説明

機器操作方法、画像形成装置および機器操作制御システム

【課題】 別画面に画面遷移する際、装置への不必要な操作指示や2度押しを防止する。
【解決手段】 画像形成装置Aは画像形成部9、表示パネル部7f、検出部15、通信部11および表示制御部13を有する。表示部7fは背景画面とこれに画面情報を表示した表示フレームを表示する。検出部15は、表示フレームに対する画面操作指示と機器に対する表示部7f以外の機器操作指示とを検出する。通信部11は画面操作指示を送信し次画面情報を受信する。表示制御部13は、次画面情報の要求がなされたとき、背景画面に設けた機能として機器操作指示および画面操作指示をロック制御する。表示制御部13は、表示フレームにおける次画面情報の描画完了を検出したとき、ロック状態を解除制御し、次画面としての表示フレームを表示部7fに表示制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機器操作方法、画像形成装置および機器操作制御システムに係り、電子機器、特に、ブラウザを搭載した複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置に関する機器操作方法、当該画像形成装置および機器操作制御システムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機等の画像形成装置においては、機能の豊富化に伴い、多数の操作ボタン等を画面情報として表示部に表示したり、表示した操作パネル部にタッチする等して画面操作指示する機能を有する構成が提供されている。
【0003】
このような機能の画像形成装置では、多数の表示画面を切り替え表示するために、Web(World Wide Web)ブラウザ(ブラウザと略称する。)を搭載し、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに対し、HTTP(HyperText Transfer Protocol)規約に従って要求メッセージをサーバコンピュータへ送信し、これに応じた応答メッセージを受信し、ブラウザがその応答メッセージを解析して表示部にそれら画面情報を切り替え表示する構成が提供されている。
【0004】
ところが、サーバコンピュータに対する要求メッセージは、画像形成装置の表示部に表示された画面中の操作ボタン等をタッチ指示してそれを送信するが、その際、画像形成装置のスタートキー、ストップキー、リセットキー等のハードキーを誤って押下操作したり、これらを2度押し等する場合が往々にしてあり、誤動作の原因になり易いから、2度押し等を防止する工夫が求められる。
【0005】
このような2度押しを防ぐため、例えば特開2009−64408号公報(特許文献1)のような情報処理装置が提案されている。
【0006】
この特許文献1は、送信開始操作受付領域内を指示する入力操作を受け付けたとき、操作ボタン等の個々の送信開始操作受付領域や複数の送信開始操作受付領域全体を覆う透明フレームを前面に配置してなり、サーバの処理能力を低下させることなく、データの二重送信を防止したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−64408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1では、個々の送信開始操作受付領域又は複数の送信開始操作受付領域全体に透明フレームを配置する構成であるため、スタートキー、ストップキー、リセットキー等のように画像形成装置の操作指示に対する操作や2度押しを防止するものではなく、誤操作を防止する観点から改善が望まれている。
【0009】
さらに、上述した特許文献1では、確実な二重送信を防止するためには全ての送信開始操作受付領域に透明フレームを入れたり、何れの送信開始操作受付領域を覆って透明フレームを配置するのかの特定が必要であり、サーバコンピュータで動作させるWebアプリケーションプログラムの開発が煩雑である。
【0010】
特に、近年、画像形成装置において、出荷した後にユーザがアプリケーションプログラムをカスタマイズし易いよう、製造メーカ側がWebアプリケーションプログラム開発用の作成ツール(SDK:software development kit)を提供するようになってきており、画面遷移時の2度押し防止等を意識することなくWebアプリケーションプログラム開発可能な手法が望まれている。
【0011】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、別画面に遷移する際に装置への不必要な操作指示やこの2度押し防止が可能で、それら不用意な操作防止機能を意識させることなくアプリケーションプログラム作成も可能な機器操作方法、画像形成装置および機器操作制御システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る機器操作方法は、機器において、背景画面とこの背景画面に種々の画面情報とを表示した表示フレームを表示する表示部に対し、ブラウザにより一の表示フレームを表示する表示工程と、その表示部の表示フレームにおける画面情報への画面操作指示を検出する第1の検出工程と、その機器に対する表示部以外の機器操作指示を検出する第2の検出工程と、検出された画面操作指示に基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を要求する要求工程と、その次画面情報の要求がなされたとき、背景画面に設けた機能として機器操作指示の入力をロックする入力ロック工程と、を具備している。
