これにより、レーザ加工する面積を最小限に留めることが可能となるので、加工時間を短縮することが可能となり、また、インクジェットヘッドの製造コストを低減させることが可能となる。なお、この場合には、集光用固定光学系、スキャン光学系又は結像光学系のいずれを用いてもよい。
【0029】
本実施形態によれば、レーザにより接着剤溜りとしての段差部18を形成するため、エッチングのみで段差部18を形成する場合に比較して、フォトリソグラフィー工程を複数回行う必要がなくなるので、製造工程数を低減することが可能となる。したがって、歩留まりよく、安価に複数の基板を接合したインクジェットヘッドを形成することが可能となる。
【0030】
(第二の実施形態)
上記例では、直接レーザにより接着剤溜りとしての段差部を形成する例について説明した。本実施形態では、段差部をエッチングにより形成し、段差部を形成するためのエッチング保護膜のパターニングをレーザにより行う例について説明する。
【0031】
図7は、第二の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。
【0032】
まず、図7(a)に示すように、図2(a)と同様の工程により、位置決め孔12を備えた加圧室基板10に位置決め孔16を備えた流路基板14を接合した複合体を準備する。
【0033】
次に、図7(b)に示すように、加圧室基板10の上面にエッチング保護膜30を形成する。エッチング保護膜30としては、加圧室基板10を後の工程でエッチングする際にエッチング液又はエッチングガスに対して耐性のある材料であれば特に限定されない。エッチング保護膜30は、エッチング液又はエッチングガスの種類に応じて適宜選択され、SiN、SiO2、各種金属又は樹脂等が挙げられる。
【0034】
次に、図7(c)に示すように、エッチング保護膜30を、レーザを照射することによりパターニングする。この際、用いられるレーザとしては上記第一の実施形態で説明したものと同様のものを用いることができ、エッチング保護膜30を構成する材料、パターン形成方法等に応じて適宜選択される。また、レーザ照射パターン(平面パターン)及びレーザ照射方法についても第一の実施形態と同様のものを用いることができる。
【0035】
次に、図7(d)に示すように、エッチング処理を行い、段差部18を形成する。エッチング処理は、エッチングガスを用いたドライエッチングであっても、エッチング液を用いたウェットエッチングであってもよい。符号32は、エッチングガス又はエッチング液を示す。
【0036】
その後、エッチング保護膜30を除去し、図2(c)及び図2(d)と同様の工程により、ノズル基板20を接着する(図7(e)及び図7(f))。その後、図1のように他の部品を取り付けることでインクジェットヘッドを形成することが可能となる。
【0037】
本実施形態によれば、エッチング保護膜30をフォトリソグラフィーによらず、レーザによりパターニングしているので、フォトリソグラフィーに伴う感光及び現像といった複数の工程を行う必要がなくなり、製造工程数を低減することが可能となる。したがって、歩留まりよく、安価に複数の基板を接合したインクジェットヘッドを形成することが可能となる。
【0038】
なお、図8に示すように、エッチング保護膜30の下層40に、例えば金属薄膜や半導体素子等の機能性部位といった、レーザを照射したくない層が有る場合がある。このような場合には、レーザの集光光学系として高開口数のレンズ42を用いるとよい。高開口数のレンズ42を用いることで、焦点深度を短くなるので、所望の加工領域(ここでは、エッチング保護膜30)以外の領域へのレーザの照射による影響を回避することが可能となる。レンズ42の開口数は、エッチング保護膜30から下層40までの距離と、焦点深度との関係で適宜選択される。例えば、エッチング保護膜30から下層40までの距離が70μmである場合には、レンズ42としては、開口数0.4以上のものを用いると、下層40にレーザ照射による影響が及ぶことなく、エッチング保護膜30のみを選択的に加工することができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、圧電駆動方式のインクジェットヘッドを例に採り説明したが、これに限定されず、静電駆動方式であっても、バブルジェット(登録商標)方式(サーマルインクジェット方式)であってもよい。また、本発明の構造体の製造方法は、インクジェットヘッドの製造方法に限定されず、例えば、複数の基板を位置合わせをしながら接合して形成する、MEMSデバイス等の微小機械装置や半導体装置の製造方法にも好適に適用することができる。
