説明

気中パーティクル捕集方法および捕集装置

【課題】捕集箇所を選ばず、捕集装置からのコンタミネーションなしにパーティクルをフィルター上に効率よく捕集でき、パーティクルの層別が可能で、さらに安価である気中パーティクル捕集方法および捕集装置を提供する。
【解決手段】メンブレンフィルターを1枚ずつセットした1乃至複数個のそれぞれ孔径の異なるフィルターホルダー12、14、・・・と、1分間当たりの吸引量が5〜40リットルの吸引ポンプ17とを接続してエアー吸引することにより、前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気中に浮遊する塵などのパーティクルを捕集するための気中パーティクル捕集方法及びパーティクル捕集装置に関し、詳しくは、環境中に存在するパーティクルを、捕集装置からのコンタミネーションなしにメンブレンフィルター上に効率よく捕集するための気中パーティクル捕集方法および捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にシリコンウエハー、IC、LSI等の半導体製品、コンピューター周辺装置の記憶装置であるFDD、光磁気ディスクドライブ、HDD、MR(磁気抵抗効果式)ヘッド等、あるいはメモリ媒体であるFD、HD等の電子部品、精密機械製品、光学製品、液晶等は、極微小の汚染物や極微量の汚染物によって腐食や動作不良等の障害が起こり易いため、上記製品は、一般的にクリーンルーム内で製造・保管されている。
【0003】
汚染物のうち、パーティクルの管理は特に必須となっており、製造・保管環境中に存在する汚染源を見い出し、効率的汚染防止対策を講じるためには、パーティクル数の管理だけでなく、パーティクルの形状、組成分析が必須になっている。
【0004】
また、上記製品分野以外に新素材、ファインケミカル、医薬品、包装材料、食品等においても、年々問題とされる異物のレベルは上昇し、ミクロンオーダーの異物が問題視されることがあるため、クリーンルーム、クリーンブース、パーティション等を設置した環境での製造・保管が必要になってきている。
【0005】
パーティクルとは、通常、粒径0.1〜1μm、あるいは1〜100μm程度の大きさの粒子の呼称であり、気中のパーティクル数を測定するには、光散乱式パーティクルカウンター、凝縮核式パーティクルカウンター、ファラデーカップ・エアロゾル・エレクトロメータ等が用いられるが、これらの測定機では、単位体積当たりのパーティクル数濃度、粒径分布の情報しか得られず、計測の際の不確かさを含む可能性があることが知られている。
【0006】
実在するパーティクルの数、形状、種類を特定するには、粘着シート、シリコンウェハーやフィルターへのトラップを行った後、顕微鏡観察や各種分析が行われる。粘着シート上へのパーティクルの捕集は、数μm以下の静的な捕集であり、落下塵を捕集しているため、浮遊するパーティクルを捕集し難い。またシリコンウェハー上への捕集は、パーティクル捕集者側がエレクトロニクス分野の製品製造をしていて、ウェハー検査機を所有している場合には好ましく用いられるが、パーティクルの捕集、観察、分析時における取り扱い易さにおいてはフィルターによる捕集が優れている。
【0007】
フィルター捕集に用いる集塵装置としては、比較的環境レベルが低い場合にはローボリュームサンプラー、環境レベルが高い場合にはハイボリュームサンプラーあるいはサイクロン式集塵機が用いられることが多いが、ローボリュームサンプラーでもハイボリュームサンプラーでも数十万円程度の価格である。
【0008】
また非常に清浄度の高いクラス10(空気清浄度、米国連邦規格FED−STD−209D;0.5μm以上の微粒子が10個/ft3 以下)以下のクリーンルームなどで捕集を行う場合には、サイクロン式集塵装置を用いることを推奨している。このサイクロン式集塵装置はクリーンルーム内の空気を1200L/minと大量に吸引するため、局所的な気中パーティクルの捕集に適さないと想定される上、装置自体のサイズが310(W)×475(D)×1040(H)mm程度と大きく、重量も約40kg以上あるために、気中のパーティクルを捕集できる場所を限定せざるを得ない場合がある。
【0009】
パーティクルの捕集は、捕集する場所の床からの高さや、装置や人からの距離や、作業状態などの捕集条件によって、その捕集結果が変化するため、発生源の特定には局所的かつ一時的なパーティクル捕集を行えることが好ましい。サイクロン式の場合、捕集箇所の変更にフレキシブルに対応することは不可能であり、サイクロン式集塵機を複数台所有し、製造ライン等が稼動しているときに複数箇所で同時にパーティクルを捕集することも難しいと考えられる。さらに、装置内を汚染するとクリーニングに非常に手間がかかり、フィルターは直径25mmを1枚しかセットできないため、パーティクル径による層別は不可能である。また価格も500万円程度とかなり高価である。
【0010】
一方、環境イオンの捕集に用いられることが多いミニポンプは安価(5万円〜10万円程度)で小さいため、捕集箇所を選ばないという利点があるが、流量は5L/min程度が最大であり、清浄度の高いクリーンルーム内での気中パーティクル捕集には相当長時間の捕集が必要と考えられる。また、フィルター直径、孔径によっては吸引力不足の場合がある。
