構造改良済みフィン式放熱器及びその加工方法
【課題】放熱器に関し、特に、構造改良済みフィン式放熱器及びその加工方法を提供する。
【解決手段】ベースプレート1と、複数の放熱フィン2とを備え、前記放熱フィン2の根方が前記ベースプレート1に接続され、前記放熱フィン2の根方には、底部に開口がある嵌合溝21が設けられ、前記ベースプレート1から前記嵌合溝21に対応する嵌合具11が突出し、前記放熱フィン2が嵌合溝21によって前記嵌合具11を嵌合し、前記複数の放熱フィン2が重なり合って配列されて放熱フィングループを形成したことによって、放熱フィン2の根方の嵌合溝21が金型によって成形されやすく、ベースプレート1から突出した嵌合具11の加工が容易になり、嵌合溝21を嵌合の方式によって嵌合具11に接続せることで、信頼的に接続でき、この嵌合過程がプレス金型によって完成できる。
【解決手段】ベースプレート1と、複数の放熱フィン2とを備え、前記放熱フィン2の根方が前記ベースプレート1に接続され、前記放熱フィン2の根方には、底部に開口がある嵌合溝21が設けられ、前記ベースプレート1から前記嵌合溝21に対応する嵌合具11が突出し、前記放熱フィン2が嵌合溝21によって前記嵌合具11を嵌合し、前記複数の放熱フィン2が重なり合って配列されて放熱フィングループを形成したことによって、放熱フィン2の根方の嵌合溝21が金型によって成形されやすく、ベースプレート1から突出した嵌合具11の加工が容易になり、嵌合溝21を嵌合の方式によって嵌合具11に接続せることで、信頼的に接続でき、この嵌合過程がプレス金型によって完成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱器に関し、特に、構造改良済みフィン式放熱器及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に従って、電子製品のサイズが小さくなってきて、対応的に、単位空間の発熱量が大きくなっており、放熱に対してより高い要求が提出され、放熱器が一部の電子製品に必須な部品になった。ふだん使っている放熱器は、主に、1つのベースプレートと熱伝導放熱作用を有する複数のフィングループからなり、フィングループが重なり合って配列された複数のフィンを備え、放熱器には、放熱効果を増加するために、熱パイプを設けてよい。フィンとベースプレートとの接触面積の大きさ、接続の堅固さは、放熱器の放熱効率を左右する重要な要素であり、フィンとベースプレートとを接続することは、放熱器の生産過程における肝心なステップである。はんだペースト又は他の溶接剤をはんだ付けの媒材とする必要があるはんだ付けによって、フィンとベースプレートとを接続することが常用の方法であり、フィンとベースプレートの材質によっては、ニッケルメッキ処理を必要とする場合もあり、出願番号が「200410003352.9」であり、発明名称が「放熱器のはんだ付け製造方法」である中国発明特許出願は、はんだ付けによってフィンとベースプレートとを接続する方法を開示した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記はんだ付けによる方法は、プロセスが複雑であり、コストが高く、生産効率が低く、環境にやさしくないため、ベースプレート、フィンの構造を改良して、フィンを嵌設又は鋲接等の機械的接続方式によってベースプレートに接続することがもう1つの常用の方法である。例えば、特許番号が「03279661.7」であり、特許名称が「放熱座の構造」である中国実用新案、及び特許番号が「200620063119.4」であり、特許名称が「放熱器のフィンとベースプレートの組合せの改良」である中国実用新案等があり、この方法について具体的にいえば、溝が予め設けられておいたベースプレートに単独のフィンを1つずつ配置し、金型を用いて溝を押し付けて変形させ、フィンの片状の根方が変形後の溝と締りばめを形成できるようにすることによって、フィンをベースプレートに接続して固定した。この過程において、溝の加工が複雑であるだけではなく、フィン間の隙間が非常に小さいので、金型による溝の押し付け加工工程が不便になり、長い時間がかかり、欠陥率が高くなったので、この方法が上記はんだ付けによる放熱器に比べて一定の長所を有するが、工程が多く、加工が不便であり、コストが高い短所が依然として存在し、また、フィンの片状の根方とベースプレートとの接触面積には限界があり、熱伝導効率に影響を与えた。
【0004】
本発明は、従来の技術における不足の点に対して、構造が科学的であり、生産コストが低く、生産効率が高い構造改良済みフィン式放熱器及びその加工方法を提供することを目的とする。上記目的を実現するために、本発明は、ベースプレートと、複数の放熱フィンとを備え、前記放熱フィンの根方が前記ベースプレートに接続され、前記放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝が設けられ、前記ベースプレートから前記嵌合溝に対応する嵌合具が突出し、前記放熱フィンが嵌合溝によって前記嵌合具を嵌合し、前記複数の放熱フィンが重なり合って配列されて放熱フィングループを形成した構造改良済みフィン式放熱器を提供する。前記嵌合溝がお互いに連結する係合溝と接続溝を備え、前記接続溝が前記ベースプレートに近く、前記係合溝の最大幅が前記接続溝の最小幅より大きい。前記嵌合溝における放熱フィンの根方に近い一端が長方形であり、他端が円形又は長方形である。前記嵌合溝が台形であり、この嵌合溝における放熱フィンの根方に近い一端がこの台形の短い底辺である。前記嵌合溝が少なくとも2つであり、前記嵌合溝が長方形であり、異なる嵌合溝の側面が平行ではない。前記嵌合溝の片側から、前記嵌合具をスリーブ接合し、その高さが隣接する放熱フィンの距離に比べて等しいか小さい嵌合輪が突出した。このフィン式放熱器は、一端が前記放熱フィングループを貫通し、他端が前記ベースプレートに接続された熱パイプを更に設けた。前記放熱フィンには、折り曲げ幅が隣接する放熱フィンの距離に等しい折り曲げ部が設けられた。前記放熱フィンと前記熱パイプとが接続する箇所に、熱パイプとスリーブ接合するロック接合シートが成形された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、1)放熱フィンの放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具が設けられたベースプレートを製造し、この嵌合具が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィンを加圧成形し、プレス金型によって放熱フィンを製造し、この放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝がプレス成形されており、この嵌合溝が前記ベースプレートの嵌合具を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝によって、複数の放熱フィンを順番に前記嵌合具に嵌合する組立ステップと、を含むフィン式放熱器の加工方法を更に提供する。前記プレス金型が順送り型であり、製造されたベースプレートを前記順送り型の下型内に設け、前記嵌合具の延伸方向が押し抜き機の加圧成形方向が一致であり、前記順送り型がプレス成形された放熱フィンを下に向って加圧成形して、放熱フィンを前記嵌合溝によって前記嵌合具にスリーブ接合させた。前記フィン式放熱器が「U」字状の熱パイプを備え、熱パイプを製造されたベースプレートと共に、前記順送り型の下型内に設け、前記熱パイプの一端を縦にし、押し抜き機によって、前記放熱フィンと熱パイプとをスリーブ接合させた。前記ベースプレートが、押出しプロセス、鋳造又は切削加工によって成形される。前記嵌合具がベースプレートと一体に成形された。前記嵌合具がベースプレートとは分離可能であり、前記ベースプレートには、凹溝が設けられ、前記嵌合具の根方が凹溝によってベースプレートに接続された。前記嵌合溝には、前記嵌合具と緊密にフィッテングする嵌合輪がプレス成形された。前記放熱フィンと熱パイプとがスリーブ接合する部位に、熱パイプにスリーブ接合されるロック接合シートがプレス成形された。前記放熱フィンに、折り曲げ部が加圧成形された。
