説明

毛髪化粧料

【課題】すすぎ時の指通りが良好でかつ乾燥後の毛髪に良好な柔軟性、なめらかさを付与する洗い流すタイプの毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】(A)短鎖アルキルエーテル型エステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩と、(B)末端OH型短鎖アルキルエーテル型エステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩、さらにエステル基含有トリ長鎖第4級アンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関するものである。詳細には、すすぎ感触、特にすすぎ時の指通りが良好で、かつ乾燥後の毛髪に良好な柔軟性、なめらかさを付与するなどの仕上り感触を向上させる効果に優れた、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コンディショナー、トリートメント等、浴室内で毛髪を湿らせた状態で使用し、その直後に洗い流すタイプの所謂インバスタイプの毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗髪後の仕上がり感を向上させる目的で、シャンプー後にリンスやコンディショナー、トリートメントを使用するのが一般的であり、それに対応した毛髪化粧料の技術が数多く開発され、市販されている。
上記技術にはこれまでに、エステルクォートを用いた例が知られている。ここで述べるエステルクォートとは一般的に、四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解されている。これらは、合成有機化学の適切な方法で得られる既知の化合物である。
【0003】
これら化合物を使用した具体的な例として低い固化点、水性媒体に対する良好な溶解性または分散性及び低い引火点を有し、それ故、第四アンモニウム化合物を配合するのに極めて適している物質を添加することを特徴とする組成物(特許文献1:特開2003-012438)やアシル成分が(a)6〜10個の炭素原子を有するモノカルボン酸及び(b)2〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸の混合物に由来するエステルクォートを配合することを特徴とする化粧品製剤(特許文献2:特表2004-536053)が挙げられる。また、エトキシル化ヒドロキシカルボン酸を基本構造として有するエステルクォートを配合することを特徴とする製剤(特許文献3:特表2002-514618)が挙げられる。しかしながら、これらの公報等に開示される組成物、化粧料を配合しても、毛髪に十分ななめらかさを付与できず、十分な満足を与える仕上がり感を得るに至らないものであった。
【0004】
【特許文献1】特開2003−012438号公報
【特許文献2】特表2004−536053号公報
【特許文献3】特表2002−514618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、すすぎ時の指通りが良好でかつ乾燥後の毛髪に良好な柔軟性、なめらかさを付与する洗い流すタイプの毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、下記(A)成分を(A)一般式(I)で表される短鎖アルキルエーテル型エステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩、および一般式(II)で表される短鎖アルキルエーテル型エステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする毛髪化粧料を提供する。
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、R1, R5は、夫々エステル基を1つ含む総炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基を表し、R2は、メチル基、エチル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基又はCpH2pOR3で表される基を表し、p=2〜4の整数であり、R3, R4は、夫々独立してメチル基又はエチル基を表す。)
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、すすぎ時の指通りが良好で、かつ乾燥後の毛髪に良好な柔軟性、なめらかさを付与する洗い流すタイプの毛髪化粧料が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の(A)成分を構成する(I)成分はエステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩であり、下記一般式(I)で示されるように、従来はヒドロキシエチル基乃至ヒドロキシブチル基である部分が短鎖アルキルエーテル型である。
【0011】
【化2】

【0012】
式中、R1はエステル基を1つ含む総炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、R2はメチル基、エチル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、又はCpH2pOR3で表されるエーテル結合含有基からなる群から選択され、pは2〜4の整数である。R3とR4は各々独立してメチル基又はエチル基であり、R4SO4-は第4級アンモニウム塩の対イオンである。好ましくは、R1はエステル基を1つ含む総炭素数12〜24、好ましくは14〜22、より好ましくは14〜20の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R2はC2H4OR3で表されるエーテル結合含有基であり、pは2、R3とR4はメチル基である。
【0013】
本発明の(A)成分を構成する(II)成分はエステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩であり、一般式(II)で示されるように、従来はヒドロキシエチル基乃至ヒドロキシブチル基である部分が短鎖アルキルエーテル型である。
【0014】
【化3】

【0015】
式中、R1、R5は各々、エステル基を1つ含む総炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、互いに同一であっても異なっていても良い。R3とR4は各々独立してメチル基又はエチル基であり、R4SO4-は第4級アンモニウム塩の対イオンである。またpは2〜4の整数である。好ましくはR1、R5は各々エステル基を1つ含む総炭素数12〜24、好ましくは14〜22、より好ましくは14〜20の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、pは2、R3とR4はメチル基である。
【0016】
(I)成分もしくは(II)成分中のR1及びR5は、炭素数8〜22の脂肪酸から誘導される脂肪酸残基を含み、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸のいずれからも誘導される。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比率は毛髪化粧料の粘度、性能からシス体/トランス体=25/75〜100/0が好ましく、40/60〜90/10が特に好ましい。R1、R5の元となる脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添キャノーラ油脂肪酸(ヨウ素価40〜120)などが挙げられる。
中でも好ましいのは、植物油油脂由来のステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸を所定量組み合わせ、飽和/不飽和比率が95/5〜50/50、特に85/15〜50/50(質量比)でそのヨウ素価が10〜50のものである。特に、シス体/トランス体の質量比が30/70〜100/0、中でも40/60〜80/20が好ましく、炭素数16及び18の脂肪酸が合計90質量%以上となるように調整した脂肪酸組成がより好ましい。
(I)成分として好適な化合物の例としては、以下のものが挙げられる。
【0017】
【化4】