【0011】
以下に本発明に関連する公知の特許文献を記載する。
【特許文献1】特許第3731656
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の課題を考慮してなされたもので、捕集箇所を選ばず、捕集装置からのコンタミネーションなしにパーティクルをフィルター上に効率よく捕集でき、パーティクルの層別が可能で、さらに安価である気中パーティクル捕集方法および捕集装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1に係る発明は、メンブレンフィルターを1枚ずつセットした1乃至複数個のフィルターホルダーと、1分間当たりの吸引量が5〜40リットルの吸引ポンプとを接続してエアー吸引することにより、前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集方法である。
【0014】
本発明の請求項2に掛かる発明は、上記請求項1に係る気中パーティクル捕集方法において、それぞれ孔径の異なるメンブレンフィルターをセットした2個以上複数個の前記フィルターホルダーを、エアー吸引方向に沿って順に接続してエアー吸引することにより、前記複数個のメンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集方法である。
【0015】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る気中パーティクル捕集方法において、前記フィルターホルダーが前記フィルターをエアー吸引上流側に露呈させたオープンフェース型でなく、前記フィルターよりエアー吸引上流側に該フィルターを覆うインレット付きトップカバーを設けたクローズトフェース型であり、該インレットを通してエアー吸引することにより、前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集方法である。
【0016】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に係る気中パーティクル捕集方法において、前記吸引ポンプが、水を使用しない吸引ポンプ又は水を使用しないドライポンプ型真空ポンプを装備したアスピレーターであることを特徴とする気中パーティクル捕集方法である。
【0017】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係る気中パーティクル捕集方法において、前記メンブレンフィルターが、ポリカーボネート製であることを特徴とする気中パーティクル捕集方法である。
【0018】
本発明の請求項6に係る発明は、メンブレンフィルターをセットしたフィルターホルダーと、1分間当たりの吸引量が5〜40リットルの吸引ポンプとを接続してエアー吸引することにより前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集する気中パーティクル捕集装置において、メンブレンフィルターを1枚ずつセットした1乃至複数個のフィルターホルダーと、1分間当たりの吸引量が5〜40リットルの吸引ポンプとが接続され、エアー吸引することにより前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集装置である。
【0019】
本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項6に係る気中パーティクル捕集装置において、それぞれ孔径の異なるメンブレンフィルターをセットした2個以上複数個の前記フィルターホルダーを、エアー吸引方向に沿って順に接続してエアー吸引することにより、前記複数個のメンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集装置である。
【0020】
本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項6又は7に係る気中パーティクル捕集装置において、前記フィルターホルダーが、前記フィルターをエアー吸引上流側に露呈させたオープンフェース型でなく、前記フィルターよりエアー吸引上流側に該フィルターを覆うインレット付きトップカバーを設けたクローズドフェース型であり、該インレットを通してエアー吸引することにより、前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集装置である。
【0021】
本発明の請求項9に係る発明は、上記請求項6乃至8のいずれか1項に係る気中パーティクル捕集装置において、前記吸引ポンプが、水を使用しない吸引ポンプ又は水を使用しないドライポンプ型真空ポンプを装備したアスピレーターであることを特徴とする気中パーティクル捕集装置である。
【0022】
