説明

殺線虫性、殺虫性及び殺菌性を有し及びトリフルオロブテニル化合物を基剤とする活性物質の組み合わせ

特定の複素環式トリフルオロブテニル類と従来公知の殺菌剤とからなる新規な活性物質の組み合わせが開示される。前記の活性物質の組み合わせは、極めて良好な相乗性殺菌効果、殺線虫効果、殺虫効果及び/又は殺ダニ効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一に、公知の複素環式トリフルオロブテニル類と、第二に、公知の殺菌活性化合物とからなる活性化合物の新規な組み合わせに関する。この組み合わせは、昆虫及び線虫などの動物害虫の防除及び真菌の防除に極めて適している。
【背景技術】
【0002】
ある種の複素環式トリフルオロブテニル類が殺線虫性を有することは既に公知である(国際公開第WO01/02378A1号公報)。これらの化合物の昆虫又は真菌に対する活性は、これまで報告されていない。
【0003】
また、多数のアゾール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、モルホリン化合物及び他の複素環化合物が真菌類の防除に使用できることが公知である(K.H.Buchel「Pflanzenschutz und Schadlingsbekampfung」[Crop protection and pest control],87、136、141及び146から153ページ,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1977;C.D.S.Thomlin(編者):「The Pesticide Manual」,Eleventh Edition,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,1997)。しかし、問題とする化合物の低施用量での活性及び/又はこれらのスペクトルについては、必ずしも満足のいくものではない。
【発明の開示】
【0004】
今般、式(I)
【0005】
【化3】

