説明

構造用取付けインサート

部材(12,14)の表面相互間を封止すると共に(或いは)このような部材表面に付着する構造用取付けインサートが開示される。このインサートは、補強材(20)(例えばワイヤメッシュ)及び基材周りに設けられた活性化可能材料(22)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ又は3つ以上の互いに接合されたコンポーネントを腐食、締結具の弛み(例えば、トルク減少)又はこれら両方から保護する方法及び装置に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2007年1月30日に出願された米国特許仮出願第60/887,287号、2007年7月23日に出願された同第60/951,327号及び2008年1月4日に出願された米国特許出願第11/969,389号の出願日に関する権益を主張する出願であり、これら関連出願の全てを本願に援用し、これらの目的の全てを本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
長年にわたり、当業界は、部材の表面相互間に配置でき、周囲環境へのこれら表面の暴露を制限する共に(或いは)表面を互いに連結するのを助ける封止材料及び構造材料を開発した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような材料には、欠点がある。一例として、温度変動に対する材料の膨張/収縮特性が、材料の封止性能を制限すると共に(或いは)材料を劣化させる場合がある。別の例として、このような材料は、部材の相互取付け能力を制限する場合があり、又は部材の相互取付け具合を高める能力を制限する場合がある。この結果、本発明は、シール、構造用接着剤、これら両方等として働くインサートを提供し、この材料は、少なくとも、上述の欠点の1つ、又は他の欠点を解決するのに役立つ。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、第1の部材と第2の部材の取付けの際に使用できる構造用取付けインサートが開示される。構造用取付けインサートは、代表的には、第1の部材と第2の部材の連結領域相互間に配置され、このような連結領域を周囲環境から封止するよう構成されている。構造用取付けコンポーネントは、代表的には、第1の部材と第2の部材との間の連結領域の形状に一致するよう形作られたベース部材(例えば、構造用メッシュ材料で作られた部材)と、構造用メッシュ材料の少なくとも一部分で包み込まれた熱活性化可能な材料とを有する。一実施形態では、ベース部材を貫通して、複数の開口部が延びるのが良く、所望ならば、これら開口部を同一の形状にすると共に同一の間隔を置いて配置することができる。熱活性化可能材料は、開口部内に設けられるのが良く、また、代表的には、柔軟性のある材料で形成される。第1の部材と第2の部材の取付け時、熱活性化可能材料は、代表的には、ベース部材と第1及び第2の部材の両方との直接的な接触を可能にするよう変位する。さらに、熱を加えると、熱活性化可能材料は、代表的には、膨張してベース部材を貫通して形成された開口部を満たすと共にベース部材及び第1の部材と第2の部材の連結領域を封止する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の教示による構造用取付けインサートの一形態の平面図である。
【図2】図1に示されている構造用インサートの断面図であり、本発明の教示による接合に先立って第1及び第2の部材が追加されている状態を示す図である。
【図3】図2に示されている構造用取付けインサートの拡大図である。
【図4】図3に示されている構造用取付けインサートを2つのコンポーネントの接合後における状態で示す図である。
【図5】図4に示されている構造用取付けインサートを本発明の教示による利用可能な一材料の活性化後における状態で示す図である。
【図6】図5に示されている断面図とほぼ同じ断面図であるが、図5とは異なり、2つの部材を接合するために用いられる取付け特徴部が断面で示されている図である。
【図7】本発明の教示による構造用取付けインサートの一用途の一例を示す図である。
【図8】本発明の教示による構造用取付けインサートの別の形態の平面図である。
【図9】図8に示されている構造用インサートの断面図である。
【図10】図9の拡大断面図である。
【図11】図10に示されている構造用取付けインサートを2つのコンポーネントの接合後の状態で示す図である。
【図12】図11に示されている構造用取付けインサートを本発明の教示による利用可能な一材料の活性化後における状態で示す図である。
【図13】本発明の教示による構造用取付けインサートの別の形態の平面図である。
【図14】図13に示されている構造用インサートの断面図である。
【図15】図14の拡大断面図である。
【図16】図15に示されている構造用取付けインサートを2つのコンポーネントの接合後の状態で示す図である。
【図17】図16に示されている構造用取付けインサートを本発明の教示による利用可能な一材料の活性化後における状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、構造部材を確実に取り付ける一方で、腐食の原因となる場合がある環境条件に、このような部材が曝されることを阻止し、又は実質的に制限する方法及び装置に基づいている。図面を参照すると、これは、第1の部材12と第2の部材14の接合に先立って第1の部材12と第2の部材14との間に配置されるインサート10の使用により達成される。インサートは、第1の部材と第2の部材との間の距離を維持する確実な位置決め特徴部及び第1の部材と第2の部材との間の開放空間を満たし、インサート及びインサートとの第1及び第2の部材の接合部分又はこれら両方を包囲するシーラ又は封止手段を有する。シーラは、インサートと構造部材の接触部分16,18の両方を周囲環境から封止するよう活性化可能であり、柔軟であり、又はこれら両方であるのが良い。
【0008】
本発明の追加の利点は、本発明により、接合後の部材の熱サイクルその他の間、トルク減少又は締結具の弛みが実質的に制限され又は阻止されるということにある。例えば、加温サイクルと冷却サイクルが繰り返されている間、封止装置は、温度変化により膨張したり収縮したりする。これら先行技術の装置に用いられるスペーサ材料だけが封止材料それ自体から成っているので、湿気又は水分がこの熱サイクル中、シールにより形成された隙間に入ることが良く見受けられる。また、先行技術の封止装置は又、クリープを起こし、それにより高温で増大する場合のある隙間が生じることが良く見られる。