本発明の請求項10に係る発明は、上記請求項6乃至9のいずれか1項に係る気中パーティクル捕集装置において、前記メンブレンフィルターが、ポリカーボネート製であることを特徴とする気中パーティクル捕集装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の気中パーティクル捕集方法および捕集装置について、その発明の実施の形態に沿って以下に詳細に説明する。
【0024】
図1は気中パーティクル捕集装置の一例を示す全体図であり、本発明の気中パーティクル捕集装置はメンブレンフィルター11が1枚セットされたフィルターホルダー12、メンブレンフィルター13が1枚セットされたフィルターホルダー14の2個のフィルターホルダーと、フィルターホルダー12と14を接続するパイプ状のコネクター15と、吸引ポンプ17と、フィルターホルダー14と吸引ポンプ17とを接続するプラスチック製チューブ16とから構成されている。なお、1枚のメンブレンフィルターをセットしたフィルターホルダーは、その1個を接続するようにしてもよい。また吸引ポンプ17は、例えば水を使用しない吸引ポンプ、又は水を使用しないドライポンプ型真空ポンプ等を装備したアスピレーターであってもよい。
【0025】
本発明の気中パーティクル捕集装置は、パーティクルを捕集をする捕集場所に設置されて、その場所の環境にあるエアーを吸引ポンプ17により、エアー吸引上流側の吸気口であるフィルターホルダー12のフィルター11より吸引する。そして、次のフィルターホルダー14のフィルター13、チューブ16を通り吸引ポンプ17の排気口18から排気する。なお吸引ポンプ17の排気口18にはカセットフィルター19、チューブ20を順に接続し、排気口18より排気したエアーを該カセットフィルター19、チューブ20を通り排気するようにしてもよい。
【0026】
図1に示すように、本発明においては、パーティクルを層別する目的でフィルターホルダーを吸引方向に順に2個(フィルターホルダー12、14)、あるいはそれ以上接続する場合は、吸引上流側のメンブレンフィルター11の孔径(メッシュ状の多数微細通気孔の各孔径)は、下流側のメンブレンフィルター13よりも必ず大きくなくてはならない。またクラス10以下等のクリーン環境でパーティクルを捕集する際には、吸引ポンプ17(又はアスピレーター17)の排気によって捕集環境を汚染することのないように、排気口にカセットフィルター19(カセット式のHEPAフィルター)を接続し、フィルターを通した排気をクリーンルームのグレーチングから放出することが好ましく行われる。
【0027】
前記パーティクル捕集装置に用いるフィルターホルダーとしては、プラスチック製のものが、低価格、扱い易さ、汚染された場合の廃棄し易さから好ましく、特に好ましくはポリプロピレン(PP)製である。例えば、ADVANTEC製プラスチックホルダーPPシリーズ等が用いられる。
【0028】
プラスチック製フィルターホルダーの一例を、図2のフィルターホルダー全体図(組立完成図)及び図3のフィルターホルダー組立図に基づいて説明する。図中に示されるように、フィルターホルダー(例えばフィルターホルダー12、14)の組立部品は、吸引上流側から順に、ロッキングナット21、ナット用O−リング22、インレット23(先端エアー吸引口部)、トップカバー24(トッププレート)、メンブレンフィルター11、13、サボートスクリーン25、フィルター押さえO−リング26、サポートスクリーン27、ベースプレート用O−リング28、ベースプレート29、アウトレット30(後端エアー吸引口部)、チューブコネクター31から構成されている。
【0029】
フィルターホルダー(例えばフィルターホルダー12、14など各フィルターホルダー)は、オープンフェース型でなく、トップカバー24(あるいはトッププレート)を有するものが好ましい。本発明においては、このようなタイプをクローズドフェース型と称している。このようなフィルターホルダーは本来、液体濾過用であり、通常、液体を濾過する際にはトップカバーに設けられたインレット23にチューブ等を接続して、濾過したい液体を流すが、本発明においては、トッププレートに設けられたインレット(以下、吸引口と称す)部分からエアーを吸引して、気中のパーティクルを吸引することを特徴としている。また、アスベスト捕集等に用いられるオープンフェース型は、フィルターホルダーにセットされたフィルターの表面が露出しているため、実際の気中パーティクル捕集時までにフィルターが汚染される懸念があり、本発明の気中パーティクル捕集装置には適さない。
【0030】
本発明のパーティクル捕集装置に用いるメンブレンフィルター(例えばメンブレンフィルター11、13など各メンブレンフィルター)としては、パーティクルの顕微鏡観察に適した貫通孔を有するポリカーボネート製が好ましく用いられる。メンブレンフィルターの直径は一般的に13mm未満、13mm、25mm、47mmなどであるが、本発明に用いるフィルター直径は47mmが好ましい。また、ポリカーボネート製フィルターの孔径は、一般的に0.1、0.2、0.4、0.8、8.0μmであるが、目的に応じ、0
.2μmと0.8μm、0.8μmと8.0μmのように組み合わせて、パーティクルを層別することが好ましく行われる。
