説明

殺菌装置

【課題】電子線やX線を確実に遮蔽しつつ、遮蔽壁をなるべく簡素な構造とし、コスト低減、装置重量低減、装置の小型化等を実現することのできる殺菌装置を提供することを目的とする。
【解決手段】殺菌装置10Aの入口と出口に回転ドラム50Aを備えることで、遮蔽壁40の出入り口からの電子線やX線の漏洩を防ぐ。このとき、回転ドラム50Aの部分には、回転ドラム50Aが回転したときにも遮蔽壁40との間に電子線やX線が漏洩するような隙間が生じないようフード部41を形成し、電子線やX線の漏洩を確実に防止する。フード部41は、回転ドラム50Aの外周形状に沿った形状とすることで、遮蔽壁40の無用な大型化を防ぐ。回転ドラムは、上下2段構造としても良いし、また横周りに回転するような構成とすることも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品・飲料・医薬品等を充填する容器の殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品・飲料・医薬品等の充填物を容器に充填する充填工程においては、容器に充填物を充填するに先立ち、容器の殺菌が行われる。
【0003】
容器の殺菌には、過酢酸・過酸化水素や紫外線照射が多く用いられているが、近年、紫外線よりも殺菌力に勝る電子線照射による殺菌技術が注目され、鋭意開発が行われている。
電子線照射を用いる場合、電子線や、電子線の照射によって生じるX線の装置外への漏洩を確実に防ぐ必要があるため、電子線照射部の周囲を、鉄や鉛からなる遮蔽壁で囲う構造が採用されている(例えば特許文献1、2参照。)。
遮蔽壁には、遮蔽壁内の電子線照射部に容器を供給し、殺菌後の容器を遮蔽壁から排出するための出入り口を形成する必要があるが、この出入り口からの電子線やX線の漏洩を抑えるために、出入り口に複雑なラビリンス構造を採用したり(例えば特許文献1参照。)、回転ドラムを設ける構造を採用したりしている(例えば特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−114030号公報
【特許文献2】特開平8−184700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ラビリンス構造を採用した場合、ラビリンス構造を形成するためのスペースが必要となるため、遮蔽壁が大型化し、また複雑な構造となるために、コストもかかり、装置重量の増加、装置全体の大型化にもつながる。また、ラビリンス構造は、メンテナンス時の作業性にも影響を及ぼす。
一方、回転ドラムを設けた場合、回転ドラムが回転したときに出入り口に隙間があくと電子線やX線が漏洩してしまうため、実際にはラビリンス構造と組み合わせる等の必要があり、上記と同様の問題が伴うことになる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、電子線やX線を確実に遮蔽しつつ、遮蔽壁をなるべく簡素な構造とし、コスト低減、装置重量低減、装置の小型化等を実現することのできる殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもとになされた本発明の殺菌装置は、電子線を照射することで容器を殺菌する殺菌装置であって、電子線を容器に照射する電子線照射部と、電子線照射部からの電子線の照射範囲内を容器が通過するよう、容器を搬送する容器搬送部と、電子線照射部から照射される電子線および電子線の照射によって生じるX線の外部への漏洩を遮断するため、電子線照射部および容器搬送部を囲うよう設けられるとともに、内部の容器搬送部に容器を供給する供給口、および電子線照射部からの電子線により殺菌された容器を容器搬送部から外部に排出する排出口が形成された遮蔽壁と、電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、遮蔽壁の供給口および排出口にそれぞれ設けられ、周方向に複数に分割された容器収容スペースを有して、略鉛直軸周りに回転可能とされた回転ドラムと、電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、回転ドラムの外周形状に沿い、かつ、少なくとも一つの容器収容スペースをカバーするよう、遮蔽壁と一体的に形成された遮蔽フードと、を備えることを特徴とする。
このような殺菌装置においては、遮蔽壁の供給口および排出口にそれぞれ設けられた回転ドラムにより、遮蔽壁内の容器搬送部に例えばペットボトル等の容器を順次連続的に送り込み、電子線照射部における電子線での殺菌を行った後、殺菌が完了した容器を遮蔽壁外に送り出すことができる。このとき、回転ドラム自体を、遮蔽性能を有する材料から十分な遮蔽性を発揮できる厚さで形成することで、回転ドラムの部分からの電子線やX線の漏洩を防ぐことができる。
さらに、回転ドラムの少なくとも一つの容器収容スペースをカバーできる遮蔽フードを備えることで、遮蔽壁と回転ドラム、遮蔽フードと回転ドラムの間から電子線やX線が漏洩するのを防ぐことができる。このとき、遮蔽フードを回転ドラムの外周形状に沿ったものとすることで、遮蔽フードの大型化を防ぐことができる。
