説明

機器操作装置

【課題】 使用する際には簡単に登録した機能を選択可能な機器操作装置を提供する。
【解決手段】 操作部カバ1ーと、宛先選択軸2と、宛先選択軸2を取り外し可能かつ取り付け状態で回転自由に支持する上下移動可能な選択軸受け3と、宛先選択軸2を押下することでキー入力と回転位置を検出する位置検出センサ6aとを備え、宛先選択軸2のそれぞれの位置に割り付ける入力項目を変更可能とした機器操作装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機器(例えば、ファクシミリ装置や複写機などの画像形成装置)の入力操作を行う機器操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機器操作装置において、一つのキーに複数の機能やプログラムをなるべく多く割付可能とした複数機能キーが知られている。従来の複数機能キーに関しては、例えば、特許文献1に示されたように、切り替え軸を所定方向に倒すことで1個のキーに対して2個の機能を持たせるものが知られている。また、このユニット自体を開閉可能とすることで開いた際にもう一つの機能を割り付けることもできる。
【特許文献1】特開平8−320636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の複数機能キーを備えた機器操作装置においては、切り替え軸にヒンジを使用したり、ユニット自体を回動可能としているので、構成部品が増加して、装置が大きくなるだけではなく、構成部品費が上がり、全体の系として故障等に対する信頼性も下げてしまうことがあった。
本発明は、ファクシミリのワンタッチダイヤルのように、一つのキーに複数の機能やプログラムをなるべく多く割付可能としたうえで、使用する際には簡単に登録した機能を選択可能な機器操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、嵌合穴を有した操作部カバーと、該嵌合穴内に嵌合され且つ周面に被検出部を備えた宛先選択軸と、嵌合穴内に嵌合された宛先選択軸を回転自由に支持すると共に操作部カバー下面に対して上下移動可能に支持された選択軸受けと、選択軸受の直下に位置し宛先選択軸を押下することでキー入力と回転位置を検出する検出手段と、を備え、宛先選択軸のそれぞれの位置に割り付ける入力項目を変更可能としたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の機器操作装置において、宛先選択軸の表面に割り付けられた機能名を表示可能とし、操作部カバーに設けた嵌合穴から選択可能な機能名を視認可能とすることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の機器操作装置において、複数の宛先選択軸を個別に認識可能とし、一つの選択軸受けに対して宛先選択軸を入れ替えて複数個使用可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、操作部カバーに選択軸受けを介して回転可能に支持した宛先選択軸の押下動作と回転位置検出を行えるため、一箇所の操作部分で複数の機能を選択することが可能となり、利便性が向上する。
また、宛先選択軸の外周に、割り付けた機能を表示することが可能なため、誤操作を防ぐなど操作性が向上する。また複数の宛先選択軸を容易に入れ替えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る機器操作装置の斜視図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図である。
本機器操作装置はファクシミリ装置に適用したものであり、以下の宛先選択軸は送信宛先キーとして機能する。操作部カバー1には略円筒形の宛先選択軸2を設置して回転自由に支持するための長穴(嵌合穴)1aがある。この長穴1aに設けられた凹状の選択軸受け3に宛先選択軸2を設置した際の断面形状を図2、図3に示す。
図2、図3に示すように、宛先選択軸2は選択軸受け3の上に回転自在に支持されており、選択軸受け3は、図3に示すようにバネ4によって上方に付勢されており、操作部カバー1の裏面に当接している。宛先選択軸2を押下することで選択軸受け3は共に所定の下死点まで移動する。即ち、選択軸受け3は、円筒状の宛先選択軸2を略下半分を嵌合して転動自在に支持する支持部3aと、支持部3aから張り出されてカバー1の下面に当接可能に構成された張出し部3bとを有する。選択軸受け3の少なくとも一部は、宛先選択軸2を安定して回転させ得るように所定の剛性を有すると共に、支持部3aの内周は宛先選択軸2をスムーズに回転させ得るように低摩擦抵抗を有している。
