水中油型乳化皮膚化粧料
【課題】皮膚上でのびが軽く、べたつかず、浸透感に優れ、うるおいを与え、しっとりとし、しかも高い肌改善効果を有する水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】(a)アクリルアミド系増粘剤0.1〜1.0質量%と、(b)融点が40℃以上のエステル油0.5〜5.0質量%と、(c)グリセリン10〜20質量%以上含有し、かつ、コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するレオロジー特性を有する、水中油型乳化皮膚化粧料。
【解決手段】(a)アクリルアミド系増粘剤0.1〜1.0質量%と、(b)融点が40℃以上のエステル油0.5〜5.0質量%と、(c)グリセリン10〜20質量%以上含有し、かつ、コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するレオロジー特性を有する、水中油型乳化皮膚化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用性および肌改善効果に優れた水中油型乳化皮膚化粧料に関する。さらに詳しくは、グリセリンを高配合した系であって、使用性、肌改善効果に優れる水中油型乳化皮膚化粧料に関する。本発明はまた化粧料の使用性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、グリセリンは高い保湿効果、肌荒れ改善効果といった高い肌改善効果を有した化粧品成分として知られている。しかし、優れた肌改善効果を得るためにグリセリンを高配合する場合、高い肌改善効果が得られる反面、配合量に応じて、みずみずしさ、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に欠け、べたつきを生じるという欠点を有するようになる。
【0003】
そこで近年、グリセリン配合によるべたつきを低減させ、さっぱりさせるために、脂肪酸グリセリンエステル、特定の水溶性固型シリコーン、粉末を配合することなどが試みられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
しかしながら、これらの従来技術では、グリセリンによる高い肌改善効果を確実に得るためにグリセリンを10質量%程度以上という高配合する系においては、べたつきの低減効果を十分満足し得るまでには至っていない等の不具合がある。
【0005】
一方、アクリルアミド系増粘剤は、肌なじみやのびなどの使用性の優れた化粧料用増粘剤として用いられている(例えば、特許文献4〜5参照)。このアクリルアミド系増粘剤は、従来、化粧料増粘剤として多用されてきたカルボキシビニルポリマーやキサンタンガム、あるいはヒドロキシエチルセルロースなどに代わる増粘剤として有用なものであるが、肌改善効果の高いグリセリンを高配合した場合には、アクリルアミド系増粘剤の使用性の良さはかき消され、またグリセリン由来のべたつきを低減させることができないという問題も生じている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−246329号公報
【特許文献2】特開2000−191428号公報
【特許文献3】特開2002−356416号公報
【特許文献4】特開平10−67685号公報
【特許文献5】特開2001−114641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解消し、グリセリンを高配合した系において、皮膚上でのびが軽く、べたつかず、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に優れ、うるおいを与え、しっとりとし、しかもグリセリンによる高い肌改善効果を発揮し得る水中油型乳化皮膚化粧料を提供することを目的とする。また本発明は化粧料の使用性評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意研究を重ねた結果、レオロジーの測定法の一つであるコーンプレート型粘断性測定機を用いて、25℃における歪み分散測定により得られる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)を評価指標として、水中油型乳化皮膚化粧料の使用性についてレオロジーの観点から検討を行い、G’とG’’との関係を所定範囲内に規定する系とすることにより、肌改善効果に優れる一方でべたつき感のあるグリセリンを高配合した系においても、使用時には肌なじみがよく、べたつかず、かつ肌改善効果を確実に発揮し得る水中油型乳化皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、下記(1)に示す(a)〜(c)成分を含有し、かつ、下記(2)に示すレオロジー特性を有する水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
(1)化粧料全量中に、(a)アクリルアミド系増粘剤を0.1〜1.0質量%、(b)融点が40℃以上のエステル油(ワックスエステル)を0.5〜5.0質量%、および(c)グリセリンを10〜20質量%含有する。
(2)コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持する。
【0010】
また本発明は、さらに(d)非イオン性界面活性剤を0.5〜7.0質量%質量%含有する、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0011】
