説明

次亜臭素酸塩による水処理

水中に存在する無機および/または有機種を分離除去する複数の処理段階に水流を通過させる水処理、特に超純水の生産のための方法であって、次亜臭素酸水溶液が、上記段階の少なくとも一つにおいて、水流に添加される方法が記載される。さらに、水流から、無機および/または有機種を分離除去するための一つ以上の手段を含む、前記のような方法を実施するための水処理システムであって、少なくとも一つの次亜臭素酸塩供給ラインを介して前記水流に接続される、次亜臭素酸液を生成するための少なくとも一つの装置によって特徴付けられるシステムが記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理方法、特に超純水の生産方法であって、水中に存在する無機および/または有機種を分離除去する複数の処理段階に水流を通過させる方法に関する。さらに、本発明は、このような方法を実行するための水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、水処理は、特に、飲料水獲得の分野、また、高純度処理水の生産において、その重要性を増している。水の純度については、特に、後者の場合、例えば、半導体生産において必要とされる処理水の場合、特に高度の要求が課せられる。例えば、半導体生産では、シリコンウェーハの洗浄には、特に、エッチングプロセス後の洗浄には、極端に高純度の水が要求される。
【0003】
必要とされる高純度水を生産するための開始点は、多くの場合、地表水、例えば、河水である。これは、前処理セクション、いわゆる「調整」セクション、および、いわゆる「仕上げ」セクションを含む、多段階方法において精製される。前処理は、一般に、生水の、特に、微細粒子除去のための、一つ以上のろ過操作、コロイド物質およびごく微細な汚濁粒子を除去するための綿状凝集ステップ、滅菌、軟化、および脱塩を含む。このようにして処理された水は、次に調整セクションにおいて、脱気され、脱イオン化され、UVによって処理される。仕上げ時、さらにUV処理を実行することが可能である。仕上げは、一般に、追加の脱イオンプロセス、およびさらに少なくとも1回の限外ろ過ステップを含む。
【0004】
処理される生水は、一般に、処理中に可能な限り除去しなければならない不純物または有機成分を含む。場合によって、生水中の有機成分の総含量は、5 ppm(100万分率)の値を超えることがある。
【0005】
半導体生産における使用が意図される水では、約1 ppb(10億分率)の有機結合炭素最大値、総有機炭素量(TOC)が求められる。本発明では、窒素系有機化合物、特に、尿素および尿素誘導体の除去に特に注目する。なぜなら、これらは、半導体生産を特に妨げることが判明しているからである。しかしながら、経験から、低分子量窒素系有機化合物は、特に、従来の水処理方法では大きな困難を重ねてやっと除去されることが分かっている。
【0006】
表面水は、多くの場合、特に、広く農業用に利用される地域では、きわめて高濃度の窒素系有機化合物を有する。これらの地域では、表面水における窒素系有機化合物の濃度は、主に、窒素主体肥料の広汎な使用によって増大する。
【0007】
Rydzewskiら(非特許文献1)は、窒素系有機化合物、特に尿素を除去するために、水流に臭化ナトリウムおよびオゾンを添加することを提案する。このオゾンによって、添加される臭化ナトリウムの一部が酸化され、次亜臭素酸塩が形成され、これは、次に、窒素系有機化合物と反応することが可能であり、そうすることによって、これらの化合物を、水流からより容易に除去することが可能な状態に変換する。このために、オゾンと臭化ナトリウムは、水流に対し別々に加えられるが、その際、Rydzewskiらによれば、臭化ナトリウムは、水流においてこの二つの成分の最適な混合が実現されるように、オゾン添加の上流で添加しなければならない。Rydzewskiらは、このようにすると、水流における窒素系有機化合物の分画を実際に効果的に低減することが可能であることを見出した。しかしながら、彼らの実験では、この分画の効率的低下は、異常に高濃度の次亜臭素酸塩によってのみ実現が可能であるという結論に達した(尿素を25 ppbから5 ppbへ分解するために、約20 ppmの次亜臭素酸濃度が推奨される)。それに一致して、彼らは、水流に対し、臭化ナトリウムおよびオゾンを大量に加えることを提案する。これは、当然不都合にも、水流の全体イオン負荷を大きく増加させる。下流の分離段階は、時として特に、導入されるイオン負荷によって相当に損なわれる。さらに、高濃度の、強烈な酸化剤、次亜臭素酸塩は、無視できない材料問題を引き起こす可能性がある。特に、さらに、オゾンの場合、これは、比較的高価な試薬であるが、使用の直前に新たに生成しなければならず、装置資源についても高い要求が生じる。したがって、Rydzewskiらによって提案される手法は、さらに、経済的局面からも、最適化することが可能である。
【0008】