遮蔽フードは、最低限としては、前述したように、回転ドラムの少なくとも一つの容器収容スペースをカバーできるように設ければよいが、遮蔽性能を一層確実なものとするには、回転ドラムを遮蔽フードでなるべく覆うのが好ましい。最も好ましくは、遮蔽フードに、容器搬送部と回転ドラムの容器収容スペースとの間で容器を受け渡すための第一の開口部と、回転ドラムと遮蔽壁の外部との間で容器を受け渡すための第二の開口部のみを形成することである。
【0007】
回転ドラムから容器を排出すべき位置において、遮蔽壁には回転ドラムの下方に排出開口部を形成し、容器を排出開口部から回転ドラム外に排出するようにしても良い。これにより、遮蔽壁および回転ドラムにより、ラビリンス構造的な効果を発揮することが可能となる。
【0008】
本発明は、電子線を照射することで容器を殺菌する殺菌装置であって、電子線を容器に照射する電子線照射部と、電子線照射部からの電子線の照射範囲内を容器が通過するよう、容器を搬送する容器搬送部と、電子線照射部から照射される電子線および電子線の照射によって生じるX線の外部への漏洩を遮断するため、電子線照射部および容器搬送部を囲うよう設けられるとともに、内部の容器搬送部に容器を供給する供給口、および電子線照射部からの電子線により殺菌された容器を容器搬送部から外部に排出する排出口が形成された遮蔽壁と、電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、遮蔽壁の供給口および排出口にそれぞれ設けられ、周方向に複数に分割された容器収容スペースを有して、略鉛直軸周りに回転可能とされた回転ドラムと、電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、回転ドラムの外周形状に沿い、かつ、少なくとも一つの容器収容スペースをカバーするよう、遮蔽壁と一体的に形成された遮蔽フードと、を備え、回転ドラムは、上下2段の構成とされ、回転ドラムの上段側で回転ドラム外から容器収容スペースに容器を受け入れるとともに、回転ドラムの下段側で容器収容スペースに収容された容器を回転ドラム外に排出し、回転ドラムの回転途中、上段側の容器収容スペースに収容された容器が下段側の容器収容スペースに落下する構成とされていることを特徴とする殺菌装置とすることもできる。
このように、回転ドラムを上下2段の構成とすることで、遮蔽壁および回転ドラムにより、ラビリンス構造的な効果を発揮することが可能となる。
【0009】
上記したような回転ドラムは、回転ドラム外から容器収容スペースに容器を受け入れる側から、容器収容スペースに収容された容器を回転ドラム外に排出する方向に向けて、容器の下面に接する底面が傾斜するよう設けても良い。これにより、底面の傾斜を利用して容器をその自重やエア式の搬送手段等により移動させることが可能となるので、容器の受け渡しを、複雑な駆動機構等を用いずに行うことが可能となる。したがって、装置の低コスト化、小型化等を図ることができる。
【0010】
本発明は、電子線を照射することで容器を殺菌する殺菌装置であって、電子線を容器に照射する電子線照射部と、電子線照射部からの電子線の照射範囲内を容器が通過するよう、容器を搬送する容器搬送部と、電子線照射部から照射される電子線および電子線の照射によって生じるX線の外部への漏洩を遮断するため、電子線照射部および容器搬送部を囲うよう設けられるとともに、内部の容器搬送部に容器を供給する供給口、および電子線照射部からの電子線により殺菌された容器を容器搬送部から外部に排出する排出口が形成された遮蔽壁と、電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、遮蔽壁の供給口および排出口にそれぞれ設けられ、周方向に複数に分割された容器収容スペースを有して、略水平軸周りに回転可能とされた回転ドラムと、電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、回転ドラムの外周形状に沿い、かつ、少なくとも一つの容器収容スペースをカバーするよう、遮蔽壁と一体的に形成された遮蔽フードと、を備えることを特徴とする殺菌装置とすることもできる。
ところで、殺菌装置においては、遮蔽壁の入口から出口まで容器を搬送する必要があるが、このためにモータやコンベア等の機構が必要であり、このため、装置構造が複雑となるのはもちろん、モータやコンベアの駆動部分のためにスペースが必要であり、これも遮蔽壁の大型化につながる。
これに対し、上記のように略水平軸周りに回転する回転ドラムを備えた殺菌装置においては、容器を横倒しにして取り扱うことになる。すると、容器搬送部では、供給口から排出口に向けて上方から下方に傾斜して設ければ、容器を横倒しにした状態で回転または滑走させて搬送することが可能となる。これにより、容器の搬送を、駆動機構等を用いずに行うことが可能となる。したがって、装置構造の簡易化、装置の低コスト化、小型化等を図ることが可能となる。
【0011】
本発明は、食品・飲料・医薬品等を充填する容器を対象として殺菌を行うためのものであるが、このような容器が、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PLA(ポリ乳酸)等の樹脂材料からなるものである場合に特に有効である。容器の形状・形態は何ら問うものではなく、ボトル状に限らず、カップ状、トレー状等であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電子線やX線を確実に遮蔽しつつ、遮蔽壁をなるべく簡素な構造とし、コスト低減、装置重量低減、装置の小型化等を実現することができる。
