説明

気密管及びその製造方法

連続的なインラインプロセスで製造される、蒸気拡散を効果的に防止する多層テープで包み込まれた管は、インナチューブ層、中央拡散バリア層及び外側の外被層の3個の個別の層を備える。インナチューブ層は、液体及び蒸気に接触する。通常は、管を介して拡散する虞がある蒸気の拡散は、拡散バリア層によって防がれる。拡散バリア層は、熱可塑性材料の層の間に挟み込まれた、水蒸気拡散率が極めて低い拡散バリアフィルムを含むラミネートである。拡散バリア層は、1回以上、インナチューブに巻き付けられる。外側の外被層は、拡散バリア層で包み込まれたインナチューブに押出成形されるポリマ製の外被である。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条第(e)項に基づき、2006年1月30日に出願された、係属中の米国仮特許出願第60/763,566号、発明の名称「テープで包み込まれた多層管及びその製造方法(Taped-wraped Multilayer Tubing and Methods Making The Same)」の優先権を主張する。この文献は、引用によって本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、流体拡散損失を防止する流体輸送システムに関する。具体的には、本発明は、液体冷却装置に使用されるテープで包み込まれた多層管及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
システム内のポイント間で流体を輸送するために管を必要とする多くの種類の流体輸送システムが存在している。このようなシステム、特に循環型のシステムでは、水蒸気透過による損失又は流体混合物の成分の損失に起因する流体の拡散が問題となる。例えば、3つの成分からなる混合流体があり、各成分の拡散率又は浸透率が異なる場合、既知の管では、拡散率が高いために、これらの成分の濃度比率が時間の経過に伴って変化してしまう。
【0004】
電子回路のための冷却装置の分野でも、この種の問題が生じる。この分野では、半導体チップを冷却する必要がある。この冷却の必要性が高まるにつれて、従来の設計では、対応が困難になってきている。更に、近年の高性能プロセッサは、非常に高い熱消散性能を要求する。しかしながら、ファンが取り付けられたヒートシンクと、ヒートパイプとを含む周知の冷却法には、多くの制約がある。ファンが取り付けられたヒートシンクでは、最新のプロセッサを冷却するために十分な速度で空気を移動させることができず、又は電子回路を収納する筐体から熱気を十分に取り除くことができない。一方、ヒートパイプは、消散できる熱量が限られており、更に、熱源から熱を輸送できる距離も限られている。したがって、ヒートパイプ又はファンが取り付けられたヒートシンクを用いる従来の冷却技術は、高性能プロセッサ等の最新の電子回路を冷却するには適さない。
【0005】
大きな熱を発生する半導体チップを冷却するには、液体冷却剤を用いるシステムが有効である。このような液体冷却システムでは、流体を輸送するために管を必要とする。このような冷却装置の具体例は、米国特許番号7,000,684号及び米国仮特許出願第60/788,545号、発明の名称「マルチチップ冷却(Multi-Chip Cooling)」に開示されている。これらの文献は、引用によって本願に援用される。このようなシステムでは、流体は、管を介して移動し、半導体チップから発生した熱を消散する。
【0006】
これらの液体冷却システムでは、管の境界に亘って、水蒸気濃度勾配(vapor concentration gradient)が存在する。冷却状態では、加熱された冷却剤は、管の内壁の反対側における濃度が低いために、管の壁を透過して消散する。この内側の管の両側が実質的な均衡状態となり、水蒸気濃度勾配が実質的にゼロになるまで、拡散は止まらない。
【0007】
液体冷却装置における水蒸気の拡散は、それ自体問題であり、これによって、システム内が完全に乾燥してしまえば、問題は更に深刻になる。ラジエータを用いる液体冷却装置では、流体の損失に伴って、熱性能が徐々に劣化する。更に、流体をポンプ輸送する液体冷却装置では、流体の実質的な損失によって、最終的にはオーバーヒートが生じる。
【0008】
蒸気による損失の問題の1つの解決策として、水蒸気透過率が低い管を用いる手法が知られている。このような管の具体例としては、金属管がある。このような管を使用する場合、金属の剛性、金属のコスト及び組立の困難性等のために、設計が困難である。更に、このようなシステムにおいて、合成金属を用いると、腐食及びチューブ、ポンプ又はラジエータの閉塞が生じやすい。
【0009】
そこで、柔軟性が高く、水蒸気透過率が非常に低い管の実現が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施の形態では、拡散バリアの柔軟性を高めると共に、水蒸気透過率を低くしたハイブリッド多層管構造を提供する。したがって、本発明の目的は、柔軟性が高く、有効な蒸気拡散バリアを有するテープで包み込まれた多層管及び連続するインラインプロセスで、このような多層管を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
多層テープで包み込まれた管は、蒸気の拡散を効果的に防止するように構成され、連続したインラインプロセスによって製造される。多層のテープで包み込まれた管は、インナチューブ層、拡散バリア層及び外側外被層の3個の個別の層を備えていてもよい。インナチューブ層は、液体及び蒸気と接触する。通常の設計では、管から拡散する虞があった蒸気の拡散は、拡散バリア層によって阻止される。拡散バリア層は、熱可塑性材料の層間に挟み込まれた水蒸気拡散率が非常に低い拡散バリアフィルムを含むラミネートである。拡散バリア層は、インナチューブに一回以上巻回される。外側の外被層は、拡散バリア層で包み込まれたインナチューブ上に接合できるポリマ製の外被である。
【0012】