【0013】
本発明の請求項2に係る機器操作方法は、上記入力ロック工程が、その背景画面に設けた機能として表示フレームからの画面操作指示の入力をロックする構成である。
【0014】
本発明の請求項3に係る機器操作方法は、上記画面操作指示の要求に基づき、所定のWebアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する次画面情報を応答する画面応答工程と、応答された次画面情報の表示フレームにおける描画完了を前記ブラウザが検出したとき、その機器操作指示および画面操作指示のロック状態を解除し、次画面としての表示フレームを表示部に切替え表示する画面切替工程と、を具備している。
【0015】
本発明の請求項4に係る機器操作方法は、上記入力ロック工程が、その背景画面に設けた機能として画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを表示部の最前面に表示する構成である。
【0016】
本発明の請求項5に係る機器操作方法は、上記入力ロック工程が、その背景画面自体又はこれに付属するロックフレームを表示する構成である。
【0017】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、画像データからこれを画像形成する画像形成部と、ブラウザに基づき、背景画面とこの背景画面に前記画像データに係る種々の画面情報を表示した表示フレームを表示する表示部と、この表示部の表示フレームにおける画面情報への画面操作指示および機器に対する表示部以外の機器操作指示を検出する検出部と、検出された画面操作指示を外部に送信するとともにこれに基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を受信する通信部と、その表示フレームを表示制御するとともに、次画面情報の要求がなされたとき、背景画面に設けた機能として機器操作指示および画面操作指示の入力をロック制御し、その画面操作指示の要求に基づき受信された次画面情報について、その表示フレームにおける次画面情報の描画完了をブラウザが検出したとき、ロック状態を解除制御し、次画面としての表示フレームを表示部に切替え表示制御する表示制御部と、を具備している。
【0018】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、上記表示制御部が、その背景画面に設けた機能として画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを表示部の最前面に表示制御するとともに、上記表示制御部が、描画完了をブラウザが検出したとき、そのロックフレームを除去する構成である。
【0019】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、上記表示制御部が背景画面自体又はこれに付属する前記ロックフレームとして表示する構成である。
【発明の効果】
【0020】
このような本発明の請求項1に係る機器操作方法では、背景画面とこの背景画面に種々の画面情報とを表示した表示フレームを表示部に表示し、その表示部の表示フレームにおける画面情報への画面操作指示を検出し、その機器に対する表示部以外の機器操作指示を検出し、検出された画面操作指示に基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を要求し、その次画面情報の要求がなされたとき、背景画面に設けた機能として機器操作指示の入力をロックする入力ロックするから、次の別画面に遷移する際に装置への不必要な操作指示やこの2度押し防止等が可能で、それら不用意な操作防止機能を意識することなくアプリケーションプログラム作成も可能になる。
【0021】
本発明の請求項2に係る機器操作方法では、その背景画面に設けた機能として表示フレームからの画面操作指示の入力をロックするから、画面遷移時の表示画面に対する2度押し防止等が可能である。
【0022】
本発明の請求項3に係る機器操作方法では、画面操作指示の要求に基づき、所定のWebアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する次画面情報を応答し、応答された次画面情報の表示フレームにおける描画完了をブラウザが検出したとき、その機器操作指示および画面操作指示のロック状態を解除し、次画面としての表示フレームを表示部に切替え表示するから、画面遷移の過程における2度押し防止等が容易であり、スムースな画面切り替えも可能である。
【0023】
本発明の請求項4に係る機器操作方法では、その背景画面に設けた機能として画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを表示部の最前面に表示し、描画完了をブラウザが検出したときそのロックフレームを除去するから、画面遷移時の表示画面の表示を確保した状態で2度押し防止等が可能である。