【0009】
本発明は、隙間を形成する高強度の材料を提供し又は第1の部材と第2の部材との間にスペーサを設けることによりこれら問題及び他の問題を解決する。この場合、インサートのシーラは、第1の部材と第2の部材との間に形成された隙間を封止すると共にインサートを包囲し、それにより第1の部材と第2の部材の連結領域の腐食を実質的に制限し又は阻止する。これは、高強度スペーサとインサートの縁部を封止する封止材料の組合せにより、水分が第1及び第2の部材の接触箇所に接触するのが実質的に制限され又は阻止され、それにより更に、電解液が腐食を開始させるのが阻止される。というのは、電解液は、水分により生じるからである。
【0010】
一般に、インサート10は、構造部材を接合するために用いられる力を加えると、変形に抵抗するよう構成された剛性材料から成る第1のコンポーネント20,62,72を有する。インサートは、第2のコンポーネント22を更に有し、この第2のコンポーネントは、好ましくは、第1のコンポーネントを包み込み又はこれに取り付けられ若しくはこれに取り付けられた状態になる。第2のコンポーネントは、インサート及び構造部材の接触箇所又は領域を包囲するよう少なくとも部分的に柔軟性がある。
【0011】
第1の構造部材と第2の構造部材の接合時、第2のコンポーネントを活性化させ又はこれとは違ったやり方で変形させてインサート及び構造部材の接触箇所の封止を生じさせ、それにより、構造用コンポーネントを腐食させる場合のある腐食促進成分、例えば水に曝されることを制限、又は阻止するのが良い。
【0012】
理解されるべきこととして、上述のことは、本発明の多くの例及び利点の1つに過ぎず、以下の説明は、暗黙的且つ(或いは)明示的に、図面により更に裏付けされている本発明の他の例及び利点を提供する。
【0013】
第1のコンポーネント‐スペーサ材料
インサートは、第1のコンポーネント20を有し、この第1のコンポーネントは、第1の部材12及び第2の部材14のためのスペーサとしての役目を果たすよう構成された可撓性又は剛性の材料から成る。しかしながら、好ましくは、第1のコンポーネントは、強度が第1及び第2の部材の取付け中、変形に実質的に抵抗するよう構成されている。したがって、第1のコンポーネントは、高強度材料で形成されることが意図されている。
【0014】
第1のコンポーネントを形成するために使用できる適当な材料としては、例えば金属、プラスチック、セラミック、ゴムその他の材料が挙げられる。一形態では、第1のコンポーネントは、ポリマーで形成される。別の好ましい形態では、第1のコンポーネントは、その可撓性(例えば、弾性)及び塑性変形に抵抗するその高い強度により金属(例えば、シム素材その他)で形成される。適当な金属材料の例としては、ステンレス鋼、合金鋼、被覆又は非被覆鋼、亜鉛めっき鋼、低又は高炭素鋼、コバルト、他の金属材料等その他が挙げられる。当然のことながら、他の特定の材料、例えばテキスタイルで通常用いられている材料その他が利用可能である。
【0015】
図1〜図6に示されているような第1の例示の形態では、インサート10には、第2のコンポーネント22の少なくとも一部分を受け入れる複数の開口部24が形成され、又は第1のコンポーネント10は、これとは違った仕方で第2のコンポーネント22の少なくとも一部分を受け入れる複数の開口部24を備えている。これら開口部は、利用可能な任意の形成技術(例えば、成形その他)を用いて形成できる。開口部は、形状が幾何学的形状であっても良く、或いは非幾何学的形状(即ち、不規則な形状)であっても良い。開口部の幾何学的形状は、所与の用途の必要性に応じて様々であって良い。開口部の利用可能な形状としては、円形、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形等その他が挙げられる。
【0016】
また、開口部24のサイズは、各用途につき様々であって良い。開口部の直径は、5mm未満、2mm未満、1mm未満、0.5mm未満0.25mm又はそれ以下であることが意図されている。または、平均直径は、0.25mm〜1mm、0.5mm〜1mmその他であって良いことが意図されている。開口部の形状寸法は、第1のコンポーネント全体にわたって様々であって良い事が分かる。しかしながら、好ましい一形態では、開口部の形状寸法は、第1のコンポーネント全体にわたり変わらない。第1のコンポーネントが開口部を有し、特に、第1のコンポーネントがメッシュ材料等である場合、典型的には、1平方インチ当たり(なお、1インチは2.54cmであり、したがって、6.45cm2当たり)少なくとも10個、より代表的には少なくとも150個、更により代表的には少なくとも300個の開口部が設けられると共に(或いは)1平方インチ当たり約3000個以下、より代表的には約800個以下、更により代表的には約500個以下の開口部が設けられる。
【0017】
第1のコンポーネントは、種々の形成技術を用いて形成できる。第1のコンポーネントは、1本又は複数本のスレッド(糸)、ワイヤ等から織成されているが良いが、織成されていなくても良い。第1のコンポーネントは、スクリーン等から成っていても良く又はスクリーン等の形態に類似した形態のものであっても良い。織成形態に関し、第1のコンポーネントは、メッシュ材料、例えば金属又はポリマーメッシュで形成されるのが良く、その結果、開口部24が形成される。他の技術が利用可能である。
【0018】
第1のコンポーネントを形成するスレッド又はワイヤの直径も又、各用途について様々であって良い。スレッド又はワイヤの直径は、10mm未満、5mm未満、2mm未満、1mm未満又は0.5mm未満それ以下であることが意図されている。また、スレッド又はワイヤの平均直径は、0.25mm〜2mm、0.5mm〜1mm、0.3mm〜0.8mmその他であって良いことが意図されている。理解されるべきこととして、ワイヤの寸法形状は、第1のコンポーネント全体を通じて様々であって良い。しかしながら、好ましい一形態では、ワイヤの寸法形状は、第1のコンポーネント全体を通じて変わらない。また、ワイヤの断面形状は、円形であっても良く、楕円形であっても良く、正方形であっても良く、長方形であっても良く、七角形であっても良く、六角形であっても良く、或いはその他であっても良い。
【0019】
以下に詳細に説明する第1のコンポーネントの第2及び第3の形態では、第1のコンポーネントは、ベース部材を有するのが良く、このベース部材は、一方の側又は両方の側から延びていて、ベース部材に接触してベース部材を第1及び第2の部材から空間的に離隔させる1つ又は2つ以上の部材、例えば突出部を有することが意図されている。この空間的離隔により、第2の材料をベース部材と第1又は第2の部材との間に配置してこれらの封止を行うことができる。一形態では、ベース部材は、ほぼ任意形式の金属シート又は他の材料(例えば、薄鋼板、例えばシム素材金属)等で形成され、次に複数の突出部を形成するよう形作られるのが良い。
