説明

毛髪化粧料

【課題】 パーマネントウェーブ処理やカラーリング処理により親水化した毛髪に対して、毛髪表面に疎水的なシリコーンを効率よく吸着させ、さらに、α−ヒドロキシ酸と特定の構造を有する油剤とを組み合わせて、毛髪の物理的強度を回復させ、切れ毛によるトラブルを解消する毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】 (A)特定の構造を有する窒素含有変性シリコーンと、(B)α−ヒドロキシ酸と、(C)特定の構造を有する油剤とを含有する毛髪化粧料が、毛髪のなめらかさを向上させる効果を高め、さらに、切れ毛を効果的に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関し、例えば、リンス、コンディショナー、ヘアトニック、養毛剤等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、毛髪の美容意識の高まりにより、パーマネントウェーブ処理、並びにブリーチ及び染毛等のカラーリング処理をする人の割合が増加している。
本来、健康な毛髪はキューティクル表面の脂質層により疎水性であるが、パーマ剤やカラーリング剤によって、キューティクル表面を形成する脂質層のチオエステル結合部位が切断される、さらに、システイン酸残基までが酸化されることにより毛髪表面は親水化してしまう。そのため、洗髪時には毛髪の内部まで水が浸透しやすくなり、毛髪を形成するタンパク質の変性やアミノ酸の流出により毛髪自体の物理的強度が低下する。さらに、毛髪の内部に、洗髪時に浸透した水道水中のカルシウムが蓄積され、毛髪の硬さやゴワツキを生じる。
このように表面が親水化した毛髪は、髪の絡まりや摩擦抵抗により洗髪時やクシ通し時に物理的な応力を強く受けることとなり、20代30代女性の8割以上がヘアカラーを行なっている現代の生活スタイルでは、髪の感触の低下や切れ毛等のトラブルが深刻かつ増加している理由であると推察される。
【0003】
このように、パーマネントウェーブ処理やカラーリング処理による毛髪のダメージに対応するためには、疎水性であるシリコーン化合物を高効率で毛髪に吸着させる必要があるが、親水化した毛髪に対しては疎水性であるシリコーンの吸着効率が低下してしまうという問題がある。このため、近年、毛髪に対して吸着性の高い変性シリコーンを用いて、毛髪への吸着性を向上させることを目的とした毛髪化粧料の開発が試みられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、これらの文献に記載された発明の場合、シリコーン自体の吸着性を向上させるだけでは、充分な毛髪へのシリコーンの吸着量が得られないため、シリコーンの滑沢性が得られず、さらに、シリコーンだけでは毛髪内部への作用は少なく、毛髪自体の物理的強度は改善されないという問題もある。
【0004】
また、毛髪に適度な保湿性を与え、滑沢性を向上させるため、特定のアルキル構造を有する油剤(N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステル)を配合した毛髪化粧料の開発が試みられている(例えば、特許文献4〜6参照)。
しかしながら、これらの文献に記載された発明の場合、毛髪にしっとり感やなめらかさを付与することはできるが、毛髪の物理的強度を向上させる効果が不十分であるため、切れ毛が発生しやすいという問題がある。
【0005】
そこで、前記文献に記載されたいずれの発明においても問題であった毛髪の物理的強度を改善するために、α−ヒドロキシ酸を配合した毛髪化粧料の開発が試みられている(例えば、特許文献7〜8参照)。
しかしながら、これらの文献に記載された発明の場合、毛髪のツヤやハリ・コシ、及び柔軟性は付与されるものの、毛髪の物理的強度を向上させるほどの効果は認められず、切れ毛等へのトラブルに対して対処できていないという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−095880号公報
【特許文献2】特開2003−160446号公報
【特許文献3】特開2003−183119号公報
【特許文献4】特開2001−122737号公報
【特許文献5】特開2004−143089号公報
【特許文献6】特開2004−210658号公報
【特許文献7】特開2004−67649号公報
【特許文献8】特開2000−109411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、パーマネントウェーブ処理やカラーリング処理により親水化した毛髪に対して、毛髪表面に疎水的なシリコーンを効率よく吸着させ、さらに、毛髪の物理的強度を回復させ、切れ毛によるトラブルを解消する毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、毛髪化粧料に、α−ヒドロキシ酸と、特定の構造を有する油剤とを、併用することにより、より効果的に毛髪の物理的強度を向上させることを見出し、優れた切れ毛防止効果を発揮することがわかった。さらに、窒素含有変性シリコーンを使用することにより、親水化した毛髪に対して、シリコーンを効率的に吸着させることができ、毛髪の摩擦抵抗を効果的に低減でき、毛髪への物理的な負荷を低減させることにより切れ毛を減らし、さらに、毛髪になめらかさを付与できることを知見した。
【0009】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)下記構造式(1)で表される窒素含有変性シリコーンと、(B)α−ヒドロキシ酸と、(C)下記構造式(2)で表される油剤とを含有することを特徴とする毛髪化粧料である。
【化1】