【発明の効果】
【0006】
本発明の放熱器は、以下のような有益な効果がある。本発明は、ベースプレート、複数の放熱フィンを備え、前記放熱フィンの根方が前記ベースプレートに接続され、前記放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝が設けられ、前記ベースプレートから前記嵌合溝に対応する嵌合具が突出し、前記放熱フィンが嵌合溝によって前記嵌合具を嵌合し、前記複数の放熱フィンが重なり合って配列されて放熱フィングループを形成したことによって、放熱フィンの根方の嵌合溝が金型成形によって形成されやすく、ベースプレートから突出した嵌合具の加工が容易になり、嵌合溝を嵌合の方式によって嵌合具に接続させることで、信頼的に接続でき、この嵌合過程がプレス金型によって完成でき、従来の技術に比べ、本発明は、技術偏見を克服して、工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させた。本発明の加工方法は、以下の有益な効果がある。本発明は、1)放熱フィンの放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具が設けられたベースプレートを製造し、この嵌合具が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィンを加圧成形し、プレス金型によって放熱フィンを製造し、この放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝がプレス成形されており、この嵌合溝が前記ベースプレートの嵌合具を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝によって、複数の放熱フィンを順番に前記嵌合具に嵌合する組立ステップと、を含む。この加工過程が金型によって完成でき、加工速度が速く、放熱フィンとベースプレートとの組立が便利であり、放熱フィンとベースプレートとをはんだ付けする必要がなく、従来の技術に比べ、本発明は、技術偏見を克服して、工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例1の構造模式図である。
【図2】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例1の分解模式図である。
【図3】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の最適な実施形態の構造模式図である。
【図4】図3の正面模式図である。
【図5】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第2種の実施形態の構造模式図である。
【図6】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第3種の実施形態の構造模式図である。
【図7】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第4種の実施形態の構造模式図である。
【図8】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第5種の実施形態の構造模式図である。
【図9】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第6種の実施形態の構造模式図である。
【図10】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第7種の実施形態の構造模式図である。
【図11】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例2の構造模式図である。
【図12】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例2の放熱フィンの構造模式図である。
【図13】本発明のフィン式放熱器の加工方法の加圧成形過程の構造模式図である。
【図14】本発明のフィン式放熱器の加工方法の放熱フィンの最適な実施例の構造模式図である。
【図15】本発明のフィン式放熱器の加工方法のベースプレートの最適な実施例の構造模式図である。
【図16】本発明のフィン式放熱器の加工方法の放熱器の組立過程模式図である。
【図17】本発明のフィン式放熱器の加工方法によって加工された放熱器が組み立てられた後の構造模式図である。
【図18】本発明のフィン式放熱器の加工方法によって加工された放熱器の他の実施例の構造模式図である。
【図19】図18の放熱器の分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明を更に説明する。実施例1:図1〜図3に示すように、本発明の構造改良済みフィン式放熱器は、ベースプレート1と、複数の放熱フィン2とを備え、放熱フィン2の根方がベースプレート1に接続され、放熱フィン2の根方には、底部に開口がある嵌合溝21が設けられ、図3に示すように、嵌合溝21における放熱フィン2の根方の一端が長方形であり、他端が円形であり、この円形の直径がこの長方形の幅より大きく、ベースプレート1から嵌合溝21に対応する嵌合具11が突出し、放熱フィン2を加圧成形して、嵌合溝21に嵌合具11を貫通させ、放熱フィン2が嵌合溝21によって嵌合具11を嵌合し、嵌合溝21の作用で、放熱フィン2とベースプレート1とは堅固的に接続し、複数の放熱フィン2が重なり合って配列されて放熱フィングループ3を形成した。従来の技術において、放熱フィン2とベースプレート1との接続に対しては、主に2つの方法があり、1つの方法において、放熱フィン2は、はんだ付けの方式によってベースプレート1に接続されることが必要とし、この過程には、はんだ付け部に対してニッケルメッキ処理を行う必要があり、はんだ付け過程には、はんだペーストの利用が必要とし、また、はんだ付けプロセスが複雑であり、品質を保証しにくいが、もう1つの方法において、ベースプレート1に複数の溝を設け、溝を押し付けて変形させた後に、放熱フィン2を接続し、この過程の加工が不便であるため、生産効率が低かった。本発明は、放熱フィン2とベースプレート1との接続方式に対して改良を行って、加工時、放熱フィン2の根方の嵌合溝21が金型によって成形されやすく、ベースプレート1から突出した嵌合具11の加工が容易になり、嵌合溝21を嵌合の方式によって嵌合具11に接続させることで、信頼的に接続でき、この