(式中、Xはハロゲンを表し及びnは0、1又は2を表す)
で示される複素環式トリフルオロブテニル類(「群1の活性化合物」)と、
下記の分類の殺菌剤:
脂肪族窒素含有殺菌剤:ブチルアミン、シモキサニル、ドジシン、ドジン、グアザチン、イミノクタジン;
アミド類:カルプロパミド、クロラニホルメタン、クロジラコン、シアゾファミド、シフルフェナミド、ジクロシメット、エタボキサム、フェノキサニル、フルメトオーバー(flumetover)、フラメトピル、プロクロラズ、キナザミッド、シルチオファム、トリホリン;アミノ酸類、例えば、ベナラキシル、ベナラキシルM、フララキシル、メタラキシル、メタラキシルM、ペフラゾエート;ベンズアミド類、例えば、ベンゾヒドロキサム酸、チオキシミド、トリクラミド、トリシクラミド(tricyclamide)、ザリルアミド、ゾキサミド;フラミド類、例えば、シクラフラミド、フルメシクロックス;フェニルスルファミド類、例えば、ジクロフルアニド、トリルフルアニド;バリンアミド類、例えば、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ;アニリド類、例えば、ベナラキシル、ベナラキシルM、ボスカリド、カルボキシン、フェンヘキサミド、メタラキシル、メタラキシルM、メトスルホバックス、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ピラカルボリド、チフルザミド、チアジニル;ベンズアニリド類、例えば、ベノダニル、フルトラニル、メベニル、メプロニル、サリチルアニリド、テクロフタラム;フルアニリド類、例えば、フェンフラム、フララキシル、フルカルバニル、メトフロキサム;スルホアニリド類、例えば、フルスルファミド;
抗生物質系殺菌剤:aureofungin、ブラストサイジン・S、カプシマイシン(capsimycin)、シクロヘキシミド、グリセオフルビン、イルママイシン、カスガマイシン、ミルディオマイシン、ナタマイシン、ポリオキシン類、ポリオキソリム、ストレプトマイシン、バリダマイシン;ストロビン類、例えば、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム・メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコシキストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン;
芳香族系殺菌剤:ビフェニル、クロロネブ、クロロタロニル、クレゾール、ジクロラン、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロフェノール、キントゼン、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、テクナゼン;
ベンゾイミダゾール類:ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、シペンダゾール、デバカルブ、フベリダゾール、メカルビンジッド、ラベンザゾール、チアベンダゾール;
ベンゾチアゾール類:ベンタルロン、クロベンチアゾン、TCMTB;
ジフェニル系殺菌剤:ビチオノール、ジクロロフェン、ジフェニルアミン;
カルバメート類:ベンチアバリカルブ、フロファネート、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、チオファネート、チオファネート・メチル;ベンゾイミダゾリルカルバメート類、例えば、ベノミル、カルベンダジム、シペンダゾール、デバカルブ、メカルビンジッド;カルバニレート類、例えば、ジエトフェンカルブ;
コナゾール類:コナゾール類(イミダゾール類)、例えば、クリンバゾール、クロトリマゾール、イマザリル、オキソポコナゾール、プロクロラズ、トリフルミゾール;コナゾール類(トリアゾール類)、例えば、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、マイクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール(prothioconazole)、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾールP;
銅系殺菌剤:ボルドー液、ブルガンディ混合物、Cheshunt混合物、酢酸銅、炭酸銅(塩基性)、水酸化銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(塩基性)、クロム酸銅亜鉛、クフラネブ、cuprobam、亜酸化銅、マンカッパー、オキシン銅;
ジカルボキシミド類:ファモキサドン、フルオロイミド;ジクロロフェニルジカルボキシミド類、例えば、クロゾリネート、ジクロゾリン、イプロジオン、イソバレジオン、マイクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;フタルイミド類、例えば、カプタホール、キャプタン、ジタリムホス、フォルペット、チオクロルフェンヒム;
ジニトロフェノール類:ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、ジノカップ−4、ジノカップ−6、ジノクトン、ジノペントン、ジノスルホン、ジノテルボン、DNOC;
ジチオカルバメート類:アジチラム、カルバモルフ、クフラネブ、cuprobam、ジスルフィラム、ファーバム、メタム、ナーバム、テコラム(tecoram)、チラム、ジラム;環状ジチオカルバメート類、例えば、ダゾメット、etem、ミルネブ;高分子量ジチオカルバメート類、例えば、マンカッパー、マンコゼブ、マネブ、メチラム、ポリカーバメート、プロピネブ、ジネブ;
