説明

標的被検体を分析するための組成物および方法

あるサンプルを、1種またはそれ以上の標的被検体の有無について分析するための、組成物および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件特許出願は、現在係属中の、2003年9月17日付で出願した、米国仮特許出願第60/504,563号および現在係属中の、2004年1月16日付で出願した、米国仮特許出願第60/537,261号の出願日に関する利益を請求するものである。あらゆる優先権および関連する特許出願全体を、本発明の参考としてここに組み入れる。
【0002】
技術分野
本明細書の開示は、サンプル中の一種またはそれ以上の標的被検体を検出するための組成物並びに方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
分析方法は、研究および臨床テストのために重要である。例えば、生物学的な活性および/または機能を持つ分子の分析は、疾患状態の診断および治療方法およびそのための組成物を与える。ヒトゲノムの完全な配列を包含する、生物学的な分子の構造および機能に関する次第に増大する情報量が利用可能となった結果として、このような分子の分析方法は、研究、診断、治療および予防において、より卓越した役割を演じるであろう。迅速、便利かつ高感度であり、しかも多数の被検体(例えば、細胞、分泌された分子、および細胞内被検体)の分析のために利用可能な方法が、同時に広範囲に渡る用途を持つであろう。
従って、当分野においては、検出、定量、および/または一種またはそれ以上の、細胞外および/または細胞内被検体の特徴付け(characterization)に適したものとなり得る、方法並びに組成物に対する需要がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一局面において、本発明は、標的被検体の検出方法を提供する。この方法は、容器内で、検出可能なシグナルを発生し得る原子団により、細胞に付随している第一の標的被検体および細胞に付随していない第二の標的被検体を標識する工程、および該標識された標的被検体の発生するシグナルを検出する工程を含む。
一態様において、該第一の被検体は、該第二の標的被検体の前駆体である。一態様において、該第一および第二の標的被検体は、各々独立にペプチド、核酸、炭水化物、脂質、またはこれらの組み合わせを含む。一態様において、該第一および第二の標的被検体は、ウイルスペプチド、核酸、またはこれらの組み合わせである。一態様において、検出可能なシグナルを発生し得る原子団(moiety)は、蛍光性原子団である。一態様において、該標的被検体の一方は、微細粒子と結合することによって、標識することができる。一態様において、該シグナルは、マイクロキャピラリーサイトメータで検出される。
【0005】
別の態様において、本発明は、標的被検体の検出方法を提供する。この方法は、結合相手と標的被検体との結合を、該標的被検体の競合的阻害剤を含む微細粒子によって阻害する工程、および、蛍光発光装置と光学的に結合している(optically linked)マイクロキャピラリーサイトメータを該微細粒子が通過する(drawn through)際に、該競合的阻害剤と結合した該結合相手を測定する工程を含む。
一態様において、該結合相手は抗体である。一態様において、該結合相手は、蛍光性原子団を含む。一態様において、該競合的阻害剤と結合した該結合相手は、蛍光性原子団で標識されている。一態様において、該結合相手は、蛍光性原子団を含む、抗-結合相手と結合させることにより、標識されている。幾つかの態様において、本発明の方法は、更に該標的被検体を定量する工程をも含む。
【0006】
本発明の別の局面では、標的被検体の検出方法を提供する。この方法は、抗体と、標的被検体およびその競合的阻害剤とを、競合的結合条件下にて反応させる工程、および、検出装置と光学的に結合しているマイクロキャピラリーサイトメータを通過する際に、該競合的阻害剤と結合している該抗体を検出する工程を含む。
【0007】
当業者は、後に説明する図面は例示の目的でのみ与えられるものであり、本発明の範囲を、何等限定するものではないことを、理解するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本開示は、一種またはそれ以上の標的被検体を検出しおよび/または定量するための組成物および方法を提供する。
幾つかの態様において、本開示では、細胞に付随している一種またはそれ以上の標的被検体(ca-標的被検体)、および、細胞に付随していない一種またはそれ以上の標的被検体(na-標的被検体)、を検出するための組成物および方法を提供する。幾つかの態様において、該ca-およびna-標的被検体は、検出可能なシグナルを発生し得る原子団によって標識することができる。幾つかの態様において、該ca-およびna-標的被検体は、単一の反応容器内で、検出可能なシグナルを発生し得る原子団によって、直接または間接的に標識することができる。幾つかの態様において、一種またはそれ以上の検出可能な原子団は、微細粒子であり得る。
【0009】
幾つかの態様において、標的被検体は、競合的結合条件下で検出でき、そこでは該標的被検体およびその阻害剤は、該標的被検体の結合相手との結合に関して競合する。幾つかの態様において、競合的結合条件は、存在する該阻害剤および標的被検体の全てと結合するには不十分で、かつバックグラウンドを越える検出可能なシグナルを与えることのできる、該結合相手の濃度範囲を決定することによって、設定することができる。従って、様々な例示的態様では、該結合相手の量は、該阻害剤の約10%から≦100%まで、該阻害剤の約10%から約75%未満まで、該阻害剤の約10%から約50%未満まで、または該阻害剤の約10%から約25%未満までと結合するのに十分なものであり得る。該標的被検体および/または阻害剤と結合している、該結合相手の検出は、該標的被検体の有無に関する指標となり得る。幾つかの態様において、該阻害剤と結合した該結合相手の測定を、該標的被検体の定量のために利用することができる。幾つかの態様においては、該結合相手を、検出可能なシグナルを発生するのに適した原子団によって、直接または間接的に標識することができる。幾つかの態様においては、該阻害剤を、微細粒子で標識することができる。
【0010】
幾つかの態様においては、競合的結合条件を用いて、結合相手の検出または特徴付けを行うことができる。従って、幾つかの態様においては、リガンド、該リガンドに関する第一の結合相手、および第二の結合相手を含むことのできるサンプルを、競合的結合条件の下で反応させる。該第一の結合相手とリガンドとの結合の阻害は、該サンプルにおける第二の結合相手の存在および/またはそのアフィニティーに関する指標となり得る。幾つかの態様においては、該第一の結合相手を、検出可能なシグナルを発生するのに適した原子団によって、直接または間接的に標識することができる。幾つかの態様においては、該リガンドを標識することができる。
【0011】
当業者は、ここに記載した方法による生成物(例えば、[標的被検体/結合相手]複合体、[阻害剤/結合相手]複合体、および、[リガンド/結合相手]複合体)が、当分野において公知の様々な方法によって検出しおよび/または定量することができることを理解するであろう。しかし、幾つかの態様において、該複合体は、検出装置と光学的に接続されたマイクロキャピラリーサイトメータ(microcapillary cytometer)によって、検出しおよび/または定量することができる。様々な例示的態様において、該複合体は、前方光散乱および/または一種またはそれ以上の検出可能な原子団の発生するシグナルにより、検出することができる。
【0012】
本明細書において、「標的被検体」、「被検体」およびその文法的に等価な用語は、本明細書に開示する方法によって分析(例えば、検出、定量および/または特徴付け)することのできる物質を意味する。幾つかの態様において、「検出可能な」なる用語は、少なくとも1種の特性、例えばサイズ、形状、寸法(dimension)、結合アフィニティー、または標的被検体を、ここに開示する方法により分析するのに適したものとする、検出可能な原子団を持つ、該標的被検体を表す。幾つかの態様において、標的被検体は、本来的に、ここに開示する方法により分析し得る特性を含むことができる。幾つかの態様において、該標的被検体は、ここに開示する方法により分析し得る特性を含むように修飾(modified)することができる。従って、幾つかの態様において、標的被検体は、直接または間接的に、一種またはそれ以上の他の物質と結合して、分析に適した少なくとも1種の特性を持つ複合体を生成し得る。従って、幾つかの態様において、標的被検体は、従業者の意向により選択された、任意数の物質と結合することができる。標的被検体の数および型の選択は、当業者の能力の範囲内にある。
【0013】
幾つかの態様において、標的被検体は、細胞に付随したものであり得る。ここにおいて、「細胞に付随した(cell-associated)」とは、細胞に結合され、接続され、これに含まれることを意味する。従って、様々な例示的態様においては、「細胞に付随した」とは、細胞と結合した(例えば、細胞レセプタと結合した)および/または細胞構造に付随したおよび/または細胞の最外部膜の内側にある(例えば、細胞内の)標的被検体を含むが、これらに制限されない。例えば、標的被検体は核、細胞質またはミトコンドリアの構成成分であり得る。幾つかの態様において、細胞に付随した標的被検体は、細胞壁、細胞膜、または周辺領域の構成成分であり得る。幾つかの態様において、標的被検体は、細胞に付随していないものであり得る(na-標的被検体)。従って、標的被検体は、細胞と結合しておらず、接続されておらず、またはこれに含まれていない(細胞外)ものであり得る。当業者は、幾つかの態様において、標的被検体が細胞に付随し得、そして細胞により放出または分泌され得、従って細胞外検体となり得るものであることを理解する。即ち、幾つかの態様において、細胞と結合した標的被検体は、細胞と結合していない標的被検体の前駆体であり得る。
【0014】
様々な例示的態様において、標的被検体は、分子(例えば、ポリヌクレオチド(例えば、核酸配列、プラスミド、染色体、DNA、RNA、cDNA等)、ポリペプチド(例えば、抗体、レセプタ、ホルモン、サイトカイン、CD抗原、MHC分子、酵素(例えば、プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ等)、有機化合物(例えば、ステロイド、ステロール、炭水化物、脂質)、無機化合物)、炭水化物、脂質、微細粒子(microparticle)(例えば、マイクロビーズ、脂質小胞体(例えば、リポソームまたはエキソソーム)、細胞(例えば、真核および原核細胞)、細胞フラグメント(例えば、膜フラグメント、サックラス(sacculus)、核、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞、小胞体および他のオルガネラ)、顆粒(例えば、哺乳動物の赤血球)、血小板、ウイルス(例えば、アデノウイルス(Adenoviruses)、ヘルペスウイルス(Herpes viruses)、パピロマウイルス(Papillomaviruses)、ポリオーマウイルス(Polyomaviruses)、ポックスウイルス(Poxviruses)、パルボウイルス(Parvoviruses)、ヘパドナウイルス(Hepadnaviruses)、レトロウイルス(Retroviruses)、レオウイルス(Reoviruses)、アレナウイルス(Arenaviruses)、ボルナウイルス(Bornaviruses)、ブンヤウイルス(Bunyaviruses)、フィロウイルス(Filoviruses)、オルトミキソウイルス(Orthomyxoviruses)、パラミキソウイルス(Paramyxoviruses)、ラブドウイルス(Rhabdoviruses)、フィロウイルス(Filoviruses)、アルテリウイルス(Arteriviruses)、アストロウイルス(Astroviruses)、カリシウイルス(Caliciviruses)、コロナウイルス(Coronaviruses)、フラビウイルス(Flaviviruses)、「E-型肝炎-様ウイルス(Hepatitis E-like viruses)」、ピコルナウイルス(Picornaviruses)、トガウイルス(Togaviruses)、ボルナウイルス(Bornaviruses)、プリオン等)、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0015】
幾つかの態様において、ここに開示する方法によって生成される製品は、約150nm〜約40μmなる範囲の径を持つことができる。しかし、当業者は、この製品のサイズおよび体積並びにここに開示する方法におけるその使用適正が、少なくとも部分的には、以下に記載するような検出のために選択された方法によって、決めることができることに気付く。従って、より小さなおよびより大きな径を持つ製品も、本発明の開示に含まれる。しかし、当業者は、この製品のサイズが、桁外れのまたは検出閾値以下のシグナルをもたらす可能性があることを理解している。該製品の検出にとって最適のサイズの決定は、当業者の能力の範囲内にある。幾つかの態様において、該製品の体積は、その径から算出できるが、幾つかの態様において、ここに開示する方法の製品は、球状ではない可能性がある。従って、不規則な形状、立方体形状、卵形、偏長形状等の製品をも、本発明では意図している。
【0016】
