説明

模型体駆動装置、駆動体および模型体

【課題】駆動体と仕切板により隔てられた模型体の脚部の蹴り上げや振り上げを実現した模型体駆動装置、駆動体および模型体を供する。
【解決手段】仕切板5上で複数の脚部により本体を支える模型体20が、仕切板5を隔てた下方に配設された駆動体160の駆動に従動して動作する模型体駆動装置150において、模型体20は、複数の脚部が各々前後に揺動可能で、複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石Mfl,Mfr,Mrl,Mrrが一方の磁極を足裏に向けて設けられ、駆動体160は、互いに異極を上方に向けた1対の磁石を仕切板5の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対mfl,mfr,mrl,mrrが上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して走行方向に往復動自在に設けられ、往復駆動機構180により複数組の磁石対mfl,mfr,mrl,mrrを同時に前後に往復動させることで、模型体20の複数の脚部の各足端部の永久磁石Mfl,Mfr,Mrl,Mrrに磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させる模型体駆動装置、駆動体および模型体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の脚部により本体を支える模型体を、仕切板を隔てた駆動体の駆動により動作させる模型体駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の模型体駆動装置に関しては、模型体の4本の脚部の各足端部に永久磁石を取り付け、模型体を支持する走行板の下面に4脚に対応して4個の永久磁石を前後に摺動自在に搭載した駆動体を移動させるようにした例がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−51989号公報
【0004】
特許文献1においては、4本の脚部を常に対応する永久磁石に吸着された状態で前後に往復動し、脚部が大きく走行板から離れることはなく、よって実際の馬等の動物が走駆するときに脚部が後方へ蹴り上げられたり、前方へ振り上げられたりする状態がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1に開示されたものは、脚部の蹴り上げや振り上げがないため、模型体の走駆する脚部の動きが、実際の動物の動きとかけ離れて不自然な印象を与える。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、駆動体と仕切板により隔てられた模型体の脚部の蹴り上げや振り上げを実現した模型体駆動装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、仕切板上で複数の脚部により本体を支える模型体が、前記仕切板を隔てた下方に配設された駆動体の駆動に従動して動作する模型体駆動装置において、前記模型体は、前記複数の脚部が各々前後に揺動可能で、前記複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられ、前記駆動体は、前記仕切板の下方を駆動機構により駆動可能で、互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられ、往復駆動機構により複数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記模型体の複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させる模型体駆動装置とした。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の模型体駆動装置において、前記前後1対の磁石対は、中央寄りの磁石が対応する足端部の磁石の足裏の磁極と同極に磁化され、外側の磁石が対応する足端部の磁石の足裏の磁極と異極に磁化されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の模型体駆動装置において、前記駆動体は、移動機構により移動可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、移動板上で前後左右の4本の脚部により本体を支える模型体が、前記移動板を隔てた下方に配設された駆動体の駆動に従動して動作する模型体駆動装置において、前記模型体は、前記4本の脚部が各々前後に揺動可能で、前記4本の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられ、前記駆動体は、前記移動板の下方を駆動機構により移動可能で、互いに異極を上方に向けた1対の永久磁石を前記移動板の下面に沿って移動方向前後に近接して配列した4組の磁石対が上方の模型体の4本の脚部の各足端部にそれぞれ対応して移動方向に往復動自在に設けられ、往復駆動機構により4組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記模型体の4本の脚部の各足端部の永久磁石に磁力を働かせて4本の脚部をそれぞれ揺動させる模型体駆動装置である。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の模型体駆動装置において、前記往復駆動機構は、左前磁石対と右後磁石対が互いに接近・離反し、右前磁石対と左後磁石対が互いに接近・離反するように、4組の磁石対を往復動させることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、複数の脚部により本体を支える模型体と仕切板を介して磁力により結合される駆動体であって、前記複数の脚部が各々前後に揺動可能で、前記複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられた模型体の下方で前記仕切板を隔てた反対側に配設され、互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられ、往復駆動機構により複数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記模型体の複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させる駆動体である。