本発明の他の側面は、連続したインラインプロセスで多層テープで包み込まれた管を効率的に製造する製造方法を提供する。まず、インナチューブ及び拡散バリアテープを被覆装置に案内する。この被覆装置は、拡散バリアテープで管を包み込み、ここで、継目が形成される。そして、拡散バリアテープで包み込まれたインナチューブは、シーラ装置に案内され、継目が封止される。そして、拡散バリアテープで包み込まれ、密封されたインナチューブは、押出機に案内され、ここで、外側の外被層がインナチューブに押出成形される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下では、説明の目的のために多くの詳細事項を開示する。しかしながら、これらの具体的な詳細事項を用いることなく、本発明を実施できることは、当業者にとって明らかである。
【0014】
図1A〜図1Cは、本発明の理解を容易にするために、従来のポリマ管を用いる冷却装置における、蒸気の拡散に起因する液体の損失を説明する図である。図1Aは、時刻(t)=0における、元の量の蒸気110で満たされたポリマ管100を示している。蒸気110は、冷却装置内の元の水蒸気の100%である。
【0015】
図1Bは、時刻(t)=0の後の、ある時刻t=Δtにおける同じポリマ管100を表している。時刻t=Δtでは、管内の蒸気の濃度が、管外の蒸気の濃度より高いために、ポリマ管壁を介して、幾らかの蒸気が拡散している。拡散した水蒸気の粒子120は、冷却装置の外に出る。このような現象が生じると、ポリマ管100内の蒸気130の量は、蒸気110の元の量より少なくなる。図1Cは、時刻t=tcriticalにおける同じポリマ管100を表している。時刻t=tcriticalでは、ポリマ管100内の殆ど全ての蒸気が、管壁を介して拡散している。最終的には、ポリマ管100の内部の蒸気140の濃度は、外部の濃度に等しくなる。
【0016】
図2A〜図2Cは、本発明の理解を容易にするために、拡散バリアを用いることによって、冷却装置における拡散の可能性がある管からの水蒸気拡散の問題をどのように解決するかを説明する図である。図2A〜図2Cは、ポリマ管200が拡散バリア層220内に包み込まれ、実質的な密封シールポイント210を有する冷却装置を示している。本発明の一実施の形態においては、この拡散バリア層220は、図4に示すように、多層テープラミネートである。
【0017】
図2Aは、時刻(t)=0におけるポリマ管200を示している。図2Aでは、ポリマ管200は、ある元の量の蒸気230で満たされており、拡散バリア包囲領域240は、空である。蒸気230は、冷却装置内の元の水蒸気の100%である。
【0018】
図2Bは、時刻(t)=0の後の、ある時刻t=Δtにおける同じポリマ管200を表している。時刻t=Δtでは、管内の蒸気の濃度が、管外の蒸気の濃度より高いために、ポリマ管壁を介して、幾らかの蒸気が拡散している。拡散した水蒸気の粒子250は、ポリマ管200の外に出る。このような現象が生じると、ポリマ管200内の蒸気260の量は、蒸気230の元の量より少なくなる。これに対応して、拡散バリア層の蒸気透過率は非常に低く、ポリマ管200と拡散バリア層220との間で蒸気が捕らえられるので、拡散バリア包囲領域240の蒸気の量が増加する。
【0019】
図2Cは、時刻t=tequilibriumにおける同じポリマ管200を示している。時刻t=tequilibriumでは、ポリマ管200の内部の蒸気270の濃度と等しくなるために必要な粒子250が、拡散バリア包囲領域240に拡散している。すなわち、時刻t=tequilibriumでは、拡散バリア包囲領域240と、ポリマ管200の内部との間で、水蒸気濃度勾配が実質的にゼロになり、均衡に達している。
【0020】
本発明の多層膜テープで包み込まれた管の一実施の形態を図3に示す。領域310は、液体冷却装置内の液体が流される空洞である。インナチューブ層320は、領域310を輸送される流体に接触するフレキシブル管である。インナチューブ層320は、好ましくは、実質的に筒状であるが、他の構成も想定される。インナチューブ層320の幾つかの好適な特性としては、以下に限定されるわけではないが、例えば、良好な柔軟性、捻れ抵抗、不活性、押出加工の間の熱機械的及び寸法的安定性、及び漏れなし継手のためのコネクタへの連結の容易性等がある。インナチューブ層の候補となる材料は、具体例に応じて、可能な様々な候補があり、以下に限定されるものではないが、例えば、(1)ポリオレフィン、改質ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ビニル樹脂等の熱可塑性材料と、
(2)ポリブタジエン、ポリエステル等のオレフィン系の熱可塑性エラストマと、スチレン系の熱可塑性エラストマと、ビニル化合物と、
(3)ブチルゴム、PIB、EPDM、NBR、SBR等のゴムと、白金硬化性又は過酸化物硬化性シリコーンゴムとを用いてもよい。更に、熱機械的特性及び捻れ抵抗の特性を改善するために管を補強してもよい。
【0021】
拡散バリアテープラミネート層又は拡散バリア層330は、水蒸気拡散を防ぐ包みとなる。一実施の形態においては、拡散バリアテープラミネート層又は拡散バリア層330は、インナチューブ層320を包み込み、熱圧によって密封される。好ましい実施の形態では、拡散バリア層テープラミネート層又は拡散バリア層330は、柔軟性を有し、信頼性が高く、製造可能な包装のために必要な穴あき、引裂、及び引っ張りに対する適切な強さを有し、低い水蒸気透過特性を実現するために連続した拡散バリアを生成する能力を有する。
【0022】
