正面フライス
【課題】本発明は、金属除去率を向上させ工具摩耗を低減すると同時に工具寿命を長くするように構成された、フェイスエンドミル等の回転切削工具用の改良された形態を提供する。
【解決手段】本発明は、切削部に隣接するシャンク部を有する高速金属除去用の、径の範囲が4mm〜51mmである、正面フライスであって、切削部が、フライスの軸からほぼ径方向に配置された複数の端面切刃で終端し、端面切刃が、フライスの端面から見ると少なくともそれらの長さの一部に沿って湾曲している、正面フライスを提供する。
【解決手段】本発明は、切削部に隣接するシャンク部を有する高速金属除去用の、径の範囲が4mm〜51mmである、正面フライスであって、切削部が、フライスの軸からほぼ径方向に配置された複数の端面切刃で終端し、端面切刃が、フライスの端面から見ると少なくともそれらの長さの一部に沿って湾曲している、正面フライスを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライス削りによる材料の機械加工用の工具に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、金属除去率を向上させ工具摩耗を低減すると同時に工具寿命を長くするように構成された、フェイスエンドミル等の回転切削工具用の改良された形態を提供する。
【背景技術】
【0003】
フライスは、適用の範囲が広いため、かつ工具の素原価が手頃であるため、フライス削り作業で広く使用されている。フライスは、円筒形状であることが多く、約80mm径まで入手可能であるが、本発明は、5mm〜32mmの径範囲に言及する。多くのフライスは平坦な端面を有するが、円錐形または円形の端面等、他の形状も使用される。フライスは通常、径サイズと、荒削り用かまたは仕上げ用かと、に応じて、2〜10個の刃を有する。刃は、通常、螺旋形状であるが、軸に対して平行に直線状であってもよい。構成材料は、高速度鋼、ソリッドカーバイド、立方晶窒化ホウ素、多結晶ダイヤモンド、サーメット、セラミックおよびそれらの組合せである。
【0004】
以下の最近の米国特許は、従来技術の評価を提供する。
【0005】
米国特許第5,727,910号明細書において、リーブ(Leeb)は、内側に向いたV型形状の複数の切刃を有するインサートを含む切削工具を開示している。このインサートは、丸コーナを備えた内部および外部の逃げ面切刃を有する。切刃は、チゼルエッジによって荒削り部と仕上げ削り部とに分割される。
【0006】
ねじ込み式インサートに関する2つの既知の問題は、穴が過大にならないようにインサートの位置決めに高い精度が必要であり、インサートを保持するねじが、使用時に工具の振動のために緩む傾向にあるということである。さらに2つのインサートを使用する工具に関するさらなる問題は、同一である必要のある2つのインサートの設定に高い精度が不可欠であるということである。インサートのサイズが、設定および締付を可能にするために十分大きくなければならないため、中小のサイズの穴を機械加工することができない。
【0007】
幾分か同様のインサートが、米国特許第6,193,446B1号明細書においてオストレム(Astroem)らによって記載されている。側面において、突出部に、段状の逃げを介して第2の螺旋状に捩じれた逃げ面まで延在する逃げ面が形成され、その切り屑角は切削深さの増大によって増大する。インサートは、チップブレーカを有する。
【0008】
ワーデル(Wardell)は、米国特許第6,439,811B1号明細書において、少なくとも1つのフルートが低角度切削面を画定し、第2フルートが高角度切削面を有する、フライスを権利請求している。2つのフルートが交差して、複合切削面を形成する。
【0009】
クロダ(Kuroda)らは、米国特許第6,846,135B2号明細書において、丸コーナを有する平底フライスを開示している。記載されているコーナ構成は、フライスのチッピングおよび破砕に対する耐性を向上させると主張されている。
【0010】
セキグチ(Sekiguchi)らは、ねじれ角が35°〜60°であり芯厚が外径の62%〜68%であるフライスについて記載している米国特許出願公開第2002/0067964A1号明細書を出願している。切刃は、超極細超硬合金である。切り屑排出の改良とコーナ摩耗の低減とが主張されている。
【0011】
マッカーサー(MacArthur)によるさらなる米国特許出願公開第2002/0141833A1号明細書は、非常に平滑かつ研磨された切刃ランドが切刃の境界を画すフライスについて開示している。ここでの明らかな問題は、研磨された部分が、数分を上回る作業に対しもたないということである。
【0012】
本発明者らは、規定形状の単一フライスを使用して荒加工および仕上げ加工を行うように意図された米国特許出願公開第2005/0117982A1号明細書を出願している。
【0013】
先のイスラエル特許および米国特許において本発明者が開示している刃形を含む、エンドミルおよびフライス用の多数の刃形が知られている。いずれの形が最良であるかを判断するために、文献におけるさまざまな開示に従って作製されたカッタに対し、比較する広範囲な加工試験を行う必要がある。かかる試験は、費用がかかるという理由でめったに行われていない。目下、大部分の発明者は、作業場において自身が選択した形を試運転するが、加工試験結果が発表された場合であっても、機械加工の条件(材料硬度、カッタ径および材料、刃の数、機械剛性、加工速度および送り量、冷却剤組成、表面仕上げ品質、フライスが窒化物でコーティングされているか否か、およびさらなる要因)は標準化されておらず、それらを比較することができない。比較試験結果がない場合、刃形に関する従来技術による開示の利点を評価することは困難である。