【0018】
(II)成分として好適な化合物の例としては、以下のものが挙げられる。
【0019】
【化5】

【0020】
(I)成分と(II)成分との好ましい組み合わせとしては、上記式(I-1)、(I-2)及び(I-3)で表される化合物の少なくとも一つと、上記式(II-1)、(II-2)及び(II-3)で表される化合物の少なくとも一つとの組み合わせがあげられる。最も好ましいのは、(I-1):(I-2):(I-3)=1:2:2の質量比で含有する混合物と、(II-1):(II-2):(II-3)=1:2:2(質量比)で含有する混合物との組み合わせである。
本発明において、(II)成分の例として、メチルエーテル型エステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩は例えば下記の概略プロセスによって得ることができる。
【0021】
【化6】

【0022】
ここで、高級脂肪酸塩化物は、通常次のような方法で得られる。即ち、天然油脂をケン化分解後、酸処理して得られる高級脂肪酸を塩素化するか、或いは天然油脂を一旦メタノールによりエステル交換して得られる高級脂肪酸メチルエステルを経由して誘導される高級脂肪酸を同様に塩素化することにより、得られる。高級脂肪酸の好適な例は部分水素添加パーム油脂肪酸もしくは部分水素添加牛脂脂肪酸(いずれもヨウ素価10〜60)である。四級化剤としては、ジメチル硫酸もしくはジエチル硫酸が使用可能であるが、ジメチル硫酸が好適である。
上記エステルアミン合成時に副生するHClの捕捉剤として、トリエチルアミン N(CH2CH3)3等のアルカリ剤を適量共存させることが好ましい。
尚、該第4級アンモニウム塩を製造する際に、色調が良好で臭気の発生度合いが小さい反応生成物を得ることを目的として、特開2002−167366号公報で開示されるように、ヒドロキシエタンジホスホン酸の様な安定化剤を添加しても良い。
また、(I)成分であるメチルエーテル型エステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩を合成する場合は、上記プロセスにおいて、高級脂肪酸塩化物/メトキシジエタノールアミンのモル比を約1/1に調整することにより得られる。
【0023】
又、いずれの第4級アンモニウム塩を製造する際も、前記反応プロセスにおいては、通常モノ長鎖/ジ長鎖第4級アンモニウム塩に加え、副生物のモノエステルもしくはジエステルのアミンもしくは該アミンの硫酸塩との混合物として得られる場合が多いので、その場合はガスクロマトグラフィー乃至は高速液体クロマトグラフィーなど所定の分析方法を用いて、本発明の液体柔軟剤組成物中における各物質の含有量が、以下に示す好ましい範囲になるよう予め定量し、配合量を調整しておくことが望ましい。なお、該副生物は、目的化合物に対して通常5〜10%程度含まれる。モノ長鎖第4級アンモニウム塩及びジ長鎖第4級アンモニウム塩は、それぞれ、当業界において慣用の方法により単離することができる。上記副生物との混合物として使用することもできる。
本発明の毛髪化粧料は、(I)成分であるエステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩を単独で又は2種以上使用することもできるし、(II)成分であるエステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩を単独で又は2種以上使用することもできるし、(I)成分と(II)成分とを併用することもできる。併用する場合、(I)/(II)質量比=90/10〜30/70の範囲内で併用すると、毛髪化粧料の性能が優れるので好ましい。
【0024】
本発明の毛髪化粧料において、(I)成分又は(II)成分の配合量は、毛髪化粧料組成物全量に対し好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。このような範囲で配合すると、優れた性能を発揮するのはもちろん、所望の性能を確保するために毛髪化粧料を多量に使用する必要がないので経済的観点からも好ましい。
【0025】
本発明の毛髪化粧料は、上記(A)成分に加え、(B)成分である(III)、(IV)及び(V)成分からなる群から選ばれる1種以上を併用して用いることができる。
本発明の(B)成分を構成する(III)及び(IV)成分は各々、末端OH型エステル基含有モノ長鎖もしくはジ長鎖第4級アンモニウム塩であり、一般式(III)、(IV)で示されるようにR4を除く短鎖部分はヒドロキシエチル基乃至ヒドロキシブチル基である。
【0026】
【化7】

【0027】
式中、R4はメチル基又はエチル基、R6、R8は各々、エステル基を1つ含む総炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基、R7はメチル基、エチル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、p=2〜4の整数である。
本発明の(B)成分を構成する(V)成分は、エステル基含有トリ長鎖第4級アンモニウム塩であり、一般式(V)で示され、好ましくはR4はメチル基である。
【0028】
【化8】