【0013】
請求項7記載の発明は、駆動体と仕切板を介して磁力により結合され、前記仕切板上で複数の脚部により本体を支える模型体であって、前記複数の脚部が各々前後に揺動可能で、前記複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられ、互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられた駆動体の上方で前記仕切板を隔てた反対側に配設され、往復駆動機構により前記複駆動体の数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させる模型体である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の模型体駆動装置によれば、複数組の互いに異極を上方に向けた磁石対を同時に前後に往復動させることで、模型体の複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させるので、磁石対のうち足端部の磁石の足裏に向いた磁極と異極の磁石に足端部を吸着して脚部を前後に揺動し、揺動する脚部の先端の足端部が前後から上方に揺動して足端部の吸着を離そうとするときに他方の足端部の磁石の足裏に向いた磁極と同極の磁石が同足端部を反発して後方への蹴り上げ、あるいは前方への振り上げ状態を実現することができ、実際の動物の脚部の動きに近い動きをさせて、不自然な印象を与えることない。
【0015】
請求項2記載の模型体駆動装置によれば、前後1対の磁石対について、中央寄りの磁石が対応する足端部の磁石の足裏の磁極と同極に磁化され、外側の磁石が対応する足端部の磁石の足裏の磁極と異極に磁化されているので、前後1対の磁石対の外側の異極の磁石に足端部が吸着されて脚部が前後に揺動し、最も外側に磁石対が移動する際に、限られた脚部の長さにより外側の異極の磁石から上方に揺動する足端部が離れるとともに中央寄りの同極の磁石により反発して、前脚部の足端部を上方に振り上げることができ、後脚部の足端部を上方に蹴り上げることができる。
【0016】
請求項3記載の模型体駆動装置によれば、駆動体は、移動機構により移動可能であるので、複数組の磁石対が駆動体とともに移動することにより、模型体は複数の脚部を揺動しながら移動することができる。
【0017】
請求項4記載の模型体駆動装置によれば、4組の互いに異極を上方に向けた永久磁石対を同時に前後に往復動させることで、模型体の4本の脚部の各足端部の永久磁石に磁力を働かせて4本の脚部をそれぞれ揺動させるので、磁石対のうち足端部の永久磁石の足裏に向いた磁極と異極の磁石に足端部を吸着して脚部を前後に揺動し、揺動する脚部の先端の足端部が前後から上方に揺動して足端部の吸着を離そうとするときに他方の足端部の永久磁石の足裏に向いた磁極と同極の永久磁石が同足端部を反発して後方への蹴り上げ、あるいは前方への振り上げ状態を実現することができ、4組の磁石対が駆動体とともに移動することにより、模型体は実際の動物の脚部の動きに近い動きをさせて、不自然な印象を与えることなく移動することができる。
【0018】
請求項5記載の模型体駆動装置によれば、往復駆動機構は、左前永久磁石対と右後永久磁石対が互いに接近・離反し、右前永久磁石対と左後永久磁石対が互いに接近・離反するように、4組の永久磁石対を往復動させるので、常に斜め前後の脚部でバランス良く本体を支えることができる。
【0019】
請求項6記載の駆動体によれば、複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられた模型体の下方で前記仕切板を隔てた反対側に配設され、互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられ、往復駆動機構により複数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、模型体の複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させるので、限られた脚部の長さにより外側の異極の磁石から上方に揺動する足端部が離れるとともに中央寄りの同極の磁石により反発して、前脚部の足端部を上方に振り上げることができ、後脚部の足端部を上方に蹴り上げることができる。
【0020】
請求項7記載の模型体によれば、複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられ、互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられた駆動体の上方で前記仕切板を隔てた反対側に配設され、往復駆動機構により前記複駆動体の数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させるので、限られた脚部の長さにより外側の異極の磁石から上方に揺動する足端部が離れるとともに中央寄りの同極の磁石により反発して、前脚部の足端部を上方に振り上げることができ、後脚部の足端部を上方に蹴り上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図9に基づいて説明する。
本実施の形態に係る4脚模型体走行装置2を適用した競馬ゲーム機1の全体斜視図を図1に示す。
4脚模型体として馬模型20が用いられた競馬ゲーム機1であって、馬模型20上に騎手模型3が騎乗しており、該競馬ゲーム機1における横長の基台4の上方に長円状に展開した環状の走行板5が張設されており、同走行板5上に前記馬模型20が複数載置され、該走行板5の上面の環状のトラックを走駆するようになっている。
【0022】
また横長両側部のスタンド位置にそれぞれ4席のサテライト6が配設され、この各サテライト6には、表示画面部7が設けられるとともに、その手前側に操作パネル8,コイン投入口9およびコイン払出口10が付設されており、操作パネル8を操作することにより、予想される入賞馬に単式あるいは複式で投票することができるようになっている。