【0014】
しかしながら、本明細書による正面フライスは、広範囲にわたって試験されており、同じ機械加工作業に対して試験された従来技術によるフライスに比較して、実際の加工物で使用された場合に加工結果を改善したことが分かった。本発明者ら(試験報告では「ハニタ(HANITA)」という名前で呼ぶ)は、12mm径フライスを使用して、第一基準が、4340合金鋼に凹部を加工している間の工具の最大径に対する摩耗であるものとして、試験を行った。
【0015】
多くの従来技術によるフライスは、非鉄金属に対し、かつ軟鋼に対し極めて十分に作用する。しかしながら、切削工具鋼(型、打抜き機、鋳造型、鍛造型およびプレス工具の製造においてしばしば必要)の場合、送り量が急速に低下し、振動が発生し、工具破損が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5,727,910号明細書
【特許文献2】米国特許第6,193,446B1号明細書
【特許文献3】米国特許第6,439,811B1号明細書
【特許文献4】米国特許第6,846,135B2号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0067964A1号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0141833A1号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0117982A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的の1つは、従来技術によるフライスの限界をなくし、金属除去率を大幅に向上させる刃形を提供することである。本発明のさらなる目的は、耐摩耗性が向上した、かかる正面フライスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、切削部に隣接するシャンク部を有する高速金属除去用の、径の範囲が4mm〜51mmである、正面フライスであって、前記切削部が、正面フライスの軸からほぼ径方向に配置された複数の端面切刃で終端し、前記端面切刃が、正面フライスの端面から見ると少なくともそれらの長さの一部に沿って湾曲している、正面フライスを提供することにより、上記目的を達成する。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、前記切刃の少なくとも外側部分が高速度鋼より硬い材料で作製される、正面フライスを提供する。
【0020】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、立面投影図で見ると、前記切刃の中心が、軸方向において前記シャンクからもっとも遠い点である点Xより、軸方向において前記シャンクに近く、
Yが、Xとカッタ軸との間の距離であり、
Zが、Xと前記刃が径Dに達する第1位置の中心との間の軸方向距離であり、
R1が、R2の端部からLまでを含む径であり、Zの値が、Dの2%〜9%であり、
Lが、径Dに配置された切刃の軸方向長さであり、
R2が、点Xを含みZの軸長にわたって延在する(径)湾曲であり、
Cが、直線状径方向線と湾曲した切刃の外端に接する接線との間の角度である、正面フライスを提供する。
【0021】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、Yの値がDの20%〜40%である、正面フライスを提供する。
【0022】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、R2の値(それが径である場合)が、Dの5%〜15%の範囲にあり、硬質材料を加工するように構成されたフライスの場合は10%〜15%であり、軟質材料を加工するように意図されたフライスの場合は5%〜10%であるように選択される、正面フライスを提供する。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態では、Cの値が15度を上回る正面フライスを提供する。
【0024】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、各刃の逃げ面が前記切刃にほぼ平行であるように湾曲している、正面フライスを提供する。
【0025】
本発明の別の好ましい実施形態では、高速度鋼より硬い前記材料が、軸方向においてフライスの外面に沿ってDの約70%〜180%の距離Lだけ延在する、正面フライスを提供する。
【0026】
本発明の別の好ましい実施形態では、第1刃と隣接する第2刃との間の径方向角度間隔が、前記第2刃と隣接する第3刃との間の角度間隔に等しくない、正面フライスを提供する。
【0027】
本発明のもっとも好ましい実施形態では、軸方向通路から前記シャンク部を通り前記切削部の一部を通って前記切刃に近接する少なくとも1つの出口まで至る冷却剤導管が設けられている、正面フライスを提供する。
【0028】
フライスの提供された試験結果を検討することから、本発明では、径方向に湾曲した刃が、適当なすくい角、逃げ角およびねじれ角、ならびにコーティングされたカーバイド刃と組み合わせて、目下入手可能な従来技術によるフライスよりはるかに長持ちする耐摩耗性工具を提供する役割を果たすことが理解されよう。
【0029】
タングステンカーバイド切削部を高速度鋼本体に取り付けるために蝋付けを使用することにより、保持ねじとそれが通るために必要な穴とがなくなる。これら穴がないことは、工具破損を防止するためにもっとも重要である。それは、穴の周囲の部分が、工具破損に至る高応力集中に晒されるためである。