【0031】
市販されている気中パーティクルカウンターはパーティクルの粒径0.1μm程度から100μm程度を測定するものが多いので、気中パーティクルカウンターとフィルター上に捕集されるパーティクルの相関を取りたいときにはパーティクルカウンターのチャンネルとメンブレンフィルターの孔径を合わせ、各装置の流量を合わせることが好ましく行われる。
【0032】
例えば、パーティクルカウンターで、吸引量30L/minにて、吸引時の1μmパーティクルを測定している場合、孔径0.8μmのメンブレンフィルターを用い、吸引量を30L/minに設定してパーティクル捕集を行う。使用するメンブレンフィルターの孔径と吸引量の決定に際しては、各孔径のメンブレンフィルターの圧力損失を考慮することが好ましい。
【0033】
フィルターに付着して捕集したパーティクルの有機分析を第一の目的とする時には、ポリカーボネート製メンブレンフィルターではラマン分光分析時のレーザー等でフィルターを損傷する場合がある。そのような場合には、パーティクルの観察は難しくなるが、他の材質のフィルターを用いることも好ましく行われる。また、本発明のように用いるフィルターの直径を47mmとすることが好ましいのは、フィルター直径がミニフィルター等よりも大きいため、エアー吸引により、フィルターに掛かる圧力負荷を低減できるためである。
【0034】
前記吸引ポンプ17(あるいはエアー吸引用アスピレーター17)の吸引量は5〜40L/min程度が好ましい。吸引量が少ない場合にはフィルター上にパーティクルが捕集できない場合があり、吸引量が多い場合にはメンブレンフィルターを破損する場合があるので、事前に確認をすることが好ましい。市販されている気中パーティクルカウンターは、パーティクル最小測定粒径0.1μm、吸引量0.3〜30L/min程度のものが多いため、前述したように、気中パーティクルカウンターの吸引量とフィルター捕集の吸引量を合わせることも好ましく行われる。
【0035】
我々の鋭意研究の結果、直径47mmのフィルターホルダーを用いる場合、8.0μm孔径のメンブレンフィルターのフィルターホルダーのみならば、吸引量5L/minでも捕集可能だが、孔径8.0μmと0.8μm、又は孔径0.8μmと0.2μmの組み合わせで捕集する場合、吸引量は10L/min以上必要であることがわかった。
【0036】
吸引ポンプ17としては、ポンプ冷却用水を使用しない無注油型(ドライ型)ピストンポンプ式の吸引ポンプが好ましく、またアスピレーター17(負圧発生用逆止弁付き吸引器)を使用する場合には、吸引用の負圧発生用流水(負圧用水)やポンプ冷却用水を使用しない吸引用の負圧発生用送流エアーを発生させるドライ型真空ポンプを装備したアスピレーターが好ましい。水を使用する吸引ポンプあるいはアスピレータであると、気中パーティクル捕集箇所に水供給設備が必要になり、捕集箇所が限定されることと、水を使用しない吸引ポンプあるいはアスピレーターのほうが吸引力、吸引量が安定しているからである。用いるアスピレーターの一例として、真空機工株式会社製のアスピレーター型番MDA−015等が挙げられる。
【0037】
本発明においては、吸引ポンプ、アスピレーターのどちらも、重量は3kg〜8kg程度であり、またフィルター及びフィルターホルダー(カセット)等は軽量であるため、本発明の気中パーティクル捕集装置は、持ち運び、設置が簡単である。一般的にアスピレーター(負圧発生用逆止弁付き吸引器)は、エバポレーター(蒸発促進用減圧器)と接続し
て系内を真空にするために用いられるが、本発明においては、アスピレーターを開放系でポンプとして用いるところに特徴がある。メンブレンフィルターの孔径が同じである場合、流量でなく、吸引時間による制御により、各サンプリング箇所(各パーティクル捕集箇所)の比較を行うことが可能である。流量制御したい場合には、積算流量計を経路に接続すればよい。
【0038】
本発明において、フィルターを取り付けたフィルターホルダーと、吸引ポンプあるいはアスピレーターとを接続するチューブは、リークのない口径の合ったプラスチック製チューブが用いられ、タイゴンチューブ、シリコンチューブ、テフロン(登録商標)チューブ、PPチューブ等が用いられる。
【0039】
以下に、気中パーティクル捕集装置の洗浄、組み立てから気中パーティクルの捕集、捕集済みメンブレンフィルターの回収までの手順を詳細に説明する。
【0040】
第一に、本発明の気中パーティクル捕集装置をクリーンルーム内で使用して、本発明の気中パーティクル捕集方法を実施する場合には、捕集装置に付着しているパーティクルを環境から捕集したパーティクルと区別するため、メンブレンフィルター、フィルターホルダー(カセット)、チューブ、アスピレータの洗浄、清拭を行うことが好ましい。特にメンブレンフィルターには、フィルターを保護するための重ね合わせられている合い紙の繊維がフィルターに付着していることがあり、パーティクル観察、分析時に捕集したパーティクルと誤判断しないためにも洗浄が必要である。
【0041】
