説明

毛髪洗浄剤

【課題】洗髪時の泡立ち・泡質、及びすすぎ時、仕上がり時の感触に優れ、かつ毛髪損傷・疲労破壊を修復又は抑止できる毛髪洗浄剤の提供。
【解決手段】成分(A)〜(C)及び水を含有する毛髪洗浄剤。
(A) R1-O-(C24O)m-SO3M〔R1はC8-18のアルキル基又はアルケニル基、mは0又は正の整数、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム。〕で表され、全硫酸塩中m=0が30〜45%、m=1が18〜27%、m=2が10〜20%、m=3以上が残余で、かつm=0〜2の合計が70%以上である硫酸塩型界面活性剤
(B) 両性界面活性剤
(C) 一般式(2)で表される分岐脂肪酸又はその塩


〔R2はメチル基又はエチル基、nは3〜36。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の硫酸塩型界面活性剤を含有する毛髪洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シャンプーの性能として、洗浄力、泡立ちの良さ、豊富な泡量等の基本性能はもちろんのこと、泡立て時の泡の滑り感やすすぎ時の滑り感に優れること、きしみ感が無いことなども望まれるようになっている。ドデシル硫酸ナトリウムに代表されるアルキル硫酸塩は、その洗浄力の高さと起泡量の多さから、水性洗浄剤の洗浄成分として最も多く用いられてきた。しかし、アルキル硫酸塩を単独で用いた場合、洗浄時にきしみ感がある点が大きな問題であった。
【0003】
そこで、感触を向上するためにアルキル基と硫酸基の間にエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレン付加型アルキル硫酸塩(アルキルエーテル硫酸塩)、特にエチレンオキシドが平均2〜3モル付加したものが、洗浄時の感触の良さからシャンプーに配合され使用されるようになった。しかしながら、アルキルエーテル硫酸塩の使用によりきしみ感は解消したが、アルキル硫酸塩が本来有していた泡立ちの速さの点が大きく劣るようになり、泡立ちの良さとすすぎ時のきしみ感のなさを両立するには不十分であった。そこで、アルキル硫酸塩とアルキルエーテル硫酸塩を混合することで泡立ちはやや改善されるものの、すばやい泡立ちと良好な泡の感触を両立するには不十分であった。
【0004】
また、アルキルエーテル硫酸塩のEO付加モル数を調整して毛髪洗浄剤の性能を改善しようとする技術として、EO付加モル数1〜8のアルキルエーテル硫酸塩及び両性界面活性剤を含む界面活性剤成分5〜50重量を含み、付加モル数1モル以下であるアルキルエーテル硫酸塩を5重量%より少なく含む水性シャンプー組成物(特許文献1)が提案されている。しかしながら、泡立ち、泡質いずれの点においても満足できるものではなかった。
【0005】
一方、毛髪は、常にドライヤー熱、ブラッシング等の日常的なヘアケア行為による物理的刺激、及び洗髪、パーマ、ヘアカラー、ブリーチ等による化学的刺激に曝されているため、毛髪内部成分や構造体の部分的欠損を伴う損傷状態にある。このため、保護・修復機能の発現にシリコーン油等の油剤が加えられている。しかし、これら油剤は、配合量が増えると泡立ち、すすぎ時の指通り等のシャンプーとしての基本性能が低下するという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特表平11-507079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、洗髪時には良好な泡立ちと滑りの良い泡質を有し、すすぎ時には滑らかな感触を有し、仕上がりの毛髪には柔らかさ及びしなやかな感触を与え、かつ、特にヘアカラーなどの傷みの蓄積による毛髪損傷・疲労破壊を修復又は抑止できる毛髪洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ポリオキシエチレン付加型アルキル硫酸塩において、エチレンオキシドの付加モル数が少ない側に分布している硫酸塩、すなわち付加モル数0〜2の硫酸塩の比率が一定範囲内にある硫酸塩成分と、両性界面活性剤と、特定の分岐脂肪酸とを併用した場合に、上記要求を満たす毛髪洗浄剤が得られることを見出した。
【0009】
すなわち本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び水を含有する毛髪洗浄剤を提供するものである。
【0010】
(A)次の一般式(1)
1-O-(C24O)m-SO3M (1)
〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、mは0又は正の整数を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを示す。〕
で表される硫酸塩型界面活性剤であって、全硫酸塩中30〜45重量%のm=0の硫酸塩、18〜27重量%のm=1の硫酸塩、10〜20重量%のm=2の硫酸塩、及び残余のm=3以上の硫酸塩から構成され、かつm=0〜2である硫酸塩の合計が全硫酸塩の70重量%以上である硫酸塩型界面活性剤
【0011】
(B) 両性界面活性剤