【0030】
図4に示す放物線形状の使用が特に注目され、それは、従来技術によるカッタにみられる径より優れていることが分かった。切削試験結果により、本発明の重要性に関して明確になる。
【0031】
切削速度に関し、「機械類の便覧(Machinery's Handbook)」第16版では、提供される試験報告の主題であるような、0.6mmの仕上げ切削に対する推奨は、コーティングされていないカーバイド工具によって加工される合金鋼の場合、150フィート〜200フィート(46m〜61m)/分、または85フィート〜125フィート/分である。推奨される送り量/回転は、0.004インチ〜0.04インチ(0.1mm〜1mm)の範囲である。
【0032】
試験では、窒化物がコーティングされたカーバイド工具を、160m/分のはるかに高速な切削速度で使用した。送り量(0.6mm/刃、すなわち3.6mm/回転)もまた、便覧に示す値よりはるかに大きい。さらに、試験では、カッタをエアジェットで冷却し、液体冷却は適用しなかった。
【0033】
ここで、本発明の好ましい実施形態を例によって表す添付図面を参照して、本発明についてさらに説明する。構造的詳細は、その基本的な理解のために必要な範囲でのみ示す。説明する例は、図面とともに、本発明のさらなる形態をいかに具現化することができるかを当業者に明らかにするものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるフライスの好ましい実施形態の立面図である。
【図2】同じ実施形態の端面刃に面する端面図である。
【図3】堅いコーナが設けられたフライスの先端の断面図である。
【図4】この場合もまた、フライス比率の計算に有用な記号を含む、堅いコーナが設けられたフライスの先端の断面図である。
【図5】特別な刃間隔を有する一実施形態の、端面刃に面する断面図である。
【図6】油導管が設けられたフライスの好ましい実施形態の立面図である。
【図7】従来技術によるフライスおよび本発明に従って作製されたフライスの試験に関する試験条件の表である。
【図8】試験結果の図である。
【図9】摩耗の中間値も提供する棒グラフである。
【図10】利用可能な刃形オプションの図である。
【図11】利用可能な刃形オプションの図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1および図2に、シャンク部12が首部16によって切削部14に連結された、高速金属除去用のフライス10が示されている。切削部14は、フライスの軸からほぼ径方向に配置された複数の端面切刃18で終端しており、端面切刃18は、フライス切削部14の端面20から見ると、少なくともそれらの長さの一部に沿って湾曲している。
【0036】
切削部の刃は、各外径D側において深さが約0.1Dであり、芯は約0.8Dに等しい。短いフルートと組み合わせて、フライス10の結果としての剛性は、さらに詳述する高速および高送り量を可能にするための要素である。
【0037】
本例では、切刃18は凹状湾曲を形成する。図に示すように、フライス10は、左回り方向に回転する。
【0038】
本発明では、切削部14の外径Dは4mm〜51mmの範囲である。
【0039】
各刃の逃げ面22が、切刃18にほぼ平行であるように湾曲していることが有利である。
【0040】
図面の残りを参照すると、同様の部分を識別するために同様の参照数字が使用されている。
【0041】
図3は、フライス24の頭部を示し、切刃18の外側部分は、ソリッドカーバイド、(タングステンカーバイド)、立方晶窒化ホウ素、多結晶ダイヤモンド、サーメット、セラミックおよびそれらの組合せ等、高速度鋼より硬質な堅い材料26で作製される。
【0042】
材料26は、軸方向においてフライス24の外面に沿って、Dの約70%〜180%の距離だけ延在している。このため、12mm径フライスの場合、硬質材料は、軸方向に約8.4mm〜21.6mm延在する。
【0043】
図4に、この場合もまたフライス24の先端を示す。フライス軸CLに近い端面切刃18の部分28は、軸方向において、図1に示すシャンク部12に点Xより近い。Xは、軸方向においてシャンクからもっとも遠い点である。言い換えれば、フライスの中心部分は陥没して幅広のVを逆さにした形状を形成している。
Dが、切削部14の外径Dであり、
Yが、Xとカッタ軸との間の距離であり、
Zが、Xと前記刃が径Dに達する第1位置の中心との間の軸方向距離であり、
R1が、R2の端部からLまでを含む径であり、Zの値が、Dの2%〜9%であり、
Lが、径Dに配置された切刃の軸方向長さであり、
R2が、点Xを含みZの軸長にわたって延在する湾曲であり、
Bが、フライスの各側面における逃げ角であり、
Cが、直線状径方向線と湾曲した切刃の外端に接する接線との間の角度である。
好ましい値は以下の通りである。
Zの値が、Dの2%〜9%である。
Yの値が、Dの20%〜40%である。R2の値が、Dの5%〜15%の範囲にあり、硬質材料を加工するように構成されたフライスの場合は10%〜15%であり、軟質材料を加工するように意図されたフライスの場合は5%〜10%であるように選択される。
Bの値が、1°〜5°である。
図5に示すCの値が、15°を超える。
【0044】
図5に、第1刃32と隣接する第2刃34との間の径方向角度間隔P1度が、第2刃34と隣接する第3刃36との間の角度間隔P2度と等しくない、フライス30を示す。刃間隔が不規則であることにより、フライス30および加工物の、とくに共振振動数近くの振動数での振動が低減する。図4で参照した角度Cがまた示されている。