【0023】
さらに競馬ゲーム機1には、基台4の一端側から斜上方に指向するアーム部11の上端に天井部12が形成され、この天井部12の下面にスピーカ13および照明装置14が配設されるとともに、アーム部11の中央高さ位置にディスプレイ16が配設されており、該ディスプレイ16に馬の紹介、馬番、枠番および賭け率等が表示されるようになっている。
【0024】
4脚模型体走行装置2は、図2に示すように、走行板5上の馬模型20と走行板5を隔てて下方に配設される走行体160との組み合わせで構成され、走行板5の下方を平行に張設された支持板15上を自由に走行する走行体160に従動して上方の馬模型20が走行板5上を走駆する。
【0025】
馬模型20の側面図を図2に、上面図を図3に、前面図を図4に示す。
馬模型20は、胴体部21と首部22と尻尾部23および4本の脚部24L,24R,25L,25Rから構成されている。
4本の脚部24L,24R,25L,25Rにより胴体部21が支持され、胴体部21の前部から斜め上前方に首部22が突出し、胴体部21の後部から後方に尻尾部23が突出している。
【0026】
図5は、胴体部21および左前脚部24Lと右後脚部25Rの分解斜視図であり、同図5には図示されていないが、右前脚部24Rおよび左後脚部25Lは、左前脚部24Lおよび右後脚部25Rと概ね同じ構造をしている。
【0027】
胴体部21は左右一対の適当な間隔を存して対向した胴体板21L,21Rが、連結板30やクロスバー31により連結されており、胴体板21L,21Rの略中央に開口した矩形孔21Lh,21Rhに水平に矩形の連結板30が架設され、矩形孔21Lh,21Rhを上下に分割している。
【0028】
胴体板21L,21Rの前部に、前脚部24L,24Rの基端部を軸支する枢軸32が貫通支持される軸受孔33L,33Rが形成され、胴体板21L,21Rの後部に、後脚部25L,25Rの基端部を軸支する枢軸34が貫通支持される軸受孔35L,35Rが穿孔されている。
この前側軸受孔33L,33Rおよび後側軸受孔35L,35Rの上下所定位置に前後に長尺の長孔36L,36Rおよび長孔37L,37Rが形成されている。
【0029】
左胴体板21Lの内面(右面)において、前上側の長孔36Lの後方に若干離れて円柱状のガイドピン38Lが右方に突設され、後下側の長孔37Lの前方に若干離れて円柱状のガイドピン39Lが右方に突設されている。
また、右胴体板21Rの内面(左面)において、前下側の長孔36Rの後方に若干離れて円柱状のガイドピン38Rが左方に突設され、後上側の長孔37Rの前方に若干離れて円柱状のガイドピン39Rが左方に突設されている。
【0030】
左胴体板21Lの外面(左面)において、前下側の長孔36Lの前部の下側近傍にピン40Lが左方に突設され、後下側の長孔37Lの後部の下側近傍にピン41Lが左方に突設されており、同様に右胴体板21Rの外面(右面)にも対称位置にピン40R,41Rが右方に突設されている。
胴体部21は、概ね以上のような構造をしている。
【0031】
一方、脚部24L,24R,25L,25Rは、それぞれ大腿部24L1,24R1,25L1,25R1、脛部24L2,24R2,25L2,25R2、足端部24L3,24R3,25L3,25R3が順次連結された構造をしている。
【0032】
図5を参照して、左前脚部24Lは、その大腿部24L1が輪郭形状を同じくした外側大腿板50と内側大腿板51を備え、一対の大腿板50,51は基端部中央に形成された軸孔50a,51aに前記枢軸32が貫通して軸支される。
両大腿板50,51間には枢軸32が貫通する円筒状のカラー52が介装されて所定の間隔が維持される。
【0033】
内側大腿板51には、軸孔51aの下側に軸孔51aを中心とする円弧状の円弧孔51bが形成されるとともに、軸孔51aの上側に連結ピン53が右方に突設されている。
両大腿板50,51の自由端間に脛部24L2の基端部が挟まれて支軸54により貫通して軸支される。
【0034】
両大腿板50,51間の空隙にリンクバー55が介在し、リンクバー55の先端が脛部24L2の支軸54近傍にピン56により軸支されている。
そして、外側大腿板50と一体に内側大腿板51の基端部分を左胴体板21Lの前部外面に沿わせて枢軸32に軸支させるとき、左胴体板21Lの前下側のピン40Lを円弧孔51bに貫通してリンクバー55の基端に軸支させる。
なお、内側大腿板51の右方に突出した連結ピン53は左胴体板21Lの長孔36Lを貫通して内側に突出する。
【0035】
したがって、枢軸32に軸支された大腿部24L1が前後に揺動すると、左胴体板21Lに突設されたピン40Lに基端が軸支されたリンクバー55が揺動し、そのリンクバー55の先端の揺動が、大腿部24L1に支軸54を介して揺動自在に連結された脛部24L2の一部にピン56を介して作用して脛部24L2を大腿部24L1に対して揺動させ、大腿部24L1に対する脛部24L2の連結角度を変化させることができる。
【0036】
脛部24L2の先端に支軸57により足端部24L3が前後に揺動自在に吊設されている。
足端部24L3にはN極を足裏に向けて永久磁石Mflが埋設されている。
【0037】
図5には図示されないが、右前脚部24Rも上記左前脚部24Lと対称的で略同じ構造をしており、足端部24R3にはN極を足裏に向けて永久磁石Mfrが埋設されている。
ただし、左前脚部24Lの連結ピン53に相当する右前脚部24Rの連結ピンは、右胴体板21Rの前部下側の長孔36Rに貫通する。
【0038】
次に、図5を参照して、右後脚部25Rについて説明するが、構造的には上記左前脚部24Lと同じである。
大腿部25R1は、外側大腿板60と内側大腿板61を備え、両大腿板60,61はカラー62を介装して軸孔60a,61aに前記枢軸34が貫通して軸支される。
【0039】
内側大腿板61には、軸孔61aの下側に円弧孔61bが形成されるとともに、軸孔61aの上側に連結ピン63が右方に突設され、この連結ピン63は左胴体板21Lの長孔36Lを貫通して内側に突出する。
両大腿板60,61の自由端間に脛部25R2の基端部が挟まれて支軸64により貫通して軸支される。
【0040】