【0029】
式中、R4はメチル基又はエチル基、R6、R8、R9は各々、エステル基を1つ含む総炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基である。
(B)成分中のR6、R8、R9などの長鎖炭化水素基は炭素数10〜20の脂肪酸から誘導される脂肪酸残基を含み、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸のいずれからも誘導される。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比率は毛髪化粧料の粘度、性能からシス体/トランス体=25/75〜100/0が好ましく、40/60〜90/10が特に好ましい。R1、R2の元となる脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添キャノーラ油脂肪酸(ヨウ素価40〜120)などが挙げられる。
中でも好ましいのは、植物油油脂由来のステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸を所定量組み合わせ、飽和/不飽和比率が95/5〜50/50、特に85/15〜50/50(質量比)でそのヨウ素価が10〜50のものである。特に、シス体/トランス体の質量比が30/70〜100/0、中でも40/60〜80/20が好ましく、炭素数16及び18の脂肪酸が合計90質量%以上となるように調整した脂肪酸組成がより好ましい。
【0030】
本発明における毛髪化粧料では、(A)成分と(B)成分を自由な質量比で併用することができる。
ただし前記した本発明が解決しようとする課題に鑑み、これら第4級アンモニウム塩混合物中に占める、エステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩(I)、(III)の合計含有率を35%未満、エステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩(II)、(IV)の合計含有率を30質量%以上、エステル基含有トリ長鎖第4級アンモニウム塩(V)の含有率として35%未満で併用することが好ましく、[(I)+(III)]合計含有率として30%未満、[(II)+(IV)]の合計含有率が50%以上、(V)の含有率が30%未満、の範囲で併用することが特に好ましい。
(A)成分と(B)成分の合計の配合量は、毛髪化粧料全量に対し好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。[(A)+(B)]の合計配合量が少なすぎるとすすぎにより流れてしまい、毛髪への滞留量が少なくなる場合があり、配合量を多くしすぎても性能の向上は頭打ちとなり、不経済である。
【0031】
本発明の毛髪化粧料は、更に、カチオン性界面活性剤を含有することができる。
本発明で用いることのできる(A)成分及び(B)成分以外のカチオン性界面活性剤としては、脂肪族アミンおよびその4級アンモニウム塩、脂肪酸アミドアミン塩、アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩、アシルグアニジン誘導体、モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩などのアミノ酸系カチオン性界面活性剤、アルキルベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。具体的には、ベヘニルトリメチルアンモニウム、エイコサニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、オレイルトリメチルアンモニウム、イソステアリルトリメチルアンモニウム、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウム、(C10−40)分岐アルキルトリメチルアンモニウム、ベヘニラミドプロピルジメチルアミン、エイコサミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、セタラミドプロピルジメチルアミン、オレアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、(C10−40)分岐アルキルアミドプロピルジメチルアミン、ベヘニラミドプロピルジエチルアミン、エイコサミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、オレアミドプロピルジエチルアミン、イソステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジエチルアミン、(C10−40)分岐アルキルアミドプロピルジエチルアミン、ベヘニラミドブチルジメチルアミン、エイコサミドブチルジメチルアミン、ステアラミドブチルジメチルアミン、パルミタミドブチルジメチルアミン、オレアミドブチルジメチルアミン、イソステアラミドブチルジメチルアミン、ステアロキシブチルジメチルアミン、(C10−40)分岐アルキルアミドブチルジメチルアミン、ベヘニラミドブチルジエチルアミン、エイコサミドブチルジエチルアミン、ステアラミドブチルジエチルアミン、パルミタミドブチルジエチルアミン、オレアミドブチルジエチルアミン、イソステアラミドブチルジエチルアミン、ステアロキシブチルジエチルアミン、(C10−40)分岐アルキルアミドブチルジエチルアミン、ジベヘニラミドプロピルメチルアミン、ジエイコサミドプロピルメチルアミン、ジステアラミドプロピルメチルアミン、ジパルミタミドプロピルメチルアミン、ジミリスタミドプロピルメチルアミン、ジラウラミドプロピルメチルアミン、ジオレアミドプロピルメチルアミン、ジイソステアラミドプロピルメチルアミン、ジステアロキシプロピルメチルアミン、(C10−40)分岐ジアルキルアミドプロピルアミン、ジベヘニラミドプロピルエチルアミン、ジエイコサミドプロピルエチルアミン、ジステアラミドプロピルエチルアミン、ジパルミタミドプロピルエチルアミン、ジミリスタミドプロピルエチルアミン、ジラウラミドプロピルエチルアミン、ジオレアミドプロピルエチルアミン、ジイソステアラミドプロピルエチルアミン、ジステアロキシプロピルエチルアミン、(C10−40)分岐ジアルキルアミドプロピルエチルアミン、ジベヘニラミドブチルメチルアミン、ジエイコサミドブチルメチルアミン、ジステアラミドブチルメチルアミン、ジパルミタミドブチルメチルアミン、ジミリスタミドブチルメチルアミン、ジラウラミドブチルメチルアミン、ジオレアミドブチルメチルアミン、ジイソステアラミドブチルメチルアミン、ジステアロキシブチルメチルアミン、(C10−40)分岐ジアルキルアミドブチルメチルアミン、ジベヘニラミドブチルエチルアミン、ジエイコサミドブチルエチルアミン、ジステアラミドブチルエチルアミン、ジパルミタミドブチルエチルアミン、ジミリスタミドブチルエチルアミン、ジラウラミドブチルエチルアミン、ジオレアミドブチルエチルアミン、ジイソステアラミドブチルエチルアミン、ジステアロキシブチルエチルアミン、(C10−40)分岐ジアルキルアミドブチルエチルアミン、ベヘニラミドブチルグアニジン、エイコサミドブチルグアニジン、ステアラミドブチルグアニジン、パルミタミドブチルグアニジン、ミリスタミドブチルグアニジン、ラウラミドブチルグアニジン、オレアミドブチルグアニジン、イソステアラミドブチルグアニジン、ステアロキシブチルグアニジン、(C10−40)分岐アルキルアミドブチルグアニジン、ベヘニルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、エイコサノイルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、ステアリルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、パルミトイルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、ミリストルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、ラウリルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、オレイルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、イソステアリルオキシヒドロキシプロピルアルギニン、ステアロキシオキシヒドロキシプロピルアルギニン、(C10−40)分岐アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン等及びこれらの中和塩であり、特に、ベヘニルトリメチルアンモニウム、エイコサニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、オレイルトリメチルアンモニウム、イソステアリルトリメチルアンモニウム、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウム等の四級アンモニウム化合物が乳化安定性の点で望ましい。また、この中和塩は、具体的には塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、グリコール酸塩、分子内にカルボキシル基を有するアミノ酸塩、L−またはDL−ピロリドンカルボン酸塩、ピログルタミン酸塩等の有機酸塩である。
【0032】
上記(A)成分及び(B)成分以外のカチオン性界面活性剤は唯1種を含有することも出来るし、異なる2種以上を組み合わせて含有することも出来る。その配合量は、毛髪化粧料中0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。0.01質量%未満では、すすぎにより流れてしまい、毛髪への滞留量が少なくなる場合があり、10質量%を超えると、乳化物の安定化を妨げる場合がある。
【0033】
本発明の毛髪化粧料は、更に、シリコーン化合物を含有することができる。
本発明で用いることのできるシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、シクロメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、ステアロキシメチルポリシロキサン、セトキシメチルポリシロキサン、(ポリメタクリル酸メチル/ジメチルポリシロキサングラフトアクリル樹脂)コポリマー、アモジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、(アミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコンプロピルPGベタイン、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールエチル、(PEGメチコン/オレイルPPGメチコン/ジメチコン)コポリマー、(メチルPEGプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、アルキル変性シリコーン、アルコキシジメチコン等の化合物及びそれらの工業的混合物が挙げられる。このうち、ジメチルシリコーン、メチルフェニルポリシロキサンが好ましい。
【0034】
シリコーン化合物は、アミノ変性シリコーンであってもよい。アミノ変性シリコーンとしては、アモジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、アミノプロピルジメチコン、アミノガムを用いることができる。中でも好ましくはアモジメチコンが挙げられる。アモジメチコンの市販品としては、東レ・ダウコーニング社のアモジメチコーンエマルションSM8704C、SM8904Cや、信越化学工業社のKF-8004、KF-867S、KF-880等が挙げられる。(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマーの市販品としては、信越化学工業社のKF-8005等が挙げられる。アミノプロピルジメチコンの市販品としては、信越化学工業社のKF-8015、KF-865等が挙げられる。また、アミノガムとしては信越化学工業社のKF-8017、 KF-8018、 KF-8020等が挙げられる。