次亜臭素酸塩によって水流から窒素系有機化合物を分離除去することは、特許文献1の主題でもある。本文献から、臭化ナトリウムおよび次亜塩素酸ナトリウムを、凝集剤と組み合わせて、処理される水流に加えることが知られる。オゾンとまったく同様に、次亜塩素酸ナトリウムは、この臭化物を酸化して、次亜臭素酸塩とすることが可能である。第1ステップでは、凝集剤および臭化ナトリウムが水流に加えられる。凝集して外部に析出した物質がフィルターによって分離除去された後に始めて、後続ステップにおいて、次亜塩素酸ナトリウムが、この水流に別に加えられる。しかしながら、この手順は既に、最適ではないようである。なぜなら、凝集ステップは、一般的に、水処理方法のきわめて早期段階において、すなわち、前処理の状況において行われるからである(前記参照)。この早期段階では、処理される水は、あらゆるタイプの不純物による、高度の汚染物を依然として有する。したがって、窒素系有機不純物と次亜臭素酸塩との反応に的を絞ることはできず、これは、それら窒素系有機不純物の効率的除去を確実にするためには、次亜臭素酸塩をきわめて高濃度に生成させなければならないことを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−94585号公報(JP 09094585)
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Rydzewski et al. Ultrapure water(登録商標) November 2003, pages 20-26
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、水処理、特に、超純水生産のための技術的解決策であって、特に、窒素系有機化合物の分解を標的とする局面を考慮する解決策を提供することである。本発明による解決策は、従来技術で公知の手法に比べ、効率は少なくとも同じであり、特により経済的となるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1の特徴を持つ方法、およびさらに、請求項14の特徴を持つ水処理システムによって実現される。本発明による方法の好ましい実施態様は、従属クレーム2から13の中に見出されよう。本発明による水処理システムの好ましい実施態様は、従属クレーム15から20において定義される。全ての特許請求項の語法を、参照により、本明細書の内容に組み込む。
【0013】
本発明による方法は、水を処理するのに役立つが、特に、超純水の生産に好適である。本方法では、水の中に存在する無機および/または有機種を分離除去する複数の処理段階に、水流を通過させる。
【0014】
特に、本発明による方法は、不純物として、尿素などの窒素系有機化合物を含む水を処理するのに役立つ。
【0015】
特に、本発明による方法は、次亜臭素酸水溶液が、上記複数段階の内の少なくとも一つにおいて、水流に添加されるという点で際立つ。したがって、本発明による方法では、水流において混合後互いに反応して初めて次亜臭素酸塩を形成する各個成分が、処理される水に添加されることはないという点で、前述の従来技術とは異なる。その代わりに、既に次亜臭素酸塩を含む溶液が水流に加えられる。好ましくは、この次亜臭素酸液において、次亜臭素酸塩形成は実質的に既に完了している。好ましくは、次亜臭素酸液の添加直後、水流における最大濃度の次亜臭素酸塩を定量してもよく、この最大濃度は、下流ではもはや超えられることはない。この次亜臭素酸溶液は、好ましくは水流に連続的に添加される。
【0016】
驚くべきことに、この方策を導入することによって、窒素系有機化合物の分解に用いられる薬品の化学量数比を、従来技術で公知の方法と比べ、水流の窒素系有機化合物の分解に関しては少なくとも同一効率でありながら、著明に減少させることが可能であることが立証された。これは下記の事実、すなわち、それぞれ、Rydzewskiら、または特許文献1にしたがって、各個成分、例えば、臭化ナトリウムおよびオゾンまたは次亜塩素酸ナトリウムを分離添加する場合、次亜臭素酸塩を生成するための反応がきわめて遅延的に進行する(または、特に低pHでは、さらにきわめて不完全に進行する)という事実によるものと考えられる。なぜなら、これらの各個成分は、水流においてきわめて希釈された状態で存在するからである。いずれの場合も、その濃度が各個成分の添加直後ではまだゼロのままである次亜臭素酸塩の形成は、それに一致して、ゆっくりと、かつ不完全に進行する。一方、記載の本発明の方法によれば、ただちに活性を持つ次亜臭素酸液が水流に添加される。
【0017】
本出願の背景では、次亜臭素酸液は、一般に、OBr-イオンおよび/またはHOBrを含む水溶液を意味するものと見なすべきである。したがってこの場合、「次亜臭素酸塩」という表現は、HOBrおよび/またはOBr-イオンを意味するものと見なされる。
【0018】
好ましくは、本発明によれば、次亜臭素酸液は、少なくとも一つの無機臭化物由来の臭化物イオンを、その臭化物イオンを酸化することが可能な、少なくとも一つの酸化剤と反応させることによって生産される。上記の少なくとも一つの酸化剤との反応は、好ましくは、水の中で進行する。使用される無機臭化物は、原理的には、水に溶解して臭化物イオン、すなわち例えば、臭化水素の形成をもたらすものであれば、全ての無機の臭素化合物であることが可能である。好ましくは、上記の少なくとも一つの無機臭化物は、少なくとも一つの塩タイプの臭化物、特に、少なくとも一つのアルカリ金属臭化物および/またはアルカリ土類金属臭化物である。上記の少なくとも一つのアルカリ金属臭化物および/またはアルカリ土類金属臭化物は、特に好ましい実施態様では、臭化ナトリウムである。上記の少なくとも一つの酸化剤は、好ましくは、次亜塩素酸化合物、特に、次亜塩素酸ナトリウムである。後者は、特に、コストの理由からも好ましい。なぜなら、次亜塩素酸ナトリウムは、例えば、オゾンと比べて比較的安価だからである。