両大腿板60,61間の空隙に介在するリンクバー65は、基端が右胴体板21Rの後下側から突出し長孔37Rを貫通したピン41Rに軸支され、先端が脛部25R2の支軸64近傍にピン66により軸支されている。
脛部25R2の先端に支軸67により足端部25R3が前後に揺動自在に吊設されている。
足端部25R3にはN極を足裏に向けて永久磁石Mrrが埋設されている。
【0041】
図5には図示されないが、左後脚部25Lも上記右後脚部25Rと対称的で略同じ構造をしており、足端部25L3にはN極を足裏に向けて永久磁石Mrlが埋設されている。
ただし、右後脚部25Rの連結ピン63に相当する左後脚部25Lの連結ピンは、左胴体板21Lの後部下側の長孔37Lに貫通する。
【0042】
このように、4本の脚部24L,24R,25L,25Rが胴体部21に揺動自在に取り付けられるが、左前脚部24Lと右後脚部25Rが上側連動機構70により連動され、右前脚部24Rと左後脚部25Lが下側連動機構80により連動されるようになっている。
【0043】
図5には、上側連動機構70が図示されており、前記胴体部21における左右胴体板21L,21Rの連結板30に旋回アーム72が支軸71により枢着される。
旋回アーム72は、中央を支軸71により枢着されて、左右にアーム部72L,72Rを延出しており、左アーム部72Lの先端に左摺動部材73Lの後端がピン74Lにより若干の余裕をもって枢支され、右アーム部72Rの先端に右摺動部材73Rの後端がピン74Rにより若干の余裕をもって枢支される。
【0044】
左摺動部材73Lは、前後に長尺の長円形鉛直板73Laから後方に延出部73Lbが延び、同延出部73Lbの後端が上記のように左アーム部72Lにピン74Lにより枢支され、長円形鉛直板73Laにはピン孔73Lcとガイド長孔73Ldが前後に穿孔されている。
【0045】
延出部73Laの後端を旋回アーム72の左アーム部72Lの先端に枢支した左摺動部材73Lは、長円形鉛直板73Laを左胴体板21Lの内面に沿わせて内側に突出したガイドピン38Lをガイド長孔73Ldに摺動自在に嵌合させ、前記長孔36Lを貫通して内側に突出した連結ピン53をピン孔73Lcに嵌入させる。
したがって、左摺動部材73Lは、ガイド長孔73Ldに嵌合したガイドピン38Lと長孔36Lを貫通した連結ピン53によって水平に保たれて前後に摺動することができる。
【0046】
右摺動部材73Rは、支軸71に対して左摺動部材73Lと点対称に構成されており、長円形鉛直板73Raから後方に延びた延出部73Rbの後端がピン74Rにより旋回アーム72の右アーム部72Rの先端に枢支され、右胴体板21Rの内面に沿わせて内側に突出したガイドピン39Rをガイド長孔73Rdに摺動自在に嵌合させ、前記長孔36Rを貫通して内側に突出した連結ピン63をピン孔73Rcに嵌入させる。
【0047】
上側連動機構70は、以上のように構成されており、左前脚部24Lと右後脚部25Rが上側連動機構70により連動するようになっている。
すなわち、左前脚部24Lが後方に揺動すると、連結ピン53を介して左摺動部材73Lを前方へ摺動し、よってピン74Lを介して旋回アーム72を上面視で右回りに旋回するので、右アーム部72R先端のピン74Rを介して右摺動部材73Rが後方に摺動し、よって連結ピン63を介して右後脚部25Rが前方に揺動する。
【0048】
このように、左前脚部24Lが後方に揺動すると右後脚部25Rが前方に揺動して左前脚部24Lと右後脚部25Rは互いに閉じるように連動し、逆に左前脚部24Lが前方に揺動すると右後脚部25Rが後方に揺動して左前脚部24Lと右後脚部25Rは互いに開くように連動する。
なお、左前脚部24Lと右後脚部25Rのいずれの側からも他の側に力が作用するようになっている。
【0049】
右前脚部24Rと左後脚部25Lを連動する下側連動機構80は、上記上側連動機構70と同じ構造をしており、下側連動機構80の旋回アーム82は、連結板30の下面に共通の前記支軸71により枢着され、旋回アーム82の右端に連結された右摺動部材が右前脚部24Rの揺動で前後に摺動し、旋回アーム82の左端に連結された左摺動部材が左後脚部25Lの揺動で前後に摺動するようになっており、右前脚部24Rと左後脚部25Lが互いに閉じたり開いたりするように連動する。
【0050】
なお、首部22は、枢軸32に枢支され、左前脚部24Lの揺動により概ね前後に往復動する連結ピン53により前後に揺動するようになっている。
また、尻尾部23も枢軸34に枢支され、右後脚部25Rの揺動により概ね前後に往復動する連結ピン63により上下に揺動するようになっている。
【0051】
以上のような馬模型20が、走行板5上に4本の脚部24L,24R,25L,25Rにより支持されて載置される。
この馬模型20の走行板5を隔てた下方に配設された走行体160は、図2および図6,図7に図示するように、前後に長く左右幅が狭い偏平矩形の筐体161が、前後方向中央に位置する左右一対の駆動輪162,162と左右方向中央に位置する前後の車輪163F,163Rとにより走行自在に支持されている。
【0052】
一対の駆動輪162,162は、それぞれインホイールモータ165,165により回転駆動され、左右のインホイールモータ165,165の回転速度を制御することで、走行体160の走行速度および走行方向を変えることができる。
【0053】
また、筐体161内にはインホイールモータ165,165を駆動する走行用モータ駆動回路172も配設され、走行用モータ駆動回路172にはマイクロコンピュータ170からのモータ制御信号が入力される。
【0054】
さらに、周知の技術であるが、筐体161内には集電装置173が搭載されており、支持板15の上面に敷設された給電電極配線に対して集電装置173から突出した複数の集電子173aが接して外部から給電がなされる。
なお、給電電極配線は、走行板5の下面に敷設することもできる。
また、走行体160が充電装置を搭載してもよい。
【0055】
各走行体160は、前記したようにマイクロコンピュータ170、モータ駆動回路172等を搭載しており、各走行体160のマイクロコンピュータ170はホストコンピュータにより集中管理されている。
ホストコンピュータからの制御情報は赤外線等を利用して各マイクロコンピュータ170に伝達される。