その場合、クラス1000(空気清浄度、米国連邦規格FED−STD−209D;0.5μm以上の微粒子が1000個/ft3 以下)のクリーンルーム内で、比抵抗1 8.2MΩ以上、0.05μmのパーティクル数が1個/ml以下の超純水を用いて、メンブレンフィルター、フィルターカセット、チューブを洗浄することが好ましい。
【0042】
まず、メンブレンフィルターは、超純水を入れたガラス製容器内で、中の超純水を入れ替えては3回以上洗浄するか、超純水洗浄済みのガラス製濾過装置にセットするなどして超純水で3回以上洗浄する。洗浄済みのメンブレンフィルターは超純水洗浄済みのシャーレ等容器に入れて、クリーンルーム内で落下塵が付着しないように自然乾燥させる。フィルターホルダーは解体し、各組立部品を超純水洗浄した後に、クリーンルーム内で落下塵が付着しないように自然乾燥させるか、あるいはクリーンエアを供給できるエアガンで乾燥させる。
【0043】
解体した乾燥済みのフィルターホルダーに、乾燥済みのメンブレンフィルターを、組み立て向きに注意してセットし、各組立部品を順に組み合わせてフィルターホルダーを組み立てた後、該ィルターホルダーを、パーティクルの少ないクリーンバッグに入れて密封する。クリーンエア吸引口(インレット23)、排気口用チューブなどは、超純水で5分間以上、流水洗浄し、クリーンルーム内で落下塵が付着しないように自然乾燥させるか、クリーンエアを供給できるエアガンで乾燥させる。これらもパーティクルの少ないクリーンバッグに入れて密封する。
【0044】
吸引ポンプあるいはアスピレーターは、クリーンルーム用のダストの少ないクロスを前述の超純水に浸し、清拭した後に、パーティクルの少ないクリーンバッグに入れて密封する。上記、洗浄手順はあくまで目安であり、実際のパーティクル捕集を実施する前に、一連の洗浄手順を経たメンブレンフィルターを観察した際に、コンタミネーションがないことを確認することが好ましく行われる。
【0045】
第二に、パーティクル捕集箇所で、本発明の捕集装置を組み立てる。クリーンルーム内
で捕集する場合には、パスボックス等を使用して各部品を持ち込み、気中パーティクル捕集箇所で各クリーンバッグを開封して、装置を組み立てることが好ましい。
【0046】
まず、吸引ポンプあるいはアスピレーター17に吸引口用チューブ(16、18など)を取り付ける。クラス10以下のような非常に清浄度の高い環境で気中パーティクル捕集を行う場合には、吸引ポンプあるいはアスピレーターの排気口にカセット式フィルター19を取り付け、グレーチングを通して排気することが好ましく行われる。
【0047】
次に、二個以上のフィルターホルダーを連結する場合には、連結ジグ(コネクター15など))で接続し、孔径の大きいメンブレンフィルターがセットされたフィルターホルダーを吸引上流側にして、各フィルターホルダーをコネクター15にて接続する。フィルターホルダー間は連結ジグだけでなく、チューブを用いても構わない。
【0048】
第三に、パーティクルを捕集する場所を決め、吸引上流側の先端にあるフィルターホルダー(例えばフィルターホルダー12)のトップカバー中央の吸引口(インレット23)部分が、気中パーティクルを捕集したい方向へ向けられるように、フィルターホルダー、チューブを、必要に応じてテープで捕集箇所の造作材や支持フレームなどに固定する。クリーンルーム内で捕集を行う場合には、クリーンテープを用いることが好ましい。
【0049】
次に、吸引ポンプあるいはアスピレーター17の電源を入れる。必要な場合には、流量計等により吸引量を確認する。同時にパーティクルカウンターにて測定を行う場合にはそれを実施する。パーティクルは、捕集する場所の床からの高さや、装置や人からの距離、作業状態などによって変化するため、発生源の特定には局所的、且つ一時的なパーティクル捕集を行うことが好ましい。
【0050】
本発明の気中パーティクル捕集装置、及びその装置を用いた捕集方法は、吸引ポンプあるいはアスピレーターさえ設置できれば、どこでも捕集可能である。例えば、高さを変えてパーティクルを捕集することも簡単にできるし、内外でパーティクル環境が異なるクリーンブース、クリーンユニット、クリーンベンチ等の評価も簡便である。捕集箇所にある製品製造機など機械のユニット毎に発塵が異なると想定される場合には、ユニット毎に複数台の捕集装置を用意して同時捕集すれば良いし、機械が稼動している間だけパーティクルを短時間でも長時間でも捕集が可能である。
【0051】
次に、設定した捕集時間が経過したら、吸引ポンプあるいはアスピレーターの電源をOFFにする。捕集済みメンブレンフィルターはフィルターホルダーから出さずにクリーンバッグに入れ、観察、分析時まで密封しておく。参考までに、ポリプロピレン(PP)製フィルターホルダー本体2個と、排気量15L/minの吸引ポンプの合計金額は約6万円程度であり、この他に吸引口用チューブ(本発明装置を構成する各機器を接続するコネクター15、チューブ16など)、メンブレンフィルター、あるいはクリーンルーム内捕集の場合には排気口用チューブ(排気用チューブ18、20など)、カセット式フィルター19等が必要になるが、合計しても非常に安価である。
【0052】
