説明

気化器の自動始動装置

【課題】始動時燃料増量のための始動燃料を供給して機関始動を行うと共にその始動失敗時に始動燃料が供給され続けてしまうことを防止する。
【解決手段】吸気道に通常の燃料を供給する燃料供給通路とは別個に始動時の燃料増量のために始動燃料を供給する始動燃料供給通路に電磁弁13を設け、電磁弁を制御するトランジスタTR1のベースをIC14aにより制御する。始動制御時のエンジン回転回数の積算値が所定値に達したら電磁弁を閉弁し、他の条件にかかわらず燃料増量の供給を停止する。始動が失敗した時にはそれ以上の始動燃料供給が防止され、所謂「かぶり」を防止することができる。積算値の所定値は温度に対する回数としてマップに予め記憶しておくことにより、高精度な制御が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機関の始動時に増量した始動燃料を供給し、始動後には始動燃料を停止するようにした気化器の自動始動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機関の冷間始動時に例えば通常の燃料供給通路とは別個に設けた始動燃料供給通路を一時的に開いて、通常の燃料供給の他に増量分となる燃料(始動燃料)を供給し、機関始動後にはその始動燃料の供給を停止するようにした始動燃料供給方式の気化器の自動始動装置がある(例えば特許文献1参照。)。
【特許文献1】実願平1−96630号のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、そのような方式の気化器の自動始動装置にあっては、機関始動操作時に始動に失敗した場合には始動燃料供給通路が開放されたままとなるので、始動操作を続けている間、機関には過剰な燃料が供給され続けてしまい、そのような場合には所謂点火プラグの「かぶり」となって始動がますます困難なものとなってしまうという問題があった。
【0004】
一方、上記特許文献のものにあっては、エンジン回転数を検出すると共にエンジン温度を検出するサーミスタを設け、エンジン温度に応じたエンジン回転数の基準回転数を設定し、始動時のエンジン回転数が基準回転数以下(低温時)の場合にはソレノイドバルブを開いて始動時増量用の始動燃料を供給し、基準回転数以上(高温時)の場合にはソレノイドバルブを閉じて通常の燃料供給状態としている。
【0005】
これにより、エンジン温度に応じた始動制御を可能としているが、サーミスタをエンジン温度検出用としているため、エンジン始動に失敗するとエンジン温度が高くならず、いつまでも始動燃料供給状態となって、過剰燃料供給によりエンジン始動が困難になるという問題を解消することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決して、始動時燃料増量のための始動燃料を供給して機関始動を行うと共にその始動失敗時に始動燃料が供給され続けてしまうことを防止するために本発明に於いては、機関の低温始動時に燃料供給通路を介して供給される燃料よりも多くの燃料を吸気道に供給するべく当該燃料供給通路とは別個に始動燃料を供給するための始動燃料供給通路と、前記始動燃料供給通路を開閉する電磁弁と、前記機関の始動状態を検出する始動状態検出手段と、前記始動状態が検出された場合には前記電磁弁を開弁する制御を行う制御回路とを有する気化器の自動始動装置において、前記機関の回転を検出する回転センサと、前記回転の検出に基づいて前記機関の回転回数を積算する回転回数積算手段とを有し、前記制御回路が、前記回転回数の積算値が所定値に達したら前記電磁弁を閉弁する制御を行うものとした。
【0007】
特に、前記機関の温度を検出する機関温度検出センサを有し、前記制御回路が、前記機関の温度が所定の設定値を超えた場合には前記電磁弁の開弁制御をキャンセルすると良く、さらに、前記積算値の所定値が前記機関の温度の高低に応じて変化するようにされていると良い。また、前記制御回路が、前記機関の点火制御を行う点火回路を有するモジュールに一体化され、前記モジュールに前記電磁弁への電力供給を制御するスイッチング素子が設けられていると良い。
【発明の効果】
【0008】
