説明

歩行型管理機

【課題】ガス供給ボンベの良好な交換作業性を確保すると共に、ガス供給ボンベがハンドルの折畳みを阻害するという問題を解消する。
【解決手段】機体前部に搭載され、ガスを燃料として動作するガスエンジン2と、ガスエンジン2にガスを供給するガス供給ボンベ3と、ガスエンジン2から出力される動力で回転駆動される車軸5と、車軸5に設けられる複数の耕耘爪7と、機体後部から後ろ上方に延出するハンドルフレーム8と、ハンドルフレーム8の先端部に折畳み自在に設けられるハンドル9とを備える歩行型管理機1において、ガス供給ボンベ3を、側面視でガスエンジン2とハンドルフレーム8との間の空間10内に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスエンジンが搭載された歩行型管理機に関し、詳しくは、ガスエンジンにガスを供給するガス供給ボンベの配置構成に特徴がある歩行型管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスエンジンが搭載された歩行型管理機が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この種の歩行型管理機では、ガス供給ボンベ(カセットガスボンベ)が所定の位置に載置されており、ガス供給ボンベからガスエンジンにガス供給を行うと共に、ガス供給ボンベ内のガスが無くなったら、満タン状態のガス供給ボンベに交換される。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載される歩行型管理機では、ガス供給ボンベをエンジンカバーで覆われる空間に配置しているため、ガス供給ボンベの交換に際し、わざわざエンジンカバーを外す必要があり、ガス供給ボンベの交換作業性に劣るという問題がある。
【0004】
一方、特許文献2に記載される歩行型管理機では、ガス供給ボンベをハンドル部に配置しているため、ガス供給ボンベの交換に際し、わざわざエンジンカバーを外す必要がなく、ガス供給ボンベの交換作業性に優れている。
【特許文献1】特開平11−170876号公報
【特許文献2】特開平10−131809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハンドルを折畳み自在とした歩行型管理機では、特許文献2に記載される歩行型管理機のガス供給ボンベ位置が丁度ハンドルの折畳み支点となるため、ガス供給ボンベが邪魔になってハンドルの折畳みが困難になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、機体前部に搭載され、ガスを燃料として動作するガスエンジンと、ガスエンジンにガスを供給するガス供給ボンベと、ガスエンジンから出力される動力で回転駆動される車軸と、車軸に設けられる複数の耕耘爪と、機体後部から後ろ上方に延出するハンドルフレームと、ハンドルフレームの先端部に折畳み自在に設けられるハンドルと、を備える歩行型管理機であって、前記ガス供給ボンベを、側面視でガスエンジンとハンドルフレームとの間の空間内に配置したことを特徴とする。このようにすると、ガス供給ボンベの良好な交換作業性を確保できるだけでなく、ガス供給ボンベがハンドルの折畳みを阻害するという問題も回避できる。
また、前記ガスエンジンの上方をエンジンカバーで覆うと共に、該エンジンカバーの上端を通る水平線よりも下方にガス供給ボンベを配置したことを特徴とする。このようにすると、ガス供給ボンベがエンジンカバーよりも上方に突出しないため、作業時だけでなく、折畳み格納時の機体容積をコンパクトに収めることができる。
また、前記ハンドルをガスエンジンの側方に折り畳んだとき、平面視でハンドルと重合しない位置にガス供給ボンベを配置したことを特徴とする。このようにすると、折り畳んだハンドルとガス供給ボンベの干渉をより確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1〜図3において、1は歩行型管理機であって、該歩行型管理機1は、機体前部に搭載され、ガスを燃料として動作するガスエンジン2と、ガスエンジン2にガスを供給するガス供給ボンベ3と、ミッションケース4の下端部から左右側方に延出し、ガスエンジン2の動力で回転駆動される車軸5と、車軸5の先端部に設けられる車輪6と、車軸5に複数設けられる耕耘爪7と、機体後部から後ろ上方に延出するハンドルフレーム8と、ハンドルフレーム8の先端部に設けられるハンドル9とを備えている。
【0008】
図1に示すように、ハンドルフレーム8は、ガスエンジン2との間に側面視で逆三角形状の空間10を存すると共に、先端部でハンドル9を支持している。図2及び図3に示すように、ハンドル9は、平面視で凵字又はU字形状を有しており、オペレータが握るグリップ9aの近傍に各種の操作具が配置されている。また、ハンドル9は、ハンドルフレーム8に折り畳み自在に取り付けられており、使用しないときは、ハンドル9を折り畳むことにより、歩行型管理機1をコンパクトに収納できるようになっている。具体的には、ハンドル固定具であるノブ付きボルト11を外すと、ハンドル基端部を回動中心としてハンドル9が前後回動自在となり、図3に示すように、ハンドル9をガスエンジン2の側方位置に折り畳むことができるようになっている。
【0009】