嵌合過程がプレス金型によって完成でき、本発明は、技術偏見を克服して、本発明のフィン式放熱器を加工する時に工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させた。更に、図3に示すように、嵌合溝21の片側から嵌合輪22が突出しており、放熱フィン2をベースプレート1に加圧成形した時に、金型加圧成形によって、嵌合具11にスリーブ接合され、その高さが隣接する放熱フィン2の距離に比べて等しいか小さい嵌合輪22を形成しており、嵌合輪22がベースプレート1と放熱フィン2との接触面積を増加することができ、両者のより堅固な接続と熱伝導面積の増加を両立することができ、放熱を増強した。
【0009】
更に、図1、図2を参照し、本実施例は、一端が前記放熱フィングループ3を貫通し、他端がベースプレート1に接続されたU字状の熱パイプ4を設けた。放熱フィン2の間の距離を制御するために、図3に示すように、放熱フィン2には折り曲げ部23が設けられ、放熱フィン2には複数の折り曲げ部23が設けられ、この折り曲げ部23の折り曲げ幅が隣接する放熱フィン2の距離に等しい。熱パイプ4の放熱を増強するために、放熱フィン2と熱パイプ4とが接続する箇所に、熱パイプ4にスリーブ接合されるロック接合シート24が成形されており、このロック接合シート24が嵌合輪22と同様に、固定と放熱増強の作用を発揮できる。本発明の嵌合溝21は、放熱フィン2をベースプレート1に嵌合させるためのものであり、様々な実施形態を有してよく、図1〜図4における嵌合溝21の形状が本発明の最適な実施形態であり、図5〜図10は嵌合溝21の他の実施形態を示す。嵌合溝21が1つだけある場合に、嵌合溝21は、お互いに連結する係合溝と接続溝を備え、接続溝がベースプレート1に近く、係合溝の最大幅が接続溝の最小幅より大きく、そうすれば、嵌合具11を有効に嵌合溝21内に嵌合することができる。もちろん、嵌合溝21の数を増加してもよい。図5に示すように、嵌合溝21における放熱フィン2の根方に近い一端が長方形であり、他端が大きい長方形である。図6において、嵌合溝21が台形であり、この嵌合溝21における放熱フィン2の根方に近い一端がこの台形の短い底辺である。例えば、図7において、嵌合溝21が「十」字形である。図8に示すように、嵌合溝21が弧度がある曲線であってよいことを説明すべきであり、それも嵌合の効果に達することができる。嵌合溝21が1つ以上である場合に、他の実施形態を有してもよく、図9に示すように、嵌合溝21が長方形であり、嵌合溝21が2つであり、2つの嵌合溝21の側面が平行ではない。ベースプレートの断面が長方形ではなく、弧形のような他の形状である場合に、図10に示すように、その放熱フィン2には、ベースプレートに垂直する嵌合溝21が2つ設けられた。実施例2:
【0010】
実施例1に対して改良を行うために、複数の嵌合溝21を組み合わせて使用してよく、図11〜図12に示すように、1つの大きい嵌合溝21、3つの小さい嵌合溝21が設けられており、複数の嵌合溝21が設けられたため、放熱フィン2とベースプレート1との接触面積がより大きくなって、放熱の増強に有利であり、本実施例の他の部分が実施例1と同様である。本発明のフィン式放熱器の加工方法は、1)放熱フィン2の放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具11が設けられたベースプレート1を製造し、この嵌合具11が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィン2を加圧成形し、プレス金型によって放熱フィン2を製造し、この放熱フィン2の根方には、底部に開口がある嵌合溝21がプレス成形されており、この嵌合溝21が前記ベースプレート1の嵌合具11を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝21によって、複数の放熱フィン2を順番に前記嵌合具11に嵌合する組立ステップと、を含む。図1に示すように、上記ステップ2とステップ3とを同一のステーションで完成することがより好ましく、具体的に、プレス金型が順送り型5であり、製造されたベースプレート1を前記順送り型5の下型内に設け、嵌合具11の延伸方向が押し抜き機の加圧成形方向が一致であり、順送り型5がプレス成形された放熱フィン2を下に向って加圧成形して、放熱フィン2を嵌合溝21によって嵌合具11スリーブ接合させる。従来の技術において、放熱フィン2とベースプレート1との接続に対しては、主に2つの方法があり、1つの方法において、放熱フィン2は、はんだ付けの方式によってベースプレート1に接続されることが必要とし、この過程には、はんだ付け部に対してニッケルメッキ処理を行う必要があり、はんだ付け過程には、はんだペーストの利用が必要とし、また、はんだ付けプロセスが複雑であり、品質を保証しにくいが、もう1つの方法において、ベースプレート1に複数の溝を設け、溝を押し付けて変形させた後に、放熱フィン2を接続し、この過程の加工が不便であるため、生産効率が低かった。本発明は、放熱フィン2に対して嵌合溝21をプレス成形し、ベースプレート1に嵌合具11を設け、嵌合具11の延伸方向に沿って放熱フィン2をベースプレート1に嵌合することによって、放熱器の組立を完成し、この組立過程が非常に便利であり、更にプレス金型によって完成でき、技術偏見を克服することができ、本発明の方法を使用してフィン式放熱器を加工する時に、工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させることができる。更に、図4に示すように、フィン式放熱器は、「U」字状の熱パイプ4を備え、熱パイプ4を製造されたベースプレート1と共に、順送り型5の下型内に設け、熱パイプ4の一端を縦にし、押し抜き機によって、放熱フィン2と熱パイプ4とをスリーブ接合させた。本発明の嵌合溝21は、放熱フィン2をベースプレート1に嵌合させるためのものであり、様々な実施形態を有してよく、図2に示すのは最適な実施形態であり、嵌合溝21の形状に対しては、嵌合溝21が少なくとも2つであり、嵌合溝21が嵌合具11を嵌合できるように、異なる嵌合溝21が一定の夾角を形成すること、又は、嵌合溝21が少なくとも1つであり、お互いに連結する係合溝と接続溝を備え、接続溝がベースプレート1に近く、係合溝の最大幅が前記接続溝の最小幅より大きいことという要求がある。ベースプレート1は、押出しプロセス、鋳造、切削加工又は他の機械的加工方法によって加工成形できる。
【0011】
