説明

機器登録方法及び機器登録システム

【課題】ユーザの使い勝手が良い機器の登録方法を提供する。
【解決手段】第1の機器は個人に関する情報である第1の情報を格納する。第2の機器は、個人に関する情報である第2の情報を第1の機器に送信する。第1の機器は、第2の機器から受信した第2の情報と、第1の情報とが一致するか否かを判断する。判断の結果、両情報が一致する場合、第1の機器は、第2の機器による登録装置へのアクセスが可能となるように、第2の機器のアクセス許可の登録を登録装置に指示する。登録装置は、指示を受けたときに、第2の機器が登録装置へアクセスできるように第2の機器に対するアクセス許可を登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話、テレビ、レコーダ等のいわゆるデジタル家電機器における機器登録方法及び機器登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭内においてもネットワークが普及し、ネットワークに接続可能なテレビ、レコーダ、デジタルカメラ等の電子機器が販売されている。ユーザはこれらの電子機器をネットワークに接続することで、データの共有化が可能となりユーザの利便性を向上できる。
【0003】
ネットワークを介した機器同士の連携においては、不正アクセス等を防止する観点から、ある機器に対してアクセス可能な機器を登録する処理である、いわゆる「ペアリング」が必要となる。従来、ペアリングは例えば次のように行われる。まず、アクセス許可の登録を行う機器はネットワーク上に接続された機器を検索する。アクセス許可の登録を行う機器は、ネットワーク上で発見された複数の機器のリストをユーザに提示する。アクセス許可の登録を行う機器は、そのリストの中からユーザにより選択された機器に対してアクセス許可を登録する。この方法では、機器同士の認証のために、ユーザは、アクセス許可の登録を行う機器を登録モードに設定し、提示された機器リストから相手機器を選択し、パスワードを入力するという操作を行う必要があった。特許文献1では、そのような機器リストを予め保持しておき、保持された機器リストから相手機器を選択し、機器同士の認証を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−151871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の方法では、ユーザは、機器リスト中のそれぞれの項目がどの機器に対応しているかを事前に把握しておく必要があり、ユーザにとって使い勝手が良いものではなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ユーザの使い勝手が良い機器の登録方法及び機器登録システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様において、登録装置ならびに第1および第2の機器を含むシステムにおける機器の登録方法が提供される。その機器の登録方法によれば、第1の機器は、個人に関する情報である第1の情報を格納する。第2の機器は、個人に関する情報である第2の情報を第1の機器に送信する。第1の機器は、第2の機器から受信した第2の情報と、第1の情報とが一致するか否かを判断する。判断の結果、両情報が一致する場合、第1の機器は、第2の機器による登録装置へのアクセスが可能となるように、第2の機器のアクセス許可の登録を登録装置に指示する。登録装置は、指示を受けたときに、第2の機器が登録装置へアクセスできるように第2の機器に対するアクセス許可を登録する。
【0008】
本発明の第2の態様において、第1および第2の機器を含むシステムにおける機器の登録方法が提供される。第1の機器は、第1の情報を格納する。第2の機器は、第2の情報を第1の機器に送信する。第1の機器は、第2の機器から受信した第2の情報と、第1の情報とが一致するか否かを判断する。判断の結果、両情報が一致する場合、第1の機器は、第2の機器に対する第1の機器への接続の許可を登録する。
【0009】
本発明の第3の態様において、機器登録システムが提供される。機器登録システムは、個人に関する情報である第1の情報を格納する格納手段を備えた第1の機器と、個人に関する情報である第2の情報を送信する送信手段を備えた第2の機器と、アクセス許可の登録を行う登録装置とを備える。第2の機器は、第2の情報を前記第1の機器に送信する。第1の機器は、第2の機器から受信した第2の情報と、第1の情報とが一致するか否かを判断する判断手段と、判断の結果、両情報が一致する場合、第2の機器による登録装置へのアクセスが可能となるように、第2の機器のアクセス許可の登録の指示を登録装置に送信する送信手段とを有する。