【0056】
なお、走行体160にマイクロコンピュータ170を搭載せず、集中管理するコンピュータから制御信号を直接走行用モータ駆動回路172等が受けて駆動制御するようにしてもよい。
【0057】
そして、走行体160の筐体161の上部には、馬模型20の4本の脚部24L,24R,25L,25Rを揺動させるための磁石往復動機構180が設けられている。
同磁石往復動機構180は、前後に長尺矩形の上下に対向する上板181uと下板181lと左右の側板181s,181sで偏平筒状を形成したケース181内にリンク機構として構成されている。
【0058】
図2および図6,図7を参照して、上板181uと下板181l間に中央部で枢軸183が鉛直に架設され、上板181uには前後に細長く延びた左ガイド孔182Lと右ガイド孔182Rが枢軸183を挟んで左右に平行に形成されている。
1対の永久磁石184,184を前後に近接して配列した4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrが、ガイド孔182L,182Rに案内されて前後に往復動する。
【0059】
左前永久磁石mflと左後永久磁石mrlが左ガイド孔182Lの前後に配設され、右前永久磁石mfrと右後永久磁石mrrが右ガイド孔182Rの前後に配設される。
4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrは、それぞれ1対の永久磁石184,184が互いに異なる極性の磁極を上方に向けて小判状の容器185に嵌挿されている。
【0060】
左前永久磁石mflと右前永久磁石mfrは、中央寄り(後側)の永久磁石184が上方に向けてN極(対応する足端部24L3,24R3の永久磁石Mfl,Mfrの足裏のN極と同極)が磁化され、外側(前側)の永久磁石184が上方に向けてS極(永久磁石Mfl,Mfrの足裏のN極と異極)が磁化され、左後永久磁石mrlと右後永久磁石mrrは、中央寄り(後側)の永久磁石184が上方に向けてN極(対応する足端部25L3,25R3の永久磁石Mrl,Mrrの足裏のN極と同極)が磁化され、外側(前側)の永久磁石184が上方に向けてS極(永久磁石Mrl,Mrrの足裏のN極と異極)が磁化されている。
【0061】
4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrの各容器185の下方に長円形の摺動板186が上板181uの上面に摺動自在に接して位置し、容器185の下面の外側の永久磁石184が対応する部分より下方へ突設されたガイドピンPfl,Pfr,Prl,Prrと中央寄りの永久磁石184が対応する部分より下方へ突設されたガイドピン188が、摺動板186を貫通し、さらにガイド孔182L,182Rを貫通してケース181内に突出しており、各容器185とこれと対向する摺動板186との間にスプリング187が介装されている。
【0062】
したがって、4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrは、ガイドピンPfl,Pfr,Prl,Prrとガイドピン188がガイド孔182L,182Rに沿って移動することで、姿勢を変えずにガイド孔182L,182Rに案内されて前後に往復動することができる。
【0063】
ケース181内に突出したガイドピンPfl,Pfr,Prl,Prrには、それぞれリンクバーLfl,Lfr,Lrl,Lrrが水平に揺動自在に軸支されており、一方で、枢軸183に互いに交差する2本のクロスリンクバー190,191が中央を軸支されて水平に回動自在に設けられている。
一方のクロスリンクバー190の両端が前記リンクバーLfl,Lrrの各一端とピン192,192を介して連結され、他方のクロスリンクバー191の両端が前記リンクバーLfr,Lrlの各一端とピン193,193を介して連結されている。
【0064】
したがって、左前永久磁石対mflと右後永久磁石対mrrとが、クロスリンクバー190を介して連動し、前後に移動して互いに接近したり離れたりする。
同様に、右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlとが、クロスリンクバー191を介して連動し、前後に移動して互いに接近したり離れたりする。
【0065】
そして、左前永久磁石対mflの容器185に突設されたガイドピンPflに後端を軸支されて前方に長尺の連接バー195が延び、同連接バー195はケース181から飛び出しており、その前端がクランク196の先端にピン197により軸支されてクランク・スライダ機構を構成している。
【0066】
同様に、右前永久磁石対mfrの容器185に突設されたガイドピンPfrに後端を軸支されて前方に長尺の連接バー198が延び、同連接バー198はケース181から飛び出しており、その前端がクランク199の先端にピン200により軸支されてクランク・スライダ機構を構成しいる。
【0067】
クランク196とクランク199は、互いに約90度の角度を存して回転軸201に同軸に嵌着されている。
クランク196とクランク199の間に挟まれるようにして被動プーリ202が、回転軸201に嵌着されている。
【0068】
そして、ケース181の下板181lの右前隅にモータ205が取り付けられ、モータ205の上方に突出した駆動軸205aが下板181lを貫通してケース181内に飛び出しており、この飛び出した駆動軸205aに駆動プーリ206が嵌着されている。
この駆動プーリ206と前記被動プーリ202との間に無端ベルト207が架渡される。
【0069】
したがって、モータ205を駆動すると、無端ベルト207を回動して回転軸201がクランク196とクランク199とともに回転する。
クランク196の回転は、連接バー195を介して左前永久磁石対mflを前後に往復動させ、左前永久磁石対mflの往復動は、リンクバーLfl,クロスリンクバー190,リンクバーLrrを介して右後永久磁石mrrを連動し往復動させる。
【0070】
また、クランク199の回転は、連接バー198を介して右前永久磁石対mfrを前後に往復動させ、右前永久磁石対mfrの往復動は、リンクバーLfr,クロスリンクバー191,リンクバーLrlを介して左後永久磁石mrlを連動し往復動させる。
【0071】