このように本発明によれば、機関始動状態検出手段として例えば機関の回転を検出しかつ暖機可能なアイドリング状態に至る前の低回転速度で回転していることを回転センサで検出し、それにより始動状態であると判断された場合には電磁弁を開弁して通常の燃料供給に加えて始動燃料を供給するため、冷間始動時に濃い混合気による好適な始動を行うことができる。その始動に失敗した場合に始動燃料供給のまま回し続けると過剰燃料供給により機関の始動が困難になるが、始動状態において回転数を積算しかつその積算値が所定値を越えたら電磁弁を閉弁してそれ以上の始動燃料の供給が防止される。したがって、始動失敗時に過剰な始動燃料が供給され続けてしまうことが無く、所謂点火プラグの「かぶり」を防止でき、再度の始動性を確保することができる。上記所定値は始動失敗時に燃料供給過多により再度の始動が困難にならないとする回転回数の積算値とする。
【0009】
特に、機関温度を検出し、温度が所定値を越えた場合には制御回路による電磁弁の開弁制御をキャンセルすることにより、機関が通常の燃料供給量で十分始動可能な場合まで燃料供給を多くしてしまうことを防止できる。さらに、温度の高低に応じて積算値に対する所定値(始動燃料供給を止める回転回数)を変えることにより、例えば低温の場合には始動し難いため積算値に対する所定値を高くして始動時間を長く取れるようにし、高温の場合には始動し易いため所定値を低くして余分な燃料を供給し続けないようにすることが出来る。
【0010】
また、制御回路を点火回路とモジュール化し、モジュールに電磁弁を開閉するためのスイッチング素子を一体化することにより、点火制御用の制御素子(IC)を共用して始動制御のプログラムを組み込むことができ、部品点数の削減と配線の簡略化とを促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明が適用された機関としての小型エンジンの概略を示す模式図である。図に示されるエンジン(内燃機関)1にあっては、その吸気ポートに接続された気化器2により運転に必要な混合気が供給されるようになっている。
【0012】
図2に気化器2及び始動制御系統の概略を示す。図において、気化器2の本体4内には吸気道4aが貫通して形成され、その吸気道4aを直交状態に横切るように円柱状の回動弁体3が設けられている。回動弁体3は、上記吸気道4aを横切る向きの軸線回りに回動自在かつその軸線方向(直交方向)に変位し得るように、本体4に形成された円筒状の弁体支持室4b内に受容されている。回動弁体3にはその軸線に直交する混合気通路3aが形成されており、回動弁体3の回動量に応じて吸気道4aと混合気通路3aとの連通度が変化するようになっている。
【0013】
なお、回動弁体3に同軸に固設された回動弁体軸が本体4の外部に突出し、その突出端にはレバー5が固着されている。レバー5には図示されないスロットルワイヤが連結されており、レバー5の回動により回動弁体3が回動する。また、レバー5は本体4の端面との間で回動に応じて軸線方向変位するようにカム係合しており、カム係合によるレバー5の変位に応じて回動弁体3が軸線方向に変位する。
【0014】
本体4の図における底部にはダイヤフラム式の燃料調整機構6が設けられており、本体4内の下部の適所には外部の燃料タンク7から燃料を吸い上げて燃料調整機構6のダイヤフラムにより仕切られた燃料室内に送り込むためのダイヤフラムポンプからなる燃料ポンプ8が設けられている。燃料ポンプ8の駆動力はエンジン1のクランク室の脈動圧を利用する。
【0015】
燃料調整機構6の燃料室6aは、回動弁体3に対して同軸に設けられかつ混合気通路3a内に突出するようにされた燃料ノズル9と連通している。なお、燃料室6aから燃料ノズル9に至る燃料通路4cと燃料ノズル9とにより燃料供給通路が構成されている。燃料ノズル9には、燃料ノズル9に対向するように回動弁体3に同軸に固設された燃料調整針弁10が突入している。この燃料調整弁10が上記した回動弁体3の軸線方向変位に伴って変位することにより、燃料ノズル9の周壁に設けられた燃料噴出口の開口量が調節されて、開弁開度に応じた燃料噴出量が得られる。
【0016】