本発明は、様々なバリアテープラミネート構成を提案する。例えば、図4Aは、本発明の一実施の形態として、単一の拡散バリアテープラミネート400を示している。なお、この図では、各層は、実際の寸法と同じ比率では描かれていない。この実施の形態では、単一の拡散バリアテープラミネート層400は、拡散バリア材(拡散バリアフィルムとも言う。)410、熱可塑性フィルム層430、440及び接合層420を含む多層テープラミネートである。拡散バリアフィルム410は、水蒸気透過について非常に高い耐性を有する。幾つかの実施の形態では、拡散バリアフィルム410は、アルミニウム箔である。他の実施の形態では、拡散バリアフィルム410は、ナイロン等のポリアミドからなる。また、拡散バリアフィルム410は、アルカー(Alcar)等の透明ポリマ、アライドシグナル社(AlliedSignal)が製造しているポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、デュポン社(DuPont)が製造しているサラン(Saran:塩化ポリビニリデン)又はテドラー(Tedlar:ポリフッ化ビニル)又は他の適切な任意の材料によって製造してもよい。本発明の幾つかの実施の形態では、拡散バリアフィルム410は、熱可塑性フィルム層430、440の間に挟み込まれる。これらの熱可塑性フィルム層430、440は、適切な圧力及び熱の印加によってヒートシールできるため、接着剤として機能する。好ましい実施の形態では、これらの熱可塑性フィルム層430、400は、低融解温度(120℃以下)の低密度ポリエチレンである。他の実施の形態では、外側の熱可塑性フィルム層430、440は、改質ポリエチレンの一種から形成される。
【0023】
幾つかの実施の形態では、熱可塑性フィルム層430は、接合層420を介して拡散バリアフィルム410に接着される。幾つかの実施の形態では、この接着は、無溶剤接着ラミネート法(solvent-less adhesion laminating technique)を用いて実現される。幾つかの実施の形態では、熱可塑性フィルム層440は、プラスチック加圧押出コーティング加工法(plastic pressure extrusion coating process)を用いて、ラミネート層境界450において、拡散バリアフィルム410上に熱可塑性フィルム層440を押出成形することによって、拡散バリアフィルム410に接着される。幾つかの実施の形態では、拡散バリアフィルム410は、2つの熱可塑性フィルム層430、440の間に挟み込まれた複数の拡散バリア材層を備える。
【0024】
熱可塑性フィルム層430、440は、従来の技術に対する大きな利点を有する。このように、拡散バリアフィルムの両側に熱可塑性の層を用いることによって、熱可塑性フィルム層430、440が、適切な熱圧で処理することによって、互いに容易に接着されるため、連続するインラインプロセスでインナチューブを包み込むことができる。
【0025】
図4Bは、好適な拡散バリアテープラミネート構成の具体例を示している。この図4Bは、更なる層425を有する拡散バリアラミネートを示している。単一の拡散バリアテープラミネート層400は、拡散バリア材410、熱可塑性フィルム層430、440及び接合層420を含む多層テープラミネートである。更なる層425は、例えば、ナイロン等のポリアミド層である。拡散バリアテープラミネートにポリアミド層を含めることによって、拡散バリアフィルムの引裂強さを大いに高めることができる。引裂強さのこの改善は、水蒸気拡散に関する所望の結果と組み合わされて、予想を上回る結果を提供した。すなわち、引裂強さの改善によって、管の曲げ特性も向上する。また、引裂強さの改善によって、これまで可能であった以上の高い膨張比によって、拡散バリアの完全気密密閉性を維持しながら、突起があるジョイント上でも管を使用することができる。
【0026】
本発明の幾つかの実施の形態では、2つ以上の拡散バリアテープラミネート層400を採用する。この場合、柔軟性が犠牲となり、構造は複雑になるが、複数の拡散バリアテープラミネート層によって、穴あき、引裂、及び引っ張りに対する強さが向上し、水蒸気透過特性が更に低くなり、1回の不完全な気密密閉による影響を実質的に排除することができる。
【0027】
図3に示すように、多層テープで包み込まれた管の幾つかの実施の形態は、気密管の保護及び一体化のための外被層340を備える。また、外被層340の厚さは、拡散バリアテープラミネートで包み込まれた管300の捻れ特性に影響する。外被層340の厚さを変更することによって、捻れによって管内の流体のフローが妨害されない限界まで、管をどれ程曲げることができるかを変更することができる。好ましい実施の形態で外側の層である外被層340は、ポリマ製の外被である。また、多層管構造の全体の耐熱性を高めるために、外被層340は、難燃性の材料から形成してもよい。
【0028】
幾つかの実施の形態では、外被層340は、連続したインラインの加圧押出工法を用いて装着される。変形例では、チューブ押出工法(tube extrusion process)又は準加圧押出工法(semi-pressure extrusion process)を用いる。更に他の実施の形態では、熱収縮加工法を利用し、外被層340は、熱収縮チューブとして装着される。外被層340を形成するための代替の手法は、それぞれ個別の製造上の利点があるが、これらは、全て、更なる熱圧の使用のために、拡散バリア層330における気密性が不完全になる可能性を低減することができる。好ましい実施の形態では、加圧押出加工工程における更なる熱圧によって、熱可塑性フィルム層430、440(図4)の拡散バリア材への一層のヒートシールが実現され、更に、拡散バリア層330のインナチューブ320への接着が強められる。
【0029】
また、外被層340は、内側にある拡散バリア層330を、取り扱い、組立及びクランピングの間の穴あき又は引裂から保護する。幾つかの実施の形態では、外側の外被層の捻れ耐性を改善するために、拡散バリア層330と外被層340との間に編成された補強層(図示せず)を設けてもよく、又はこのような補強層を外被層340に埋め込んでもよい。他の実施の形態では、内層を更に保護するために、複数の外被層(図示せず)を設ける。幾つかの実施の形態では、外被層の厚さは、1mm〜0.5インチの範囲とする。
【0030】