ここで、宛先選択軸2の周面(外面に露出していてもよいし、埋設されていてもよい)には、図2に示すように軸方向、周方向に夫々所定の配置して複数の磁石(被検出部)5を配置する。宛先選択軸2自体に着磁可能な材質を用いて各々の部分が異なる配置の磁石を構成するようにしてもよい。
また、この磁石5と相対する下方位置に磁気リードスイッチなどの位置検出センサ(検出手段)6aを備えた基板6を配置し、宛先選択軸2が押し下げられて下死点まで移動したとき、対向する磁石5を検出できるようにしておく。個々の位置検出センサ6aにより宛先選択軸2の押しの有無と、そのときの宛先選択軸2の回転位置(回転角度)を検出することができる。
【0007】
宛先選択軸2の回転位置を検出するための被検出部及び検出手段の他の構成として、磁石からの磁気を検出する代わりに、反射率の異なる部分を宛先選択軸の外周面に所定の配列にて配置し、これを対向配置した反射型フォトセンサにより検知するようにしてもよい。例えば宛先選択軸2の外周に、白黒に塗り分けた部分を設け、これを反射型フォトセンサにより検出するようにしてもよい。また、宛先選択軸2の外周に導電パターン(被検出部)の有無を設けて、宛先選択軸2を押下した際に接触して導通される接点(検出手段)を対向する位置に設けることでも、宛先選択軸2の押下の有無と、そのときの宛先選択軸2の回転位置を検出することができる。
このように本発明の一つの特徴は、嵌合穴1aを有した操作部カバー1と、該嵌合穴内に嵌合され且つ周面に被検出部5を備えた宛先選択軸2と、嵌合穴内に嵌合された宛先選択軸2を回転自由に支持すると共に操作部カバー下面に対して上下移動可能に支持された選択軸受け3と、選択軸受の直下に位置し宛先選択軸を押下することでキー入力と回転位置を検出する検出手段6aと、を備え、宛先選択軸のそれぞれの位置に割り付ける入力項目を変更可能とした構成にある。
また、宛先選択軸2の表面に割り付けられた機能名を表示可能とし、操作部カバーに設けた嵌合穴1aから選択可能な機能名を視認可能とすることも他の特徴である。
上記のようにして検出した宛先選択軸2周面の各々の位置にファクシミリの通信宛先を割り付け、宛先選択軸2の外周部分に設けた宛先表示部分を記入可能としたり、シールなどを貼り付け可能とすることで、宛先選択軸2によって複数の宛先を簡単に選択することが可能となる。
また、検出できるパターンを1個の宛先選択軸2の整数倍とすることで、複数の宛先選択軸2を入れ替えて使用することもできる。つまり、検知手段によって、複数の宛先選択軸2を個別に認識可能とし、一つの選択軸受け3に対して宛先選択軸2を入れ替えて複数個使用可能としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係る機器操作装置の斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【符号の説明】
【0009】
1 操作部カバー
2 宛先選択軸
3 センタ軸受け
4 バネ
5 磁石
6a 位置検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合穴を有した操作部カバーと、該嵌合穴内に嵌合され且つ周面に被検出部を備えた宛先選択軸と、嵌合穴内に嵌合された宛先選択軸を回転自由に支持すると共に操作部カバー下面に対して上下移動可能に支持された選択軸受けと、選択軸受の直下に位置し宛先選択軸を押下することでキー入力と回転位置を検出する検出手段と、を備え、宛先選択軸のそれぞれの位置に割り付ける入力項目を変更可能としたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項2】
請求項1の機器操作装置において、宛先選択軸の表面に割り付けられた機能名を表示可能とし、操作部カバーに設けた嵌合穴から選択可能な機能名を視認可能とすることを特徴とする機器操作装置。
【請求項3】
請求項1の機器操作装置において、複数の宛先選択軸を個別に認識可能とし、一つの選択軸受けに対して宛先選択軸を入れ替えて複数個使用可能とすることを特徴とする機器操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−59197(P2006−59197A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241547(P2004−241547)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】