このモータ205の駆動も前記マイクロコンピュータ170により制御される。
モータ205を駆動して4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrを前後に往復動させることで、馬模型20が4本の脚部24L,24R,25L,25Rを揺動して走駆する様子を、図8および図9に経時的に図示し説明する。
【0072】
図8および図9(さらに図2)において、走行板5の下側の4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrは、上段が右側の永久磁石対mfr,mrrを示し、下段が左側の永久磁石対mfl,mrlを示し、各永久磁石184には上側の極性が表示されている。
馬模型20の4本の脚部24L,24R,25L,25Rの足端部24L3,24R3,25L3,25R3に埋設された永久磁石Mfl,Mfr,Mrl,Mrrは、前記のように全てN極を足裏に向けている。
【0073】
図8(1)においては、左前永久磁石対mflと右後永久磁石対mrrは互いに近づいた位置にあり、左前脚部24Lの永久磁石Mflが左前永久磁石対mfrのS極に磁化した外側(前側)の永久磁石184に走行板5を介して吸着し、同様に右後脚部25Rの永久磁石Mrrが右後永久磁石対mrrのS極に磁化した外側(後側)の永久磁石184に走行板5を介して吸着し、左前脚部24Lと右後脚部25Rの2本で馬模型20が支持され、同時に右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlは互いに離れており、その内側の永久磁石184,184のN極により右前脚部24Rと左後脚部25Lはその永久磁石Mfrと永久磁石Mrlが反発されて前方および後方に跳ね上げられている。
【0074】
次に、モータ205の駆動によりクランク196,199が上面視で右回りに約90度回転すると、図8(2)に示すように、左前永久磁石対mflと右後永久磁石対mrrが互いに離れていき、右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlが互いに近づくので、左前脚部24Lと右後脚部25Rは互いに開いて、限られた長さの左前脚部24Lの前方より上方への揺動が大きくなると、左前永久磁石Mflが吸着された左前永久磁石対mflの外側(前側)の永久磁石184から離れ、内側の同極の永久磁石184により反発されて、左前脚部24Lは前上方へ振り上げられ、限られた長さの右後脚部25Rの後方より上方への揺動が大きくなると、右後永久磁石Mrrが吸着された右後永久磁石対mrrの外側(後側)の永久磁石184から離れ、内側の同極の永久磁石184により反発されて、右後脚部25Rは後上方へ蹴り上げられる。
【0075】
代わって右前脚部24Rと左後脚部25Lが互いに閉じてその永久磁石Mfrと永久磁石Mrlが右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlの外側の永久磁石184,184に吸着して馬模型20を支持する。
【0076】
さらに、クランク196,199が上面視で右回りに約90度回転すると、図9(3)に示すように、左前永久磁石対mflと右後永久磁石対mrrは互いにさらに離れた後近づくようになり、右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlは益々近づき接近するので、左前脚部24Lと右後脚部25Rは互いに一度開いた後閉じ、右前脚部24Rと左後脚部25Lは右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlの外側の永久磁石184,184に吸着したままで互いにさらに閉じながら馬模型20を支持する。
【0077】
またさらに、クランク196,199が右回りに約90度回転すると、図9(4)に示すように、左前永久磁石対mflと右後永久磁石対mrrはさらに互いに近づき接近し、右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlは互いに離れていくので、左前脚部24Lと右後脚部25Rは互いに閉じてその永久磁石Mflと永久磁石Mrrが左前永久磁石対mfrと右後永久磁石対mrrの外側の永久磁石184,184に吸着して馬模型20を支持し、右前脚部24Rと左後脚部25Lはその永久磁石Mfrと永久磁石Mrlが永久磁石Mfrと永久磁石Mrlの外側の永久磁石184,184のS極に吸引されながらも内側の永久磁石184,184のN極により反発されて上方に上げられている。
【0078】
次に、クランク196,199が右回りに約90度回転すると、図8(1)に示す状態に戻る。
このように、モータ205の駆動によりクランク196,199が回転することで、磁石往復動機構180を介して4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrが、ガイド孔182L,182Rに案内されて前後に往復動し、それぞれに従動して少なくとも2本の脚部が馬模型20を常に支持するようにして4本の脚部24L,24R,25L,25Rを揺動する。
【0079】
4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrは、それぞれ前後に往復動しながら走行体160の走行により走行板5の下面に沿って移動するので、馬模型20は4本の脚部24L,24R,25L,25Rを揺動しながら追従して走行板5上を走駆する。
【0080】
この馬模型20の走駆に際して、前脚部24L,24Rが前上方へ振り上げられ、左後脚部25L,25Rが後上方へ蹴り上げられる状態が形成されるので、実際の馬の走駆する脚部の動きに近い動きをさせることができ、不自然な印象を与えることがない。
【0081】
前記したように、左前脚部24Lと右後脚部25Rは上側連動機構70により連動し、右前脚部24Rと左後脚部25Lは下側連動機構80により連動するようになっているので、前後脚部双方から脚部の揺動が促されて動きを円滑にするとともに、常に馬模型20の胴体部21が4本の脚部24L,24R,25L,25Rの中央の自然な位置に支えられる。
【0082】