また、回転ドラムを略水平軸周りに回転する構成とすることで、殺菌装置においては、容器を横倒しにした状態で回転または滑走させて搬送することが可能となる。これにより、容器の搬送を、駆動機構等を用いずに行うことが可能となり、一層の装置構造の簡易化、装置の低コスト化、小型化等を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔第一の実施形態〕
図1は、本実施形態におけるボトル用の殺菌装置10Aの概略構成を説明するための図である。
この図1に示す殺菌装置10Aは、ボトル(容器)100に飲料を充填する充填装置の前段側に設けられるものである。この殺菌装置10Aは、電子線を照射して殺菌を行う電子線照射部20と、ボトル100を搬送するボトル搬送部(容器搬送部)30と、これら電子線照射部20およびボトル搬送部30を覆う遮蔽壁40と、を備えて構成されている。
【0014】
本実施形態の電子線照射部20は、電子線発生源21と、ホーン22と、コントローラ(図示無し)とを備える。
電子線発生源21としては、いわゆる電子銃を用いることができる。この電子線発生源21では、ビーム状の電子線を発生し、これを、ボトル搬送部30によって搬送されるボトル100に照射する。このとき、電子線照射部20には、図示しないスキャン用磁石が備えられている。スキャン用磁石は、それぞれ、印加される電流に応じて発生する磁界が変化するものであり、コントローラの制御により発生する磁界を変化させることで、電子線発生源21で発生した電子線を所定の方向にスキャンさせるようになっている。ここでは、電子線を、ボトル100の搬送方向、あるいはボトル100の搬送方向に所定角度で交差する方向にスキャンするのが好ましい。
【0015】
ホーン22は、電子線発生源21から離れるに従い、その断面寸法が拡大する筒状で、スキャン用磁石によって電子線のスキャンを行っているときの、電子線の照射範囲を取り囲むように設けられる。
【0016】
ボトル搬送部30は、電子線照射部20の下方を横切るように設けられ、所定の方向にボトル100を搬送しながら、このボトル100に電子線照射部20からの電子線が照射されるようにするものである。
ボトル搬送部30は、底部ガイド31と、底部ガイド31の上方両側に設けられた側部ガイド32とを備えることで、ボトル100を、下方および両側方でガイドしながら、所定の方向に搬送するようになっている。
このようにボトル100を搬送するためのボトル搬送部30の構成について、本発明で何らの限定を行う意図はないが、例えば底部ガイド31において無端状の搬送ベルトを循環駆動させながら、搬送ベルト上にボトル100を一定間隔ごとに割り出していくことにより、搬送ベルト上にボトル100を所定間隔で配列した状態で搬送していく構成のものや、らせん状のガイドパイプを備えたスクリューを設け、これを図示しないモータ等で回転駆動させることで、ボトル100を底部ガイド31上でスライドさせながら搬送していく構成のもの等が採用できる。この他、ボトル搬送部30については、これ以外にもいかなる構成のものを採用しても良く、例えば、エアをボトル100に吹き付けること等によってボトル100を搬送しても良いし、底部ガイド31を傾斜させることで、ボトル100の自重により、ボトル100を底部ガイド31上で移動させるようにしても良い。
【0017】
図2に示すように、ボトル搬送部30の両端には、回転ドラム50Aがそれぞれ設けられている。ボトル搬送部30が傾斜している場合、両端の回転ドラム50Aは、ボトル搬送部30の高さに合わせて設けられている。
回転ドラム50Aは、回転軸51に、上下に間隔を隔てて設けられた底板52および天板53と、これら底板52、天板53間において、回転軸51から放射状に延びるように設けられた仕切板54とを備えている。ここで、図3に示すように、仕切板54は、複数枚、例えば8枚が設けられ、互いに隣接する2枚の仕切板54の間の空間Sに、ボトル100が収容できるようになっている。
このような回転ドラム50Aは、少なくとも仕切板54が、遮蔽壁40と同様、電子線およびX線の遮蔽効果を有する材料で形成されている。
【0018】
回転ドラム50Aは、図示しないモータ等の駆動機構によって回転軸51が駆動されて回転するようになっており、所定の速度で回転しながら、互いに隣接する2枚の仕切板54の間の空間Sがボトル搬送部30に対向した位置で、空間Sから、対向するボトル搬送部30にボトル100を受け渡したり、ボトル搬送部30からボトル100を受け取り、空間Sに収容するようになっている。
【0019】
なお、ボトル100を回転ドラム50Aで受け取る場合は、それまでボトル100を搬送していたときの慣性を利用したり、搬送コンベア200Iやボトル搬送部30から後列のボトル100で押したり他の補助的な機構を用いたりすることで、ボトル100を押し出すようにして空間Sに投入するようにする。一方、回転ドラム50Aからボトル100を排出する場合は、回転ドラム50Aに、互いに隣接する2枚の仕切板54の間の空間Sに収容されたボトル100を押し出すためのプッシャ55を備えるようにしても良い。このプッシャ55は、図示しない伸縮シリンダやカム等によって駆動され、回転ドラム50Aからボトル100を押し出すタイミングで作動するようになっている。