イミダゾール類:シアゾファミド、フェナミドン、フェナパニル、グリオジン、イプロジオン、イソバレジオン、ペフラゾエート、トリアゾキシド、〔コナゾール類(イミダゾール類)も参照〕;
モルホリン類:アルジモルフ、ベンザモルフ、カルバモルフ、ジメトモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フルモルフ(flumorph)、トリデモルフ;
有機リン系殺菌剤:アムプロピルホス、ジタリムホス、エジフェンホス、ホセチル、ヘキシルチオホス、イプロベンホス、ホスダイフェン、ピラゾホス、トルクロホス・メチル、トリアミホス;
有機スズ化合物:デカフェンチン、フェンチン、トリブチル錫オキシド;
オキサチイン類:カルボキシン、オキシカルボキシン、オキシフェンチイン(oxyfenthiin);
オキサゾール類:クロゾリネート、ジクロゾリン、ドラゾキソロン、ファモキサドン、ヒメキサゾール、メタゾキソロン、マイクロゾリン、オキサジキシル、ビンクロゾリン;
ピリジン類:ボスカリド、ブチオベート、ジピリチオン、フルアジナム、ピリジニトリル、ピリフェノックス、ピロキシクロル、ピロキシフル;
ピリミジン類:アンドプリム(andoprim)、ブピリメート、シプロジニル、ジフルメトリム、ジメチリモール、エチリモール、フェナリモール、フェリムゾン、メフェリムゾン、メパニピリム、ヌアリモール、ピリメタニル、トリアリモール;
ピロール類:フェンピクロニル、フルジオキソニル、フルオロイミド、ピロールニトリン;
キノリン類:エトキシキン、ハラクリネート、8−ヒドロキシキノリン硫酸塩、キナセトール、キノキシフェン;
キノン類:ベンキノックス、クロラニル、ジクロン、ジチアノン;
キノキサリン類:キノメチオナート、クロルキノックス、チオキノックス;
チアゾール類:エタボキサム、エトリジアゾール、メトスルホバックス、オクチリノン、チアベンダゾール、チアジフルオール、チフルザミド;
チオカルバメート類:メタスルホカルブ、プロチオカルブ;
チオフェン類:エタボキサム、シルチオファム;
トリアジン類:アニラジン;
トリアゾール類:ビテルタノール、フルオトリマゾール、トリアズブチル〔コナゾール類(トリアゾール類)も参照〕;
尿素類:ベンタルロン、ペンシクロン、キナザミッド;
非分類殺菌剤:アシベンゾラル、アシペタクス(acypetacs)、アリルアルコール、塩化ベンザルコニウム、ベンザマクリル、ベトキサジン(bethoxazin)、カルボン、クロルピクリン、シプロフラム、DBCP、デヒドロ酢酸、ジクロメジン、ピロ炭酸ジエチル、フェナミノスルフ、フェニトロパン、フェンプロピジン、ホルムアルデヒド、ヘキサクロロブタジエン、イソプロチオラン、メチルブロミド、メチルイソチオシアネート、メトラフェノン、ニコビフェン(nicobifen)、ニトロスチレン、ニトロタル・イソプロピル、OCH、オキソリン酸、2−フェニルフェノール、フサライド、ピペラリン、プロベナゾール、プロキナジッド(proquinazid)、ピロキロン、ナトリウムオルトフェニルフェノキシド、スピロキサミン、スルトロペン、チシオフェン、トリシクラゾール、ナフテン酸亜鉛、(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−ブタンアミド;1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン;2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド;2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル; シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール;1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル;炭酸一カリウム;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;
の中から選択される少なくとも1種の化合物(「群2の活性化合物」)とからなる活性化合物の組み合わせが極めて良好な殺線虫性、殺虫性及び/又は殺菌性を有することが見出された。
【0006】
意外にも、本発明の活性化合物の組み合わせの殺線虫、殺菌及び/又は殺虫作用は、個々の活性化合物の作用の合計よりも相当に高い。まさに予測不可能な相乗効果が存在し、これは単に作用の足し算ではない。
【0007】
本発明の活性化合物の組み合わせは、前記の式(I)で示される化合物の少なくとも1種の他に、群2の活性化合物の少なくとも1種を含有する。
【0008】
群1の活性化合物として、Xが弗素、塩素又は臭素を表し及びnが0又は2を表す化合物の少なくとも1種を含有してなる式(I)で示される化合物の組み合わせが好ましい。
【0009】
さらにまた、群1の活性化合物として、Xが弗素又は塩素を表し及びnが2を表す化合物の少なくとも1種を含有してなる式(I)で示される化合物の組み合わせが特に好ましい。
【0010】
本発明は、特に、前記の定義の一つに従って群1から選択される少なくとも1種の活性化合物の他に、次の上記で定義された分類の殺菌剤:アミド類、ストロビン類、コナゾール類、ジカルボキシミド類、有機リン系殺菌剤、カルバメート類及び尿素誘導体の一つから選択される群2の活性化合物の少なくとも1種を含有する前記の活性化合物の組み合わせを提供する。
【0011】
特に好ましいのは、前記で定義した群1の活性化合物に従って式(IA)
【0012】
【化4】