【0010】
本発明の第4の態様において、個人に関する情報である第1の情報を格納する記憶手段と、他の機器から、個人に関する情報である第2の情報を受信する受信手段と、第2の情報と前記第1の情報とが一致するか否かを判断する判断手段と、判断の結果、両情報が一致する場合、他の機器による登録装置へのアクセスが可能となるように、他の機器のアクセス許可の登録の指示を登録装置に送信する送信手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来の相手機器の指定とパスワードによる認証が、個人(例えば、登録装置の所有者)に関した情報(例えば、顔情報)で可能となり、直感的な操作で機器登録が完了できるため、ユーザの利便性が向上する。
【0012】
さらに、機器登録完了後、機器登録に使用した顔情報を続けて利用するアプリケーションと関連付けることでユーザに効果的な楽しみ方を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態における機器間の接続関係の一例を示す図
【図2】実施の形態における携帯電話(登録認証機器)の構成を示すブロック図
【図3】実施の形態における携帯電話(被登録機器)の構成を示すブロック図
【図4】実施の形態におけるペアリング手順(ケース1)を示すシーケンス図
【図5】実施の形態におけるペアリング手順(ケース2)を示すシーケンス図
【図6】テレビと携帯電話との連携動作を説明したシーケンス図
【図7】テレビと携帯電話との別の連携動作を説明したシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、ある機器(被登録機器)が他の機器(登録装置)へアクセスできるように、ある機器を他の機器へ登録する機器登録方法及びそれを実現するシステムを説明する。特に、本実施形態では、所定の人物(例えば、登録装置の所有者)に関する情報を、機器の登録において被登録機器の認証情報として用いる。これにより、後述するように容易な操作で機器登録が可能となり、機器登録におけるユーザの利便性を向上できる。
【0015】
実施の形態1
1.構成
図1は、本発明の実施の形態1における機器間の接続の一例を示した図である。携帯電話100と携帯電話200とテレビ300とは、ネットワーク(例えば、無線LAN)を介して接続可能である。テレビ300は、携帯電話100、200から画像を受信し、受信した画像を画面に表示する機能を備えている。
【0016】
1.1 前提条件
後述する説明においては以下の状況を想定する。
テレビ300と携帯電話100の所有者はユーザAであり、携帯電話200の所有者はユーザAの友人であるユーザBである。テレビ300はユーザAの自宅にあり、携帯電話100はテレビ300とペアリングが完了済みで、携帯電話100からテレビ300へ写真を表示することが可能となっている。ペアリングとは、前述のようにネットワークを介して通信を行うためにセキュリティ上必要な処理であって、ある機器(例えば、テレビ300)において他の機器(携帯電話100、200)に対するアクセス許可を登録する処理である。テレビ300における写真閲覧アプリケーション(後述)の実行において、テレビ300と携帯電話100、200とのペアリングが完了していることが必要である。携帯電話200は、携帯電話100とはペアリングが完了しているが、テレビ300とのペアリングは未だ行われていないとする。
【0017】
以上の想定の下、ユーザBがユーザAの自宅を訪れ、ユーザA及びユーザBが、お互いの携帯電話において記録している画像をテレビ300に表示し、閲覧して楽しむ場合について説明する。この場合、テレビ300並びに携帯電話100及び携帯電話200において、写真閲覧アプリケーションが実行される。写真閲覧アプリケーションは、携帯電話100及び携帯電話200に格納されている画像をテレビ300上で閲覧可能とするアプリケーションである。
【0018】
なお、以下では説明の簡単化のために、ユーザBの携帯電話200は1台のみとしているが、これに限らず、携帯電話200と同様の携帯電話が他に1台以上存在していても構わない。すなわち、以下に説明する思想は、ユーザAの自宅へ、複数の友人がそれぞれ携帯電話を持ってきた場合や、一人の友人が複数の携帯電話を持ってきた場合にも適用可能である。
【0019】
