説明

機械部品の洗浄装置

【課題】構成簡易且つコンパクトで設置に場所をとらず、しかもエアのみを動力源とするために、電源の有無、電源の仕様等に関わりなく使用することができる機械部品の洗浄装置を提供することを課題とする。
【解決手段】上方から順に洗浄ブース1、濾過室2及び回収タンク3を備えて成るエアのみを動力源とする機械部品の洗浄装置であって、前記洗浄ブース1内には洗浄すべきワーク70を回転自在に支持するワーク受けが設置され、前記洗浄ブース1は開閉蓋4を有していて、前記開閉蓋4及び/又は前記洗浄ブース1の側面にエアノズル13と洗浄液ノズル14とが突設されて、前記ワーク受けに支持されるワーク70が、前記各ノズルから噴出するエア及び/又は洗浄液によって回転駆動可能にされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械部品の洗浄装置、より詳細には、切り粉や不要な油分やゴミ等が付着した歯車等の金属製機械部品を洗浄するための、エアのみを動力源とする構成簡易な洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種部品洗浄装置としては、洗浄液を注入した洗浄タンク内にエア噴出口を設け、エアポンプによって該エア噴出口から被洗浄物(ワーク)に向けてエアを噴出させて洗浄するタイプのものが一般的で、洗浄液槽には洗浄液の濾過装置が併設される(例えば、特開平6−47353号公報、特開平6−47355号公報)。また、同様の装置で、ワークを収納支持するバスケットを洗浄中に回転させるようにしたものもある(特開平7−284737号公報)。
【0003】
従来のこれらの洗浄装置の場合は、洗浄液槽と濾過装置が比較的大型のものとなって設置スペースをとり、また、洗浄液槽内でエアを噴射するため、洗浄液の抵抗でエア噴射力が落ちるという問題があり、更に、洗浄液の濾過に用いる遠心分離機やワーク回転のためのモータ等の駆動のための電源が必要となるので、電源のない所や、海外の電源仕様の異なる地域等においては、そのまま利用することができないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開平6−47353号公報
【特許文献2】特開平6−47355号公報
【特許文献3】特開平7−284737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の機械部品の洗浄装置における問題点を解決すべくなされたもので、構成簡易且つコンパクトで設置に場所をとらず、しかもエアのみを動力源とするために、電源の有無、電源の仕様等に関わりなく使用することができる機械部品の洗浄装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、上方から順に洗浄ブース、濾過室及び回収タンクを備えて成るエアのみを動力源とする機械部品の洗浄装置であって、前記洗浄ブース内には洗浄すべきワークを回転自在に支持するワーク受けが設置され、前記洗浄ブースは開閉蓋を有していて、前記開閉蓋及び/又は前記洗浄ブースの側面にエアノズルと洗浄液ノズルとが突設されて、前記ワーク受けに支持されるワークが、前記各ノズルから噴出するエア及び/又は洗浄液によって回転駆動可能にされたことを特徴とする。
【0007】
好ましい実施形態においては、前記ワーク受けは、ワークに合わせて交換可能なアダプターを含み、また、前記ワーク受けは、前記各ノズルから噴出するエア及び/又は洗浄液を受けて前記ワークを回転駆動する羽根車を含むこともある。
【0008】
また、好ましい実施形態においては、前記洗浄ブースの側面にオイルミスト吸引口が形成され、前記オイルミスト吸引口から前記回収タンクに達するオイルミスト吸引配管が設置されてその途中にエジェクターが配設され、前記濾過室には、前記洗浄ブースの排液口から流下する汚れた洗浄液を濾過する袋状フィルターが吊設され、前記袋状フィルターで一次濾過された洗浄液が前記回収タンクに流入するようにすることが好ましい。
【0009】
更に好ましい実施形態においては、前記洗浄ブース内に、前記開閉蓋を開いた際に前記ワークの回転を止める強制停止装置が配設され、また、前記洗浄ブースから下方に延びて前記袋状フィルターが被装される排液パイプの下端に、流下してくる洗浄液を拡散させる傘状体が設置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記構成であるため、構成簡易且つコンパクトで設置に場所をとらず、しかもエアのみを動力源とするために、電源の有無、電源の仕様に関わりなく使用することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態について、図面に依拠して説明する。本発明に係る機械部品の洗浄機は、エアのみを動力源とすることを特徴とするもので、図1乃至図3に示されるように、上方から順に、洗浄ブース1、濾過室2及び一次濾過された洗浄液を貯める回収タンク3を備えて成る。
