水中探知装置
【課題】正確に魚体長検出や魚種判別を行うことができる水中探知装置を提供することを目的とする。
【解決手段】超音波信号を送信する送信部3と、送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部4と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部6と、前記単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて、魚に関する情報を生成する情報生成部7とを備える。これにより、単体魚からの反射信号の時間的変化、つまり反射信号の波形の情報から、魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成することができる。
【解決手段】超音波信号を送信する送信部3と、送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部4と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部6と、前記単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて、魚に関する情報を生成する情報生成部7とを備える。これにより、単体魚からの反射信号の時間的変化、つまり反射信号の波形の情報から、魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚からの反射信号に基づいて魚体長や魚種を判別する水中探知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海中の資源量を調査するために、従来から音響手法を利用した計量魚群探知機が用いられている(特許文献1)。この計量魚群探知機では、送受波器から送波された超音波の音圧レベルと、魚で反射して帰来する反射波の音圧レベルとの比、すなわち反射強度TS(Target Strength)を求め、得られた反射強度TSから魚の体長を計算している。
【特許文献1】特開平02−262082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
魚で反射して帰来する反射波の音圧レベルは主にウキブクロ、体表、骨格などからの反射だと考えられている。しかし、ウキブクロ、体表、骨格などは魚種に依存して部位の位置関係や形態が異なっている。
そのため、反射強度TSと魚体長の相関がすべての魚種において同じであるとは言い難く、魚からの反射強度TSのみを用いて正確な魚体長や魚種を判別することは困難である。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、魚体長や魚種をより正確に判別するための新たな魚体長、魚種判別手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、超音波信号を送信する送信部と、送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、前記単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて、魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする。
【0006】
前記波形情報としては、例えば、所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する維持時間や、所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する前記反射信号のピーク数があり、これらの情報を用いて情報生成部が、魚に関する情報を生成する。
【0007】
また、前記魚に関する情報とは、例えば、魚体長情報、魚種情報、魚の姿勢情報である。そして、情報生成部で魚の姿勢情報が生成される場合には、魚体長情報や魚種情報の生成に用いる最適な単体魚からの反射信号を該魚の姿勢情報に基づいて選択することも可能である。
【0008】
また、本発明は、情報生成部の前段にLPFを設けて、単体魚からの反射信号をなまらせるようにしてもよい。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、情報生成部は、所定の信号レベル以上で連続する単体魚からの反射信号を精度よく検出することができ、より正確な魚に関する情報を生成することが可能になる。
【0009】
また、所定の信号レベルは、例えば、単体魚からの反射信号の信号レベルの最大値で反射信号の信号レベルを規格化し、該規格化された反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値である。なお、反射信号の信号レベルの最大値での規格化は必須要件ではなく、規格化を行わないで所定の信号レベルを算出するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明は、超音波信号を送信する送信部と、送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、前記単体魚からの反射信号の時間的な連続性に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、超音波信号を送信する送信部と、送信信号に対する単体魚からの反射波を受信する受信部と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、前記単体魚からの反射信号のピーク数に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、単体魚からの反射信号の時間的変化、つまり反射信号の波形情報に基づいて、魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成するようにしたことにより、魚からの反射強度TSに基づく魚体長検出や魚種判別とは異なる、新たな手法による魚体長検出や魚種判別を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による水中探知装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1において、本発明の実施の形態1による水中探知装置は、送受波器1と、送受切替部2と、送信部3と、検波部5を有する受信部4と、抽出部6と、情報生成部7と、描画処理部8と、表示部9とから構成される。
【0014】
送受波器1は、送信部3からの送信電気信号を音波に変換して送波し、受波時には水中から帰来する超音波エコーを電気信号に変換するものである。送受切替部2は、送波時と受波時とで信号の通路を切り替える回路で、送波時には送信信号のみを通過させ、受波時には受信信号のみを通過させる。
【0015】
送信部3は、所定のパルス幅をもった音波を発射するための電気信号発生部であり、生成した信号を送受波器1に供給する。また、受信部4は、送受波器1で変換された電気信号を受信して、所定周波数帯域の受信信号を取り出し、検波部5により受信信号の包絡線を検出する。
【0016】
抽出部6は、受信部4から出力される受信信号を用いて、単体魚からの反射信号を抽出する。単体魚の反射信号の検出手法は種々の手法が考案されており、例えば、物標からの反射波の幅と信号レベルに基づいて単体魚か魚群かを検出する手法が一般的である。
【0017】
情報生成部7は、単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて魚に関する情報を生成する。ここで、魚に関する情報とは、例えば、魚体長情報、魚種情報、魚の姿勢情報など、抽出した単体魚に関する種々の情報を含む。なお、ここで魚体長とは魚体の大きさに関する情報であり、具体的には、尾叉長、魚体高、魚体幅のうちの何れか、或いはこれらの複数の情報を意味する。
【0018】
描画処理部8は、受信部4から出力された受信信号に基づいて海底や魚群などの水中情報を表すエコー映像を生成し、該生成したエコー映像とともに情報生成部7で生成された魚体長や魚種などの魚に関する情報を表示部9に描画する。
【0019】
