説明

毛髪化粧料

【課題】 固着に基づく毛髪(へアスタイル)の固定が可能であり、なおかつアレンジ力(再整髪力も含む)にも優れ、さらに耐湿性を有する毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】 特定構造を有するモノマーを組み合わせて重合することにより得られる、皮膜形成時に程よい固さと高い粘着力を有する新規な粘着性セット樹脂を配合し、さらにセット剤樹脂を配合した毛髪化粧料。
【効果】 固定力とアレンジ力を兼ね備え、なおかつ耐湿性(セット保持力)に優れた毛髪化粧料が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定力とアレンジ力(再整髪力も含む)を両立させ、さらに耐湿性に優れた毛髪化粧料に関する。より詳細には、新規なポリマーを含有せしめるとともに、セット樹脂を配合することにより、固着により毛髪を固定できるとともに、再整髪が可能であり、なおかつセット保持力に優れた毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアスタイリングは、ヘアスタイルを作ることと、作ったヘアスタイルを保持することという2つの機能を含んでいる。これらの2つの機能を発揮する原理は、固着と粘着であると言われている(非特許文献1)。
【0003】
固着によるヘアスタイリングは、セット剤と呼ばれる皮膜形成剤(ポリマー樹脂)が固形皮膜を形成して毛髪を固定するものである。例えば、従来のヘアジェル、ヘアスプレーなどは、主にセット樹脂を用いた整髪メカニズムに基づいている。例えば、特許文献1には、セット樹脂として、主にポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン−ポリ酢酸ビニル共重合体等の皮膜形成ポリマーを用いた毛髪化粧料が記載されている。特許文献2には、特許文献2には、シリル化ウレタン樹脂をセット樹脂として用いた毛髪化粧料が開示され、柔らかさと固さとが両立した皮膜を形成し、自然な風合いと高いキープ力を持つとされている。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたような樹脂を用いた毛髪化粧料では、セット樹脂が固い皮膜を形成するため、一度作った髪型からの再整髪ができず、皮膜を崩してしまうと整髪機能を失うという欠点があった。即ち、セット樹脂による固着に基づくスタイリング剤は、髪型の固定には長けているがアレンジ力に乏しいという問題があった。
【0005】
一方、粘着に基づくスタイリングは、毛髪同士が油性成分によって粘着されるものであり、ポリアルキレングリコールのような粘着性油性成分を主基剤とするヘアリキッドや、固形油分の粘着性を用いて近年若年層に嗜好されているヘアワックス等が知られている。例えば、特許文献3には、ロウ類と曳糸性のある水溶性高分子を配合し、再整髪性に優れた毛髪用化粧料が記載されている。
【0006】
しかし、このような油性成分の粘着性に基づくヘアスタイリングは、油性成分が毛髪上で流動性と粘着性を保っているため、指やブラシを通して再スタイリング可能であるという特徴を有し、いわゆるアレンジ力に長けているものの、セット樹脂を用いた毛髪化粧料のような固定力(キープ力)が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「機能性化粧品の開発II」、鈴木正人監修、シーエムシー出版発行、1996年、第10章 整髪剤の機能と最新の技術
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−213706号公報
【特許文献2】特開2003−171244号公報
【特許文献3】特開平10−45546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、本発明における課題は、固着に基づく毛髪(へアスタイル)の固定が可能であり、なおかつアレンジ力(再整髪力も含む)にも優れた毛髪化粧料であって、さらに耐湿性を向上させてセット保持力を高めた毛髪化粧料を提供することにある。
本発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、皮膜形成時に程よい固さと高い粘着力を有する新たな粘着性セット樹脂をセット樹脂として配合することにより、固定力とアレンジ力を兼ね備えた毛髪化粧料が得られ、更にセット剤樹脂を配合することによって耐湿性(セット保持力)を向上させられることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち本発明は、
下記式(A):
【化1】

(式中、R1はH又はCHであり、nは0〜30の整数であって(CHは分岐鎖を含み、R2はH、OH、OCH、OCHCH又はフェニルである)で表されるモノマーの少なくとも1種(以下、「モノマーA」とする);
及び/又は
下記式(B):
【化2】