【0012】
(C) 一般式(2)で表される分岐脂肪酸又はその塩
【0013】
【化1】

【0014】
〔式中、R2はメチル基又はエチル基を示し、nは3〜36の整数を示す。〕
【発明の効果】
【0015】
本発明の毛髪洗浄剤は、洗髪時には良好な泡立ちと滑りの良い泡質を有し、すすぎ時には滑らかな感触を有し、仕上がりの毛髪には柔らかさ及びしなやかな感触を与え、かつ特にヘアカラーなどの傷みの蓄積による毛髪損傷・疲労破壊を修復又は抑止力にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
成分(A)の硫酸塩型界面活性剤は、本発明の毛髪洗浄剤がすばやい泡立ちを示すようにする観点から、一般式(1)におけるエチレンオキシド付加モル数mの分布が、m=0が30〜45重量%、m=1が18〜27重量%、m=2が10〜20重量%、及びm=3以上が残余であることが好ましい。更にすばやい泡立ちと良好な泡の感触を両立する観点から、m=0が33〜43重量%、m=1が20〜25重量%、m=2が13〜18重量%、m=3以上が残余であるのが好ましく、特にm=0が35〜41重量%、m=1が21〜23重量%、m=2が14〜17重量%、及びm=3以上が残余であるのがより好ましい。更に、この硫酸塩型界面活性剤成分中のm=0〜2である硫酸塩の比率は、同様の観点から、70重量%以上とされるが、全硫酸塩の70〜85重量%であることが好ましい。
【0017】
一般式(1)中のMは、すばやい泡立ちの観点から、ナトリウム又はアンモニウムであることが好ましく、泡感触の観点から、アンモニウムがより好ましい。
【0018】
成分(A)の硫酸塩型界面活性剤としては、具体的には、エチレンオキシド付加モル数mが上記の分布を有するポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム塩等が挙げられる。
【0019】
このような硫酸塩型界面活性剤は、例えば、高級アルコールR1OHに対して、0.85〜1.35倍モルの酸化エチレンを付加させて得られたアルコールエトキシレートを、0.95〜1.0当量のSO3を用いて硫酸化した後、水酸化ナトリウム又はアンモニアで中和することで製造することができる。
【0020】
成分(A)の硫酸塩型界面活性剤の含有量は、洗髪時の良好な泡立ちの点から、本発明の毛髪洗浄剤中、純分として5〜30重量%が好ましく、更には7〜23重量%、特に10〜20重量%が好ましい。
【0021】
成分(B)の両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。このうち、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等がより好ましく、特に脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が好ましい。
【0022】
両性界面活性剤は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、良好な増泡効果の点から、本発明の毛髪洗浄剤中の0.1〜15重量%が好ましく、更には0.5〜8重量%、特に1〜6重量%が好ましい。
【0023】
成分(C)の分岐脂肪酸は、例えば、LIPIDS, vol.23, No.9, 878〜881(1988)の記載に従い、毛髪等から分離、抽出することもできるが、特公平6-53650号公報、WO98/30532に従って合成することもできる。分岐脂肪酸は一般式(2)で表されるものであり、総炭素数が7〜40、更には8〜40、特に10〜22であるものが好ましく、具体的には、18-メチルエイコサン酸、14-メチルペンタデカン酸、14-メチルヘキサデカン酸、16-メチルヘプタデカン酸、16-メチルオクタデカン酸が挙げられる。また、この分岐脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。
【0024】
抽出品としては、ラノリンからの抽出物、すなわちラノリン脂肪酸が挙げられる。ラノリン脂肪酸は、イソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸と呼ばれるメチル分岐長鎖脂肪酸を50重量%程度含有する。具体的には、クロダシッド18-MEA〔クローダジャパン(株)〕、スクライロ〔クローダジャパン(株)〕、FA-NH〔日本精化(株)〕が挙げられる。
【0025】
成分(C)の分岐脂肪酸又はその塩は、2種以上を併用してもよい。また、合成品と抽出品を混合して使用してもよい。その含有量は、毛髪の損傷を回復又は抑制させる効果の観点から、本発明の毛髪洗浄剤中に0.01〜10重量%が好ましく、更には0.05〜5重量%が好ましい。
【0026】
また、本発明の毛髪洗浄剤中に含まれる水の量は、50〜95重量%、特に60〜90重量%が好ましい。
【0027】