【0020】
遮蔽壁40は、これら電子線照射部20、ボトル搬送部30、回転ドラム50Aを囲うように形成されている。この遮蔽壁40は、コンクリート、鉄、鉛、あるいはこれらの材料の組み合わせ等から形成され、電子線の発生に使用される電子銃における加速エネルギに応じて決まる厚さとされ、電子線、および電子線の照射によって生じるX線に対する所要の遮蔽性能を発揮する。
遮蔽壁40には、ボトル搬送部30の両端の回転ドラム50A、50Aと対向する位置に、回転ドラム50Aの形状に応じて外方に張り出したフード部(遮蔽フード)41が形成され、このフード部41には、開口部(供給口、第二の開口部)42、開口部(排出口、第二の開口部)43が形成されている。この開口部42、43は、前述したようにボトル搬送部30との間でボトル100の受け渡し・受け取りを行うために回転ドラム50Aが停止した状態で、回転ドラム50Aにおいて殺菌装置10Aの外方側に向いた空間Sに対向した位置に形成されている。
【0021】
このとき、図3に示すように、フード部41は、回転ドラム50Aのほぼ全周を囲うように設けても良い。この場合、ボトル搬送部30とボトル100の受け渡し・受け取りを行う位置にも、開口部(第一の開口部)44、45を設ける必要がある。
なお、フード部41は、回転ドラム50Aと遮蔽壁40の隙間からの電子線やX線の漏洩を防ぐためのものであり、回転ドラム50Aが回転した場合にも電子線やX線が漏洩しないよう、最低限、図4に示すように、互いに隣接する2枚の仕切板54の間の空間S一つ分に対応するよう形成する必要がある。
【0022】
図1および図2に示すように、遮蔽壁40の外側には、開口部42、43に臨む位置に、搬送コンベア200I、200Oが設けられている。搬送コンベア200Iは殺菌すべきボトル100を順次搬送し、開口部42を介して回転ドラム50Aに受け渡し、搬送コンベア200Oは開口部43を介し、殺菌後のボトル100を回転ドラム50Aから受け取り、後段の充填装置に向けて搬送する。
【0023】
このような殺菌装置10Aにおいては、図5に示すように、殺菌すべきボトル100は、搬送コンベア200Iによって殺菌装置10Aの入口側の開口部42に向けて立てた状態のまま搬送される。この搬送コンベア200Iとしては、例えば、ボトル100の首部等をガイドレールに沿って滑走可能に保持するとともに、このガイドレール近傍から搬送方向斜め前方にエアを吹き出すことで、このエアを駆動源としてボトル100を搬送するものがある。また、搬送コンベア200Iとしては、無端状のベルトを循環駆動し、このベルト上でボトル100を搬送するものもある。いずれの場合も、量産時においては、搬送コンベア200Iによって多数のボトル100が前後に列をなした状態で搬送されるため、搬送コンベア200Iの端部において、ボトル100は、後方の他のボトル100によって押し出され、そのまま開口部42を通過する。このとき、エア吹き出し式の搬送コンベア200Iの場合、吹き出すエアを、搬送コンベア200Iの端部からボトル100を押し出すためにも用いることができる。無端状のベルトを用いた搬送コンベア200I等の場合は、別途、搬送コンベア200Iの端部からボトル100を一本ずつ割り出す機構を設けるようにしても良い。
このようにして搬送コンベア200Iから押し出されて開口部42を通過したボトル100は、フード部41内の回転ドラム50Aにおいて、開口部42に対応した位置の、互いに隣り合う2枚の仕切板54の間の空間Sに投入されることになる。このため、当然のことながら、搬送コンベア200Iからのボトル100の押し出しタイミングは、回転ドラム50Aの回転速度に同期したものとなっている。これにより、回転ドラム50Aにおいて周方向に複数が並んだ空間Sには、前記と同様にして、搬送コンベア200Iから開口部42を通して、ボトル100が一本ずつ順次投入される。
【0024】
回転ドラム50Aの回転により、ボトル搬送部30の一端側に対向した位置に順次到達する空間Sからは、ボトル100がプッシャ55により押し出され、ボトル搬送部30に受け渡される。
【0025】
ボトル搬送部30に受け渡されたボトル100は、ボトル搬送部30の他端側に向けて搬送され、その途中、電子線照射部20において電子線が照射され、殺菌処理がなされる。
図3に示したように、殺菌後、ボトル搬送部30の他端に到達したボトル100は、回転ドラム50Aの、ボトル搬送部30に対向した位置の空間Sに収容される。
このようにして、ボトル搬送部30からは、殺菌後のボトル100が回転ドラム50Aの空間Sに一本ずつ順次供給されるようになっている。
【0026】
回転ドラム50Aの回転により、開口部43に臨む位置に到達したボトル100は、プッシャ55により押し出され、搬送コンベア200Oに受け渡される。
搬送コンベア200Oに受け渡された殺菌後のボトル100は、搬送コンベア200Oにより後段の充填装置に向けて搬送される。
【0027】