また、ポリエーテル変性シリコーンをシリコーン化合物として用いてもよい。ポリエーテル変性シリコーンとしてはシリコーンポリエーテルコポリマー、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
【0035】
シリコーンポリエーテルコポリマーの市販品としては、東レダウコーニング社のSH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、SH3749、SS-2801、SS-2802、SS-2803、SS-2804、SS-2805や信越化学工業社のKF-351、KF-352、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-618、KF-6011、KF-6015、KF-6004などが挙げられる。
特に、ジメチコン、アミノ変性タイプのシリコーン、ポリエーテル変性タイプのシリコーンが毛髪吸着性の点で望ましい。
アルキル変性シリコーンの市販品としては信越化学社のKF-412、KF-413、KF-414やデグッサ社のABIL Wax9800、ABIL Wax9801、ABIL Wax9810P、ABIL Wax9814、ABIL Wax9840、などが挙げられる。
上記シリコーン化合物は、その粘度が特に制限されるものではないが、取り扱い性と性能向上能力の観点から、通常、温度25℃における粘度が1〜500,000,000mm2/s、好ましくは30〜250,000,000mm2/sのものが好適に用いられる。上記粘度は化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定した方法である。
【0036】
上記シリコーン化合物は、唯1種を含有することも出来るし、異なる2種以上を組み合わせて含有することも出来る。また、同一種であっても分子量の異なる2種以上を併用することもできる。その含有量は特に制限されないが、本発明の毛髪化粧料中の0.005〜10質量%が好ましく、更には0.01〜8質量%、特に0.05〜6質量%が好ましい。含有量が少なすぎると仕上がりの滑らかさが優れた商品が得られないことがあり、多すぎるとべたつきが強くなることがある。
上記シリコーン化合物は、上記シリコーン類を界面活性剤により乳化し、エマルション化したものも使用することができる。なお、このようなエマルションは、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、種々の方法を用いることができる。
【0037】
本発明の毛髪化粧料は、更に、高級アルコールを含有することができる。
本発明で用いることのできる高級アルコールとしては、C6−40、好ましくはC14〜24の直鎖又は分岐アルキルアルコール、具体的には、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、エイコサノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコールが挙げられる。このうち、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エイコサノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールが好ましい。
上記高級アルコールは、唯1種を含有することも出来るし、異なる2種以上を組み合わせて含有することも出来る。その含有量は特に制限されないが、本発明の毛髪化粧料中0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。0.01質量%未満では、すすぎにより流れてしまい、毛髪への滞留量が少なくなる場合があり、20質量%を超えると、乳化物の安定化を妨げる場合がある。
【0038】
本発明の毛髪化粧料には、通常の毛髪化粧料に用いられている成分、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、およびノニオン性界面活性剤、多価アルコール、有機酸、水溶性高分子、油脂、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、アルコール類、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、水等を適宜必要に応じて更に配合することができる。毛髪化粧料に添加される任意成分は、前述のものに限定されるものではない。
【0039】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸石ケン、アルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。このうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、なかでも、アルキル基の炭素数が10〜14であり、平均ポリオキシエチレン鎖長が0より大きく、5以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
任意成分たるアニオン性界面活性剤の配合量は、製剤の安定性が保たれていれば制限を受けないが、毛髪化粧料中30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、最も好ましくは20質量%以下である。30質量%を超えて配合しても毛髪化粧量の泡立ち性は頭打ちとなり不経済である。
【0040】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系活性剤、アミドスルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリニウムベタイン系活性剤、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。
より具体的には、例えばN−デシルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドメチルベタイン、ミリスチン酸アミドメチルベタイン、パルミチン酸アミドメチルベタイン、ステアリン酸アミドメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ミリスチルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−カルボキシメチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N'、N'−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N'−カルボキシメトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシエチル−N'−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N'−カルボキシエチル−N'−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、2−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0041】
中でも、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルイミノジプロピオン酸、N−[3−アルキル(12、14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸が好ましい。
本発明に用いるアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルジメチルアミンオキシド(酸化エチレンの平均付加数:3モル)などが好適である。任意成分たる両性界面活性剤の配合量は、製剤の安定性が保たれていれば制限を受けないが、毛髪化粧料中30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、最も好ましくは20質量%以下である。30質量%を超えて配合しても毛髪化粧量の泡立ち性は頭打ちとなり不経済である。
【0042】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられる。中でもポリエチレングリコールモノステアレート、モノラウリン酸デカグリセリル、ベヘニン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、モノステアリ酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が好ましい。その他に、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルグリコシド、メチルグルコシド脂肪酸エステル、脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられる。任意成分たるノニオン性界面活性剤の配合量は、製剤の安定性が保たれていれば制限を受けないが、毛髪化粧料中10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、最も好ましくは3質量%以下である。10質量%を超えると、毛髪化粧量のコンディショニング性が悪化することが考えられる。
【0043】
アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、およびノニオン性界面活性剤の合計量は製剤の安定性が保たれていれば制限を受けないが、毛髪化粧料中30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、最も好ましくは20質量%以下である。
【0044】
多価アルコールは、分子中にヒドロキシル基が2つ以上存在すれば特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、及びこれらの共重合体、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、ラフィノース、マルトース、マルチトール、トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルランが挙げられ、好ましくは、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコールが挙げられる。
上記多価アルコールは唯1種を含有することも出来るし、異なる2種以上を組み合わせて含有することも出来る。
多価アルコールの配合量は、毛髪化粧料中80質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、最も好ましくは50質量%以下である。80質量%を超えると、著しいゲル化を生じる場合がある。
有機酸としては、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソパルミチン酸、イソノナン酸、イソオクタン酸、セバシン酸、アジピン酸、ネオペンタン酸、オレイン酸、オクタン酸、イソステアリン酸、エルカ酸、エイコセン酸、ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、イノシン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、エルシン酸、ブラシジン酸、ロジン酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、ホホバ油脂肪酸、(C10−40)分岐アルキル脂肪酸、パーフルオロ脂肪酸、キシレンスルホン酸、パントテン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ココアンホ酢酸、アルキルスルホン酸、没食子酸、没食子酸−3,5ジグルコシド、没食子酸−3,4ジグルコシド、没食子酸メチル−3,5ジグルコシド、没食子酸ブチル−3、5ジグルコシド、没食子酸−3、5ジマンノシド、エデト酸、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ラウリルアミノプロピオン酸、ココイルアミノプロピオン酸、アミノ酸であるアルギニン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン酸、シスチン、カルボシステイン、レボドパ、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、トリメチルグリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロジン、バリン、ピロリドンカルボン酸、N−アシル−L−グルタミン酸、ラウロイルメチル−β−アラニン、ココイルメチルタウリン、α−ヒドロキシ酸であるグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸の酸または塩類、及びそれらの工業的混合物である。没食子酸−3,5ジグルコシド、没食子酸−3,4ジグルコシド、サリチル酸、グルタミン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸が好ましい。中でも分子内に水酸基を有するα−ヒドロキシ酸が好ましく、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸がさらに好ましい。
上記有機酸は、唯1種を含有することも出来るし、異なる2種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の有機酸の配合量は、毛髪化粧料中0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。0.01質量%未満では、すすぎにより流れてしまい、毛髪への滞留量が少なくなる場合があり、5質量%を超えると、乳化物の安定化を妨げる場合がある。
【0045】
水溶性高分子としては官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸3元共重合体、塩化O-[2-ヒドロキシ−3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、四級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第四級窒素含有スターチ等の他、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コラーゲン、加水分解小麦、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子を例示することができる。
【0046】
なお、上記水溶性高分子は、その1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、いずれもすすぎ性能、仕上がり性能は良いが、好ましくは塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体、塩化O-[2-ヒドロキシ−3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。
毛髪化粧料中への配合量は特に制限されないが、10質量%以下が好ましく、8質量%以下が好ましい。さらに好ましくは5質量%以下の範囲で配合すると特にすすぎ性、仕上がりのなめらかさも向上する。
【0047】
油脂としては、具体的には、ヒマシ油、カカオ油、硬化パーム油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類、ミンク油、卵黄油等の動物油脂類、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類、グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル、2−エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類ホホバ油アルコール、水添ホホバ油アルコール、乳酸ミリスチル、乳酸イソステアリル、カプリル酸ヤシ油アルキル、カプリン酸ヤシ油アルキル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸セトステアリル、イソオクタン酸セチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸コレステリル、オクタン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸フィトステリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル、エイコセン酸カプリリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキル脂肪酸アミド類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ラノリンアルコール、ホホバ油エステル、ヤシ油、油茶油、ひまわり油、小麦胚芽油、月見草油、カレンデュラ油、グレープシード油、ココナッツ油、ローズヒップ油、セントジョーンズワート油、リノール油、ボリジ油、アーモンド油、紅花油、メドウフォーム油、シア脂、アボガド油、キャロット油、杏仁油、ククイナッツ油、スイートアーモンド油、トウモロコシ胚芽油、ラノリン類及びそれらの工業的混合物である。混合物の例としては、エルデュウCL202、CL301、PS203、PS304(以上、味の素社製)等があげられる。特に、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、エイコサノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキシル、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、(C10−40)分岐アルキルアルコール、ホホバ油アルコール、水添ホホバ油アルコール等の高級アルコール類や、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル、エイコセン酸カプリリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ホホバ油等の液状エステル油がカチオン界面活性剤や油剤との相溶性の点で望ましい。
【0048】
保湿剤としては、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、硬化ヒマシ油(30E.O.)等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4′−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール、ケーソン、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール等を例示することができる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸等を例示することができる。
キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸等を例示することができる。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸等をそれぞれ例示することができる。
【0049】
紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示することができる。
ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸及びその誘導体等を例示することができる。
アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体等を例示することができる。
【0050】
本発明の毛髪化粧料に使用される香料、香料組成物は、特開2003−300811号公報段落[0021]〜[0035]に記載した香料成分等、さらに同[0050]に記載した香料用溶剤等が挙げられる。
前記香料用溶剤の使用量は、香料組成物中に0.1〜99質量%配合されるが、好ましくは、0.3〜50質量%配合される。
また、香料安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、香料組成中に0.0001〜10質量%配合されるが、好ましくは、0.001〜5質量%配合される。これらの中で、好ましい安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンである。
香料組成物とは、前記の香料成分、溶剤、香料安定化剤等の混合物である。
本発明の毛髪化粧料にはかかる香料組成物が、毛髪洗浄剤全量に対して好ましくは0.005〜40質量%配合されるが、より好ましくは0.01〜10質量%配合される。
【0051】
本発明の毛髪化粧料は、主にリンス又はコンディショナーとして使用されるものであるが、アニオン界面活性剤を配合することにより、洗浄作用と柔軟作用とを有する毛髪洗浄剤、所謂リンスインシャンプーとして調製することもでき、オクトピロックス(登録商標)、ジンクピリチオン、イオウ等の有効成分を配合することにより、フケやカユミを抑制できる医薬部外品として調製することもできる。
【0052】
本発明の毛髪化粧料を、例えばリンスインシャンプーとする場合、水相の一部に、(A)成分を含む油相を添加し、両者を混合させ均一にした後に残りの水相を添加し、混合することによって調製することができる。
本発明の毛髪化粧料を、例えばコンディショナーとする場合、(A)成分を含む油相に、水相の一部を添加し、両者を混合することにより液晶相を形成させ、該液晶相に残りの水相を添加し、混合することにより液晶相を転相させることにより調製することができる。得られる毛髪化粧料は、水中油型エマルションである。
【0053】
本発明の毛髪化粧料の25℃における粘度は、20,000mPa・s以下が好ましく、15,000mPa・s以下がより好ましい。20,000mPa・sを超えると、容器からの排出性が悪く使用性に劣ることがある。500mPa・s以上が好ましく、1,000mPa・s以上がより好ましい。500mPa・s未満では、本発明の毛髪化粧料がシリコーンを含有する場合にシリコーンの分散安定性が悪くなることがある。上記粘度は化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第2法に準拠して測定される方法である。
【0054】
本発明の毛髪化粧料を収納する容器としては、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器等に充填することができる。ラミネートフィルムは、通常2層以上の多層を有し、その材質はポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミ蒸着プラスチック等によって構成される。強度、柔軟性、耐候性等を考慮し、一般的には2〜5層のものを用いる。ボトルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等及びガラス等を単層ないし2層以上組み合わせて用いることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例、及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[(A)成分の製造]
メチルエーテル型エステル基含有モノ長鎖又はジ長鎖アルキル/アルケニル第4級アンモニウム塩の製造
<メトキシエチルジエタノールアミンの合成>
温度計と攪拌機を備えた1L圧力容器にメトキシエチルアミン(関東化学製)300g(4.0モル)を仕込む。雰囲気の窒素置換を行った後、加温し、液温が100℃になり次第、酸化エチレン(三菱化学製)を少量ずつ仕込んでいく。液温を徐々に上げていき、150〜170℃に温度制御しながら酸化エチレンをトータル349g(7.93モル)圧入した。酸化エチレンの仕込みが終わってから、170℃に保持したまま1時間熟成させた。熟成終了後、液温を60℃まで冷却した。得られたメトキシエチルジエタノールアミンのアミン価を測定した結果、342mgKOH/gであった。以下、質量%は%と略記する。
【0056】
【化9】