(式中、R3はH又はCHであり、R4及びR5は同一でも異なっていてもよく、H又は(CHR’であって、lは1〜3の整数であり、R’はH、OH又は-NR”R’”であって、R”及びR’”は同一でも異なっていてもよく、H又はC1〜C3のアルキル基である)で表されるモノマーの少なくとも1種(以下「モノマーB」とする);
及び
下記式(C):
【化3】

(式中、R6はH又はCHであり、pは1〜100の整数であり、mは0〜30の整数であり、R7はH、OH、OCH、OCHCH、又はフェニルであり、Xはオキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)、オキシブチレン基(BO)、又はグリセリルである)で表されるモノマーの少なくとも1種(以下「モノマーC」とする);
及び
下記式D:
【化4】

(式中、R8はH又はCHであり、qは1〜100の整数であり、Yはオキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)、オキシブチレン基(BO)、炭素数5以上の直鎖または分岐のオキシアルキレン基、又はグリセリル基である(但し、Yが炭素数5以上のオキシアルキレン基であるときは、qは1である))で表されるモノマーの少なくとも1種(以下「モノマーD」とする)
を重合させて得られる粘着性セット樹脂、セット剤樹脂、及びアルコールを含有する毛髪化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の毛髪化粧料は、前記の新規な粘着性セット樹脂を配合したことによって、従来のセット樹脂では不可能であった固定力とアレンジ力とを両立することが可能になった。
さらに、本発明の毛髪化粧料は、前記粘着性セット樹脂に加えて従来から用いられているセット剤樹脂を更に配合したことにより、耐湿性に優れ、ヘアスタイルを長時間保持するセット保持力を向上させることができた。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の毛髪化粧料は、上記したモノマーA及び/又はモノマーB及びモノマーC及びモノマーDを重合させて得られる粘着性セット樹脂を必須成分として含有している。即ち、 本発明の粘着性セット樹脂においては、モノマーC及びモノマーDを含むことが必須であり、モノマーA及びモノマーBは、いずれか一方又は両方を含んでいればよい。モノマーC又はモノマーDを欠いた樹脂(ポリマー)では、良好な粘着力、アレンジ力(再整髪力)が得られない。
【0013】
本発明で使用される粘着性セット樹脂は、下記式(I)で表される構造を有するものが特に好ましい。