また本発明は、(a)成分が、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸(塩)の混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)のホモポリマー、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体の中から選ばれる1種または2種以上である、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0012】
また本発明は、(b)成分がミリスチン酸ミリスチルである、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0013】
また本発明は、(d)成分として、HLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤とを含有する、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0014】
また本発明は、化粧料の使用性評価方法であって、コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するレオロジー特性を有するようにすることを使用性評価指標とする、化粧料の使用性評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、グリセリンを高配合した系において、皮膚上でのびが軽く、べたつかず、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に優れ、うるおいを与え、しっとりとし、しかもグリセリンによる高い肌改善効果を発揮し得る水中油型乳化皮膚化粧料が提供されるという効果を奏する。また本発明により簡易な化粧料の使用性評価方法が提供されるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について詳述する。
【0017】
(a)成分としてのアクリルアミド系増粘剤としては、特に限定されるものでないが、本発明ではビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸(塩)の混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)のホモポリマー、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体等が好適例として挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。上記において塩としては、アルカリ金属塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機アミン類塩(例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などが好適例として挙げられる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
(a)成分は市販品を好適に用いることができる。例えば、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体としては、「SIMULGEL EG」(Sepic社製)、「FLOCARE ET30」(SNF社製)、「SIMLUGEL EPG」(Sepic社製)、「Viscolam AT64」(Lamberti社製)、「Viscolam AT64 P」(Lamberti S.p.A社製)等が挙げられる。その他、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アンモニウム塩共重合体としては、「Aristoflex AVC−1」(Clariant社製)等が挙げられ、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体としては、「Acudyne SCP」(Rohm&Haas社製)等が挙げられ、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体としては、「S 600」(Sepic社製)等が挙げられ、ポリアクリルアミドとしては、「Sepigel 305」(Sepic社製)、「Sepigel 501」(Sepic社製)等が挙げられ、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アンモニウム塩共重合体としては、「Aristoflex AVC」(Clariant社製)等が挙げられ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アンモニウム塩のホモポリマーとしては、「Gransil APK−1」(Grant Industries社製)、「SilDerm Formulating Base」(Active Concepts LLC社製)、「SilDerm Formulating Base IF」(Active Concepts LLC社製)等が挙げられ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩のホモポリマーとしては、「Simulgel 800」(Sepic社製)、「Viscolam AT 100」(Lamberti社製)等が挙げられ、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0019】
(a)成分の配合量は、化粧料全量に対して0.1〜1.0質量%であり、好ましくは0.2〜0.8質量%である。(a)成分の配合は塗布時の肌へのなじみやのびと関連し、(a)成分の配合量が上記範囲を逸脱すると、本発明化粧料に要求される使用性指標であるG’、G’’の条件を満足しない場合があり、硬くなりすぎて肌なじみやのびが悪くなったり、柔らかすぎて安定性が悪くなったりすることがあり、好ましくない。