4組の永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrを簡単な磁石往復動機構180により往復動させることで、馬模型20の4本の脚部24L,24R,25L,25Rを揺動させるので、電磁石を全く使わず、よってそのための配線も不要で、構造が簡単でコストの低減を図ることができる。
【0083】
なお、モータ205の駆動によりクランク196,199を回転して永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrを前後に往復動していたが、ボールねじ機構を用いて往復動させてもよい。
その際、左前永久磁石対mflと右後永久磁石mrrを連動するクロスリンクバー190および右前永久磁石対mfrと左後永久磁石mrlを連動するクロスリンクバー191を残しておくことで、2組のボールねじ機構およびモータで駆動させることができる。
【0084】
次に磁石往復動機構180の変形例を図10に示し説明する。
本磁石往復動機構250は、ケース251の上板251uに形成された左右平行な左ガイド孔252Lと右ガイド孔252Rが、前記ケース181のガイド孔182L,182Rと異なり、両端が左右外側に湾曲している。
この点が異なる以外は、前記磁石往復動機構180と同じなので、同じ部材は同じ符号を用いることとする。
【0085】
すなわち、左ガイド孔252Lは、両端が左側に反り返るように滑らかに湾曲した前後湾曲部252Lf,252Lrを形成し、右ガイド孔252Rは、両端が右側に反り返るように滑らかに湾曲した前後湾曲部252Rf,252Rrを形成している。
【0086】
したがって、永久磁石対mfl,mfr,mrl,mrrが嵌挿された容器185が左右のガイド孔252L,252Rの両端を除く直線部分にあるときは、対をなす2つの永久磁石184,184がガイド孔252L,252Rの直線に沿って前後に並んだ姿勢にあるが、前後端部の湾曲部252Lf,252Rf,252Lr,252Rrに至ると、前後外側の磁石184の下方に延びるガイドピンPfl,Pfr,Prl,Prrが湾曲部252Lf,252Rf,252Lr,252Rrに案内されてガイド孔252L,252Rの直線から左右外側に外れる。
【0087】
例えば、図10に示す状態は、前記図8(1)に示す状態と同じであり、左前永久磁石対mflと右後永久磁石対mrrは互いに近づいたガイド孔252L,252Rの直線上の位置にあるが、右前永久磁石対mfrと左後永久磁石対mrlは互いに離れて、右前永久磁石対mfrは右ガイド孔252Rの前端湾曲部252Rfにあって前側の磁石184が右ガイド孔252Rの直線から右側に外れて容器185が斜めになっており、左後永久磁石対mrlは左ガイド孔252Lの後端湾曲部252Lrにあって後側の磁石184が左ガイド孔252Lの直線から左側に外れて容器185が斜めになっている。
【0088】
馬模型20の左側前後の脚部24L,25Lは、左ガイド孔252Lの直線部分に沿って揺動し、右側前後の脚部24R,25Rは、左ガイド孔252Rの直線部分に沿って揺動するので、右前脚部24Rの永久磁石Mfrが右前永久磁石対mfrの前側の永久磁石184に吸着されて前方に移動し、右前永久磁石対mfrが右ガイド孔252Rの前端湾曲部252Rfに至り前側の磁石184が右ガイド孔252Rの直線から右側に外れると、右前脚部24Rの永久磁石Mfrの揺動軌道からも外れることになり永久磁石Mfrは前側の永久磁石184との吸着が円滑に解除され、後側の永久磁石184により反発されて前方に跳ね上げられる。
【0089】
同様に、左後脚部25Rの永久磁石Mrlが左後永久磁石対mrlの後側の永久磁石184に吸着されて後方に移動し、左後永久磁石対mrlが左ガイド孔252Rの後端湾曲部252Lrに至り後側の磁石184が左ガイド孔252Rの直線から左側に外れると、左後脚部25Rの永久磁石Mrlの揺動軌道からも外れることになり永久磁石Mrlは後側の永久磁石184との吸着が円滑に解除され、前側の永久磁石184により反発されて後方に跳ね上げられる。
【0090】
このように、左右のガイド孔252L,252Rの前後両端を左右外側に湾曲させておくことで、脚部の足端部の吸着をいつまでも引きずることなく所定位置で速やかにかつ円滑に解除して足端部を跳ね上げることができる。
したがって、ガイド孔252L,252Rの前後長を短くすることができ、よってケース251を多少コンパクトにすることができる。
【0091】
なお、本願発明は、4本の脚部を持つ模型体に限らず、人間のように2本の脚部を持つもの、あるいは昆虫のように6本の脚部を持つものなど複数の脚部を持つものに適用可能であり、さらには動物模型に限らず船模型などの複数のオールで漕いで移動するものも適用でき、その場合オールが脚部に相当する。
【0092】
また、本願発明は、模型体が仕切板を隔てた駆動体とともに移動するものに限らず、駆動体の駆動により模型体が定位置で脚部のみを動作させるものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施の形態に係る4脚模型体走行装置を適用した競馬ゲーム機の全体斜視図である。
【図2】同4脚模型体走行装置の側面図である。
【図3】馬模型の上面図である。
【図4】同正面図である。
【図5】馬模型の部分分解斜視図である。
【図6】磁石往復動機構の上面図である。
【図7】一部省略した磁石往復動機構の下面図である。
【図8】馬模型の4脚の動きを経時的に示す説明図である。
【図9】図8の続きを示す説明図である。
【図10】磁石往復動機構の変形例の上面図である。
【符号の説明】
【0094】
1…競馬ゲーム機、2…4脚模型体走行装置、3…騎手模型、4…基台、5…走行板、6…サテライト、7…表示画面部、8…操作パネル、9…コイン投入口、10…コイン払出口、11…アーム部、12…天井部、13…スピーカ、14…照明装置、15…支持板、16…ディスプレイ、
20…馬模型、21…胴体部、21L,21R…胴体板、22…首部、23…尻尾部、
24L…左前脚部、24R…右前脚部、25L…左後脚部、25R…右後脚部、24L1,24R1,25L1,25R1…大腿部、24L2,24R2,25L2,25R2…脛部、24L3,24R3,25L3,25R3…足端部、
Mfl,Mfr,Mrl,Mrr…永久磁石、