上記式(I)において、R1〜R9、n、m、p、qは、上記式A〜Dと同じ意味である。なお、本明細書における用語は通常の意味で使用され、例えば、オキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)、オキシブチレン基(BO)は、各々、炭素数2、3及び4の直鎖又は分岐のオキシアルキレン基を意味する。また、上記式(I)におけるaは40<a<400、bは80≦b<300、cは30<c<300、dは0<d<10の範囲の数である。
上記の条件を満たす粘着性セット樹脂(式(I)のポリマー)における各モノマーの質量%は、およそ次のようになる。7.5<A<62.5、20≦B<45、7.5<C<60、0<D<5。
【0014】
本発明の粘着性セット樹脂は、上記モノマーA及び/又はB及びC及びDを適切な比率で混合し、必要に応じて適当な溶媒中において、標準的な方法を用いて重合反応させることにより調製することができる。例えば、エタノール中で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を用い、約80℃において8時間熱重合させることによって得得ることができ、得られたポリマーを適宜精製して使用することができる。
【0015】
本発明の毛髪化粧料における粘着性セット樹脂の配合量は、その製品形態応じて変化しうるが、一般的には0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2 〜15質量%である。0.1質量%未満であるとセット樹脂と併用しても十分な効果が発揮されない場合があり、30質量%を越えて配合すると毛髪にごわつきを生じる場合がある。
【0016】
本発明の毛髪化粧料は、前記粘着性セット樹脂に加えて、セット剤樹脂を含有する。本発明におけるセット剤樹脂とは、セット剤又はセット樹脂等とも呼ばれるアニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性の皮膜形成高分子であり、従来からヘアスタイリング剤に配合されているものでよい。具体例としては、以下のようなものを挙げることができる。
【0017】
アクリル系及びビニル系セット剤樹脂:
アニオン性のものとして、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体(プラスサイズL−53P、プラスサイズL−9909B、プラスサイズL−9948B等(いずれも互応化学工業株式会社製))、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体(Dermacryl 79(日本エヌエスシー株式会社製))、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体(ルビフレックスSILK(BASF社製))、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(BASF社製))、アクリル酸アルキル共重合体(アニセットNF−1000,アニセットHS−3000など(大阪有機化学工業株式会社製))等。
【0018】
両性のものとして、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピルプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER SH30、AMPHOMER LV−71(日本エヌエスシー株式会社製))、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(ユカフォーマーR205、ユカフォーマー301、ユカフォーマーSM、ユカフォーマー104Dなど(三菱化学株式会社製)、RAMレジン−1000、RAMレジン−2000、RAMレジン−3000、RAMレジン−4000(大阪有機化学工業株式会社製))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(マーコート280、マーコート295(ナルコ社製))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸共重合体(マーコートプラス3330、マーコートプラス3331(ナルコ社製))等。
【0019】
カチオン性のものとして、ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩(H.C.ポリマー1S(M)、H.C.ポリマー2(大阪有機化学工業株式会社製)、ガフコート755N(ISP社製))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(スタイリーゼW−20(ISP社製))、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸アルキル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体(コスカットGA467,コスカットGA468(大阪有機化学工業株式会社製)、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(マーコート100(ナルコ社製))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550(ナルコ社製))、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド・ジメチルアクリルアミド共重合体等。
【0020】
ノニオン性のものとして、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(BASF社製)、PVP K(ISP社製))、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(PVP/VA S−630、PVP/VA E−735、PVP/VA E−335(以上ISP社製)、ルビスコールVA73W、ルビスコール37E(以上BASF社製)、PVA−6450(大阪有機化学工業株式会社製))、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体(ガントレッツA−425、ガントレッツES−225、ガントレッツES−335など(ISP社製))、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体(ルビセットクリア(BASF社製))、ポリビニルカプロラクタム(ルビスコールプラス(BASF社製))等。
【0021】
ウレタン系セット剤樹脂:
ヨドゾールPUD(日本エヌエスシー株式会社製)、ルビセットP.U.R.(BASF社製)、特開2006−213706号公報に記載されたポリマー等、アクリル−ウレタン系として、DynamX(日本エヌエスシー株式会社製)、特願2006−183144号公報に記載されたポリマー等。
【0022】
多糖類系セット剤樹脂:
アラビアガム、グルカン、サクシノグリカン、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、グアガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナンガム、キサンタンガム、デンプン、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアガム、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ローカストビーンガム、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムでんぷん等。
【0023】
本発明の毛髪化粧料に配合されるセット剤樹脂は特に限定されず、上記に列挙したようなセット剤樹脂の1種又は2種以上を適宜選択して用いることができるが、アクリル系、ビニル系、又はウレタン系のセット剤樹脂が特に好ましい。
【0024】
本発明の毛髪化粧料におけるセット剤樹脂の配合量は、一般的には0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。0.1質量%未満であると耐湿性が十分でない場合があり、30質量%を越えて配合すると髪がごわつく場合がある。
【0025】
本発明の毛髪化粧料は、上記した粘着性セット樹脂及びセット剤樹脂に加えて、アルコールを含有している。
【0026】
本発明の毛髪化粧料におけるアルコールとしては、エタノール等の化粧品で一般に使用されているアルコール類から選択される1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。アルコールの配合量は、特に限定されるものではなく、毛髪化粧料の態様によって変化しうる。通常は、粘着性セット樹脂の溶媒として用いる下限量から80質量%まで配合される。また、使用性をコントロールする点で水の配合量に合わせて調整するのが好ましい場合もある。
【0027】
本発明の毛髪化粧料は、新規な粘着性セット樹脂を含み、さらにセット剤樹脂を含むことにより、固定力とアレンジ力を発揮し、優れた耐湿性(セット保持力)を示すものであるが、その形態は、ヘアリキッド、ヘアフォーム、ヘアムース、ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアジェル、ヘアワックス等の様々な態様で提供することができる。
本発明の毛髪化粧料は、例えば、その形態に応じて、水などの従来から毛髪化粧料に使用されている他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
【実施例】
【0028】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
【0029】
(製造例及び比較製造例)
下記表1に示したモノマー組成で重合を行い、本発明の粘着性セット樹脂(製造例1〜6)及びモノマーCを含まない比較製造例1及びモノマーDを含まない比較製造例2を調製した。
具体的には、モノマー類100部を混合した混合物をあらかじめ用意し、この混合物の入った滴下漏斗、還流冷却気、温度計、窒素置換用管および、撹拌機が取り付けられた容量1Lの五つ口フラスコに、エタノール100部を仕込み、窒素気流下、昇温し、還流状態(約80℃)になったところで、このエタノール中に重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)1部を添加し、上記混合物を2時間連続して滴下する。その後、還流状態にて、8時間放置し重合反応を進行させた。次に五つ口フラスコ中の溶液から溶媒を留去および、エタノールを加えることでこの溶液の溶媒含有量を調整し、固形分濃度50%の毛髪化粧料基剤の溶液を得た。
【0030】
【表1】