【0040】
また、上記例では、本発明の製造工程に用いられる基板として半導体基板(シリコン基板)を用いた場合を例に採り説明したが、これに限定されず、半導体基板の他、金属、セラミックス、ガラス又は樹脂等のレーザによる加工が可能な材料から構成される基板が用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本実施形態に係るインクジェットヘッドの一例を示す図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。
【図3】図3は、集光用固定光学系又はスキャン光学系による場合のレーザ照射パターンを示す図である。
【図4】図4は、結像光学系による場合のレーザ照射パターンを示す図である。
【図5】図5は、結像光学系による場合のレーザ照射パターンを示す図である。
【図6】図6は、レーザ照射パターンの他の例を示す図である。
【図7】図7は、第二の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の構造体の製造方法の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0042】
10 加圧室基板、12 位置決め孔、12a〜12c 位置決め孔、14 流路基板、16 位置決め孔、17 レーザ、18 段差部、20 ノズル基板、22 位置決め孔、24 接着剤、26 位置決めピン、30 エッチング保護膜、32エッチング液(エッチングガス)、40 下層、42 レンズ、48a〜48c 軌跡、50a〜50c レーザ照射パターン、50d〜50f レーザ照射パターン、52a 接触部周辺、102 加圧室、104 共通流路、106 ノズル孔、108 振動子ユニット、110 ユニット収容孔、114 基台、120 基板、122 枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1及び第2の基板を接着剤を介して接合する構造体の製造方法であって、
前記第1の基板及び前記第2の基板に位置決めピンを挿入するための位置決め孔を形成する第1工程と、
前記第1の基板又は前記第2の基板の少なくとも一方の前記位置決め孔の周囲にレーザを照射して接着剤溜りを形成する第2工程と、
前記第1の基板及び前記第2の基板に各々形成された前記位置決め孔に前記位置決めピンを挿入し、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着剤を介して接合する第3工程と、
を含む、構造体の製造方法。
【請求項2】
前記第2工程が、前記位置決め孔の周縁を当該位置決め孔の形状に沿ってレーザを照射することにより、前記位置決め孔の周縁に接着剤溜りとしての段差部を形成する工程である、請求項1に記載の構造体の製造方法。
【請求項3】
前記第2工程が、前記位置決め孔の前記位置決めピンが接触する接触部周辺にレーザを照射することにより、接着剤溜りとしての段差部を形成する工程である、請求項1に記載の構造体の製造方法。
【請求項4】
少なくとも第1及び第2の基板を接着剤を介して接合する構造体の製造方法であって、
前記第1の基板及び前記第2の基板に位置決めピンを挿入するための位置決め孔を形成する第1工程と、
前記第1の基板又は前記第2の基板の少なくとも一方の基板の片面にエッチング保護膜を形成し、前記位置決め孔の周囲にレーザを照射して当該エッチング保護膜をパターニングする第2工程と、
前記パターニングした基板に、エッチング処理を行い、接着剤溜りを形成する第3工程と、
前記第1の基板及び前記第2の基板に各々形成された前記位置決め孔に前記位置決めピンを挿入し、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着剤を介して接合する第4工程と、
を含む、構造体の製造方法。
【請求項5】
前記第2工程において、前記レーザを前記エッチング保護膜の表面上に集光させる手段が高開口数のレンズである、請求項4に記載の構造体の製造方法。
【請求項6】
前記構造体が、インクジェットヘッド、微小機械装置又は半導体装置である、請求項1乃至5のいずれかに記載の構造体の製造方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−7570(P2006−7570A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187623(P2004−187623)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】