【0019】
好ましくは、次亜臭素酸液は、できるだけ、水流へ添加する直前に生産される。こうすると好都合であるのは、特に、化学的局面から見ると、次亜臭素酸塩はあまり安定ではないからである。水溶液では、これは、きわめて速やかに臭化物と臭素酸塩に不均衡化しうる。
【0020】
序論において既述したように、水流に添加される次亜臭素酸塩によって、その水の中に存在する、窒素系有機不純物は、少なくとも部分的に酸化され、次いで、その水流から簡単に除去することが可能となる。特に、尿素は、次亜塩素酸塩と簡単に反応すると考えられる。この場合、特に、分子窒素、およびさらに二酸化炭素が形成されるが、これらは比較的簡単に気体として除去されると考えられる(式I参照):
【0021】

CO(NH2)2 + 3 OBr---> N2 + CO2 + 3 Br- + 2 H2O (式I)
【0022】
この反応において形成される臭化物イオンは(必要に応じて、次亜臭素酸処理と組み合わせて、例えば、使用される無機臭化物由来の過剰な臭化物イオン、または、使用される次亜塩素酸塩由来の塩化物イオンと共に、水流中に導入される追加のイオンも一緒に)、後続の処理段階において同様に簡単に除去することが可能である。
【0023】
この次亜臭素酸水溶液は、好ましくは、水流に添加する前に、次亜臭素酸塩の生成に好適な反応容器において生産される(この反応容器は、下記にさらに詳細に考察される)。例えば、独立した水貯留槽からの水を、この反応容器に供給することが可能であり、この水に対し、上記の少なくとも一つの無機臭化物および少なくとも一つの酸化剤が添加される。この少なくとも一つの無機臭化物および/または少なくとも一つの酸化剤は、例えば、保存容器であって、その中に反応成分が水溶液として存在する、別々に設けられる保存容器から添加することが可能である。各場合において、固体としての添加も考えられ、酸化剤の場合は、必要に応じてさらに、気体としての添加も考えられる。
【0024】
しかしながら、本発明による方法の特に好ましい実施態様では、処理される水流に添加される次亜臭素酸水溶液は、臭化物イオン含有搬送流であって、それが処理される水流に供給される前に、それに対し、上記の少なくとも一つの酸化剤が添加されている搬送流である。酸化剤の添加は、上記変異方法の場合のように、好ましくは、次亜臭素酸塩生成に好適な反応容器において、またはその上流において行われ、該反応容器では、該搬送流中に存在する臭化物イオンは、少なくとも部分的に酸化されて次亜臭素酸塩となる。
【0025】
搬送流は、次亜臭素酸液が水流に添加される上記の少なくとも一つの段階の下流に接続される少なくとも一つの処理段階から、少なくとも部分的に、特に完全に、供給されることが好ましい。
【0026】
搬送流は、次亜臭素酸処理と組み合わせて水流中に導入されるイオンが再び除去される、上記下流処理段階の内の少なくとも一つから供給されることが特に好ましい。好ましくは、この段階は、少なくとも一つの逆浸透圧段階である。
【0027】
発展として、上記の少なくとも一つの逆浸透圧段階から保持剤が搬送流に供給されることが好ましい。この保持剤において、除去されるイオン、この場合、特に、さらに臭化物イオンも含むイオンが濃縮される。それに一致して、この実施態様では、臭化物イオンは、搬送流に、無理に、別に添加する必要はない。その代わり、搬送流は、必要に応じて、上記の少なくとも一つの無機臭化物を加えることによって補給することだけが必要な、臭化物イオン分画を既に有する。それに一致して、上記の少なくとも一つの無機臭化物の総消費は、きわめて低く維持することが可能であり、これは、本発明による方法の経済効率に対しきわめて有利な作用を及ぼす可能性がある。
【0028】
本発明による方法の、さらに別の好ましい実施態様では、搬送流にはさらに、上記の少なくとも一つの逆浸透圧段階から保持剤を供給することが可能であり、かつ、この保持剤は、Br-イオンを負荷した陰イオン交換器で処理したものである。この陰イオン交換器では、例えば、保持剤中に存在する塩化物イオンを除去し、これを臭化物イオンに置換することができる。これは、例えば、使用される酸化剤が、次亜塩素酸塩である場合好都合である。
【0029】
本発明によれば、水流は、次亜臭素酸液の添加後、pH>8を有すること、好ましくは8と11の間、特に、8.5と9.5の間であることが特に好ましい。水流中に存在する窒素化合物の分解は、前記範囲において特に効率的に進行することが既に確立されている。水流のpHは、もっぱら対応的量の次亜臭素酸液の添加によって調整されることが好ましい。しかしながら、もちろん、追加の水酸化物溶液または酸を、必要な値となるように添加することよってpHを変えることも可能である。
【0030】
次亜臭素酸液添加の前、水流は、一般に、該添加の前にそれが、どの作業段階を経過したかに応じて、事実上中性のpH、またはアルカリ性pHを有することが好ましい。
【0031】
次亜臭素酸液のpHそのものは、一般に、比較的重要な決定因子ではない。それは、アルカリ性範囲、特に11.5と13との間の範囲にあることが好ましいが、別の偏倚も、例えば、上記の少なくとも一つの無機臭化物化合物として臭化水素を使用する場合は、考えることが可能である。
【0032】
好ましくは、次亜臭素酸液は、水流に対し、1:10と1:30000の間、好ましくは1:100と1:10000の間、特に1:300と1:3000の間の容積比として添加される。