本実施形態において、図3に示すように、嵌合具11とベースプレート1とは上記方式によって一体に成形されてよい。嵌合具11とベースプレート1とは分離可能に設けてよく、ベースプレート1には、凹溝が設けられ、嵌合具11の根方が凹溝によってベースプレート1に接続され、そうすれば、ベースプレート1を容易に交換することができ、本発明の加工方法を規格が多種類の放熱器の生産に適用する。更に、嵌合溝21には、前記嵌合具11と緊密にフィッテングし、その高さが隣接する放熱フィン2の距離に比べて等しいか小さい嵌合輪22がプレス成形されており、嵌合輪22がベースプレート1と放熱フィン2との接触面積を増加でき、両者のより堅固な接続と熱伝導面積の増加を両立することができ、放熱を増強した。放熱フィン2と熱パイプ4とがスリーブ接合する部位に、熱パイプ4にスリーブ接合されるロック接合シート24がプレス成形された。熱パイプ4の放熱を増強するために、放熱フィン2と熱パイプ4とが接続する箇所に、熱パイプ4にスリーブ接合されるロック接合シート24が成形されており、このロック接合シート24が嵌合輪22と同様に、固定と放熱増強の作用を発揮できる。放熱フィン2の間の距離を制御するために、放熱フィン2には折り曲げ部23が加圧成形され、図2に示すように、この折り曲げ部23の折り曲げ幅が隣接する放熱フィン2の距離に等しい。図5は、本発明の方法によって加工されたフィン式放熱器を示し、複数の放熱フィン2が重なり合って放熱フィングループ3を形成した。本発明の方法によって加工されるフィン式放熱器が多種類の構造であってよいことを説明すべきであり、図6、図7に示すフィン式放熱器は、本発明の方法によって得られ、このフィン式放熱器は、1つの大きい嵌合溝21、3つの小さい嵌合溝21を設けており、複数の嵌合溝21が設けられたため、放熱フィン2とベースプレート1との接触面積がより大きくなって、放熱の増強に有利であることで、上記実施例で加工された製品と異なる。
【0012】
最後に、以上の実施例が本発明の技術方案を説明するためのものだけであり、本発明の保護範囲を限定することを図っていないことを説明すべきであり、好ましい実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者なら、本発明の技術方案に修正又は同等な切替を加えてよく、それは本発明の技術方案の実質と範囲から逸脱したものではないことを理解できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱器に関し、特に、構造改良済みフィン式放熱器及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に従って、電子製品のサイズが小さくなってきて、対応的に、単位空間の発熱量が大きくなっており、放熱に対してより高い要求が提出され、放熱器が一部の電子製品に必須な部品になった。ふだん使っている放熱器は、主に、1つのベースプレートと熱伝導放熱作用を有する複数のフィングループからなり、フィングループが重なり合って配列された複数のフィンを備え、放熱器には、放熱効果を増加するために、熱パイプを設けてよい。フィンとベースプレートとの接触面積の大きさ、接続の堅固さは、放熱器の放熱効率を左右する重要な要素であり、フィンとベースプレートとを接続することは、放熱器の生産過程における肝心なステップである。はんだペースト又は他の溶接剤をはんだ付けの媒材とする必要があるはんだ付けによって、フィンとベースプレートとを接続することが常用の方法であり、フィンとベースプレートの材質によっては、ニッケルメッキ処理を必要とする場合もあり、出願番号が「200410003352.9」であり、発明名称が「放熱器のはんだ付け製造方法」である中国発明特許出願は、はんだ付けによってフィンとベースプレートとを接続する方法を開示した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記はんだ付けによる方法は、プロセスが複雑であり、コストが高く、生産効率が低く、環境にやさしくないため、ベースプレート、フィンの構造を改良して、フィンを嵌設又は鋲接等の機械的接続方式によってベースプレートに接続することがもう1つの常用の方法である。例えば、特許番号が「03279661.7」であり、特許名称が「放熱座の構造」である中国実用新案、及び特許番号が「200620063119.4」であり、特許名称が「放熱器のフィンとベースプレートの組合せの改良」である中国実用新案等があり、この方法について具体的にいえば、溝が予め設けられておいたベースプレートに単独のフィンを1つずつ配置し、金型を用いて溝を押し付けて変形させ、フィンの片状の根方が変形後の溝と締りばめを形成できるようにすることによって、フィンをベースプレートに接続して固定した。この過程において、溝の加工が複雑であるだけではなく、フィン間の隙間が非常に小さいので、金型による溝の押し付け加工工程が不便になり、長い時間がかかり、欠陥率が高くなったので、この方法が上記はんだ付けによる放熱器に比べて一定の長所を有するが、工程が多く、加工が不便であり、コストが高い短所が依然として存在し、また、フィンの片状の根方とベースプレートとの接触面積には限界があり、熱伝導効率に影響を与えた。
【0004】
本発明は、従来の技術における不足の点に対して、構造が科学的であり、生産コストが低く、生産効率が高い構造改良済みフィン式放熱器及びその加工方法を提供することを目的とする。上記目的を実現するために、本発明は、ベースプレートと、複数の放熱フィンとを備え、前記放熱フィンの根方が前記ベースプレートに接続され、前記放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝が設けられ、前記ベースプレートから前記嵌合溝に対応する嵌合具が突出し、前記放熱フィンが嵌合溝によって前記嵌合具を嵌合し、前記複数の放熱フィンが重なり合って配列されて放熱フィングループを形成した構造改良済みフィン式放熱器を提供する。前記嵌合溝がお互いに連結する係合溝と接続溝を備え、前記接続溝が前記ベースプレートに近く、前記係合溝の最大幅が前記接続溝の最小幅より大きい。前記嵌合溝における放熱フィンの根方に近い一端が長方形であり、他端が円形又は長方形である。前記嵌合溝が台形であり、この嵌合溝における放熱フィンの根方に近い一端がこの台形の短い底辺である。前記嵌合溝が少なくとも2つであり、前記嵌合溝が長方形であり、異なる嵌合溝の側面が平行ではない。前記嵌合溝の片側から、前記嵌合具をスリーブ接合し、その高さが隣接する放熱フィンの距離に比べて等しいか小さい嵌合輪が突出した。このフィン式放熱器は、一端が前記放熱フィングループを貫通し、他端が前記ベースプレートに接続された熱パイプを更に設けた。前記放熱フィンには、折り曲げ幅が隣接する放熱フィンの距離に等しい折り曲げ部が設けられた。前記放熱フィンと前記熱パイプとが接続する箇所に、熱パイプとスリーブ接合するロック接合シートが成形された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、1)放熱フィンの放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具が設けられたベースプレートを製造し、この嵌合具が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィンを加圧成形し、プレス金型によって放熱フィンを製造し、この放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝がプレス成形されており、この嵌合溝が前記ベースプレートの嵌合具を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝によって、複数の放熱フィンを順番に前記嵌合具に嵌合する組立ステップと、を含むフィン式放熱器の加工方法を更に提供する。前記プレス金型が順送り型であり、製造されたベースプレートを前記順送り型の下型内に設け、前記嵌合具の延伸方向が押し抜き機の加圧成形方向が一致であり、前記順送り型がプレス成形された放熱フィンを下に向って加圧成形して、放熱フィンを前記嵌合溝によって前記嵌合具にスリーブ接合させた。前記フィン式放熱器が「U」字状の熱パイプを備え、熱パイプを製造されたベースプレートと共に、前記順送り型の下型内に設け、前記熱パイプの一端を縦にし、押し抜き機によって、前記放熱フィンと熱パイプとをスリーブ接合させた。前記ベースプレートが、押出しプロセス、鋳造又は切削加工によって成形される。前記嵌合具がベースプレートと一体に成形された。前記嵌合具がベースプレートとは分離可能であり、前記ベースプレートには、凹溝が設けられ、前記嵌合具の根方が凹溝によってベースプレートに接続された。前記嵌合溝には、前記嵌合具と緊密にフィッテングする嵌合輪がプレス成形された。前記放熱フィンと熱パイプとがスリーブ接合する部位に、熱パイプにスリーブ接合されるロック接合シートがプレス成形された。前記放熱フィンに、折り曲げ部が加圧成形された。