【0045】
図6は、軸方向入口42からシャンク部12および首部16を通って切削部14の一部を通る冷却剤導管40が設けられている、フライス38を示す。導管40は、切刃に近接する2つの出口44で終端する。範囲D=24〜51等のより大きいサイズでは、追加の出口44を設けてもよい。既知であるように、切刃に近い位置まで冷却剤を搬送することにより、その冷却が促進される。
【0046】
図7には、本発明に従って作製されたフライスとともに2つの従来技術によるカッタの試験条件を指定する表46を示す。
【0047】
結果を、図8および図9において表48および棒グラフ50に表す。各加工済みポケット(図示せず)は、規定された試験条件の下で完成するために13.36mの工具移動が必要であるようなサイズのものである。
【0048】
コンピュータ制御下で動作する機械による1ポケットの完成に必要な時間は、約15.3m/分の送り量で動作しているとき、約52.5秒である。本明細書における「ポケット」という語の意味は、0.6深さの金属の層である。このため、たとえば50個のポケットが加工された場合、結果としての凹部の深さは30mmである。
【0049】
「形状(geometry)A」という語は、一般に使用される標準グレードのタングステンカーバイドである硬質材料26を指す。
【0050】
「形状B」という語は、たとえば多結晶ダイヤモンド等、プレミアムグレードである硬質材料26を指す。
【0051】
棒グラフ50は、フライスにおける摩耗と中間段階において加工されたポケットの数との関係を示す。
【0052】
本発明に従って作製されたフライスの優位性は非常に高いため、行われた試験における不正確さ(あるとすれば)がそれほど重要でない。
【0053】
ここで図10および図11を参照すると、あり得る刃形のうちのいくつかが示されており、すべて少なくとも1つの湾曲部を含む。
【0054】
図示するさまざまな形の多くは、凸状湾曲、凹状湾曲および直線部分等、2つまたはさらには3つの部分の組合せを表し、各々、種々の機械加工条件に適している。湾曲はすべて52〜74で番号が付されているが、形は図に示されているため、それ以上の注釈は不要とする。
【0055】
しかしながら、切刃が長い凸状湾曲を有する形56には特別に注意する。この形は、硬度が30HRc〜67HRcの範囲である合金鋼をフライス削りするという困難な作業にもっとも適していることが分かった。
【0056】
説明した本発明の範囲は、特許請求の範囲の意味の中にあるすべての実施形態を含むように意図されている。上述した例は、本発明の有用な形態を例示するものであって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、当業者であれば、特許請求の範囲の意味から逸脱することなく、本発明のさらなる変形および変更を容易に確立することができることに想到するであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライス削りによる材料の機械加工用の工具に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、金属除去率を向上させ工具摩耗を低減すると同時に工具寿命を長くするように構成された、フェイスエンドミル等の回転切削工具用の改良された形態を提供する。
【背景技術】
【0003】
フライスは、適用の範囲が広いため、かつ工具の素原価が手頃であるため、フライス削り作業で広く使用されている。フライスは、円筒形状であることが多く、約80mm径まで入手可能であるが、本発明は、5mm〜32mmの径範囲に言及する。多くのフライスは平坦な端面を有するが、円錐形または円形の端面等、他の形状も使用される。フライスは通常、径サイズと、荒削り用かまたは仕上げ用かと、に応じて、2〜10個の刃を有する。刃は、通常、螺旋形状であるが、軸に対して平行に直線状であってもよい。構成材料は、高速度鋼、ソリッドカーバイド、立方晶窒化ホウ素、多結晶ダイヤモンド、サーメット、セラミックおよびそれらの組合せである。
【0004】
以下の最近の米国特許は、従来技術の評価を提供する。
【0005】
米国特許第5,727,910号明細書において、リーブ(Leeb)は、内側に向いたV型形状の複数の切刃を有するインサートを含む切削工具を開示している。このインサートは、丸コーナを備えた内部および外部の逃げ面切刃を有する。切刃は、チゼルエッジによって荒削り部と仕上げ削り部とに分割される。
【0006】
ねじ込み式インサートに関する2つの既知の問題は、穴が過大にならないようにインサートの位置決めに高い精度が必要であり、インサートを保持するねじが、使用時に工具の振動のために緩む傾向にあるということである。さらに2つのインサートを使用する工具に関するさらなる問題は、同一である必要のある2つのインサートの設定に高い精度が不可欠であるということである。インサートのサイズが、設定および締付を可能にするために十分大きくなければならないため、中小のサイズの穴を機械加工することができない。
【0007】
幾分か同様のインサートが、米国特許第6,193,446B1号明細書においてオストレム(Astroem)らによって記載されている。側面において、突出部に、段状の逃げを介して第2の螺旋状に捩じれた逃げ面まで延在する逃げ面が形成され、その切り屑角は切削深さの増大によって増大する。インサートは、チップブレーカを有する。
【0008】
ワーデル(Wardell)は、米国特許第6,439,811B1号明細書において、少なくとも1つのフルートが低角度切削面を画定し、第2フルートが高角度切削面を有する、フライスを権利請求している。2つのフルートが交差して、複合切削面を形成する。