このようにして、殺菌装置10Aの入口と出口に回転ドラム50Aを備えることで、遮蔽壁40の出入り口からの電子線やX線の漏洩を防ぐことができる。このとき、回転ドラム50Aの部分には、回転ドラム50Aが回転したときにも遮蔽壁40との間に電子線やX線が漏洩するような隙間が生じないようフード部41が形成されているので、電子線やX線の漏洩を確実に防止することができる。フード部41は、回転ドラム50Aの外周形状に沿った形状とすることで、遮蔽壁40の無用な大型化を防ぐことができる。このような構造により、遮蔽壁40の出入り口にラビリンス構造を形成する必要もなく、電子線やX線を確実に遮蔽しつつ、遮蔽壁40をなるべく簡素な構造とし、コスト低減、装置重量低減、装置の小型化等を実現することが可能となる。
【0028】
なお、上記第一の実施形態において、プッシャ55を備える構成としたが、これに代えて、図6に示すように、回転ドラム50A’の底板52’に、切り欠き52aを形成する構成とすることも可能である。この場合、底板52’は、回転軸51や仕切板54とは縁が切られ、固定状態で設けられる。
また、フード部41’の底部にも、切り欠き52aに対応した位置に開口部(排出開口部)43’、44’を形成する。
そして、回転ドラム50A’からボトル100を受け取るボトル搬送部30、搬送コンベア200Oの端部を、切り欠き52aの下方に位置させる。
【0029】
このような構成では、回転ドラム50A’の回転にともなって、空間Sに収容されたボトル100が底板52’上を仕切板54に押されて移動し、切り欠き52aに到達すると、ボトル100は切り欠き52aから開口部43’、44’を通り、下方のボトル搬送部30あるいは搬送コンベア200O上に落下するようになっている。
このような構成の回転ドラム50A’においては、ラビリンス構造的なものとなり、電子線やX線の遮蔽効果は非常に高いものとなるので、上記効果はいっそう顕著なものとなる。
【0030】
〔第二の実施形態〕
以下、本発明の第二の実施形態について示す。なお、以下の説明において、上記第一の実施形態と共通する構成については同符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態におけるボトル用の殺菌装置10Bの概略構成を説明するための図である。
この図において、第一の実施形態で示した殺菌装置10Aとの主な相違点は、ボトル搬送部30の両端に設けた回転ドラム50Bである。
本実施形態における回転ドラム50Bは、第一の実施形態で示した回転ドラム50Aを、略水平な軸線周りに回転するように設置したものである。この場合、遮蔽壁40も、フード部41を回転ドラム50Bの設置状態に合わせた形状とする。このような構成では、ボトル100は横倒しにした状態となるので、開口部42、43、44、45も、横倒しのボトル100が通過できるよう、横長に形成するのが好ましい。
【0031】
これに伴い、ボトル搬送部30、搬送コンベア200I、200Oにおいても、ボトル100を横倒しにした状態でボトル100を搬送することができる。ボトル搬送部30、搬送コンベア200I、200Oは、断面略円形のボトル100であれば、搬送方向に応じて傾斜して設置することでボトル100は自重により回転しながら落下(下降)していくため、これらボトル搬送部30、搬送コンベア200I、200Oにおいては、ボトル100を搬送するための駆動機構を不要とすることもできる。
なお、ボトル100の断面形状が多角形状である場合も、その角数、断面形状等によっては、同様にボトル100を横倒しにした状態で転がして搬送することもできる。転がして搬送できない場合には、ボトル搬送部30、搬送コンベア200I、200Oに沿って滑らせながら搬送するようにしても良い。
【0032】
この場合、回転ドラム50Bにおいても、傾斜を利用することで、ボトル搬送部30、搬送コンベア200I、200Oとの間におけるボトル100の受け取り・受け渡しを行うことができる。すなわち、搬送コンベア200I、ボトル搬送部30からボトル100を受け取る場合、傾斜して設けられた搬送コンベア200I、ボトル搬送部30から転がり落ちてくるボトル100を、その勢い(慣性)によって回転ドラム50Bの空間Sに収容することができる。一方、回転ドラム50Bからボトル搬送部30、搬送コンベア200Oにボトル100を受け渡す場合、ボトル搬送部30、搬送コンベア200Oに対向した位置の空間Sにおいて、下方に位置する仕切板54を、ボトル搬送部30、搬送コンベア200Oに向けて傾斜するように回転させることで、ボトル100は転がりはじめ、ボトル搬送部30、搬送コンベア200Oへと受け渡される。
なお、ボトル100の受け取り・受け渡しを行う際の回転ドラム50Bの動作自体は、上記第一の実施形態における回転ドラム50Aの動作と同様である。
【0033】
このような構成の殺菌装置10Bにおいても、上記第一の実施形態と同様、遮蔽壁40の出入り口からの電子線やX線の漏洩を確実に防止しつつ、遮蔽壁40をなるべく簡素な構造とし、コスト低減、装置重量低減、装置の小型化等を実現することが可能となる。
しかも、殺菌装置10Bにおいては、回転ドラム50Bが、略水平な軸線周りに回転するように設けられているので、ボトル100を横倒しにして回転させたり滑らせたりして搬送することができ、これによってボトル搬送部30において、ボトル100を搬送するための機械的な機構等を設ける必要がない。したがって、殺菌装置10Bの構造の一層の簡素化、それによるコスト低減、装置重量軽減、装置小型化等を実現することができる。
【0034】
〔第三の実施形態〕