で示される化合物を含有するか、又は前記で定義した群1の活性化合物に従って式(IB)
【0013】
【化5】

で示される化合物を含有するか、又は前記で定義した群1の活性化合物に従って式(IC)
【0014】
【化6】

で示される化合物を含有する前記の活性化合物の組み合わせである。
【0015】
好ましいものは、いずれの場合にも前記の式(IA)、(IB)又は(IC)で示される活性化合物の一つと、いずれの場合にもアミド類、ストロビン類、コナゾール類、ジカルボキシミド類、有機リン系殺菌剤、カルバメート類又は尿素誘導体の分類から選択される下記の活性化合物:
トリルフルアニド、カルプロパミド、クロラニホルメタン、クロジラコン、シアゾファミド、シフルフェナミド、ジクロシメット、エタボキサム、フェノキサニル、フルメトオーバー、フラメトピル、プロクロラズ、キナザミッド、シルチオファム、トリホリン、ベナラキシル、ベナラキシルM、フララキシル、メタラキシル、メタラキシルM、ペフラゾエート、ベンゾヒドロキサム酸、チオキシミド、トリクラミド、トリシクラミド、ザリルアミド、ゾキサミド、シクラフラミド、フルメシクロックス、ジクロフルアニド、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、ベナラキシル、ベナラキシルM、ボスカリド、カルボキシン、フェンヘキサミド、メタラキシル、メタラキシルM、メトスルホバックス、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ピラカルボリド、チフルザミド、チアジニル;ベンズアニリド類、例えば、ベノダニル、フルトラニル、メベニル、メプロニル、サリチルアニリド、テクロフタラム;フルアニリド類、例えば、フェンフラム、フララキシル、フルカルバニル、メトフロキサム、フルスルファミド(「アミド類」);
トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、クレソキシム・メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコシキストロビン、ピラクロストロビン(「ストロビン類」);
テブコナゾール、プロチオコナゾール、プロクロラズ、クリンバゾール、クロトリマゾール、イマザリル、オキソポコナゾール、トリフルミゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、マイクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾールP(「コナゾール類」);
イプロジオン、ファモキサドン、フルオロイミド、クロゾリネート、ジクロゾリン、イソバレジオン、マイクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン、カプタホール、キャプタン、ジタリムホス、フォルペット、チオクロルフェンヒム(「ジカルボキシミド類」);
ホセチル、アムプロピルホス、ジタリムホス、エジフェンホス、ヘキシルチオホス、イプロベンホス、ホスダイフェン、ピラゾホス、トルクロホス・メチル、トリアミホス(「有機リン系殺菌剤」);
ベンチアバリカルブ、フロファネート、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、チオファネート、チオファネート・メチル、ベノミル、カルベンダジム、シペンダゾール、デバカルブ、メカルビンジッド、ジエトフェンカルブ(「カルバメ−ト類」);
ペンシクロン、ベンタルロン、キナザミッド(「尿素類」)
の一つ、
又は活性化合物ヒメキサゾール(オキサゾール)又はフルジオキソニル(ピロール)の一つ
との活性化合物の組み合わせである。
【0016】
特に好ましいものは、式(IC)で示される活性化合物(群1の活性化合物)と、アミド類、ストロビン類、コナゾール類、ジカルボキシミド類、有機リン系殺菌剤又は尿素誘導体の分類から選択される下記の活性化合物:
トリルフルアニド、カルプロパミド、クロラニホルメタン、クロジラコン、シアゾファミド、シフルフェナミド、ジクロシメット、エタボキサム、フェノキサニル、フルメトオーバー、フラメトピル、プロクロラズ、キナザミッド、シルチオファム、トリホリン、ベナラキシル、ベナラキシルM、フララキシル、メタラキシル、メタラキシルM、ペフラゾエート、ベンゾヒドロキサム酸、チオキシミド、トリクラミド、トリシクラミド、ザリルアミド、ゾキサミド、シクラフラミド、フルメシクロックス、ジクロフルアニド、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、ベナラキシル、ベナラキシルM、ボスカリド、カルボキシン、フェンヘキサミド、メタラキシル、メタラキシルM、メトスルホバックス、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ピラカルボリド、チフルザミド、チアジニル、ベンズアニリド類、例えば、ベノダニル、フルトラニル、メベニル、メプロニル、サリチルアニリド、テクロフタラム、フラニリド類、例えば、フェンフラム、フララキシル、フルカルバニル、メトフロキサム、フルスルファミド(「アミド類」);
トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、クレソキシム・メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコシキストロビン、ピラクロストロビン(「ストロビン類」);
テブコナゾール、プロクロラズ、クリンバゾール、クロトリマゾール、イマザリル、オキソポコナゾール、トリフルミゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、マイクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾールP(「コナゾール類」);
イプロジオン、ファモキサドン、フルオロイミド、クロゾリネート、ジクロゾリン、イソバレジオン、マイクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン、カプタホール、キャプタン、ジタリムホス、フォルペット、チオクロルフェンヒム(「ジカルボキシミド類」);
ホセチル、アムプロピルホス、ジタリムホス、エジフェンホス、ヘキシルチオホス、イプロベンホス、ホスダイフェン、ピラゾホス、トルクロホス・メチル、トリアミホス(「有機リン系殺菌剤」);
ペンシクロン、ベンタルロン、キナザミッド(「尿素類」)、
の一つ、
又は活性化合物ヒメキサゾール又はフルジオキソニルの一つ
とからなる活性化合物の組み合わせである。
【0017】
コナゾール類の前記の好ましい分類の中で、トリアゾール類が特に重要である。ジカルボキシミド類の前記の好ましい分類の中で、ジクロロフェニルジカルボキシミド類が特に重要である。
【0018】
本発明の特に好ましい組み合わせを、以下の表に示す。
【0019】
【表1】




【0020】
さらにまた、本発明の活性化合物の組み合わせは、混合し得る別の殺菌活性成分、殺ダニ活性成分又は殺虫活性成分も含有していてもよい。
【0021】
前記の活性化合物が本発明の活性化合物の組み合わせ中にある重量比で存在する場合には、相乗効果が特に著しい。しかし、活性化合物の組み合わせ中の活性化合物の重量比は、比較的広い範囲内で変化させ得る。一般的に、本発明の組み合わせは、式(I)で示される活性化合物と、群2から選択される補助成分とを以下の表に例示する好ましい混合比及び特に好ましい混合比で含有する。
・ 混合比は、重量比に基づく。この比は、式(I)で示される活性化合物:補助成分を意味すると解釈されるべきである。
【0022】
【表2】