また、システムの構成要素としてテレビと携帯電話を例に挙げて説明したが、テレビ300に相当する機器として、光ディスクプレーヤのような映像再生装置、光ディスクレコーダ、ハードディスクレコーダのような映像記録装置、パソコンのような情報処理装置であっても構わない。また、携帯電話100、200に相当する機器として、デジタルカメラ、ムービーカメラのような撮像装置、PDA(Personal Digital Assistant)、パソコンのような情報処理装置であってもよい。すなわち、携帯電話100、200に相当する機器として、画像の撮影機能及び通信機能を有した機器が考えられる。
【0020】
1.2 携帯電話の構成
図2を用いて、ユーザAの携帯電話100の構成について説明する。図2は、携帯電話100の構成を示すブロック図である。
【0021】
携帯電話100は、撮影部101、プロフィール登録部102、顔情報抽出部103、顔情報認証部104、送受信部105、写真アプリ制御部110、及びテンポラリアクセス制御部120により構成されている。
【0022】
撮影部101は、携帯電話100の撮影機能を司る部分であり、レンズ、撮像素子、メモリ、ディスプレイ、及び、これらを制御するソフトウェアなどで構成される。
【0023】
プロフィール登録部102は、携帯電話100の所有者のプロフィール情報を携帯電話100内に登録する手段である。本実施形態では、所有者のプロフィール情報として所有者の顔画像の情報をメモリに格納する。プロフィール登録部102は、撮影部101で撮影された所有者の顔画像の情報をメモリの所定の領域へ記録する制御プログラムと、それを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。なお、ここで記録する情報は撮影した画像そのものであっても良いし、後述する顔情報抽出部103で抽出した、顔の特徴を示す情報である顔情報であっても良い。
【0024】
顔情報抽出部103は、画像から顔と思われる部分を抽出し、その顔の特徴を所定のパラメータに置き換えて顔情報として抽出するプログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0025】
顔情報認証部104は、後述する送受信部105を介して送信されてきた画像あるいは顔情報と、プロフィール登録部102で登録された顔画像または顔情報とを比較し、画像上の人物が同一人物かどうかを判別するプログラムと、それを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0026】
送受信部105は、テレビ300や他の携帯電話200などの他の機器と通信するためのネットワークインタフェースや通信処理プログラムである。
【0027】
写真アプリ制御部110は、携帯電話100内に記録した画像を、送受信部105を介してテレビ300などの外部機器へ表示するためのアプリケーションである写真閲覧アプリケーションを制御するプログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0028】
テンポラリアクセス制御部120は、自宅のテレビ300とペアリングが完了していない他の携帯電話からテレビ300へ一時的に画像を表示可能とするためのテンポラリアクセスを可能とするための制御プログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0029】
次に、図3を用いて、ユーザBの携帯電話200の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1における携帯電話200の構成を示すブロック図である。
【0030】
携帯電話200は、撮影部201、顔情報抽出部203、顔情報認証部204、送受信部205、写真アプリ制御部210、及び写真サーチ部230により構成されている。
【0031】
撮影部201は、携帯電話200の撮影機能を司る部分であり、レンズ、撮像素子、メモリ、ディスプレイ、及び、これらを制御するソフトウェアなどからなる。
【0032】
顔情報抽出部203は、撮影部201で得られた画像から顔と思われる部分を抽出し、その顔の特徴を所定のパラメータに置き換えて顔情報として抽出するプログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)で実現される。
【0033】
顔情報認証部204は、撮影部201で撮影した画像あるいは顔情報抽出部203で抽出した顔情報を後述する送受信部205を介して携帯電話100などの外部の機器に送付し、撮影した画像に写っている人物がそれらの外部の機器の所有者かどうかの認証結果を受信するプログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0034】