【0009】
クロダ(Kuroda)らは、米国特許第6,846,135B2号明細書において、丸コーナを有する平底フライスを開示している。記載されているコーナ構成は、フライスのチッピングおよび破砕に対する耐性を向上させると主張されている。
【0010】
セキグチ(Sekiguchi)らは、ねじれ角が35°〜60°であり芯厚が外径の62%〜68%であるフライスについて記載している米国特許出願公開第2002/0067964A1号明細書を出願している。切刃は、超極細超硬合金である。切り屑排出の改良とコーナ摩耗の低減とが主張されている。
【0011】
マッカーサー(MacArthur)によるさらなる米国特許出願公開第2002/0141833A1号明細書は、非常に平滑かつ研磨された切刃ランドが切刃の境界を画すフライスについて開示している。ここでの明らかな問題は、研磨された部分が、数分を上回る作業に対しもたないということである。
【0012】
本発明者らは、規定形状の単一フライスを使用して荒加工および仕上げ加工を行うように意図された米国特許出願公開第2005/0117982A1号明細書を出願している。
【0013】
先のイスラエル特許および米国特許において本発明者が開示している刃形を含む、エンドミルおよびフライス用の多数の刃形が知られている。いずれの形が最良であるかを判断するために、文献におけるさまざまな開示に従って作製されたカッタに対し、比較する広範囲な加工試験を行う必要がある。かかる試験は、費用がかかるという理由でめったに行われていない。目下、大部分の発明者は、作業場において自身が選択した形を試運転するが、加工試験結果が発表された場合であっても、機械加工の条件(材料硬度、カッタ径および材料、刃の数、機械剛性、加工速度および送り量、冷却剤組成、表面仕上げ品質、フライスが窒化物でコーティングされているか否か、およびさらなる要因)は標準化されておらず、それらを比較することができない。比較試験結果がない場合、刃形に関する従来技術による開示の利点を評価することは困難である。
【0014】
しかしながら、本明細書による正面フライスは、広範囲にわたって試験されており、同じ機械加工作業に対して試験された従来技術によるフライスに比較して、実際の加工物で使用された場合に加工結果を改善したことが分かった。本発明者ら(試験報告では「ハニタ(HANITA)」という名前で呼ぶ)は、12mm径フライスを使用して、第一基準が、4340合金鋼に凹部を加工している間の工具の最大径に対する摩耗であるものとして、試験を行った。
【0015】
多くの従来技術によるフライスは、非鉄金属に対し、かつ軟鋼に対し極めて十分に作用する。しかしながら、切削工具鋼(型、打抜き機、鋳造型、鍛造型およびプレス工具の製造においてしばしば必要)の場合、送り量が急速に低下し、振動が発生し、工具破損が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5,727,910号明細書
【特許文献2】米国特許第6,193,446B1号明細書
【特許文献3】米国特許第6,439,811B1号明細書
【特許文献4】米国特許第6,846,135B2号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0067964A1号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0141833A1号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0117982A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的の1つは、従来技術によるフライスの限界をなくし、金属除去率を大幅に向上させる刃形を提供することである。本発明のさらなる目的は、耐摩耗性が向上した、かかる正面フライスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、切削部に隣接するシャンク部を有する高速金属除去用の、径の範囲が4mm〜51mmである、正面フライスであって、前記切削部が、正面フライスの軸からほぼ径方向に配置された複数の端面切刃で終端し、前記端面切刃が、正面フライスの端面から見ると少なくともそれらの長さの一部に沿って湾曲している、正面フライスを提供することにより、上記目的を達成する。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、前記切刃の少なくとも外側部分が高速度鋼より硬い材料で作製される、正面フライスを提供する。
【0020】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、立面投影図で見ると、前記切刃の中心が、軸方向において前記シャンクからもっとも遠い点である点Xより、軸方向において前記シャンクに近く、
Yが、Xとカッタ軸との間の距離であり、
Zが、Xと前記刃が径Dに達する第1位置の中心との間の軸方向距離であり、
R1が、R2の端部からLまでを含む径であり、Zの値が、Dの2%〜9%であり、
Lが、径Dに配置された切刃の軸方向長さであり、
R2が、点Xを含みZの軸長にわたって延在する(径)湾曲であり、
Cが、直線状径方向線と湾曲した切刃の外端に接する接線との間の角度である、正面フライスを提供する。
【0021】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、Yの値がDの20%〜40%である、正面フライスを提供する。