図5は、本発明の幾つかの実施の形態に基づくテープで包み込まれた多層管を製造するための1つの手順を示すフローチャートである。ステップ555では、インナチューブ及び拡散バリアテープラミネートを形成する。一実施の形態においては、インナチューブは、チューブ押出加工によって形成されるが、インナチューブを形成するために他の手法を用いてもよい。一実施の形態においては、加圧押出加工で拡散バリア材上に熱可塑性材料の2つの層を形成することによって、拡散バリアテープラミネートを形成する。また、熱可塑性材料は、準加圧押出工法を用いて形成してもよい。幾つかの実施の形態では、拡散バリア材と熱可塑性材料との間に、接合層として機能する接着剤を挟み込む。
【0031】
本発明の各層は、例えば、押出工法、カレンダー加工法又はラミネート加工法等の他のプロセスを用いて形成してもよい。本発明の各層をどのように形成するかを説明するために、特定の具体例を示しているが、他の適切な如何なるプロセスを用いて、これらを形成してもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0032】
次に、ステップ560において、材料を被覆機(wrapper)に供給する。ここでは、まだ核酸バリアテープラミネートで包み込まれていないインナチューブを第1の被覆機に供給する。幾つかの実施の形態では、先に包み込まれ、密封された管を、第1の被覆機に後続する1つ又は複数の連続する被覆機に供給する。幾つかの実施の形態では、図6を用いて後述するように、被覆機は、紙巻きタバコを包装する被覆機と同様の被覆機である。他の実施の形態として、被覆機は、合掌包装(flag wrapping)(図7A、図7B及び図7Cに示す。)、螺旋状の包装(helical wrapping)(図8に示す。)又は他の適切な如何なる包装を行ってもよい。
【0033】
次に、ステップ565において、被覆機は、拡散バリアテープラミネートによって、インナチューブの周囲を包み込む。これに代えて、被覆機は、拡散バリアテープラミネートの更なる層によって、既に包み込まれているインナチューブを包み込んでもよい。被覆機は、管の略全長に亘って、拡散バリアテープラミネートが重なる継目が形成されるように、管を包み込む。
【0034】
ステップ570では、包み込まれた管を第1のシーラ(密封機)に供給する。ステップ575において、シーラは、包み込まれた管の継目に熱圧を加え、継目を封止する。シーラは、好ましくは、拡散バリアテープラミネートの熱可塑性材料を溶かし、継目が互いに接着されるために十分な熱圧を加える。軟化点を超え、継目を接着させるために十分な加熱温度は、約120℃である。
【0035】
本発明の幾つかの実施の形態では、継目の接合層だけが互いに封止され、拡散バリアテープラミネートは、インナチューブに接着されない。このような実施の形態は、インナチューブがシリコーンである場合に好ましい。シリコーンは、拡散バリアテープラミネートの内層に接着されず、したがって、管が曲げられたとき、拡散バリアテープラミネート内でスライドすることができる。このようなスライドによって、拡散バリアテープラミネートが引き裂かれる可能性を低めることができる。他の実施の形態では、シーラは、拡散バリアテープラミネートに継目及びインナチューブを接着させるための十分な熱圧を加える。幾つかの実施の形態では、第1のシーラに後続する更なるシーラによって、更なる熱圧を加え、インナチューブを拡散バリアテープラミネートに更に接着させ、継目を互いに接着させる。
【0036】
幾つかの実施の形態では、ステップ580において、包み込まれた管は、先の被覆機及びシーラに後続する更なる被覆機及びシーラに供給される。幾つかの実施の形態では、これらの被覆機及びシーラは、異なる構成で、管の周囲の異なる軸方向位置に継目を形成する。他の実施の形態では、ステップ580において、管は、1つの被覆機及び1つのシーラのみに供給される。幾つかの実施の形態では、ステップ590において、包み込まれ、密封された管に外被層を形成する。これに代えて、管に外被層を設けなくてもよい。幾つかの実施の形態では、外被層は、加圧押出工法を用いて形成される。他の実施の形態では、外被層は、準加圧押出工法(semi-pressure extrusion process)を用いて形成される。幾つかの実施の形態では、包み込まれた管に外被層を形成するために用いられる処理によって、更なる熱圧が供給され、インナチューブが拡散バリアテープに更に強く接着され、及び1つ又は複数の継目が互いに更に強く接着される。
【0037】
本発明の幾つかの実施の形態では、熱収縮加工法を用いて、拡散バリアテープラミネートで包み込まれた管に外被を形成する。この実施の形態では、インナチューブは、まず、連続するインラインプロセスによって、1回又は複数回、包み込み及び封止され、次に、熱収縮外被によって覆われる。
【0038】
図6〜図9は、インナチューブの周りに拡散バリアテープラミネートを包み込む様々な手法を示している。本明細書では、3つの特定の包み込みの手法を示すが、他の種類の包み込みを行ってもよい。
【0039】
図6は、本発明の一実施の形態に基づく、所謂「紙巻きタバコ型の」包装方法を示している。この実施の形態では、インナチューブ600は、拡散バリアテープラミネート620と共に被覆機610に供給される。図5に関連して上述したように、インナチューブ600は、必要に応じて、このプロセスの前に、インラインで、押出加工によって形成してもよい。同様に拡散バリアテープラミネートは、このプロセスの前に、インラインで形成してもよい。拡散バリアテープラミネート620は、デバイス630を介して供給され、デバイス630は、インナチューブ600が被覆機610内を案内される間に、インナチューブ600の周りに拡散バリアテープラミネート620を巻き付ける。この巻き付けの後、拡散バリアテープラミネート重複部分640のある領域が、拡散バリアテープラミネート620の他の部分に重なる。拡散バリアテープラミネートが重なる部分の割合は、全体の10%〜25%とすることが好ましいが、この他の割合であってもよい。拡散バリアテープラミネート620の重複部分は、熱可塑性の表面を有し(図4の430、440参照)、互いにヒートシールすることができる。拡散バリアテープラミネート重複部分640の領域を有する拡散バリアテープラミネート620で包み込まれたインナチューブ650は、ヒートシーラ660に供給される。ヒートシーラ660は、拡散バリアテープラミネート重複部分640及びインナチューブに接触している熱可塑性材料に、適切な熱圧を加え、拡散バリアテープラミネートで包み込まれたインナチューブ650を気密密閉する。