【0024】
本発明の請求項5に係る機器操作方法では、その背景画面自体又はこれに付属するロックフレームを表示するから、表示部に背景画面を表示させれば、自動的にそれら機器操作指示および画面操作指示のロック状態を形成可能であり、操作も簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る機器操作方法を実施する画像形成装置および情報処理装置を含む機器操作制御システムを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の操作パネル部を説明する図である。
【図3】本発明に係る機器操作制御システムで用いるWebアプリケーションプログラムの概略を説明する図である。
【図4】本発明に係る機器操作制御システムの動作を説明する図である。
【図5】本発明に係る機器操作制御システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る機器操作方法、画像形成装置および情報処理装置は機器操作制御システムを説明する過程で説明する。
【0027】
図1は本発明に係る画像形成装置および情報処理装置の実施の一形態を機器操作制御システムとともに示す概略ブロック図である。
【0028】
図1において、機器操作制御システムは、画像形成装置AとこれにネットワークNTを介して接続された情報処理装置Bとを有して構成されている。
【0029】
まず、画像形成装置Aの構成から説明する。
【0030】
図1において、画像形成装置Aは、主制御部1を中心にして画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9および通信部11を有し、例えば複合機(MFP)を構成している。画像形成装置Aとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0031】
主制御部1は、画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9および通信部11その他を制御するものである。
【0032】
画像読取部3は、画像形成装置Aにおいて、主制御部1の制御の下、例えば印刷された原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的画像データを生成する公知のスキャナー等であり、生成した画像データが原稿の頁毎に記憶部5に順次記憶されるようになっている。
【0033】
記憶部5は、画像読取部3からの画像データ、主制御部1の動作プログラム、後述する画像表示制御プログラムプログラムや、HTML(HyperText Markup Language)言語文書に基づく画像画面を表示させるプログラムであるブラウザ(例えば、Microsoft社のInternet Explorer(商標))等を格納する読み書き可能な例えばハードディスク(HDD)である。
【0034】
操作パネル部7は、図2に示すように、図示しない本体ケースの上部に配置され、主制御部1の制御の下、例えば、当該画像形成装置Aに対する後述する表示パネル部7f以外への機器操作指示を受付ける入力部と、種々の動作状態の表示が可能な表示部としての機能を有している。
【0035】
すなわち、操作パネル部7は、印刷(印字、コピー)処理、プリンタ処理、スキャナ処理、ファックス処理等の種々の操作指示や選択をする選択キー7a、それらの操作に係る動作機能の設定、変更等の機器操作指示を入力する入力部としてのテンキー7b、スタートキー7c、ストップキー7d、リセットキー7e等のハードキーの他、公知の例えば液晶表示パネルからなる表示部としての表示パネル部7f等を有している。
【0036】
表示パネル部7fは、画像形成装置Aの動作状態を画像画面で表示する機能を有し、印刷する用紙である用紙の選択、印刷形態の選択、印刷部数の選択、印刷の実行又は中止等の画面操作指示を入力する機能を有しており、主制御部1によって制御される。
【0037】
すなわち、表示パネル部7fは、ブラウザの動作に基づき、背景画面とこの背景画面に画像データに係る種々の画面情報を表示した表示フレーム、その他を表示する機能を有している。
【0038】
そのブラウザを制御する画像表示制御プログラムは、例えばJava(Sun Microsystems社の商標)アプレットやJavaスクリプト等によって予め作成され、ブラウザとともに画像形成装置Aの供給時に予めこれに設定されている。なお、表示フレームの例は後述する。
【0039】
なお、それらテンキー7b〜リセットキー7e等からの機器操作指示および表示パネル部7fによる画面操作指示は後述する検出部15で検出されるが、詳細は後述する。
【0040】
印刷部9は、図示はしないが、主制御部1の制御の下、用紙のセットされる複数の給紙段と、給紙段から1次給紙された用紙を2次給紙するとともに、2次給紙された用紙に対し、画像データに基づき形成したトナー像を転写する画像形成部と、トナー像の転写された用紙を加熱定着する定着部その他を有して形成されている。
【0041】
通信部11は、主制御部1の制御の下、これにネットワークNTを介して上述した情報処理装置Bに対し検出画面操作指示を送信するとともに、これに基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を受信する機能を有している。