本発明の気中パーティクル捕集装置を用いて実施される本発明の気中パーティクル捕集方法により気中パーティクルを捕集したメンブレンフィルターは、走査型電子顕微鏡(SEM)による形状観察、及び光散乱式気中パーティクルカウンターによるパーティクル数カウントが好ましく行われる。SEMに併設されることが多いエネルギー分散型X線解析(EDX)による元素分析やオージェ電子分光分析(AES)、電子線マイクロアナライザー(EPMA)による分析、あるいは蛍光X線分析、荷電粒子冷機X線検出法、ラザフォード後方散乱分析等も好ましく行われる。また、有機分析ではフーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)やラマン分光分析による分析も好ましく行われる。
【実施例】
【0053】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限られるものではない。
【0054】
<実施例1>
食品包装用フィルムを製造加工する工場内において、カーテンで仕切られたクリーンユニット外側の一般環境(床からの高さ45cm)(捕集箇所1)と、HEPAフィルター設置クリーンユニット内に設置された樹脂溶融押し出し加工機(Tダイ押出加工機)の近く(床からの高さ45cm)(捕集箇所2)の2箇所に、図1に示す本発明の気中パーティクル捕集装置を設置した。捕集装置を構成する各部品の事前の洗浄は行わなかった。
【0055】
捕集装置の吸引上流側のフィルターホルダー12には、フィルター直径47mm、フィルター孔径8μmのポリカーボネート製メンブレンフィルター11を、下流側のフィルターホルダー14には、フィルター直径47mm、フィルター孔径0.8μmのポリカーボネート製メンブレンフィルター13をセットした。
【0056】
次に前記フィルターホルダー12、14をコネクター15にて接続し、フィルターホルダー14と吸引量15L/minにて吸引する無注油ピストンポンプ式吸引ポンプ17とをシリコンチューブ16で接続して、本発明の捕集装置を組み立てて、前記捕集箇所1と2のそれぞれ気中パーティクルを24時間捕集した。前記フィルターホルダー12、14のトップカバー24の吸引口(インレット23)の口径は直径4.5mmとした。
【0057】
捕集開始時から終了まで、光散乱式気中パーティクルカウンターで1時間に1回測定したパーティクル捕集個数の平均値は、捕集箇所1では粒径0.5μmのパーティクルが420000個/ft3 、捕集箇所2では、粒径0.5μmのパーティクルが220000個/ft3 であった。なお捕集している間は、押し出し加工機は稼動していた。
【0058】
実施例1にて吸引上流側のフィルターホルダー12にセットしてパーティクルを捕集したメンブレンフィルター11(孔径8μm)は、フィルターホルダー12から取り出した後、走査型電子顕微鏡(SEM)にてSEM写真撮影し、捕集箇所1にて使用した孔径8μmメンブレンフィルター11の倍率500倍のSEM写真と、孔径0.8μmメンブレンフィルター13の倍率5000倍のSEM写真と、捕集箇所2にて使用した孔径8μmメンブレンフィルター11の倍率500倍のSEM写真と、孔径0.8μmメンブレンフィルター13の倍率5000倍のSEM写真を得た。
【0059】
吸引下流側のフィルターホルダー14にセットしてパーティクルの捕集に使用した孔径0.8μmのメンブレンフィルター13でもフィルター孔に損傷はなく、捕集箇所1では孔径8μm、0.8μmのそれぞれメンブレンフィルター11、13ともに、パーティクルが多く観察された。それに対して、捕集箇所2ではパーティクルが少ない傾向が確認された。
【0060】
上記実施例1において、捕集に使用した吸引上流側の孔径8μmの前記メンブレンフィルター11(孔径8μm)をSEM観察倍率500倍で5箇所観察した結果から、各々捕集箇所1、2の環境中における10μm以上のパーティクル数(個/ft3 )を計算した結果を表1に示す。
【0061】
また、実施例1において、SEM(走査型電子顕微鏡)に併設されているEDXにて、各捕集箇所1、2にて吸引上流側の孔径8μmメンブレンフィルター11上に捕集されたパーティクルのうち10μm以上のパーティクル3個と、孔径0.8μメンブレンフィル
ター13上に捕集されたパーティクルのうち1μm以上のパーティクル3個について、それぞれ元素分析を行った結果を表2に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

<実施例1の結果>
表1の結果から、パーティクルカウンターでの測定結果でも、SEM観察でも、捕集箇所1は捕集箇所2に比較して多くのパーティクルが観察され、その差異は明らかだった。また表2の結果から、パーティクルの種類は、捕集箇所1では酸化鉄、Na、Al、Si等、他の元素を多数含む無機物、あるいは無機物と有機物が複合したパーティクルが多いが、捕集箇所2ではほとんどが有機物で、形状から樹脂と推定され、その種類が異なることがわかった。
【0064】
<実施例2>