「ポリヌクレオチド」、「核酸配列」およびその文法的に等価な用語は、ここでは、核酸塩基配列を意味し、これはDNA、cDNA、RNA(例えば、mRNA、rRNA、vRNA、iRNA)、増幅法の生成物(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA;Walker等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1989, 89:392-396; Walker等, Nucl. Acids Res., 1992, 20(7):1691-1696; Nadeau等, Anal. Biochem., 1999, 276(2):177-187;米国特許第5,270,184号、同第5,422,252号、同第5,455,166号、同第5,470,723号)、転写-媒介増幅(TMA)、Q-βレプリカーゼ増幅(Q-β)ローリングサークル増幅(RCA;Lizardi, Nat. Genetics, 1998, 19(3):225-232および米国特許第5,854,033号)、非対称PCR(Gyllensten等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1988, 85:7652-7656)または非-同調性PCR(WO 01/94638)または合成法による生成物(米国特許第5,258,454号、同第5,373,053号)を包含するが、これらに限定されない。ここにおいて概説するように、該ポリヌクレオチドは、ここに記載する方法で分析するのに適した、任意の長さを持つものであり得るが、より長い配列は、相補配列とのハイブリダイゼーションにおいてより特異的であることを理解すべきである。「核酸塩基(nucleobase)」とは、核酸技術において通常みられる、天然産および合成の含窒素、芳香族性分を意味する。核酸塩基の例は、プリンおよびピリミジン、遺伝的にコードされた核酸塩基、遺伝的にコードされた核酸塩基類似体、および純粋に合成された核酸塩基を含む。遺伝的にコードされた塩基の具体的な例は、アデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルを包含する。遺伝的にコードされた塩基類似体および合成塩基の具体的な例は、5-メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2-チオウラシルおよび2-チオチミン、2-アミノプリン、N9-(2-アミノ-6-クロロプリン)、N9-(2,6-ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9-(7-デアザグアニン)、N9-(7-デアザ-8-アザグアニン)およびN8-(7-デアザ-8-アザアデニン)、5-プロピニル-ウラシル、2-チオ-5-プロピニル-ウラシルを含む。適当な核酸塩基の他の適当な非-限定的例は、米国特許第6,357,163号の図2(A)および2(B)に記載されている核酸塩基を含む。この特許の内容全体を、本発明の参考として組み入れる。
【0017】
核酸塩基は、他の原子団と結合して、ヌクレオシド、ヌクレオチド、およびヌクレオシド/ヌクレオチド類似体を生成することができる。ここで使用する用語「ヌクレオシド」とは、ペントース糖と結合した核酸塩基を意味する。ペントース糖はリボース、2'-デオキシリボース、3'-デオキシリボースおよび2',3'-ジデオキシリボースを包含する。用語「ヌクレオチド」とは、核酸塩基、ペントース糖およびリン酸基を含む化合物を意味する。従って、ここで使用するヌクレオチドとは、ヌクレオシドのリン酸エステル、例えば三リン酸エステルを意味する。ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体を包含する核酸類似体は、以下に説明する。
【0018】
本明細書において、「核酸」または「オリゴヌクレオチド」およびその文法的に等価な用語は、互いに共有結合により結合している少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。本開示による核酸は、一般にリン酸ジエステル結合を含むが、幾つかの場合においては、以下に略述するように、核酸類似体が含まれ、これらは例えばホスホルアミド(Beaucage等, Tetrahedron, 1993, 49(10):1925およびそこに含まれる参考文献;Letsinger, J. Org. Chem., 1970, 35:3800; Sprinzl等, Eur. J. Biochem., 1977, 81:579; Letsinger等, Nucl. Acids Res., 1986, 14:3487; Sawai等, Chem. Lett., 1984, 805; Letsinger等, J. Am. Chem. Soc., 1988, 110:4470;およびPauwels等, Chemica Scripta, 1986, 26:141)、ホスホロチオエート(Mag等, Nucl. Acids Res., 1991, 19:1437;および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briu等, J. Am. Chem. Soc., 1989, 11:2321)、O-メチルホスホルアミダイト結合(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A practical Approach, Oxford University Press)およびペプチド、核酸骨格および結合(Egholm, J. Am. Chem. Soc., 1992, 114:1895; Meier等, Chem. Int. Ed. Engl., 1992, 31:1008; Nielsen, Nature, 1993, 365:566; Carlsson等, Nature, 1996, 380:207、これら全てを、ここに参考文献として組み入れる)を含む、代わりの骨格を持つことができる。他の類似の核酸は、固着(locked)核酸(LNAs)(Koshkin等, J. Am. Chem. Soc., 1998, 120:13252-3); 正の骨格(Denpcy等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1995, 92:6097);非-イオン性骨格(米国特許第4,469,863号、同第5,216,141号、同第5,386,023号、同第5,602,240号、同第5,637,684号、Kiedrowshi等, Angew. Chem. Intl. Ed. English, 1991, 30:423; Letsinger等, J. Am. Chem. Soc., 1988, 110:4470; Letsinger等, Nucleoside & Nucleotide, 1994, 13:1597, 第2、3章, ASC Symposium Series 580, “アンチセンス研究における炭水化物の変性(Carbohydrate Modifications in Antisense Research)”, Y.S. Sanghui & P. Dan Cook編)を包含する2環構造を持つものを含む。一種またはそれ以上の炭素環式糖を含む核酸も、上記核酸の定義に含まれる(Jenkins等, Chem. Soc. Rev., 1995, pp.169-176)。幾つかの核酸類似体は、Rawls, C&E News June 2, 1997, p.35に記載されている。これらの文献全てを、明確にここに参考文献として組み入れる。該リボース-リン酸基骨格の修飾は、当分野において公知の様々な成分を付加を容易にし、あるいはこのような分子の生理的な環境における安定性および半減期を高めるために、行うことができる。
【0019】
当業者は、当然理解するであろうが、これらの核酸類似体全てについて、本発明における用途を見出すことができる。更に、天然産の核酸および類似体の混合物も、作ることができる。あるいはまた、異なる核酸類似体の混合物、および天然産の核酸および類似体の混合物を製造することも可能である。
幾つかの態様において、核酸類似体は、ペプチド核酸(PNA)およびペプチド核酸類似体である。「ペプチド核酸」または「PNA」とは、核酸塩基が、米国特許第5,539,082号、同第5,527,675号、同第5,623,049号、同第5,714,331号、同第5,718,262号、同第5,736,336号、同第5,773,571号、同第5,766,855号、同第5,786,461号、同第5,837,459号、同第5,891,625号、同第5,972,610号、同第5,896,053号、同第6,107,470号、同第6,451,968号、同第6,441,130号、同第6,414,112号、同第6,403,763号の何れか一つまたはそれ以上に記載されているように、適当なリンカー(例えば、メチレンカルボニル、アザ窒素)を介してポリアミド骨格と結合している核酸を意味する。上記文献全てを、ここに参考として組込む。PNA骨格は、天然産の核酸の、高く荷電したリン酸ジエステル骨格と対照的に、中性条件下では実質的に非-イオン性である。このことは、2つの利点をもたらす。第一に、該PNA骨格は、改善されたハイブリダイゼーション速度を示す。PNAsは、完全に対合した塩基対に対して、誤対合の塩基対の融点(Tm)は大きな変化を示す。DNAおよびRNAは、典型的に内部の誤対合に関して、約2-4℃なるTmにおける降下を示す。 該非-イオン性のPNA骨格に関連して、この降下は、約7-9℃に近い値である。このことは、この誤対合の良好な検出を可能とする。同様に、これらの非-イオン性のために、これら骨格に結合した塩基のハイブリダイゼーションは、塩濃度に対して比較的低感度である。
【0020】
これらの核酸は、記載の如く一本鎖または二本鎖何れでも良く、あるいは二本鎖または一本鎖配列の一部分を含むことも可能である。これらの核酸は、ゲノムおよびcDNA両者のDNA、RNAまたはハイブリッドであり得、ここで該核酸は、デオキシリボ-およびリボ-ヌクレオチドの任意の組み合わせ、およびウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサタニン(xathanine)、ハイポキサタニン(hypo-xathanine)、イソシトシン、イソグアニン等を包含する、塩基の任意の組み合わせを含む。幾つかの態様では、米国特許第5,681,702号に一般的に記載されているように、他の核酸に対して相補的であるように設計された核酸において、イソシトシンおよびイソグアニンを使用するが、これは非-特異的なハイブリダイゼーションを減じるからである。幾つかの態様では、ジアミノプリンを使用する(例えば、Haaima等, Nucleic Acids Res., 1997, 25:4639-4643;およびLohse等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1999, 96:11804-11808を参照のこと)。
【0021】
核酸または核酸塩基配列間の、ハイブリダイゼーション条件を決定する可能性は、当分野において公知であり、かつ例えばBaldino等, Methods Enzymology, 168:761-777; Bolton等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1962, 48:1390; Bresslauer等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1986, 83:8893-8897; Freier等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1986, 83:9373-9377; Kierzek等, Biochemistry, 25:7840-7846; Rychlik等, Nucleic Acids Res., 1990, 18:6409-6412(誤植、Nucleic Acids Res., 1991, 19:698); Rychlik, J. NIH Res., 6:78; Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 9.50-9.51, 11.46-11.50 (第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press); Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 10.1-10.10 (第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press); Suggs等, 1981, 精製された遺伝子を用いる、発展的生物学(In Development Biology Using Purified Genes), Brown等編, pp.683-693, Academic Press; Wetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol., 1991, 26:227-259に記載されている。
【0022】