このようにして構成された気化器2にあっては、本発明に基づく始動時の燃料増量のための構造が設けられており、以下に示す。回動弁体3の下面と弁体支持室4bとの間には上記燃料増量用の始動燃料を溜めておくためのセラミックスなどの多孔質材からなる燃料溜め11が配設されている。その燃料溜め11と上記燃料室6aとが始動燃料供給通路12を介して連通しており、その始動燃料供給通路12の途中に電磁弁13が設けられている。なお、図示例の気化器2は回動弁体3を設けた構造であるが、その構造の気化器に限られるものではない。
【0017】
電磁弁13は制御回路14により開閉制御される。また、エンジン回転数を検出する回転センサ15と、エンジン1の温度を検出する機関温度検出センサとしてのエンジン温度センサ16とがエンジン1の適所に設けられている。点火プラグ17はCDI回路からなる点火回路18により制御されるようになっている。制御回路14と点火回路18とは制御ユニット19内にモジュール化されて設けられている。モジュール化することにより、点火制御用の制御素子(IC)に始動制御のプログラムを組み込むことができ、上記各回路部品を一体に組み込んで、部品点数の削減と配線の簡略化とを促進することができる。
【0018】
上記制御ユニット19は、図1に示されるようにエンジン1の適所にブラケットを介して取り付けられている。制御ユニット19の電源線にはバッテリ21が接続されており、上記した電磁弁13・回転センサ15・点火プラグ17とも各ケーブルを介して接続されている。
【0019】
次に、制御回路14及び点火回路18について図3を参照して示す。本点火回路18はCDI回路として構成されており、例えば回転センサ15に一体化されているエキサイタコイル22の一方の端子にダイオードD1を介してコンデンサC1が接続され、エキサイタコイル22の他方の端子が接地されている。ダイオードD1及びコンデンサC1の接続点と接地との間にはサイリスタSCRと逆向き接続のダイオードD2とがそれぞれ接続されている。そして、コンデンサC1と接地との間にイグニッションコイルの一次コイルL1が接続され、その二次コイルL2に点火コイル17が接続されている。
【0020】
制御回路14内にはプログラムに基づき制御を行うIC14aが設けられている。また、バッテリ21にコレクタを接続されたnpn型トランジスタTR1が設けられており、そのエミッタが電磁弁13(コイル)に接続されている。トランジスタTR1のエミッタはpnp型トランジスタTR2のコレクタとも接続されており、そのトランジスタTR2はIC14aの出力端子O4からの出力信号により制御されるようになっている。トランジスタTR1がオンしてトランジスタTR2がオフで電磁弁13が励磁(開弁)され、トランジスタTR1のオンかつトランジスタTR2のオンでは電磁弁13は非励磁(閉弁)となる。
【0021】
そして、IC14aの出力端子O3からトランジスタTR2のベースに至るスイッチング素子の制御線がサーミスタ23を介して接地されている。このサーミスタ23は、制御回路14の上記モジュール化と共に組み込まれていて良い。なお、制御ユニット19が上記したようにエンジン1の適所(例えばシリンダブロックの外壁面)に取り付けられていることから、サーミスタ23はエンジン温度の影響を直接的に受けるのと同様の状態にあり、サーミスタ23の抵抗変化によりエンジン温度を検出することができる。
【0022】
また、IC14aの出力端子O1にはサイリスタSCRのゲートが接続されており、IC14aの入力端子I2には回転センサ15の信号コイルの一端がダイオードD3を介して接続されている。なお、回転センサ15の信号コイルの他端は接地され、信号コイルの両端間には定電圧用としてツェナーダイオードZDが接続されている。また、IC14aの入力端子I5にはデータをマップとして保存しているマップ回路14bが接続されている。このデータマップは、始動時のエンジン回転回数の積算値の所定値をエンジン温度に応じて可変とするように予め記憶されている。したがって、基準となるエンジン温度の入力としてエンジン温度センサ16がマップ回路14bに接続されている。
【0023】