【0020】
図8〜図12に示されているような第2の例示の形態では、第1のコンポーネントは、ベース部材62から成り、このベース部材から複数個の突出部64が延びている。突出部は、ベース部材の一方の側(面)又は両方の側から延びるのが良く、好ましくは、互いに間隔を置いて配置される。突出部は、ベース部材に沿って対称又は非対称のパターンを形成することができる。したがって、突出部は、1つ又は2つ以上の繰り返しパターンを形成するのが良いことが意図されている。
【0021】
突出部64は、一体構造を形成するようベース部材に取り付け又はこれとは違ったやり方でこれと一体に形成されるのが良い。突出部は、利用可能な任意の形成技術(例えば、成形、打抜き加工、溶接その他)を用いて形成できる。これら突出部は、形状が幾何学的形状であって良く、非幾何学的形状(即ち、不規則な形状)であっても良く、突出部の幾何学的形状は、所与の用途の必要性に応じて様々であって良い。突出部の適当な形状としては、円形、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形等その他が挙げられる。好ましい一形態では、突出部は、ベース部材に平行な頂面66を有すると共に頂面をベース部材に連結する1つ又は2つ以上の(例えば、2つ、4つその他の)側部材68を有する。これら側部材は、ベース部材又は頂面に対して直角であるのが良く、或いは、斜めに差し向けられていても良い。
【0022】
突出部のサイズは、各用途について様々であって良い。突出部のサイズ(例えば、頂面又は頂面と側部材の組合せのサイズ)は、約0.25mm2、0.5mm2、1mm2、2mm2、5mm2、10mm2又はそれ以上のフットプリント面積を含む場合がある。突出部のフットプリントサイズは、第1のコンポーネント全体を通じて様々であって良いことは理解されるべきである。しかしながら、好ましい一形態では、突出部のフットプリントサイズは、第1のコンポーネント全体を通じて変わらない。
【0023】
好ましくは、ベース部材及び(又は)突出部の全て又は一部は、これに被着された第2のコンポーネント22の層を有する。第2のコンポーネントは、第1のコンポーネントの一方の側又は両方の側上に配置されるのが良い。しかしながら、好ましい一形態では、第2のコンポーネントは、ベース部材の両方の側及び突出部上に配置される。
【0024】
図13〜図17に示すような第3の例示の形態では、第1のコンポーネントは、ベース部材72から成り、このベース部材から複数個の突出部74が延びている。突出部は、ベース部材の一方の側(面)又は両方の側から延びるのが良く、好ましくは、互いに間隔を置いて配置される。突出部は、ベース部材に沿って対称又は非対称のパターンを形成することができる。したがって、突出部は、1つ又は2つ以上の繰り返しパターンを形成するのが良いことが意図されている。
【0025】
突出部74は、一体構造を形成するようベース部材に取り付け又はこれとは違ったやり方でこれと一体に形成されるのが良い。突出部は、利用可能な任意の形成技術(例えば、成形、打抜き加工、溶接その他)を用いて形成できる。これら突出部は、形状が幾何学的形状であって良く、非幾何学的形状(即ち、不規則な形状)であっても良く、突出部の幾何学的形状は、所与の用途の必要性に応じて様々であって良い。突出部の適当な形状としては、円形、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形等その他が挙げられる。好ましい一形態では、突出部は、ベース部材に平行な頂面又は部分76を有すると共に頂面をベース部材に連結する1つ又は2つ以上の側部材78を有する。これら側部材は、ベース部材又は頂面に対して直角であるのが良く、或いは、斜めに差し向けられていても良い。さらに、側部材は、弧状部材から成っていても良い。しかしながら、一形態では、頂部と側部の組合せは、ドーム状構造体を構成する。
【0026】
突出部のサイズは、各用途について様々であって良い。突出部のサイズ(例えば、頂面又は頂面と側部材の組合せのサイズ)は、約0.25mm2、0.5mm2、1mm2、2mm2、5mm2、10mm2又はそれ以上のフットプリント面積を含む場合がある。突出部のフットプリントサイズは、第1のコンポーネント全体を通じて様々であって良いことは理解されるべきである。しかしながら、好ましい一形態では、突出部のフットプリントサイズは、第1のコンポーネント全体を通じて変わらない。
【0027】
好ましくは、ベース部材及び(又は)突出部の全て又は一部は、これに被着された第2のコンポーネント22の層を有する。第2のコンポーネントは、第1のコンポーネントの一方の側又は両方の側上に配置されるのが良い。しかしながら、好ましい一形態では、第2のコンポーネントは、ベース部材の両方の側及び突出部上に配置される。
【0028】
本明細書に記載された種々の実施形態又はその他に関し、第1のコンポーネントの全て又は一部は、例えばシーラ等で被覆されるのが良い。
【0029】
第2のコンポーネント‐シーラント材料
インサートは、インサート並びに第1及び第2の部材の連結領域を封止するようになったシーラント材料から成る第2のコンポーネントを更に有する。第2のコンポーネントは、第1の部材と第2の部材の接合の際、変位するよう(例えば、弾性的に、塑性的に又はこれら両方の状態で変位するよう)構成されるのが良い。第2のコンポーネントには、使用の際又は第1及び(又は)第2の部材への塗布又は被着の際に、第1のコンポーネントが与えられる。好ましくは、第2のコンポーネントは、取付け具合を向上させると共に製造費を減少させるよう第1のコンポーネントに取り付けられ又は違ったやり方でこれに接合される。
【0030】
一形態では、第2のコンポーネントは、第1のコンポーネントを実質的に又は完全に包み込む。第2のコンポーネントは、本明細書において説明するようなありふれた技術を用いて第1のコンポーネントに塗布又は被着できる。しかしながら、好ましい一形態では、第1のコンポーネントは、第2のコンポーネント中に浸漬され又は違ったやり方で浸される。
【0031】
第2のコンポーネントは、本明細書において説明する材料成分の任意のもので形成できる。このような材料としては、シーラント材料、騒音、振動及びハーシュネスを減少させる材料、構造材料その他が挙げられる。しかしながら、好ましい形態では、材料は、シールを形成し、湿気(例えば、水その他を含む任意種類の腐食性流体)が第2のコンポーネントと第1又は第2の部材との間に入るのを阻止するよう構成されている。