次に、情報生成部7について、図2〜図10を用いてさらに詳細に説明する。
情報生成部7は、計測部71と、計数部72と、情報処理部73とから構成される。なお、ここでは情報生成部7が計測部71と計数部72とを備えるものを例に挙げて説明するが、情報生成部7は、計測部71、計数部72の何れか一方のみを備えるものであってもよい。
【0020】
計測部71は、単体魚からの反射信号を入力とし、該反射信号の信号レベルが所定の信号レベル以上の値を維持する維持時間を計測する。計測部71が維持時間を計測するために用いる所定の信号レベルは、抽出部6から出力される反射信号毎に算出される。この所定の信号レベルは、反射信号の信号レベルの最大値で反射信号の信号レベルを規格化し、該規格化した反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値とするのが好ましく、Nの値は10以上の値がより好適である。なお、ここでは、規格化した反射信号の信号レベルの最大値から所定の信号レベルを算出する例を示したが、規格化を行わないで所定の信号レベルを算出してもよい。
【0021】
計数部72は、前述した計測部71と同様に単体魚からの反射信号を入力とし、該反射信号の信号レベルが所定の信号レベル以上の値を維持する期間に発生する当該反射信号のピーク数を計数する。計数部72がピーク数を計数するために用いる所定の信号レベルは、前述した計測部71と同様に算出される。なお、所定の信号レベルの算出に用いるNの値は、計測部71で用いたものと同じ値を用いてもよいし、異なる値を用いてもよい。
【0022】
情報処理部73は、予め採取しておいた統計データに基づいて、計測部71で検出した維持時間、計数部72で検出したピーク数から魚に関する情報を生成する。
【0023】
図2は、単体魚に入射した超音波信号の反射の様子を示す模式図である。
一般に、魚からの反射波は、ウキブクロや体表や骨格などからの反射が主なものであると考えられている。そして、図2に示すように、単体魚の大きさに比して十分な分解能の超音波パルスを単体魚に対して入射した場合、ウキブクロや体表や骨格など複数の位置で比較的大きな反射波が生じると考えられる。
【0024】
この際、超音波信号の発信源からこれら複数の信号反射位置までの距離はそれぞれ相違するため、反射波は図2に示すように時間的に異なったタイミングで発生する。また、反射の対象となるウキブクロや体表や骨格などは、それぞれ、超音波信号の反射強度や反射断面積が異なるため、各信号反射位置で発生する反射波の信号レベルについてもそれぞれ異なったものになる。
【0025】
そこで、本発明は、単体魚からの反射信号が、時間的に異なったタイミングを有し、且つそれぞれ異なった反射強度を有する複数の反射波の合成信号であると考え、単体魚からの反射信号の時間的変化、つまり反射信号の波形の情報を利用して、魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成する。
【0026】
以下、本発明の内容をさらに具体的に説明する。
図3は、水槽中に麻酔で固定された3種の単体魚から計測した反射信号とその包絡線を示す図である。
【0027】
図3の測定結果は、水深2mに水面と水平に固定されたアジ、タイ、サバに対して、水面と垂直な方向から超音波信号を照射した際の反射信号の測定結果であり、尾叉長、魚体高、魚体幅がそれぞれ異なる5つの固体からの反射波を魚種別に示したものである。左からアジ、タイ、サバの反射信号とその包絡線を示す。この実験では、送信信号としてハンドウイルカのクリックスを用いた。実験で用いたハンドウイルカのクリックスは、ピーク周波数が90kHz、パルス時間幅(ピークの半分の値)が約26μs、3dB帯域がそれぞれ22.5kHzである。
【0028】
図3に示すように、単体魚から得られる反射波は、ウキブクロや体表や骨格などで発生する複数の反射波の合成波として受信され、固体毎に異なる波形を有している。
【0029】
図4は、単体魚からの反射信号の波形を、反射波の時間的連続性とピーク数に着目して分析した結果を示す図であり、本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部71が計測した維持時間と、計数部72が計数したピーク数を示す。
図4の各反射信号の包絡線を横切る直線は、計測部71及び計数部72が算出した所定の信号レベル(以下、適宜「閾値」と記載する。)であり、各反射信号の最大値を1/N(N>1)した値である。ここでは計測部71及び計数部72ともN=10として閾値を算出している。
【0030】
なお、図4に示す各反射信号の包絡線は水槽中に固定した単体魚から得られた反射信号であるため、単体魚からの反射信号しか含まれていない。そのため、包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、便宜上、閾値を継続して超えていたものとして維持時間の計測及びピーク数の計数を行っている。この包絡線が割れることに対する対策については、後述する実施の形態2、及び実施の形態3で説明する。
【0031】
計測部71は、算出した閾値を用いて反射信号の信号レベルが所定の信号レベル以上の値を維持する維持時間を計測する。各反射信号の法絡線に記された2つの矢印が計測部71による計測開始時刻と終了時刻を示す。また、各包絡線の左上に記された数字は計測部71により計測された維持時間を示す。
【0032】
計測部71が計測した維持時間と尾叉長の関係及び維持時間と魚体高の関係を図5に示す。
図5(a)は維持時間と魚体高の関係を示す図である。図5(a)において縦軸は維持時間、横軸は魚体高であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0033】
今回の実験結果では、図5(a)に示すように、計測部71で計測した維持時間と魚体高の関係はほぼ比例関係にあり、魚体高が大きくにつれて維持時間も長くなっている。これより、情報処理部73は、この維持時間と魚体高の相関に基づいて、魚の魚体高や魚種などの魚に関する情報を算出することができるといえる。つまり、情報処理部73は、維持時間と魚体高の相関を表す関数を予め保持しておき、計測部71から出力された維持時間を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の魚体高を算出することが可能である。なお、維持時間と魚体高の相関は比例関係に限られるものではない。
【0034】
また、図5(b)は維持時間と尾叉長の関係を示す図である。図5(b)において縦軸は維持時間、横軸は尾叉長であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0035】
計測部71で計測した維持時間は、単体魚の縦方向の厚み、つまり魚体高を表しているものと考えられる。しかしながら、多くの魚の外形は略相似形であり、図5(b)にした結果をみても計測部71で計測した維持時間と尾叉長とはほぼ比例関係の相関がみられる。
【0036】
そのため、情報処理部73は、前述の魚体高を算出する場合と同様に、維持時間と尾叉長の相関を表す関数を予め保持しておき、計測部71から出力された維持時間を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の尾叉長を推定することも可能である。なお、維持時間と尾叉長の相関は比例関係に限られるものではない。
【0037】
また、情報処理部73は、計測部71で計測した維持時間だけでなく、単体魚からの反射強度TSの情報も併せて用い、尾叉長や魚体高などの魚体長情報や魚種情報を生成するようにしてもよい。これにより、情報処理部73は、より多くの検証情報を用いて魚に関する情報を生成できるため、より正確な魚体長情報や魚種情報を得ることが可能になる。
【0038】
次に、情報生成部7に設けられた計数部72は、算出した閾値を用いて反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する反射信号のピーク数を計数する。図4の各反射信号の包絡線のピーク位置に引かれた縦線が反射信号のピーク位置を示し、計数部72は、このピークの数をカウントする。
【0039】
計数部72が計測したピーク数と尾叉長の関係、及びピーク数と魚体高の関係を図6に示す。