このようにして構成された気化器の自動始動装置の作動要領について図4のタイムチャートを参照して以下に示す。先ず、図示されないセルスタータによりエンジン1をクランキングする。なお、セルスタータの代わりにリコイルスタータを用いるものであっても良い。また、制御ユニット19は、回転センサ15による回転検出信号に応じて作動状態になるものであって良い。そして、回転センサ15により検出された回転基準信号に基づいた点火時期に応じてIC14aの出力端子O1から点火回路18のサイリスタSCRのゲートに点火信号が出力される。点火回路18にあってはエキサイタコイル22による発電電流が供給されるため、サイリスタSCRのオンオフに応じてコンデンサC1が充放電され、点火コイル17が所定の点火時期にて点火する。
【0024】
また、IC14aでは上記回転センサ15の回転基準信号(図4のI2のH信号)に応じてエンジン1の回転回数を積算する。IC14aにあっては、1発目の回転基準信号をカウントしたら出力端子O3からオン信号を出力し、回転回数の積算値とマップ回路14bの所定値(例えば図4のNd)とを比較し、積算値が所定値Ndに達したら出力端子O3からの出力をオフとする。したがって、回転基準信号の1発目から所定値Ndに至るまで電磁弁13が開弁する。
【0025】
低温状態での始動にあっては、電磁弁13が開弁することにより、始動燃料供給通路12の電磁弁13による遮断状態が解除され、燃料室6aから燃料溜め11に燃料が送油可能になる。なお、燃料溜め11に溜められている始動燃料は、回動弁体3の外周面と弁体支持室4bの内周面との隙間から吸気道4a内に吸い出される。このようにして始動時の燃料を増量することにより、低温時のエンジン1の始動が可能になる。
【0026】
なお、上記出力端子O3のオン信号と合わせて出力端子O4からもオン信号が出力されて、その間トランジスタTR2がオフ状態となる。これは、一般的なトランジスタ回路にあっては、トランジスタのベース及び接地間の電位差が1.2V程度以下が必要とされるのに対して、出力端子O4からの出力電圧は5Vに近いので、トランジスタTR2のベース及び接地間電位はサーミスタ23が低抵抗化するまで高電位に保たれて、トランジスタTR2は導通状態にならないためである。そのトランジスタTR2のオフ状態は、出力端子O4からの出力がサーミスタ23に流れて、サーミスタ23が発熱して低抵抗化してトランジスタTR2のベース電流がサーミスタ23を通って接地側に流れるようになるまで続く。この動作により、エンジン1の低温時であってもサーミスタ23が発熱して低抵抗になった場合には、トランジスタTR2が導通状態になって電磁弁13に流れる電流をバイパスして電磁弁13を閉じることができる。したがって、低温始動時に始動失敗しても過度の燃料を供給することがなく、常にエンジンの良好な始動性を確保することができる。さらにサーミスタ23は、エンジン1の温度が運転停止直後のような一定の温度以上の場合や、周囲温度が同様の温度となっている場合には、始動前から低抵抗化になっているので、電磁弁13の電流をトランジスタTR2でバイパスできる。そのような場合においても、電磁弁13を開弁せずに余分な燃料の供給を防止できる。
【0027】
電磁弁13の閉弁により、始動燃料供給通路12を介しての燃料室6aと燃料溜め11との連通が遮断されるため、燃料溜め11の燃料が吸気道4aに吸い出され無くなって、燃料ノズル9を介して通常の燃料供給状態に戻る。したがって、通常運転可能な高温時には燃料増量による始動が必要ないことに対応し得る。
【0028】
積算値が上記所定値Ndに達する所定値の設定は、冷間始動時にサーミスタ23による閉弁の前に達するようにすると良い(例えば0℃以下で30回)。それにより、エンジン1が始動に成功した場合においても電磁弁13の閉弁動作が早く行われることになり、オーバチョークを好適に防止することができる。
【0029】
積算値と比較する所定値にあっては、上記したようにエンジン温度センサ16により検出されたエンジン温度の高低に応じて可変とする。具体的にはマップ回路14bに記憶させておくデータマップを図5のようにすると良い。図において、横軸をエンジン温度、縦軸をエンジン回転回数の積算値としている。この図のように設定した場合には、エンジン温度が0℃までは所定値は30回(=Nd)であり、5℃上がる毎に5回ずつ減り、25℃以上では0回となる。したがって、エンジン温度が25℃以上の場合(温暖雰囲気下)の始動時には燃料増量を行わない。