送受信部205は、テレビ300や携帯電話100などの他の機器と通信するためのネットワークインタフェースや通信処理プログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0035】
写真アプリ制御部210は、携帯電話200内に記録した画像を、送受信部205を介してテレビ300などの外部機器へ表示するための写真閲覧アプリケーションを制御するプログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0036】
写真サーチ部230は、撮影部201で撮影した画像から抽出した顔情報に一致する顔が写っている画像を、携帯電話200内に記録している画像の中から検索するプログラムとそれを実行するハードウェア(CPU等)とで実現される。
【0037】
なお、ここでは説明のため携帯電話100と携帯電話200を異なる構成としたが、上述したすべての手段を構成要素として保持し、携帯電話100と携帯電話200を同構成と成しても構わない。
【0038】
2.動作
2.1 ペアリング手順
図4、図5を用いて携帯電話同士でのペアリング手順について説明する。図4、図5は、本発明の実施の形態1におけるペアリング手順を示すシーケンス図である。
【0039】
2.1.1 プロフィール登録がある場合のペアリング手順
最初に、携帯電話100に、その所有者のユーザAのプロフィール登録(プロフィール情報の登録)がある場合(ケース1)のペアリング手順を説明する。図4は、プロフィール登録がある場合(ケース1)のペアリング手順を示した図である。なお、ペアリング開始にあたり、携帯電話100の所有者のユーザAは自分の顔の画像を撮影し、携帯電話100におけるプロフィール登録を既に完了している(S401)。このとき、撮影部101で撮影された画像がプロフィール登録部102により携帯電話100内に保存される。プロフィール登録は事前に一度行われていれば良く、ペアリングの度に行う必要は無い。
【0040】
ペアリングの開始において、ユーザBが携帯電話200でユーザAの顔を撮影する(S402)。撮影部201のディスプレイ上に撮影した画像が表示される。その際、撮影した画像に対する処理としていくつかの選択肢が表示され、その中に「この人の携帯電話と連携」という選択肢が含まれている。ユーザBによりその選択肢が選択される(S403)と、顔情報抽出部203は撮影した画像の顔情報を抽出し、顔情報認証部204は、送受信部205を介してネットワーク上へ顔情報をブロードキャストし(S404)、その顔情報に相当する顔情報を含むプロフィール情報を持つ機器をサーチする。なお、携帯電話100、200において撮影される画像は静止画が好ましいが、動画であってもよい。
【0041】
携帯電話100は、携帯電話200からブロードキャストされた顔情報を、送受信部105を介して受信し、顔情報認証部104により、プロフィール情報に登録された所有者と一致するかどうかを検索する(S405)。具体的には、顔情報抽出部103によりプロフィール情報の画像から顔情報を抽出し、顔情報認証部104が、抽出した顔情報と受信した顔情報とを比較する。抽出した顔情報と受信した顔情報とが一致する場合、すなわち、受信した顔情報人物がプロフィール情報に登録してある人物と一致する場合、顔情報認証部104は、送受信部105を介して携帯電話200に対して、「登録あり」を示す応答を返す(S406)。このとき、顔情報認証部104は携帯電話200のMACアドレスを登録する。
【0042】
携帯電話200は、携帯電話100から「登録あり」を示す応答を受信することにより、携帯電話100とペアリングが完了したことを認識する(S407)。ペアリング完了を認識すると、携帯電話200は携帯電話100のMACアドレスを登録する。
【0043】
携帯電話100においてプロフィール登録がある場合、以上のようにしてペアリングが実行される。
【0044】
2.1.2 プロフィール登録がない場合のペアリング手順
次に、ユーザAが携帯電話100に予めプロフィール登録を行っていない場合(ケース2)、すなわち、ステップS401の処理が未だ実行されていない場合について図5を用いて説明する。
【0045】
図5においてステップS402〜S405は図4のものと同じ処理である。携帯電話100においてプロフィール登録がないため、ステップS405の処理の結果、該当する顔情報は無く、顔情報認証部104は応答を返さず、携帯電話100はペアリング待ちモードに移行する(S408)。このペアリング待ちモードは、所定時間が経過すると解除される。