【0033】
この次亜臭素酸液の生産のために、上記の少なくとも一つの酸化剤は、好ましくは、0.1と10の間、特に0.5と2の間、特に好ましくは0.8と1.5の間の化学量数比として、上記の少なくとも一つの無機臭化物由来の臭化物イオンと混ぜ合わされ、反応させられる。これらの範囲は、使用される無機臭化物が、アルカリ金属臭化物、特に、臭化ナトリウムであり、かつ、使用される酸化剤が、次亜塩素酸塩、特に、次亜塩素酸ナトリウムである場合、特に好ましい。
【0034】
原理的には、「遊離臭素」と名づけられるものの割合をできるだけ高レベルに持つ次亜臭素酸液を生成するよう試みが為される。この場合の「遊離臭素」とは、いわゆるDPD法(下記参照)によって定量することが可能な、臭素、特に、HOBrおよび/またはOBr-の形を取る臭素の量を意味するものと受け取るべきである。しかしながら、溶液中の遊離臭素の濃度が、40 g/lの値を超えることがないように注意しなければならない。
【0035】
酸化剤として次亜塩素酸塩を使用する次亜臭素酸液を生産するために、酸化剤と、上記の少なくとも一つの無機臭化物との混合物における、遊離塩素の濃度は(「遊離臭素」に関する上記定義と同様、この場合の「遊離塩素」も、前述のDPD法によって定量することが可能な塩素の量、特に、HOClおよび/またはOCl-の形を取る塩素の量を意味するものと受け取るべきである)好ましくは、0.12 g/lと120 g/lの間、特に、0.3 g/lと30 g/lの間、特に好ましくは1 g/lと15 g/lの間の数値に設定される。一般に、遊離塩素の量は、添加される次亜塩素酸塩の量に直接相関する。
【0036】
DPD法は、当業者には公知である。この方法によれば、溶液における遊離塩素または遊離臭素の濃度を定量するには、該遊離臭素および遊離塩素を、DPD(N,N-ジエチル-1,4-フェニレンジアミン)と反応させる。得られる化合物の濃度は、例えば、Swan Analytische Instrumente AG、スイスから販売される"Swan Chematest 20s"型測光計によって測光学的に定量することが可能である。遊離塩素は、DPDの添加前に化学的にマスクしておき、そうすることによって、添加DPDが、(マスクを外された)遊離臭素とだけ反応するようにさせることが可能である。このようにして、遊離臭素の濃度は、直接定量することが可能であるが、一方、遊離塩素の濃度の定量は、続いて差を形成することによって実行することが可能である。
【0037】
この次亜臭素酸塩生産では、特に、次亜臭素酸塩生成に好適な、前述の反応容器において、上記の少なくとも一つの酸化剤を、上記の少なくとも一つの無機臭化物由来の臭化物イオンに対し、30と3000秒の間、好ましくは60と600秒の間、特に120と300秒の間、作用させることが好ましい。この時間が経過した後、一般に、反応成分と、得られる次亜臭素酸塩との間に平衡が形成され、したがって、次亜臭素酸塩形成は実質的に完了する。
【0038】
水流そのものの中には、原理的にはできるだけ低い濃度の遊離臭素を維持することが、本発明によれば意図される。一方、反応速度論的理由から、十分に高い、次亜臭素酸塩の濃度の確立が必要である。もちろん、この必要濃度値は、除去されるべき水流中の窒素化合物の濃度にはまったく依存しない。一般に、次亜臭素酸液の添加によって、水流中に、10 mg/l以下、好ましくは1 mg/lと10 mg/lの間、特に2 mg/lと5 mg/lの間の濃度の遊離臭素を定めることが好ましい。これらの濃度では、反応は、式(I)にしたがって一般に十分速やかに進行する。さらに、これらの濃度では、臭素化合物の酸化ポテンシャルの結果として生じる材料問題の可能性は一般に否定される。
【0039】
好ましくは、本発明によれば、水流における有機窒素化合物に対する遊離臭素の化学量数比は、2:1よりも高く、50:1よりも低い値、好ましくは2:1と20:1の間、特に2:1と10:1の間、特に好ましくは5:1と10:1の間の値に設定される。このような低濃度の遊離臭素における、有機窒素化合物の効率的除去は、従来技術では今日まで知られていない。
【0040】
好ましくは、上記次亜臭素酸液と混和された水流に対し、活動時間後、還元剤が添加されるが、この還元剤は、特に、次亜臭素酸イオンおよび次亜塩素酸イオンを還元することが可能である。この還元剤の添加は、特に、過剰な次亜臭素酸塩および次亜塩素酸塩を還元して臭化物イオンおよび塩化物イオンとすることが意図される。これらはもはや、特に、ポリマー物質に対して腐食作用を持たず、かつ、下流処理段階において簡単に除去することが可能である。
【0041】
上述の活動時間とは、水流に添加される次亜臭素酸塩が、その水流中に含まれる有機窒素化合物に対して作用することができる時間である。好ましくは、活動時間は、1分と1時間の間、特に2分と30分の間、特に好ましくは10分と20分の間である。
【0042】
特に好ましい実施態様では、還元剤は過酸化水素である。過酸化水素は特に好適である。なぜなら、これは、非イオン性化合物として、次亜臭素酸塩または次亜塩素酸塩と完了まで、事実上「残留物フリー」的に反応することが可能だからである。過剰な過酸化水素は、必要に応じて、後続段階において、例えば、UV照射によって問題なく除去することが可能である。
【0043】