前記構造式(1)において、R1は、メチル基、及び水酸基のいずれかを表す。R2は、−(CH2)n−A1、及び−(CH2)n−NHCO−(CH2)m−A1のいずれかを表す。A1は、−N(R3)(R4)、及び−N(R3)(R4)(R5)・X-のいずれかを表す。R3〜R5は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、及びフェニル基のいずれかを表す。Xは、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン、及び硫酸エチルイオンのいずれかを表す。m及びnの値は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、1〜12の整数を表す。p及びqの値は、ポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、p+qの値は、3000〜20,000を表し、q/pの値は、1/10,000〜1/500を表す。
【化2】

前記構造式(2)において、r1は、炭素数1〜22のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。r2は、炭素数2〜34のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。r3は、コレステロール、フィトステロール、及びこれらの誘導体のいずれかから得られる基、炭素数13〜68の分岐アルキル基、及びその誘導体のいずれかを表す。Yは、分子内に水酸基を3〜5個持つ多価アルコール、及びアミノ酸のいずれかを表す。
<2> 窒素含有変性シリコーン(A)の含有量が0.05〜10質量%であり、α−ヒドロキシ酸(B)の含有量が0.01〜5質量%であり、構造式(1)で表される油剤(C)の含有量が0.01〜5質量%である前記<1>に記載毛髪化粧料である。
<3> pHの値が2.0〜7.0である前記<1>から<2>のいずれかに記載の毛髪化粧料である。
<4> α−ヒドロキシ酸(B)の含有量と、前記構造式(1)で表される油剤(C)の含有量との質量比(B:C)が1:99〜99:1である前記<1>から<3>のいずれかに記載の毛髪化粧料である。
<5> α−ヒドロキシ酸(B)がグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載の毛髪化粧料である。
<6> 窒素含有変性シリコーンをジメチルシリコーンと併用して使用する前記<1>から<5>のいずれかに記載の毛髪化粧料である。
<7> 窒素含有変性シリコーンとジメチルシリコーンとの比が5:95〜40:60である前記<6>に記載の毛髪化粧料である。
<8> 界面活性剤を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の毛髪化粧料である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における問題を解決でき、パーマネントウエーブ処理やカラーリング処理により親水化した毛髪に対して、毛髪表面に疎水的なシリコーンを効率よく吸着させ、さらに毛髪内部への補修効果を付与することにより、洗髪時やくし通し時には髪の絡まりや毛髪同士の摩擦抵抗を低減させ、さらに毛髪の物理的強度を回復させることにより、切れ毛等のトラブルを解消する毛髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(毛髪化粧料)
本発明の毛髪化粧料は、(A)構造式(1)で表される窒素含有変性シリコーンと、(B)α−ヒドロキシ酸と、(C)構造式(2)で表される油剤とを含有してなり、さらに、必要に応じて界面活性剤、油剤、保湿剤、アミノ酸等を適宜選択したその他の成分を含有してなる。
【0012】
<(A)構造式(1)で表される窒素含有変性シリコーン>
下記構造式(1)で表される窒素含有シリコーンは、カチオニックな性質を持つ窒素分を有することから、親水化した毛髪表面のシステイン酸基(アニオン性基)と反応して、洗髪時のすすぎに対しても髪へ滞留しやすいため、良好な指通し、及びクシ通し時の摩擦抵抗を低減させることができる。
【化3】