【0030】
また、積算値が所定値Ndに達する前にエンジン温度が所定温度(例えば25℃)に達した場合には、図4の中間部分に示されるように出力端子O4の出力をオフとして電磁弁13を閉じる。エンジン1が暖機に充分な温度になった場合にはそれ以上の始動燃料の増量を必要としないため、上記のように制御することにより、過剰燃料の供給を好適に防止できる。
【0031】
また、積算値が所定値Ndに達する前にエンジン1が運転状態(アイドリング状態)のになった場合にはそれをエンジン回転速度の上昇で判断することができ、その場合には燃料を増量して運転する必要がないため、図4の右側部分に示されるように電磁弁13を閉弁する。
【0032】
このように、低回転・低温時に電磁弁13を開く制御を行っている場合に、何らかの原因により始動に失敗しても、雰囲気温度(図示例ではエンジン温度)に応じた回転回数を設定して、それ以上の回転に対しては燃料増量を行わないことから、増量された燃料によりエンジン1のシリンダ内が濡れた状態(点火プラグ17の所謂「かぶる」状態)になって一端クランキングを停止した後に再始動しようとする場合に始動できなくなってしまうことを防止することができる。また、再始動始動時には燃料増量による始動制御を再開するが、上記制御によりし再始動時のオーバチョーク発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明が適用された小型エンジンの小型エンジンの概略を示す模式図である。
【図2】気化器及び始動制御系統の概略を示す図である。
【図3】本発明に基づく制御回路の要部を示す図である。
【図4】本発明によるタイムチャートを示す図である。
【図5】データマップを示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 エンジン
2 気化器
4a 吸気道、4c 燃料通路
9 燃料ノズル
12 始動燃料供給通路
13 電磁弁
14 制御回路、14a IC
16 エンジン温度センサ
18 点火制御回路
19 制御ユニット
23 サーミスタ
TR1・TR2 トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機関の低温始動時に燃料供給通路を介して供給される燃料よりも多くの燃料を吸気道に供給するべく当該燃料供給通路とは別個に始動燃料を供給するための始動燃料供給通路と、前記始動燃料供給通路を開閉する電磁弁と、前記機関の始動状態を検出する始動状態検出手段と、前記始動状態が検出された場合には前記電磁弁を開弁する制御を行う制御回路とを有する気化器の自動始動装置において、
前記機関の回転を検出する回転センサと、前記回転の検出に基づいて前記機関の回転回数を積算する回転回数積算手段とを有し、
前記制御回路が、前記回転回数の積算値が所定値に達したら前記電磁弁を閉弁する制御を行うことを特徴とする気化器の自動始動装置。
【請求項2】
前記機関の温度を検出する機関温度検出センサを有し、
前記制御回路が、前記機関の温度が所定の設定値を超えた場合には前記電磁弁の開弁制御をキャンセルすることを特徴とする請求項1に記載の気化器の自動始動装置。
【請求項3】
前記積算値の所定値が前記機関の温度の高低に応じて変化するようにされていることを特徴とする請求項2に記載の気化器の自動始動装置。
【請求項4】
前記制御回路が、前記機関の点火制御を行う点火回路を有するモジュールに一体化され、
前記モジュールに前記電磁弁への電力供給を制御するスイッチング素子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気化器の自動始動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−113444(P2007−113444A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−304095(P2005−304095)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(390008877)TI Walbro Japan株式会社 (39)
【Fターム(参考)】