以下、本発明の第二の実施形態について示す。なお、以下の説明において、上記第一の実施形態と共通する構成については同符号を付し、その説明を省略する。
図8は、本実施形態におけるボトル用の殺菌装置10Cの概略構成を説明するための図である。
この図において、第一の実施形態で示した殺菌装置10Aとの主な相違点は、ボトル搬送部30の両端に設けた回転ドラム50Cである。
回転ドラム50Cは、第一の実施形態における回転ドラム50Aと同様、略鉛直軸周りに回転するように設けられている。
【0035】
図9に示すように、回転ドラム50Cは、略鉛直軸方向に軸線を有して設けられた回転軸61と、この回転軸61に上下に間隔を隔てて設けられた底板62および天板63と、これら底板62、天板63間において、回転軸61から放射状に延びるように設けられた上部仕切板64A、下部仕切板64Bとを備えている。
上部仕切板64Aは、回転軸61の上部に設けられ、下部仕切板64Bは回転軸61の下部に設けられており、上部仕切板64Aと下部仕切板64Bは、同一枚数が、角度を一致させて設けられている。ここで、上部仕切板64Aと下部仕切板64Bは、上部仕切板64Aの下端部と下部仕切板64Bの上端部との間に所定寸法の隙間を隔てて形成されている。
【0036】
この隙間の部分には、底板62や天板63と平行な面内に位置する中間仕切板65が設けられている。この中間仕切板65は、殺菌装置10Cの図示しないフレーム、あるいは遮蔽壁40のフード部41に固定されて設けられており、回転ドラム50Cの回転軸61、上部仕切板64A、下部仕切板64Bに対しては、所定のクリアランスを有した状態で縁を切られて設けられている。
そして、中間仕切板65の所定の位置には、その上下において、互いに隣接する2枚の上部仕切板64A、下部仕切板64Bによってそれぞれ形成される空間Sに応じた形状の切り欠き部66が形成されている。
【0037】
このような構成の回転ドラム50Cにおいては、ボトル100を上段側で受け取り、下段側から受け渡すようになっている。このため、回転ドラム50Cの部分には、第一の実施形態と同様、これを覆うように、遮蔽壁40のフード部41が形成されているが、回転ドラム50Cへの入口となる開口部42、45は上段側の上部仕切板64Aに対応した位置に形成され、回転ドラム50Cからの出口となる開口部43、44は下段側の下部仕切板64Bに対応した位置に形成されている。
そして、搬送コンベア200Iは、その端部が開口部42に対応した位置となるよう設置されている。ボトル搬送部30は、両側の端部が、開口部44、45に対応した位置となるように設置されている。さらに、搬送コンベア200Oは、その端部が開口部43に対応した位置となるよう設置されている。
【0038】
このような回転ドラム50Cでは、殺菌すべきボトル100は、搬送コンベア200Iによって殺菌装置10Cの入口側の開口部42に向けて搬送される。搬送コンベア200Iの端部において、ボトル100は、搬送コンベア200Iにおける搬送の勢い(慣性)や、後方から順次搬送されてくるボトル100に押されること、エア等によって付与される補助的な力等により押し出され、そのまま開口部42を通過する。
このとき、開口部42を通過したボトル100は、フード部41内の回転ドラム50Cの上段側において、開口部42に対応した位置の、互いに隣り合う2枚の上部仕切板64Aの間の空間Sに投入されるようになっている。これにより、ボトル100は、搬送コンベア200Iから順次連続的に回転ドラム50Cに供給される。
回転ドラム50Cは、図示しないモータ等の駆動機構によって回転している。このとき、中間仕切板65は固定状態にあるので回転せず、したがってボトル100は中間仕切板65上を摺動しながら移動していくことになる。そして、回転ドラム50Cの回転にともなって、ボトル100が中間仕切板65の切り欠き部66に到達すると、ボトル100は、切り欠き部66を通って回転ドラム50Cの下段側に落下する。
下段に落下したボトル100は、回転する回転ドラム50Cにより搬送され、開口部44に対向した位置に到達すると、上記第一の実施形態で示したのと同様のプッシャ55により押し出され、ボトル搬送部30に受け渡される。
【0039】
ボトル搬送部30に受け渡されたボトル100は、ボトル搬送部30の他端側に向けて搬送され、その途中、電子線照射部20において電子線が照射され、殺菌処理がなされる。
殺菌後、ボトル搬送部30の他端に到達したボトル100は押し出され、そのまま、開口部45から、回転ドラム50Cの上段側の空間Sに収容される。
この後は、前述した、投入側の回転ドラム50Cと同様、回転ドラム50Cの回転によりボトル100が中間仕切板65の切り欠き部66に到達すると、このボトル100が下段に落下し、さらに回転ドラム50Cの回転により開口部43まで搬送され、プッシャ55により押し出され、搬送コンベア200Oに受け渡されるようになっている。
【0040】
このようにして、殺菌装置10Cの入口と出口に回転ドラム50Cを備えることで、遮蔽壁40の出入り口からの電子線やX線の漏洩を防ぐことができる。このとき、回転ドラム50Cは上下2段の構成とされているため、ラビリンス構造的なものとなり、電子線やX線の漏洩を確実に防止することができる。このような構造により、電子線やX線を確実に遮蔽しつつ、遮蔽壁40をなるべく簡素な構造とし、コスト低減、装置重量低減、装置の小型化等を実現することが可能となる。