【0046】
一方、顔情報を送信(S404)後、他の機器からの応答を待っていた携帯電話200の顔情報認証部204は、所定時間が経過すると、応答の受信を待つことを中止する(S409)。このとき、携帯電話200は、例えば「見つかりませんでした。相手の携帯電話で相手の方の顔を撮影してもらってください。」などと表示して、ユーザに携帯電話100でのプロフィール登録の実行を促すとともに、ペアリング待ちモードへ移行する(S410)。
【0047】
携帯電話200の所有者ユーザBがユーザAへプロフィール登録を依頼し、ユーザAは依頼に応じて携帯電話100においてプロフィール登録を行う。このとき、携帯電話100のプロフィール登録部102は、撮影した顔画像をプロフィール登録すると共に、携帯電話100がペアリング待ちモードである場合は、顔情報抽出部103で顔画像から顔情報を抽出し、送受信部105を介して携帯電話200へ送信する(S411)。このとき、顔情報認証部104は携帯電話200のMACアドレスを登録する。これにより携帯電話100におけるペアリングが完了する。なお、ステップS411において、所定の条件を満たす場合にのみ、顔情報を送信するようにしてもよい。所定の条件は、例えば、撮影した画像に顔が含まれていることが考えられる。また、以前に顔情報を受信した携帯電話200に対してのみ送信する(ユニキャスト)のではなく、ネットワーク上にマルチキャストあるいはブロードキャストしても良い。
【0048】
携帯電話200がステップS410でペアリング待ちモードに入っている場合、送受信部205を介して他の機器から顔情報を受信したときに、顔情報認証部204は、受信した顔情報とステップS404で検索対象とした顔情報とが一致するか否かを比較する(S412)。一致する場合、携帯電話200は、携帯電話100のMACアドレスを登録して、携帯電話100とのペアリングを完了する(S413)。
【0049】
以上のように、機器の所有者の顔画像を認証情報として用いて携帯電話同士のペアリング処理が完了でき、双方で画像のやり取りなどが可能となる。上述のように、本実施形態では、顔画像を撮影して、顔画像の情報を送信するだけでペアリングが完了するため、ユーザは直感的な操作が可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0050】
2.2 テレビと携帯電話間の連携動作
図6を用いて、テレビ300と携帯電話100、200間の連携動作について説明する。図6は、本実施形態におけるテレビ300と携帯電話100、200間の連携動作を説明したシーケンス図である。以下に説明する連携動作を実現するために、携帯電話100、200からテレビ300に画像を送信し、テレビ300上でそれらの画像を表示する機能を実現するソフトウェアである写真閲覧アプリケーションがテレビ300において起動される必要がある。
【0051】
テレビ300(登録装置の一例)と携帯電話100(第1の機器の一例)はペアリングが完了済みであるとする。テレビ300と携帯電話100のペアリングは従来の手法で行われていても良い。また、携帯電話100には予めプロフィール登録が行われているものとする。
【0052】
最初に、テレビ300において写真閲覧アプリケーションが起動される(S510)。テレビ300において写真閲覧アプリケーションが起動されると、テレビ300はペアリング済みの携帯電話100に対して写真閲覧アプリケーションの起動を通知し(S511)、それと共にテレビ300の画面上に例えば「ゲストユーザは、ホストユーザの顔写真を撮影して下さい。」というメッセージを表示する。ここで、ゲストユーザは携帯電話200の所有者であるユーザBであり、ホストユーザは携帯電話100の所有者であるユーザAである。
【0053】
携帯電話200において携帯電話100の所有者ユーザAの顔画像が撮影される(S512)。携帯電話200は、撮影した画像から顔情報を抽出し、ネットワーク上へブロードキャストしてその顔情報に一致するデータを保持する機器をサーチする(S513)。
【0054】