【0020】
(b)成分は融点が40℃以上のエステル油(ワックスエステル)で、具体的には、アラキン酸メチル、ヘンエイコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、トリコサン酸メチル、リグノセリン酸メチル、ペンタコサン酸メチル、セロチン酸メチル、モンタン酸メチル、メリシン酸メチル、メリシン酸メチル、ドトリアコンタン酸メチル、テトラトリアコンタン酸メチル、ヘキサトリアコンタン酸メチル、オクタトリアコンタン酸メチルなどの脂肪酸メチルエステル類;アラキン酸エチル、ヘンエイコサン酸エチル、ベヘン酸エチル、トリコサン酸エチル、リグノセリン酸エチル、ペンタコサン酸エチル、セロチン酸エチル、オクタコサン酸エチル、モンタン酸エチル、メリシン酸エチル、ドトリアコンタン酸エチル、テトラトリアコンタン酸エチル、ヘキサトリアコンタン酸エチル、オクタトリアコンタン酸エチルなどの脂肪酸エチルエステル類;ミリスチン酸テトラデシル(=ミリスチン酸ミリスチル)、パルミチン酸ドデシル、パルミチン酸テトラデシル、パルミチン酸ペンタデシル、パルミチン酸ヘキサデシル、パルミチン酸オクタデシル、パルミチン酸トリアコンチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸ヘプタデシル、ステアリン酸オクタデシル、ステアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸トリアコンチル、ベヘン酸ドコシル、リグノセリン酸テトラコシル、メリシン酸ミリシルなどの脂肪酸の一価アルコールエステル類;コハク酸メチル、セバシン酸メチル、シュウ酸ジメチルなどの飽和二塩基酸のモノおよびジエステル類、パルミチン酸エチレングリコール、マルガリン酸エチレングリコール、ステアリン酸エチレングリコール、ジ安息香酸エチレングリコール、ジサリチル酸エチレングリコール、ジラウリン酸エチレングリコール、ジミリスチン酸エチレングリコール、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジマルガリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコールなどのエチレングリコールエステル類;パルミチン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、ジパルミチン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコールエステル類などが挙げられる。中でも肌へのなじみ、べたつきのなさ、安価である等の点から、ミリスチン酸ミリスチルが好ましく用いられる。
【0021】
ミリスチン酸ミリスチルは、市販品を好適に用いることができる。市販品としては、「AEC yristyl yristate」(A&E onnock社製)、「Botanester M」(Botanigenics社製)、「Cetinol M」(Fabriquimica社製)、「Cetiol M」(Cognis社製)、「Crodamol M」(Croda社製)、「Customate M」(Custom ngredients社製)、「Dub M」(Stearinerie ubois ils社製)、「HallStar M」(RTD allStar社製)、「Jeechem M」(Jeen nternational orporation社製)、「Liponate M」(Lipo hemicals社製)、「Myristate e yristyle」(Laboratoires rod’Hyg社製)、「Nikkol M」(日光ケミカルズ(株)製)、「Pelemol M」(Protameen hemicals社製)、「Saboderm M」(Sabo社製)、「Schercemol M」(Noveon社製)、「Tegosoft M」(Degussa are pecialties社製)、「Uniester M」(Chemyunion uimica社 TDA社製)等が挙げられる。
【0022】
(b)成分の配合量は、化粧料全量に対して0.5〜5.0質量%であり、好ましくは1.0〜4.0質量%である。(b)成分の配合量が上記範囲を逸脱すると、本発明化粧料に要求される使用性指標であるG’、G’’の条件を満足しない場合があり、硬くなりすぎて肌なじみやのびが悪くなったり、柔らかすぎて安定性が悪くなったりすることがあり、好ましくない。
【0023】
(c)成分としてのグリセリンは市販品を用いることができる。本発明においては、肌改善効果は高いが、べたつくものとして知られている(c)成分を、確実に肌改善効果が得られる10〜20質量%配合することを必須要件とするが、好ましくは10〜15質量%である。本発明では、(c)成分を10質量%以上という高配合しても、上述した(a)成分、(b)成分を配合することにより、さらには後述する(d)非イオン性界面活性剤を配合することにより、前述したレオロジー特性を確実に有することができ、(c)成分のもつ高い肌改善効果を有しながらも、べたつきのない化粧料を得ることができる。
【0024】
(d)成分としての非イオン性界面活性剤は、特に限定されるものでないが、HLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤を併用するのが、特に安定性の点から好ましい。
【0025】
HLBは下記数1
【0026】
【数1】
【0027】
(ただし、MWは親水基部の分子量を表し、MOは親油基部の分子量を表す)
で表される川上式により算出される。
【0028】