【0023】
殺菌剤は、作物保護においてネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するのに使用できる。
【0024】
真菌性及び細菌性の病気を引き起こすある種の病原体であって前記に挙げた属名に入る病原体を例として挙げるが、これらに限定されるものではない:
キサントモナス(Xanthomonas)種、例えばイネ白葉枯病菌(Xanthomonas campestris pv. oryzae);シュードモナス(Pseudomonas)種、例えばウリ科植物の斑点細菌病菌(Pseudomonas syringae pv. lachrymans);エルウィニア(Erwinia)種、例えば火傷病菌(Erwinia amylovora);腐敗カビ属菌(Pythium)種、例えば苗腐病菌(Pythium ultimum);疫病菌(Phytophothora)種、例えばトマト、ジャガイモの疫病菌(Phytophthora infestans);ニセツユカビ(Pseudoperonospora)種、例えばホップ疫病菌(Pseudoperonospora humuli)又はウリ科植物のべと病菌(Pseudoperonospora cubensis);タンジクツユカビ(Plasmopara)種、例えばブドウのべと病菌(Plasmopara viticola);ブレミア(Bremia)種、例えばレタスべと病菌(Bremia lactucae);ツユカビ(Peronospora)種、例えばエンドウべと病菌(Peronospora pisi)又はナタネべと病菌(P. brassicae);ウドンコカビ(Erysiphe)種、例えばオオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis);スファエロセカ(Sphaerotheca)種、例えばうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea);ポドスフェラ(Podosphaera)種、例えばリンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha);ベンツリア(Venturia)種、例えばリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis);ピレノホーラ(Pyrenophora)種、例えばオオムギの網斑病菌(Pyrenophora teres)又は斑葉病菌(P.graminea)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;コクリオボルス(Cochliobolus)種、例えばムギ類斑点病菌(Cochliobolus sativus)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;ウロミケス(Uromyces)種、例えばマメ類さび病菌(Uromyces appendiculatus);プクキニア(Puccinia)種、例えばコムギ、ライムギの赤さび病菌(Puccinia recondita);スクレロチニア(Sclerotinia)種、例えば菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum);チレチア(Tilletia)種、例えばコムギなまぐさ黒穂病菌(Tilletia caries);クロボ菌(Ustilago)種、例えばオオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda)又はエンバク裸黒穂病菌(Ustilago avenae);ペリキュラリア(Pellicularia)種、例えばイネ紋枯病菌(Pellicularia sasakii);ピリキュラリア(Pyricularia)種、例えばイネいもち病菌(Pyricularia oryzae);フザリウム(Fusarium)種、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum);ボトリチス(Botrytis)種、例えば灰色かび病菌(Botrytis cinerea);セプトリア(Septoria)種、例えばコムギふ枯病菌(Septoria nodorum);レプトスフェリア(Leptosphaeria)種、例えばコムギふ枯病菌(Leptosphaeria nodorum);セルコスポラ(Cercospora)種、例えば褐斑病菌(Cercospora canescens);アルタナリア(Alternaria)種、例えばナタネ黒斑病(Alternaria brassicae);及びシュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種、例えばコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)。
【0025】
前記の活性化合物の組み合わせが植物の病害を防除するのに必要な濃度で植物に十分に許容されるという事実は、植物の地上部分、繁殖用ストック及び種子、並びに土壌の処理を可能にする。
【0026】
本発明の活性化合物の組み合わせはまた、作物の収量の増加にも適している。さらにまた、本発明の活性化合物の組み合わせは、低減された毒性を有し、植物によって十分に許容される。
【0027】
材料の保護において、本発明の化合物の組み合わせは、望ましくない微生物による感染及び破壊から産業資材を保護するのに使用できる。
【0028】
本明細書において産業資材とは、産業で使用するために製造された非生物材料を意味すると理解される。例えば、本発明の活性化合物の組み合わせによって微生物による変質又は破壊から保護すべきことを目的とする産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、織物、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤、並びに微生物が感染又は破壊し得る他の材料であり得る。微生物の増殖によって損傷し得る製造プラントの部品、例えば冷却水循環路もまた、保護すべき材料の範囲内に挙げ得る。本発明の範囲内に挙げ得る産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑剤並びに熱媒液であることが好ましく、木材であることが特に好ましい。
【0029】
挙げ得る産業資材を分解又は変化させ得る微生物は、例えば細菌、真菌(カビ菌)、酵母、藻類及びスライム生物である。本発明の活性化合物の組み合わせは、真菌、特に糸状菌、木材変色菌及び木材腐朽菌(担子菌類)に対して及びスライム生物及び藻類に対して作用することが好ましい。
【0030】
下記の属の微生物を、例として挙げ得る:
アルタナリア属(Alternaria)、例えばアルタナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ケトミウム属(Chaetomium)、例えばケトミウム・グロボーサム(Chaetomium globosum)、コニオホーラ(Coniophora)属、例えばコニオホーラ・プエタナ(Coniophora puetana)、レンティナス(Lentinus)属、例えばレンティナス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、ペニシリウム(Penicillium)属、例えばペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum)、ポリポルス(Polyporus)属、例えばポリポルス・バージカラー(Polyporus versicolor)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属、例えばアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、スクレロフォーマ(Sclerophoma)属、例えばスクレロフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)、トリコデルマ(Trichoderma)属、例えばトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)、エシェリキア(Escherichia)属、例えば大腸菌(Escherichia coli)、シュードモナス(Pseudomonas)属、例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、及びブドウ球菌(Staphylococcus)属、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0031】
本発明の活性化合物の組み合わせは、この個々の物理的性質及び/又は化学的性質に応じて、慣用の製剤、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、発泡剤、ペースト剤、粒剤、エーロゾル剤並びに高分子物質及び種子用被覆組成物中の微細カプセル剤に変えることができ、またULV冷却及び加温煙霧製剤に変えることができる。