【0057】
<エステルアミンの合成>
温度計、冷却装置、滴下ロート、攪拌機を取り付けた1.5L容4つ口フラスコに、上記操作で得られたメトキシエチルジエタノールアミン49.2g(0.3モル)、乾燥アセトニトリル(関東化学(株)製)350g、トリエチルアミン(関東化学製)66.7g(0.66モル)を仕込んだ。液温が30℃に到達後、部分水添パーム油脂肪酸クロリド(部分水添パーム油脂肪酸から常法により調製)177.9g(0.60モル)を約1時間かけて滴下し、滴下中は液温を35〜45℃範囲内で制御した。滴下終了後、45℃で30分間熟成しメトキシジアルカノイル(パーム)トリエタノールアミンの粗製物を得た。副生した沈殿物は桐山ロート(No.5A)を用いて濾過し、濾液をロータリーエバポレータで溶媒分を減圧留去してペースト状の液体を得た。さらにアセトン250mLを添加して析出した不溶物を同様の方法で処理し、最終的にペースト状のメトキシジアルカノイル(パーム)トリエタノールアミンを得た。尚、この反応操作において、トリエチルアミンは副生するHClの捕捉剤として添加した。得られた粗製物のアミン価は81.9mgKOH/gであった。
【0058】
【化10】