【0031】
(実施例及び比較例)
上記製造例及び比較製造例の樹脂を用いて試料を調製し、当該試料を使用したときのアレンジ力、固定力、再整髪力、及び耐湿性について評価した。
各特性の評価方法及び評価基準は以下の通りである。
【0032】
1.アレンジ力
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量2g)に試料を0.5g塗布し、常温にて乾燥させた後の毛束について、アレンジのしやすさを10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価した。
【0033】
<評価点基準>
5点:かなりアレンジしやすい
4点:ややアレンジしやすい
3点:普通
2点:ややアレンジしにくい
1点:アレンジしにくい
<評価基準>
◎:合計点が40点以上
○:合計点が30点以上40点未満
△:合計点が20点以上30点未満
×:合計点が20点未満
【0034】
2.固定力
黒色バージンヘア(長さ15cm,重さ1g)に、試料を0.4g塗布し、くしを使いなじませ、まっすぐになるよう形を整え、1試料あたり5本のストランドを作製した。これを50℃で1時間乾燥させた後目盛りの付いたボードに吊り下げ、温度30℃,湿度90%RHの恒温恒湿器にてストランドの撓んだ長さを(b)を測定した。試料未塗布時にあらかじめ測定しておいた、撓んだストランドの長さ(a)を用い、次式に従い固定力(キープ力)を求めた。数値が100%に近いほど固定力が高く、耐湿性に優れることを示している。
ヘアスタイルキープ力(%)={(a−b)/a}×100
【0035】
<評価基準>
◎:値が90%以上
○:値が70〜90%未満
△:値が50〜70%未満
×:値が50%未満
【0036】
3.再整髪力
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量2g)に試料を0.5g塗布し、常温にて乾燥させた後の毛束について、塗布直後に整髪を行い、その後1時間後に再度整髪した際のしやすさ(再整髪力)を10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価した。
【0037】
<評価点基準>
5点:かなり再整髪力がある
4点:やや再整髪力がある
3点:普通
2点:やや再整髪力がない
1点:再整髪力がない
<評価基準>
◎:合計点が40点以上
○:合計点が30点以上40点未満
△:合計点が20点以上30点未満
×:合計点が20点未満
【0038】
4.耐湿性
黒色バージンヘア(長さ:20cm、重さ:2g)に、試料(実施例または比較例で得られた毛髪化粧料)を0.5g塗布し、直ちに、カール径が2cmのカーラーを用いてカールを作製し、これを50℃で1時間乾燥させた。このカールした毛髪ストランドの長さを測定して、該長さを初期値(L0)とする。
次に、乾燥させた毛髪束を目盛りの付いたボードに吊り下げ、温度30℃、湿度90%RHの恒温恒湿器に3時間入れた後、毛髪ストランドの長さを測定し、該長さを、加湿後の長さ(L2)とする。
なお、毛髪ストランドの長さとしては、カールされた状態であれば、カールの最大径になり、一方、カールが部分的に又は全体的にほどけていれば、根元側の端部からの最大の長さ(例えば、根元側の端部から毛先側の端部までの長さ)になる。
【0039】
次式に従って、カールリテンション値を算出し、下記の評価基準により、耐湿性について評価した。
カールリテンション値(%)={(20−L2)/(20−L0)}×100
なお、カールリテンション値が100%に近いほど、カール保持率が強く、耐湿性(即ち、スタイル保持力)が優れている。
【0040】