本明細書において、「ポリペプチド」およびその文法的に等価な用語は、共有結合により結合した少なくとも2つのアミノ酸を意味し、タンパク質、オリゴペプチドおよびペプチドを含む。ポリペプチドは、天然に産するアミノ酸とペプチド結合により構成され、あるいは合成ペプチド模擬体構造、即ち「類似体」、例えばペプトイド(peptoids) (例えば、Simon等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1992, 89(20):9367を参照のこと)で構成し得る。従って、本明細書で使用する「アミノ酸」または「ペプチド残基」は、天然に産するおよび合成アミノ酸両者を意味するために使用する。例えば、ホモフェニルアラニン、シトルリンおよびノルロイシンは、本発明の目的にとってアミノ酸であると考えられる。「アミノ酸」は、またイミノ酸残基、例えばプロリンおよびヒドロキシプロリンをも包含する。側鎖は、(R)または(S)配置の何れであっても良い。好ましい態様において、これらのアミノ酸は、(S)または(L)配置にある。非-天然型の側鎖が使用された場合、例えばインビボ分解を阻害し、または遅延するために、非-アミノ酸残基を使用することができる。幾つかの態様において、ポリペプチドは非-ポリペプチド成分を含むことができ、該成分は、N-結合炭水化物、O-結合炭水化物、脂肪酸を含むが、これらに限定されない。
【0023】
ポリペプチドの様々な例示的態様は、ホルモン(例えば、インシュリン、成長ホルモン(GH)、エリスロポエチン(EPO)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロラクチン(PRL)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、抗-利尿ホルモン(ADH)、オキシトシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、ソマトスタチン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、ガストリンペプチド、セクレチンペプチド、コレシストキニン(CCK)、神経ペプチドY、グレリン(ghrelin)、PYY3-36ペプチド、インシュリン-様成長因子(IGFs)、アンギオテンシノーゲン、トロンボポエチン、レプチン)、クラスター選定抗原(cluster designation antigens) (例えば、CD1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD11a、CD11b、CD11c、CD13、CD14、CD15、CD19、CD20、CD21、CD22、CD25、CD33、CD34、CD37、CD38、CD41、CD42b、CD45、CD68、CD71、CD79a、CD80、CD138)、ケモカイン/サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL-1、-2、-3、-4、-5、-6、-7、-8、-9、-10、-11、-12、-13、-14、-15)、BDNF、CREB pS133、CREB、DR-5、EGF、エオタキシン、脂肪酸結合タンパク質、FGF-ベーシック(basic)、G-CSF、GCP-2、GM-CSF、GRO-KC、HGF、ICAM-1、IFN-α、IFN-γ、IP-10、JE/MCP-1、KC、KC/GROa、LIF、リンホタクシン(lymphotacin)、M-CSF、MCP-1、MCP-1 (MCAF)、MCP-3、MCP-5、MDC、MIG、MIP-1、MIP-1β、MIP-1γ、MIP-2、MIP-3β、OSM、PDGF-BB、RANTES、Rb(pT821)、Rb(総和)、Rb pSpT249/252、Tau(pS214)、Tau(pS396)、Tau(総和)、TNF-α、TNF-β、TNF-RI、TNF-RII、VCAM-1、VEGF、主組織適合抗原(例えば、MHC-I、MHC-II、MHC-III、HLA(ヒト: B、C、A、DQ、DA、DR、DP等)、H-2(マウス:Ia、Ib、K、D、L等)、RT1(ラット:A、H、C/E等)、レセプタ(例えば、T-細胞レセプタ、インシュリンレセプタ)、細胞表面抗原(例えば、Gr-1)、抗体(例えば、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE、モノクローナル抗体(MAb)、ポリクローナル抗体、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、単鎖(single-chain)抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体)、ウイルスタンパク質(例えば、HIV(gp120、gp41、p24等)、HBV(例えば、肝炎B表面抗原)、SARS(例えば、Sタンパク質))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、カスパーゼ、チロシンキナーゼ、セリンキナーゼ、プロテアーゼ、グリコシラーゼ、ホスファターゼ、ポリメラーゼ、転写酵素)および転写因子を含むが、これらに制限されない。
【0024】
ここで、「炭水化物」およびその文法的に等価な用語は、サッカロース基またはその第一の反応生成物を含む、炭素、水素および酸素からなる化合物およびその誘導体を意味し、ここで水素対酸素の比は、水における比と等しい(「化学辞典」,第4版(ISBN 0-442-22572-2))。従って、炭水化物は、単糖、単糖からカルボニル基の還元により、1またはそれ以上の末端基のカルボン酸への酸化により、あるいは1またはそれ以上のヒドロキシ基の、水素原子、アミノ酸、チオール基または他のヘテロ原子による置換によって誘導されるオリゴ糖、および多糖化合物を含むがこれらに制限されない。従って、炭水化物の様々な例示的態様は、アルドース、ケトース、ヘミアセタール、ヘミケタール、フラノース、ピラノース、ケトアルドース(アルドケトース、アルドスロース)、デオキシ糖、アミノ糖、アルジトール、アルドン酸、ケトアルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、グリコシド、およびこれらの直鎖および分岐ホモ-およびヘテロ-ポリマーを含むが、これらに制限されない。
【0025】
ここで、「細胞」およびその文法的に等価な用語は、生体構造の最小単位を意味し、膜で包まれた原形質体で構成され、また核または核様体、およびそのフラグメントおよびその小成分を含む。幾つかの態様において、細胞は、少なくとも一つの生物学的な機能を持つことができ、または異化または同化経路または反応を含むが、これらに限定されない生化学的な反応、細胞分化(例えば、有糸分裂、減数分裂、二分裂)、アポトーシス、走化性、免疫認識作用等を行うことができる。幾つかの態様においては、細胞は生育不能であるか、あるいはこのような機能または反応を実行不可能である。幾つかの態様においては、細胞は薬理組成物、毒素、代謝産物、ホルモン、免疫モジュレータ(サイトカイン、インターロイキン、ケモカイン等)、核酸、ポリペプチド、ウイルス等を含有する組成物で処理することができる。
【0026】
ここで、「真核細胞」およびその文法的に等価な用語は、DNA、RNA、およびタンパク質で構成される染色体を持つ、膜に結合した核、および準細胞構造体、例えばミトコンドリアまたは色素体を含む細胞を意味する。真核細胞の例は、原生生物、原生動物、菌類、植物および動物を含むが、これらに限定されない。従って、様々な例示的態様において、真核細胞は、インビトロ培養、または生きたまたは死んだ生物体から得ることができ、霊長類、齧歯目動物、ウサギ、イヌ、ネコ、魚類、爬虫類動物、線虫、条虫、吸虫綱動物、寄生虫、トランスジェニック動物、ノックアウト動物、クローン化動物、昆虫および微生物(例えば、鞭毛虫、繊毛虫、アメーバ、酵母、菌類)、これらの発生上未成熟のまたは休眠中の形態(例えば、新生児、胎児、胚、胞子、中間的な宿主等において見られる形態)等を含むが、これらに限定されない。好ましい態様において、真核細胞は、T-細胞およびB-細胞を包含するリンパ細胞、マクロファージ、好中球、好塩基生細胞、好酸球、配偶子、および生検または組織サンプルから得られる細胞を含む人間細胞であり得るが、これらに限定されない。幾つかの態様において、真核細胞は、非-核細胞、例えば成熟過程の一部として、ヒトではその核が失われる赤血球または小体であり得る。他の好ましい態様では、真核細胞は、ヒト新生児の細胞であり得る。他の好ましい態様では、真核細胞は、生産的にまたは非-生産的に、ウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT-細胞白血病ウイルス(HTLVs)、単純疱疹ウイルス(HSV-I、-II)、サイトメガロウイルス(CMV)、デングウイルス(DV))、細菌(例えば、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、サルモネラ(Salmonella)、リケッチア(Rickettsia))または原生動物(例えば、プラスモジウム(Plasmodium)、レイシュマニア(Leishmania)、トリパノゾーマ(Trypanosoma))を含むが、これらに限定されない微生物で、感染させることも可能である。幾つかの態様において、細胞は、白血病細胞(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML))、骨髄腫、肝癌、神経膠腫、神経芽腫、ミエローマ、および結腸、前立腺、胸部、および頚管癌細胞を含むが、これらに限定されない。幾つかの態様において、細胞は、ハイブリッド細胞(例えば、ハイブリドーマ)であり得る。
【0027】
ここで、「原核細胞」およびその文法的に等価な用語は、例えば核膜、ペアードオーガナイズド(paired organized)染色体、細胞分裂のための分裂機構、およびミトコンドリアを欠いた細胞を意味する。原核細胞の例は、藍細菌(例えば、青緑色細菌)、古細菌(例えば、メタン生成細菌、好塩細菌、高温好酸性細菌)、および真正細菌(例えば、従属栄養細菌、自家栄養細菌、化学合成菌) を含むが、これらに限定されない。従って、幾つかの態様において、この原核細胞は、グラム陽性、グラム陰性、好気性、嫌気性、または通性嫌気性細胞であり得る。従って、原核細胞は、アシネトバクター(Acinetobacter)、エーロモナス(Aeromonas)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、バチルス(Bacillus)、ボルデテラ(Bordetella)、ボレリア(Borriela)、ブランハメラ(Branhamella)、カンピロバクター(Campylobacter)、クラミジア(Chlamydia)、クロストリジウム(Clostridium)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、エシェリキア(Escherichia)、エンテロバクター(Enterobacter)、ハフニア(Hafnia)、ホモフィルス(Haemophilus)、ヘリコバクター(Helicobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、リステリア(Listeria)、ミクロコッカス(Micrococcus)、モルガネラ(Morganella)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、ナイセリア(Neisseria)、プロピオンバクター(Propionbacter)、プロビデンシア(Providencia)、プロテウス(Proteus)、ピロコッカス(Pyrococcus)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、シュウワネラ(Shewanella)、シゲラ(Shigella)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、サーモフィルス(Thermophilus)、ビブリオ(Vibrio)、エルシニア(Yersinia)を含むが、これらに限定されない。幾つかの態様において、原核細胞は、ウイルス(例えば、T4、T7、M13、および他のファージ)等の微生物によって感染させることも可能である。
【0028】
幾つかの態様において、標的被検体は、有機化合物であり得、該化合物は化学ライブラリー、薬剤(例えば、抗生物質(エリスロマイシン、ペニシリン、メチシリン、ゲンタマイシン)、抗-ウイルス剤(例えば、アンプレナビル(amprenavir)、インジナビル(indinavir)、サキナビル(saquinavir)、サキナビル、ロピナビル(lopinavir)、リトナビル(ritonavir)、フォサンプレナビル(fosamprenavir)、リトナビル、アタザナビル(atazanavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、チプラナビル(tipranavir))、化学療法剤(例えば、ドキソルビシン(doxorubicin)、デニロイキンジフチトックス(denileukin diftitox)、フルベストラント(fulvestrant)、ゲムシタビン(gemcitabine)、タキソテール(taxotere))、規制された物質(例えば、コカイン、ヘロイン、THC、LSD)、バルビツル酸塩(例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタルビタール、ヘキソバルビタール、メフォバルビタール(mephobarbital)、モルフィン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、ナトリウムペントタール、チオペンタール)、アンフェタミン、ステロイド(例えば、オキシメタロン(oxymethalone)、オキサンドラロン(oxandralone)、メタンドロステナロン(methandrostenalone)、スタノゾロール、ナンドロロン(nandrolone)、デポテストステロン、アンドロゲン、エストロゲン) を含むが、これらに限定されない。