【0013】
前記構造式(1)において、R1は、メチル基、及び水酸基のいずれかを表す。これらの中で、水酸基を用いることにより、該水酸基と、毛髪表面の水酸基とが、ドライヤー加熱時に縮合反応を起こすため、前記構造式(2)で表される窒素含有変性シリコーンが毛髪へ滞留しやすくなる。したがって、水酸基であることが好ましい。
【0014】
前記構造式(1)において、R2は、−(CH2)n−A1、及びー(CH2)n−NHCO−(CH2)m−A1のいずれかを表す。
前記m及びnの値は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、1〜12の整数を表す。特に、nの値は2〜6であることが好ましく、mの値は2〜4であることが好ましく、n+mの値は4〜8であることが好ましい。
前記n及びmの値が12を超えると、前記窒素含有変性シリコーンと、他の成分との相溶性が悪くなり、配合等の取り扱いが困難になることがあり、前記n+mの値が8を超えると、前記窒素含有変性シリコーンと、他の成分との相溶性が悪くなり、配合等の取り扱いが困難になることがある。
前記A1は、−N(R3)(R4)、及び−N(R3)(R4)(R5)・X-のいずれかを表す。
前記R3〜R5は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、及びフェニル基のいずれかを表す。
前記X-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン(CH3OSO3-)、及び硫酸エチルイオン(CH3CH2OSO3-)のいずれかを表す。
【0015】
前記p及びqの値は、ポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、p+qの値は3000〜20,000を表し、q/pの値は1/10,000〜1/500を表す。
前記p+qの値が3000未満であると、前記窒素含有変性シリコーンの物性が油状になり、前記窒素含有変性シリコーンを使用後のコンディショニング性能が不十分になることがある。また、前記p+qの値が20,000を超えると、前記窒素含有変性シリコーンと他の成分との相溶性が悪くなり、配合等の取り扱いが困難になることがある。したがって、前記p+qの値は4000〜20,000であることが好ましい。
前記q/pの値が1/10,000未満であると、前記窒素含有変性シリコーンと毛髪との相互作用が不十分になり、コンディショニング効果の持続性が不十分になることがある。また、前記q/pの値が1/500を超えると、前記窒素含有変性シリコーン中のアミンの含有量が高くなり、製造時において前記窒素含有変性シリコーンが架橋反応を起こし、毛髪への吸着性が不十分になることがあり、さらに、アミンの臭いが強くなるため、原料臭の問題が生じることがある。したがって、前記q/pの値は1/2000〜1/500であることが好ましい。
【0016】
前記構造式(1)で表される窒素含有シリコーンとしては、例えば、ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルポリシロキサン等が挙げられ、例えば、信越化学より、「KF−8020」の商品名で市販されているジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体、同じく「X23−2328」の商品名で市販されているジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体エマルジョン、東レ・ダウコーニングより「SF8452C」の商品名で市販されているジメチルシロキサン・アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン共重合体、同じく「SF8457C」の商品名で市販されているジメチルシロキサン・アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン共重合体、同じく「SM−8704C」の商品名で市販されているアミノエチルアミノプロピルポリシロキサンエマルジョン等が挙げられる。
【0017】
前記構造式(1)で表される窒素含有変性シリコーンは、ジメチルシリコーンを混合して用いても好ましい。
前記構造式(1)で表される窒素含有変性シリコーンと前記ジメチルシリコーンとの混合比(前記窒素含有変性シリコーン(質量):前記ジメチルシリコーン(質量))が1:99〜100:0であることが好ましく、5:95〜40:60であることがより好ましく、10:90〜30:70であることが特に好ましい。
前記ジメチルシリコーンとしては、特に制限はなく、例えば、信越化学より、「X−21−5615」の商品名で市販されているジメチルシリコーン等が挙げられる。
【0018】
前記構造式(1)で表される窒素含有変性シリコーンの含有量は、前記毛髪化粧料全量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.20〜5質量%がより好ましく、0.50〜3質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.05質量%未満であると、前記窒素含有変性シリコーンの使用後のコンディショニング性能が不十分となることがあり、10質量%を超えると、前記窒素含有変性シリコーンの使用後の乾燥時において、ベタツキ等の使用感の不具合が生じることがある。
【0019】
<(B)α−ヒドロキシ酸>
前記α−ヒドロキシ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−ヒドロキシ−イソ酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシ−n−カプロン酸、α−ヒドロキシ−イソカプリル酸、α−ヒドロキシ−n−カプリル酸、α−ヒドロキシ−n−カプリン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸等が挙げられる。これらの中でも、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸が好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記α−ヒドロキシ酸はカルシウムへのキレート効果を有するため、前記α−ヒドロキシ酸を使用することにより、毛髪に蓄積した水道水由来のカルシウムを除去することができ、毛髪のごわつきを改善し、柔らかさやなめらかさを改善する効果を高めると同時に、前記構造式(2)で表される油剤を毛髪に浸透させやすくすることができる。
【0020】
前記α−ヒドロキシ酸の含有量は、前記毛髪化粧全量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.5〜2質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、毛髪に蓄積したカルシウムの除去効果が得られにくいことがあり、5質量%を超えると、前記毛髪化粧料の安定性が悪くなることがある。
【0021】
<(C)構造式(2)で表される油剤>
構造式(2)で表される油剤は、パーマネントウェーブ処理及びカラーリング処理によるダメージによって低下した毛髪の物理的強度を回復することができる。
【化4】