【0041】
なお、上記第一および第三の実施形態で示した回転ドラム50A、50Cは、図10に示すように、回転軸51を傾斜させて設けても良い(図10には回転ドラム50Aを例示しているが、回転ドラム50Cの場合も同様とできる。)。この場合、回転軸51の傾斜方向は、搬送コンベア200Iあるいはボトル搬送部30から回転ドラム50A、50Cへの受け渡し、回転ドラム50A、50Cからボトル搬送部30あるいは搬送コンベア200Oへの受け渡しを、ボトル100の重力によって行えるよう、底板(底面)52を、ボトル100の流れ方向に沿って上方から下方に傾斜するように設けるのが好ましい。これにより、受け渡しにボトル100の自重を利用することが可能となり、プッシャ55等を設ける必要が無くなる。
【0042】
回転ドラム50A〜50Cの各仕切板54、64A、64Bは、図11に示すような構成とすることも可能である。すなわち、各仕切板54、64A、64Bを、短冊状に形成された複数枚の板状部材70、71を千鳥状に配置することで構成するのである。このとき、一方の列に配置された板状部材70と、他方の列に配置された板状部材71は、その端部が互いに重複するよう設けられるとともに、互いに所定のクリアランスを持って設けられる。これは、電子線やX線を遮蔽しつつ、一方の列の板状部材70と他方の列の板状部材71との間のクリアランス部分を空気(雰囲気)が通過できるようにするためである。これにより、回転ドラム50A〜50Cが回転したときの、各仕切板54、64A、64Bにおける空気抵抗を低減することが可能となる。殺菌装置10A〜10Cの入口側、出口側に設けられた回転ドラム50A〜50Cの回転により、遮蔽壁40の外部から空気が取り込まれて排出されるような流れが生じ、遮蔽壁40内を装置外の雰囲気が通過することになるが、各仕切板54、64A、64Bにおける空気抵抗を低減することで、通過する空気量を抑制することが可能となり、遮蔽壁40内が塵芥等によって汚染されたり、風によってボトル100が倒れるのを防止することが可能となる。
【0043】
この他、回転ドラム50A〜50Cに代えて、以下に示すような構成を採用することも可能である。すなわち、回転ドラム50A〜50Cに代えて、図12に示すように、螺旋状のシュート80をシャフト81の外周面に沿って一体に設け、ボトル100を、このシュート80に沿って滑走落下させるようにする。ここで、シュート80の外周部は、図1と同様、遮蔽壁40と同材料で形成されたフード部41で覆い、フード部41に、開口部42、43、44、45を形成する。また、シュート80およびシャフト81についても、遮蔽壁40と同様、電子線やX線の遮蔽効果を有する材料で形成されている。
このようなシュート80においては、フード部41内において、遮蔽壁40の内側に開口した開口部42、45から進入した電子線やX線は、シュート80およびシャフト81によって遮られるため、外部への漏洩を確実に防ぐことができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態における殺菌装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態における殺菌装置の断面図である。
【図3】回転ドラムの部分の詳細を示す平断面図である。
【図4】回転ドラムに設けた遮蔽フードの他の例を示す図である。
【図5】回転ドラムの動作を示す斜視図である。
【図6】回転ドラムの他の例を示す図である。
【図7】第二の実施形態における殺菌装置の断面図である。
【図8】第三の実施形態における殺菌装置の断面図である。
【図9】第三の実施形態における回転ドラムの構成を示す斜視図である。
【図10】回転ドラムを傾斜させた場合の例を示す図である。
【図11】回転ドラムの仕切板の他の例を示す斜視図である。
【図12】回転ドラムのさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
10A、10B、10C…殺菌装置、20…電子線照射部、30…ボトル搬送部(容器搬送部)、40…遮蔽壁、41…フード部(遮蔽フード)、42…開口部(供給口、第二の開口部)、43…開口部(排出口、第二の開口部)、43’、44’…開口部(排出開口部)、44、45…開口部(第一の開口部)、50A、50B、50C…回転ドラム、52…底板(底面)、54…仕切板、55…プッシャ、64A…上部仕切板、64B…下部仕切板、65…中間仕切板、66…切り欠き部、70…板状部材、71…板状部材、100…ボトル(容器)、S…空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線を照射することで容器を殺菌する殺菌装置であって、
電子線を前記容器に照射する電子線照射部と、
前記電子線照射部からの電子線の照射範囲内を前記容器が通過するよう、前記容器を搬送する容器搬送部と、
前記電子線照射部から照射される電子線および電子線の照射によって生じるX線の外部への漏洩を遮断するため、前記電子線照射部および前記容器搬送部を囲うよう設けられるとともに、内部の前記容器搬送部に前記容器を供給する供給口、および前記電子線照射部からの電子線により殺菌された前記容器を前記容器搬送部から外部に排出する排出口が形成された遮蔽壁と、