クラス100(空気清浄度、米国連邦規格FED−STD−209D;0.5μm以上の微粒子が100個/ft3 以下)のダウンフロー式クリーンルーム内に配置されたカラーフィルター製造ライン内のブラックマトリックス洗浄機内(床からの高さ45cm)(捕集箇所1)と、同クリーンルーム内に配置されたRGBコーターアンローダー内(床からの高さ135cm)(捕集箇所2)との2箇所に、本発明の気中パーティクル捕集装置を設置した。捕集装置を構成する各部品は、事前にクラス100のクリーンルーム内で超純水洗浄を行い、クリーンバッグに入れて、インパルスシールしたものを、捕集直前に開封し、捕集装置として組み立てた。
【0065】
捕集装置の吸引上流側のフィルターホルダー12には、フィルター直径47mm、フィルター孔径0.8μmのポリカーボネート製メンブレンフィルター11を、下流側のフィルターホルダー14には、フィルター直径47mm、フィルター孔径0.2μmのポリカーボネート製メンブレンフィルター13をセットした。
【0066】
次に前記フィルターホルダー12、14をコネクター15にて接続し、フィルターホルダー14と吸引量15L/minにて吸引する無注油ピストンポンプ式吸引ポンプ17とをシリコンチューブ16で接続して、本発明の捕集装置を組み立てて、前記捕集箇所1と2のそれぞれ気中パーティクルを24時間捕集した。前記フィルターホルダー12、14のトップカバー24の吸引口(インレット23)の口径は直径4.5mmとした。
【0067】
捕集開始時から終了まで、光散乱式気中パーティクルカウンターで1時間に1回測定したパーティクル捕集個数の平均値は、捕集箇所1では粒径0.3μmのパーティクルが3000個/ft3 、捕集箇所2では、粒径0.3μmのパーティクルが90個/ft3 であった。なお捕集している間は、クリーンルーム内に配置された製造ラインの各装置は稼動と停止を繰り返した。
【0068】
実施例2にて吸引上流側のフィルターホルダー12にセットしてパーティクルを捕集したメンブレンフィルター11(孔径0.8μm)と、下流側のフィルターホルダー14にセットしてパーティクルを捕集したメンブレンフィルター13(孔径0.2μm)とを、それぞれ該フィルターホルダー12、14から取り出した後、走査型電子顕微鏡(SEM)にてSEM写真撮影し、捕集箇所1にて使用した孔径0.8μmメンブレンフィルター11の倍率15000倍のSEM写真と、捕集箇所1にて使用した孔径0.2μmメンブレンフィルター13の倍率30000倍のSEM写真と、捕集箇所2にて使用した孔径0.8μmメンブレンフィルター11の倍率25000倍のSEM写真と、捕集箇所2にて使用した孔径0.2μmメンブレンフィルター12の倍率25000倍のSEM写真とを得た。
【0069】
捕集箇所1、2ともにクリーンルーム内であるため、フィルター11、13上に捕集されたパーティクルは少なく、個数の比較はしなかったが、孔径0.2μmのフィルター13でも、フィルター孔に損傷はなかった。実施例2において、捕集箇所1、2にて、孔径0.8μmフィルター11上に捕集された1μm以上のパーティクルのうち各3個について、SEMに併設されているEDXにて元素分析を行った結果を表3に示す。
【0070】
【表3】

<実施例2の結果>
表3の結果より、パーティクルの種類は、捕集箇所1ではMg,Fe等からなる無機系が多く、捕集箇所2では有機物で、その形状から樹脂と推定され、捕集箇所によりパーティクルの形状、組成が異なることが確認できた。
【0071】
<比較例1>
実施例1の環境において、吸引上流側のフィルターホルダー12には直径47mm、孔径8μmのポリカーボネート製メンブレンフィルター11を、フィルターホルダー14には直径47mm、孔径0.8μmのポリカーボネート製メンブレンフィルター13をセットした。
【0072】
次に前記フィルターホルダー12、14をコネクター15にて接続し、フィルターホルダー14と吸引量4L/minにて吸引するミニポンプ(吸引ポンプ17の代替)とをシリコンチューブ16で接続して比較例のパーティクル捕集装置を組み立て、前記捕集箇所1と2のそれぞれ気中パーティクルを24時間捕集した。前記フィルターホルダー12、14のトップカバー24の吸引口(インレット23)の口径は直径4.5mmとした。
【0073】
比較例1にて吸引上流側のフィルターホルダー12にセットしてパーティクルを捕集したメンブレンフィルター11(孔径8μm)と、下流側のフィルターホルダー14にセットしてパーティクルを捕集したメンブレンフィルター13(孔径0.8μm)のそれぞれをSEM観察したところ、パーティクルを捕集するのに必要な吸引力が不十分であるために、気中パーティクルカウンターによる測定ではパーティクルの多い捕集箇所1でも、孔径0.8μmのメンブレンフィルター13上に存在するパーティクルを確認することができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の気中パーティクル捕集方法及び捕集装置の一例を示す模式図。
【図2】本発明の気中パーティクル捕集方法及び捕集装置に使用されるフィルターホルダーの一例を示すフィルターホルダー全体図(組立完成図)。
【図3】本発明の気中パーティクル捕集方法及び捕集装置に使用されるフィルターホルダー及びメンブレンフィルターの一例を示すフィルターホルダー組立図。