本発明の毛髪洗浄剤には、更に洗浄性能を向上させるため、非イオン界面活性剤を含有させてもよい。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類、モノアルキルグリセリルエーテル類、モノアルケニルグリセリルエーテル類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレン(C8〜C20)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、モノアルキルグリセリルエーテル、モノアルケニルグリセリルエーテルが好ましい。
【0028】
脂肪酸アルカノールアミドとしては、モノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよく、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましい。特に、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましく、例えばオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
【0029】
モノアルキルグリセリルエーテル及びモノアルケニルグリセリルエーテルのうち、モノアルキルグリセリルエーテルが好ましく、当該アルキル基としては、炭素数4〜10、特に炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。具体的には、n-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、2-メチルブチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-デシル基、イソデシル基等が挙げられ、特に2-エチルヘキシル基、イソデシル基が好ましい。
【0030】
非イオン界面活性剤は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、良好な増泡効果の点から、本発明の毛髪洗浄剤中の0.1〜15重量%が好ましく、更には0.5〜8重量%、特に1〜6重量%が好ましい。
【0031】
更に、洗浄剤の質感向上、安定性向上からエチレングリコールモノ脂肪酸エステル又はエチレングリコールジ脂肪酸エステルを含むパール化剤を含有することができる。エチレングリコールモノ脂肪酸エステルとしては、エチレングリコールモノステアリルエステル、エチレングリコールモノベヘニルエステルなどが挙げられる。また、エチレングリコールジ脂肪酸エステルとしては、エチレングリコールジステアリルエステル、エチレングリコールジベヘニルエステルなどが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪洗浄剤中の0.5〜8重量%が好ましく、更には0.7〜5重量%、特に1〜3重量%が好ましい。洗浄剤の安定性向上の点から、本発明の毛髪洗浄剤中の上記パール化剤と成分(A)の硫酸塩型界面活性剤との含有重量比(パール化剤/(A)硫酸塩型界面活性剤)は、1/10〜2/5が好ましく、更には1/7〜3/10、特に1/6〜1/4が好ましい。
【0032】
本発明の毛髪洗浄剤には、更に炭素数6〜18の芳香族スルホン酸を含むことができる。芳香族スルホン酸としては、芳香環を一つ含む芳香族スルホン酸、芳香環を2つ以上含む芳香族スルホン酸等が含まれる。
【0033】
芳香環を一つ含む芳香族スルホン酸としては、特に炭素数6〜12のものが好ましく、具体的には、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸、テトラリンスルホン酸、インダンスルホン酸、フェノールスルホン酸等を挙げることができる。また、芳香環を2つ以上含む芳香族スルホン酸としては、炭素数10〜12のものがより好ましく、具体的には、アズレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸を挙げることができる。これらのうち、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸が特に好ましい。
【0034】
本発明の毛髪洗浄剤には、更にカチオン性ポリマーを含むことができる。カチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられる。特に、泡立ちの点から、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物が好ましく、カチオン化グアーガム誘導体、カチオン化セルロース誘導体がより好ましい。
【0035】
カチオン性ポリマーは、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、洗浄時の泡質向上と、乾燥後の髪のまとまり、感触の向上の点から、本発明の毛髪洗浄剤中の0.02〜5重量%が好ましく、更には0.05〜1重量%、特に0.1〜0.7重量%が好ましい。
【0036】
本発明の毛髪洗浄剤は、更にシリコーン類を含むことができる。シリコーン類としては、シリコーンゴム、シリコーン油、官能基変性シリコーン等を含み、例えば以下の(i)〜(viii)のシリコーン類等が挙げられる。
【0037】
(i) 高重合ジメチルポリシロキサン