【0022】
前記構造式(2)において、r1は、炭素数1〜22のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。
前記アルキル基、又はアルケニル基は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜6のアルコキシ基が1〜3個置換したアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。また、これらのほかに、ヒドロキシ基とアルコキシ基とが同時に置換したアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のモノ若しくはジ−ヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数1〜18のアルキル基、又はヒドロキシ基と炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
さらに、これらの中でも、炭素数8〜16のアルキル基、炭素数8〜16のモノ−若しくはジ−ヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数2〜12のアルキル基、又はヒドロキシ基と炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数2〜12のアルキル基が好ましく、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ステアリル基、2−メチルプロピル基、2−エチルヘキシル基、メチル分岐イソステアリル基、2−ヒドロキシエチル基、9−ヒドロキシノニル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、9−メトキシノニル基等がより好ましく、2−ヒドロキシエチル基、ドデシル基が特に好ましい。
【0023】
前記構造式(2)において、r2は、炭素数2〜34のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。
前記アルキル基、又は前記アルケニル基は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数2〜34の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基、アルケニル基、1〜4の2重結合を有するアルキレン基が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基、アルケニル基、1〜4の2重結合を有するアルキレン基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デカメチル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、セチル基、ステアリル基、エイコシル基、ベヘニル基、1−メチルエチル基、2−エチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、1−ブチルヘキシル基、2−メチル−5−エチルヘプチル基、2,3,6−トリメチルヘプチル基、6−エチルデシル基、7−メチルテトラデシル基、7−エチルヘキサデシル基、7,12−ジメチルオクタデシル基、8,11−ジメチルオクタデシル基、7,10−ジメチル−7−エチルヘキサデシル基、オクチルドデシル基、9,10−ジオクチルオクタデシル基がより好ましく、セチル基、ステアリル基、エイコシル基、ベヘニル基、オクチルドデシル基が特に好ましい。
【0024】
前記構造式(2)において、r3は、コレステロール、フィトステロール、及びこれらの誘導体のいずれかから得られる基、炭素数13〜68の分岐アルキル基、及びその誘導体のいずれかを表す。
前記コレステロール、及びその誘導体のいずれかから得られる置換基としては、例えば、コレステリル基、パルミチン酸コレステリル基、イソステアリン酸コレステリル基、ラノリン脂肪酸コレステリル基等が挙げられる。
前記フィトステロール、及びその誘導体のいずれかから得られる置換基としては、例えば、フィトステリル基等が挙げられる。
前記炭素数13〜68の分岐アルキル基、及びその誘導体としては、特に制限はなく、例えば、炭素数1〜39のアルキル基又はアルキレン基を分岐鎖に持つ炭素数13〜64の分岐アルキル基、長鎖分岐アルコール基等が挙げられる。前記炭素数1〜39のアルキル基又はアルキレン基を分岐鎖に持つ炭素数13〜64の分岐アルキル基としては、例えば、イソステアリン酸7−オクチルドデシル、ジノニルヘキサデシル基等が挙げられる。前記長鎖分岐アルコール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数13〜68の分岐アルコール基が挙げられる。前記炭素数13〜68の分岐アルコール基としては、セラミド類、プソイドセラミド、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴシン及びその誘導体、並びにスフィンガニン及びその誘導体から得られるアルコール基が好ましい。
【0025】
前記構造式(2)において、Yは、分子内に水酸基を3〜5個持つ多価アルコール、及びアミノ酸のいずれかを表す。
前記分子内に水酸基を3〜5個持つ多価アルコールやアミノ酸としては、r1〜r3の疎水部分とエステル結合によりトリエステル体を形成するものであれば特に制限はない。
前記水酸基を3〜5個持つ多価アルコールのとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ソルビトール、グルコース等が挙げられる。
前記アミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。
前記r1〜r3との結合部分として、(ポリ)アルキレン基が連結部分が導入されていてもよい。
前記構造式(2)で表される油剤の合成法としては、特に制限はない。
【0026】
前記構造式(2)で表される油剤の含有量としては、前記毛髪化粧全量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.5〜2質量%が特に好ましい。前記含有量が0.01質量%未満になると、毛髪の物理的強度の回復効果が得られにくくなることがあり、5質量%より超えると、前記毛髪化粧料の安定性が悪くなることがある。
また、前記α−ヒドロキシ酸の含有量と、前記構造式(2)で表される油剤の含有量との質量比(B:C)が1:99〜99:1であることが好ましく、10:90〜95:5であることがより好ましく、15:85〜90:10であることが特に好ましい。
前記α−ヒドロキシ酸の含有量と、前記構造式(2)で表される油剤の含有量との質量比(B:C)が前記範囲を外れると、切れ毛防止効果を十分に発揮できないことがある。
【0027】