[1]HLB9以上の非イオン性界面活性剤としては、以下のものが例示される。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0029】
モノラウリン酸ヘキサグリセリル〔HLB14.5〕、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル〔HLB11〕、モノステアリン酸ヘキサグリセリル〔HLB9.0〕、モノオレイン酸ヘキサグリセリル〔HLB9.0〕、モノラウリン酸デカグリセリル〔HLB15.5〕、モノミリスチン酸デカグリセリル〔HLB14.0〕、モノステアリン酸デカグリセリル〔HLB12.0〕、モノイソステアリン酸デカグリセリル〔HLB12.0〕、モノオレイン酸デカグリセリル〔HLB12.0〕、ジステアリン酸デカグリセリル〔HLB9.5〕、ジイソステアリン酸デカグリセリル〔HLB10.0〕等のポリグリセリン脂肪酸エステル類。
【0030】
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)(5)グリセリル〔HLB9.5〕、モノステアリン酸POE(15)グリセリル〔HLB13.5〕、モノオレイン酸POE(5)グリセリル〔HLB9.5〕、モノオレイン酸POE(15)グリセリル〔HLB14.5〕等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類。
【0031】
モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン〔HLB16.9〕、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン〔HLB15.6〕、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン〔HLB14.9〕、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン〔HLB9.5〕、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン〔HLB10.5〕、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン〔HLB15.0〕、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン〔HLB15.0〕、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン〔HLB10.0〕、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン〔HLB11.0〕等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類。
【0032】
モノラウリン酸POE(6)ソルビット〔HLB15.5〕、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット〔HLB13.0〕、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット〔HLB11.5〕、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット〔HLB12.5〕、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット〔HLB14.0〕等のPOEソルビット脂肪酸エステル類。
【0033】
POE(10)ラノリン〔HLB12.0〕、POE(20)ラノリン〔HLB13.0〕、POE(30)ラノリン〔HLB15.0〕、POE(5)ラノリンアルコール〔HLB12.5〕、POE(10)ラノリンアルコール〔HLB15.5〕、POE(20)ラノリンアルコール〔HLB16.0〕、POE(40)ラノリンアルコール〔HLB17.0〕、POE(20)ソルビットミツロウ〔HLB9.5〕等のPOEラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体類。
【0034】
POE(20)ヒマシ油〔HLB10.5〕、POE(40)ヒマシ油〔HLB12.5〕、POE(50)ヒマシ油〔HLB14.0〕、POE(60)ヒマシ油〔HLB14.0〕、POE(20)硬化ヒマシ油〔HLB10.5〕、POE(30)硬化ヒマシ油〔HLB11.0〕、POE(40)硬化ヒマシ油〔HLB13.5〕、POE(60)硬化ヒマシ油〔HLB14.0〕、POE(80)硬化ヒマシ油〔HLB16.5〕、POE(40)硬化ヒマシ油(100)硬化ヒマシ油〔HLB16.5〕等のPOEヒマシ油・硬化ヒマシ油類。
【0035】
POE(5)フィトステロール〔HLB9.5〕、POE(10)フィトステロール〔HLB12.5〕、POE(20)フィトステロール〔HLB15.5〕、POE(30)フィトステロール〔HLB18.0〕、POE(25)フィトステロール〔HLB14.5〕、POE(30)コレスタノール〔HLB17.0〕等のPOEステロール・水素添加ステロール類。
【0036】