【発明の効果】
【0006】
本発明の放熱器は、以下のような有益な効果がある。本発明は、ベースプレート、複数の放熱フィンを備え、前記放熱フィンの根方が前記ベースプレートに接続され、前記放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝が設けられ、前記ベースプレートから前記嵌合溝に対応する嵌合具が突出し、前記放熱フィンが嵌合溝によって前記嵌合具を嵌合し、前記複数の放熱フィンが重なり合って配列されて放熱フィングループを形成したことによって、放熱フィンの根方の嵌合溝が金型成形によって形成されやすく、ベースプレートから突出した嵌合具の加工が容易になり、嵌合溝を嵌合の方式によって嵌合具に接続させることで、信頼的に接続でき、この嵌合過程がプレス金型によって完成でき、従来の技術に比べ、本発明は、技術偏見を克服して、工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させた。本発明の加工方法は、以下の有益な効果がある。本発明は、1)放熱フィンの放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具が設けられたベースプレートを製造し、この嵌合具が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィンを加圧成形し、プレス金型によって放熱フィンを製造し、この放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝がプレス成形されており、この嵌合溝が前記ベースプレートの嵌合具を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝によって、複数の放熱フィンを順番に前記嵌合具に嵌合する組立ステップと、を含む。この加工過程が金型によって完成でき、加工速度が速く、放熱フィンとベースプレートとの組立が便利であり、放熱フィンとベースプレートとをはんだ付けする必要がなく、従来の技術に比べ、本発明は、技術偏見を克服して、工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例1の構造模式図である。
【図2】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例1の分解模式図である。
【図3】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の最適な実施形態の構造模式図である。
【図4】図3の正面模式図である。
【図5】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第2種の実施形態の構造模式図である。
【図6】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第3種の実施形態の構造模式図である。
【図7】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第4種の実施形態の構造模式図である。
【図8】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第5種の実施形態の構造模式図である。
【図9】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第6種の実施形態の構造模式図である。
【図10】本発明の構造改良済みフィン式放熱器の放熱フィンの嵌合溝の第7種の実施形態の構造模式図である。
【図11】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例2の構造模式図である。
【図12】本発明の構造改良済みフィン式放熱器のフィン式放熱器の実施例2の放熱フィンの構造模式図である。
【図13】本発明のフィン式放熱器の加工方法の加圧成形過程の構造模式図である。
【図14】本発明のフィン式放熱器の加工方法の放熱フィンの最適な実施例の構造模式図である。
【図15】本発明のフィン式放熱器の加工方法のベースプレートの最適な実施例の構造模式図である。
【図16】本発明のフィン式放熱器の加工方法の放熱器の組立過程模式図である。
【図17】本発明のフィン式放熱器の加工方法によって加工された放熱器が組み立てられた後の構造模式図である。
【図18】本発明のフィン式放熱器の加工方法によって加工された放熱器の他の実施例の構造模式図である。
【図19】図18の放熱器の分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明を更に説明する。実施例1:図1〜図3に示すように、本発明の構造改良済みフィン式放熱器は、ベースプレート1と、複数の放熱フィン2とを備え、放熱フィン2の根方がベースプレート1に接続され、放熱フィン2の根方には、底部に開口がある嵌合溝21が設けられ、図3に示すように、嵌合溝21における放熱フィン2の根方の一端が長方形であり、他端が円形であり、この円形の直径がこの長方形の幅より大きく、ベースプレート1から嵌合溝21に対応する嵌合具11が突出し、放熱フィン2を加圧成形して、嵌合溝21に嵌合具11を貫通させ、放熱フィン2が嵌合溝21によって嵌合具11を嵌合し、嵌合溝21の作用で、放熱フィン2とベースプレート1とは堅固的に接続し、複数の放熱フィン2が重なり合って配列されて放熱フィングループ3を形成した。従来の技術において、放熱フィン2とベースプレート1との接続に対しては、主に2つの方法があり、1つの方法において、放熱フィン2は、はんだ付けの方式によってベースプレート1に接続されることが必要とし、この過程には、はんだ付け部に対してニッケルメッキ処理を行う必要があり、はんだ付け過程には、はんだペーストの利用が必要とし、また、はんだ付けプロセスが複雑であり、品質を保証しにくいが、もう1つの方法において、ベースプレート1に複数の溝を設け、溝を押し付けて変形させた後に、放熱フィン2を接続し、この過程の加工が不便であるため、生産効率が低かった。本発明は、放熱フィン2とベースプレート1との接続方式に対して改良を行って、加工時、放熱フィン2の根方の嵌合溝21が金型によって成形されやすく、ベースプレート1から突出した嵌合具11の加工が容易になり、嵌合溝21を嵌合の方式によって嵌合具11に接続させることで、信頼的に接続でき、この