例えば、BY11-026、BY22-19〔東レ・ダウコーニング(株)〕、FZ-3125〔日本ユニカー(株)〕等が挙げられる。また、高重合ジメチルポリシロキサンは、液状油(例えば、下記(ii)ジメチルポリシロキサンオイル、(iii)環状シリコーン等の液状シリコーン油、またイソパラフィン等の液状炭化水素油)に溶解又は分散したものも使用することができる。
【0038】
(ii) 下記一般式で表されるジメチルポリシロキサンオイル
【0039】
【化2】

【0040】
〔式中、aは0〜650の整数を示す。〕
【0041】
具体的には、SH200Cシリーズ、粘度1cs、50cs、200cs、1000cs、5000cs〔東レ・ダウコーニング(株)〕等の市販品が含まれる。
【0042】
(iii) 下記一般式で表される環状シリコーン
【0043】
【化3】

【0044】
〔式中、bは3〜7の整数を示す。〕
【0045】
具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。また、市販品としては、SH244やSH245〔東レ・ダウコーニング(株)〕が挙げられる。
【0046】
(iv) 下記一般式で表されるアミノ変性シリコーン
【0047】
【化4】

【0048】
〔式中、R3はR4と同一の基又はメチル基又は水酸基を示し、R4は−R5−W(ここでR5は炭素数3〜6の2価炭化水素基、Wは1〜3級アミノ基含有基又はアンモニウム基含有基を示す。)で表される反応性官能基を示し、c及びdはそれぞれ正の整数で、c+dは分子量に依存する。好ましい平均分子量は3000〜100000である。〕
【0049】
例えば、SS-3551〔日本ユニカー(株)〕、SF8452C〔東レ・ダウコーニング(株)〕が挙げられる。アミノ変性シリコーンを水性乳濁液として用いる場合、該水性乳濁液中に含まれるアミノ変性シリコーンの量は20〜60重量%が好ましく、30〜50重量%が更に好ましい。好ましいアミノ変性シリコーン水性乳濁液としては、SM8704C〔東レ・ダウコーニング(株)〕、DC929、DDC8500〔以上、ダウコーニング社〕、KT 1989〔GE東芝シリコーン(株)〕等が挙げられる。
【0050】
(v) ポリエーテル変性シリコーン
例えば、SH3771M〔東レ・ダウコーニング(株)〕、SILSOFT A-843、SILSOFT SHINE〔ともに日本ユニカー(株)〕等が挙げられる。
【0051】
(vi) フッ素変性シリコーン
【0052】
(vii) アルキル変性シリコーン
【0053】
(viii) アミノ変性シロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体
下記一般式で表される共重合体が好ましく、例えばFZ-3789〔日本ユニカー(株)〕等が挙げられる。
【0054】
【化5】

【0055】
〔式中、R6は水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R7はR6と同一の基又はEのいずれかを示し、Eは−R8−G(ここでR8は直接結合手又は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Gは1〜3級アミノ基含有基又はアンモニウム基含有基を示す。)で表される反応性官能基を示し、eは2以上の数を示し、fは1以上の数を示し、iは2〜10の数を示し、g個のiは同一でも異なっていてもよく、gは4以上の数を示し、hは2以上の数を示し、Dは炭素−珪素原子によって隣接珪素原子に、酸素原子によってポリオキシアルキレンブロック鎖に結合している2価の有機基を示す。なお、複数個のR6、R7及びEは同一でも異なっていてもよい。〕
【0056】
これらシリコーン類のうち、(i)高重合ジメチルポリシロキサン、(ii)ジメチルポリシロキサンオイル、(iii)環状シリコーン、(iv)アミノ変性シリコーン、(viii)アミノ変性シロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体、或いはそれらの混合物が好ましく、その中でも(iv)アミノ変性シリコーン、(viii)アミノ変性シロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体が特に好ましい。
【0057】
シリコーン類は、2種類以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪洗浄剤中の0.1〜20重量%、更に0.5〜10重量%、特に1.0〜5重量%が好ましい。
【0058】
本発明においては、更に硫酸塩型界面活性剤以外のアニオン界面活性剤を、1種又は2種以上含むこともできる。例えば、スルホン酸塩型界面活性剤及びカルボン酸塩型活性剤が挙げられ、具体的には、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、高級脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸もしくはその塩等が挙げられる。
【0059】
本発明の毛髪洗浄剤には、乾燥後の仕上がり向上のため、更に、カチオン界面活性剤、油剤等のコンディショニング成分を更に配合することができる。
【0060】