【0012】
洗浄ブース1は、開閉操作用のハンドル5を有する開閉蓋4を備える。洗浄ブース1内には、洗浄すべきワーク70を回転自在に保持するワーク受けが設置される(図3、図4参照)。ワーク受けは、例えば、洗浄ブース1の底部に配置されるパンチングメタル7上に立設された2本の支柱8上に設置されるベース板9と、ベース板9上に立設される固定軸10と、固定軸10に軸支されて自由回転する滑車形状の回転プレート11とから成る。
【0013】
ワーク70は、直接回転プレート11上にセットされることもあるが、好ましくは、ブシュ状のアダプター12を介してセットされる。アダプター12は、固定軸10に対して挿脱自在のものであって、ワーク70の種類に応じて複数種のものを用意し、適宜付け換え可能にすることが好ましい。更に、回転プレート11の上に、放射状に延びる多数の羽根を有する羽根車25を介在させることもある(図5参照)。
【0014】
洗浄ブース1の内側面には、先端がワーク受けにセットされたワーク70に向くようにして、エアノズル13と洗浄液ノズル14とが、一対又は複数対突設される。また、開閉蓋4にも、上方からワーク70にエアと洗浄液を噴射するためのエアノズル13と洗浄液ノズル14とが設置される(図3参照)。羽根車25を用いる場合には更に、洗浄ブース1の内側面に、羽根車25にエアを当ててこれを回転させるためのエアノズルが設置される。
【0015】
図示した例では、エアノズル13と洗浄液ノズル14を、洗浄ブース1の内側面と開閉蓋4の双方に設けているが、ノズル13、14の向きを変える等して、その一方にのみ設けることも可能である。
【0016】
洗浄ブース1内に、開閉蓋4を開けたときの安全対策として、ワーク70の回転を強制的に停止させる強制停止手段を組み込むことが好ましい。図4及び図6に示される例は、一端を洗浄ブース1の内側面に固定したワイヤー50を、回転プレート11とベース板9上に設置されたローラー51とに掛け回した後、その先端を洗浄ブース1外に出し、洗浄ブース1の外側面に取り付けたロックレバー52に固定したものである。
【0017】
このロックレバー52は下端部が洗浄ブース1の外側面に軸支されていて、図2、図4、図6に示す直立状態から手前に引いて下方に回動させることができ(図1の状態)、この下方回動時に、ロックレバー52に固定されているワイヤー50の先端が引張られて緊張する。かくして回転プレート11は、この緊張状態のワイヤー50に押さえられて、その回転が強制的に止められる。
【0018】
上記とは別の強制停止手段として、上記強制停止手段と共に、あるいは、その代わりに、ワーク制動用エアノズル48(又は洗浄液ノズル)を設置することが考えられる(図5参照)。このワーク制動用エアノズル48を、洗浄ブース1の上部に設置される図示せぬスイッチ(センサ)の開閉蓋4の開動作に伴なう動作に基いて駆動させ、例えば正転状態にある羽根車25に逆転方向の制動力を短時間与えるようにする。好ましくはこの場合、制動された羽根車25が逆転しないようにするために、洗浄ブース1の内側面にストッパーとしての板バネ49を配置する。板バネ49は、羽根車25の正転動作を許容する一方、その逆転動作を阻止するように作用する。
【0019】
洗浄ブース1の内側面には、洗浄作業中に発生するオイルミストを洗浄作業後に回収するためのオイルミスト吸引口15が開設される。このオイルミスト吸引口15からは、オイルミスト吸引配管41が延び、その先端は回収タンク3内に達し、回収タンク3内において水平方向に屈曲される(図8参照)。この屈曲部の先端開口は、偏平形状のオイルミスト吹出口42とされる。オイルミスト吸引配管41の途中には、後述するように、洗浄ブース1内のオイルミストを吸引するよう作用するエジェクター69が配設される。s
【0020】
図3に示されるように、洗浄ブース1の底面のパンチングメタル7の下は、直接、あるいは、ホッパー27を介して錐形シュート26とされ、その下端に排液口が形成される。排液口には、洗浄ブース1の下側の濾過室2内に延びる排液パイプ28が設置される。排液パイプ28の下端には、例えばその開口を跨ぐように配設された差渡板29を介し、傘状体30が設置される(図7参照)。傘状体30は、排液パイプ28を通って流下してくる汚れた洗浄液を、真下ではなく、放射状に拡散する役目を果たす。