30…連結板、31…クロスバー、32…枢軸、33L,33R…軸受孔、34…枢軸、35L,35R…軸受孔、36L,36R,37L,37R…長孔、38L,38R,39L,39R…ガイドピン、40L,40R,41L,41R…ピン、
50,51…大腿板、52…カラー、53…連結ピン、54…支軸、55…リンクバー、56…ピン、57…枢軸、
60,61…大腿板、62…カラー、63…連結ピン、64…支軸、65…リンクバー、66…ピン、67…支軸、
70…上側連動機構、71…支軸、72…旋回アーム、73L…左摺動部材、73R…右摺動部材、74L,74R…ピン、
80…下側連動機構、82…旋回アーム、83L…左摺動部材、83R…右摺動部材、
150…4脚模型体走行装置、160…走行体、161…筐体、162…駆動輪、163F,163R…車輪、165…インホイールモータ、
170…マイクロコンピュータ、172…走行用モータ駆動回路、173…集電装置、180…磁石往復動機構、181…ケース、182L…左ガイド孔、182R…右ガイド孔、183…枢軸、
mfl,mfr,mrl,mrr…永久磁石対、184…永久磁石、185…容器、
186…摺動板、187…スプリング、Pfl,Pfr,Prl,Prr…ガイドピン、Lfl,Lfr,Lrl,Lrr…リンクバー、188…ガイドピン、190,191…クロスリンクバー、192…ピン、193…ピン、195…連接バー、196…クランク、197…ピン、198…連接バー、199…クランク、200…ピン、201…回転軸、202…被動プーリ、205…モータ、206…駆動プーリ、207…無端ベルト、
250…磁石往復動機構、251…ケース、252L…左ガイド孔、252R…右ガイド孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切板上で複数の脚部により本体を支える模型体が、前記仕切板を隔てた下方に配設された駆動体の駆動に従動して動作する模型体駆動装置において、
前記模型体は、
前記複数の脚部が各々前後に揺動可能で、
前記複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられ、
前記駆動体は、
互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられ、
往復駆動機構により複数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記模型体の複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させることを特徴とする模型体駆動装置。
【請求項2】
前記前後1対の磁石対は、
中央寄りの磁石が対応する足端部の磁石の足裏の磁極と同極に磁化され、
外側の磁石が対応する足端部の磁石の足裏の磁極と異極に磁化されていることを特徴とする請求項1記載の模型体駆動装置。
【請求項3】
前記駆動体は、移動機構により移動可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の模型体駆動装置。
【請求項4】
移動板上で前後左右の4本の脚部により本体を支える模型体が、前記移動板を隔てた下方に配設された駆動体の駆動に従動して動作する模型体駆動装置において、
前記模型体は、
前記4本の脚部が各々前後に揺動可能で、
前記4本の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられ、
前記駆動体は、
前記移動板の下方を移動機構により移動可能で、
互いに異極を上方に向けた1対の永久磁石を前記移動板の下面に沿って移動方向前後に近接して配列した4組の磁石対が上方の模型体の4本の脚部の各足端部にそれぞれ対応して移動方向に往復動自在に設けられ、
往復駆動機構により4組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記模型体の4本の脚部の各足端部の永久磁石に磁力を働かせて4本の脚部をそれぞれ揺動させることを特徴とする模型体駆動装置。
【請求項5】
前記往復駆動機構は、
左前磁石対と右後磁石対が互いに接近・離反し、右前磁石対と左後磁石対が互いに接近・離反するように、4組の磁石対を往復動させることを特徴とする請求項4記載の模型体駆動装置。
【請求項6】
複数の脚部により本体を支える模型体と仕切板を介して磁力により結合される駆動体であって、
前記複数の脚部が各々前後に揺動可能で、前記複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられた模型体の下方で前記仕切板を隔てた反対側に配設され、
互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられ、
往復駆動機構により複数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記模型体の複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させることを特徴とする駆動体。
【請求項7】
駆動体と仕切板を介して磁力により結合され、前記仕切板上で複数の脚部により本体を支える模型体であって、
前記複数の脚部が各々前後に揺動可能で、前記複数の脚部の各足端部にそれぞれ磁石が一方の磁極を足裏に向けて設けられ、
互いに異極を上方に向けた1対の磁石を前記仕切板の下面に沿って前後に近接して配列した複数組の磁石対が上方の模型体の複数の脚部の各足端部にそれぞれ対応して前後方向に往復動自在に設けられた駆動体の上方で前記仕切板を隔てた反対側に配設され、
往復駆動機構により前記複駆動体の数組の磁石対を同時に前後に往復動させることで、前記複数の脚部の各足端部の磁石に磁力を働かせて複数の脚部をそれぞれ揺動させることを特徴とする模型体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−175356(P2007−175356A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378613(P2005−378613)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】