図6(a)はピーク数と魚体高の関係を示す図である。図6(a)において縦軸はピーク数、横軸は魚体高であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0040】
今回の実験結果では、図6(a)に示すように、計数部72で計数したピーク数と単体魚の魚体高の関係はほぼ比例関係にあり、魚体高が大きくにつれてピーク数も多くなっている。そのため、情報処理部73は、このピーク数と魚体高の相関に基づいて、魚の魚体高や魚種などの魚に関する情報を算出することができるといえる。つまり、情報処理部73は、ピーク数と魚体高の相関を表す関数を予め保持しておき、計数部72から出力されたピーク数を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の魚体高を算出することが可能である。なお、ピーク数と魚体高の相関は比例関係に限られるものではない。
【0041】
また、図6(b)はピーク数と尾叉長の関係を示す図である。図6(b)において縦軸はピーク数、横軸は尾叉長であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0042】
計数部72で計数したピーク数は、図5(b)の場合と同様に、単体魚の縦方向の厚み、つまり魚体高を表しているものと考えられる。しかしながら、多くの魚の外形は略相似形であり、図6(b)にした結果をみても計数部72で計数したピーク数と尾叉長とはほぼ比例関係の相関がみられる。
【0043】
そのため、情報処理部73は、前述の魚体高を算出する場合と同様に、ピーク数と尾叉長の相関を表す関数を予め保持しておき、計数部72から出力されたピーク数を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の尾叉長を算出することも可能である。なお、ピーク数と尾叉長の相関は比例関係に限られるものではない。
【0044】
また、情報処理部73は、計数部72で計数したピーク数だけでなく、計測部71で計測した維持時間や単体魚からの反射強度TSの情報を併せて用い、尾叉長や魚体高などの魚体長情報や魚種情報を生成するようにしてもよい。これにより、情報処理部73は、より多くの検証情報を用いて魚に関する情報の検証ができるため、より正確な魚体長検出や魚種判別を行うことが可能になる。
【0045】
次に、単体魚からの反射信号と単体魚の姿勢角との関係を示す。
図7は、水槽中に麻酔で固定された単体魚の姿勢角を変化させて計測した反射信号とその包絡線を示す図である。
【0046】
図7に示す測定結果は、水槽中に麻酔で固定した単体魚の姿勢を−90度〜+90度まで10度刻みで変化させ、水面と垂直な方向から超音波信号を照射した際の反射信号の測定結果である。ここで背方向から垂直に音波が入射する場合を0度とし、頭方向から入射する場合をプラス、尾方向から入射する場合をマイナスとしている。なお、この実験で使用した送信信号は、図3で説明したものと同様のバンドウイルカのクリックスである。
【0047】
図7に示すように、単体魚から得られる反射波は、ウキブクロや体表や骨格などで発生する複数の反射波の合成波として受信され、単体魚の姿勢毎に異なる波形を有している。
【0048】
図8は、本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部71が計測した維持時間と姿勢角の関係を示す図である。図8において、縦軸は維持時間、横軸は姿勢角である。
図8の点線で示すように、維持時間と姿勢角の関係は、姿勢角が0度に近づくほど、維持時間が短くなる傾向がみられる。
【0049】
図9は、本発明の実施の形態1による水中探知装置の計数部72が計数したピーク数と姿勢角の関係を示す図である。図9において、縦軸はピーク数、横軸は姿勢角である。
図9の点線で示すように、ピーク数と姿勢角の関係は、姿勢角が0度に近づくほど、ピーク数が少なくなる傾向がみられる。
【0050】
図10は、単体魚からの反射信号の最大信号レベルと姿勢角の関係を示す図である。図10において、縦軸は最大信号レベル、横軸は姿勢角である。
図10の点線で示すように、最大信号レベルと姿勢角の関係は、姿勢角が0度に近づくほど、信号レベルが大きくなる傾向がみられる。なお、単体魚からの反射信号の最大レベルの検出は、前述した計測部71及び計数部72と並列に、反射信号の最大レベルを検出する検出部を設けることにより実現可能である。
【0051】
以上、図8から図10で示したように、単体魚から得られる反射信号の波形情報と単体魚の姿勢については相関があり、情報処理部73は、単体魚から得られる反射信号から検出した維持時間やピーク数や反射信号の最大信号レベルなどの波形情報に基づいて、魚の姿勢を算出することができる。つまり、情報処理部73は、維持時間やピーク数や反射信号の最大信号レベルなどの情報と単体魚の姿勢との関係を示す情報を予め保持しておき、計側部71、計数部72などの単体魚からの反射信号の波形情報を生成する構成要素からの出力情報に基づいて、抽出部6で抽出された単体魚の姿勢を推定することが可能である。
【0052】
また、情報生成部7は、情報処理部73で生成した魚の姿勢情報に基づいて、魚体長情報や魚種情報を生成するための反射信号を選択することが可能になる。これにより、情報処理部73は、魚体長情報や魚種情報の生成に最適な反射信号を用いて魚体長情報や魚種情報を生成することができるため、安定した結果を得ることが可能になる。なお、このような反射信号の選択処理は、同一の単体魚から複数の反射信号が得られるような場合に特に好適である。
【0053】
また、情報生成部7は、情報処理部73で生成した魚の姿勢情報を用いて、魚の進行方向を推定したり、算出した魚体長情報や魚種情報の信頼度を算出したりすることも可能である。
【0054】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による水中探知装置について説明する。
本発明の実施の形態2による水中探知装置では、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、維持時間の計測及びピーク数の計数をより精度よく行うことができる手法について説明する。
【0055】
図11は、本発明の実施の形態2による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2による水中探知装置は、送受波器1と、送受切替部2と、送信部3と、検波部5を有する受信部4と、抽出部6と、情報生成部7と、描画処理部8と、表示部9と、LPF(ローパスフィルタ)10とから構成される。なお、図1を用いて前述した本発明の実施の形態1による水中探知装置と同様の構成要素については同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0056】
LPF10は、情報生成部7の前段に設けられ、少なくとも入力信号をなまらせる役割を果たす。LPF10に用いる関数としては、例えば、ハニング窓やガウス窓が考えられる。なお、図11ではLPF10を抽出部6の後段に設けた例を示しているが、LPF10を抽出部6の前段に設けるようにしてもよい。
【0057】
図12は、窓長が50μsのハニング窓を用いて、単体魚からの反射信号に対して畳み込みを行いLPF処理した結果である。
図12(a)がローパスフィルタ処理後の包絡線を示し、図12(b)がローパスフィルタ処理に用いたハニング窓を示す。
【0058】
図12(a)に示すように、単体魚からの反射信号に対してLPF処理することにより、2つまたは3つに割れていた包絡線がなまり、1つの連続する包絡線となる。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、計測部71による維持時間の計測及び計数部72によるピーク数の計数をより精度よく行うことができ、情報処理部73は、より正確な魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成することが可能になる。
【0059】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による水中探知装置について説明する。
本発明の実施の形態3による水中探知装置では、本発明の実施の形態2による水中探知装置と異なる対処策を説明する。
【0060】