【0021】
排液パイプ28には、袋状フィルター31が脱着可能に被着される。上記傘状体30がない場合は、排液パイプ28から流下する洗浄液は真下に落ち、袋状フィルター31の底部に集中することになる。その結果、袋状フィルター31の他の部分はフィルタリングに余り寄与せずに無駄となるだけでなく、洗浄液の集中する底部が目詰まりしやすくなるため、頻繁に交換せざるを得なくなる。しかるに、傘状体30がある場合は、洗浄液は袋状フィルター31の上部において放射状に拡散するため、袋状フィルター31のほぼ全域がフィルタリングに関与することになる。従って、袋状フィルター31が部分的に目詰まりすることがなく、交換頻度が減少して交換の手間が省け、人的及び物的にかなりのコスト減となる。なお、濾過室2は扉2aを有していて、扉2aを開けて袋状フィルター31を交換することができる。
【0022】
また、本発明においては、袋状フィルター31を部分的にあるいは全体的に包囲する、通例金属製の網カゴ32が配備される(図3参照)。網カゴ32は、洗浄ブース1の錐形シュート26の底面に取外し可能に吊下され、袋状フィルター31を安定状態に保持し、長期に亘って円滑且つ良好なフィルタリングを可能にする。
【0023】
濾過室2の底は錐形シュート33とされ、その下端が排液口とされる。袋状フィルター31を通過することによって一次濾過された洗浄液は、排液口から下に延びる排液パイプ35を通り、濾過室2の下の回収タンク3に流下する。回収タンク3には、オイル分離槽37が連設されている。
【0024】
回収タンク3とオイル分離槽37の間の仕切り板38の上部には、出油口39が形成され、回収タンク3内には、予め、出油口39の下端付近に至るまで洗浄液が貯められる。出油口39は、例えば回収タンク3の一方の隅部寄りに形成され、他方の隅部には、回収タンク3の当該他方側の内側面3aと仕切り板38との間に架かるように偏向板40が配置される。この偏向板40は、吹き動かされる浮上油を受け、出油口39に向かわせる役目を果たす。また、回収タンク3の中間部には、回収タンク3を前半部と後半部に仕切る、回収タンク3の高さよりも低い中間仕切り板38aが配置される。
【0025】
回収タンク3内に流下してくる洗浄液は油分を含むが、この油分は、回収タンク3の前半部内において上方に浮上する。後述するように、回収タンク3の上部において水平方向に開口するオイルミスト吹出口42から噴出するエアが、この浮上油を吹き動かして、中間仕切り板38aを乗り越えさせる。オイルミスト吹出口42が偏平なのは、広範囲の浮上油にエアの作用が及ぶようにするためである。
【0026】
中間仕切り板38aを乗り越えた油分は、回収タンク3の後半部内の洗浄液上に貯まり、嵩が増して出油口39に達すると、そこから流出してオイル分離槽37に流入して、任意の公知の方法で分離処理される。
【0027】
図8及び図9に示すオイル分離槽37は、槽内の出油口39に対向する位置に立設される、上端が出油口39の上端よりも上位に位置する当て板71と、当て板71に固定されて浮上状態に支持される包囲筒72と、包囲筒72内に配置されて槽底37aを貫いて延びる排液筒73と、槽側面上部に設置される排油シュート43とを備えて成る。包囲筒72の上端は、当て板71と同様に出油口39の上端よりも上位に位置させ、排液筒73の上端は、排油シュート43よりも少し下位に位置させる。
【0028】
オイル分離槽37内には、予め洗浄液76が適量貯溜され、洗浄液76は、槽底37aから浮上している包囲筒72内と排液筒73の隙間74にも入り込んでいる。かくして、オイルミスト吹出口42からのエアによって吹き動かされ、出油口39から吹き出される浮上油は、当て板71に当たって貯溜されている洗浄液76上に浮上する。この浮上油75は、上端が排油シュート43より上位置の包囲筒72の内側(隙間74)に入り込むことはない。
【0029】
浮上油75の嵩が増して排油シュート43に達すると、浮上油75はそこから流出してオイル槽44に回収される。また、出油口39からは浮上油と共に洗浄液76も供出されるので、洗浄液76の嵩も増してくる。そして、その嵩が排液筒73を超えると、排液筒73内に流入し、オイル分離槽37外に流出して、オイル分離槽37に隣接する洗浄液槽45に戻される。
【0030】
洗浄液槽45の上には、エア駆動によって洗浄液を汲み上げ、これを洗浄ブース1の洗浄液ノズル14に供給するエアポンプ46が設置される。また、洗浄液槽45上に、エア制御機器及び配管を配装するエアパネル47が設置される。なお、図の複雑化を避けるため、図面上配管類は省略してある。