<評価基準>
◎:カールリテンション値が90%点以上である。
○:カールリテンション値が70%以上90%未満である。
△:カールリテンション値が50%以上70%未満である。
×:カールリテンション値が50%未満である。
【0041】
(1)セット剤樹脂としてノニオン性樹脂を用いた場合
下記表2に掲げる組成の試料を調製した。試料は、(1)及び(2)の混合液に(3)及び/又は(4)の各ポリマーを加えて攪拌することにより調製した。次いで、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表2に併せて示す。
【表2】

【0042】
表2に示した結果から明らかなように、粘着性セット樹脂(製造例3)を含まない試料(比較例1)では、アレンジ力及び再整髪力が劣っており、耐湿性も不十分であった。また、粘着性セット樹脂とセット剤樹脂の両方を含有する試料(実施例1〜4)は、セット剤樹脂である(ビニルピロリドン/VA)コポリマーを配合しない試料(比較例2)に比較して耐湿性が向上した。
【0043】
下記表3に掲げる組成の試料を調製し、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表3に併せて示す。
【表3】

【0044】
粘着性セット樹脂(製造例1〜6)を含まない試料(比較例1)、及びモノマーC又はDを含まない樹脂(比較製造例1又は2)を配合した試料(比較例3及び4)では、十分なアレンジ力及び再整髪力を発揮できなかった。
【0045】
(2)セット剤樹脂としてアニオン性樹脂を用いた場合
下記表4に掲げる組成の試料を調製した。試料は、(1)及び(2)の混合液に(3)及び/又は(4)の各ポリマーを加えて攪拌することにより調製した。次いで、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表4に併せて示す。
【0046】
【表4】

【0047】
表4に示した結果から明らかなように、粘着性セット樹脂(製造例3)を含まない試料(比較例4)では、アレンジ力及び再整髪力が劣っており、セット剤樹脂である(アルキル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーを含まない試料(比較例2)は耐湿性が十分ではなかった。
【0048】
下記表5に掲げる組成の試料を調製し、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表5に併せて示す。
【表5】

【0049】
粘着性セット樹脂(製造例1〜6)を含まない試料(比較例5)、及びモノマーC又はDを含まない樹脂(比較製造例1又は2)を配合した試料(比較例6及び7)では、十分なアレンジ力及び再整髪力を発揮できなかった。
【0050】
(3)セット剤樹脂としてカチオン性樹脂を用いた場合
下記表6に掲げる組成の試料を調製した。試料は、(1)及び(2)の混合液に(3)及び/又は(4)の各ポリマーを加えて攪拌することにより調製した。次いで、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表6に併せて示す。
【0051】
【表6】

【0052】
表6に示した結果から明らかなように、粘着性セット樹脂(製造例3)を含まない試料(比較例8)では、アレンジ力及び再整髪力が劣っており、セット剤樹脂であるポリクオータニウム−11を含まない試料(比較例2)は耐湿性が十分ではなかった。
【0053】
下記表7に掲げる組成の試料を調製し、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表7に併せて示す。
【表7】

【0054】
粘着性セット樹脂(製造例1〜6)を含まない試料(比較例8)、及びモノマーC又はDを含まない樹脂(比較製造例1又は2)を配合した試料(比較例9及び10)では、十分なアレンジ力及び再整髪力を発揮できなかった。
【0055】
(4)セット剤樹脂として両性樹脂を用いた場合
下記表8に掲げる組成の試料を調製した。試料は、(1)及び(2)の混合液に(3)及び/又は(4)の各ポリマーを加えて攪拌することにより調製した。次いで、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表8に併せて示す。
【0056】
【表8】

【0057】
表8に示した結果から明らかなように、粘着性セット樹脂(製造例3)を含まない試料(比較例11)では、アレンジ力及び再整髪力が劣っており、セット剤樹脂である(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマーを含まない試料(比較例2)は耐湿性が十分ではなかった。
【0058】
下記表9に掲げる組成の試料を調製し、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表9に併せて示す。
【表9】