【0032】
第2のコンポーネントは、非活性化材料から成っていても良く、活性化可能材料から成っていても良く又はこれら両方の組合せから成っていても良い。例えば、コンポーネントを封止するために用いられ又はコンポーネントを封止でき、エネルギーが加えられた際に物理的又は化学的変化を殆ど起こさず又は全く起こさない非活性化材料、例えば代表的なガスケットその他から成るのが良い。変形例として、第2のコンポーネントは、本明細書において説明するように、エネルギーが加えられると、物理的及び(又は)化学的変化を起こす活性化可能材料から成っていても良い。さらに、第2のコンポーネントの一部だけが活性化可能であっても良いことが意図されている。
【0033】
好ましい一形態では、第2のコンポーネントは、封止を生じさせる活性化可能材料から成り又はこれを含む。より好ましくは、第2のコンポーネントは、エネルギー(例えば、熱その他)が加えられると、膨張するよう構成された熱活性化可能材料から成る。別の好ましい形態では、第2のコンポーネントは、非膨張性材料及び(又は)非活性化材料から成り、この場合、第2の材料は、第1及び第2の部材の接触領域の周りに生じてこれら相互間の開放空間を満たす。第2のコンポーネントに関する追加の適当な材料及び形成技術について以下に説明する。
【0034】
膨張性材料は、自動的であっても良く、半自動的であっても良く、或いは手動であっても良い成形又は付形技術を用いてキャリヤに被着可能である。このような技術としては、吹き込み成形、回転成形、射出成形、圧縮成形その他が挙げられる。非常に好ましい一形態では、膨張性材料は、押出し(例えば、同時押出し)法によりキャリヤに被着される。
【0035】
第2のコンポーネントの厚さは、多くの要因、例えば第2のコンポーネントが活性化可能であるか或いは膨張可能であるかどうか及び第2のコンポーネントがどの程度まで活性化可能であるか又は膨張可能であるかに応じて様々であって良い。厚さは又、満たされるべき第1の部材と第2の部材との間又は第1のコンポーネント周りの開放空間の広さで決まる場合がある。さらに、厚さは、第2のコンポーネントの柔軟性に基づく場合がある。適当な厚さの例としては、約0.5〜10mm又は約1〜5mmその他が挙げられる。
【0036】
膨張可能な材料は、数種類の互いに異なる材料で形成されるのが良い。一般的に言って、部材は、膨張可能な材料を形成して被着させる技術及びプロセス、例えば、米国特許第4,922,596号明細書、同第4,978,562号明細書、同第5,124,186号明細書、同第5,884,960号明細書及び2000年2月11日に出願された共通所有者の同時係属米国特許出願第09/502,686号明細書、2000年3月14日に出願された同第09/524,961号明細書並びに2004年6月15日に出願された米国特許出願(代理人事件番号:1001‐141)に開示されている技術及びプロセスを利用するのが良く、これら特許文献の全てを参照により引用し、全ての目的についてほぼこれらの開示内容を本明細書に援用とする。代表的には、膨張可能材料は、発泡性を備えた高圧縮強度及び光合成の熱活性化補強材料(例えば、フォーム)を形成する。例えば、材料の圧縮強度モジュラスは、好ましくは、約100MPa以上であり、より好ましくは約800MPa以上であり、更により好ましくは約1500MPa以上である。
【0037】
この材料は、一般に触って乾いた感じであっても良く又は粘ついた感じであっても良く、このような材料を所望のパターン、所望の配置状態又は所望の厚さの任意の形態で第1のコンポーネント等の上に配置することができるが、好ましくは、実質的に一様な厚さのものである。例示の膨張可能な材料の1つは、ミシガン州ロメオ所在のエル・アンド・エル・プロダクツ・インコーポレイテッド(L&L Products, Inc.)を介して入手できるL‐5204構造用フォームである。
【0038】
他の適当な粘着性又は非粘着性材料の例としては、ミシガン州ロメオ所在のエル・アンド・エル・プロダクツ・インコーポレイテッドを介して入手できるL‐2663、L‐2610、L‐2609、L‐2701又は他のこれらに類似した材料が挙げられる。
【0039】
他の熱活性化材料が膨張可能材料として可能であるが、好ましい熱活性化材料は、膨張可能なポリマー又はプラスチック、好ましくは発泡性のものである。特に好ましい材料は、エポキシを基材とする構造用フォームである。例えば、構造用フォームは、アルファ‐オレフィンを備えるのが良いエチレンコポリマー又はターポリマーを含むエポキシを基材とする材料であるのが良いが、これには限定されない。コポリマー又はターポリマーとして、ポリマーは、2種類又は3種類の互いに異なるモノマー、即ち、類似した分子と結合可能な高い化学反応性を備えた小さな分子で構成される。
【0040】
当該技術分野においては多くのエポキシを基材とする構造用補強又は封止フォームが知られており、これらは又、構造用フォームを製作するために使用できる。代表的な構造用フォームとしては、ポリマー基材、例えばエポキシ樹脂又はエチレンを基材とするポリマーが挙げられ、このようなポリマー基材は、適当な成分(典型的には、発泡剤及び硬化剤)と化合した場合、熱が加えられると又は特定の周囲条件の発生時に確実且つ予測可能な仕方で膨張して硬化する。熱活性化材料又は熱硬化性材料に関する化学的観点から、構造用フォームは、当初、硬化前に流動可能な熱可塑性材料として処理されるのが通例である。このような材料は、代表的には、硬化時に架橋し、それにより材料は、それ以上流動することができなくなる。
【0041】
好ましい構造用フォームの配合物の一例は、ミシガン州ロメオ所在のエル・アンド・エル・プロダクツ・インコーポレイテッドからL5206、L5207、L5208、L5209という名称で市販されているエポキシを基材とする材料である。先行技術の材料と比較した場合の好ましい構造用フォーム材料の一利点は、好ましい材料を幾つかの仕方で処理できるということにある。好ましい材料を射出成形、押出し圧縮成形、キャリヤへの複合成形により又は小型アプリケータの使用によって処理できる。これにより、大抵の先行技術の材料の性能に勝る部品設計の形成及び創出が可能になる。好ましい一実施形態では、構造用フォーム(その未硬化状態において)は一般に、触って乾いた感じがし又は比較的べとつきがなく、このような構造用フォームを当該技術分野において周知の締結手段によりキャリヤ部材に容易に取り付けることができる。
【0042】