【0040】
本発明の一実施の形態においては、1つ以上の更なる拡散バリアテープラミネート(図示せず)の層を形成するために、外被を被覆する前に、包み込み及び封止工程を繰り返してもよい。一実施の形態においては、同じ手法を用いて、拡散バリアテープラミネートの1つ以上の更なる層による包み込みを行うが、異なる手法を用いて更なる包み込みを行ってもよい。同じ手法を用いて、拡散バリアテープラミネート620の複数の層でインナチューブ600を包み込む場合、拡散バリアテープラミネート重複部分640の領域間の距離が遠くなるように、継目をずらすことが好ましい。
【0041】
一実施の形態においては、拡散バリアテープラミネート620の少なくとも1つの層によって包み込まれ、ヒートシーラ660によって気密密閉されたインナチューブ600は、押出機680に案内され、外側の外被層690が装着される。外側の外被層690の装着には、以下に限定されるものではないが、連続したインライン加圧押出工法、チューブ押出工法又は準加圧押出工法等の様々な手法を用いることができる。
【0042】
図7A〜図7Cは、本発明に基づき、合掌包装(flag wrapping)を用いて、テープで包み込まれた多層管を示している。この包み込み方法では、合掌被覆機(図示せず)を用いて、インナチューブ710の周りに拡散バリアテープラミネート720を包み込む。合掌包装されたインナチューブの合掌部分(flag)730は、後に包み込まれたインナチューブに折り重ねられ、封止される。ある実施の形態では、包み込まれたインナチューブに折り重ねられる合掌部分730の長さは、約1mm〜20mmの範囲とする。封止され、折り畳まれた合掌部分730の帯の長さは、包み込まれたインナチューブの全長に亘る。本発明の一実施の形態においては、1つ以上の更なる拡散バリアテープラミネート(図示せず)の層を形成するために、外被を被覆する前に、包み込み及び封止工程を繰り返してもよい。一実施の形態においては、同じ手法を用いて、拡散バリアテープラミネートの1つ以上の更なる層による包み込みを行うが、異なる手法を用いて更なる包み込みを行ってもよい。図7Cは、合掌包装され、気密密閉されたインナチューブ740に、外側の外被層750が装着された状態を示している。
【0043】
本発明の他の実施の形態では、合掌包装を用いる場合、包装後に合掌部分をトリミングしてもよい。図7D、図7E及び図7Fは、本発明の実施の形態に基づく、合掌包装された管を示す。図7Dに示すように、拡散バリアテープラミネート720は、インナチューブ710の周りを包み込む。合掌包装されたインナチューブの垂直に延びる合掌部分730は、連続したインラインプロセスの一部として、後にトリミングされる。図7Eは、トリミング処理後の合掌包装されたインナーチューブを示している。図7Eに示すように、短い突出部760が残され、インナチューブ710から僅かに突出している。図7Cは、合掌包装され、気密密閉されたインナチューブ740に、外側の外被層750が装着された状態を示している。
【0044】
図8は、本発明に基づき、螺旋状の包装を用いて、テープで包み込まれた多層管を示している。この包装方法では、螺旋状被覆機(図示せず)を用いて、インナチューブ810の周りに拡散バリアテープラミネート820を包み込む。螺旋状被覆機は、インナチューブ810の長手方向の周囲に、螺旋状に連続的に重なるように拡散バリアテープラミネート820を包み込む。螺旋状に包み込まれた拡散バリアテープラミネート820は、重複部分830を形成する。好ましくは、螺旋状に包装された拡散バリアテープラミネートが重なる部分の割合は、全体の25%〜55%とすることが好ましいが、この他の割合であってもよい。螺旋状に巻回された拡散バリアテープラミネートが密封された後に、外側の外被層840が装着される。
【0045】
本発明の一実施の形態においては、1つ以上の更なる拡散バリアテープラミネート(図示せず)の層を形成するために、外被を被覆する前に、包み込み及び封止工程を繰り返してもよい。連続したインラインプロセスによって、更なる包み込み及び封止を行ってもよい。これに代えて、例えば、テープで包み込まれた管をスプールし、次に、以前にテープで包み込まれた管を被覆機及びシーラに再び供給することによって、更なる包み込み及び封止を順次的に行ってもよい。これらの被覆機及びシーラは、先と同じ被覆機及びシーラであってもよい。一実施の形態においては、同じ手法を用いて、拡散バリアテープラミネートの1つ以上の更なる層による包み込みを行う。これに代えて、異なる手法を用いて拡散バリアテープラミネートの1つ以上の更なる層の包み込みを行ってもよい。幾つかの実施の形態では、時計回りの螺旋状の包装加工法を用いて、拡散バリアテープラミネートの第1の層を包み込み、拡散バリアテープラミネートの更なる層は、逆時計回りの螺旋状の包装加工法を用いて包み込んでもよく、この逆の手順の包み込みを行ってもよい。また、幾つかの実施の形態では、更なる層の包み込みによって形成される継目が、インナチューブの上の軸方向の異なる位置に位置するようにしてもよい。
【0046】
本発明の構成及び動作原理を明瞭に説明するために、様々な詳細を含む特定の実施の形態を用いて本発明を説明した。このような特定の実施の形態の説明及びその詳細は、特許請求の範囲を制限するものではない。本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、例示的に選択された実施例を変更できることは、当業者にとって明らかである。特に、本発明の装置及び方法は、幾つかの異なる手法で実現でき、複数の異なる外観を有することができることは当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】時刻t=0における、蒸気拡散を防ぐ更なる拡散バリアがないプラスチック管で引き起こる拡散プロセスを示す図である。