【0029】
幾つかの態様において、標的被検体は、競合的結合条件下で分析できる。ここで使用する、「競合的結合条件」およびその文法的に等価な用語は、標的被検体および他の化合物(阻害剤)が、結合相手との結合に関して、競争する反応条件を意味する。幾つかの態様において、該標的被検体および阻害剤は、該結合相手の同一のまたは実質上同一のサイトとの結合に関して競合する。幾つかの態様において、該標的被検体および阻害剤は、該結合相手の異なるサイトと結合するが、該標的被検体または阻害剤の結合は、その他方の化合物に関する該結合相手のアフィニティーを、実質的に減じる。幾つかの態様において、該阻害剤は、混合することができる(例えば、Nelson & Cox, Lehninger Principles of Biochemistry, pp. 265-269 (第3版、ワースパブリッシャー(Worth Publisher), 2000を参照のこと)。
従って、幾つかの態様において阻害剤の構造は、標的被検体と実質的に等価であるか、あるいは該結合相手と結合する標的被検体の部分または領域と実質的に等価であり得る。幾つかの態様において、阻害剤の化学的構造は、該標的被検体とは実質的に異なるが、ある標的被検体の三次元構造を模倣するものであり得る。従って、幾つかの態様において、阻害剤は、ミメトープ(mimetope)であり得る。しかし、当業者は、幾つかの態様において、標的被検体およびその阻害剤の化学的および三次元構造が、少なくとも実質的に固有のものであり得ることを理解するであろう。
【0030】
幾つかの態様において、阻害剤は、微細粒子を包含する。ここで使用する「微細粒子」、「微小球」、「マイクロビーズ」、「ビーズ」およびその文法的に等価な用語は、小さなバラバラの合成粒子を意味する。当分野において公知である如く、ビーズの組成は、使用するアッセイの型に応じて変動し、従って組成物は実施者の自由裁量で選択できる。適当なビーズ組成物は、ペプチド、核酸および有機合成において使用されているもの、例えばプラスチック、セラミック、ガラス、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリル系ポリマー、常磁性物質(米国特許第4,358,388号、同第4,654,267号、同第4,774,265号、同第5,320,944号、同第5,356,713号)、トリアゾル、炭素グラファイト、二酸化チタン、ラテックスまたは架橋デキストラン、例えばセファロース(Sepharose)、アガロース、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、タンパク質性ポリマー、ナイロン、グロブリン、DNA、架橋ミセルおよびテフロン(登録商標)を含むが、これらに限定されず、これらを全て利用できる。バングスラボラトリーズ(Bangs Laboratories)から入手できる、「Microsphere Detection Guide」Fishers, INが、有用な手引書である。ビーズは、また例えばバイオラドラボラトリーズ社(リッチモンド、CA)、LKB(スウェーデン)、ファルマシア(ピスカタウェイ, NJ)、IBF(フランス)、ダイナル(Dynal)社(グレートネック, NY)から、市販品として入手できる。幾つかの態様において、ビーズは、架橋剤、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパン、トリメタクリレート、N,N'-メチレン-ビス-アクリルアミド、アジピン酸、セバシン酸、酒石酸、クエン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、または1,10-デカンジカルボン酸または当分野において公知の他の機能的に等価な薬物を含むが、これらに限定されない。様々な例示的態様において、ビーズは球状、非-球状、卵形、不規則形状等であり得る。微細粒子の平均径は、実施者の自由裁量によって選択できる。しかし、一般に、微細粒子の平均径は、ナノメータ(例えば、約100nm)〜ミリメータ(例えば、約1mm)なる範囲の値であり得、約0.2μm〜約200μmなる範囲のビーズが好ましく、また約0.5〜約10μmなる範囲のビーズが特に好ましいが、幾つかの態様においては、以下に説明するように、より小さなまたはより大きなビーズを使用することができる。
【0031】
幾つかの態様において、微細粒子は多孔性であり、従って以下に説明するように、他の分子、原子団、または化合物(例えば、阻害剤)との結合に対して利用できる表面積が増大する。このため、微細粒子は結合および/または付着を容易にするための、付加的な表面官能基を持つことができる。これらの基は、カルボキシレート、エステル、アルコール、カルバミド、アルデヒド、アミン、酸化硫黄、酸化窒素、またはハライドを含むことができる。他の分子または原子団をビーズに結合する方法は、当分野において公知である(例えば、米国特許第6,268,222号および同第6,649,414号を参照のこと)。別の態様では、微細粒子は、更にラベル、例えば蛍光性ラベルを含むことができ、あるいは更にラベルを含まなくても良い。
【0032】
幾つかの態様においては、微細粒子は脂質小胞であり得る。「脂質小胞」、「リポソーム」およびその文法的に等価な用語は、連続的なおよび/または不連続な、単層または多層の、三次元空間を包囲する脂質表面を意味する。幾つかの態様において、阻害剤は脂質小胞を含むことができる。「脂質小胞」の意味に含まれるものは、リポソームおよび天然産の脂質小胞、例えばエンドサイトーシスおよびエキソサイトーシス小胞、および細胞由来のエキソソームであり、樹状細胞を含むが、これらに限定されない(例えば、Chaput等, Cancer Immunol Immunother., 2003, 53(3):234-9; Estevez等, J. Biol. Chem., 2003, 287(37):34943-51; Evguenieva-Hackenburg等, EMBO Rep., 2003, 4(9):889-93; Gould等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2003, 100(19):10592-7; Haile等, RNA, 2003, 9(12):1491-501; Hawari等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2004, 101(5):1297-302; Mitchell等, Mol. Cell, 2003, 11(5):1405-13; Mitchell等, Mol. Cell Biol., 2003, 23(19):6982-92; Nguyen等, J. Biol. Chem., 2003, 278(52):52347-54; Phillips等, RNA, 2003, 9(9):1098-107; Raijmakers等, J. Biol. Chem., 2003, 278(33):30698-704; Savina等, J. Biol. Chem., 2003, 278(22):20083-90; Tran等, Mol. Cell, 2004, 13(1):101-11; Yehudai-Resheff等, Plant Cell, 2003, 15(9):2003-19を参照のこと)。従って、様々な例示的態様においては、実施者の自由裁量により、阻害剤を脂質小胞に取り込むことができ、あるいは阻害剤は脂質小胞の天然産の成分であり得る。
【0033】
幾つかの態様において、脂質小胞、例えばリポソームは、炭素原子数約12〜20の、2つの脂肪酸鎖、または炭素原子数約12〜20の、脂肪酸鎖1つおよび少なくとも8個の炭素原子を持つ第二の鎖の何れかを含む、天然および/または合成ホスホコリン-含有脂質から製造できる。幾つかの態様においては、合成脂質が好ましい。というのは、これらがより少ない不純物を含むからである。適当な合成脂質は、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンおよびジステアロイルホスファチジルコリンを含むが、これらに限定されない。適当な天然脂質は、ホスファチジルコリンおよびスフィンゴミエリンを含むが、これらに限定されない。幾つかの態様において、リポソーム組成物は、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびジヘキサデシルリン酸を含むが、他のリポソーム組成物は、当業者には明らかであろう。理論に拘泥するものではないが、これらリポソームは、例えばビオチン試薬(例えば、ビオチノイルジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(ビオチン-DPPE))を用いて、安定化の目的でビオチン処理することができる。リポソームの組成およびその製法は、当業者の能力の範囲内にある(例えば、米国特許第6,699,499号、同第6,696,079号、同第6,673,364号、同第6,663,885号、同第6,660,525号、同第6,623,671号、同第6,569,451号、同第6,544,958号、同第6,534,018号、同第6,475,515号、同第6,468,798号、同第6,468,558号、同第6,465,008号、同第6,448,390号、同第6,436,435号、同第6,413,544号、同第6,387,614号、同第6,379,699号、同第6,372,720号、同第6,365,179号、同第6,358,752号、同第6,355,267号、同第6,350,466号、同第6,348,214号、同第6,344,335号、同第6,316024号、同第6,290,987号、同第6,284,267号、同第6,271,206号、同第6,652,850号、同第6,660,525号、同第6,673,364号、同第6,696,079号、同第6,699,499号、同第6,706,861号、同第6,726,925号、同第6,733,777号、同第6,740,335号、同第6,743,430号を参照のこと)。
【0034】
ここに開示する方法の幾つかの態様において、標的被検体および/またはその阻害剤は、結合相手に対して特異的に結合する。従って、様々な例示的態様においては、[リガンド/結合相手]複合体は、[標的被検体/結合相手]複合体および/または[阻害剤/結合相手]複合体を含むことができる。従って、ここで使用する「結合相手」、「結合リガンド」、「リガンド」およびその文法的に等価な用語は、少なくとも1種の他の分子または化合物と相互作用し、特異的に結合する分子または化合物を意味する。従って、当業者は、幾つかの態様において、一つの結合相手が、リガンドであり、かつ他の結合相手であり得ることを、理解するであろう。
【0035】
ここで使用する「特異的に結合する」およびその文法的に等価な用語は、結合条件下において、少なくとも1種の成分を識別するのに十分な特異性を持って結合することを意味する。幾つかの態様において、この結合は、アッセイ条件下で維持することができ、非-特異的に結合したおよび未結合のリガンドまたは結合相手を排除または阻害する工程を含むが、これらに限定されない。リガンド結合の非-限定的な例は、抗原-抗体結合(単鎖抗体および抗体フラグメント、例えばFAb、F(ab)'2、Fab'、Fv等(Fundamental Immunology, 47-105, (William E Paul編、第5版、Lippincott Williams & Wilkins, 2003)を包含する)、ホルモン-レセプタ結合、神経伝達物質-レセプタ結合、ポリメラーゼ-プロモータ結合、基質-酵素結合、阻害剤-酵素結合(例えば、スルホローダミン-バリル-アラニル-アスパルチル-フルオロメチルケトン(SR-VAD-FMK-カスパーゼ結合))、アロステリックエフェクタ-酵素結合、ビオチン-ストレプタビジン結合、ジゴキシン-アンチジゴキシン結合、炭水化物-レクチン結合、アネキシンV-ホスファチジルセリン結合(Andree等, J. Biol. Chem., 1990, 265(9):4923-8; van Heerde等, Thromb. Haemost., 1995, 73(2):172-9; Tait等, J. Biol. Chem., 1989, 264(14):7944-9)、核酸のアニーリングまたはハイブリダイゼーション、または電子対を供与または受容して、配位錯体の中心金属原子と、配位共有結合を形成する分子を含むが、これらに限定されない。幾つかの態様においては、該結合リガンドの解離定数は、約10-4〜10-6M-1未満であり得、約10-5〜10-9M-1未満であることが好ましく、約10-7〜10-9M-1未満であることが特に好ましい。適当な結合を与える条件の決定は、当業者の能力の範囲内にある(例えば、Fundamental Immunology, 69-105, (William E Paul編、第5版、Lippincott Williams & Wilkins, 2003を参照のこと)。
【0036】