【0059】
粘着性セット樹脂(製造例1〜6)を含まない試料(比較例11)、及びモノマーC又はDを含まない樹脂(比較製造例1又は2)を配合した試料(比較例12及び13)では、十分なアレンジ力及び再整髪力を発揮できなかった。
【0060】
(5)セット剤樹脂としてウレタン系樹脂を用いた場合
下記表10に掲げる組成の試料を調製した。試料は、(1)及び(2)の混合液に(3)及び/又は(4)の各ポリマーを加えて攪拌することにより調製した。次いで、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表10に併せて示す。
【0061】
【表10】

【0062】
表10に示した結果から明らかなように、粘着性セット樹脂(製造例3)を含まない試料(比較例14)では、アレンジ力及び再整髪力が劣っており、セット剤樹脂であるシル化ウレタン系樹脂を含まない試料(比較例2)は耐湿性が十分ではなかった。
【0063】
下記表11に掲げる組成の試料を調製し、前記の基準に従って各試料の特性を評価した。それらの結果を表11に併せて示す。
【表11】

【0064】
粘着性セット樹脂(製造例1〜6)を含まない試料(比較例14)、及びモノマーC又はDを含まない樹脂(比較製造例1又は2)を配合した試料(比較例15及び16)では、十分なアレンジ力及び再整髪力を発揮できなかった。
【0065】
その他の実施例を以下に示す。
(実施例51)
リキッド状スタイリング剤
(1)イオン交換水 残余
(2)PEG−6 5
(3)PEG−8 5
(4)PEG−32 5
(5)ソルビトール 3
(6)エタノール 35
(7)香料 適量
(8)製造例3で得られるポリマー 5
(9)(アルキル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー 2.5
(10)クエン酸 適量
【0066】
<製法>
(1)水に(2)〜(5)の水溶性成分を加え撹拌溶解し水パーツとする。次に、(6)に(7)を加え撹拌し可溶化させた後、(8)・(9)を加え撹拌しアルコールパーツとする。水パーツとアルコールパーツとを混ぜ、(10)を加えてリキッド状のスタイリング剤を得た。
【0067】
(実施例52)
ヘアスタイリングジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.7
(2)製造例3で得られるポリマー 5.0
(3)グリセリン 2.5
(4)1,3−ブチレングリコール 2.5
(5)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル(20EO) 0.5
(6)ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン 1.0
(7)水酸化ナトリウム(pH7.5に調製) 適量
(8)エタノール 20.0
(10)香料 0.1
(11)エデト酸三ナトリウム 0.03
(12)イオン交換水 残余
(13)(アルキル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー 5.0
【0068】
<製法>
(3)、(4)、(5)、一部の(12)に(6)を添加し、ホモミキサーにより乳化する。次いで、一部の(12)を加えて乳化部とする。一方、残りの(12)に(1)、(2)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)(13)を均一溶解し、これに先の乳化部を添加し、乳化状ヘアスタイリングジェルを得た。
【0069】
(実施例53)
ヘアスタイリングジェル
(1)ヒドロキシエチルセルロース 0.7
(2)製造例3で得られるポリマー 12.0
(3)プロピレングリコール 2.5
(4)1,3−ブチレングリコール 2.5
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 0.5
(6)アミノ変性高分子量シリコーン 1.0
(7)水酸化ナトリウム(pH7.5に調製) 適量
(8)エタノール 20.0
(9)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 0.1
(10)香料 0.1
(11)エデト酸三ナトリウム 0.03
(12)イオン交換水 残余
(13)(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/
メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー 16.0
【0070】
<製法>
実施例52に準じて製造した。
【0071】
(実施例54)
ヘアスタイリングジェル
(1)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 2.0
(2)製造例3で得られたポリマー 1.0
(3)ジグリセリン 2.5
(4)ポリエチレングリコール1000 2.5
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 0.5
(6)両末端ヒドロキシ変性ジメチルポリシロキサン(1,000,000mPa・s) 1.0
(7)水酸化ナトリウム(pH7.5に調製) 適量
(8)エタノール 20.0
(9)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 0.1
(10)香料 0.1
(11)エデト酸三ナトリウム 0.03
(12)イオン交換水 残余
(13)(アルキル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー 1.0
【0072】
<製法>
実施例52に準じて製造した。
【0073】
(実施例55)
ヘアスタイリングジェル
(1)製造例3で得られたポリマー 1.0
(2)シリル化ウレタン系樹脂(特開2006-213706号公報の製造例) 2.5
(3)グリセリン 2.5
(4)ヒドロキシエチル尿素 2.5
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 0.5
(6)ジメチルポリシロキサン(1,000mPa・s) 1.0
(7)トリエタノールアミン(pH7.5に調製) 適量
(8)エタノール 20.0
(9)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 0.1
(10)香料 0.1
(11)エデト酸三ナトリウム 0.03
(12)イオン交換水 残余
(13)(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/
メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー 1.0
【0074】
<製法>
実施例52に準じて製造した。
【0075】
(実施例56)
スタイリングムース
(1)ジメチルポリシロキサン(20mPa・s) 5.0
(2)イソパラフィン 5.0