【図1B】時刻t=Δtにおける、蒸気拡散を防ぐ更なる拡散バリアがないプラスチック管で引き起こる拡散プロセスを示す図である。
【図1C】時刻t=tcriticalにおける、蒸気拡散を防ぐ更なる拡散バリアがないプラスチック管で引き起こる拡散プロセスを示す図である。
【図2A】時刻t=0における、拡散バリア層を備えるプラスチック管で引き起こる拡散プロセスを示す図である。
【図2B】時刻t=Δtにおける、拡散バリア層を備えるプラスチック管で引き起こる拡散プロセスを示す図である。
【図2C】時刻t=tequilibriumにおける、拡散バリア層を備えるプラスチック管で引き起こる拡散プロセスを示す図である。
【図3】本発明の幾つかの実施の形態の多層管の基本構成を示す図である。
【図4A】本発明の幾つかの実施の形態の拡散バリアテープラミネート層の構造の一例を示す図である。
【図4B】本発明の幾つかの実施の形態の拡散バリアテープラミネート層の構造の他の例を示す図である。
【図5】本発明の幾つかの実施の形態の多層管を製造する基本的な手順のフローチャートである。
【図6】紙巻きタバコ型包装によって拡散バリアテープラミネートでインナーチューブを包装し、保護外被を被覆する装置を示す図である。
【図7A】外側の外被が被覆されていない合掌包装された管の合掌部分が折り畳まれる前の斜視図である。
【図7B】外側の外被が被覆されていない合掌包装された管の合掌部分が折り畳まれる前の正面図である。
【図7C】合掌包装され、合掌部分が折り畳まれ、外被が被覆された管の斜視図である。
【図7D】外側の外被が被覆されていない合掌包装された管の合掌部分がトリミングされる前の斜視図である。
【図7E】外側の外被が被覆されていない合掌包装された管の合掌部分がトリミングされた正面図である。
【図7F】合掌包装され、合掌部分が折り畳まれ、外被が被覆された管の斜視図である。
【図8】螺旋状に包装され、保護外被が被覆された多層管の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密管において、
インナチューブと、
拡散バリア材と、
熱可塑性材料の少なくとも2つの層とを備え、
上記熱可塑性材料の第1の層は、上記拡散バリア材の第1の面に配設されており、
上記熱可塑性材料の第2の層は、上記拡散バリア材の第2の面に配設されており、
上記熱可塑性材料の第1の層、上記熱可塑性材料の第2の層及び上記拡散バリア材は、拡散バリアテープラミネートを形成しており、
上記拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブの外側に取り付けられており、
上記拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブの略全長に亘って、該インナチューブの外周を覆っており、
上記熱可塑性材料の第1の層及び上記熱可塑性材料の第2の層は、互いに密着されており、
上記インナチューブは、上記拡散バリアテープラミネートが取り付けられることによって、気密密閉されることを特徴とする気密管。
【請求項2】
上記インナチューブは、
ポリオレフィン、改質ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリエステル及びビニル樹脂を含む熱可塑性材料と、
ポリブタジエン及びポリエステルを含むオレフィン系の熱可塑性エラストマ、スチレン系の熱可塑性エラストマ及びビニル樹脂と、
ブチルゴム、PIB、EPDM、NBR及びSBRを含むゴム及び白金硬化性又は過酸化物硬化性シリコーンゴムと
からなる組から選択される材料から形成されることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項3】
上記拡散バリア材は、アルミニウム箔で形成されていることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項4】
上記拡散バリア材は、ポリアミドで形成されていることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項5】
上記熱可塑性材料の各層は、上記インナチューブに接触した状態で、熱圧によって処理されると、該インナチューブに高い気密性を与えることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項6】
上記拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブに固着されておらず、該インナチューブは、該拡散バリアテープラミネート内でスライドできることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項7】
上記熱可塑性材料の少なくとも2つの層の間に、上記拡散バリア材の複数の層が積層されることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項8】
上記熱可塑性材料の層は、接着剤を用いて上記拡散バリア材の層に接着されることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項9】
上記熱可塑性材料の第1の層及び上記熱可塑性材料の第2の層は、押出工法を用いて、上記拡散バリア材に直接押出成形されることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項10】
上記熱可塑性材料の第1の層及び上記熱可塑性材料の第2の層は、ラミネート加工法を用いて、上記拡散バリア材に直接押出成形されることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項11】
上記熱可塑性材料の第1の層及び上記熱可塑性材料の第2の層は、カレンダー加工法を用いて、拡散バリア材に接着されることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項12】