POE(2)ラウリルエーテル〔HLB9.5〕、POE(4.2)ラウリルエーテル〔HLB11.5〕、POE(9)ラウリルエーテル〔HLB14.5〕、POE(5.5)セチルエーテル〔HLB10.5〕、POE(7)セチルエーテル〔HLB11.5〕、POE(10)セチルエーテル〔HLB13.5〕、POE(15)セチルエーテル〔HLB15.5〕、POE(20)セチルエーテル〔HLB17.0〕、POE(23)セチルエーテル〔HLB18.0〕、POE(4)ステアリルエーテル〔HLB9.0〕、POE(20)ステアリルエーテル〔HLB18.0〕、POE(7)オレイルエーテル〔HLB10.5〕、POE(10)オレイルエーテル〔HLB14.5〕、POE(15)オレイルエーテル〔HLB16.0〕、POE(20)オレイルエーテル〔HLB17.0〕、POE(50)オレイルエーテル〔HLB18.0〕、POE(10)ベヘニルエーテル〔HLB10.0〕、POE(20)ベヘニルエーテル〔HLB16.5〕、POE(30)ベヘニルエーテル〔HLB18.0〕、POE(2)(C12-15)アルキルエーテル〔HLB9.0〕、POE(4)(C12-15)アルキルエーテル〔HLB10.5〕、POE(10)(C12-15)アルキルエーテル〔HLB15.5〕、POE(5)2級アルキルエーテル〔HLB10.5〕、POE(7)2級アルキルエーテル〔HLB12.0〕、POE(9)アルキルエーテル〔HLB13.5〕、POE(12)アルキルエーテル〔HLB14.5〕等のPOEアルキルエーテル類。
【0037】
POE(1)ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)(4)セチルエーテル〔HLB9.5〕、POE(10)POP(4)セチルエーテル〔HLB10.5〕、POE(20)POP(8)セチルエーテル〔HLB12.5〕、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル〔HLB11.0〕、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル〔HLB12.0〕等のPOE・POPアルキルエーテル類。
【0038】
モノラウリン酸ポリエチレングリコール(以下、PEGと略す)(10)〔HLB12.5〕、モノステアリン酸PEG(10)〔HLB11.0〕、モノステアリン酸PEG(25)〔HLB15.0〕、モノステアリン酸PEG(40)〔HLB17.5〕、モノステアリン酸PEG(45)〔HLB18.0〕、モノステアリン酸PEG(55)〔HLB18.0〕、モノステアリン酸PEG(100)〔HLB18.8〕、モノオレイン酸PEG(10)〔HLB11.0〕、ジステアリン酸PEG〔HLB16.5〕、ジイソステアリン酸PEG〔HLB9.5〕等のPEG脂肪酸エステル類。
【0039】
イソステアリン酸PEG(8)グリセリル〔HLB10.0〕、イソステアリン酸PEG(10)グリセリル〔HLB10.0〕、イソステアリン酸PEG(15)グリセリル〔HLB12.0〕、イソステアリン酸PEG(20)グリセリル〔HLB13.0〕、イソステアリン酸PEG(25)グリセリル〔HLB14.0〕、イソステアリン酸PEGグリセリル(30)〔HLB15.0〕、イソステアリン酸PEG(40)グリセリル〔HLB15.0〕、イソステアリン酸PEG(50)グリセリル〔HLB16.0〕、イソステアリン酸PEG(60)グリセリル〔HLB16.0〕等のイソステアリン酸POEグリセリル類。
【0040】
[2]HLB2〜5の非イオン性界面活性剤としては、以下のものが例示される。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0041】
POE(2)ステアリルエーテル〔HLB4.0〕、自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール〔HLB4.0〕、ミリスチン酸グリセリル〔HLB3.5〕、モノステアリン酸グリセリル〔HLB4.0〕、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル〔HLB4.0〕、モノイソステアリン酸グリセリル〔HLB4.0〕、モノオレイン酸グリセリル〔HLB2.5〕、トリステアリン酸ヘキサグリセリル〔HLB2.5〕、ペンタステアリン酸デカグリセリル〔HLB3.5〕、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル〔HLB3.5〕、ペンタオレイン酸デカグリセリル〔HLB3.5〕、モノステアリンソルビタン〔HLB4.7〕、トリステアリン酸ソルビタン〔HLB2.1〕、モノイソステアリン酸ソルビタン〔HLB5.0〕、セスキイソステアリン酸ソルビタン〔HLB4.5〕、モノオレイン酸ソルビタン〔HLB4.3〕、ヘキサステアリン酸POE(6)ソルビット〔HLB3.0〕、POE(3)ヒマシ油〔HLB3.0〕、モノステアリン酸PEG(2)〔HLB4.0〕、モノステアリン酸エチレングリコール〔HLB3.5〕、ステアリン酸PEG(2)〔HLB4.5〕等が挙げられる。
【0042】
(d)成分は1種または2種以上を用いることができる。(d)成分の配合量は化粧料全量に対して、0.5〜7.0質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜6.0質量%である。0.5質量%未満では、系の安定性に乏しく、一方、7.0質量%を超えて配合しても、効果を増強するものではなく、かえってべたつきを生じる場合がある。
【0043】
(d)成分としてHLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤を併用する場合、HLB9以上の非イオン性界面活性剤とHLB2〜5の非イオン性界面活性剤の配合量比(質量比)は、HLB9以上の非イオン性界面活性剤/HLB2〜5の非イオン性界面活性剤=0.5〜1.5が好ましい。上記範囲で併用することにより、使用性、安定性をより向上させることができる。
【0044】
次に、本発明の使用性指標として採用したレオロジーの条件について詳述する。
【0045】