前記構造式(2)で表される油剤としては、例えば、味の素株式会社より、「エルデュウ」CL202の商品名で市販されているN−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、同じくPS203の商品名で市販されているN−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、日本エマルジョン株式会社より、「アミテル」LGOD−2(H)の商品名で市販されているラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデセス−2、同じくLGOD−5(H)の商品名で市販されているラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデセス−5等が挙げられるが、特に、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)がより好ましい。
【0028】
前記毛髪化粧料としては、上記必須成分の他に、通常乳化組成物に用いられる配合剤、例えば、界面活性剤、油分、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、香料組成物、色素、紫外線吸収、散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、タンパク質類、植物抽出物類、植物性タンパク加水分解物、有機酸、無機酸、粉体、着色料、水等を配合することができる。なお任意成分はこれらに限定されるものではない。
【0029】
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、通常一般に用いられる、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、硫酸アルキル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、リン酸アルキル塩、リン酸アルキルポリオキシエチレン塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル塩、アルケニルコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩等が挙げられる。これらアニオン性界面活性剤の対イオン(カチオン)としては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルカノールアミンイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。これらカチオン性界面活性剤の対イオンとしては、ハロゲンイオン、硫酸メチルイオン(CH3OSO3-)、硫酸エチルイオン(CH3CH2OSO3-)等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、アミドアミンオキサイド等が挙げられる。
【0030】
−油分−
前記油分としては、通常一般に用いられる、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、グリセライド油等が挙げられる。
前記炭化水素油としては、例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
前記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
前記高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
前記エステル油としては、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、イソノナン酸イソノニル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
前記グリセライド油としては、例えば、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる
これらの油分以外に、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
【0031】
−保湿剤−
前記保湿剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、マンニトール、トレハロース等の多価アルコール類や、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のNMF成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質、トリメチルグリシン等が挙げられる。
【0032】
−アミノ酸−
前記アミノ酸としては、例えば、アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、プロリン、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、フェニルアラニン・トリプトファン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、ヒスチジン、2-ピロリドン-5-カルボン酸等を挙げられる。これらの中でも、アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、ロイシン、イソロイシンが好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記アミノ酸としては、L体若しくはDL体、酸型若しくはアルカリ金属塩(ナトリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、又は無機酸塩(塩酸塩等)等の使用が可能である。
前記アミノ酸の含有量は、前記毛髪化粧料全体に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。前記アミノ酸の含有量が0.01質量%未満になると、毛髪のうるおい感付与効果が十分発現しないことがあり、10質量%を超えると毛髪がべたつきを伴い、また製剤の安定性が悪くなることがある。
【0033】
−植物性タンパク加水分解物−
前記植物性タンパク加水分解物としては、下記構造式(3)で表される植物タンパク誘導ペプチドが好ましい。
また、下記構造式(3)で表される植物タンパク誘導ペプチド以外には、例えば、植物タンパク誘導ペプチドの第4級アンモニウム誘導体、植物タンパク誘導ペプチドのアシル化物又はその塩、植物タンパク誘導ペプチドのエステル等が挙げられる。これら中でも、植物タンパク誘導ペプチドの第4級アンモニウム誘導体が好ましい。
前記植物性タンパクの由来植物としては、例えば、小麦、鳩麦、ライ麦、エン麦、とうもろこし、大豆、アーモンド、カシューナッツ、胡麻、落花生、じゃがいも、さつまいも、さといも、こんにゃくいも、山いも、米等が挙げられる。
前記植物タンパク誘導ペプチドを構成する種々のアミノ酸の側鎖としては、例えば、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン、メチオニン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、シスチン、トリプトファン等が挙げられる。これらの中でも、小麦、大豆由来のアミノ酸組成物を有する加水分解物が好ましい。
【化5】