過酸化水素とは別に、またはそれに加えて、例えば、還元性硫黄化合物、例えば、チオ硫酸塩、または特にさらに、二亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)を、還元剤としてさらに水流に加えることも可能である。
【0044】
本発明による方法の、重要性において無視できない一局面は、水処理の全体プロセスにおける次亜臭素酸塩処理段階の位置づけである。好ましくは、本発明による方法は、序論において既述したように、前処理セクション、調整セクション、および仕上げセクションを含む。この連鎖において、次亜臭素酸水溶液は、好ましくは、前処理セクションの終了時、または調整セクションの開始時に、処理される水流に添加される。好ましくは、次亜臭素酸液添加の上流において、処理段階として、多媒体フィルターによる、水流の少なくとも1回のろ過(特に、綿状凝集された不純物を分離除去するため)、および/または、活性化炭素フィルターによる、水流の少なくとも1回のろ過、および/または、イオン交換器における少なくとも1回の処理、および/または、少なくとも1回の逆浸透圧段階が配置され、これらの段階は全て、特に、前処理セクション内に含まれる。次亜臭素酸液添加(そしてさらには、好ましくは、上記少なくとも一つの還元剤の添加)の下流には、好ましくは、少なくとも1回の逆浸透圧段階(既述と同様の)、および/または、少なくとも1回の脱気処理、および/または、少なくとも1回のUV処理、および/または、イオン交換器(特に、混合ベッド型イオン交換器)における少なくとも1回の処理、および/または、少なくとも1回の限外ろ過が配置される。このような位置づけによって、次亜臭素酸液添加の時点において、処理される水流は、もともと存在していた不純分の実質部分からもはや解放されることが確保される。これは、水の中に含まれる有機窒素化合物と、次亜臭素酸塩との反応が、さらに別のイオン性および非イオン性成分によって実質的に妨げられることなく進行し、したがって、次亜臭素酸塩濃度を比較的低く維持することが可能になるという利点を有する。
【0045】
本発明による水処理システムは、特に、前述の方法を実行するのに役立つ。本システムは、水流から、無機および/または有機種を分離除去するための一つ以上の手段を含む。特に、本発明による水処理システムは、少なくとも一つの次亜臭素酸塩供給ラインを介して水流に接続される、次亜臭素酸液を生成するための少なくとも一つの装置によって区別される。
【0046】
この、次亜臭素酸液生成装置は、好ましくは、次亜臭素酸塩を生成するのに好適な、少なくとも一つの反応容器、および/または、少なくとも一つの無機臭化物のための少なくとも一つの保存容器、および/または、上記の少なくとも一つの無機臭化物を酸化する性質を有する、少なくとも一つの酸化剤のための、少なくとも一つの保存容器を含む。これらの保存容器は、一つ以上の供給ラインを介して、上記反応容器に接続される。上記の少なくとも一つの無機臭化物および少なくとも一つの酸化剤の好ましい実施態様に関しては、上記の、対応する詳細説明が参照できる。好ましくは、上記の少なくとも一つの無機臭化物および少なくとも一つの酸化物は、水溶液の形で保存容器の中に存在する。上記の少なくとも一つの反応容器は、好ましくは、これらの水溶液を混合するための手段を含む。
【0047】
上記の少なくとも一つの無機臭化物を酸化して次亜臭素酸塩とする反応は、上記少なくとも一つの反応容器において進行する。このリアクターにおける無機臭化物と酸化剤との混合物の滞在時間は、好ましくは、上に定めたように、30と3000秒の間である。
【0048】
好ましくは、本発明による水処理システムは、少なくとも一つの還元剤、特に、次亜臭素酸塩および次亜塩素酸塩を還元することが可能な還元剤のための、少なくとも一つの保存容器を含む。この場合、還元剤のための、少なくとも一つの保存容器は、好ましくは、上記少なくとも一つの次亜臭素酸塩供給ラインの下流の、少なくとも一つの還元剤供給ラインを介して、水流に接続される。上記の少なくとも一つの還元剤の好ましい実施態様に関しては、同様に、上記の、対応する詳細説明が参照できる。
【0049】
本発明による水処理システムは、次亜臭素酸塩供給ラインの下流、および、還元剤供給ラインの上流に配置される酸化リアクターを含むことが特に好ましい。この酸化リアクターにおいて、前述の窒素系有機化合物の、水流に添加される次亜臭素酸塩との反応が実質的に進行する。次亜臭素酸塩は、この酸化リアクターにおいて、上に定めた活動時間の間、上記窒素化合物に対して作用することができる。この少なくとも一つの酸化リアクターは、窒素化合物の効率的分解を確保するために、水流を混ぜるための手段を含むことが可能である。
【0050】
好ましくは、本発明によるシステムは、水流から無機および/または有機種を分離除去するための手段として、上記次亜臭素酸塩供給ラインの上流に配置される、少なくとも一つのろ過ユニットおよび/または少なくとも一つのイオン交換ユニットおよび/または少なくとも一つの逆浸透圧ユニットを含む。
【0051】
さらに、本発明によるシステムは、水流から無機および/または有機種を分離除去するための手段として、上記次亜臭素酸塩供給ラインの下流に配置される、少なくとも一つの逆浸透圧ユニットおよび/または少なくとも一つの脱気ユニットおよび/または少なくとも一つのUV処理ユニットおよび/または少なくとも一つのイオン交換ユニットおよび/または少なくとも一つの限外ろ過ユニットを含む。