携帯電話100は、受信した顔情報が、登録されたプロフィール情報の内容と一致するか否かを判断する(S514)。携帯電話100は、両者が一致する場合、テレビ300に対する携帯電話200のアクセスを許可するように、携帯電話200の登録をテレビ300に対して要請する(S515)。同時に、携帯電話100は、携帯電話200に対して、テレビ300へのアクセスに必要な接続情報、ここでは一例として、テレビ300のURL(Uniform Resource Locator)を通知する(S517)。なお、携帯電話100は、テレビ300に対する携帯電話200の登録の要請(S515)及び携帯電話200へのテレビ300のURLの通知(S517)の前に、携帯電話200の所有者であるユーザBに携帯電話200をテレビ300に登録してもよいか否かを確認するための確認画面を表示してもよい。そして、ユーザBの登録する旨の意思を確認できた場合にのみ、携帯電話100は、テレビ300に対する携帯電話200の登録の要請(S515)、及び携帯電話200へのテレビ300のURLの通知(S517)を行うようにしても良い。
【0055】
テレビ300は、携帯電話100からの登録の要請を受けると、携帯電話200を一時的に登録する(S516)。この登録により、携帯電話200はテレビ300へアクセスすることが可能となる。
【0056】
携帯電話200は、携帯電話100からURLを受け取ると、テレビ300へのアクセス許可が登録されたと判断し、テレビ300へ表示する画像を準備する。具体的には、携帯電話200の写真サーチ部230が、携帯電話200内に記録している画像の中から、ステップS512で撮影した画像の顔情報と一致する顔情報を持つ画像を検索し(S518)、受信したURLを参照して、検索した画像を他の画像に優先してテレビ300へ送信する(S519)。なお、テレビ300へ送信する画像は、携帯電話200において事前に撮影した画像の顔情報と一致する顔情報を持つ画像に限定されず、携帯電話200が送信できる画像であれば、任意の画像でよい。
【0057】
テレビ300は、アクセスを許可している携帯電話100や携帯電話200から画像を受信すると、受信した画像を画面上へ表示する(S520、S521)。
【0058】
携帯電話200はテレビ300において一時的に登録されていることから、テレビ300において写真閲覧アプリケーションが終了されると、テレビ300において、携帯電話200の登録すなわち携帯電話200のアクセス許可は取り消される。
【0059】
3.まとめ
以上のように、本実施形態では、携帯電話100は、個人の情報(例えば、テレビ300の所有者の顔画像)を用いて携帯電話200(被登録機器)の認証を行い、携帯電話200の正当性が認められた場合に、テレビ300(登録機器)に対して、携帯電話200のアクセス許可の登録を指示する。これにより、ホストユーザのテレビに対してゲストユーザの携帯電話を簡単に一時的に登録でき、各ユーザが撮影した写真をテレビ上で互いに見せ合うことが容易に実現可能となるため、ユーザの使い勝手が向上する。また、終了時に一時登録を自動的に取り消すので、ゲストユーザのアクセス権が残ってしまうことを防止でき、安全性が向上する。
【0060】
4.用語の対応
テレビ300は登録装置の一例である。携帯電話100は第1の機器、電子機器の一例である。携帯電話200は第2の機器の一例である。顔画像または顔画像から抽出した顔情報は、個人に関する情報(すなわち、第1及び第2の情報)の一例である。電話番号またはメールアドレスも個人に関する情報の他の例である。
【0061】
その他の実施の形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の思想は上記の実施の形態に限定されるものではない。以下に、本発明の思想の他の実施の形態について説明する。
【0062】
(1)実施の形態1では、携帯電話200が認証情報としてブロードキャストする情報として、撮影した画像から抽出した顔情報を用いたが、顔情報の代わりに、撮影した画像そのものを認証情報としてブロードキャストしてもよい。この場合、画像を受信した端末(携帯電話100)が、画像から顔情報を抽出するようにする。さらに、この場合、画像を受信した端末(携帯電話100)は、画像の撮影日時の情報を参照し、撮影日時が現在時よりも所定期間以上古い場合は、その画像の信頼性がないと判断し、プロフィール検索(S405、S514)を行わないようにしてもよい。
【0063】
(2)または、認証情報として、ユーザBの個人情報(メールアドレス、電話番号等)を携帯電話200からブロードキャストしてもよい。この場合、携帯電話100は、プロフィール情報としてユーザBのメールアドレスや電話番号等を登録しておき、携帯電話200から受信した個人情報に基づきプロフィールの検索を実行すればよい。
【0064】