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下の(i)〜(vii)の化合物等が挙げられる。
【0061】
(i) アルキルトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式で表される化合物が挙げられる。
9−N+(CH3)3-
〔式中、R9は炭素数12〜22のアルキル基を示し、X-はハロゲン(塩素又は臭素)化物イオン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸イオンを示す。〕
【0062】
(ii) アルコキシトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式で表される化合物が挙げられる。
10−O−R11−N+(CH3)3-
〔式中、R10は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R11はエチレン基又はプロピレン基を示し、X-は上記と同じである。〕
【0063】
(iii) ジアルキルジメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式で表される化合物が挙げられる。
122−N+(CH3)2-
〔式中、R12は炭素数12〜22のアルキル基又はベンジル基を示し、X-は上記と同じである。〕
【0064】
(iv) アルキルジメチルアミン(及びその塩)
例えば下記一般式で表される化合物及びその塩が挙げられる。
13-N(CH3)2
〔式中、R13は炭素数12〜22のアルキル基を示す。〕
【0065】
(v) エーテルアミン(及びその塩)
例えば下記一般式で表される化合物及びその塩が挙げられる。
【0066】
【化6】

【0067】
〔式中、R14は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R15及びR16は、同一又は異なる炭素数1〜6のアルキル基又は−(A'O)jH(A'は炭素数2〜4のアルキレン基、jは1〜6の数を示し、j個のA'は同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。〕
【0068】
(vi) アルキルアミドアミン(及びその塩)
例えば下記一般式で表される化合物及びその塩が挙げられる。
【0069】
【化7】

【0070】
〔式中、R17は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R18は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、kは2〜4の数を示す。〕
【0071】
(vii) ヒドロキシエーテルアルキルアミン(及びその塩)
例えば下記一般式で表される化合物及びその塩が挙げられる。
【0072】
【化8】

【0073】
〔式中、R19は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R20及びR21は、同一又は異なる炭素数1〜6のアルキル基又は−(A'O)pH(A'は炭素数2〜4のアルキレン基、pは1〜6の数を示し、p個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。lは1〜5の数を示す。〕
【0074】
上記(i)〜(vii)以外のカチオン界面活性剤としてとしては、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム(アルカノイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムのエチル硫酸塩、アルカノイル基はラノリン由来)、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリエチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルトリエチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C14〜C20)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C18〜C22)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソステアリン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソノナン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【0075】
カチオン界面活性剤は、2種以上を併用してもよく、洗髪時からすすぎ時までの滑らかさの点から、その含有量は、本発明の毛髪洗浄剤中の0.01〜10重量%が好ましく、更には0.05〜6重量%、特に0.3〜3重量%、とりわけ0.5〜2重量%が好ましい。
【0076】