【0031】
エアパネル47に据え付けられるエア制御機器は、残圧排気用3ポート弁58、フィルター・減圧弁59、リレーバルブ60、61、タイムディレーバルブ62、63、ポンプ駆動用バルブ64、シャワー用バルブ65、エアブロー用バルブ66及び吸引用バルブ67である(図1及び図10参照)。
【0032】
シャワー用バルブ65から延びる配管にはエジェクター68が設置され、エジェクター68から先の配管が分岐されて、それぞれの先端が洗浄ブース1内に臨む洗浄液ノズル14に接続される。また、エジェクター68には、エアポンプ46から延びる洗浄液チューブ47が接続される。なお、ここにおけるエジェクター68、69は、エアを噴流として噴出させることにより、他の流体(洗浄液、オイルミスト)を誘引して送出する機器である。
【0033】
吸引用バルブ67から延びるエアチューブは、オイルミスト吸引配管41に設置されたエジェクター69に接続される。また、シャワー用バルブ66から延びるエアチューブは分岐されて、それぞれの先端が洗浄ブース1内に臨むエアノズル13に接続される。
【0034】
本発明に係る洗浄装置の動作について説明すると、先ず、ロックを外して開閉蓋4を開け、固定軸10を通してワーク70を回転プレート11上にセットする。アダプター12を用いる場合は、それを嵌合してセットする。その後開閉蓋4を閉めてロックし、起動スイッチ57を操作して起動させる。
【0035】
起動スイッチ57の起動操作により、リレーバルブ60、61が切り替わり、タイムディレーバルブ62が駆動され、洗浄用タイマーがスタートとなる(図10)。そして、ポンプ駆動用バルブ64を介してエアポンプ46が始動し、洗浄液槽45から洗浄液が汲み出される。それと同時に、シャワー用バルブ65を介してエジェクター68が動作し、汲み出された洗浄液を誘引し、エアと共に洗浄ブース1内の複数の洗浄液ノズル14からワーク70に向けて噴出させる。また、エアブロー用バルブ66が動作して、高圧エアを洗浄ブース1内の複数のエアノズル13から、ワーク70に向けて、あるいは、羽根車52に向けて噴出させて、ワーク70を回転駆動する。
【0036】
かくしてワーク70は、エア及び洗浄液の噴出力によって駆動されて、回転プレート11と共に固定軸10を軸に回転し、その間洗浄液ノズル14から洗浄液を噴出されて洗浄される。その後洗浄液は、パンチングメタル7を抜けて錐形シュート26の排液口から排液パイプ28へと流下し、傘状体30に当たることによって放射状に拡散し、袋状フィルター31によって一次濾過される。一次濾過された洗浄液は、錐形シュート33の排液口から排液パイプ35に流れ、油液タンク3内に流下する。そして、上記のとおり更に濾過されて洗浄液槽45に戻される。
【0037】
上記洗浄ブース1内における洗浄動作中に発生するオイルミストは、エジェクター69の作用によって、オイルミスト吸引口15からオイルミスト吸引配管41へと誘引される。即ち、上記洗浄用タイマーがタイムアップとなると、タイムディレーバルブ63が動作して、吸引用バルブ67を介してエジェクター69を動作させる。その際エアブロー用バルブ66は開動作を継続して、洗浄ブース1内へのエアブローを継続させ、ワーク70を回転させつつ乾燥させる。
【0038】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る機械部品洗浄装置の一実施形態の正面図である。
【図2】本発明に係る機械部品洗浄装置の一実施形態の側面図である。
【図3】本発明に係る機械部品洗浄装置の一実施形態の側面縦断面図である。
【図4】本発明に係る機械部品洗浄装置の一実施形態における洗浄ブースの内部を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る機械部品洗浄装置におけるワーク受けの構成を示す部分断面及び平面図である。
【図6】本発明に係る機械部品洗浄装置におけるワーク強制停止手段の構成例を示す図である。
【図7】本発明に係る機械部品洗浄装置における傘状体を示す図である。
【図8】本発明に係る機械部品洗浄装置における回収タンク部分の構成を示す図である。
【図9】本発明に係る機械部品洗浄装置におけるオイル分離槽の構成例を示す図である。
【図10】本発明に係る機械部品洗浄装置におけるエア回路図である。
【符号の説明】
【0040】
1 洗浄ブース
2 濾過室
3 回収タンク
4 開閉蓋
5 ハンドル
6 ロックハンドル
7 パンチングメタル
8 支柱
9 ベース板
10 固定軸
11 回転プレート
12 アダプター
13 エアノズル
14 洗浄液ノズル
15 ミスト吸引口