例えば、認証情報として電話番号を使用する場合、図6の手順の代わりに図7に示すような手順も考えられる。すなわち、携帯電話200においてユーザAの顔を撮影した(S612)後、携帯電話200から携帯電話100に電話発信する(S613)。携帯電話100は携帯電話200から電話を受けると、着信した電話番号に基づきプロフィール検索を行う(S614)。具体的には、携帯電話100は、自己が管理するアドレス張に着信した電話番号が登録されているか否かを確認する。着信した電話番号がアドレス張に登録されていれば、プロフィールが登録されていると判断し、テレビ300に携帯電話200の登録を要請する(S615)。それとともに、携帯電話100は、アドレス張において電話番号に関連づけられて登録されたメールアドレスを検索し、そのメールアドレスにテレビ300のURLを送信する(S617)。携帯電話200は、撮影した顔画像から抽出した顔情報と一致する画像を検索し(S618)、受信したURLに送信する(S619)。なお、送信する画像は、携帯電話200において事前に撮影した画像の顔情報と一致する顔情報を持つ画像に限定されず、携帯電話200が送信できる画像であれば、任意の画像でよい。
【0065】
この場合、携帯電話200は、携帯電話100の電話番号を用いて、携帯電話100へ電話発信していることから、認証情報として、携帯電話100すなわちテレビ300の所有者(ユーザA)の電話番号を使用していると考えられる。このような方法でも、テレビ300(登録装置)の所有者(ユーザA)に関する情報を用いて、携帯電話200(被登録機器)の認証を行うことができる。
【0066】
(3)上記の実施の形態では、携帯電話100と携帯電話200とテレビ300とは、ネットワーク(例えば、無線LAN)を介して相互に接続したが、赤外線通信により、顔情報や画像データの送受信を行ってもよい。または、USBメモリやSDカードのような着脱可能な記録媒体を介して顔情報や画像データの送受信を行ってもよい。
【0067】
(4)上記の実施形態では、テレビ(登録装置)300の所有者の個人情報(例えば、顔画像)を認証情報として用いたが、テレビ(登録装置)300の所有者の個人情報の代わりに、テレビ(登録装置)300に対して登録の許可を指示する権限のある人物の個人情報を用いてもよい。
【0068】
(5)上記の実施形態においては、登録対象機器の一例として携帯電話を用いたが、登録対象機器は携帯電話に限定されず、無線通信機能を備えた電子機器であれば、登録対象機器になり得ることは言うまでもない。例えば、無線LAN機能を備えたデジタルカメラがあるが、そのようなデジタルカメラも登録対象機器の1つである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話、テレビ、レコーダ等のいわゆるデジタル家電機器における機器登録および写真閲覧アプリケーションに有用である。
【符号の説明】
【0070】
100 携帯電話
101 撮影部
102 プロフィール登録部
103 顔情報抽出部
104 顔情報認証部
105 送受信部
110 写真アプリ制御部
120 テンポラリアクセス制御部
200 携帯電話
201 撮影部
203 顔情報抽出部
204 顔情報認証部
205 送受信部
210 写真アプリ制御部
230 写真サーチ部
300 テレビ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録装置ならびに第1および第2の機器を含むシステムにおける機器の登録方法であって、
前記第1の機器が、個人に関する情報である第1の情報を格納するステップと、
前記第2の機器が、個人に関する情報である第2の情報を前記第1の機器に送信するステップと、
前記第1の機器が、前記第2の機器から受信した前記第2の情報と、前記第1の情報とが一致するか否かを判断するステップと、
前記判断の結果、両情報が一致する場合、前記第1の機器が、前記第2の機器による前記登録装置へのアクセスが可能となるように、前記第2の機器のアクセス許可の登録を前記登録装置に指示するステップと、
前記登録装置が、前記指示を受けたときに、前記第2の機器が前記登録装置へアクセスできるように前記第2の機器に対するアクセス許可を登録するステップと、
を有する機器登録方法。
【請求項2】
前記指示するステップにおいて前記両情報が一致する場合、さらに、前記第1の機器が、前記登録装置の接続情報を前記第2の機器に送信する、請求項1記載の機器登録方法。
【請求項3】
前記第2の機器が、前記第1の機器から受信した前記接続情報に従って前記登録装置に接続するステップと、
前記第2の機器が、前記登録装置に接続した後、前記登録装置へ画像を送信するステップと
をさらに有する請求項2記載の機器登録方法。