膨張可能な材料を作る上で好ましい材料を開示したが、膨張可能材料を選択された材料が周囲条件(例えば、水分、圧力、時間等)により熱活性化され又は違ったやり方で活性化されて選択された用途に適した条件下で予測可能且つ確実な仕方で硬化することを条件として、他の材料で形成することができる。このような材料の1つは、本願の譲受人の名義で1999年3月8日に米国特許商標庁に出願された米国特許第6,131,897号明細書に開示されているエポキシを基材とする樹脂であり、このような米国特許を参照により引用し、その教示内容を本明細書の一部とする。また、米国特許第5,766,719号明細書、同第5,755,486号明細書、同第5,575,526号明細書及び同第5,932,680号明細書を参照されたい(これらの米国特許を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする)。一般に、膨張可能材料の所望の特性としては、剛性が比較的高いこと、強度が高いこと、ガラス転移点温度が高いこと(代表的には70℃よりも高い温度)、付着耐久性があることが挙げられる。このように、このような材料は、一般に、自動車製造業者により用いられている材料系の妨げにはならない。例示の材料としては、ミシガン州ロメオ所在のエル・アンド・エル・プロダクツ・インコーポレイテッドからL5207及びL5208という名称で市販されている材料が挙げられる。
【0043】
代表的には、膨張可能材料は、補強材として用いられる場合、その元の非膨張状態における体積の110%〜500%、より代表的には130%〜300%、更により代表的には150%〜250%の体積まで膨張するよう構成されている。また、本発明のシステムが封止又は緩衝に用いられる場合、膨張可能材料は、音を吸収し又は減衰させ、キャビティ等を通る材料の通過を妨げて阻止するよう設計されるのが良いということが意図されている。したがって、膨張可能材料は、その元の非膨張状態の体積の少なくとも200%、少なくとも400%、少なくとも800%、少なくとも1600%の体積まで膨張するよう構成されているのが良い。このような膨張可能材料の例は、2004年6月15日に出願された米国特許出願(代理人事件番号:1001‐141)に記載されており、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0044】
膨張可能材料が熱活性化熱膨張性材料である用途では、構造用フォームを構成する材料の選択及び処方に伴う重要な検討事項は、材料の反応又は膨張及び場合によっては硬化が生じる温度である。例えば、大抵の用途では、材料が室温で又は生産ライン環境における周囲温度において反応性であることは望ましくない。より代表的には、構造用フォームは、フォームが自動車用部品と共に高い温度又はエネルギー投与レベルが高い状態で、例えば、塗装硬化ステップ中に処理されているとき、例えば組み立てプラントにおいて見られる高い処理温度では反応状態になる。自動車組み立て作業において見受けられる温度は、約480.89℃〜204,44℃(約300°F〜400°F)である場合があるが、車体整備工場及び塗装工場用途は、通常、約93.33℃(200°F)又はこれよりも僅かに高い。同様に、他の輸送装置(例えば、自転車、モーターサイクル、全地形用車両その他)の製造中、塗装硬化プロセス(例えば、粉体塗装用途)その他の実施中にもこれよりも高い温度が用いられる場合がある。一形態では、材料は、約120℃以上又は約150℃以上或いは約160℃以上の温度で反応状態になる。必要ならば、発泡剤活性化物質を組成物中に混ぜ込んで上述の範囲から外れた種々の温度で膨張を生じさせるのが良い。
【0045】
特定の例として、材料を粉体塗装硬化作業で硬化させることができるということが意図されている。このような作業では、材料は、暴露時間が約10分〜60分の状態で約120℃〜230℃の温度範囲に暴露されるのが良い。また、材料は、時効硬化作業で硬化させることができるということが意図されている。この作業では、材料を暴露時間が約45分〜8時間の状態で約150℃〜230℃の温度範囲に暴露するのが良い。
【0046】
一般に、適当な膨張可能フォームは、約0パーセント〜1000パーセントを超える膨張範囲を有する。膨張可能材料の膨張レベルを1500パーセント以上という高い割合まで増大させることができる。代表的には、強度及び剛性は、膨張率の低い製品から得られる。
【0047】
膨張可能材料として他の適当な材料の幾つかとしては、ポリオレフィン材料、少なくとも1種類のモノマーを備えたコポリマー及びターポリマー、アルファ‐オレフィンフェノール/ホルムアルデヒド材料、フェノキシ材料及びポリウレタンが挙げられる。また、米国特許第5,266,133号明細書、同第5,766,719号明細書、同第5,755,486号明細書、同第5,575,526号明細書、同第5,932,680号明細書及び国際公開第00/27920号(PCT/US99/24795)を参照されたい(これら特許文献を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする)。一般に、得られる材料の所望の特性としては、ガラス転移温度が比較的低いこと及び付着耐久性が良好であることが挙げられる。このように、このような材料は、一般に、自動車又は他の車両製造業者(例えば、モーターサイクル、自転車、全地形用車両その他)によって採用されている材料系の邪魔になることはない。さらに、このような材料は、一般に車両の製造にあたって見受けられる処理条件、例えば、e−コートプライミング(e-coat priming)、クリーニング及び脱脂及び他の塗装プロセス並びに最終の車両組み立ての際に行われる塗装作業に耐える。
【0048】
別の実施形態では、膨張可能材料は、封入又は部分的封入形態で提供され、このような形態は、ペレットから成るのが良く、このようなペレットは、接着シェル内に封入され又は部分的に封入された膨張可能な発泡性材料を含む。このようなシステムの1つの例は、共通所有者の同時係属米国特許出願第01/524,298号明細書(発明の名称:Expandable Pre-Formed Plug)に開示されており、このような特許文献を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。
【0049】
加うるに、上述したように、予備成形パターン、例えば、シート(平らな又は異形表面を有する)を押し出し、次に選択された構造体、キャリヤ部材等により所定の形態に従ってこれをダイカットし、そしてこれを選択された構造体、キャリヤ部材等に貼り付けることにより作られたパターンを採用することができる。
【0050】