【0059】
<4級化>
温度計、冷却装置、攪拌機を取り付けた1L容4つ口フラスコに、前工程で得られたアミン(100.0g、0.146モル)、乾燥アセトニトリル30gを仕込み、液温が50℃に達したら滴下ロートを介してジメチル硫酸(18.0g、0.143モル)を20分かけて滴下した。反応温度は60℃を超えないように制御した。滴下終了後、60℃で30分間熟成し、粗製物を得た。得られた粗製物をエタノールに溶媒置換して有効成分濃度60%(設定)のメトキシエチルジエステル第4級アンモニウム塩を主成分とする粗製物を得た。粗製物中の分析結果は以下のようであった。第4級アンモニウム塩:53.3%、遊離アミン:2.5%、アミン硫酸塩:2.3%、遊離脂肪酸:1.9%。又、プロトンNMRによりモノ長鎖4級塩/ジ長鎖4級塩の質量比を計算した結果、20/80であった。
【0060】
【化11】

【0061】
[(B)成分の製造]
末端OH型エステル基含有モノ長鎖もしくはジ長鎖アルキル/アルケニル第4級アンモニウム塩及びエステル基含有トリ長鎖アルキル/アルケニル第4級アンモニウム塩の製造
<エステルアミンの合成>
攪拌機、分縮器、温度計、冷却装置及び減圧セットを取り付けた2L容4つ口フラスコに、部分水添パーム油脂肪酸メチルエステル(ステアリン酸メチル40%+オレイン酸メチル40%+パルミチン酸メチル20%、から成る混合物、夫々ライオン(株)製パステルM180、パステルM181、パステルM16)581g(2.0モル)、トリエタノールアミン186g(1.24モル)、触媒である酸化マグネシウム0.4g、及び25%水酸化ナトリウム水溶液1.5gを、仕込んだ。窒素置換を行った後、70kPaまで減圧した。その後、1.5℃/minの速度で185℃まで昇温し、圧力を徐々に3kPaまで低下させ、7時間反応させた。未反応メチルエステルが1%以下であることを確認し、反応を停止した。得られた生成物から触媒由来の脂肪酸塩をろ過除去し、中間体のエステルアミンを得た。測定したアミン価から平均分子量を求めたところ、606であった。
【0062】
【化12】