単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合、図11、図12を用いて説明したようなLPFを用いる手法の他、予め決められた時間幅の中にある反射信号を単体魚から反射信号とみなして、計測部71による維持時間の計測及び計数部72によるピーク数の計数を行うようにしてもよい。なお、水中探知装置の構成については、計測部71及び計数部72の処理内容を除き、前述した実施の形態1による水中探知装置と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0061】
つまり、計測部71は、単体魚から得られる反射信号の時間幅を予め決め保持しておく。この時間幅は、例えば単体魚の反射信号を統計処理して算出する。そして、計測部71は、単体魚からの反射信号の信号レベルの最大レベルを当該時間幅の中心とし、当該時間幅内の所定の信号レベル以上の反射信号を検出する。計測部71は、信号レベル以上の反射信号が得られた最初の点から最後の点までの時間を計測し、これを維持時間として出力する。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、計測部71は維持時間を精度よく計測することができる。
【0062】
また、計数部72においても、計測部71と同様に、単体魚から得られる反射信号の時間幅を予め決め保持しておく。この時間幅は、例えば単体魚の反射信号を統計処理して算出する。そして、計数部72は、単体魚からの反射信号の信号レベルの最大レベルを当該時間幅の中心とし、当該時間幅内に発生する反射信号のピークのうち、所定の信号レベル以上のピークの数を計数する。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、計数部72はピーク数を精度よく計数することができる。
【0063】
以上より、情報処理部73は、計測部71によって計測された維持時間や計数部72によって計数されたピーク数を用いて、より正確に魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成することが可能になる。
【0064】
なお、本発明にかかる水中探知装置は、魚群探知機の他、ソナーなどの装置においても適用可能である。
また、本発明は、本発明の各実施の形態で説明した発明の本旨を逸しない範囲で自由に設計変更可能であり、本発明の各実施の形態で説明した内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図
【図2】単体魚に入射した超音波信号の反射の様子を説明するための模式図
【図3】水槽中に麻酔で固定された3種の単体魚から計測した反射信号とその包絡線を示す図
【図4】単体魚からの反射信号の波形を反射波の時間的連続性とピーク数に着目して分析した結果を示す図
【図5】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部が計測した維持時間と尾叉長の関係、及び維持時間と魚体高の関係を示す図
【図6】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計数部が計測したピーク数と尾叉長の関係、及びピーク数と魚体高の関係を示す図
【図7】水槽中に麻酔で固定された単体魚の姿勢角度を変化させて計測した反射信号とその包絡線を示す図
【図8】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部が計測した維持時間と姿勢角の関係を示す図
【図9】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計数部が計数したピーク数と姿勢角の関係を示す図
【図10】単体魚からの反射信号の最大信号レベルと姿勢角の関係を示す図
【図11】本発明の実施の形態2による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態2による水中探知装置のLPF処理を説明するための説明図
【符号の説明】
【0066】
1 送受波器
2 送受切替部
3 送信部
4 受信部
5 検波部
6 抽出部
7 情報生成部
8 描画処理部
9 表示部
10 LPF
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚からの反射信号に基づいて魚体長や魚種を判別する水中探知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海中の資源量を調査するために、従来から音響手法を利用した計量魚群探知機が用いられている(特許文献1)。この計量魚群探知機では、送受波器から送波された超音波の音圧レベルと、魚で反射して帰来する反射波の音圧レベルとの比、すなわち反射強度TS(Target Strength)を求め、得られた反射強度TSから魚の体長を計算している。
【特許文献1】特開平02−262082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
魚で反射して帰来する反射波の音圧レベルは主にウキブクロ、体表、骨格などからの反射だと考えられている。しかし、ウキブクロ、体表、骨格などは魚種に依存して部位の位置関係や形態が異なっている。
そのため、反射強度TSと魚体長の相関がすべての魚種において同じであるとは言い難く、魚からの反射強度TSのみを用いて正確な魚体長や魚種を判別することは困難である。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、魚体長や魚種をより正確に判別するための新たな魚体長、魚種判別手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、超音波信号を送信する送信部と、送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、前記単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて、魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする。
【0006】
前記波形情報としては、例えば、所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する維持時間や、所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する前記反射信号のピーク数があり、これらの情報を用いて情報生成部が、魚に関する情報を生成する。
【0007】
また、前記魚に関する情報とは、例えば、魚体長情報、魚種情報、魚の姿勢情報である。そして、情報生成部で魚の姿勢情報が生成される場合には、魚体長情報や魚種情報の生成に用いる最適な単体魚からの反射信号を該魚の姿勢情報に基づいて選択することも可能である。
【0008】
また、本発明は、情報生成部の前段にLPFを設けて、単体魚からの反射信号をなまらせるようにしてもよい。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、情報生成部は、所定の信号レベル以上で連続する単体魚からの反射信号を精度よく検出することができ、より正確な魚に関する情報を生成することが可能になる。
【0009】