前記構造式(3)において、Rは、アミノ酸残基を表す。tの値は、1〜5000を表す。
【0034】
前記構造式(3)の植物タンパク誘導ペプチドとしては、例えば、植物タンパクを、酸、アルカリ、又はタンパク分解酵素等を用いて加水分解することによって得られる。
前記植物性タンパク加水分解物を使用することにより、毛髪への吸着性が高められ、植物タンパク誘導ペプチドの作用効果をより一層発揮することが可能となる。
【0035】
前記植物性タンパク加水分解物の平均分子量としては、150〜50万が好ましく、200〜10,000がより好ましく、400〜1000が特に好ましい。
【0036】
前記植物性タンパク加水分解物としては、例えば、 (株)成和化成のプロモイスWG、WSシリ一ズ、コグニスジャパン(株)のグルアディン(Gluadin)シリーズ、クローダジャパン(株)のハイドロトリティカムシリーズ等の原料が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい
【0037】
前記植物性タンパク加水分解物の含有量としては、前記毛髪化粧料全体に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満になると、うるおい感付与の効果が十分発現しないことがあり、10質量%を超えると、多すぎるとべたつきやゴワつきを伴い、さらに製剤の安定性(着色、変色等)が悪くなることがある。
【0038】
−有機酸−
前記有機酸としては、例えば、アルキル硫酸、アルキルリン酸、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリカルボン酸、酸性アミノ酸等が挙げられる。
これらの中でも、カルボン酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸がより好ましく、L-グルタミン酸が特に好ましい。
【0039】
−無機酸−
前記無機酸としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。
【0040】
−防腐剤−
前記防腐剤としては、例えば、アミノエチルスルホン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、アンソッコウ、液状フェノール、エタノール、エデト酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、乾燥硫酸ナトリウム、カンテン、dl−カンフル、強力サンプレザーN(商品名:三栄源エフ.エフ.アイ.社製)、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クロロクレゾール、クロロブタノール、ゲンチジン酸エタノールアミド、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、セイセプト(商品名:成和化成社製)、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、窒素、チモール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、2−ナフトール、ヒノキチオール、白糖、ハチミツ、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、パラホルムアルデヒド、フェニルエチルアルコール、フェノール、プロキセルGXL(商品名:ゼネカ社製)、ベンジルアルコール、ホウ酸、ホウ砂、d−ボルネオール、l−メントール、ユーカリ油、硫酸オキシキノリン、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、塩酸(グルコン酸)クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルフェネシン、臭化アルキルイソキノリニウム液、臭化ドミフェン、チアントール、トリクロロカルバニリド、パラクロルフェノール、ハロカルバン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヘキサクロロフェン、レゾルシン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0041】
−粉体・着色料−
前記粉体、又は前記着色料としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等が挙げられる。
前記無機粉体としては、例えば、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム等が挙げられる。
前記有機粉体としては、例えば、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等が挙げられる。
前記界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
前記有色顔料としては、例えば、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
前記パール顔料としては、例えば、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。
前記タール色素としては、例えば、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられる。
前記天然色素としては、例えば、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体が挙げられる。
前記粉体、又は前記着色剤は、本発明の効果を妨げない範囲で、粉体の複合化や一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。これらの中でも、フッ素化合物処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されることが好ましい。また、これらの処理は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粉体、又は前記着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
−植物抽出物類−
前記植物抽出物類としては、例えば、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が好ましい。具体的には、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
−香料−