嵌合過程がプレス金型によって完成でき、本発明は、技術偏見を克服して、本発明のフィン式放熱器を加工する時に工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させた。更に、図3に示すように、嵌合溝21の片側から嵌合輪22が突出しており、放熱フィン2をベースプレート1に加圧成形した時に、金型加圧成形によって、嵌合具11にスリーブ接合され、その高さが隣接する放熱フィン2の距離に比べて等しいか小さい嵌合輪22を形成しており、嵌合輪22がベースプレート1と放熱フィン2との接触面積を増加することができ、両者のより堅固な接続と熱伝導面積の増加を両立することができ、放熱を増強した。
【0009】
更に、図1、図2を参照し、本実施例は、一端が前記放熱フィングループ3を貫通し、他端がベースプレート1に接続されたU字状の熱パイプ4を設けた。放熱フィン2の間の距離を制御するために、図3に示すように、放熱フィン2には折り曲げ部23が設けられ、放熱フィン2には複数の折り曲げ部23が設けられ、この折り曲げ部23の折り曲げ幅が隣接する放熱フィン2の距離に等しい。熱パイプ4の放熱を増強するために、放熱フィン2と熱パイプ4とが接続する箇所に、熱パイプ4にスリーブ接合されるロック接合シート24が成形されており、このロック接合シート24が嵌合輪22と同様に、固定と放熱増強の作用を発揮できる。本発明の嵌合溝21は、放熱フィン2をベースプレート1に嵌合させるためのものであり、様々な実施形態を有してよく、図1〜図4における嵌合溝21の形状が本発明の最適な実施形態であり、図5〜図10は嵌合溝21の他の実施形態を示す。嵌合溝21が1つだけある場合に、嵌合溝21は、お互いに連結する係合溝と接続溝を備え、接続溝がベースプレート1に近く、係合溝の最大幅が接続溝の最小幅より大きく、そうすれば、嵌合具11を有効に嵌合溝21内に嵌合することができる。もちろん、嵌合溝21の数を増加してもよい。図5に示すように、嵌合溝21における放熱フィン2の根方に近い一端が長方形であり、他端が大きい長方形である。図6において、嵌合溝21が台形であり、この嵌合溝21における放熱フィン2の根方に近い一端がこの台形の短い底辺である。例えば、図7において、嵌合溝21が「十」字形である。図8に示すように、嵌合溝21が弧度がある曲線であってよいことを説明すべきであり、それも嵌合の効果に達することができる。嵌合溝21が1つ以上である場合に、他の実施形態を有してもよく、図9に示すように、嵌合溝21が長方形であり、嵌合溝21が2つであり、2つの嵌合溝21の側面が平行ではない。ベースプレートの断面が長方形ではなく、弧形のような他の形状である場合に、図10に示すように、その放熱フィン2には、ベースプレートに垂直する嵌合溝21が2つ設けられた。実施例2:
【0010】
実施例1に対して改良を行うために、複数の嵌合溝21を組み合わせて使用してよく、図11〜図12に示すように、1つの大きい嵌合溝21、3つの小さい嵌合溝21が設けられており、複数の嵌合溝21が設けられたため、放熱フィン2とベースプレート1との接触面積がより大きくなって、放熱の増強に有利であり、本実施例の他の部分が実施例1と同様である。本発明のフィン式放熱器の加工方法は、1)放熱フィン2の放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具11が設けられたベースプレート1を製造し、この嵌合具11が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィン2を加圧成形し、プレス金型によって放熱フィン2を製造し、この放熱フィン2の根方には、底部に開口がある嵌合溝21がプレス成形されており、この嵌合溝21が前記ベースプレート1の嵌合具11を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝21によって、複数の放熱フィン2を順番に前記嵌合具11に嵌合する組立ステップと、を含む。図1に示すように、上記ステップ2とステップ3とを同一のステーションで完成することがより好ましく、具体的に、プレス金型が順送り型5であり、製造されたベースプレート1を前記順送り型5の下型内に設け、嵌合具11の延伸方向が押し抜き機の加圧成形方向が一致であり、順送り型5がプレス成形された放熱フィン2を下に向って加圧成形して、放熱フィン2を嵌合溝21によって嵌合具11スリーブ接合させる。従来の技術において、放熱フィン2とベースプレート1との接続に対しては、主に2つの方法があり、1つの方法において、放熱フィン2は、はんだ付けの方式によってベースプレート1に接続されることが必要とし、この過程には、はんだ付け部に対してニッケルメッキ処理を行う必要があり、はんだ付け過程には、はんだペーストの利用が必要とし、また、はんだ付けプロセスが複雑であり、品質を保証しにくいが、もう1つの方法において、ベースプレート1に複数の溝を設け、溝を押し付けて変形させた後に、放熱フィン2を接続し、この過程の加工が不便であるため、生産効率が低かった。本発明は、放熱フィン2に対して嵌合溝21をプレス成形し、ベースプレート1に嵌合具11を設け、嵌合具11の延伸方向に沿って放熱フィン2をベースプレート1に嵌合することによって、放熱器の組立を完成し、この組立過程が非常に便利であり、更にプレス金型によって完成でき、技術偏見を克服することができ、本発明の方法を使用してフィン式放熱器を加工する時に、工程を大幅に減少させ、生産コストを低下させ、生産効率を向上させることができる。更に、図4に示すように、フィン式放熱器は、「U」字状の熱パイプ4を備え、熱パイプ4を製造されたベースプレート1と共に、順送り型5の下型内に設け、熱パイプ4の一端を縦にし、押し抜き機によって、放熱フィン2と熱パイプ4とをスリーブ接合させた。本発明の嵌合溝21は、放熱フィン2をベースプレート1に嵌合させるためのものであり、様々な実施形態を有してよく、図2に示すのは最適な実施形態であり、嵌合溝21の形状に対しては、嵌合溝21が少なくとも2つであり、嵌合溝21が嵌合具11を嵌合できるように、異なる嵌合溝21が一定の夾角を形成すること、又は、嵌合溝21が少なくとも1つであり、お互いに連結する係合溝と接続溝を備え、接続溝がベースプレート1に近く、係合溝の最大幅が前記接続溝の最小幅より大きいことという要求がある。ベースプレート1は、押出しプロセス、鋳造、切削加工又は他の機械的加工方法によって加工成形できる。
【0011】