また、所定の信号レベルは、例えば、単体魚からの反射信号の信号レベルの最大値で反射信号の信号レベルを規格化し、該規格化された反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値である。なお、反射信号の信号レベルの最大値での規格化は必須要件ではなく、規格化を行わないで所定の信号レベルを算出するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明は、超音波信号を送信する送信部と、送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、前記単体魚からの反射信号の時間的な連続性に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、超音波信号を送信する送信部と、送信信号に対する単体魚からの反射波を受信する受信部と、前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、前記単体魚からの反射信号のピーク数に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、単体魚からの反射信号の時間的変化、つまり反射信号の波形情報に基づいて、魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成するようにしたことにより、魚からの反射強度TSに基づく魚体長検出や魚種判別とは異なる、新たな手法による魚体長検出や魚種判別を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による水中探知装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1において、本発明の実施の形態1による水中探知装置は、送受波器1と、送受切替部2と、送信部3と、検波部5を有する受信部4と、抽出部6と、情報生成部7と、描画処理部8と、表示部9とから構成される。
【0014】
送受波器1は、送信部3からの送信電気信号を音波に変換して送波し、受波時には水中から帰来する超音波エコーを電気信号に変換するものである。送受切替部2は、送波時と受波時とで信号の通路を切り替える回路で、送波時には送信信号のみを通過させ、受波時には受信信号のみを通過させる。
【0015】
送信部3は、所定のパルス幅をもった音波を発射するための電気信号発生部であり、生成した信号を送受波器1に供給する。また、受信部4は、送受波器1で変換された電気信号を受信して、所定周波数帯域の受信信号を取り出し、検波部5により受信信号の包絡線を検出する。
【0016】
抽出部6は、受信部4から出力される受信信号を用いて、単体魚からの反射信号を抽出する。単体魚の反射信号の検出手法は種々の手法が考案されており、例えば、物標からの反射波の幅と信号レベルに基づいて単体魚か魚群かを検出する手法が一般的である。
【0017】
情報生成部7は、単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて魚に関する情報を生成する。ここで、魚に関する情報とは、例えば、魚体長情報、魚種情報、魚の姿勢情報など、抽出した単体魚に関する種々の情報を含む。なお、ここで魚体長とは魚体の大きさに関する情報であり、具体的には、尾叉長、魚体高、魚体幅のうちの何れか、或いはこれらの複数の情報を意味する。
【0018】
描画処理部8は、受信部4から出力された受信信号に基づいて海底や魚群などの水中情報を表すエコー映像を生成し、該生成したエコー映像とともに情報生成部7で生成された魚体長や魚種などの魚に関する情報を表示部9に描画する。
【0019】
次に、情報生成部7について、図2〜図10を用いてさらに詳細に説明する。
情報生成部7は、計測部71と、計数部72と、情報処理部73とから構成される。なお、ここでは情報生成部7が計測部71と計数部72とを備えるものを例に挙げて説明するが、情報生成部7は、計測部71、計数部72の何れか一方のみを備えるものであってもよい。
【0020】
計測部71は、単体魚からの反射信号を入力とし、該反射信号の信号レベルが所定の信号レベル以上の値を維持する維持時間を計測する。計測部71が維持時間を計測するために用いる所定の信号レベルは、抽出部6から出力される反射信号毎に算出される。この所定の信号レベルは、反射信号の信号レベルの最大値で反射信号の信号レベルを規格化し、該規格化した反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値とするのが好ましく、Nの値は10以上の値がより好適である。なお、ここでは、規格化した反射信号の信号レベルの最大値から所定の信号レベルを算出する例を示したが、規格化を行わないで所定の信号レベルを算出してもよい。
【0021】
計数部72は、前述した計測部71と同様に単体魚からの反射信号を入力とし、該反射信号の信号レベルが所定の信号レベル以上の値を維持する期間に発生する当該反射信号のピーク数を計数する。計数部72がピーク数を計数するために用いる所定の信号レベルは、前述した計測部71と同様に算出される。なお、所定の信号レベルの算出に用いるNの値は、計測部71で用いたものと同じ値を用いてもよいし、異なる値を用いてもよい。
【0022】
情報処理部73は、予め採取しておいた統計データに基づいて、計測部71で検出した維持時間、計数部72で検出したピーク数から魚に関する情報を生成する。
【0023】
図2は、単体魚に入射した超音波信号の反射の様子を示す模式図である。
一般に、魚からの反射波は、ウキブクロや体表や骨格などからの反射が主なものであると考えられている。そして、図2に示すように、単体魚の大きさに比して十分な分解能の超音波パルスを単体魚に対して入射した場合、ウキブクロや体表や骨格など複数の位置で比較的大きな反射波が生じると考えられる。
【0024】
この際、超音波信号の発信源からこれら複数の信号反射位置までの距離はそれぞれ相違するため、反射波は図2に示すように時間的に異なったタイミングで発生する。また、反射の対象となるウキブクロや体表や骨格などは、それぞれ、超音波信号の反射強度や反射断面積が異なるため、各信号反射位置で発生する反射波の信号レベルについてもそれぞれ異なったものになる。
【0025】
そこで、本発明は、単体魚からの反射信号が、時間的に異なったタイミングを有し、且つそれぞれ異なった反射強度を有する複数の反射波の合成信号であると考え、単体魚からの反射信号の時間的変化、つまり反射信号の波形の情報を利用して、魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成する。
【0026】
以下、本発明の内容をさらに具体的に説明する。
図3は、水槽中に麻酔で固定された3種の単体魚から計測した反射信号とその包絡線を示す図である。
【0027】
図3の測定結果は、水深2mに水面と水平に固定されたアジ、タイ、サバに対して、水面と垂直な方向から超音波信号を照射した際の反射信号の測定結果であり、尾叉長、魚体高、魚体幅がそれぞれ異なる5つの固体からの反射波を魚種別に示したものである。左からアジ、タイ、サバの反射信号とその包絡線を示す。この実験では、送信信号としてハンドウイルカのクリックスを用いた。実験で用いたハンドウイルカのクリックスは、ピーク周波数が90kHz、パルス時間幅(ピークの半分の値)が約26μs、3dB帯域がそれぞれ22.5kHzである。
【0028】
図3に示すように、単体魚から得られる反射波は、ウキブクロや体表や骨格などで発生する複数の反射波の合成波として受信され、固体毎に異なる波形を有している。
【0029】
図4は、単体魚からの反射信号の波形を、反射波の時間的連続性とピーク数に着目して分析した結果を示す図であり、本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部71が計測した維持時間と、計数部72が計数したピーク数を示す。
図4の各反射信号の包絡線を横切る直線は、計測部71及び計数部72が算出した所定の信号レベル(以下、適宜「閾値」と記載する。)であり、各反射信号の最大値を1/N(N>1)した値である。ここでは計測部71及び計数部72ともN=10として閾値を算出している。
【0030】
なお、図4に示す各反射信号の包絡線は水槽中に固定した単体魚から得られた反射信号であるため、単体魚からの反射信号しか含まれていない。そのため、包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、便宜上、閾値を継続して超えていたものとして維持時間の計測及びピーク数の計数を行っている。この包絡線が割れることに対する対策については、後述する実施の形態2、及び実施の形態3で説明する。
【0031】
計測部71は、算出した閾値を用いて反射信号の信号レベルが所定の信号レベル以上の値を維持する維持時間を計測する。各反射信号の法絡線に記された2つの矢印が計測部71による計測開始時刻と終了時刻を示す。また、各包絡線の左上に記された数字は計測部71により計測された維持時間を示す。
【0032】
計測部71が計測した維持時間と尾叉長の関係及び維持時間と魚体高の関係を図5に示す。