【0032】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液状溶媒、加圧液化ガス及び/又は固形担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤、及び/又は気泡形成剤を用いて混合することにより製造される。使用する増量剤が水である場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することも可能である。適切な液状溶媒は、本質的には、芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン類、例えば石油留分、アルコール類、例えばブタノール又はグリコール及びこれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、又は水である。液化ガス状増量剤又は担体とは、標準温度及び大気圧下でガス状の液体、例えばエーロゾル噴射剤、例えばハロゲン化炭化水素又はブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味すると理解されるべきである。適切な固形担体は、例えば粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイソウ土、並びに粉砕合成鉱物、例えば高分散シリカ、アルミナ及びケイ酸塩である。粒剤に適した固形担体は、例えば破砕及び分別天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイトであるか、又は無機及び有機粉末の合成顆粒、及び有機材料例えばおが屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎の顆粒である。適切な乳化剤及び/又は気泡形成剤は、例えば非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類、又はタンパク質加水分解生成物である。適切な分散剤は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
【0033】
粘着付与剤、例えばカルボキシメチルセルロース並びに粉末状、顆粒状又はラテックス状の天然及び合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類並びに合成リン脂質が前記の製剤に使用できる。他の可能な添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0034】
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、並びに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を使用できる。
【0035】
前記の製剤は、一般に活性化合物を0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%含有する。
【0036】
本発明の活性化合物の組み合わせは、このままで使用できるし、この製剤の形態で使用できるし又はそれから調製される使用形態、例えばすぐ使用可能な液剤、懸濁剤、水和剤、ペースト剤、水溶剤、粉剤及び粒剤の形態で使用できる。施用は慣用の方法で、例えば散水、液剤散布、噴霧、散播、散粉、発泡、展着などで実施される。また、本発明の活性化合物は、微量散布法で散布することが可能であるし、又は該活性化合物製剤又は該活性化合物それ自体を土壌に注入することも可能である。また、植物の種子を処理することも可能である。
【0037】
本発明の活性化合物の組み合わせを殺菌剤として使用する場合には、この施用量は施用の種類に応じて比較的広い範囲内で変化させ得る。植物の部分の処理に関しては、活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1,000g/haである。種子粉衣に関しては、活性化合物の施用量は、一般的には種子1kg当たり0.001から50g、好ましくは種子1kg当たり0.01から10gである。土壌処理に関しては、活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5,000g/haである。
【0038】
産業資材を保護するのに使用される組成物は、一般に、活性化合物を1から95重量%、好ましくは10から75重量%の量で含有する。
【0039】
本発明の活性化合物の組み合わせの使用濃度は、防除すべき微生物の性質及び発生並びに保護すべき物質の組成に応じる。用いられる最適量は、一連の試験により決定することができる。一般に、使用濃度は、保護すべき物質に基づいて0.001から5重量%、好ましくは0.05から1.0重量%の範囲にある。
【0040】
全植物及び植物部分は、本発明に従って処理できる。植物とは、本明細書では全ての植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解されるべきである。作物植物は、慣用の植物育種法及び最適化法によって又はバイオテクノロジー法及び遺伝子工学法によって、又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物、例えばトランスジェニック植物であることができ、また植物育種者の権利によって保護し得るか又は保護し得ない植物変種であることができる。植物の部分とは、植物の全ての地上部分及び地下部分並びに器官、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解されるべきであり、挙げ得る例は葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに根、塊茎及び地下茎である。また、植物の部分としては、収穫物並びに栄養及び生殖繁殖材料、例えば苗木、塊茎、地下茎、挿し木及び種子が挙げられる。
【0041】
本発明による活性化合物による植物及び植物部分の処理は、直接に行うか又は該活性化合物を該植物及び植物部分の周囲、生育環境又は貯蔵空間に慣用の処理方法で作用させることによって、例えば浸漬、噴霧、蒸発、燻煙、散布、塗布により作用させることによって行い、また繁殖材料の場合、特に種子の場合には一つ又はそれ以上の被覆を施すことによって行う。
【0042】
殺菌剤、殺線虫剤、殺虫剤及び殺ダニ剤の相乗効果は、活性化合物の組み合わせの殺菌作用、殺線虫作用、殺虫作用及び殺ダニ作用が個々に施用された場合の活性化合物の作用の合計を超える場合に常に存在する。
【0043】
2種類の活性化合物の所望の組み合わせについて期待される作用は、下記の通りに算出できる〔Colby,S.R.,「Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations」,Weeds 15(1967),20−22〕:
Xが、活性化合物Aを効果で又はm ppmの濃度で用いる場合の殺滅率(未処理対照の%として表される)であり、
Yが、活性化合物Bを効果で又はn ppmの濃度で用いる場合の殺滅率(未処理対照の%として表される)であり、及び
Eが、活性化合物A及びBを効果で又は(m+n)ppmの濃度で用いる場合の殺滅率(未処理対照の%として表される)である場合には、
E=X+Y−(X・Y/100)
である。
【0044】
実際の殺菌作用又は殺線虫作用、殺虫作用及び/又は殺ダニ作用が計算値を超える場合には、前記の組み合わせの作用は超付加であり、すなわち相乗効果が存在する。この場合には、実際に観察された効果又は殺滅率は、期待される効果(E)について前記の式を使用して算出される値を越えなければならない。
【実施例】
【0045】
(実施例A)
ネコブセンチュウ試験(殺線虫作用)
溶 媒: ジメチルホルムアミド7重量部
乳化剤: アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を前記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で所望の濃度に希釈した。
【0046】
容器を砂、活性化合物の溶液、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)の卵/幼虫懸濁物及びレタスの種子で満たした。レタスの種子を発芽させ、植物を生長させた。根に瘤が形成された。
【0047】
所望の期間後に、殺線虫作用を瘤の形成%で測定した。100%は、瘤が認められなかったことを意味する;0%は、処理植物の瘤の個数が未処理の対照植物の瘤の個数に相当することを意味する。調べた殺虫率をColby式に挿入した。
【0048】
この試験において、本出願の下記の活性化合物の組み合わせは、それ自体で施用された活性化合物に比べて相乗的に高められた活性を示した(実測値=試験で実測された活性;計算値**=Colbyに従って計算された活性):
【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
(実施例B)
コナガ試験、感受性系(殺虫作用)
溶 媒: ジメチルホルムアミド7重量部
乳化剤: アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を前記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤含有水で所望の濃度に希釈した。
【0053】
キャベツの葉を所定濃度の活性化合物の製剤に浸漬することにより処理し、葉が未だ湿っている間にコナガ(Plutella xylostella、感受性系)の毛虫を生息させた。所望の期間後に、殺虫率(%)を調べた。100%は毛虫全部が死んだことを意味し;0%は毛虫が全く死ななかったことを意味する。調べた殺虫率をColby式に挿入した。
【0054】
この試験において、本出願の下記の活性化合物の組み合わせは、それ自体で施用された活性化合物に比べて相乗的に高められた活性を示した(実測値=試験で実測された活性;計算値**=Colbyに従って計算された活性):
【0055】
【表6】