本実施形態において、図3に示すように、嵌合具11とベースプレート1とは上記方式によって一体に成形されてよい。嵌合具11とベースプレート1とは分離可能に設けてよく、ベースプレート1には、凹溝が設けられ、嵌合具11の根方が凹溝によってベースプレート1に接続され、そうすれば、ベースプレート1を容易に交換することができ、本発明の加工方法を規格が多種類の放熱器の生産に適用する。更に、嵌合溝21には、前記嵌合具11と緊密にフィッテングし、その高さが隣接する放熱フィン2の距離に比べて等しいか小さい嵌合輪22がプレス成形されており、嵌合輪22がベースプレート1と放熱フィン2との接触面積を増加でき、両者のより堅固な接続と熱伝導面積の増加を両立することができ、放熱を増強した。放熱フィン2と熱パイプ4とがスリーブ接合する部位に、熱パイプ4にスリーブ接合されるロック接合シート24がプレス成形された。熱パイプ4の放熱を増強するために、放熱フィン2と熱パイプ4とが接続する箇所に、熱パイプ4にスリーブ接合されるロック接合シート24が成形されており、このロック接合シート24が嵌合輪22と同様に、固定と放熱増強の作用を発揮できる。放熱フィン2の間の距離を制御するために、放熱フィン2には折り曲げ部23が加圧成形され、図2に示すように、この折り曲げ部23の折り曲げ幅が隣接する放熱フィン2の距離に等しい。図5は、本発明の方法によって加工されたフィン式放熱器を示し、複数の放熱フィン2が重なり合って放熱フィングループ3を形成した。本発明の方法によって加工されるフィン式放熱器が多種類の構造であってよいことを説明すべきであり、図6、図7に示すフィン式放熱器は、本発明の方法によって得られ、このフィン式放熱器は、1つの大きい嵌合溝21、3つの小さい嵌合溝21を設けており、複数の嵌合溝21が設けられたため、放熱フィン2とベースプレート1との接触面積がより大きくなって、放熱の増強に有利であることで、上記実施例で加工された製品と異なる。
【0012】
最後に、以上の実施例が本発明の技術方案を説明するためのものだけであり、本発明の保護範囲を限定することを図っていないことを説明すべきであり、好ましい実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者なら、本発明の技術方案に修正又は同等な切替を加えてよく、それは本発明の技術方案の実質と範囲から逸脱したものではないことを理解できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレート(1)と、複数の放熱フィン(2)とを備える構造改良済みフィン式放熱器であって、前記放熱フィン(2)の根方が前記ベースプレート(1)に接続され、前記放熱フィン(2)の根方には、底部に開口がある嵌合溝(21)が設けられ、前記ベースプレート(1)から前記嵌合溝(21)に対応する嵌合具(11)が突出し、前記放熱フィン(2)が嵌合溝(21)によって前記嵌合具(11)を嵌合し、前記複数の放熱フィン(2)が重なり合って配列されて放熱フィングループ(3)を形成したことを特徴とする構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項2】
前記嵌合溝(21)が、お互いに連結する係合溝と接続溝を備え、前記接続溝が前記ベースプレート(1)に近く、前記係合溝の最大幅が前記接続溝の最小幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項3】
前記嵌合溝(21)における放熱フィン(2)の根方に近い一端が長方形であり、他端が円形又は長方形であることを特徴とする請求項2に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項4】
前記嵌合溝(21)が台形であり、前記嵌合溝(21)における放熱フィン(2)の根方に近い一端が前記台形の短い底辺であることを特徴とする請求項2に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項5】
前記嵌合溝(21)が少なくとも2つであることを特徴とする請求項1に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項6】
前記嵌合溝(21)が少なくとも2つであり、前記嵌合溝(21)が長方形であり、異なる嵌合溝(21)の側面が平行ではないことを特徴とする請求項1に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項7】
前記嵌合溝(21)の片側から、前記嵌合具(11)をスリーブ接合し、その高さが隣接する放熱フィン(2)の距離に比べて等しいか小さい嵌合輪(22)が突出したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項8】
一端が前記放熱フィングループ(3)を貫通し、他端が前記ベースプレート(1)に接続された熱パイプ(4)を更に設けたことを特徴とする請求項7に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項9】
前記放熱フィン(2)には、折り曲げ幅が隣接する放熱フィン(2)の距離に等しい折り曲げ部(23)が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項10】
前記放熱フィン(2)と前記熱パイプ(4)とが接続する箇所に、熱パイプ(4)とスリーブ接合するロック接合シート(24)が成形されたことを特徴とする請求項9に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項11】
1)放熱フィンの放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具が設けられたベースプレートを製造し、前記嵌合具が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィンを加圧成形し、プレス金型によって放熱フィンを製造し、前記放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝がプレス成形されており、前記嵌合溝が前記ベースプレートの嵌合具を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝によって、複数の放熱フィンを順番に前記嵌合具に嵌合する組立ステップと、を含むことを特徴とするフィン式放熱器の加工方法。
【請求項12】
前記プレス金型が順送り型であり、製造されたベースプレートを前記順送り型の下型内に設け、前記嵌合具の延伸方向が押し抜き機の加圧成形方向が一致であり、前記順送り型がプレス成形された放熱フィンを下に向かって加圧成形して、放熱フィンを前記嵌合溝によって前記嵌合具にスリーブ接合させたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項13】
前記フィン式放熱器が「U」字状の熱パイプを備え、熱パイプを製造されたベースプレートと共に、前記順送り型の下型内に設け、前記熱パイプの一端を縦にし、押し抜き機によって、前記放熱フィンと熱パイプとをスリーブ接合させたことを特徴とする請求項12に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項14】
前記ベースプレートが、押出しプロセス、鋳造又は切削加工によって成形されたことを特徴とする請求項13に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項15】
前記嵌合具がベースプレートと一体に成形されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項16】
前記嵌合具がベースプレートとは分離可能であり、前記ベースプレートには凹溝が設けられ、前記嵌合具の根方が凹溝によってベースプレートに接続されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項17】