図5(a)は維持時間と魚体高の関係を示す図である。図5(a)において縦軸は維持時間、横軸は魚体高であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0033】
今回の実験結果では、図5(a)に示すように、計測部71で計測した維持時間と魚体高の関係はほぼ比例関係にあり、魚体高が大きくにつれて維持時間も長くなっている。これより、情報処理部73は、この維持時間と魚体高の相関に基づいて、魚の魚体高や魚種などの魚に関する情報を算出することができるといえる。つまり、情報処理部73は、維持時間と魚体高の相関を表す関数を予め保持しておき、計測部71から出力された維持時間を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の魚体高を算出することが可能である。なお、維持時間と魚体高の相関は比例関係に限られるものではない。
【0034】
また、図5(b)は維持時間と尾叉長の関係を示す図である。図5(b)において縦軸は維持時間、横軸は尾叉長であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0035】
計測部71で計測した維持時間は、単体魚の縦方向の厚み、つまり魚体高を表しているものと考えられる。しかしながら、多くの魚の外形は略相似形であり、図5(b)にした結果をみても計測部71で計測した維持時間と尾叉長とはほぼ比例関係の相関がみられる。
【0036】
そのため、情報処理部73は、前述の魚体高を算出する場合と同様に、維持時間と尾叉長の相関を表す関数を予め保持しておき、計測部71から出力された維持時間を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の尾叉長を推定することも可能である。なお、維持時間と尾叉長の相関は比例関係に限られるものではない。
【0037】
また、情報処理部73は、計測部71で計測した維持時間だけでなく、単体魚からの反射強度TSの情報も併せて用い、尾叉長や魚体高などの魚体長情報や魚種情報を生成するようにしてもよい。これにより、情報処理部73は、より多くの検証情報を用いて魚に関する情報を生成できるため、より正確な魚体長情報や魚種情報を得ることが可能になる。
【0038】
次に、情報生成部7に設けられた計数部72は、算出した閾値を用いて反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する反射信号のピーク数を計数する。図4の各反射信号の包絡線のピーク位置に引かれた縦線が反射信号のピーク位置を示し、計数部72は、このピークの数をカウントする。
【0039】
計数部72が計測したピーク数と尾叉長の関係、及びピーク数と魚体高の関係を図6に示す。
図6(a)はピーク数と魚体高の関係を示す図である。図6(a)において縦軸はピーク数、横軸は魚体高であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0040】
今回の実験結果では、図6(a)に示すように、計数部72で計数したピーク数と単体魚の魚体高の関係はほぼ比例関係にあり、魚体高が大きくにつれてピーク数も多くなっている。そのため、情報処理部73は、このピーク数と魚体高の相関に基づいて、魚の魚体高や魚種などの魚に関する情報を算出することができるといえる。つまり、情報処理部73は、ピーク数と魚体高の相関を表す関数を予め保持しておき、計数部72から出力されたピーク数を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の魚体高を算出することが可能である。なお、ピーク数と魚体高の相関は比例関係に限られるものではない。
【0041】
また、図6(b)はピーク数と尾叉長の関係を示す図である。図6(b)において縦軸はピーク数、横軸は尾叉長であり、アジ、タイ、サバの魚種別にそれぞれ異なる固体から得られたデータの平均値をプロットした。
【0042】
計数部72で計数したピーク数は、図5(b)の場合と同様に、単体魚の縦方向の厚み、つまり魚体高を表しているものと考えられる。しかしながら、多くの魚の外形は略相似形であり、図6(b)にした結果をみても計数部72で計数したピーク数と尾叉長とはほぼ比例関係の相関がみられる。
【0043】
そのため、情報処理部73は、前述の魚体高を算出する場合と同様に、ピーク数と尾叉長の相関を表す関数を予め保持しておき、計数部72から出力されたピーク数を当該関数に入力することにより、抽出部6で抽出された単体魚の尾叉長を算出することも可能である。なお、ピーク数と尾叉長の相関は比例関係に限られるものではない。
【0044】
また、情報処理部73は、計数部72で計数したピーク数だけでなく、計測部71で計測した維持時間や単体魚からの反射強度TSの情報を併せて用い、尾叉長や魚体高などの魚体長情報や魚種情報を生成するようにしてもよい。これにより、情報処理部73は、より多くの検証情報を用いて魚に関する情報の検証ができるため、より正確な魚体長検出や魚種判別を行うことが可能になる。
【0045】
次に、単体魚からの反射信号と単体魚の姿勢角との関係を示す。
図7は、水槽中に麻酔で固定された単体魚の姿勢角を変化させて計測した反射信号とその包絡線を示す図である。
【0046】
図7に示す測定結果は、水槽中に麻酔で固定した単体魚の姿勢を−90度〜+90度まで10度刻みで変化させ、水面と垂直な方向から超音波信号を照射した際の反射信号の測定結果である。ここで背方向から垂直に音波が入射する場合を0度とし、頭方向から入射する場合をプラス、尾方向から入射する場合をマイナスとしている。なお、この実験で使用した送信信号は、図3で説明したものと同様のバンドウイルカのクリックスである。
【0047】
図7に示すように、単体魚から得られる反射波は、ウキブクロや体表や骨格などで発生する複数の反射波の合成波として受信され、単体魚の姿勢毎に異なる波形を有している。
【0048】
図8は、本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部71が計測した維持時間と姿勢角の関係を示す図である。図8において、縦軸は維持時間、横軸は姿勢角である。
図8の点線で示すように、維持時間と姿勢角の関係は、姿勢角が0度に近づくほど、維持時間が短くなる傾向がみられる。
【0049】
図9は、本発明の実施の形態1による水中探知装置の計数部72が計数したピーク数と姿勢角の関係を示す図である。図9において、縦軸はピーク数、横軸は姿勢角である。
図9の点線で示すように、ピーク数と姿勢角の関係は、姿勢角が0度に近づくほど、ピーク数が少なくなる傾向がみられる。
【0050】
図10は、単体魚からの反射信号の最大信号レベルと姿勢角の関係を示す図である。図10において、縦軸は最大信号レベル、横軸は姿勢角である。
図10の点線で示すように、最大信号レベルと姿勢角の関係は、姿勢角が0度に近づくほど、信号レベルが大きくなる傾向がみられる。なお、単体魚からの反射信号の最大レベルの検出は、前述した計測部71及び計数部72と並列に、反射信号の最大レベルを検出する検出部を設けることにより実現可能である。
【0051】
以上、図8から図10で示したように、単体魚から得られる反射信号の波形情報と単体魚の姿勢については相関があり、情報処理部73は、単体魚から得られる反射信号から検出した維持時間やピーク数や反射信号の最大信号レベルなどの波形情報に基づいて、魚の姿勢を算出することができる。つまり、情報処理部73は、維持時間やピーク数や反射信号の最大信号レベルなどの情報と単体魚の姿勢との関係を示す情報を予め保持しておき、計側部71、計数部72などの単体魚からの反射信号の波形情報を生成する構成要素からの出力情報に基づいて、抽出部6で抽出された単体魚の姿勢を推定することが可能である。
【0052】
また、情報生成部7は、情報処理部73で生成した魚の姿勢情報に基づいて、魚体長情報や魚種情報を生成するための反射信号を選択することが可能になる。これにより、情報処理部73は、魚体長情報や魚種情報の生成に最適な反射信号を用いて魚体長情報や魚種情報を生成することができるため、安定した結果を得ることが可能になる。なお、このような反射信号の選択処理は、同一の単体魚から複数の反射信号が得られるような場合に特に好適である。
【0053】