25 羽根車
26 錐形シュート
28 排液パイプ
29 差渡板
30 傘状体
31 袋状フィルター
32 網カゴ
33 錐形シュート
35 排液パイプ
37 オイル分離槽
37a 槽底
38 仕切り板
39 出油口
42 ミスト吹出口
43 排油シュート
44 オイル槽
45 洗浄液槽
46 エアポンプ
48 ワーク制動用エアノズル
49 板バネ
50 ワイヤー
51 ローラー
52 ロックレバー
57 起動スイッチ
60、61 リレーバルブ
62、63 タイムディレーバルブ
64 ポンプ駆動用バルブ
65 シャワー用バルブ
67 吸引用バルブ
68、69 エジェクター
70 ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から順に洗浄ブース、濾過室及び回収タンクを備えて成るエアのみを動力源とする機械部品の洗浄装置であって、
前記洗浄ブース内には洗浄すべきワークを回転自在に支持するワーク受けが設置され、前記洗浄ブースは開閉蓋を有していて、前記開閉蓋及び/又は前記洗浄ブースの側面にエアノズルと洗浄液ノズルとが突設されて、前記ワーク受けに支持されるワークが、前記各ノズルから噴出するエア及び/又は洗浄液によって回転駆動可能にされたことを特徴とする機械部品の洗浄装置。
【請求項2】
前記ワーク受けは、ワークに合わせて交換可能なアダプターを含む請求項1に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項3】
前記ワーク受けは、前記各ノズルから噴出するエア及び/又は洗浄液を受けて前記ワークを回転駆動する羽根車を含む請求項1又は2に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄ブースの側面にオイルミスト吸引口が形成され、前記オイルミスト吸引口から前記回収タンクに達するオイルミスト吸引配管が設置されてその途中にエジェクターが配設された請求項1に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項5】
前記濾過室には、前記洗浄ブースの排液口から流下する汚れた洗浄液を濾過する袋状フィルターが吊設され、前記袋状フィルターで一次濾過された洗浄液が前記回収タンクに流入するようにした請求項1に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄ブースから下方に延びて前記袋状フィルターが被装される排液パイプの下端に、流下してくる洗浄液を拡散させる傘状体が設置された請求項5に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄ブース内に、前記開閉蓋を開いた際に前記ワークの回転を止める強制停止手段が配設された請求項1に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項8】
前記強制停止手段はワイヤーを含み、前記ワイヤーは、前記洗浄ブース内に配備されてその一端が前記洗浄ブース外に引出され、前記引出された端部が前記洗浄ブース外から引張られて緊張することにより、前記ワーク受けの回転要素に作用してその回転を制動する請求項7に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項9】
前記強制停止手段は、正転する前記ワーク受けの回転要素に逆転方向の力を及ぼすエアノズル又は液ノズルを含む請求項7に記載の機械部品の洗浄装置。
【請求項10】
前記強制停止手段はワイヤーを含み、前記ワイヤーは、前記洗浄ブース内に配備されてその一端が前記洗浄ブース外に引出され、前記引出された端部が前記洗浄ブース外から引張られて緊張することにより、前記ワーク受けの回転要素に作用してその回転を制動し、また、前記強制停止手段は、正転する前記ワーク受けの回転要素に逆転方向の力を及ぼすエアノズル又は液ノズルと、前記洗浄ノズルの内側面に設置されて、前記ワーク受けの回転要素の正転のみ許容して逆転を阻止する板バネとを含む請求項7に記載の機械部品の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−253960(P2008−253960A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101795(P2007−101795)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(593107362)株式会社ジェイピーシー (10)
【Fターム(参考)】