【符号の説明】
【0075】
11…メンブレンフィルター
12…フィルターホルダー
13…メンブレンフィルター
14…フィルターホルダー
15…コネクター
16…チューブ
17…エアー吸引ポンプ(又はエアー吸引用アスピレーター)
18…チューブ
19…カセットフィルター
20…チューブ
21…ロッキングナット
22…ナット用O−リング
23…インレット(吸引口)
24…トップカバー(トッププレート)
25…サポートスクリーン
26…フィルター押さえO−リング
27…サポートスクリーン
28…ベースプレート用O−リング
29…ベースプレート
30…アウトレット
31…チューブコネクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メンブレンフィルターを1枚ずつセットした1乃至複数個のフィルターホルダーと、1分間当たりの吸引量が5〜40リットルの吸引ポンプとを接続してエアー吸引することにより、前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集方法。
【請求項2】
請求項1記載の気中パーティクル捕集方法において、それぞれ孔径の異なるメンブレンフィルターをセットした2個以上複数個の前記フィルターホルダーを、エアー吸引方向に沿って順に接続してエアー吸引することにより、前記複数個のメンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の気中パーティクル捕集方法において、前記フィルターホルダーが前記フィルターをエアー吸引上流側に露呈させたオープンフェース型でなく、前記フィルターよりエアー吸引上流側に該フィルターを覆うインレット付きトップカバーを設けたクローズドフェース型であり、該インレットを通してエアー吸引することにより、前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の気中パーティクル捕集方法において、前記吸引ポンプが、水を使用しない吸引ポンプ又は水を使用しないドライポンプ型真空ポンプを装備したアスピレーターであることを特徴とする気中パーティクル捕集方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の気中パーティクル捕集方法において、前記メンブレンフィルターが、ポリカーボネート製であることを特徴とする気中パーティクル捕集方法。
【請求項6】
メンブレンフィルターをセットしたフィルターホルダーと、1分間当たりの吸引量が5〜40リットルの吸引ポンプとを接続してエアー吸引することにより前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集する気中パーティクル捕集装置において、メンブレンフィルターを1枚ずつセットした1乃至複数個のフィルターホルダーと、1分間当たりの吸引量が5〜40リットルの吸引ポンプとが接続され、エアー吸引することにより前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集装置。
【請求項7】
請求項6記載の気中パーティクル捕集装置において、それぞれ孔径の異なるメンブレンフィルターをセットした2個以上複数個の前記フィルターホルダーを、エアー吸引方向に沿って順に接続してエアー吸引することにより、前記複数個のメンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集装置。
【請求項8】
請求項6又は7記載の気中パーティクル捕集装置において、前記フィルターホルダーが、前記フィルターをエアー吸引上流側に露呈させたオープンフェース型でなく、前記フィルターよりエアー吸引上流側に該フィルターを覆うインレット付きトップカバーを設けたクローズドフェース型であり、該インレットを通してエアー吸引することにより、前記メンブレンフィルターに気中のパーティクルを付着させて捕集することを特徴とする気中パーティクル捕集装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項記載の気中パーティクル捕集装置において、前記吸引ポンプが、水を使用しない吸引ポンプ又は水を使用しないドライポンプ型真空ポンプを装備したアスピレーターであることを特徴とする気中パーティクル捕集装置。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項記載の気中パーティクル捕集装置において、前記メンブレンフィルターが、ポリカーボネート製であることを特徴とする気中パーティクル捕集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−89319(P2008−89319A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267309(P2006−267309)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】