油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボガド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸等の成分(C)以外の高級脂肪酸類;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール類、その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、高級アルコール類が好ましく、特にミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。これら油剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その含有量は、本発明の毛髪洗浄剤中0.2〜2重量%が好ましく、更には0.3〜1.8重量%、特に0.5〜1.5重量%が好ましい。
【0077】
本発明の毛髪洗浄剤には、粘度調整剤を含有させてもよく、粘度調整剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、エタノール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、粘土鉱物、塩類(塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム等)などが挙げられ、中でも塩類、特に塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムが好ましい。粘度調整剤は2種以上を併用してもよく、またその使用量は、泡量、泡質の点から、本発明の毛髪洗浄剤中の0.01〜5重量%が好ましく、更には0.05〜3重量%、特に0.1〜1.5重量%が好ましい。
【0078】
本発明の毛髪洗浄剤には、上記成分のほか、通常の毛髪洗浄剤に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;ソルビトール、パンテノール、グリセリン等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;酸化チタン等のパール化剤;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ〔ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS)〕に記載されている成分等が挙げられる。
【0079】
本発明の毛髪洗浄剤は、毛髪のツヤやまとまりを向上する観点より、毛髪に適用する際のpH(水で20重量倍希釈,25℃)が2〜7であるのが好ましく、更にはpH3〜5、特にpH3〜4.5であるのが好ましい。pH調整剤としては、有機酸、特にα-ヒドロキシ酸を用いることが好ましく、具体的にはリンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸が好ましい。これら有機酸は2種以上を併用してもよく、またその使用量は、泡質、洗髪時の毛髪柔軟性の向上の点から、本発明の毛髪洗浄剤中の0.01〜5重量%が好ましく、更には0.1〜3重量%、特に0.3〜2重量%が好ましい。また、他のpH調整剤として、これら有機酸と合わせ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム等の塩基を用いてもよい。
【0080】
本発明の毛髪洗浄剤の形態は、液状、ゲル状等適宜選択できるが、溶剤として水又は低級アルコール、特に水を用いた液状のものが好ましい。
【実施例】
【0081】
以下に示す毛髪洗浄剤のpHは、水で20重量倍希釈したときの25℃における値である。
【0082】
製造例1 EO平均付加モル数1.0のラウリルエーテル硫酸アンモニウムの製造
カルコール2470〔花王(株),ドデシルアルコール:テトラデシルアルコール=約3:1〕2000g及び水酸化カリウム1.45gを耐圧密閉式反応装置に仕込み、110℃、10mmHgで30分脱水を行った後、系内を165℃まで昇温した。昇温後、酸化エチレン456gを圧入し、そのままの温度で30分間付加反応を行った。その後、80℃まで冷却し、酢酸1.3gで中和し、上記原料アルコールの酸化エチレン付加物を得た。
次に、上記操作で得た混合物1793gと硫酸ガス607gを用い、40℃で硫酸化反応を行った。反応後28重量%アンモニア水150gとイオン交換水600gで中和を行った。更に28重量%アンモニア水及びイオン交換水を用いて濃度とpHの調整を行い、表1に記載の硫酸アンモニウム塩(25重量%水溶液)を10000g得た。
得られた硫酸塩は、化粧品原料基準に則り、硫酸塩、アニオン及びEO鎖を確認し、構成比率はガスクロマトグラフィーにより測定し、表1に示す。
【0083】
製造例2 EO平均付加モル数1.0のラウリルエーテル硫酸ナトリウムの製造
製造例1で得た原料アルコールの酸化エチレン付加物1793gと硫酸ガス607gを用い、40℃で硫酸化反応を行った。反応後23重量%水酸化ナトリウム水溶液132gとイオン交換水556gで中和を行った。更に23重量%水酸化ナトリウム水溶液、75重量%リン酸及びイオン交換水を用いて濃度とpHの調整を行い、表1に記載の硫酸ナトリウム塩(25重量%水溶液)を10000g得た。