【0022】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、R2の値(それが径である場合)が、Dの5%〜15%の範囲にあり、硬質材料を加工するように構成されたフライスの場合は10%〜15%であり、軟質材料を加工するように意図されたフライスの場合は5%〜10%であるように選択される、正面フライスを提供する。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態では、Cの値が15度を上回る正面フライスを提供する。
【0024】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、各刃の逃げ面が前記切刃にほぼ平行であるように湾曲している、正面フライスを提供する。
【0025】
本発明の別の好ましい実施形態では、高速度鋼より硬い前記材料が、軸方向においてフライスの外面に沿ってDの約70%〜180%の距離Lだけ延在する、正面フライスを提供する。
【0026】
本発明の別の好ましい実施形態では、第1刃と隣接する第2刃との間の径方向角度間隔が、前記第2刃と隣接する第3刃との間の角度間隔に等しくない、正面フライスを提供する。
【0027】
本発明のもっとも好ましい実施形態では、軸方向通路から前記シャンク部を通り前記切削部の一部を通って前記切刃に近接する少なくとも1つの出口まで至る冷却剤導管が設けられている、正面フライスを提供する。
【0028】
フライスの提供された試験結果を検討することから、本発明では、径方向に湾曲した刃が、適当なすくい角、逃げ角およびねじれ角、ならびにコーティングされたカーバイド刃と組み合わせて、目下入手可能な従来技術によるフライスよりはるかに長持ちする耐摩耗性工具を提供する役割を果たすことが理解されよう。
【0029】
タングステンカーバイド切削部を高速度鋼本体に取り付けるために蝋付けを使用することにより、保持ねじとそれが通るために必要な穴とがなくなる。これら穴がないことは、工具破損を防止するためにもっとも重要である。それは、穴の周囲の部分が、工具破損に至る高応力集中に晒されるためである。
【0030】
図4に示す放物線形状の使用が特に注目され、それは、従来技術によるカッタにみられる径より優れていることが分かった。切削試験結果により、本発明の重要性に関して明確になる。
【0031】
切削速度に関し、「機械類の便覧(Machinery's Handbook)」第16版では、提供される試験報告の主題であるような、0.6mmの仕上げ切削に対する推奨は、コーティングされていないカーバイド工具によって加工される合金鋼の場合、150フィート〜200フィート(46m〜61m)/分、または85フィート〜125フィート/分である。推奨される送り量/回転は、0.004インチ〜0.04インチ(0.1mm〜1mm)の範囲である。
【0032】
試験では、窒化物がコーティングされたカーバイド工具を、160m/分のはるかに高速な切削速度で使用した。送り量(0.6mm/刃、すなわち3.6mm/回転)もまた、便覧に示す値よりはるかに大きい。さらに、試験では、カッタをエアジェットで冷却し、液体冷却は適用しなかった。
【0033】
ここで、本発明の好ましい実施形態を例によって表す添付図面を参照して、本発明についてさらに説明する。構造的詳細は、その基本的な理解のために必要な範囲でのみ示す。説明する例は、図面とともに、本発明のさらなる形態をいかに具現化することができるかを当業者に明らかにするものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるフライスの好ましい実施形態の立面図である。
【図2】同じ実施形態の端面刃に面する端面図である。
【図3】堅いコーナが設けられたフライスの先端の断面図である。
【図4】この場合もまた、フライス比率の計算に有用な記号を含む、堅いコーナが設けられたフライスの先端の断面図である。
【図5】特別な刃間隔を有する一実施形態の、端面刃に面する断面図である。
【図6】油導管が設けられたフライスの好ましい実施形態の立面図である。
【図7】従来技術によるフライスおよび本発明に従って作製されたフライスの試験に関する試験条件の表である。
【図8】試験結果の図である。
【図9】摩耗の中間値も提供する棒グラフである。
【図10】利用可能な刃形オプションの図である。
【図11】利用可能な刃形オプションの図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1および図2に、シャンク部12が首部16によって切削部14に連結された、高速金属除去用のフライス10が示されている。切削部14は、フライスの軸からほぼ径方向に配置された複数の端面切刃18で終端しており、端面切刃18は、フライス切削部14の端面20から見ると、少なくともそれらの長さの一部に沿って湾曲している。
【0036】
切削部の刃は、各外径D側において深さが約0.1Dであり、芯は約0.8Dに等しい。短いフルートと組み合わせて、フライス10の結果としての剛性は、さらに詳述する高速および高送り量を可能にするための要素である。
【0037】
本例では、切刃18は凹状湾曲を形成する。図に示すように、フライス10は、左回り方向に回転する。
【0038】
本発明では、切削部14の外径Dは4mm〜51mmの範囲である。
【0039】
各刃の逃げ面22が、切刃18にほぼ平行であるように湾曲していることが有利である。
【0040】
図面の残りを参照すると、同様の部分を識別するために同様の参照数字が使用されている。
【0041】
図3は、フライス24の頭部を示し、切刃18の外側部分は、ソリッドカーバイド、(タングステンカーバイド)、立方晶窒化ホウ素、多結晶ダイヤモンド、サーメット、セラミックおよびそれらの組合せ等、高速度鋼より硬質な堅い材料26で作製される。