【0052】
この場合、特に、多媒体フィルターおよび活性炭フィルターがろ過ユニットとして使用される。上記の少なくとも一つのイオン交換ユニットは、陽イオンおよび陰イオン交換器だけでなく、混合ベッド型イオン交換器を含むことも可能である。
【0053】
本発明による水処理システムは、上記の少なくとも一つの還元剤供給ラインの下流に配置され、帰還ラインを介して、次亜臭素酸液生成のための、少なくとも一つの装置に接続される、少なくとも一つの逆浸透圧ユニットを含むことが特に好ましい。好ましくは、臭化物含有保持剤は、搬送流として、上記の少なくとも一つの逆浸透圧ユニットから、帰還ラインを介して、次亜臭素酸塩生成に好適な上記の少なくとも一つの反応容器に移送することが可能である。この反応容器に酸化剤を導入することによって、搬送流中の臭化物を酸化することが可能である。このようにして得られる、次亜臭素酸塩含有搬送流は、次いで、処理される水流に添加される。
【0054】
特に、カートリッジフィルターの形状を持つろ過ユニットは、上記の少なくとも一つの還元剤供給ラインの下流に配置される、上記の少なくとも一つの逆浸透圧ユニットの上流で接続することが可能であり、該ろ過ユニットでは、過剰な還元剤および/または塩素および/または臭素を分解することが可能である。したがって、特に、活性炭素フィルターが好適である。
【0055】
さらに、本発明によるシステムは、上記少なくとも一つの還元剤供給ラインの下流に配される逆浸透圧ユニットからの保持剤を精製するために、Br-イオンを負荷された陰イオン交換器を含むことが好ましいとされてもよい。この陰イオン交換器は、逆浸透圧ユニットと、次亜臭素酸塩生成用の上記の少なくとも一つの装置との間に配置されること好都合である。搬送流が、次亜臭素酸塩の生成に好適な反応容器へ導入される上流で、該搬送流を、Br-イオンを負荷した陰イオン交換器によって処理し、このようにして、例えば、搬送流に含まれるかもしれないCl-イオンおよび/またはOH-イオンを、Br-イオンによって置換することが可能である。
【0056】
本発明の他の特徴は、従属請求項と組み合わせた、好ましい実施態様に関する、後述の説明から得られる。この場合、個々の特徴は、それぞれの場合において分離して実行することが可能であるし、あるいは、複数として、本発明の一実施態様の中に互いに組み合わせて実行することも可能である。記載される特定の実施態様は、単に例示のため、本発明のより良き理解のために役立てられるものであって、いかなる意味でも限定的に受け取ってはならない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】現在の先行技術による、超純水生産のための標準的方法のフローチャートを示す(2段階逆浸透圧を有する方法変法)。
【図2】本発明による、超純水生産用方法の実施態様の処理セクションのフローチャートを示す。
【図3】本発明による、超純水生産用方法の実施態様の処理セクションのフローチャートを示す(逆浸透圧段階、およびBr-負荷イオン交換器によるイオン交換からの保持剤の、部分的再使用を実行する変法)。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、現在の先行技術による、超純水生産のための標準的方法を示す。この方法は、さらに三つのセクションに、すなわち、前処理、調整、および仕上げに分割される。
【0059】
前処理のために、処理される水は、貯留槽101から、ろ過水タンク102を介して、脱イオン水用タンク103に移送される。貯留槽101とろ過水タンク102の間において、水は、多媒体フィルター104、および活性炭素フィルター105を通じて流れる。多媒体フィルター104に導入される前に、凝集剤を、水に対し、供給ライン106を介して添加することが可能であり、ろ過水タンク102に導入される前に、殺生物剤を、供給ライン107を介して添加することが可能である。陽イオン交換器108および陰イオン交換器109は、ろ過水タンク102の下流に配される。脱イオン水用タンク103の下流において、水は、逆浸透圧ユニット110に導入されて前処理を完了する。供給ライン111、112、および113を通じて、酸(111)または水酸化物溶液(112および113)が、適宜添加される。出力ライン114を通じて、逆浸透圧ユニット110からの保持剤が除去される。この前処理された水は、次いで、水貯留槽115へ移送される。
【0060】
調整のために、水は、清浄水貯留槽115から、もう一つの逆浸透圧ユニット116に流される(ここに図示されるのは、二段階逆浸透圧を持つ方法変法であり、単一段階逆浸透圧を有する変異態様の場合、逆浸透圧ユニット110のみが設けられる)。出力ライン117を介して、逆浸透圧ユニット116から、保持剤が除去される。この逆浸透圧ユニット116の下流において、水は、脱気ユニット118、UV処理ユニット119、および混合ベッドイオン交換器120で処理される。供給ライン121を介して、酸および/または水酸化物液が適宜添加される。次いで、水は、水貯留槽122に移送される。
【0061】
仕上げのために、水は、最終的に、UV処理ユニット123、および混合ベッドイオン交換器124を介してさらに限外ろ過ユニット125に移送される。次いで、水は、その使用用途に供給することが可能である。
【0062】