【0056】
(実施例C)
菌糸体増殖試験
栄養培地: ジャガイモデキストロース寒天39重量部
寒天5重量部
これらを蒸留水1000mlに溶解し、121℃で30分間加圧滅菌処理した。
【0057】
溶 媒:アセトン49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物又は活性化合物の組み合わせ1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で、必要な貯蔵溶液濃度に希釈した。試験濃度を定めるために、いずれの場合にも、前記の活性化合物貯蔵溶液1容量部を、液状栄養培地9容量部と十分に混合し、ペトリ皿に注入した。栄養培地を冷却し、凝固させ、ペトリ皿に下記の表に挙げた微生物を接種し、約20℃でインキュベートした。
【0058】
微生物の増殖率に応じて、2から8日後に評価を行った。0%は対照の効果に相当する効果を意味し、これに対して100%は菌糸体の増殖が認めされなかったことを意味する。
【0059】
以下の表は、本発明の活性化合物の組み合わせの実測された活性が計算された活性よりも高い、すなわち相乗効果が存在することを明らかに示している。
【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】
【表9】

【0063】
【表10】

【0064】
【表11】

【0065】
【表12】

【0066】
【表13】

【0067】
【表14】

【0068】
【表15】

【0069】
【表16】

【0070】
【表17】

【0071】
【表18】

【0072】
【表19】

【0073】
【表20】

【0074】
【表21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
相乗作用組成物であって、
(a)式(I)
【化1】