【0042】
材料26は、軸方向においてフライス24の外面に沿って、Dの約70%〜180%の距離だけ延在している。このため、12mm径フライスの場合、硬質材料は、軸方向に約8.4mm〜21.6mm延在する。
【0043】
図4に、この場合もまたフライス24の先端を示す。フライス軸CLに近い端面切刃18の部分28は、軸方向において、図1に示すシャンク部12に点Xより近い。Xは、軸方向においてシャンクからもっとも遠い点である。言い換えれば、フライスの中心部分は陥没して幅広のVを逆さにした形状を形成している。
Dが、切削部14の外径Dであり、
Yが、Xとカッタ軸との間の距離であり、
Zが、Xと前記刃が径Dに達する第1位置の中心との間の軸方向距離であり、
R1が、R2の端部からLまでを含む径であり、Zの値が、Dの2%〜9%であり、
Lが、径Dに配置された切刃の軸方向長さであり、
R2が、点Xを含みZの軸長にわたって延在する湾曲であり、
Bが、フライスの各側面における逃げ角であり、
Cが、直線状径方向線と湾曲した切刃の外端に接する接線との間の角度である。
好ましい値は以下の通りである。
Zの値が、Dの2%〜9%である。
Yの値が、Dの20%〜40%である。R2の値が、Dの5%〜15%の範囲にあり、硬質材料を加工するように構成されたフライスの場合は10%〜15%であり、軟質材料を加工するように意図されたフライスの場合は5%〜10%であるように選択される。
Bの値が、1°〜5°である。
図5に示すCの値が、15°を超える。
【0044】
図5に、第1刃32と隣接する第2刃34との間の径方向角度間隔P1度が、第2刃34と隣接する第3刃36との間の角度間隔P2度と等しくない、フライス30を示す。刃間隔が不規則であることにより、フライス30および加工物の、とくに共振振動数近くの振動数での振動が低減する。図4で参照した角度Cがまた示されている。
【0045】
図6は、軸方向入口42からシャンク部12および首部16を通って切削部14の一部を通る冷却剤導管40が設けられている、フライス38を示す。導管40は、切刃に近接する2つの出口44で終端する。範囲D=24〜51等のより大きいサイズでは、追加の出口44を設けてもよい。既知であるように、切刃に近い位置まで冷却剤を搬送することにより、その冷却が促進される。
【0046】
図7には、本発明に従って作製されたフライスとともに2つの従来技術によるカッタの試験条件を指定する表46を示す。
【0047】
結果を、図8および図9において表48および棒グラフ50に表す。各加工済みポケット(図示せず)は、規定された試験条件の下で完成するために13.36mの工具移動が必要であるようなサイズのものである。
【0048】
コンピュータ制御下で動作する機械による1ポケットの完成に必要な時間は、約15.3m/分の送り量で動作しているとき、約52.5秒である。本明細書における「ポケット」という語の意味は、0.6深さの金属の層である。このため、たとえば50個のポケットが加工された場合、結果としての凹部の深さは30mmである。
【0049】
「形状(geometry)A」という語は、一般に使用される標準グレードのタングステンカーバイドである硬質材料26を指す。
【0050】
「形状B」という語は、たとえば多結晶ダイヤモンド等、プレミアムグレードである硬質材料26を指す。
【0051】
棒グラフ50は、フライスにおける摩耗と中間段階において加工されたポケットの数との関係を示す。
【0052】
本発明に従って作製されたフライスの優位性は非常に高いため、行われた試験における不正確さ(あるとすれば)がそれほど重要でない。
【0053】
ここで図10および図11を参照すると、あり得る刃形のうちのいくつかが示されており、すべて少なくとも1つの湾曲部を含む。
【0054】
図示するさまざまな形の多くは、凸状湾曲、凹状湾曲および直線部分等、2つまたはさらには3つの部分の組合せを表し、各々、種々の機械加工条件に適している。湾曲はすべて52〜74で番号が付されているが、形は図に示されているため、それ以上の注釈は不要とする。
【0055】
しかしながら、切刃が長い凸状湾曲を有する形56には特別に注意する。この形は、硬度が30HRc〜67HRcの範囲である合金鋼をフライス削りするという困難な作業にもっとも適していることが分かった。
【0056】
説明した本発明の範囲は、特許請求の範囲の意味の中にあるすべての実施形態を含むように意図されている。上述した例は、本発明の有用な形態を例示するものであって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、当業者であれば、特許請求の範囲の意味から逸脱することなく、本発明のさらなる変形および変更を容易に確立することができることに想到するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削部に隣接するシャンク部を有する正面フライスであって、前記切削部が、前記正面フライスの中央の軸から径方向に配置された複数の切刃で終端し、
前記中央の軸に最も近い前記切刃の部分が、軸方向において前記シャンク部からもっとも遠い、前記切削部上の点である点Xより、軸方向において前記シャンクに近く、
前記点Xと前記中央の軸との間の距離であるYが、前記正面フライスの直径であるDの20%〜40%であり、
前記複数の切刃の第1の切刃(56、62)は、第1の曲率半径を有する第1の凸状湾曲を備え、
前記複数の切刃の第2の切刃(54、60)は、第2の曲率半径を有する第1の凸状湾曲部と第3の曲率半径を有する第2の凸状湾曲部とを備え、