このシステムは、例えば共通所有者の同時係属米国特許出願第09/524,961号明細書又は同第09/502,688号明細書に開示されている従来型防音バッフル又は車両用構造的補強システムのコンポーネントと組み合わせて又はこのようなコンポーネントとして使用できることが当業者であれば分かる(なお、これら特許文献を参照により引用し、これらの開示内容を本明細書に援用する)。
【0051】
膨張可能材料を種々のデリバリシステムにより送り出して組立て用部材に接触させることができるということが想定され、このようなデリバリシステムとしては、機械的スナップ嵌め組立て技術、当該技術分野において通常知られている押出し技術並びに共通所有者の米国特許第5,358,397号明細書(発明の名称:Apparatus For Extruding Flowable Materials)の教示によるような小型アプリケータ技術が挙げられるが、これらには限定されない。なお、このような米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書に援用する。この非限定的実施形態では、材料又は媒体は、防振特性を備えた活性ポリマー又は他の熱活性化ポリマー(例えば、形成可能ホットメルト接着剤を基材とする又は膨張可能な構造用フォーム、これらの例としては、オレフィン族ポリマー、ビニルポリマー、熱可塑性ゴム含有ポリマー、エポキシ樹脂、ウレタン等)で少なくとも部分的に被覆され、この場合、発泡性又は膨張可能材料を選択された表面又は基材にスナップ装着し、押し出しにより選択された基材又は部材に沿って配置可能にビーズ又はペレット内に配置し、バッフル技術、当該技術分野において周知である教示によるダイカスト用途、バッフル及びブラダシステムの使用を含む場合のある圧送可能用途システム及び吹付け可能用途の利用により基材に沿って配置する。
【0052】
別の好ましい形態では、上述したように、第2の材料は、非活性化且つ(或いは)非膨張性であるのが良い。この形態では、力を加えると、オプションとして、活性化を行うと、第2の材料は、塑性変形してインサート及び第1の部材と第2の部材の接触領域を包囲してこれらの封止を行う。したがって、一形態では、第2の材料は、ガスケットから成るのが良い。例えば、第2の材料は、互いに接合されたコンポーネントを封止するために用いられる任意適当なガスケットから成るのが良い。
【0053】
インサートの寸法形状は、用途ごとに様々であって良い。インサートは、一般に、形状が正方形又は長方形であるのが良いことが意図されている。しかしながら、他の形状としては、円形、楕円形、七角形、六角形等又はその他が挙げられ、その他としては、規則的な形状又は不規則な形状が意図されている。インサートの厚さも又、用途及び力の入れ方に応じて様々であって良い。しかしながら、厚さは、10mm未満、5mm未満、2mm以下であるのが良い。したがって、インサートは、1mm〜10mm又は2mm〜5mmその他の連続厚さを有することが意図されている。
【0054】
使用方法
図2〜図6、図8〜図12及び図13〜図17を参照すると、本発明のインサートの使用方法の3つの例がそれぞれ示されている。本発明は、2つ又は3つ以上の部材を互いに接合してこれら相互間の距離を維持する締結(例えば、ボルト止めその他)システムに特に適している。インサートを本明細書において説明したように第1及び第2の部材12,14の取付けに先立って、これら部材相互間に配置する。次に、締結装置その他の使用により第1の部材と第2の部材を互いに結合し、力“F”を加える。
【0055】
3つの例に示されているように、開口部を第1のコンポーネントと第1及び第2の部材12,14との間に形成するのが良い。これら開口部を第2の材料の活性化前に、第2の材料の活性化後に又はこれら両方の時期に第2のコンポーネントによって部分的に又は完全に満たすのが良い。例えば、第1及び第2の部材の取付けの際、第1及び第2の部材の取付け中に生じたトルクにより、第1のコンポーネント上に位置している第2の材料は、活性化に先立って、変位して開放空間を部分的に又は完全に満たす。開放空間の活性化前充填に代えて又はこれに加えて、第2の材料の活性化中、開放空間を膨張中の第2の材料で更に満たすのが良い。
【0056】
図4、図11及び図16を参照して説明すると、力を増大させると、封止材料を含む第2のコンポーネントは、開口部内に又は第1のコンポーネント20,62,72によって形成された突出部に沿って且つ(或いは)第1のコンポーネントの端部の外部に変位する。この変位が続き、ついには、第1及び第2の部材が突出部と接触状態にある場合のある第1のコンポーネントに接触する。この時点において、第1のコンポーネントは、第1の部材と第2の部材との間の実質的に連続した隙間を形成してこれを維持するスペーサとしての役目を果たす。上述したように、第1のコンポーネントは、実質的な変形を生じないで、加えられた力に対抗した力をもたらすよう強度が適当なものである。しかしながら、第2及び第3の実施形態としての第1のコンポーネント62,72に関し、突出部64,74は、第1のコンポーネントの表面に向かって変形するよう構成されているのが良い。
【0057】
図5、図12及び図17に示されているように、第1及び第2の部材が取り付けられた状態で第2のコンポーネントを活性化させるのが良く、それにより、好ましい一形態では、第2のコンポーネントは、膨張して第1のコンポーネントによって形成された開口部又は突出部相互間に形成された開放空間を満たす。また、第1のコンポーネントの外部に位置する材料も又膨張して第1のコンポーネント全体周りにシールを形成することは理解されるべきである。この時点で、第1及び第2の部材の接触領域並びにインサートは、周囲環境から完全に封止される。
【0058】
図6を参照すると、開口部がインサートを貫通して形成され、膨張可能材料は、締結具が貫通する周囲領域を満たし、それにより湿気が周囲領域内に入るのを実質的に制限し又は阻止している。
【0059】
特定の一実施例
図7を参照すると、本発明の構造用取付けインサートの1つの非限定的な実施例及び使用法が示されている。この例では、実施形態の任意のもの(例えば、第1のコンポーネントその他)を用いることができるということは理解されるべきである。この形態では、自動車のドアコンポーネントをフレーム部材に取り付けるヒンジ組立体30が提供されている。ヒンジは、自動車ドアに取付け可能な第1の取付け特徴部34を含む第1のヒンジ部分32を有している。第1のヒンジ部分は、i)第1のヒンジ部分を自動車ドアに取り付けるために用いられる1つ又は2つ以上の機械的締結具を受け入れる複数個の穴38が形成された平坦な取付け面36及びii)平坦な取付け面の互いに反対側から延びるアーム40を有し、アームを貫通して延びていて、回動連結部の一部分を形成する第1の孔42が設けられている。