様々な態様において、ここに記載する方法の、1またはそれ以上の試薬および/または生成物は、検出可能なシグナルを発生するのに適した原子団と、直接または間接的に共役することができる。従って、任意の1またはそれ以上の標的被検体、阻害剤、結合相手、検出可能な原子団等は、検出可能な原子団を含むことができ、あるいはこれと共役することができる。ここで使用する「共役(conjugated)」および文法的に等価な用語は、他の分子または化合物との結合を意味する。ここで使用する「直接的な共役」および文法的に等価な用語は、他の分子または化合物が間に介在しない結合を意味する。従って、直接的な結合は、他の分子または化合物が間に介在しない共有結合、イオン結合、非-共有結合(例えば、上記のようなリガンド結合)を含むが、これらに限定されない。「間接的な共役」なる用語は、他の分子または化合物が間に介在する2またはそれ以上についての結合を意味する。従って、間接的な結合は当分野において公知の「サンドイッチ」型のアッセイを含むが、これらに限定されない。
【0037】
ここで使用する「検出可能な原子団(detectable moiety)」、「ラベル」、「タグ」およびこれらと文法的に等価な用語は、検出することのできる分子または化合物である。検出可能な原子団の非-限定的な例は、同位体ラベル(例えば、放射性または重質同位体)、磁気ラベル(例えば、磁性ビーズ)、物理的ラベル(例えば、微細粒子)、電気的なラベル、熱的なラベル、有色ラベル(例えば、発色団)、発光ラベル(例えば、蛍光発光体、燐光発光体、化学発光体)、量子箱(例えば、レドックス基、量子ビット、キュビット(qubits)、半導体ナノ粒子、QdotTM粒子(QuantumDot Corp., Hayward, CA))、酵素(例えば、ホースラディッシュパーオキシダーゼ、アルカリンホスファターゼ、ルシフェラーゼ(Ichiki等, J. Immunol., 1993, 150(12):5408-5417)、β-ガラクトシダーゼ(Nolan等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1988, 85(8):2603-2607))、抗体および化学的に修飾可能な原子団を包含する。検出装置の様々な例は、例えばSambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual A9.1-A9.49, 18.81-18.83 (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 第3版)に記載されている。
【0038】
ここで使用する「蛍光性原子団」、「蛍光性ラベル」およびその文法的に等価な用語は、その蛍光発光特性を介して検出できる分子を意味する。適当な蛍光性ラベルは、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC; Darzynkiewicz等, Cytometry, 1992, 13:795-808; Li等, Cell Prolif., 1995, 238:571-9)、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチルクマリン、ピレン、マラカイト(Malacite)グリーン、スチルベン、ルシフェールイエロー(Lucifer Yellow)、カスケードブルー(Cascade Blue) J、テキサスレッド(Texas Red)、IAEDANS、EDANS、BODIPY EL、LCレッド(Red) 640、フィコエリトリン、LCレッド(Red) 705、オレゴン(Oregon)グリーン、アレックス-フルオール(Alex-Fluors)(アレックスフルオール350、アレックスフルオール430、アレックスフルオール488、アレックスフルオール546、アレックスフルオール568、アレックスフルオール594、アレックスフルオール633、アレックスフルオール660、アレックスフルオール680)、カスケードブルー(Cascade Blue)、カスケードイエロー (Cascade Yellow)、およびR-およびB-フィコエリトリン(PE)、FITC(Pierce, IL、ロックフォード)、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7(Amersham Life Science, PA,ピッツバーグ)、およびタンデム複合体、例えばCy5PE、Cy5.5PE、Cy7PE、Cy5.5APC、Cy7APCを含むが、これらに限定されない。また、適当な蛍光性ラベルは、量子箱を含むが、これらに限定されない。適当な蛍光性ラベルは、更に自己蛍光発光性分子、例えば緑色蛍光発光性タンパク質(GFP; Chalfie等, Science, 1994, 263(5148):802-805;およびEGFP; Clontech-Genbank Accession No. U55762)、青色蛍光発光性タンパク質(BFP; Quantum Biotechnologies, Inc.,カナダ、モントリオール; Stauber, Biotechniques, 1998, 24(3):462-471; Heimet等, Curr. Biol., 1996, 6:178-182)、強化された黄色蛍光発光性タンパク質(EYFP; Clontech Laboratories, Inc., CA、パロアルト)、赤色蛍光発光性タンパク質(DsRED; Clontech Laboratories, Inc., CA、パロアルト)、強化されたシアン蛍光発光性タンパク質(ECFP; Clontech Laboratories, Inc., CA、パロアルト)、およびレニラ(Renilla)(WO 92/15673; WO95/07463; WO 98/14605; WO 98/26277; WO 99/49019;米国特許第5,292,658号、同第5,418,155号、同第5,683,888号、同第5,741,668号、同第5,777,079号、同第5,804,387号、同第5,874,304号、同第5,876,995号、同第5,925,558号) を含むが、これらに限定されない。更に、蛍光性ラベルの例は、Haugland, 「蛍光性プローブおよび研究辞典(Handbook of Fluorescent Probes and Research)、第6版」(ISBN 0-9652240-0-7)に見出される。
【0039】
幾つかの態様において、蛍光性原子団は、蛍光エネルギー移動(FET)または蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)系の、アクセプタまたはドナー分子であり得る。当分野において公知の如く、これらの系は、励起エネルギーをドナー分子からアクセプタ分子に移動できる、2つの分子の励起状態間の、距離依存性相互作用を利用している(例えば、Bustin, J. Mol. Endocrinol., 2000, 25:169-193; WO 2004/003510を参照のこと)。このように、これらの系は、上記のようなリガンド結合等の、分子近傍において変化を生じる方法にとって適している。従って、幾つかの態様において、標的被検体または阻害剤はドナーを含むことができ、また結合相手は適当なアクセプタを含むことができる。ドナー/アクセプタ配列の様々な順列組合せは、当業者には明らかであろう。
【0040】
幾つかの態様において、ドナーからアクセプタへのエネルギーの移動は、該アクセプタによる検出可能なシグナルの発生をもたらす可能性がある。幾つかの態様において、ドナーからアクセプタへのエネルギーの移動は、該ドナーによって生成される蛍光シグナルの消去をもたらす可能性がある。蛍光シグナルを発生するのに適した、例示的なドナー-アクセプタ対は、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、IAEDANS/フルオレセイン、EDANS/ダブシル(dabcyl)、フルオレセイン/QSY 7、およびフルオレセイン/QSY 9を含むが、これらに限定されない。蛍光シグナルを消去するのに適した、例示的なドナー-アクセプタ対は、FAM/DABCYL、HEX/DABCYL、TET/DABCYL、Cy3/DABCYL、Cy5/DABCYL、Cy5.5/DABCYL、ローダミン/DABCYL、TAMRA/DABCYL、JOE/DABCYL、ロックス(Rox)/DABCYL、カスケードブルー/DABCYL、Bodipy/DABCYLを含むが、これらに限定されない。
【0041】
幾つかの態様において、検出可能な原子団は、ステインまたは色素であり得る。ここで使用する「ステイン」、「色素」およびその文法的に等価な用語は、他の分子または構造内に侵入し、あるいはこれらに吸収もしくは取込まれ得る物質または分子を意味する。幾つかの態様において、ステインまたは色素は、特定の組または型の化合物または粒子、例えば核酸(DNAまたはRNA)、ポリペプチド、炭水化物、細胞型等により取込まれ得る。このように、様々な例示的態様において、ステインは生体ステイン(vital stain)(例えば、トリパンブルー、ニュートラルレッド、ヤヌス(Janus)グリーン、メチレンブルー、ビスマルク(Bismarck)ブラウン、クレジルブルーブリリアント、FM 4-64(Pogliano等, Mol. Microbiol., 1999, 31(4):1149-59)、カルボキシフルオレセインサクシンイミジルエステル(CFSE)、エオシンY、LDS-751(米国特許第6,403,378号)、7-アミノアクチノマイシンD(AAD); 核酸ステイン(例えば、エチジウムブロミド、LDS 751、GelStarTM核酸ステイン(Cambrex Corp., NJ、イーストラザフォード)、SYBRTMグリーン(Green)IおよびII(Molecular Probes, Inc., OR、オイゲン)、SYTOブルー、グリーン、オレンジおよびレッド(Molecular Probes, Inc., OR、オイゲン)、SYTOXTMブルー、グリーンおよびオレンジ(Molecular Probes, Inc., OR、オイゲン)、プロピジウム(propidium)ヨウ素(Molecular Probes, Inc., OR、オイゲン)、ビストラグリーン(Vistra GreenTM)(GE Healthcare Technologies, WI、ウォークシャ)、および/またはタンパク質ステイン(ディープパープル(Deep PurpleTM)(GE Healthcare Technologies, WI、ウォークシャ)、SYPROルビー、レッド、赤橙色およびオレンジ(Molecular Probes, Inc., OR、オイゲン)、クーマシーフルオル(fluor)オレンジ(Molecular Probes, Inc., OR、オイゲン)、およびこれらの組み合わせ(例えば、ビアカウント(ViaCountTM)(Guava Technologies, CA、ヘイワード), Guava Technologies, Inc. Technical Note: Guavaビアカウント、Doc. part No.4600-0520)であり得る。細胞生存性アッセイ試薬の非-限定的な例は、WO 02/088669に記載されている。ステインまたは染料の更なる例は、Haugland, 「蛍光性プローブおよび研究辞典(Handbook of Fluorescent Probes and Research)、第6版」(ISBN 0-9652240-0-7)に見出される。
【0042】
幾つかの態様において、標的被検体は、検出可能なシグナルを発生し得る化合物を合成または生成し得る。例えば、標的被検体または阻害剤が、細胞または細胞に付随していても良い態様では、該細胞は検出可能なシグナルを発生し得る化合物を発現することができる。当業者は気付いているように、検出可能なシグナルを発生し得る化合物は、単独でまたは他の化合物(例えば、融合タンパク質)との組合せで発現することができ、また当分野において公知の如く、発現は誘導性または構成的であり得る。このような発現にとって適した化合物の非-限定的な例は、上記の如く、ホースラディッシュパーオキシダーゼ、アルカリンホスファターゼ、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、BFP、DsRED、ECFP、EGFP、GFP、EYFP、およびレニラを含むが、これらに限定されない。幾つかの態様において、検出可能なシグナルを発生し得るポリペプチドは、siRNA、プラスミド、核酸、またはポリペプチドとして、細胞内に組込むことができる。
【0043】
該標的被検体は、任意の源から得ることができる。例えば、標的被検体はサンプルから単離または富化でき、あるいは原料サンプル中で分析できる。従って、サンプルは細胞、組織(例えば、生検)、生物学的流体(例えば、血液、血漿、血清、髄液、羊水、滑液、尿、リンパ液、唾液、肛門および膣分泌物、汗、精液、事実上任意の生物の涙液分泌物、好ましくは哺乳動物のサンプル、またヒトのサンプルが特に好ましい)、環境物質(例えば、空気、農業、水、および土壌サンプル)、研究用サンプル(例えば、組織培養サンプル、ビーズ懸濁液、バイオリアクタサンプル)を含むが、これらに限定されない。該標的被検体に加えて、幾つかの態様においては、該サンプルは、当分野において公知の如く、任意の数の他の物質または化合物を含むことができる。幾つかの態様では、サンプルは、分析前に任意の工程または必要な処置によって変更される元のサンプルを意味する。このような準備的な段階は、洗浄、固定、染色、稀釈、濃縮、不純物の除去または分析を容易にする他の処置を含むことができる。