また、情報生成部7は、情報処理部73で生成した魚の姿勢情報を用いて、魚の進行方向を推定したり、算出した魚体長情報や魚種情報の信頼度を算出したりすることも可能である。
【0054】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による水中探知装置について説明する。
本発明の実施の形態2による水中探知装置では、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、維持時間の計測及びピーク数の計数をより精度よく行うことができる手法について説明する。
【0055】
図11は、本発明の実施の形態2による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2による水中探知装置は、送受波器1と、送受切替部2と、送信部3と、検波部5を有する受信部4と、抽出部6と、情報生成部7と、描画処理部8と、表示部9と、LPF(ローパスフィルタ)10とから構成される。なお、図1を用いて前述した本発明の実施の形態1による水中探知装置と同様の構成要素については同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0056】
LPF10は、情報生成部7の前段に設けられ、少なくとも入力信号をなまらせる役割を果たす。LPF10に用いる関数としては、例えば、ハニング窓やガウス窓が考えられる。なお、図11ではLPF10を抽出部6の後段に設けた例を示しているが、LPF10を抽出部6の前段に設けるようにしてもよい。
【0057】
図12は、窓長が50μsのハニング窓を用いて、単体魚からの反射信号に対して畳み込みを行いLPF処理した結果である。
図12(a)がローパスフィルタ処理後の包絡線を示し、図12(b)がローパスフィルタ処理に用いたハニング窓を示す。
【0058】
図12(a)に示すように、単体魚からの反射信号に対してLPF処理することにより、2つまたは3つに割れていた包絡線がなまり、1つの連続する包絡線となる。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、計測部71による維持時間の計測及び計数部72によるピーク数の計数をより精度よく行うことができ、情報処理部73は、より正確な魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成することが可能になる。
【0059】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による水中探知装置について説明する。
本発明の実施の形態3による水中探知装置では、本発明の実施の形態2による水中探知装置と異なる対処策を説明する。
【0060】
単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合、図11、図12を用いて説明したようなLPFを用いる手法の他、予め決められた時間幅の中にある反射信号を単体魚から反射信号とみなして、計測部71による維持時間の計測及び計数部72によるピーク数の計数を行うようにしてもよい。なお、水中探知装置の構成については、計測部71及び計数部72の処理内容を除き、前述した実施の形態1による水中探知装置と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0061】
つまり、計測部71は、単体魚から得られる反射信号の時間幅を予め決め保持しておく。この時間幅は、例えば単体魚の反射信号を統計処理して算出する。そして、計測部71は、単体魚からの反射信号の信号レベルの最大レベルを当該時間幅の中心とし、当該時間幅内の所定の信号レベル以上の反射信号を検出する。計測部71は、信号レベル以上の反射信号が得られた最初の点から最後の点までの時間を計測し、これを維持時間として出力する。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、計測部71は維持時間を精度よく計測することができる。
【0062】
また、計数部72においても、計測部71と同様に、単体魚から得られる反射信号の時間幅を予め決め保持しておく。この時間幅は、例えば単体魚の反射信号を統計処理して算出する。そして、計数部72は、単体魚からの反射信号の信号レベルの最大レベルを当該時間幅の中心とし、当該時間幅内に発生する反射信号のピークのうち、所定の信号レベル以上のピークの数を計数する。これにより、単体魚からの反射信号の包絡線が2つまたは3つに割れている場合であっても、計数部72はピーク数を精度よく計数することができる。
【0063】
以上より、情報処理部73は、計測部71によって計測された維持時間や計数部72によって計数されたピーク数を用いて、より正確に魚体長情報や魚種情報などの魚に関する情報を生成することが可能になる。
【0064】
なお、本発明にかかる水中探知装置は、魚群探知機の他、ソナーなどの装置においても適用可能である。
また、本発明は、本発明の各実施の形態で説明した発明の本旨を逸しない範囲で自由に設計変更可能であり、本発明の各実施の形態で説明した内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図
【図2】単体魚に入射した超音波信号の反射の様子を説明するための模式図
【図3】水槽中に麻酔で固定された3種の単体魚から計測した反射信号とその包絡線を示す図
【図4】単体魚からの反射信号の波形を反射波の時間的連続性とピーク数に着目して分析した結果を示す図
【図5】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部が計測した維持時間と尾叉長の関係、及び維持時間と魚体高の関係を示す図
【図6】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計数部が計測したピーク数と尾叉長の関係、及びピーク数と魚体高の関係を示す図
【図7】水槽中に麻酔で固定された単体魚の姿勢角度を変化させて計測した反射信号とその包絡線を示す図
【図8】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計測部が計測した維持時間と姿勢角の関係を示す図
【図9】本発明の実施の形態1による水中探知装置の計数部が計数したピーク数と姿勢角の関係を示す図
【図10】単体魚からの反射信号の最大信号レベルと姿勢角の関係を示す図
【図11】本発明の実施の形態2による水中探知装置の構成の一例を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態2による水中探知装置のLPF処理を説明するための説明図
【符号の説明】
【0066】
1 送受波器
2 送受切替部
3 送信部
4 受信部
5 検波部
6 抽出部
7 情報生成部
8 描画処理部
9 表示部
10 LPF
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号を送信する送信部と、
送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、
前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、
前記単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする水中探知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記波形情報として、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する維持時間を含み、
前記情報生成部は、前記維持時間に基づいて魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項3】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記波形情報として、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する前記反射信号のピーク数を含み、