【0042】
すなわち、通信部11は、所定のプロトコル例えばHTTP規約に従って要求メッセージ(HTTPリクエスト)を送信し、情報処理装置Bからの応答メッセージ(HTTPレスポンス)によるHTML文書を受信する機能を有している。
【0043】
主制御部1は、CPU(central processing unit)、このCPUの起動プログラムを格納した作業用メモリ部、入出力インターフェース(いずれも図示せず。)を有し、上述した画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9および通信部11その他を制御するとともに、以下のように表示制御部13および検出部15としての機能を有している。
【0044】
表示制御部13は、テンキー7b〜リセットキー7e等からの機器操作指示に基づき表示パネル部7fにおける表示画面を切り替え表示制御する一方、ブラウザに基づき動作し、通信部11を介して入力した情報処理装置Bからの応答メッセージ(HTTPレスポンス)にあるHTML文書を解析し、表示画像を形成して表示フレームとして表示パネル部7fに対し表示制御する機能を有している。この表示フレームは、後述するように、背景画面上に種々の画面情報を配置してものである。
【0045】
表示制御部13は、後述するように、次画面情報の要求がなされたとき、背景画面に設けた機能として選択キー7a〜リセットキー7e等のハードキーによる機器操作指示の受け付けをロックする入力制御機能を有するとともに、背景画面に設けた機能として画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを表示パネル部7fの最前面に表示制御する機能を有している。
【0046】
表示制御部13は、受信した応答メッセージ(HTTPレスポンス)に基づき、次画面としての表示フレームに対する描画完了をブラウザが検出したとき、機器操作指示の入力ロックを解除するとともにロックフレームを除去制御し、上述した次画面としての表示フレームを表示パネル部7fに表示制御する機能を有している。
【0047】
なお、表示フレームにおける次画面情報の描画完了は、例えばHTML文書規約における「onunload」によれば良い。
【0048】
検出部15は、操作パネル部7における選択キー7a〜リセットキー7e等のハードキーの押下による機器操作指示を検出する一方、表示パネル部7fにおける表示フレームを表示中に、当該表示フレームにおける画面情報(表示項目)へのタッチ押下等の画面操作指示を検出し、検出された画面操作指示の要求に基づき、次画面の要求メッセージ(HTTPリクエスト)を通信部11に出力する機能を有している。
【0049】
表示制御部13は、ハードキー押下時によるブラウザの一連の動作に基づき、次画面情報の要求と入力ロックを制御し、受信した次画面情報の描画完了によってそのロック状態を解除制御するとともに、次画面の表示フレームを表示パネル部7fに切替え表示制御する。
【0050】
すなわち、表示制御部13は、次画面情報の要求がなされたとき、背景画面に設けた機能として機器操作指示および画面操作指示の入力をロック制御し、画面操作指示の要求に基づき受信された次画面情報について、表示フレームにおける次画面情報の描画完了をブラウザが検出したとき、そのロック状態を解除制御し、次画面としての表示フレームを表示パネル部7fに切替え表示制御する機能を有している。
【0051】
次に、情報処理装置Bを説明する。
【0052】
情報処理装置Bは、図1に示すように、主制御部17、記憶部19、入力操作部21、表示部23、通信部25および画面応答制御部27を有する、例えばサーバコンピュータである。情報処理装置Bとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0053】
主制御部17は図示しないCPU、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)を有してなり、記憶部19、入力操作部21、表示部23、通信部25および画面応答制御部27その他を制御するものである。
【0054】
記憶部19は、情報処理装置Bの動作プログラム、Webアプリケーションプログラムプログラムを格納した例えばハードディスクである。
【0055】
Webアプリケーションプログラムは、画像形成装置Aの画面表示を制御するプログラムであり、アプリケーションプログラムを開発するための作成ツール(SDK)により、後述する表示フレーム等の画面情報を有して情報処理装置B又は図示しないコンピュータで作成される。
【0056】
画面情報は、画像形成装置Aや当該情報処理装置Bで表示させる以下の画面パーツを含むものであり、例えば図3に示すように、作成ツール(SDK)を情報処理装置Bで実行させ、種々の画面パーツ(画面情報:表示部品)であるパネルコントロールF1、ボタン(次へ(NEXT))F2、ボタン(カラー印刷)F3、ボタン(片面印刷)F4、ボタン(両面印刷)F5等の一覧であるツールボックスBOXを表示部23に表示させ、操作入力部21の操作により、パネルコントロールF1をドラッグして同一画面中のワークエリアWork中にドロップして背景画面を設定するとともに、上述したボタンF2〜F5をドラッグしてパネルコントロールF1上にドロップして作成し、これらを1画面(表示フレーム)としてファイル化することにより作成される。