【0063】
<四級化>
得られたエステルアミン303g(0.50モル)を温度計、滴下ロート及び冷却装置を備えた1L容4つ口フラスコに仕込み、窒素置換した。その後、90℃に加熱し、ジメチル硫酸61.7g(0.49モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更にそのままの状態で1時間撹拌した。次いで、溶媒としてエタノール約64gを滴下しながら冷却して、カチオン界面活性剤のエタノール溶液を調製した。
【0064】
【化13】

【0065】
得られた(A)成分及び(B)成分の組成を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
注)*1:C18:1は一価不飽和脂肪酸、C18:2は二価不飽和脂肪酸を示す。また、( )内数字は含有率(%)を示す。
*2:いずれの場合も、ジメチル硫酸で4級化した。また、(I)、(II)の短鎖アルキルエーテル基部分は、いずれもC2H4OCH3である。
【0068】
[実施例1〜5、比較例1、2]
リンスインシャンプー組成物の配合及び評価
表2及び表3に示す成分を用いてリンスインシャンプーを1000g調製した。室温で水相混合物を攪拌し、均一にした後、溶解した油相混合物を添加し、均一にさせた後にシリコンを添加することにより、リンスインシャンプー組成物を調製した。但し、油相混合物、水相混合物、シリコンの合計が990gになるように精製水でバランスした。その後、必要に応じ、クエン酸、または水酸化ナトリウムを添加してpH5.2に調製し、更に全体質量が1000gになるようにイオン交換水を添加して、リンスインシャンプーを得た。特に断りの無い限り、配合量はいずれの場合も組成物全体に対する質量%として示すが、ここでは%と略記する。
得られた各組成物について、下記に示す評価方法に従い、すすぎ時の指通り、乾燥後の毛髪の柔軟性となめらかさを評価した。結果を表2に示す。
<方法>
長さがショート〜セミロングの髪の女性10名により、上で調製したリンスインシャンプー組成物を10日間使用し、下記評点に基づいて各試料のすすぎ時の指通り、乾燥後の毛髪の柔軟性となめらかさを評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
<すすぎ時の指通り、乾燥後の毛髪の柔軟性となめらかさの評点>
+2点:非常によい
+1点:やや良い
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
なお、商品価値の観点からすすぎ時の指通り、乾燥後の毛髪の柔軟性となめらかさはいずれも○以上の評点であることが望ましい。
【0069】
【表2】

【0070】
実施例及び比較例で用いた原料は、下記の通りである。なお、実施例及び比較例には、成分純分相当量を記載した。
使用した原料の一覧表を表3に示す。
【0071】
【表3】

【0072】
[実施例6〜10、比較例3,4]
リンス組成物の配合及び評価
表3及び表4に示す成分を用いてリンス組成物を1000g配合した。80℃に加温した油相混合物に80℃に加温した水相混合物の40%を添加し、液晶相を形成させ、残りの水相混合物を混合して、転相させ、シリコーンを添加することによりリンス組成物を調製した。但し、油相混合物、水相混合物、シリコーンの合計が990gになるように水相混合物は精製水でバランスした。その後、必要に応じ、リン酸、または水酸化ナトリウムを添加してpH3.5に調製し、更に全体質量が1000gになるようにイオン交換水を添加して、リンス組成物を得た。特に断りの無い限り、配合量はいずれの場合も毛髪化粧料組成物全体に対する質量%として示すが、ここでは%と略記する。得られた各組成物について、上記に示す評価方法に従い、すすぎ時の指通り、乾燥後の毛髪の柔軟性となめらかさを評価した。結果を表4に示す。
【0073】
【表4】

【0074】
実施例11
以下に示す組成のシャンプー組成物を調製した。
【0075】
【表5】

【0076】
上記ならびに以下の実施例で記載される香料Aは特開2003−300811号公報記載の香料Aと同一である。
【0077】
実施例12
以下に示す組成のシャンプー組成物を調製した。
【0078】
【表6】

【0079】
上記ならびに以下の実施例で記載される香料Bは特開2003−300811号公報記載の香料Bと同一である。
【0080】
実施例13
以下に示すシャンプー組成物を調製した。
【0081】
【表7】

【0082】
実施例14
下記組成のヘアコンディショナーを常法により製造した。
【0083】
【表8】

【0084】
実施例15
下記組成のヘアトリートメントを常法により製造した。
【0085】
【表9】

【0086】
実施例16
下記組成のヘアエッセンスを常法により製造した。
【0087】
【表10】

【0088】
実施例11〜16で調製したシャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアエッセンスは、すすぎ時の指どおりが良く、乾燥後の毛髪の柔軟性、なめらかさに優れていた。
【0089】
〈ボトル容器〉
(1)ボトル部:材質PP キャップ:材質PP
(2)ボトル部:材質HDPE キャップ:材質PP
(3)ボトル部:材質PET キャップ:材質PP
(4)ボトル部:材質PP/HDPE キャップ:材質PP
〈ポンプ容器〉
(5)ボトル部:材質PP ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(6)ボトル部:HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(7)ボトル部:PET ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(8)ボトル部:PP/HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
〈パウチ容器〉
(9)材質:アルミ蒸着ポリエチレンパウチ
PEはポリエチレン、PPはポリプロピレン、PETはポリエチレンテレフタレート、HDPEは高密度ポリエチレンを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(I)で表される短鎖アルキルエーテル型エステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩、および一般式(II)で表される短鎖アルキルエーテル型エステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
【化1】

(式中、R1, R5は、夫々エステル基を1つ含む総炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基を表し、R2は、メチル基、エチル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基又はCpH2pOR3で表される基を表し、p=2〜4の整数であり、R3, R4は、夫々独立してメチル基又はエチル基を表す。)
【請求項2】
さらに、(B)一般式(III)で表される末端OH型エステル基含有モノ長鎖第4級アンモニウム塩、一般式(IV)で表される末端OH型エステル基含有ジ長鎖第4級アンモニウム塩、一般式(V)で表されるエステル基含有トリ長鎖第4級アンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料。
【化2】

(式中、R4はメチル基又はエチル基を表し、R6, R8及びR9は夫々エステル基を1つ含む総炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基を表し、R7はメチル基、エチル基又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、p=2〜4の整数である。)

【公開番号】特開2008−150332(P2008−150332A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341620(P2006−341620)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】