上記拡散バリアテープラミネートを形成する熱可塑性材料の各層は、低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項13】
上記拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブの外周の完全な一周より余分に巻回され、該インナチューブの長手方向に平行な、重複する拡散バリアテープラミネートのストリップを形成し、
上記重複する拡散バリアテープラミネートのストリップは、内側にある拡散バリアテープラミネートと結合され、上記インナチューブの周りで拡散バリアテープラミネートを封止することを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項14】
上記インナチューブの長手方向に平行な上記重複する拡散バリアテープラミネートのストリップの重複部分の割合は、上記インナチューブの外周全体の約10%〜約25%の範囲であることを特徴とする請求項13記載の気密管。
【請求項15】
上記拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブの外周より幅広であり、該拡散バリアテープラミネートの余分な幅は、該インナチューブの外周の一箇所で重ね合わされ、該一箇所から垂直に延びて、一対の垂直に延びる合掌部分を形成し、該垂直に延びる合掌部分間に気密性が形成されることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項16】
上記密封された垂直に延びる合掌部分は、上記インナチューブの外周の一方の側に折り畳まれることを特徴とする請求項15記載の気密管。
【請求項17】
上記合掌部分の高さは、1mm〜20mmであることを特徴とする請求項16記載の気密管。
【請求項18】
上記拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブの外周の周りに螺旋状に巻回され、該拡散バリアテープラミネートは、該インナチューブの長手方向に巻き進められるに従って、自ら部分的に重なって重複領域を形成し、該拡散バリアテープラミネートの重複領域は、該インナチューブの周りの拡散バリアテープラミネートを封止することを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項19】
上記重複領域の全体に占める割合は、少なくとも20%であることを特徴とする請求項18記載の気密管。
【請求項20】
一回巻回されたインナチューブの周りに、上記拡散バリアテープラミネートの更なる層が、反対の方向に巻回されていることを特徴とする請求項18記載の気密管。
【請求項21】
上記拡散バリアテープラミネートを覆う外被層を更に備える請求項1記載の気密管。
【請求項22】
上記外被層は、ポリマで形成されていることを特徴とする請求項21記載の気密管。
【請求項23】
上記外被層は、押出工法を用いて形成されることを特徴とする請求項21記載の気密管。
【請求項24】
上記外被層は、熱収縮加工法を用いて形成されることを特徴とする請求項21記載の気密管。
【請求項25】
上記外被層の厚さは、0.5mm〜15mmであることを特徴とする請求項1記載の気密管。
【請求項26】
インラインの連続工程として行われる気密管の製造方法において、
拡散バリアテープラミネートを被覆装置に供給する工程と、
インナチューブを上記被覆装置に供給する工程と、
上記インナチューブを上記拡散バリアテープラミネートで包み込み、重複する拡散バリアテープラミネート継目を形成する工程と、
上記拡散バリアテープラミネートで包み込まれたインナチューブをシーラ装置に供給する工程と、
上記重複する拡散バリアテープラミネート継目を封止する工程とを有する気密管の製造方法。
【請求項27】
上記インナチューブは、上記被覆装置に供給される前に、該被覆装置の上流でチューブ押出工法によって形成されることを特徴とする請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項28】
上記拡散バリアテープラミネートは、上記被覆装置に供給される前に、該被覆装置の上流で形成されることを特徴とする請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項29】
上記拡散バリアテープラミネートは、
拡散バリア材を準備する工程と、
上記拡散バリア材の一方の面に熱可塑性材料の第1の層を配設する工程と、
上記拡散バリア材の他方の面に熱可塑性材料の第2の層を配設する工程とによって形成されることを特徴とする請求項28記載の気密管の製造方法。
【請求項30】
上記熱可塑性材料の第1の層及び上記熱可塑性材料の第2の層は、接着層を用いて上記拡散バリア材に接着されることを特徴とする請求項29記載の気密管の製造方法。
【請求項31】
上記熱可塑性材料の各層は、加圧押出工法を用いて、上記拡散バリア材に押出成形されることを特徴とする請求項29記載の気密管の製造方法。
【請求項32】
上記熱可塑性材料は、低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項29記載の気密管の製造方法。
【請求項33】
上記拡散バリア材は、アルミニウム箔で形成されていることを特徴とする請求項29記載の気密管の製造方法。
【請求項34】
上記拡散バリア材は、ポリアミドで形成されていることを特徴とする請求項29記載の気密管の製造方法。
【請求項35】
上記熱可塑性材料の2つの層の間に、上記拡散バリア材の複数の層が積層されることを特徴とする請求項29記載の気密管の製造方法。
【請求項36】
上記密封する工程は、
上記拡散バリアテープラミネートで包み込まれたインナチューブを、1対のローラに案内する工程を有し、
上記1対のローラの少なくとも1つは熱ローラであり、該熱ローラは、上記案内されてきた拡散バリアテープラミネートで包み込まれたインナチューブに熱圧を加えることを特徴とする請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項37】