ガス供給ボンベ3は、家庭用カセットコンロに使用されるカセットガスボンベであり、ボンベホルダ12にセットすると、ガス供給管13を介してガスエンジン2にガスが供給される。また、ガス供給ボンベ3内のガスが無くなったら、満タン状態のガス供給ボンベ3に交換される。本実施形態のボンベホルダ12は、左右を向く円筒ケース12aと、円筒ケース12aの一端部に設けられるボンベ接続部12bと、円筒ケース12aの他端部に形成されるボンベ着脱口12cと、ボンベ着脱口12cを開閉する蓋12dとを備えて構成されている。つまり、蓋12dを取り外してボンベ着脱口12cを開き、ここからガス供給ボンベ3を円筒ケース12a内に挿入した後、蓋12dを再び取り付けることにより、ガス供給ボンベ3からガスエンジン2へのガス供給が可能になる。
【0010】
ボンベホルダ12は、ブラケット14を介してハンドルフレーム8に取り付けられている。ここで、本発明に係る歩行型管理機1では、ボンベホルダ12(ガス供給ボンベ3)を、図1に示すように、側面視でガスエンジン2とハンドルフレーム8との間の空間10内に配置する。このようにすると、ガス供給ボンベ3の良好な交換作業性を確保できるだけでなく、ガス供給ボンベ3がハンドル9の折畳みを阻害するという不都合が回避される。
【0011】
また、本実施形態では、ガスエンジン2の上方をエンジンカバー15で覆うにあたり、図1に示すように、エンジンカバー15の上端を通る水平線16よりも下方にガス供給ボンベ3(ボンベホルダ12)を配置している。具体的には、ボンベホルダ12を左右方向に配置することにより、ガス供給ボンベ3が上記の水平線16よりも上方に突出しないようにしている。このようにすると、ガス供給ボンベ3がエンジンカバー15よりも上方に突出しないので、作業時だけでなく、折畳み格納時の機体容積をコンパクトに収めることが可能となる。
【0012】
さらに、本実施形態では、図3に示すように、前述の手順でハンドル9をガスエンジン2の側方に折り畳んだとき、平面視でハンドル9と重合しない位置にガス供給ボンベ3(ボンベホルダ12)を配置している。このようにすると、折り畳んだハンドル9とガス供給ボンベ3(ボンベホルダ12)の干渉をより確実に防止することが可能となる。
【0013】
叙述の如く構成された本実施形態の歩行型管理機1は、機体前部に搭載され、ガスを燃料として動作するガスエンジン2と、ガスエンジン2にガスを供給するガス供給ボンベ3と、ガスエンジン2から出力される動力で回転駆動される車軸5と、車軸5に設けられる複数の耕耘爪7と、機体後部から後ろ上方に延出するハンドルフレーム8と、ハンドルフレーム8の先端部に折畳み自在に設けられるハンドル9とを備えるものであるが、ガス供給ボンベ3を、側面視でガスエンジン2とハンドルフレーム8との間の空間10内に配置しているので、ガス供給ボンベ3の良好な交換作業性を確保できるだけでなく、ガス供給ボンベ3がハンドル9の折畳みを阻害するという問題も回避できる。
【0014】
また、ガスエンジン2の上方をエンジンカバー15で覆うと共に、該エンジンカバー15の上端を通る水平線16よりも下方にガス供給ボンベ3を配置したので、ガス供給ボンベ3がエンジンカバー15よりも上方に突出することを回避でき、その結果、作業時だけでなく、折畳み格納時の機体容積をコンパクトに収めることができる。
【0015】
また、ハンドル9をガスエンジン2の側方に折り畳んだとき、平面視でハンドル9と重合しない位置にガス供給ボンベ3を配置したので、折り畳んだハンドル9とガス供給ボンベ3の干渉をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】歩行型管理機の側面図である。
【図2】歩行型管理機(車軸省略)の平面図である。
【図3】歩行型管理機(ハンドル折り畳み状態)の平面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 歩行型管理機
2 ガスエンジン
3 ガス供給ボンベ
5 車軸
7 耕耘爪
8 ハンドルフレーム
9 ハンドル
10 空間
12 ボンベホルダ
13 ガス供給管
15 エンジンカバー
16 水平線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体前部に搭載され、ガスを燃料として動作するガスエンジンと、
ガスエンジンにガスを供給するガス供給ボンベと、
ガスエンジンから出力される動力で回転駆動される車軸と、
車軸に設けられる複数の耕耘爪と、
機体後部から後ろ上方に延出するハンドルフレームと、
ハンドルフレームの先端部に折畳み自在に設けられるハンドルと、
を備える歩行型管理機であって、
前記ガス供給ボンベを、側面視でガスエンジンとハンドルフレームとの間の空間内に配置したことを特徴とする歩行型管理機。
【請求項2】
前記ガスエンジンの上方をエンジンカバーで覆うと共に、該エンジンカバーの上端を通る水平線よりも下方にガス供給ボンベを配置したことを特徴とする請求項1記載の歩行型管理機。
【請求項3】
前記ハンドルをガスエンジンの側方に折り畳んだとき、平面視でハンドルと重合しない位置にガス供給ボンベを配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の歩行型管理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−238852(P2008−238852A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78646(P2007−78646)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】