得られた硫酸ナトリウム塩は、化粧品原料基準に則り、ナトリウム塩、硫酸塩、アニオン及びEO鎖を確認し、構成比率はガスクロマトグラフィーにより測定し、表1に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
*1:比較硫酸ナトリウム塩1
硫酸塩の27重量%水溶液である花王(株)のエマール227-pH11(EO平均付加モル数2.0のラウリルエーテル硫酸ナトリウム)。
*2:比較硫酸ナトリウム塩2
EO平均付加モル数2.0のラウリルエーテル硫酸ナトリウム1000g(エマール227-pH11、花王(株))とラウリル硫酸ナトリウム500g(エマール2F-HP、花王(株))とを混合し、硫酸塩の27重量%水溶液を得た。
【0086】
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示す硫酸塩型界面活性剤を使用して、表2に示す毛髪洗浄剤を調製し、下記の方法及び基準に従って「泡立ちの速さ」、「洗髪時のすべり感」、「乾燥後の毛髪の柔軟性」、「乾燥後の毛髪の平滑性」及び「乾燥後の毛髪のしなやかさ」を評価した。また、疲労耐性試験を行った。
【0087】
「泡立ちの速さ」
図1に示す装置を用いて、泡立ちの速さを評価した。
図1の装置は、底面に排水口(図示せず)を有し、上面が開口している透明プラスチック製筒状容器10(直径160mm,高さ55mm)、透明プラスチック製蓋20、モーター30を内蔵したコントロールユニット40、計量器50、トルク検出器60を備えている。この容器10内には、図2に示す複数の植毛孔Pに毛髪1(90mm,計30g)を植毛した円板11(直径略160mm)が装着されている。容器10は、モーター30によって矢印xの方向に回転し、それにより容器10内の毛髪1も回転する。
蓋20の裏面には、人の指に相当する第1の突起物21(直径15mm、高さ12mmの円柱状突起物×3個)と、ブラシに相当する第2の突起物22(縦10mm、横2mm、高さ12mmの突起物×9個)が、蓋20を矢印yのように容器10の上面に被せたとき毛髪1に接触するように設けられている。また、蓋20には、洗浄剤注入用のロート状注入孔25が設けられている。蓋20は、容器10に被せられたとき、容器10に固定されず、支柱41にトルク検出器60や計量器50を介して支持されている。従って、容器10に蓋20を被せ、容器10を回転させると、容器10内の毛髪1と突起物21、22とが摺動する。よって、注入孔25から毛髪1に洗浄剤をかけると、実際の毛髪の洗髪に近い状態で洗浄剤を起泡させることができる。
まず、毛髪を水30gでぬらし、ラノリンからなるモデル皮脂0.3mLを加えた後、評価サンプル1.5mLをかけた。次に毎分70回転で容器10を回転させて毛髪1と突起物21、22とを摺動させ、生じた泡を計量器50に捕集し、泡量が25mLになるまでの時間により、下記基準に従って評価した。
【0088】
・評価基準
◎:100秒未満
○:100秒以上200秒未満
△:200秒以上300秒未満
×:300秒以上
【0089】
「洗髪時のすべり感」
長さ25cm、幅5.5cm、重さ10gの人毛毛束を40℃の温水で軽く濯いだ後、余分な水分を取り去り、0.5gの毛髪洗浄剤を用いて約30秒間十分に泡立てた。その後、泡の付いた毛束のすべり感を官能評価した。評価は5人で行い、その評価の合計値を示した。
【0090】
・評価基準
4:よく滑る
3:やや滑る
2:あまり滑らない
1:滑らない
【0091】
「乾燥後の毛髪の柔軟性・平滑性・しなやかさ」
すべり感の評価と同様に処理した毛束を40℃の流水(2L/min)で30秒間濯いだ後、タオルで水気を十分に拭き取り自然乾燥した。乾燥後、毛束の柔軟性、平滑性、しなやかさを官能評価した。評価は5人で行い、その評価の合計値を示した。
【0092】
・乾燥後の毛髪の柔軟性の評価基準
4:非常に柔らかい
3:やや柔らかい
2:あまり柔らかくない
1:柔らかくない
【0093】
・乾燥後の毛髪の平滑性の評価基準
4:非常に滑る
3:やや滑る
2:あまり滑らない
1:滑らない
【0094】
・乾燥後の毛髪のしなやかさの評価基準
4:非常にしなやか
3:ややしなやか
2:あまりしなやかでない
1:しなやかでない
【0095】
「疲労耐性試験」
Y. K. Kamath, S. B. Hornby, H. D. Weigmann and S. Ruetsch, J. Cos. Sci., 50, 198-200(1999)に記載の方法に従い、50g/毛髪1本の負荷を繰り返し与え、破断までの繰り返し数をカウントした。得られたデータを元に、以下のようにして疲労耐性のパラメータ(特性寿命)を算出した。
疲労破壊現象を統計的に取り扱うため、広範囲にばらつきの特性を評価できる「ワイブル分布」を用いた。ワイブル分布の式(a)において、両辺の自然対数を2回取って得られる式(b)からパラメータθ(特性寿命)を求める。x軸をln x、y軸をln ln [1/[1−F(x)]]とし、各データをプロットして近似直線を求め、切片=b lnθ、傾き=bからパラメータθを算出する(式(c))。
【0096】
F(x)=1−exp[-(x/θ)b] (a)
ln ln [1/[1−F(x)]]=b ln x−b lnθ (b)