上記被覆装置に案内される拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブの外周より幅広であり、該被覆装置は、該インナチューブの長手方向に平行に延びる重複する拡散バリアテープラミネートのストリップが、上記拡散バリアテープラミネート継目を形成するように、該インナチューブの周りを該拡散バリアテープラミネートで包むことを特徴とする請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項38】
上記重複する拡散バリア材のストリップの幅は、少なくともある1mmであることを特徴とする請求項37記載の気密管の製造方法。
【請求項39】
上記被覆装置に案内される拡散バリアテープラミネートは、上記インナチューブの外周より幅広であり、該被覆装置は、該拡散バリアテープラミネートの余分な幅が、該インナチューブの外周の一箇所で重ね合わされ、該一箇所から実質的に互いに平行に垂直に延びる合掌部分を形成するように、該インナチューブの周りを該拡散バリアテープラミネートで包み込み、該合掌部分は、上記拡散バリアテープラミネート継目を形成することを特徴とする請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項40】
上記密封された垂直に延びる合掌部分は、上記インナチューブの外周の一方の側に折り畳まれることを特徴とする請求項39記載の気密管の製造方法。
【請求項41】
上記インナチューブの外周の一方の側に折り畳まれる合掌部分の高さは、1mm〜20mmであることを特徴とする請求項40記載の気密管の製造方法。
【請求項42】
上記密封された垂直に延びる合掌部分は、上記インラインの連続工程の一部としてトリミングされることを特徴とする請求項40記載の気密管の製造方法。
【請求項43】
上記被覆装置は、上記拡散バリアテープラミネートが、上記インナチューブの外周の周りに螺旋状に巻回され、該拡散バリアテープラミネートが、該インナチューブの長手方向に巻き進められるに従って、自ら部分的に重なって重複領域を形成し、該拡散バリアテープラミネートの重複領域が、上記拡散バリアテープラミネート継目を形成するように、該インナチューブを該拡散バリアテープラミネートで包むことを特徴とする請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項44】
上記重複領域の割合は、上記拡散バリアテープラミネートの幅の約10%〜約55%であることを特徴とする請求項43記載の気密管の製造方法。
【請求項45】
上記シーラ装置は、上記拡散バリアテープラミネートの重複領域に熱圧を加えることによって、該拡散バリアテープラミネートの重複領域を密封することを特徴とする請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項46】
上記拡散バリアテープラミネートの少なくとも1つの更なる層を、更なるシーラ装置が後続される少なくとも1つの更なる被覆装置に案内する工程と、
上記被覆装置によって上記拡散バリアテープラミネートで少なくとも1回包み込まれ、上記シーラ装置によって少なくとも1回密封されたインナチューブを、上記少なくとも1つの更なる被覆装置に案内する工程と、
上記少なくとも1回包み込まれ、密封されたインナチューブを、上記拡散バリアテープラミネートの少なくとも1つの更なる層で包み込み、該少なくとも2回包み込まれたインナチューブ及び少なくとも1つの更なる拡散バリアテープ継目を形成する工程と、
上記少なくとも2回包み込まれたインナチューブを上記少なくとも1つの更なるシーラ装置に案内する工程と、
上記少なくとも1つの更なる拡散バリアテープ継目を密封する工程とを更に有する請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項47】
上記全ての工程は、インラインで連続的に行われることを特徴とする請求項46記載の気密管の製造方法。
【請求項48】
上記拡散バリアテープラミネートで包み込まれ、密封されたインナチューブをジャケット装置に案内する工程と、
インラインの連続工程の最後の工程として、上記拡散バリアテープラミネートで包み込まれ、密封されたインナチューブに外被を被覆する工程とを更に有する請求項26記載の気密管の製造方法。
【請求項49】
上記外被の被覆は、加圧押出工法によって行われることを特徴とする請求項48記載の気密管の製造方法。
【請求項50】
上記外被の被覆は、準加圧押出工法によって行われることを特徴とする請求項48記載の気密管の製造方法。
【請求項51】
上記インナチューブと上記拡散バリアテープラミネートは、上記外被を被覆する工程中に印加される熱によって、更に強く接着され、該拡散バリアテープラミネートの熱可塑性材料の露出面と外被層は、該外被を被覆する工程によって互いに接着されることを特徴とする請求項48記載の気密管の製造方法。
【請求項52】
上記拡散バリアテープラミネートで包み込まれ、密封されたインナチューブをジャケット装置に案内する工程と、
上記拡散バリアテープラミネートで包み込まれ、密封されたインナチューブに、ピース毎の熱収縮加工法によって外被を被覆する工程とを更に有する請求項26記載の気密管の製造方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図7F】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2009−525208(P2009−525208A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553340(P2008−553340)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/002701
【国際公開番号】WO2007/089869
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(505163741)クーリギー インコーポレイテッド (32)
【Fターム(参考)】