一旦サンプルを得た後には、上記の方法でこれを分析することができる。従って、幾つかの態様では、1種またはそれ以上の標的被検体の有無を判別することができ、1種またはそれ以上の標的被検体の量を測定することができ、および/または標的被検体の特性(例えば、標的被検体および結合相手の結合アフィニティー)を測定することができる。
【0044】
幾つかの態様において、サンプルは、上記のように、競合的結合条件下で分析することができる。幾つかの態様において、競合的結合条件は、1種またはそれ以上の標的被検体を含むことのできるサンプルと、1種またはそれ以上の結合相手との反応およびこれに引続く、1種またはそれ以上の阻害剤の添加によって確立することができる。幾つかの態様において、競合的結合条件は、該阻害剤と該結合リガンドとを反応させ、次いで該サンプルを添加することによって確立することもできる。幾つかの態様において、該サンプルおよび阻害剤は、同時に該結合リガンドと反応させることができる。幾つかの態様において、各結合リガンドは、1種またはそれ以上の検出可能な原子団で標識することができる。幾つかの態様において、各検出可能な原子団によって発せられるシグナルは、識別可能である。様々な成分を添加するための反応条件の決定は、当業者の能力の範囲内である。しかし、一般に各反応段階は、室温またはその近傍にて、約20〜約30分間行うことができる。温度、pH、等張性、反応期間およびその他の条件は、少なくとも部分的に、該サンプル、該標的被検体の組成、阻害剤、および結合リガンドに依存する可能性がある。このような条件の決定は、当業者の能力の範囲内である。
【0045】
阻害の程度を解析するために、該結合相手と結合した、標的被検体および/または阻害剤の量を測定することができる。幾つかの態様において、阻害の程度を、既知量の結合相手、阻害剤、および標的被検体を競合的結合条件下で反応させるコントロール実験と比較することができる。幾つかの態様において、阻害の程度は、あるサンプルについて得た結果と、競合的結合条件下で、既知量の結合相手、阻害剤、および/または標的被検体を反応させ、あるいは既知量のこれら物質を滴定することにより得た検量線とを比較することによって決定することができる。幾つかの態様において、該結合相手は、検出可能な原子団に直接または間接的に共役することができる。例えば、該結合相手が抗体であり得るような態様では、該抗体は、検出可能な原子団を含む抗-抗体と結合させることにより、検出可能な原子団と間接的に共役することができる。該阻害剤が、微細粒子を含む態様においては、該阻害剤と結合した該抗体を、該微細粒子で標識することも可能である。従って、実施者の裁量により選択される様々な型の検出可能な原子団で、結合相手を、直接または間接的に標識することが可能である。検出可能な原子団の数および型の選択は、当業者の能力の範囲内である。
【0046】
幾つかの態様において、少なくとも第一および第二の標的被検体を、分析することができる。幾つかの態様において、第一の標的被検体は、細胞または細胞-付随被検体(ca-標的被検体)であり得、また第二の標的被検体は、細胞-付随標的被検体以外のもの(na-標的被検体)であっても良い。幾つかの態様において、このような第一および第二標的被検体は、単一の反応容器内で分析できる。例えば、第一の標的被検体は、培養物中の細胞の成分であり得、また第二の標的被検体は、該培地中に見出すことができる。従って、幾つかの態様では、第一の標的被検体は、細胞膜(例えば、T-細胞、B-細胞、好中球、ハイブリドーマ)上のレセプタ、マーカー、抗原であり得、あるいは細胞内部にあるこれら物質であり得る。従って、幾つかの態様では、結合相手は、これを該細胞ヘ輸送し、かつ内在化するための原子団を含むことができる。例えば、幾つかの態様では、結合相手は、リポソーム内(例えば、リポフェクタミン(LipofectamineTM) 2000、プラス(PLUSTM)試薬、リポフェクタミン(LipofectamineTM)、DMRIE-C、セルフェクチン(CellfectinTM)、リポフェクチン(LipofectinTM)、オリゴフェクタミン(OligofectamineTM)(Invitrogen, CA,カールスバッド))に入れて細胞へ輸送でき、これらは、幾つかの態様では、細胞標的原子団を含むことができる(例えば、米国特許第6,339,070号、同第6,780,856号、同第6,693,083号、同第6,645,490号、同第6,627,197号、同第6,599,737号、同第6,565,827号、同第6,500,431号、同第6,287,537号、同第6,251,866号、同第6,232,295号、同第6,168,932号、同第6,090,365号、同第6,015,542号、同第6,008,190号、同第5,994,317号、同第5,843,398号、同第5,595,721号を参照のこと)。幾つかの態様では、細胞(例えば、食細胞(例えば、マクロファージ))は、細胞標的原子団を使用すること無しに、結合相手をインターナリゼーションすることができる。幾つかの態様では、インターナリゼーションすべき該結合相手は、微細粒子を含むことができる。幾つかの態様において、第二の標的被検体は、抗体(例えば、モノクローナル抗体)、サイトカイン(例えば、IL-1〜-15)、または細胞によって分泌された他の分子または化合物(例えば、ホルモン)であり得る。幾つかの態様において、ca-標的被検体は、該na-標的被検体の前駆体または細胞-付随形状であり得る。この標的被検体を解析するために、これらを、夫々第一および第二結合相手と結合することができる。様々な例示的態様において、該結合相手の特異性は、実質上固有のものであり得、あるいは実質的に等価なものであり得る。該結合相手は、1種またはそれ以上の検出可能な原子団と、直接または間接的に共役することができる。例えば、幾つかの態様では、第一の結合リガンドは、蛍光性原子団を含むことができ、また第二の結合リガンドは、蛍光性原子団と微細粒子とを含むことができ、また細胞をステインまたは色素で標識することができる。
【0047】
幾つかの態様では、標的被検体の活性を解析することができる。従って、幾つかの態様では、微細粒子は、標的被検体の基質またはその活性の阻害剤を含むことができ、また該標的被検体の存在下で、修飾することができる。該基質および/または阻害剤の修飾は、検出可能なシグナルの発生における変化をもたらす可能性がある。従って、幾つかの態様では、検出可能なシグナルにおける変化は、検出可能なシグナルの増加または減少であり得る。例えば、幾つかの態様では、微細粒子に付着した基質は蛍光的に標識でき、また該標的被検体の活動は、該基質から蛍光標識を放出し、該微細粒子と関連する蛍光の減少をもたらす可能性がある。幾つかの態様では、該基質は、細胞によって放出されたプロテアーゼ(例えば、メタロプロテアーゼ)であり得、また該基質は、蛍光的に標識されたペプチドであり得る。該プロテアーゼによる該ペプチドの加水分解は、該微細粒子に関連する低い蛍光をもたらす可能性がある。幾つかの態様では、該標的被検体は、キナーゼまたはホスファターゼであり得、該微細粒子ビーズへのリン酸基の付加および/または該ビーズからのその除去は、検出可能なシグナルの増減をもたらす可能性がある。当業者は、識別可能な、かつ検出可能なシグナルを発生する原子団の使用が、単一の反応容器内で、多数の標的被検体を分析するのに利用できることを、理解できるであろう。
【0048】
一旦、様々な方法の生成物を製造(例えば、[標的被検体/結合相手]複合体、[阻害剤/結合相手]複合体、染色細胞等)し、また1種またはそれ以上の検出可能な原子団を含有させた後、これらを当業者において公知の様々な方法により解析することができる。幾つかの態様において、分析は視覚的観察(例えば、光学顕微鏡)および/または自動検出および/または定量および/またはソーティングであり得る。例えば、幾つかの態様において、分析は、自動的検出装置を使用でき、そこでは検出可能な原子団の発生したシグナルを、該検出装置と、光学的に結合することができる。このような装置は、当分野において公知であり、光散乱、放射能、および/または発光(例えば、蛍光、燐光、化学発光)を分析することのできる装置を含むが、これらに限定されない。様々な例示的態様において、本明細書に記載した方法の生成物は、全体として分析することができ、および/または個別に分析することができる。例えば、幾つかの態様において、本明細書に記載する生成物は、フローサイトメトリー(例えば、米国特許第4,500,641号、同第4,665,020号、同第4,702,598号、同第4,857,451号、同第4,918,004号、同第5,073,497号、同第5,089,416号、同第5,092,989号、同第5,093,234号、同第5,135,302号、同第5,155,543号、同第5,270,548号、同第5,314,824号、同第5,367,474号、同第5,395,588号、同第5,444,527号、同第5,451,525号、同第5,475,487号、同第5,521,699号、同第5,552,885号、同第5,602,039号、同第5,602,349号、同第5,643,796号、同第5,644,388号、同第5,684,575号、同第5,726,364号、同第5,726,751号、同第5,739,902号、同第5,824,269号、同第5,837,547号、同第5,888,823号、同第6,079,836号、同第6,133,044号、同第6,263,745号、同第6,281,018号、同第6,320,656号、同第6,372,506号、同第6,411,904号、同第6,542,833号、同第6,587,203号、同第6,594,009号、同第6,618,143号、同第6,658,357号、同第6,713,019号、同第6,743,190号、同第6,746,873号、同第6,780,377号、および同第6,782,768号を参照のこと)、走査サイトメトリー(例えば、米国特許第6,275,777号を参照のこと)、および/またはマイクロキャピラリーサイトメトリー(例えば、米国特許出願第09/844,080号および米国仮特許出願第60/230,380号およびグアバ(Guava) PCA, グアバテクノロジーズ(Guava Technologies), CA、ヘイワード)により分析することができる。これら文献を、本発明の参考として組み入れる。
【0049】
本出願において、特に述べない限り、単数での表現は、複数をも含む。本明細書において引用したあらゆる文献並びに同様な資料(特許、特許出願、論文、書物、および論説を含むが、これらに限定されない)は、その体裁の如何によらず、あらゆる目的に対して、その全体を事実上本明細書に参考文献として組込む。定義した用語、使用する技術用語、記載した技術などを含むが、これらに限定されない、1種またはそれ以上の文献並びに同様な資料が相互に異なっており、また本出願と矛盾する場合には、本特許出願が優先する。本開示の局面は、以下の実施例に照らして、更に理解を深めることができるが、これらの実施例は本発明の開示する範囲を、何等限定するものではない。
【実施例】
【0050】
実施例1:競合的ビーズに基くアッセイによる、インシュリンの検出
微小球ポリスチレンビーズ(カルボキシル、4-6μm)(カタログNo.234,237、バングズラボラトリーズ(Bangs Laboratories), Fishers, IN; スフェロテック社(Spherotech, Inc.), IL、リバティービル)を、その製造業者の推奨する方法を用いて、EDC/DADPA (製品No.53154、文書No.0522、製品No.44899、文書No.0480、ピアースバイオテクノロジー(Pierce Biotechnology)社, IL、ロックフォード)を介して、精製した組換えヒトインシュリン(rhI、カタログNo.I2767、シグマ-アルドリッチ(Sigma-Aldrich)社、MO、セントルイス)(Kono, Vitam. Horm., 1988, 7:103-154; Morihara等, Nature, 1979, 280:412-413;Smith, Am. J. Med., 1996, 40:662-666)で共有結合的に被覆した(Ajuh等, EMBO, 2000, 19:6569-6581; Giles等, Anal. Biochem., 1990, 184:244-24; Grabarek等, Anal. Biochem., 1990, 184:244-28; Lewis等, Endocrinology, 2000, 141:3710-6; Williams等, J. Am. Chem. Soc., 1981, 103:7090-7095; Yoo等, J. Biol. Chem., 2002, 277:15325-32を参照のこと)。過剰のrhIを使用して、利用可能な結合サイトを飽和させた。
【0051】
この競合的結合アッセイのために、様々な量のrhI(0U/mL、500μU/mL、1mU/mL、10mU/mL、50mU/mL、100mU/mL)を、マウス抗-ヒトインシュリンMAb(1'Ab、20μl/テスト、マウスIgG)(BDバイオサイエンス(Bioscience), NJ、フランクリンレイクス)と共に、室温にて30分間、BSAおよびアジドを含む1X PBS(PBS-BA)中で、インキュベートした。rhIを含む微細粒子ビーズを添加し、得られるこの反応混合物を、室温にて30分間インキュベートした。ヤギ抗-マウスPE-標識抗体(2'Ab)(カタログNo.4700-0010、グアバテクノロジーズ(Guava Technologies), CA、ヘイワード)を添加し、この溶液を、室温にて30分間インキュベートした。