(式中、Xはハロゲンを表し及びnは0、1又は2を表す。)
で示される1種又はそれ以上の化合物(「群1の活性化合物」)と、
(b)下記の群(b1)から(b7):
(b1)トリルフルアニド、カルプロパミド、クロラニホルメタン、クロジラコン、シアゾファミド、シフルフェナミド、ジクロシメット、エタボキサム、フェノキサニル、フルメトオーバー(flumetover)、フラメトピル、プロクロラズ、キナザミッド、シルチオファム、トリホリン、ベナラキシル、ベナラキシルM、フララキシル、メタラキシル、メタラキシルM、ペフラゾエート、ベンゾヒドロキサム酸、チオキシミド、トリクラミド、トリシクラミド(tricyclamide)、ザリルアミド、ゾキサミド、シクラフラミド、フルメシクロックス、ジクロフルアニド、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、ベナラキシル、ベナラキシルM、ボスカリド、カルボキシン、フェンヘキサミド、メタラキシル、メタラキシルM、メトスルホバックス、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ピラカルボリド、チフルザミド、チアジニル、ベンズアニリド類、例えば、ベノダニル、フルトラニル、メベニル、メプロニル、サリチルアニリド、テクロフタラム、フルアニリド類、例えば、フェンフラム、フララキシル、フルカルバニル、メトフロキサム、フルスルファミド(「アミド類」);
(b2)トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、クレソキシム・メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコシキストロビン、ピラクロストロビン(「ストロビン類」);
(b3)テブコナゾール、プロチオコナゾール(prothioconazole)、プロクロラズ、クリンバゾール、クロトリマゾール、イマザリル、オキソポコナゾール、トリフルミゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、マイクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾールP(「コナゾール類」);
(b4)イプロジオン、ファモキサドン、フルオロイミド、クロゾリネート、ジクロゾリン、イソバレジオン、マイクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン、カプタホール、キャプタン、ジタリムホス、フォルペット、チオクロルフェンヒム(「ジカルボキシミド類」);
(b5)ホセチル、アムプロピルホス、ジタリムホス、エジフェンホス、ヘキシルチオホス、イプロベンホス、ホスダイフェン、ピラゾホス、トルクロホス・メチル、トリアミホス(「有機リン系殺菌剤」);
(b6)ベンチアバリカルブ、フロファネート、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、チオファネート、チオファネート・メチル、ベノミル、カルベンダジム、シペンダゾール、デバカルブ、メカルビンジッド、ジエトフェンカルブ(「カルバメート類」);
(b7)ペンシクロン、ベンタルロン、キナザミッド(尿素類);
の1つ又は数個の群の中から選択される1種又はそれ以上の活性化合物、又は活性化合物フルジオキソニル又はヒメキサゾールの一つ(「群2の活性化合物」)
とからなる活性化合物の組み合わせを含有してなることを特徴とする、相乗作用組成物。
【請求項2】
前記の式(I)で示される化合物であって、式中のXが弗素、塩素又は臭素を表し及びnが0又は2を表す化合物の1種又はそれ以上を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の相乗作用組成物。
【請求項3】
前記の式(I)で示される化合物であって、式中のXが弗素又は塩素を表し及びnが2を表す化合物の1種又はそれ以上を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の相乗作用組成物。
【請求項4】
群1の活性化合物として、式(IA)、(IB)又は(IC):
【化2】

で示される化合物の一つを含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の相乗作用組成物。
【請求項5】
群1の活性化合物として、前記の式(IC)で示される化合物を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の相乗作用組成物。
【請求項6】
真菌、線虫、昆虫及び/又はダニを防除するための、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物を線虫及び/又は昆虫及び/又は真菌及び/又はこれらの生息環境に作用させることを特徴とする、真菌、線虫、昆虫及び/又はダニの防除方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物を界面活性剤及び/又は増量剤と混合することを特徴とする、殺菌剤、殺線虫剤、殺虫剤及び/又は殺菌剤組成物の製造方法。

【公表番号】特表2006−525250(P2006−525250A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505198(P2006−505198)
【出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004165
【国際公開番号】WO2004/095929
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】