前記香料、及び前記香料組成物としては、例えば、特開2003−300811号公報[0021]〜[0035]及び[0050]に記載した香料成分等、及び香料溶剤等が挙げられる。
前記香料組成物とは、香料成分、溶剤及び香料安定化剤等からなる混合物をいう。
前記香料安定化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、これらの中でも、ジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。
前記香料安定化剤の含有量としては、前記香料組成物全体に対して、0.0001〜10質量%であることが好ましく、0.001〜5質量%がより好ましい。
前記香料用溶剤の含有量としては、前記香料組成物全体に対して、0.1〜99質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。
前記香料組成物の含有量として、前記毛髪化粧料全体に対して、0.005〜40質量%であることが好ましく、0.01〜10質量%であることがより好ましい。
【0044】
−pH調整剤−
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸、塩基、及びこれらの塩が挙げられる。これらの中でも、リン酸、塩酸、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等が好ましい。
【0045】
本発明の毛髪化粧料は、前記pH調整剤を添加することにより、25℃の温度条件下において、pH値は、2.0〜7.0が好ましく、2.0〜6.0がより好ましく、2.5〜4.0が特に好ましい。前記pH値が7を超えると、α−ヒドロキシ酸による毛髪のカルシウムを除去する効果が得られにくく、前記構造式(2)で表される油剤を毛髪に浸透させやすくする効果が得られにくいことがある。前記pH値が2未満であると、毛髪化粧料中の、例えば、エステル結合を有する原料が加水分解を起こしやすくなり、毛髪化粧料の安定性が悪くなることがある。
【0046】
<毛髪化粧料の剤型>
前記毛髪化粧料の剤型は、例えば、水溶液、エタノール溶液、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、固型、エアゾール、粉末剤等が挙げられる。
頭皮及び毛髪に適用する場合の形態としては、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、ヘアリキッド、ヘアトニック、養毛剤、育毛剤、ヘアスプレー等が挙げられる。これらの中でも、リンス、コンディショナー、ヘアリキッド、ヘアトニック、養毛剤、育毛剤として用いることが効果の点から好ましい。
【0047】
<製法>
前記毛髪化粧料の製法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、常法に準じて調製することができる。調製に使用する装置としては、例えば、剪断力の付与及び全体混合ができる複数の攪拌羽根、例えば、プロペラ、タービン、ディスパー等を備えた攪拌装置等が挙げらる。これらの中でも、アジホモミキサー、逆流ミキサー、ハイブロッドミキサーが好ましい。
【0048】
<容器>
前記毛髪化粧料は、容器に充填して用いることができる。前記毛髪化粧料の容器としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブ、機械的又は差圧によるディスペンサー容器、スクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器、ポンプ式容器等が挙げられる。
前記ラミネートフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミ蒸着プラスチック等が挙げられる。また、前記ラミネートフィルムの構造としては、通常2層以上の多層を有しており、強度、柔軟性、耐候性等を考慮し、一般的には2〜5層であることが好ましい。
前記ボトルの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等の樹脂及びガラスから適宜選択される。また、前記容器の構造としては、単層又は2層以上の層構造とすることが好ましい。
【実施例】
【0049】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0050】
(実施例1〜38、比較例1〜7)
下記表1〜5に示す組成により、実施例1〜38、及び比較例1〜7の毛髪化粧物として、コンディショナー剤を調製した。具体的には、カチオン性界面活性剤、高級アルコール及びそれらと相溶する油性成分を、40〜80℃で加温溶解して油相を調製した。さらに、水性成分を水に添加し、25〜80℃に加熱溶解して水相を調製した。その後、水相成分に油相成分を添加してアジホモミキサー(TKアジホモミクサー HV-M型 特殊機化工業:特殊機化工業製)で攪拌し液晶を形成させた。得られた液晶乳化物にシリコーンを添加し、さらに水相成分を添加しアジホモミキサー(TKアジホモミクサー HV-M型 特殊機化工業:特殊機化工業製)で攪拌しながら室温まで徐冷し、香料、精製水を加えpHを調整し試料とした。
また、前記油相成分とは、構造式(2)で表される油剤、界面活性剤、油分、保湿剤のことであり、前記水相成分とは、α−ヒドロキシ酸、植物性加水分解物、アミノ酸、高分子、防腐剤のことである。
なお、表中におけるAI(%)という記載は、純分という意味であり、実施例に用いられる成分を溶媒に分散又は溶解して用いる場合、成分そのものの質量%を示している。また、表中におけるバランスという記載は、毛髪化粧料の各成分の合計が100%になるように配合するという意味である。
【0051】
(1)評価方法
カラーリングをしている、20〜30代の女性30名について(髪の長さ:ショート〜セミロング〜ロング)、実使用評価を行った。評価は、パネラーが通常用いているシャンプーで洗髪後、実施例1〜38、及び比較例1〜7で得られた毛髪化粧料を通常量頭髪に塗布し、すすぎを行い、通常通りの洗髪行動を行った。実施例1〜38、及び比較例1〜7で得られた毛髪化粧料を2週間連続で使用した後の、仕上がりのなめらかさ、仕上りのうるおい感、髪の柔らかさ、切れ毛が減った感じについて以下の評点に従い行った。
【0052】
−評点−
6:良好と答えた者が30名中25名以上
5:良好と答えた者が30名中20〜24名
4:良好と答えた者が30名中15〜19名
3:良好と答えた者が30名中10〜14名
2:良好と答えた者が30名中5〜9名
1:良好と答えた者が30名中5名未満
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】