これらビーズを、1X PBS中で1300rpmにて8分間遠心分離処理することにより洗浄して、未結合の1'Abおよび2'Ab抗体を除去した。得られるペレット状の微細粒子ビーズを、1X PBS中に再度懸濁させ、グアバPCAマイクロキャピラリーサイトメータ(グアバテクノロジーズ、CA、ヘイワード)を用いて分析した。装置設定は、試薬発現のためのプロトコールとして、製造業者の薦めに従って使用し、はじめに陰性サンプルおよび陰性コントロールを用いた実験を行って、PM1に対するゲインが10MFI(平均蛍光強度)未満の読みであることを確認した。引続き、テストサンプル(図4参照)を用いて、測定を行うが、該PM1は、通常410近傍に調節する。この値は、レーザー励起源の使用時間に依存して、装置毎に異なる。各アッセイに対して、蛍光を平均値および中央値MFIとして記録した。テスト抗体の濃度10Xにおける、イソタイプ適合コントロールの実験を、該1'Abと並行して行った。陰性コントロールについても並行して実験し、ここでは1'Abを使用しなかった。
【0052】
図6に示したように、MFI対遊離rhIの増大する濃度に関するグラフは、低い蛍光をもたらした。従って、該遊離rhIおよびrhI被覆微細粒子は、該1'Abとの結合に関して競合した。結果として、サンドイッチ形式で該rhI被覆ビーズと結合した少量の1'Abおよび2'Abおよび少量の蛍光が検出された。
図2および3は、夫々イソタイプおよび陰性コントロールの結果を示すものである。これら図において検出されたビーズは、1'Abの結合において、遊離rhIが全く利用されない競合的結合アッセイから容易に識別される(図4)。しかし、遊離rhIの量が、10μU/mLまで増加するのに伴って(図5)、検出されるビーズは、低下した蛍光シグナルのために低減される。有利なことに、ダブレットは検出されなかった(図7参照)。
【0053】
実施例2:抗体スクリーニング
競合的結合アッセイを、様々な量のrhI(0U/mL、500μU/mL、1mU/mL、10mU/mL、50mU/mL、100mU/mL)および実施例1に記載のように、マウス抗-ヒトインシュリンMAb(1'Ab)を用いて行った。未知の抗体がインシュリンと結合しているか否かを決定するために、1'Abと等価な量の未知の抗体を用いて、競合的結合アッセイを行う。これら結果をグラフで表示し、かつ該抗-ヒトインシュリンおよび該未知抗体について得られた結果を比較し、この未知抗体の相対的なアフィニティーを決定する。
インシュリン結合に関して、未知の抗体をスクリーニングするために、未知のヒト抗体を滴定し、インシュリンで被覆した微細粒子と共に、室温にて約30分間インキュベートする。これら微細粒子を、上記のように遠心分離処理に掛け、洗浄し、再度懸濁させる。該1'Ab(マウス抗-インシュリンIgG)を添加し、得られた混合物を、上記のようにインキュベートし、洗浄し、かつ再懸濁させる。2'Ab(PE標識ヤギ抗-マウス抗体)を添加し、得られた混合物を、上記のようにインキュベートし、洗浄し、かつ再懸濁させる。この標識した複合体を、グアバPCAマイクロキャピラリーサイトメータで分析する。陰性コントロールに対する、シグナルにおける減少は、該未知抗体がインシュリンと結合し、1'Abの結合を阻害することを示す。
【0054】
実施例3:競合的ビーズに基くアッセイによる、複数の標的被検体の分析
2つの抗原、即ちrhIおよび組換えヒトエリスロポエチン(rhEPO:カタログNo.E5627,シグマ-アルドリッチ(Sigma-Aldrich)社, MO,セントルイス)(Bailey等, J. Biol. Chem., 1991, 266:24121; Davis等, Biochemistry, 26:2633; Dordal等, Endocrinology, 1985, 116:2293; Hanspal等, J. Biol. Chem., 1991, 266:15626;Miyake等, J. Biol. Chem., 1977, 252:5558を参照のこと)各々を、夫々異なる径、6μmおよび11μmを持つ、微小球ポリスチレンビーズと、EDC/DADPAを介して結合する(2段階の手順)。
競合的アッセイにおいて、様々な量のrhIおよびrhEPOを、マウス抗-ヒトインシュリンMAb(1'Abi)およびヤギ抗-ヒトEPO MAb(1'Abe)(IgG1/k, カタログNo.01300, ステムセルテクノロジーズ社(STEMCELL Technologies, Inc.), BC,バクーバー;Wognum等, Blood, 1988, 71:1731-1737を参照のこと)と共に、1X PBS中で、室温にて30分間インキュベートする。rhIまたはrhEPOの何れかを含む微細粒子ビーズを添加し、この反応混合物を、室温にて30分間インキュベートする。ウサギ抗-マウスPE-標識抗体およびウサギ抗-ヤギFITC標識抗体(2'Abs)を添加し、この溶液を室温にて30分間インキュベートする。
【0055】
該微細粒子ビーズを、1300rpmにて8分間遠心分離処理することにより洗浄して、未結合の1'Abi、1'AbEおよび2'Abs抗体を除去する。これらのペレット化された微細粒子ビーズを1X PBS中に再懸濁し、グアバPCAマイクロキャピラリーサイトメータ(グアバテクノロジーズ(Guava Technologies), CA、ヘイワード)を用いて分析する。各アッセイに対して、前方散乱光、FITCおよびPE蛍光を記録する。これら結果は、多重競合的結合アッセイが、ここに開示する方法により実施可能であることを示している。イソタイプ適合コントロール実験を、1'Abiおよび1'AbEに関して、並行して行う。陰性コントロールに関する実験も、1'Abを用いずに、並行して行う。
ヒトTNF-αおよびIFN-γを、TNF-αまたはIFN-γを含有する微細粒子、マウス抗-ヒトTNF-α抗体(カタログNo.4T10、ハイテスト社(HyTest Ltd.), フィンランド、ターク(Turku))およびマウス抗-ヒトIFN-γ抗体(カタログNo.4I22、ハイテスト社、フィンランド、ターク)を用いて、上記のプロトコールにて分析する。該1'Absは両者共にマウス由来のものであるから、1'Ab結合により生成される複合体は、TNF-αまたはIFN-γを含有する上記微細粒子により識別され、この識別は、各々そこに含まれる識別可能な蛍光染料を持つことにより、あるいは該微細粒子が、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA)によって識別される、径を持つことにより可能となる。
【0056】
実施例4:ウイルス負荷の測定
gp120は、ウイルスリポタンパク質包膜の外側にある、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)の糖タンパク質である。従って、gp120を、競合的な、ビーズに基くアッセイにおいて使用して、生体サンプル中のHIVビリオンを検出することができる。HIV-1(カタログNo.2003LAV、プロテインサイエンス社(Protein Science Corp.), CT, メリデン)由来のgp120を、EDC/DADPA(二段階手順)を経由する方法を利用して、微小球ポリスチレンビーズと結合させる。競合的結合アッセイのために、生物学的流体のサンプルを、1X PBS-BA中に、10-0.5から10-6まで順次半指数(half-log)希釈する。マウス抗-gp120 MAb(カタログNo.MMS-193P、コバンスリサーチプローダクツ(Covance Research Products)社, CA,バークレイ)を各希釈物に添加し、室温にて30分間インキュベートする。gp120で被覆した微細粒子ビーズを添加し、この反応混合物を室温にて30分間インキュベートする。ヤギ抗-マウスPE-標識抗体(2'Abs)を添加し、この溶液を室温にて30分間インキュベートする。
これらのビーズを、1300rpmにて8分間遠心分離処理することにより洗浄して、未結合の1'Abおよび2'Ab抗体を除去する。これらのペレット化されたビーズを1X PBS中に再懸濁し、グアバPCAマイクロキャピラリーサイトメータ(グアバテクノロジーズ, CA、ヘイワード)を用いて分析する。各アッセイに対して、蛍光を平均値および中央値MFIとして記録する。イソタイプコントロール実験を、該1'Abとして、イソタイプ適合マウス抗-インシュリン抗体を用いて、並行して行う。陰性コントロールに関する実験も、1'Abを用いずに、並行して行う。この生物学的サンプルの稀釈率に対して反比例する、蛍光強度に関する変動は、この生物学的サンプル中における、HIV-1 gp120の存在を示すものである。
【0057】
実施例5:細胞およびビーズの同時分析
細胞は、蛍光ラベルまたはステインを含まない、正常なジャーカット細胞であった。ビーズはバングスラブス(Bangs Labs)(カンタム(Quantum) MESF PEビーズ、カタログNo.827A、IN、フィッシャーズ)から入手した。細胞およびビーズを一緒にピペットで混合し、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA-96、CA、ヘイワード)で分析した。ビーズおよび細胞は、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA)を用いて、光散乱に基いて識別した(図8B)。
正常なジャーカット細胞を、プロピジウムアイオダイド(PI)で染色し(例えば、Caballero等, Reprod. Domest. Anim., 2004, 39(5):370-375; Armeni等, Toxicology, 2004, Oct.15, 203(1-3):165-78を参照)、該蛍光性カンタムMESF PEビーズと混合し、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA)により分析した。ビーズおよび細胞は、蛍光に基いて識別した(図8A)。
【0058】
正常なジャーカット細胞は、表面に共役した様々な量のPEを含むビーズ(ブランクビーズ(非-蛍光発光性)中間的な蛍光、明るい蛍光)と、同時に分析した。図9A(蛍光)および9B(光散乱)に示したように、これらデータは、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA)が、細胞由来の様々な蛍光強度を持つビーズを識別し、かつ分離することを明らかにした。
正常なジャーカット細胞を、蛍光検出および解析的分離のために、既知量のPEで予め標識したビーズと結合させた。更に、細胞およびビーズを、細胞死に関する蛍光指示薬、7-アクチノマイシンD(7-AAD)と共にインキュベートした。図10に示すように、生細胞は水平軸に沿って蛍光性ビーズから分離され、かつマイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA)により、該生細胞および標識ビーズ両者から死細胞が分離された。図示した例において、データはグアバソフトウエア中に、ユーザーによって入力されたように、2000例について集められた。
【0059】
実施例6:ランゲルハンス島細胞の生存率およびインシュリン生産性の同時解析
移植に適した膵臓細胞を、無菌外科技術によって、ドナーから得る。インシュリンを生産するランゲルハンス島細胞を、リコルディチャンバー(Ricordi Chamber)(Barshes等, Transplant Proc., 2004, 36(4):1127-9; Goss等, Transplantation, 2002, 74(12):1761-6)または他の方法(Field等, Transplantation, 1996, 61:1554; Linetsky等, Diabetes, 1997, 46:1120;米国特許第4,868,121号、同第5,273,904号、同第5,322,790号、同第5,447,863号、同第5,821,121号)を用いて、膵臓内の他の細胞から分離し、次いで5-11日間培養する(Rosenbaum, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1998, 95(13):7784-7788; 米国特許第6,365,385号)。
該島細胞の生存率およびインシュリン産生に関する上清を分析するために、微細粒子(上記のように製造)で標識した、第一種の、抗-ドナーインシュリン抗体を、培養液アリコート含有上清および島細胞に添加する。室温にて15-30分間のインキュベーションの後、ビーズおよび細胞を穏やかに遠心処理し、培地中で洗浄し、培地に再懸濁し、第二の種の、抗-ドナーインシュリンPE標識抗体およびFITC標識アネキシン(Annexin) V(BDバイオサイエンスズ(Biosciences), NJ,フランクリンレイクス)を添加する。アネキシンVは、カルシウム依存性結合タンパク質またはリン脂質ホスファチジルセリン(PS)の結合相手である。アポトーシスの際に、PSは、細胞膜の内側から外側部分に輸送される、そこでCa2+の存在下でアネキシンVと結合できる(Vermes等, J. Immunol. Meth., 1995, 184:39-51)。室温にて15-30分間のインキュベーションの後、ビーズおよび細胞をマイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA、CA、ヘイワード)を用いて分析する。これらの結果を基準値と比較、あるいは並行して基準値をテストすることにより、インシュリンの量を測定することができる。これらの結果は、同様に生細胞、アポトーシス細胞、非-生存細胞数をも与える。
【0060】