前記電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、前記遮蔽壁の前記供給口および前記排出口にそれぞれ設けられ、周方向に複数に分割された容器収容スペースを有して、略鉛直軸周りに回転可能とされた回転ドラムと、
前記電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、前記回転ドラムの外周形状に沿い、かつ、少なくとも一つの前記容器収容スペースをカバーするよう、前記遮蔽壁と一体的に形成された遮蔽フードと、
を備えることを特徴とする殺菌装置。
【請求項2】
前記遮蔽フードは、前記容器搬送部と前記回転ドラムの前記容器収容スペースとの間で前記容器を受け渡すための第一の開口部と、前記回転ドラムと前記遮蔽壁の外部との間で前記容器を受け渡すための第二の開口部とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記回転ドラムから前記容器を排出すべき位置において、前記遮蔽壁には前記回転ドラムの下方に排出開口部が形成され、前記容器が前記排出開口部から前記回転ドラム外に排出されることを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌装置。
【請求項4】
電子線を照射することで容器を殺菌する殺菌装置であって、
電子線を前記容器に照射する電子線照射部と、
前記電子線照射部からの電子線の照射範囲内を前記容器が通過するよう、前記容器を搬送する容器搬送部と、
前記電子線照射部から照射される電子線および電子線の照射によって生じるX線の外部への漏洩を遮断するため、前記電子線照射部および前記容器搬送部を囲うよう設けられるとともに、内部の前記容器搬送部に前記容器を供給する供給口、および前記電子線照射部からの電子線により殺菌された前記容器を前記容器搬送部から外部に排出する排出口が形成された遮蔽壁と、
前記電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、前記遮蔽壁の前記供給口および前記排出口にそれぞれ設けられ、周方向に複数に分割された容器収容スペースを有して、略鉛直軸周りに回転可能とされた回転ドラムと、
前記電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、前記回転ドラムの外周形状に沿い、かつ、少なくとも一つの前記容器収容スペースをカバーするよう、前記遮蔽壁と一体的に形成された遮蔽フードと、を備え、
前記回転ドラムは、上下2段の構成とされ、前記回転ドラムの上段側で前記回転ドラム外から前記容器収容スペースに前記容器を受け入れるとともに、前記回転ドラムの下段側で前記容器収容スペースに収容された前記容器を前記回転ドラム外に排出し、前記回転ドラムの回転途中、上段側の前記容器収容スペースに収容された前記容器が下段側の前記容器収容スペースに落下する構成とされていることを特徴とする殺菌装置。
【請求項5】
前記回転ドラムは、前記回転ドラム外から前記容器収容スペースに前記容器を受け入れる側から、前記容器収容スペースに収容された前記容器を前記回転ドラム外に排出する方向に向けて、前記容器の下面に接する底面が傾斜するよう設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の殺菌装置。
【請求項6】
電子線を照射することで容器を殺菌する殺菌装置であって、
電子線を前記容器に照射する電子線照射部と、
前記電子線照射部からの電子線の照射範囲内を前記容器が通過するよう、前記容器を搬送する容器搬送部と、
前記電子線照射部から照射される電子線および電子線の照射によって生じるX線の外部への漏洩を遮断するため、前記電子線照射部および前記容器搬送部を囲うよう設けられるとともに、内部の前記容器搬送部に前記容器を供給する供給口、および前記電子線照射部からの電子線により殺菌された前記容器を前記容器搬送部から外部に排出する排出口が形成された遮蔽壁と、
前記電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、前記遮蔽壁の前記供給口および前記排出口にそれぞれ設けられ、周方向に複数に分割された容器収容スペースを有して、略水平軸周りに回転可能とされた回転ドラムと、
前記電子線照射部から照射される電子線およびX線を遮蔽する材料から形成され、前記回転ドラムの外周形状に沿い、かつ、少なくとも一つの前記容器収容スペースをカバーするよう、前記遮蔽壁と一体的に形成された遮蔽フードと、
を備えることを特徴とする殺菌装置。
【請求項7】
前記容器搬送部は、前記供給口から前記排出口に向けて上方から下方に傾斜して設けられるとともに、前記容器を横倒しにした状態で回転または滑走させて搬送することを特徴とする請求項6に記載の殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−30784(P2008−30784A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205000(P2006−205000)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】