【表5】

【0053】
表1〜5中の*1〜*65の化合物の製品名及びメーカは、下記表6及び7に示す。
【表6】


【表7】

【0054】
表1〜5中の香料A〜Dは、下記表8に示す。
【表8】

【0055】
表1〜5の結果より、実施例1〜38の毛髪化粧料は、毛髪になめらかさ、うるおい感、やわらかさ、及び切れ毛防止効果を付与するコンディショニング効果を発揮することがわかった。一方、特定の窒素含有変性シリコーンを含まない比較例1は、切れ毛を防止効果を発揮しているものの、毛髪のなめらかさ及びうるおい感が不十分であることがわかった。また、α−ヒドロキシ酸を含まない比較例2は、毛髪のやわらかさが不十分であるとともに、切れ毛防止効果も十分に発揮されていないことがわかった。さらに、構造式(2)で表される油剤を含まない比較例3〜7は、切れ毛防止効果が十分発揮されないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の毛髪化粧料は、パーマネントウエーブ処理やカラーリング処理により親水化した毛髪に対して、毛髪表面に疎水的なシリコーンを効率よく吸着させ、さらに毛髪内部への補修効果を付与することにより、洗髪時やくし通し時には髪の絡まりや毛髪同士の摩擦抵抗を低減させ、さらに毛髪の物理的強度を回復させることにより、切れ毛等のトラブルを解消する毛髪化粧料を提供することができる。さらに、毛髪化粧料の剤型や種類に関らず、例えば、シャンプー剤、リンス剤、塗布後に洗い流すトリートメント剤、塗布後に洗い流さないトリートメント剤、スタイリング剤、整髪剤、染毛剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、育毛剤、及び養毛剤等の毛髪化粧料に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記構造式(I)で表される窒素含有変性シリコーンにおいてRがメチル基である窒素含有変性シリコーン、及び下記構造式(I)で表される窒素含有変性シリコーンにおいてRが水酸基である窒素含有変性シリコーンと、(B)α−ヒドロキシ酸と、(C)下記構造式(2)で表される油剤とを含有し、
前記α−ヒドロキシ酸(B)が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれる少なくとも1種であり、
前記窒素含有変性シリコーン(A)の含有量が0.5〜3質量%であり、前記α−ヒドロキシ酸(B)の含有量が0.5〜2質量%であり、前記油剤(C)の含有量が0.5〜2質量%であることを特徴とする毛髪化粧料。
【化1】

前記構造式(I)において、R1及びR6は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、メチル基、及び水酸基のいずれかを表す。R2は、−(CH2)n−A1、及び−(CH2)n−NHCO−(CH2)m−A1のいずれかを表す。A1は、−N(R3)(R4)、及び−N(R3)(R4)(R5)・Xのいずれかを表す。R3〜R5は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、及び−(CH22−NH2のいずれかを表す。Xは、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン、及び硫酸エチルイオンのいずれかを表す。m及びnの値は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、1〜12の整数を表す。p及びqの値は、ポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、p+qの値は、3000〜20,000を表し、q/pの値は、1/10,000〜1/500を表す。
【化2】

前記構造式(2)において、r1は、炭素数1〜22のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。r2は、炭素数2〜34のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。r3は、コレステロール、フィトステロール、及びこれらの誘導体のいずれかから得られる基、炭素数13〜68の分岐アルキル基、及びその誘導体のいずれかを表す。Yは、分子内に水酸基を3〜5個持つ多価アルコール、及びアミノ酸のいずれかを表す。
【請求項2】
(A)下記構造式(1)で表される窒素含有変性シリコーン及び下記構造式(3)で表される窒素含有変性シリコーンと、(B)α−ヒドロキシ酸と、(C)下記構造式(2)で表される油剤とを含有し、
前記α−ヒドロキシ酸(B)が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれる少なくとも1種であり、
前記窒素含有変性シリコーン(A)の含有量が0.5〜3質量%であり、前記α−ヒドロキシ酸(B)の含有量が0.5〜2質量%であり、前記油剤(C)の含有量が0.5〜2質量%であることを特徴とする毛髪化粧料。
【化3】

前記構造式(1)において、R1は、メチル基、及び水酸基のいずれかを表す。R2は、−(CH2)n−A1、及び−(CH2)n−NHCO−(CH2)m−A1のいずれかを表す。A1は、−N(R3)(R4)、及び−N(R3)(R4)(R5)・Xのいずれかを表す。R3〜R5は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。Xは、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン、及び硫酸エチルイオンのいずれかを表す。m及びnの値は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、1〜12の整数を表す。p及びqの値は、ポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、p+qの値は、3000〜20,000を表し、q/pの値は、1/10,000〜1/500を表す。
【化4】

前記構造式(3)において、p及びqの値は、ポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、p+qの値は、3,000〜20,000を表し、q/pの値は、1/10,000〜1/500を表す。
【化5】

前記構造式(2)において、r1は、炭素数1〜22のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。r2は、炭素数2〜34のアルキル基、及びアルケニル基のいずれかを表す。r3は、コレステロール、フィトステロール、及びこれらの誘導体のいずれかから得られる基、炭素数13〜68の分岐アルキル基、及びその誘導体のいずれかを表す。Yは、分子内に水酸基を3〜5個持つ多価アルコール、及びアミノ酸のいずれかを表す。
【請求項3】
pHの値が2.0〜7.0である請求項1から2のいずれかに記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2011−84584(P2011−84584A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16875(P2011−16875)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【分割の表示】特願2005−193161(P2005−193161)の分割
【原出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】