【0057】
パネルコントロールF1は、上述したボタンF2〜F5が配置される背景画面であり、当該背景画面に設けた機能として上述した機器操作指示の入力ロック機能の他、画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを具備している。なお、ロックフレームは、背景画面自体であってもよいし、背景画面に付属する別フレームであっても良い。
【0058】
作成された当該画面に関連して表示される次画面も同様にして順次作成され(後述する図4参照)、Webアプリケーションプログラムの一部として構成される。
【0059】
なお、作成ツール(SDK)は、図示はしないが、製造メーカのWebサイト等からダウンロードして記憶する。
【0060】
図1の入力操作部21は、例えばキーボードおよびマウスであり、主制御部17の制御の下、上述したパネルコントロールF1、ボタンF2〜F5をドラッグしてドロップする機能、その他の入力指示機能を有している。
【0061】
表示部23は、情報処理装置Bの動作状態等の画像画面や上述したWebアプリケーションプログラムの動作画面を表示するディスプレイであり、主制御部17によって表示制御される。
【0062】
通信部25は、主制御部17の制御の下、これにネットワークNTを介して上述した画像形成装置Aに接続され、画像形成装置Aからの要求メッセージ(HTTPリクエスト)を受信し、次画面情報を含む対応する応答メッセージ(HTTPレスポンス)を画像形成装置Aに送信する機能を有するインターフェースである。
【0063】
画面応答制御部27は、画像形成装置Aにおいてブラウザに基づき表示された表示フレームでの表示ボタンF2〜F5への画面操作指示を画像形成装置Aから受け、画面操作指示の要求に基づき、Webアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する次画面情報を応答する機能を有している。なお、画面操作指示に対応する次画面情報は、上述したようにWebアプリケーションプログラムによって作成される。
【0064】
画面応答制御部27は、画像形成装置Aにおいて切り替わった表示フレームにおける表示ボタンF2〜F5への画面操作指示を画像形成装置Aから受け、画面操作指示の要求に基づき、Webアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する表示ボタンF2〜F5を背景画面に配置した次画面情報を表示フレームに対して順次応答する機能も有している。
【0065】
次に、本発明の機器操作制御システムの動作を図4および図5を参照して説明する。
【0066】
便宜上、情報処理装置Bからの応答メッセージ(HTTPレスポンス)により、予め画像形成装置Aの表示パネル部7fにはブラウザに基づき図4のような表示フレーム(例えば、ログイン画面(前画面))が表示されている(表示工程)、として説明する。
【0067】
動作プログラムが起動し、図5のステップS1にて操作パネル部7における例えばスタートキー7cが押下されると、検出部15が当該スタートキー7cへの機器操作指示を検出し(第2の検出工程)、ステップS2にて表示パネル部7fにおける画面遷移の有無(画面遷移フラグのON、OFF)を判別する。
【0068】
スタートキー7cの押下に伴う画面遷移中(画面遷移フラグON)であってステップS2がONであればステップS3に移り、ステップS3ではスタートキー7cの押下に伴う通常の動作処理、例えば印刷動作が開始され、終了する。
【0069】
画面遷移せずに(画面遷移フラグのOFF)であってステップS2がOFFであればステップS4に移る。
【0070】
ステップS4にて表示パネル部7fにおける表示フレームのボタンがクリックされると、検出部15が当該表示フレームにおける表示ボタンF2〜F5への画面操作指示を検出し(第1の検出工程)、検出部15が画面操作指示の要求メッセージ(HTTPリクエスト)を情報処理装置B(Webアプリケーションプログラム)側へ送信して次画面情報を画面要求し(要求工程)、ステップS5に移る。
【0071】
ステップS5では次画面情報の要求がなされたとき、操作パネル部7における選択キー7a〜リセットキー7e等の押下による機器操作指示の受け付けをロック制御するとともに、図4Bに示すように、表示制御部13が透過性のロックフレームをログイン画面上の最前面に表示してロック制御し(入力ロック工程)、ステップS6に移る。図4Bではロックフレームを斜め斜線で図示する。
【0072】
この状態では、選択キー7a〜リセットキー7e等の押下による機器操作指示や、表示フレームからの画面操作指示が入力されずにロックされ、情報処理装置Bとの通信中であっても、機器への操作指示が受付られない状態を維持し、動作状態等の画面表示を目視することが可能である。
【0073】
ステップS6では画面応答制御部27が画像形成装置Aからの要求メッセージ(HTTPリクエスト)に対し、Webアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する次画面情報を応答メッセージ(HTTPレスポンス)にして画像形成装置Aへ応答する(画面応答工程)。