アネキシンV FITC標識よりも寧ろ、あるいはこれに加えて、島細胞を、プロピジウムアイオダイド(PI, BDバイオサイエンスズ(Biosciences), NJ,フランクリンレイクス)で染色する。PIはdsDNAと結合するが、非-生存細胞の細胞膜を横切り、これはアポトーシスの後期に起る。PSの輸送およびアネキシンVの結合は、アポトーシスの初期に起る。従って、PIとアネキシンVとの示差検出は、アポトーシスを実現するのに利用される(Raynal等, Biochem. Biophys. Acta., 1994, 1197(1):63093; Martin等, J. Exp. Med., 1995, 182(5):1545-56; Vermes等, J. Immunol. Meth., 1995, 184:39-51)。
【0061】
実施例7:分泌されたモノクローナル抗体およびハイブリドーマ細胞の同時分析
一定数のヤギ抗-ヒト標識マイクロビーズ(20,000、カンタム(Quantum)抗-ヒト抗体ビーズ、バングスラブス)を、ハイブリドーマ細胞を含む96-ウエルプレートの各ウエルに添加する。このプレートを、撹拌しつつ1時間室温にてインキュベートし、次いで5000rpmにて5分間遠心処理する。上清を除去し、細胞およびビーズを再懸濁する。PE-標識した、ロバ抗-ヒト抗体(ジャクソンラブス(Jackson Labs))を、採集濃度5μn/μlまで添加する。プレートを、室温にて45分間インキュベーションし、ビーズおよび細胞をペレット化し、1X PB中に再懸濁し、マイクロキャピラリーサイトメータにより分析する。また、ハイブリドーマ細胞の生存率も、上記の如く、および/またはLDS 751 (例えば、WO 02/088669を参照のこと)を用いて、アネキシンVおよび/またはPIを使用して測定することができる。これら結果は、上記上清におけるモノクローナル抗体の量、モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞の数、および該ハイブリドーマ細胞の生存率の指標である。重鎖および軽鎖に対して特異的な未標識および標識抗体(例えば、κ鎖に対する未標識抗体、γ重鎖に対する標識抗体)を使用することにより、該モノクローナル抗体がイソタイプのものとされ、クローン均一性が評価される。分泌されたモノクローナル抗体およびハイブリドーマ細胞は、アロタイプ、および/またはイディオタイプおよび/またはキセノタイプ(異種型)特異的である、未標識および/または標識抗体を使用して、更に詳細に分析される。
【0062】
ハイブリドーマ上清中のモノクローナル抗体は、検量線を設定することにより定量化することができる。従って、未知量について得られた結果を、検量線と比較して、モノクローナル抗体を定量することができる。
検量線を確立するために、様々な既知濃度のヒトIgG(ジャクソンラブス(Jackson Labs))を、96-ウエルプレートの各ウエルに添加した。ヤギ抗-ヒト標識ビーズ(20,000)を各ウエルに添加して全量100μlとした。プレートを、室温にて1時間撹拌しつつインキュベートした。このプレートを5000rpmにて5分間遠心分離処理して、該ビーズをペレット化した。上清を除去し、100μlの二次PE-標識ロバ抗-ヒトIgG(5ng/μl)を、各ウエルに添加した。プレートを、室温にて45分間撹拌しつつインキュベートした。ビーズをペレット化し、上清を除去し、1X PBS 100μl中に再懸濁し、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA、CA、ヘイワード)を用いて分析した。図11に示したグラフでは、ビーズの蛍光を検出したが、これはヒトIgGの濃度に比例するものであった。この概念は、グアバプラットフォーム上での検出のために、蛍光分子に予め結合した抗体を用いて明らかにされたが、同一の情報は二次的な検出法を用いて得ることができる。上記プロットに示されたように、該グアバプラットフォームは、ビーズ蛍光の決定を可能とし、またこの蛍光は、溶液中の抗体の量の減少に伴って低下する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】競合的阻害アッセイの一態様を描いた図である。この態様において、一次抗体B 130(第一結合相手、抗-標的被検体)は、標的被検体180(Xta)およびその阻害剤110(X)を含む混合物に添加され、この後者は、一次抗体130と結合する標的被検体180と競合するビーズまたは微細粒子120で標識されている。X-ビーズ160(A)とは結合しない一次抗体130を除去する。一次抗体130と結合し、かつ検出可能なシグナルを発生することのできる原子団150(PE)を含む、二次抗体140を添加して、X-ビーズ160、一次抗体130およびPE-標識二次抗体170を含む複合体100を生成する。一次抗体130とは結合していない二次抗体170を除去し、該複合体をミクロフロー型サイトメータにより検出する。
【図2】インシュリンとは結合しない、実施例1のイソタイプ陰性コントロール抗体に関する結果を示す。検出は、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA、グアバテクノロジーズ(Guava Technologies), CA、ヘイワード)で行った。
【図3】マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA、グアバテクノロジーズ、CA、ヘイワード)により検出した、実施例1の阻害剤コントロールの分析結果を示す。
【図4】マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA、グアバテクノロジーズ、CA、ヘイワード)により検出した、阻害剤/一次抗体/蛍光標識した二次抗体からなる、実施例1の複合体の分析結果を示す。
【図5】実施例1で記載したような、一次抗体のインシュリンに対する結合の阻害を示す。
【図6】インシュリンと、抗-インシュリン抗体に対するインシュリン阻害剤との間の競合的結合に関するグラフである。インシュリン濃度の増加に伴って、阻害剤との結合に利用できる抗体の量は減少し、MFIの低下をもたらす(実施例1参照)。
【図7】微細粒子相互の非-特異的結合に起因する「ダブレット」現象の一例を示す。本明細書に記載する方法により、ダブレット現象は観測されなくなるか、あるいは実質的に低下される。
【図8】マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA、グアバテクノロジーズ、CA、ヘイワード)による、ビーズ単独、細胞単独、および細胞+ビーズの分析を示す。パネルAは、蛍光検出による分析結果であり、パネルBは、光散乱による分析結果である。
【図9】様々な蛍光強度を持つビーズおよび細胞の、マイクロキャピラリーサイトメータ(グアバPCA、グアバテクノロジーズ、CA、ヘイワード)による分析を示す。パネルAは、蛍光検出による分析結果であり、パネルBは、光散乱による分析結果である。
【図10】生細胞、死細胞、およびビーズの同時分析を示す(実施例5を参照のこと)。
【図11】平均強度対モノクローナル抗体濃度の関係を示すグラフである(実施例7を参照のこと)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 容器内で、検出可能なシグナルを発生し得る原子団によって第一および第二標的被検体を標識する工程であって、該第一の被検体は細胞に付随しており、かつ該第二の標的被検体は細胞に付随していない、前記工程、および、
b) 標識された標的被検体の発生するシグナルを検出する工程、
を含む、標的被検体の検出方法。
【請求項2】
第一の被検体が、第二の標的被検体の前駆体である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第一および第二標的被検体が、各々独立にペプチド、核酸、炭水化物、脂質、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
ペプチドがモノクローナル抗体である、請求項4記載の方法。
【請求項5】
第一および第二標的被検体が、ウイルスペプチド、核酸、またはこれらの組み合わせである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
ウイルスがHIVである、請求項6記載の方法。
【請求項7】
原子団が蛍光性原子団である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
標識された標的被検体が識別可能である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
第二の標的被検体を、前記原子団の少なくとも一つを含む微細粒子と結合することにより標識する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
シグナルが、蛍光シグナルであり、かつ蛍光発光装置と光学的に結合しているマイクロキャピラリーサイトメータによって検出される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
第一の被検体が細胞に付随しており、かつ、第一の蛍光シグナルを発生することのできる第一の原子団によって標識されており、また、第二の標的被検体が細胞に付随しておらず、かつ、微細粒子および第二の蛍光シグナルを発生することのできる第二の原子団によって標識されていることを特徴とする、第一および第二標的被検体を分析する方法であって、標識された標的被検体が、蛍光発光装置と光学的に結合しているマイクロキャピラリーサイトメータを通過する際に、発生する蛍光シグナルを検出する工程を含む、上記分析方法。
【請求項12】
第一の被検体が、第二の標的被検体の前駆体である、請求項12記載の方法。
【請求項13】
第一および第二標的被検体がモノクローナル抗体である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
標識された標的被検体の発生する蛍光シグナルが識別可能である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
標識された標的被検体がマイクロキャピラリーサイトメータによって識別可能である、請求項12記載の方法。
【請求項16】
a) 抗体と標的被検体との結合を、該標的被検体の競合的阻害剤を含む微細粒子によって阻害する工程、および、
b) 微細粒子が、蛍光発光装置と光学的に結合しているマイクロキャピラリーサイトメータを通過する際に、競合的阻害剤と結合した抗体を測定し、これにより標的被検体を検出する工程、
を含む、上記分析方法。
【請求項17】
抗体が蛍光性原子団を含む、請求項17記載の方法。
【請求項18】
更に、競合的阻害剤と結合した抗体を、蛍光性原子団で標識する工程を含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
蛍光性原子団を含む第二の抗体と結合することによって抗体を標識する、請求項19記載の方法。
【請求項20】
更に、標的被検体を定量する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
標的被検体が、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
ペプチドがインシュリンである、請求項22記載の方法。
【請求項23】
標的被検体がHIVである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
a) 抗体と、標的被検体およびその競合的阻害剤とを、競合的結合条件下にて反応させる工程、および、
b) 検出装置と光学的に結合しているマイクロキャピラリーサイトメータを通過する際に、競合的阻害剤と結合している抗体を検出する工程、
を含むことを特徴とする、標的被検体の検出方法。
【請求項25】
抗体が蛍光性原子団で標識されている、請求項25記載の方法。
【請求項26】
競合的阻害剤と結合している抗体を、蛍光性原子団を含む第二の抗体と結合することによって標識する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
競合的阻害剤が微細粒子を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
標的被検体が、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質、またはこれらの組み合わせを含む、請求項26記載の方法。
【請求項29】
ペプチドがインシュリンである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
標的被検体がHIVである、請求項28記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−506101(P2007−506101A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527047(P2006−527047)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030452
【国際公開番号】WO2005/029078
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(506093485)グアヴァ テクノロジーズ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】