図2には、本発明による、超純水生産方法の1つの実施態様における、処理セクションが示される。保存容器201から、酸化剤としてNaOClが、保存容器202からNaBrが、図示されない貯留槽から供給される搬送流203に対して供給され、これは次に、次亜臭素酸塩の生成に好適な反応容器204に送られる。反応容器204からのアウトフローは、次亜臭素酸塩供給ライン205を介して、イオン交換器208から流出する、被処理水流206に接続される。この水流は、既に実質的に脱イオン化されており、天然の有機化合物、例えば、フミン酸、フルボ酸、およびその他の有機酸を含まないが、依然として、有機窒素化合物の分画を有する。これらは、そのきわめて多くは、酸化リアクター207において、次亜臭素酸塩との反応によって分解される。酸化リアクター207のアウトフロー209に対し、H2O2を還元剤として、保存容器211から、還元剤供給ライン210を介して添加することが可能である。次いで、水流は、逆浸透圧ユニット212、UV酸化ユニット214の透過水タンク213、および混合ベッドイオン交換器215を通じて流される。これらにおいて、次亜臭素酸処理との関連で水流に導入されるイオン負荷だけでなく、有機窒素化合物の分解産物も除去することが可能である。サブ水流216は、混合ベッドイオン交換器215のアウトフローから透過水タンク213に再循環される。この結果、UV酸化ユニット214に対する進入時、水流は比較的弱くイオン化されており、したがって、UV放射の最適透過が実現される。
【0063】
図3には、本発明による、超純水生産方法のもう一つの実施態様の処理セクションが示される。これは、図2に示した実施態様とは、部分的局面においてのみ異なる。搬送流303は、独立の貯留槽から供給されるのではなく、逆浸透圧ユニット312から保持剤と共に供給される。この搬送流に対し、NaOClが酸化剤として保存容器301から、NaBrが保存容器302から、添加される。次いで、前記搬送流は、次亜臭素酸塩生成用反応容器304に流される。得られた次亜臭素酸液は、次亜臭素酸塩供給ライン305を介して、計測下に、イオン交換器308から流出する処理されるべき水流306に導入される。酸化リアクター307において、次亜臭素酸塩と、該水流中に存在する有機窒素化合物との反応が進行する。酸化リアクター307のアウトフロー309に対し、H2O2が還元剤として、保存容器311から、還元剤供給ライン310を介して添加される。酸化リアクター307の下流で接続される、逆浸透圧ユニット312および混合ベッドイオン交換器315において、特に、次亜臭素酸処理との関連で水流に導入されるイオン負荷だけでなく、有機窒素化合物の分解産物も除去される。UV酸化ユニット314は、特に、水流におけるTOC含量をさらに下げるのに役立つ。原理的に、逆浸透圧ユニット312からの透過物は、図2に示す方法変法の場合と同様に処理される。逆浸透圧ユニット312からの保持剤は、何よりも先ず、臭化物イオンおよび塩化物イオン(NaOClおよびNaBr由来の)を含む。塩化物イオンは、Br-イオンによって負荷される、必要に応じて設けられるイオン交換器318において、臭化物イオンによって除去、置換することが可能である。このようにして、イオン交換器318の下流において、搬送流303は、実質的に臭化物イオンしか含まない。臭化物イオンの濃度に応じて保存容器302から搬送流303に対して添加されるNaBrの必要量は低減する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に存在する無機および/または有機種を分離除去する複数の処理段階に水流を通過させる水処理方法、特に超純水の生産方法であって、次亜臭素酸水溶液が、前記段階の少なくとも一つにおいて、前記水流に添加される方法。
【請求項2】
前記次亜臭素酸液が、少なくとも一つの無機臭化物由来の臭化物イオンを、前記の少なくとも一つの無機臭化物を酸化することが可能な、少なくとも一つの酸化剤と反応させることによって生産されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水流に添加される前記次亜臭素酸水溶液は、前記水流に供給される前に前記の少なくとも一つの酸化剤が添加されている臭化物イオン含有搬送流であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記搬送流は、前記次亜臭素酸液が前記水流に添加される前記の少なくとも一つの段階の下流に配置される処理段階から、少なくとも部分的に供給されていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記搬送流に、少なくとも一つの逆浸透圧段階から保持剤が供給されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記搬送流に、少なくとも一つの逆浸透圧段階から保持剤が供給され、前記保持剤がBr-イオンを負荷した陰イオン交換器で処理されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記水流が、前記の次亜臭素酸液の添加後、8と11の間のpH、特に、8.5と9.5の間のpHであることを特徴とする前記の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記次亜臭素酸液が、前記水流に対し、1:10と1:30000の間、好ましくは1:100と1:10000の間、特に1:300と1:3000の間の容積比として添加されることを特徴とする前記の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記の次亜臭素酸液の添加によって、前記水流中に、1 mg/lと10 mg/lの間、特に2 mg/lと5 mg/lの間の濃度の遊離臭素濃度が達成されることを特徴とする前記の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記次亜臭素酸液と混和された前記水流に対し、活動時間後、還元剤が添加され、前記還元剤が、特に、次亜臭素酸イオンおよび次亜塩素酸イオンを還元することが可能であることを特徴とする前記の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