【0060】
ヒンジは、自動車フレーム部材に取り付けられる第2の取付け特徴部46を備えた第2のヒンジ部分44を有する。第2のヒンジ部分は、i)平坦な取付け面48を有し、平坦な取付け面から延びていて、第1のヒンジ部分を自動車フレーム部材に取り付ける複数個の締結具が設けられ、第2のヒンジ部分は、ii)平坦な取付け面の互いに反対側から延びるアーム52を更に有し、アームを貫通して延びていて、回動連結部の一部分を形成する第2の孔54が設けられている。
【0061】
ヒンジは、第1のヒンジ部分を第2のヒンジ部分に回転自在に取り付ける回動連結部を更に有し、回動連結部は、第1の孔、第2の孔、及び第1の孔及び第2の孔を貫通して延びるピン56で形成され、第1のヒンジ部分及び第2のヒンジ部分のアームは、互いに隣接して配置されると共に互いに対して回転するようになっており、回動連結部は、第1の孔及び第2の孔からのピンの抜け出しを一時的に又は永続的に阻止する1つ又は2つ以上の保持特徴部58を更に有する。
【0062】
ヒンジは、本明細書において説明したような構造用取付けインサート10を更に有している。図示のように、インサートには、第2のヒンジ部分の取付け特徴部を受け入れる開口部60が形成されている。これら開口部は、用途ごとに様々であって良い。
【0063】
他の用途
本発明の補強システムは、特にモーターサイクル、自転車、自動車、船舶、列車その他に関する輸送業界において構造補強の種々の観点で利用できる。特に有利な一用途では、本発明の補強システムを金属コンポーネントが互いに接合され、このようなコンポーネントが一般に水分に暴露される用途に利用することができる。これら形態では、本発明のインサートは、このようなコンポーネントの堅実な取付けを提供する一方で、このようなコンポーネントを腐食から保護する。本発明が有効な追加のコンポーネントとしては、フロント及びリヤバンパシステム、引上げゲート、車体底部補強材等が挙げられるが、これらには限定されない。
【0064】
本発明の補強システムを車体修理工場、汎用組み立て工場その他で利用することができるということは理解されるべきである。補強システムは、元々の製造中、2つ又は3つ以上のコンポーネントの取付け具合を向上させるだけでなく、一体性又は健全性(例えば、強度その他)が例えば事故の際に損なわれるコンポーネントの取付け具合を向上させる。
【0065】
本発明は、上述したように、多くの利点をもたらすことができる。一例として、個々の機械又はこれらの組合せは、2つ又は3つ以上の表面材又は部材を互いに締結する(例えば、ボルト止めする、ねじ止めする又はこれらとは違ったやり方で取り付ける)ことができ、腐食及び(又は)締結具の弛み(例えば、トルク減少)を制限し又は阻止することができる。締結具の弛みの制限又は阻止は、好ましい一実施形態では、表面材又は部材を互いに引き寄せ若しくは押し付け又は締め付ける(例えば、締結具により)、ついには部材又は表面材と第1のコンポーネントとの間に接触(例えば、金属間接触)が達成されるようにすることにより達成される。表面材又は部材は、引き続き互いに引き寄せられ又は押し付けられるのが良く、それにより時間の経過及び(又は)温度変化により生じる場合のある望ましくない多くのクリープ量を生じさせない圧縮力が第1のコンポーネントに加わるようにするのが良い。このように、力が締結具に加わった状態で維持され、それにより締結具の弛み(例えば、トルク減少)を禁止し又は阻止する。この場合、本発明は、もしそうでなければ必要な場合がある締結具締まり具合又はトルクの点検及び再点検を制限し又はなくすことができ、このような締結具の再締め付けの必要性を制限し又はなくすことができる。
【0066】
特に断らない限り、本明細書において示した種々の構造体の寸法及び幾何学的形状は、本発明を限定するものではなく、他の寸法又は幾何学的形状が可能である。複数の構造コンポーネントを単一の一体形構造体で提供することができる。変形例として、単一の一体形構造を幾つかの複数のコンポーネントに分割しても良い。加うるに、本発明の特徴を図示の実施形態の1つのみとの関係で説明したが、このような特徴は、任意所与の用途に関し、他の実施形態の1つ又は2つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。また、上述のことから、本明細書において開示した特徴的な構造体の製作及びその作用も又、本発明の方法を構成することは理解されよう。
【0067】
本発明の好ましい実施形態を開示した。しかしながら、当業者であれば、本発明の教示内で或る特定の改造例を想到できる。したがって、特許請求の範囲の記載は、本発明の真の範囲及び内容を定めるものとして検討されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と第2の部材の取付けの際に用いられる構造用取付けインサートであって、
前記構造用取付けコンポーネントは、前記第1の部材と前記第2の部材の連結領域相互間に配置され、これら連結領域を周囲環境から封止するよう構成されており、前記構造用取付けインサートは、
前記第1の部材と前記第2の部材との間の連結領域に配置されるよう構成されたベース部材を有し、前記ベース部材を貫通して複数の開口部が延び、
前記構造用メッシュ材料の少なくとも一部分を包み込むと共に前記構造用メッシュ材料を貫通して形成された前記開口部内に納められている熱活性化可能な材料を有し、前記熱活性化可能材料は、柔軟性のある材料で形成され、
前記第1の部材と前記第2の部材の取付け時、前記熱活性化可能材料は、前記ベース部材と前記第1及び前記第2の部材の両方との直接的な接触を可能にするよう変位し、
熱を加えると、前記熱活性化可能材料は、膨張して前記ベース部材及び前記第1の部材と前記第2の部材の連結領域を封止する、
ことを特徴とするインサート。
【請求項2】
前記ベース部材は、シートとして形作られている、
請求項1記載のインサート。
【請求項3】
前記ベース部材は、構造用メッシュ材料で形成されると共に前記第1の部材と前記第2の部材との間の前記連結領域の形状に一致するよう形作られている、
請求項1記載のインサート。
【請求項4】
前記ベース部材を貫通して延びる前記複数の開口部は、実質的に同一の形状のものであり且つ実質的に同一の間隔をおいて設けられている、
請求項1〜3のうちいずれか一に記載のインサート。
【請求項5】
前記ベース部材及び前記熱活性化可能材料は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置され、前記第1の部材か前記第2の部材かのいずれかは、ドアコンポーネントを車両に取り付けるヒンジ組立体のヒンジ部分である、