(3)高分子量ポリシロキサン 2.0
(4)アミノ変性高分子量シリコーン 0.5
(5)1,3−ブチレングリコール 3.0
(6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 2.0
(7)製造例3で得られたポリマー 10.0
(8)ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル
(12EO・2PO) 1.0
(9)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.1
(10)フェノキシエタノール 0.1
(11)エタノール 8.0
(12)イオン交換水 残余
(13)香料 適量
(14)(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/
メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー 1.0
【0076】
<製法>
(1)、(2)に(3)、(4)を撹拌溶解したものを(5)、(6)、一部の(12)に添加し、ホモミキサーにて乳化する(乳化パーツ)。一方、残部の(12)に(7)を添加しておく(水相パーツ)。(11)に(8)、(9)、(10)、(13)、(14)を添加し、撹拌溶解し、これを先の水相パーツに添加し、さらに、乳化パーツを添加し、均一に混合して、原液とする。この原液90部をエアゾール用の缶の詰め、弁をし、10部の液化石油ガス(LPG)を充填し、スタイリングムースを得た。
【0077】
(実施例57)
スタイリングムース
(1)ジメチルポリシロキサン(20mPa・s) 5.0
(2)両末端ヒドロキシ変性高分子量メチルポリシロキサン 5.0
(3)(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/
メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー 1.0
(4)1,3−ブチレングリコール 3.0
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 2.0
(6)製造例3で得られたポリマー 10.0
(7)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20EO) 0.5
(8)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
(9)フェノキシエタノール 0.5
(10)エタノール 8.0
(11)イオン交換水 残余
(12)香料 適量
【0078】
<製法>
実施例56に準じて製造した。
【0079】
(実施例58)
スタイリングムース
(1)ジメチルポリシロキサン(6mPa・s) 5.0
(2)イソパラフィン 5.0
(3)(PEG/アモジメチコン)コポリマー 1.0
(4)1,3−ブチレングリコール 3.0
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 2.0
(6)製造例3で得られたポリマー 1.0
(7)ラウリン酸ジエタノールアミド 0.2
(8)ステアロキシヒドロキシプロピルアミン 0.1
(9)フェノキシエタノール 0.1
(10)エタノール 8.0
(11)イオン交換水 残余
(12)香料 適量
(13)(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/
メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー 0.5
【0080】
<製法>
実施例56に準じて製造した。
【0081】
(実施例59)
スタイリングムース
(1)ジメチルポリシロキサン(20mPa・s) 5.0
(2)揮発性イソパラフィン 5.0
(3)ポリエーテル変性高分子量シリコーン 3.5
(4)1,3−ブチレングリコール 3.0
(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 2.0
(6)シリル化ウレタン系樹脂(特開2006-213706号公報の製造例) 10.0
(7)ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンベヘニルエーテル
(12EO・1PO) 1.0
(8)カチオン化トレハロース 0.1
(9)フェノキシエタノール 0.1
(10)エタノール 8.0
(11)イオン交換水 残余
(12)香料 適量
(13)製造例3で得られたポリマー 3.0
【0082】
<製法>
実施例56に準じて製造した。
【0083】
(実施例60)
スタイリングスプレー
(1)製造例3で得られたポリマー 5.0
(2)ピロカルボン酸変性ジメチルポリシロキサン 0.5
(3)アルコール 残余
(4)香料 適量
(5)(アルキル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー 10.0
【0084】
<製法>
(1)〜(5)を混合して溶解して原液とする。この原液50%と、ジメチルエーテル50%とをエアゾール缶に充填し、エアゾールスプレーとする。
【0085】
(実施例61)
スタイリングスプレー
実施例15と同様に原液を調整する。原液99.33%と窒素ガス0.67%とを混合してエアゾール缶に充填し、可燃性ガスを使用しないエアゾールスプレーとする。
【0086】
(実施例62)
ヘアワックス
(1)カオリン 1.0
(2)揮発性イソパラフィン 5.0
(3)オクタン酸セチル 5.0
(4)フェニルメチルポリシロキサン 0.5
(5)キャンデリラロウ 3.0
(6)パラフィンワックス 8.0
(7)プロピレングリコール 5.0
(8)ステアリン酸グリセリル 1.0
(9)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(5EO) 1.0
(10)イソステアリン酸 1.0
(11)カルボキシビニルポリマー 0.4
(12)水酸化カリウム(pH7.5に調製) 適量
(13)イオン交換水 残余
(14)製造例3で得られたポリマー 5.0
(15)ソルビトール 3.0
(16)EDTA−2Na・2H2O 0.05
(17)フェノキシエタノール 0.5
(18)香料 適量
(19)高重合ポリエチレングリコール 0.1
(20)シリル化ウレタン系樹脂(特開2006-213706号公報の製造例) 1.0
【0087】
<製法>
(13)に(16)、(7)、(15)を加え溶解後、(11)を加え均一に攪拌分散させ、(1)を加えディスパーを用いて均一分散させ85℃に加温後、同様に85℃にて攪拌溶解させた(2)〜(9)の混合物を加え、均一攪拌後(12)を加えホモミキサーにて乳化し、(14)、(15)、(17)〜(20)を順次加え25℃に冷却しヘアワックスを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(A):
【化1】