前記情報生成部は、前記ピーク数に基づいて魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項4】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記波形情報として、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する維持時間と、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する前記反射信号のピーク数を含み、
前記情報生成部は、前記維持時間及び前記ピーク数から魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れかに記載の水中探知装置において、
前記魚に関する情報は、魚体長情報、魚種情報、魚の姿勢情報のうちの,少なくとも1つであることを特徴とする水中探知装置。
【請求項6】
請求項5に記載の水中探知装置において、
前記情報生成部は、前記魚の姿勢情報に基づいて、前記魚体長情報または前記魚種情報の生成に用いる単体魚からの反射信号を選択することを特徴とする水中探知装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載の水中探知装置において、
前記情報生成部の前段にLPFを設け、
前記情報生成部は、前記LPFから出力された信号を用いて魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れかに記載の水中探知装置において、
前記所定の信号レベルは、前記反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値であることを特徴とする水中探知装置
【請求項9】
請求項1から7の何れかに記載の水中探知装置において、
前記所定の信号レベルは、反射信号の信号レベルの最大値で反射信号の信号レベルを規格化し、該規格化された反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値であることを特徴とする水中探知装置
【請求項10】
超音波信号を送信する送信部と、
送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、
前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、
前記単体魚からの反射信号の時間的な連続性に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする水中探知装置。
【請求項11】
超音波信号を送信する送信部と、
送信信号に対する単体魚からの反射波を受信する受信部と、
前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、
前記単体魚からの反射信号のピーク数に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする水中探知装置。
【請求項1】
超音波信号を送信する送信部と、
送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、
前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、
前記単体魚からの反射信号のうち、所定の信号レベル以上で連続する反射信号の波形情報を取得し、該波形情報に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする水中探知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記波形情報として、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する維持時間を含み、
前記情報生成部は、前記維持時間に基づいて魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項3】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記波形情報として、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する前記反射信号のピーク数を含み、
前記情報生成部は、前記ピーク数に基づいて魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項4】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記波形情報として、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する維持時間と、前記所定の信号レベル以上の値を前記反射信号の信号レベルが維持する期間に発生する前記反射信号のピーク数を含み、
前記情報生成部は、前記維持時間及び前記ピーク数から魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れかに記載の水中探知装置において、
前記魚に関する情報は、魚体長情報、魚種情報、魚の姿勢情報のうちの,少なくとも1つであることを特徴とする水中探知装置。
【請求項6】
請求項5に記載の水中探知装置において、
前記情報生成部は、前記魚の姿勢情報に基づいて、前記魚体長情報または前記魚種情報の生成に用いる単体魚からの反射信号を選択することを特徴とする水中探知装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載の水中探知装置において、
前記情報生成部の前段にLPFを設け、
前記情報生成部は、前記LPFから出力された信号を用いて魚に関する情報を生成することを特徴とする水中探知装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れかに記載の水中探知装置において、
前記所定の信号レベルは、前記反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値であることを特徴とする水中探知装置
【請求項9】
請求項1から7の何れかに記載の水中探知装置において、
前記所定の信号レベルは、反射信号の信号レベルの最大値で反射信号の信号レベルを規格化し、該規格化された反射信号の信号レベルの最大値を1/N(N>1)した値であることを特徴とする水中探知装置
【請求項10】
超音波信号を送信する送信部と、
送信信号に対する物標からの反射波を受信する受信部と、
前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、
前記単体魚からの反射信号の時間的な連続性に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする水中探知装置。
【請求項11】
超音波信号を送信する送信部と、
送信信号に対する単体魚からの反射波を受信する受信部と、
前記受信部で受信した受信信号から、単体魚からの反射信号を抽出する抽出部と、
前記単体魚からの反射信号のピーク数に基づいて魚に関する情報を生成する情報生成部とを備えることを特徴とする水中探知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−267834(P2008−267834A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107560(P2007−107560)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(507267816)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【出願人】(501168814)独立行政法人水産総合研究センター (103)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(507267816)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【出願人】(501168814)独立行政法人水産総合研究センター (103)
【Fターム(参考)】
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