θ(特性寿命)=exp(−切片/傾き) (c)
x:切れたときの回数,F(x):切れた順番/サンプル数
b:形状パラメータ
θ:特性寿命(サンプル数の63.2%が破壊するまでの回数)
【0097】
【表2】

【0098】
実施例6 パール外観シャンプー(pH3.5)
(重量%)
製造例1の硫酸アンモニウム塩 15.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 0.5
ココイルモノエタノールアミド 0.3
18-メチルエイコサン酸 0.5
エチレングリコールジステアレート 3.0
カチオン化ヒドロキシエチルセルロース 0.3
乳酸 適量
イオン交換水 残量
【0099】
上記シャンプーは、洗髪時に良好な泡立ちと滑りの良い泡質を有し、すすぎ時には滑らかな感触を有し、仕上がりの毛髪には柔らかさ及びしなやかな感触を与え、かつヘアカラーなどの傷みの蓄積による毛髪損傷・疲労破壊を修復又は抑制できるものである。
【0100】
実施例7 コンディショニングシャンプー(pH3.5)
(重量%)
製造例1の硫酸アンモニウム塩 10.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 3.0
ココイルモノエタノールアミド 0.3
ミリスチルアルコール 1.0
セタノール 0.5
18-メチルエイコサン酸 0.5
エチレングリコールジステアレート 3.0
カチオン化ヒドロキシエチルセルロース 0.2
カチオン化グアーガム 0.2
ジメチルポリシロキサンエマルション
〔CF2460;東レ・ダウコーニング(株)〕 1.0
塩化ナトリウム 0.3
ベンジルアルコール 0.5
乳酸 適量
イオン交換水 残量
【0101】
上記シャンプーは、洗髪時に良好な泡立ちと滑りの良い泡質を有し、すすぎ時には滑らかな感触を有し、仕上がりの毛髪には柔らかさ及びしなやかな感触を与え、かつヘアカラーなどの傷みの蓄積による毛髪損傷・疲労破壊を修復又は抑制できるものである。
【0102】
実施例8 抗フケシャンプー(pH7.0)
(重量%)
製造例1の硫酸アンモニウム塩 13.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 1.0
ココイルモノエタノールアミド 0.2
18-メチルエイコサン酸 0.5
ピリチオン亜鉛水性懸濁液 1.0
安息香酸ナトリウム 0.3
カチオン化ヒドロキシエチルセルロース 0.3
エデト酸二ナトリウム 0.2
クエン酸 適量
イオン交換水 残量
【0103】
上記シャンプーは、洗髪時に良好な泡立ちと滑りの良い泡質を有し、すすぎ時には滑らかな感触を有し、仕上がりの毛髪には柔らかさ及びしなやかな感触を与え、かつヘアカラーなどの傷みの蓄積による毛髪損傷・疲労破壊を修復又は抑制できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】泡立ちの速さの評価に用いた装置の全体図である。
【図2】(a)毛髪を植毛する円板の上面図、及び(b)毛髪を植毛した円板の断面図である。
【符号の説明】
【0105】
1 毛髪
10 容器
11 円板
20 蓋
21 第1の突起物
22 第2の突起物
23 泡誘導壁
24 毛髪の巻込み防止ピン
25 注入孔
30 モーター
40 コントロールユニット
41 支柱
50 計量器
51 注水孔
60 トルク検出器
P 植毛孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)、(B)、(C)及び水を含有する毛髪洗浄剤。
(A) 一般式(1)
1-O-(C24O)m-SO3M (1)
〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、mは0又は正の整数を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを示す。〕
で表される硫酸塩型界面活性剤であって、全硫酸塩中30〜45重量%のm=0の硫酸塩、18〜27重量%のm=1の硫酸塩、10〜20重量%のm=2の硫酸塩、及び残余のm=3以上の硫酸塩から構成され、かつm=0〜2である硫酸塩の合計が全硫酸塩の70重量%以上である硫酸塩型界面活性剤
(B) 両性界面活性剤
(C) 一般式(2)で表される分岐脂肪酸又はその塩
【化1】

〔式中、R2はメチル基又はエチル基を示し、nは3〜36の整数を示す。〕
【請求項2】
更に、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル又はエチレングリコールジ脂肪酸エステルを含むパール化剤を含有する請求項1記載の毛髪洗浄剤。
【請求項3】
更に、高級アルコール類を含有する請求項1又は2記載の毛髪洗浄剤。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−176922(P2007−176922A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216962(P2006−216962)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】