【0074】
続くステップS7にて表示制御部13が次画面情報として応答された当該次画面情報を解析し、表示フレームにおける次画面情報の描画を完了させ、ステップS6にて表示制御部13が機器操作指示の解除制御やロックフレームを除去制御するとともに(画面遷移中フラグOFF)、次画面の表示フレーム(メニュー画面(後画面))を表示パネル部7fに切り替え表示し(画面切替工程)、終了する。
【0075】
なお、画像形成装置Aにおいて、表示パネル部7fに表示された背景画面(パネルコントロールF1)は、情報処理装置Bから取得された1番目の表示フレームのものを継続使用することが可能である。
【0076】
これらの主要な工程が本発明に係る機器操作方法を構成する。
【0077】
このように本発明の機器操作制御システムは、画像形成装置AとこれにネットワークNTを介して接続された情報処理装置Bを有し、これらは以下の構成を有している。
【0078】
すなわち、画像形成装置Aは、画像データからこれを画像形成する印刷部(画像形成部)9と、ブラウザに基づき、背景画面とこの背景画面に画像データに係る種々の画面情報を表示した表示フレームを表示する表示パネル部(表示部)7fと、この表示パネル部7fの表示フレームにおける画面情報への画面操作指示および機器に対する表示パネル部7f以外の機器操作指示を検出する検出部15と、検出された画面操作指示を外部に送信するとともにこれに基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を受信する通信部11と、その表示フレームを表示制御するとともに、次画面情報の要求がなされたとき背景画面に設けた機能として機器操作指示および画面操作指示の入力をロック制御し、その画面操作指示の要求に基づき受信された次画面情報について、その表示フレームにおける次画面情報の描画完了をブラウザが検出したときロック状態を解除制御し、次画面としての表示フレームを表示部に切替え表示制御する表示制御部13と、を具備している。
【0079】
また、情報処理装置Bは、画像形成装置Aにおいてブラウザに基づき表示される表示フレームとして表示される表示フレームでの表示項目への画面操作指示を画像形成装置Aから受け、その画面操作指示の要求に基づき、Webアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する次画面情報を表示フレームに対して応答する画面応答制御部27を具備している。
【0080】
そのため、情報処理装置Bからの画面情報を表示させる画像形成装置Aの表示パネル部7fにおいて、別画面に遷移するとき、装置への不必要な操作指示や画面操作指示の入力がロックされるから、これらの不必要な操作や2度押しが防止、され、これらに起因する誤動作を防止することが可能である。
【0081】
また、背景画面に設けた機能として装置への操作指示のロック制御や表示フレームに対する透過性のロックフレームの配置を制御するから、その不用意な操作防止機能を意識させることなくWebアプリケーションプログラムの作成が可能である。
【0082】
そして、透過性のロックフレームを表示パネル部7fの最前面に表示し、次画面の表示フレームに係る描画完了をブラウザが検出したときそのロックフレームを除去するから、画面遷移時の表示画面の表示を確保した状態で2度押し防止等が可能である。
【0083】
しかも、背景画面自体をロックフレームとして表示する構成では、背景画面に係るデータ量をあまり増加させ難く、高速動作の確保も容易であり、背景画面に付属するロックフレームを表示する構成では、背景画面自体のデータ構成をあまり複雑化させ難いし、スムースな画像切り替え表示も確保させ易いうえ、自動的にそれら機器操作指示および画面操作指示のロック状態を形成可能で、操作も簡素化される。
【0084】
上述した本発明の実施の形態においては、次画面情報の要求がなされたとき、背景画面に設けた機能として画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを表示パネル部7fの最前面に表示する構成であったが、本発明はこれに限定されず、表示フレームからの画面操作指示の入力をロックする機能であれば本発明の目的達成が可能である。
【0085】
すなわち、表示制御部13は、機器操作指示の画面操作指示の要求に基づき、所定のWebアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する次画面情報を応答する画面応答工程と、応答された次画面情報の表示フレームにおける描画完了を前記ブラウザが検出したとき、機器操作指示および画面操作指示のロック状態を解除し、次画面としての表示フレームを表示部に切替え表示する機能を有すれば良い。
【0086】
また、ロックフレームは、入力をロックする透過性のフレームであれば良く、透明性又は半透明性、任意である。
【0087】
そして、本発明の機器操作方法および画像形成装置Aにおいても、上述した機器操作制御システムの効果と同様の効果が得られる。
【0088】