【請求項4】
前記登録装置へ画像を送信するステップにおいて、前記第2の機器は、格納している画像の中から前記第2の情報を検索キーとして抽出した画像を送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の機器登録方法。
【請求項5】
前記個人に関する情報は、個人の顔を含む画像、または前記画像から抽出した顔の特徴を示す情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の機器登録方法。
【請求項6】
前記個人に関する情報は個人の電話番号またはメールアドレスである、ことを特徴とする請求項1に記載の機器登録方法。
【請求項7】
前記登録装置は、映像表示装置、映像再生装置または映像記録装置のいずれか1つである、請求項1記載の機器登録方法。
【請求項8】
前記第1の機器及び/または第2の機器は携帯電話または撮像装置のいずれかである、請求項1記載の機器登録方法。
【請求項9】
第1および第2の機器を含むシステムにおける機器の登録方法であって、
前記第1の機器が、第1の情報を格納するステップと、
前記第2の機器が、第2の情報を前記第1の撮影機器に送信するステップと、
前記第1の機器が、前記第2の機器から受信した前記第2の情報と、前記第1の情報とが一致するか否かを判断するステップと、
前記判断の結果、両情報が一致する場合、前記第1の機器が、前記第2の機器に対する前記第1の機器への接続の許可を登録するステップと
を有する機器登録方法。
【請求項10】
前記第1及び第2の情報は、個人の顔を含む画像、または前記画像から抽出した顔の特徴を示す情報である、ことを特徴とする請求項9に記載の機器登録方法。
【請求項11】
個人に関する情報である第1の情報を格納する格納手段を備えた第1の機器と、
個人に関する情報である第2の情報を送信する送信手段を備えた第2の機器と、
アクセス許可の登録を行う登録装置とを備え、
前記第2の機器は前記第2の情報を前記第1の機器に送信し、
前記第1の機器は、
前記第2の機器から受信した前記第2の情報と、前記第1の情報とが一致するか否かを判断する判断手段と、
前記判断の結果、両情報が一致する場合、前記第2の機器による前記登録装置へのアクセスが可能となるように、前記第2の機器のアクセス許可の登録の指示を前記登録装置に送信する送信手段とを有する、
機器登録システム。
【請求項12】
前記第1の機器は、前記両情報が一致する場合、さらに、前記登録装置の接続情報を前記第2の機器に送信する、請求項11記載の機器登録システム。
【請求項13】
前記第2の機器は、前記第1の機器から受信した前記接続情報に従って前記登録装置に接続し、その後、前記登録装置へ画像を送信する、請求項12記載の機器登録システム。
【請求項14】
前記個人に関する情報は、個人の顔を含む画像、または前記画像から抽出した顔の特徴を示す情報である、ことを特徴とする請求項11に記載の機器登録システム。
【請求項15】
前記個人に関する情報は個人の電話番号またはメールアドレスである、ことを特徴とする請求項11に記載の機器登録システム。
【請求項16】
前記登録装置は、映像表示装置、映像再生装置または映像記録装置のいずれか1つである、請求項11記載の機器登録システム。
【請求項17】
前記第1の機器及び/または第2の機器は携帯電話または撮像装置のいずれかである、請求項11記載の機器登録システム。
【請求項18】
個人に関する情報である第1の情報を格納する記憶手段と、
他の機器から、個人に関する情報である第2の情報を受信する受信手段と、
前記第2の情報と前記第1の情報とが一致するか否かを判断する判断手段と、
前記判断の結果、両情報が一致する場合、前記他の機器による登録装置へのアクセスが可能となるように、前記他の機器のアクセス許可の登録の指示を前記登録装置に送信する送信手段とを備える、
電子機器。
【請求項19】
前記個人に関する情報は、個人の顔を含む画像、または前記画像から抽出した顔の特徴を示す情報である、ことを特徴とする請求項18に記載の電子機器。
【請求項20】
携帯電話または撮像装置のいずれかである、請求項18記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−227882(P2011−227882A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71700(P2011−71700)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】