請求項1〜4のうちいずれか一に記載のインサート。
【請求項6】
前記第1の部材を前記第2の部材に回転自在に取り付ける回動連結部を更に有する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項7】
前記ベース部材、前記熱活性化可能材料、又はこれら両方は、前記第1の部材又は前記第2の部材の一部分を受け入れる1つ又は2つ以上の開口部を備えている、
請求項5又は6記載のインサート。
【請求項8】
第1の部材と第2の部材の取付けの際に用いられる構造用取付けインサートであって、前記構造用取付けインサートは、前記第1の部材と前記第2の部材の連結領域相互間に配置されていて、これら連結領域を周囲環境から封止するよう構成されており、前記構造用取付けインサートは、
前記第1の部材と前記第2の部材との間の連結領域の形状に一致するよう形作られたベース部材を有し、前記ベース部材から複数の突出部が延び、前記複数の突出部は前記ベース部材の両側から延び、
前記構造用ベース部材の少なくとも一部分及び前記構造用ベース部材から延びる突出部を包み込んだ熱活性化可能な材料を有し、前記熱活性化可能材料は、柔軟性のある材料で形成され、
前記第1の部材と前記第2の部材の取付け時、前記熱活性化可能材料は、前記突出部が前記第1の部材と前記第2の部材の両方に直接接触するよう変位し、
熱を加えると、前記熱活性化可能材料は、膨張して前記突出部相互間に存在する空間を満たし、それにより前記ベース部材、前記突出部、及び前記第1の部材と前記第2の部材との前記連結領域を封止する、
ことを特徴とするインサート。
【請求項9】
前記ベース部材は、シートとして形作られている、
請求項8記載のインサート。
【請求項10】
前記ベース部材は、金属シート材料で形成されている、
請求項8記載のインサート。
【請求項11】
前記ベース部材を貫通して延びる前記複数の開口部は、実質的に同一の形状のものであり且つ実質的に同一の間隔を置いて設けられている、
請求項8〜10のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項12】
前記ベース部材及び前記熱活性化可能材料は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置され、前記第1の部材か前記第2の部材かのいずれかは、ドアコンポーネントを車両に取り付けるヒンジ組立体のヒンジ部分である、
請求項8〜11のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項13】
前記第1の部材を前記第2の部材に回転自在に取り付ける回動連結部を更に有する、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項14】
前記ベース部材、前記熱活性化可能材料、又はこれら両方は、前記第1の部材又は前記第2の部材の一部分を受け入れる1つ又は2つ以上の開口部を備えている、
請求項8〜13のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項15】
自動車のドアコンポーネントをフレーム部材に取り付けるヒンジ組立体であって、前記ヒンジ組立体は、
自動車ドアに取付け可能な第1の取付け特徴部を備えた第1のヒンジ部分を有し、前記第1の部分のヒンジ部分は、平坦な取付け面を有し、前記平坦な取付け面には、前記第1のヒンジ部分を前記自動車ドアに取り付けるために用いられる1つ又は2つ以上の機械的締結具を受け入れる複数個の穴が形成され、前記第1のヒンジ部分は、前記平坦な取付け面の互いに反対側から延びるアームを更に有し、前記アームを貫通して延びていて、回動連結部の一部分を形成する第1の孔が設けられ、
前記自動車フレーム部材に取り付けられる第2の取付け特徴部を備えた第2のヒンジ部分を有し、前記第2のヒンジ部分は、平坦な取付け面を有し、前記平坦な取付け面から延びていて、前記第1のヒンジ部分を前記自動車フレーム部材に取り付ける複数個の締結具が設けられ、前記第2のヒンジ部分は、前記平坦な取付け面の互いに反対側から延びるアームを更に有し、前記アームを貫通して延びていて、前記回動連結部の一部分を形成する第2の孔が設けられ、
前記第1のヒンジ部分を前記第2のヒンジ部分に回転自在に取り付ける回動連結部を有し、前記回動連結部は、前記第1の孔、前記第2の孔、及び前記第1の孔及び前記第2の孔を貫通して延びるピンで形成され、前記第1のヒンジ部分及び前記第2のヒンジ部分の前記アームは、互いに隣接して配置されると共に互いに対して回転するようになっており、前記回動連結部は、前記第1の孔及び前記第2の孔からの前記ピンの抜け出しを一時的に又は永続的に阻止する1つ又は2つ以上の保持特徴部を更に有し、
構造用取付けインサートを有し、前記構造用取付けインサートは、前記自動車フレーム部材への前記第2のヒンジ部分の連結領域の形状に一致するよう形作られた構造用メッシュ材料を有し、前記構造用メッシュ材料を貫通して、複数の同一の形状をしており且つ実質的に同一の間隔を置いた開口部が形成され、前記構造用取付けインサートは、前記構造用メッシュ材料の少なくとも一部分を包み込むと共に前記構造用メッシュ材料を貫通して形成された前記開口部内に納められている熱活性化可能な材料を更に有し、前記熱活性化可能材料は、柔軟性のある材料で形成され、前記自動車フレーム部材への前記第2のヒンジ部分の取付け時、前記熱活性化可能材料は、前記構造用メッシュ材料と前記第1及び前記第2の部材の両方との直接的な接触を生じさせるよう変位し、熱を加えると、前記熱活性化可能材料は、膨張して前記構造用メッシュ材料を貫通して形成された開口部を満たすと共に前記構造用メッシュ材料及び前記第2のヒンジ部分と前記車両フレーム部材の連結領域を封止する、
ことを特徴とするヒンジ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−517847(P2010−517847A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548367(P2009−548367)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/052004
【国際公開番号】WO2008/094824
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(508036075)ゼフィロス インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】