前記嵌合溝には前記嵌合具と緊密にフィッテングする嵌合輪がプレス成形されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項18】
前記放熱フィンと熱パイプとがスリーブ接合する部位に、熱パイプにスリーブ接合されるロック接合シートがプレス成形されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項19】
前記放熱フィンに、折り曲げ部が加圧成形されたことを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項1】
ベースプレート(1)と、複数の放熱フィン(2)とを備える構造改良済みフィン式放熱器であって、前記放熱フィン(2)の根方が前記ベースプレート(1)に接続され、前記放熱フィン(2)の根方には、底部に開口がある嵌合溝(21)が設けられ、前記ベースプレート(1)から前記嵌合溝(21)に対応する嵌合具(11)が突出し、前記放熱フィン(2)が嵌合溝(21)によって前記嵌合具(11)を嵌合し、前記複数の放熱フィン(2)が重なり合って配列されて放熱フィングループ(3)を形成したことを特徴とする構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項2】
前記嵌合溝(21)が、お互いに連結する係合溝と接続溝を備え、前記接続溝が前記ベースプレート(1)に近く、前記係合溝の最大幅が前記接続溝の最小幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項3】
前記嵌合溝(21)における放熱フィン(2)の根方に近い一端が長方形であり、他端が円形又は長方形であることを特徴とする請求項2に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項4】
前記嵌合溝(21)が台形であり、前記嵌合溝(21)における放熱フィン(2)の根方に近い一端が前記台形の短い底辺であることを特徴とする請求項2に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項5】
前記嵌合溝(21)が少なくとも2つであることを特徴とする請求項1に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項6】
前記嵌合溝(21)が少なくとも2つであり、前記嵌合溝(21)が長方形であり、異なる嵌合溝(21)の側面が平行ではないことを特徴とする請求項1に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項7】
前記嵌合溝(21)の片側から、前記嵌合具(11)をスリーブ接合し、その高さが隣接する放熱フィン(2)の距離に比べて等しいか小さい嵌合輪(22)が突出したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項8】
一端が前記放熱フィングループ(3)を貫通し、他端が前記ベースプレート(1)に接続された熱パイプ(4)を更に設けたことを特徴とする請求項7に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項9】
前記放熱フィン(2)には、折り曲げ幅が隣接する放熱フィン(2)の距離に等しい折り曲げ部(23)が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項10】
前記放熱フィン(2)と前記熱パイプ(4)とが接続する箇所に、熱パイプ(4)とスリーブ接合するロック接合シート(24)が成形されたことを特徴とする請求項9に記載の構造改良済みフィン式放熱器。
【請求項11】
1)放熱フィンの放熱端面を接続するためのものであり、突出する嵌合具が設けられたベースプレートを製造し、前記嵌合具が放熱端面に平行する直線に沿って延伸するステップと、2)放熱フィンを加圧成形し、プレス金型によって放熱フィンを製造し、前記放熱フィンの根方には、底部に開口がある嵌合溝がプレス成形されており、前記嵌合溝が前記ベースプレートの嵌合具を嵌合するためのものであるステップと、3)嵌合溝によって、複数の放熱フィンを順番に前記嵌合具に嵌合する組立ステップと、を含むことを特徴とするフィン式放熱器の加工方法。
【請求項12】
前記プレス金型が順送り型であり、製造されたベースプレートを前記順送り型の下型内に設け、前記嵌合具の延伸方向が押し抜き機の加圧成形方向が一致であり、前記順送り型がプレス成形された放熱フィンを下に向かって加圧成形して、放熱フィンを前記嵌合溝によって前記嵌合具にスリーブ接合させたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項13】
前記フィン式放熱器が「U」字状の熱パイプを備え、熱パイプを製造されたベースプレートと共に、前記順送り型の下型内に設け、前記熱パイプの一端を縦にし、押し抜き機によって、前記放熱フィンと熱パイプとをスリーブ接合させたことを特徴とする請求項12に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項14】
前記ベースプレートが、押出しプロセス、鋳造又は切削加工によって成形されたことを特徴とする請求項13に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項15】
前記嵌合具がベースプレートと一体に成形されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項16】
前記嵌合具がベースプレートとは分離可能であり、前記ベースプレートには凹溝が設けられ、前記嵌合具の根方が凹溝によってベースプレートに接続されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項17】
前記嵌合溝には前記嵌合具と緊密にフィッテングする嵌合輪がプレス成形されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項18】
前記放熱フィンと熱パイプとがスリーブ接合する部位に、熱パイプにスリーブ接合されるロック接合シートがプレス成形されたことを特徴とする請求項11に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【請求項19】
前記放熱フィンに、折り曲げ部が加圧成形されたことを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載のフィン式放熱器の加工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−12695(P2013−12695A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174487(P2011−174487)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(511195482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(511195482)
【Fターム(参考)】
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