なお、本発明の情報処理装置Bは、複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらの機能を有する複合機(MFP)等の画像形成装置の画像表示制御に限定されず、種々の電子機器に応用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1、17 主制御部
3 画像読取部
5、19 記憶部
7 操作パネル部
7a 選択キー
7b テンキー
7c スタートキー
7d ストップキー
7e リセットキー
7f 表示パネル部(表示部、入力部)
9 印刷部(画像形成部)
11、25 通信部
13 表示制御部
15 検出部
21 入力操作部
23 表示部
27 画面応答制御部
A 画像形成装置
B 情報処理装置(サーバコンピュータ)
NT ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器において、背景画面とこの背景画面に種々の画面情報とを表示した表示フレームを表示する表示部に対し、ブラウザにより一の前記表示フレームを表示する表示工程と、
前記表示部の前記表示フレームにおける前記画面情報への画面操作指示を検出する第1の検出工程と、
前記機器に対する前記表示部以外の機器操作指示を検出する第2の検出工程と、
検出された前記画面操作指示に基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を要求する要求工程と、
前記次画面情報の要求がなされたとき、前記背景画面に設けた機能として前記機器操作指示の入力をロックする入力ロック工程と、
を具備することを特徴とする機器操作方法。
【請求項2】
入力ロック工程は、前記背景画面に設けた機能として前記表示フレームからの前記画面操作指示の入力をロックする請求項1記載の機器操作方法。
【請求項3】
前記画面操作指示の要求に基づき、所定のWebアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する前記次画面情報を応答する画面応答工程と、応答された前記次画面情報の前記表示フレームにおける描画完了を前記ブラウザが検出したとき、前記機器操作指示および前記画面操作指示のロック状態を解除し、次画面としての前記表示フレームを前記表示部に切替え表示する画面切替工程と、を具備する請求項2記載の機器操作方法。
【請求項4】
前記入力ロック工程は、前記背景画面に設けた前記機能として前記画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを前記表示部の最前面に表示する請求項2又は3項記載の機器操作方法。
【請求項5】
前記入力ロック工程は、前記背景画面自体又はこれに付属する前記ロックフレームを表示する請求項4項記載の機器操作方法。
【請求項6】
画像データからこれを画像形成する画像形成部と、
ブラウザに基づき、背景画面とこの背景画面に前記画像データに係る種々の画面情報を表示した表示フレームを表示する表示部と、
この表示部の前記表示フレームにおける前記画面情報への画面操作指示および前記機器に対する前記表示部以外の機器操作指示を検出する検出部と、
検出された前記画面操作指示を外部に送信するとともにこれに基づき次に表示させる表示フレームに係る次画面情報を受信する通信部と、
前記表示フレームを表示制御するとともに、前記次画面情報の要求がなされたとき、前記背景画面に設けた機能として前記機器操作指示および前記画面操作指示の入力をロック制御し、前記画面操作指示の要求に基づき受信された前記次画面情報について、前記表示フレームにおける前記次画面情報の描画完了を前記ブラウザが検出したとき、前記ロック状態を解除制御し、次画面としての前記表示フレームを前記表示部に切替え表示制御する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記背景画面に設けた前記機能として前記画面操作指示の入力をロックする透過性のロックフレームを前記表示部の最前面に表示制御するとともに、前記表示制御部は、前記描画完了を前記ブラウザが検出したとき、前記ロックフレームを除去する請求項6項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記背景画面自体又はこれに付属する前記ロックフレームとして表示する請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記請求項6〜8いずれか1項記載の画像形成装置と、これにネットワークを介して接続された情報処理装置とを具備し、
前記情報処理装置は、前記画像形成装置からの前記画面操作指示の要求に基づき、所定のWebアプリケーションプログラムによって当該画面操作指示に対応する次画面情報を前記表示フレームに対して応答する画面応答制御部を具備することを特徴とする機器操作制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−138256(P2011−138256A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296971(P2009−296971)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】