前記第2の曲率半径及び前記第3の曲率半径は、前記第1の曲率半径より小さく、
前記複数の切刃の第3の切刃(52、58)は、直線部分と、前記第1の曲率半径より小さい、第4の曲率半径を有する凸状湾曲部と、を備えた
ことを特徴とする正面フライス。
【請求項2】
前記切刃の一部は第1の材料で作成されかつ前記シャンク部の一部は第2の材料で作成され、前記第1の材料は、前記第2の材料の硬さよりも硬い硬さを有する、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項3】
前記第1の材料は、前記軸方向に前記正面フライスの外面に沿って、前記直径Dの約70%〜180%の距離だけ伸びる請求項2に記載の正面フライス。
【請求項4】
軸の長さLに沿って伸びる半径R2は、前記直径Dの5%〜15%の間の範囲にある、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項5】
前記シャンク部及び前記切削部の一部を通って前記切刃に近接する少なくとも1つの出口まで至る冷却剤導管が設けられている、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項6】
半径方向の直線と前記直径Dでの前記切刃から伸びる接線との間の角度Cは15°よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の正面フライス。
【請求項7】
前記点Xと前記直径Dとの間の軸の距離Zが、前記直径のDの2%〜9%である、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項8】
前記正面フライスの逃げ角Bが、0.1°〜5°の範囲にある、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項1】
切削部に隣接するシャンク部を有する正面フライスであって、前記切削部が、前記正面フライスの中央の軸から径方向に配置された複数の切刃で終端し、
前記中央の軸に最も近い前記切刃の部分が、軸方向において前記シャンク部からもっとも遠い、前記切削部上の点である点Xより、軸方向において前記シャンクに近く、
前記点Xと前記中央の軸との間の距離であるYが、前記正面フライスの直径であるDの20%〜40%であり、
前記複数の切刃の第1の切刃(56、62)は、第1の曲率半径を有する第1の凸状湾曲を備え、
前記複数の切刃の第2の切刃(54、60)は、第2の曲率半径を有する第1の凸状湾曲部と第3の曲率半径を有する第2の凸状湾曲部とを備え、
前記第2の曲率半径及び前記第3の曲率半径は、前記第1の曲率半径より小さく、
前記複数の切刃の第3の切刃(52、58)は、直線部分と、前記第1の曲率半径より小さい、第4の曲率半径を有する凸状湾曲部と、を備えた
ことを特徴とする正面フライス。
【請求項2】
前記切刃の一部は第1の材料で作成されかつ前記シャンク部の一部は第2の材料で作成され、前記第1の材料は、前記第2の材料の硬さよりも硬い硬さを有する、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項3】
前記第1の材料は、前記軸方向に前記正面フライスの外面に沿って、前記直径Dの約70%〜180%の距離だけ伸びる請求項2に記載の正面フライス。
【請求項4】
軸の長さLに沿って伸びる半径R2は、前記直径Dの5%〜15%の間の範囲にある、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項5】
前記シャンク部及び前記切削部の一部を通って前記切刃に近接する少なくとも1つの出口まで至る冷却剤導管が設けられている、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項6】
半径方向の直線と前記直径Dでの前記切刃から伸びる接線との間の角度Cは15°よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の正面フライス。
【請求項7】
前記点Xと前記直径Dとの間の軸の距離Zが、前記直径のDの2%〜9%である、請求項1に記載の正面フライス。
【請求項8】
前記正面フライスの逃げ角Bが、0.1°〜5°の範囲にある、請求項1に記載の正面フライス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−91161(P2013−91161A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−32881(P2013−32881)
【出願日】平成25年2月22日(2013.2.22)
【分割の表示】特願2009−503734(P2009−503734)の分割
【原出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(506419630)ハニタ・メタル・ワークス・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月22日(2013.2.22)
【分割の表示】特願2009−503734(P2009−503734)の分割
【原出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(506419630)ハニタ・メタル・ワークス・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
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