(式中、R1はH又はCHであり、nは0〜30の整数であって(CHは分岐鎖を含み、R2はH、OH、OCH、OCHCH又はフェニルである)で表されるモノマーの少なくとも1種;
及び/又は
下記式(B):
【化2】

(式中、R3はH又はCHであり、R4及びR5は同一でも異なっていてもよく、H又は(CHR’であって、lは1〜3の整数であり、R’はH、OH又は-NR”R’”であって、R”及びR’”は同一でも異なっていてもよく、H又はC1〜C3のアルキル基である)で表されるモノマーの少なくとも1種;
及び
下記式(C):
【化3】

(式中、R6はH又はCHであり、pは1〜100の整数であり、mは0〜30の整数であり、R7はH、OH、OCH、OCHCH、又はフェニルであり、Xはオキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)、オキシブチレン基(BO)、又はグリセリルである)で表されるモノマーの少なくとも1種;
及び
下記式D:
【化4】

(式中、R8はH又はCHであり、qは1〜100の整数であり、Yはオキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)、オキシブチレン基(BO)、炭素数5以上の直鎖または分岐のオキシアルキレン基、又はグリセリル基である(但し、Yが炭素数5以上の直鎖または分岐のオキシアルキレン基であるときは、qは1である))で表されるモノマーの少なくとも1種;
を重合させて得られる粘着性セット樹脂、セット剤樹脂、及びアルコールを含有する毛髪化粧料。
【請求項2】
前記粘着性セット樹脂が、下記式(I):

(式(I)において、R1〜R9、n、m、p、qは、上記式A〜Dと同じ意味であり、aは40<a<400、bは80≦b<300、cは30<c<300、dは0<d<10の範囲の数である)で表される構造を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
前記セット剤樹脂が、アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性の皮膜形成高分子から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2010−241730(P2010−241730A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92516(P2009−92516)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】