還元剤が過酸化水素であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記の次亜臭素酸液添加の前に、前記水流が、少なくとも1回のろ過段階、および/または、少なくとも1回のイオン交換段階、および/または、少なくとも1回の逆浸透圧段階を通過することを特徴とする前記の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記の次亜臭素酸液添加の後に、前記水流が、少なくとも1回の逆浸透圧段階、および/または、少なくとも1回の脱気段階、および/または、少なくとも1回のUV処理段階、および/または、少なくとも1回のイオン交換段階、および/または、少なくとも1回の限外ろ過段階を通過することを特徴とする前記の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
水流から、無機および/または有機種を分離除去するための一つ以上の手段を含む前記の請求項のいずれか一項に記載の方法を実施するための水処理システムであって、少なくとも一つの次亜臭素酸塩供給ラインを介して前記水流に接続される、次亜臭素酸液を生成するための少なくとも一つの装置によって特徴付けられるシステム。
【請求項15】
前記の次亜臭素酸液を生成するための装置が、次亜臭素酸塩の生成に好適な、少なくとも一つの反応容器、および/または、少なくとも一つの無機臭化物のための少なくとも一つの保存容器、および/または、少なくとも一つの酸化剤のための、少なくとも一つの保存容器を含むことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムが、次亜臭素酸塩および次亜塩素酸塩を還元することが可能な還元剤のための、少なくとも一つの保存容器を含み、該保存容器は、少なくとも一つの還元剤供給ラインを介して前記水流に接続されていることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムが、特に前記の少なくとも1つの次亜臭素酸塩供給ラインの下流に配置され、かつ、前記の少なくとも1つの還元剤供給ラインの上流に配置されている酸化リアクターを含むことを特徴とする請求項14から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムが、前記水流から無機および/または有機種を分離除去するための手段として、前記次亜臭素酸塩供給ラインの上流に配置される、少なくとも一つのろ過ユニットおよび/もしくは少なくとも一つのイオン交換ユニットおよび/もしくは少なくとも一つの逆浸透圧ユニットを含み、ならびに/または、前記システムが、前記水流から無機および/または有機種を分離除去するための手段として、前記次亜臭素酸塩供給ラインの下流に配置される、少なくとも一つの逆浸透圧ユニットおよび/もしくは少なくとも一つの脱気ユニットおよび/もしくは少なくとも一つのUV処理ユニットおよび/もしくは少なくとも一つのイオン交換ユニットおよび/もしくは少なくとも一つの限外ろ過ユニットを含むことを特徴とする請求項14から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムが、前記の少なくとも一つの還元剤供給ラインの下流に配置されている少なくとも一つの逆浸透圧ユニットを含み、前記逆浸透圧ユニットが、帰還ラインを介して、前記の次亜臭素酸液生成のための少なくとも一つの装置に接続されていることを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムが、Br-イオンを負荷され、かつ、前記逆浸透圧ユニットと前記の次亜臭素酸液生成のための少なくとも一つの装置との間に配置された陰イオン交換器を含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−531724(P2010−531724A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513704(P2010−513704)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004602
【国際公開番号】WO2009/003572
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(510000138)クリスト ウォーター テクノロジー アクチェン ゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】