本発明においては、コーンプレート型粘断性測定機MCR300(Anton Paar GermanyGmbH社製)を用い、測定温度25℃において、コーンプレートとして、CP25−2(Radius 12.5mm、Angle of measuring cone:2°)を用い、試料0.16mLを、歪み測定範囲0.01〜100%で測定する歪み分散測定法により規定した。
【0046】
本発明では、高い肌改善効果を有しながらも、べたつかず、肌なじみ、浸透感に優れた使用性の水中油型乳化皮膚化粧料を得るための条件として、25℃の歪み分散測定における歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するという条件を満足する必要がある。
【0047】
これにつき図1を参照しながら説明する。図1は横軸に歪み%を、縦軸に貯蔵弾性率G’および損失弾性率G’’(これらをまとめて「粘弾性率」と記すこともある)をとったものである。
【0048】
貯蔵弾性率G’は物質(ポリマーなど)の物質の弾性(硬さ)を示す弾性率であり、損失弾性率G’’は物質(ポリマーなど)の粘性(ねばり)を示す弾性率である。G’>G’’の領域では物質がゲル状態を示し、G’<G’’の領域では物質がゾル状態を示す。したがってG’とG’’との関係が逆転する点、すなわちG’=G’’となる点がゲルとゾルの転移点となる。G’に対するG’’の比率(G’’/G’。tanδ。Damping Factor)はレオロジーのパラメーターの1つであり、これを本発明の使用性評価指標とした。
【0049】
本発明では、化粧料の歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’は10,000Pa未満である。この歪み範囲におけるG’の値が大きいほど、化粧料が硬いゲル状を示すことになる。化粧料の剤型により一概に言えないが、歪み0.01%以上1%未満の範囲における本発明化粧料のG’は好ましくは500〜9,000Paであり、より好ましくは1,000〜8,000Paである。また損失弾性率G’’は100Pa以上(G’’≧100Pa)であり、好ましくは100〜5,000Paであり、より好ましくは100〜1,000Paである。歪み0.01%以上1%未満の範囲ではG’>G’’、すなわちG’’/G’(tanδ)<1の関係を満足する。歪み0.01%以上1%未満の範囲においてG’’/G’(tanδ)<1とすることで、化粧料を肌へ塗着した際のなじみや浸透感等に優れる等の効果が得られる。
【0050】
なお、歪み0.01%以上1%未満の範囲では、上記G’、G’’の値は、できるだけ変動することなく、それぞれ一定値を維持するものであることが好ましい。
【0051】
そして歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、ゲル−ゾルの転移点を有し、歪み10%以上の範囲においてもG’<G’’の関係が維持される。このことは化粧料の皮膚上でのびが軽く、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に優れることを意味する。
上記ゲル−ゾルの転移点(すなわちG’曲線とG’’曲線とが交差する点)は、図1中、網掛けで示した範囲内で生じる必要がある。ゲル−ゾルの転移点が上記歪み%範囲を逸脱した範囲で生じる場合は、高い肌改善効果が得られても使用性の面で肌なじみや肌上でののびが悪かったり、べたついたりするが、この網掛け部分でゲル−ゾルの転移点が生じる場合は、使用性の面で肌なじみやのびが良く、かつ高い肌改善効果が得られる。
【0052】
本発明では上記レオロジーパラメーターの条件を満足することにより、(c)成分を10%以上配合していても使用時には、みずみずしく、べたつかず、かつ高い肌改善効果が得られることとなるのである。
【0053】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、油相成分に水相成分が配合され、常法によりホモジナイザー等で攪拌混合して製造される。水相成分は、水若しくは水を主成分とする水相に、これに各種水溶性成分を含むものである。水相成分は、水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して50.0〜80.0質量%配合するのが好ましい。水相成分が50.0質量%未満では、重さを感じ、べたつきを生じる場合があり、一方、80.0質量%を超えると、さっぱりしているが、しっとりせず、本発明の効果である高い肌改善効果を得難いことがある。
【0054】
本発明の水中油型乳化組成物においては、上記必須成分のほかに、通常乳化化粧料に配合され得る成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0055】
このような成分としては、例えば紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ロウ類、炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーン油、多価アルコール、水溶性高分子、高級アルコール、高級脂肪酸、薬剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキサン)シリルイソペンチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェニル−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、ジモルホリノピリダジノン、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0057】
紫外線散乱剤としては、例えば、平均粒径10〜100nmの微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、微粒子酸化セリウムなどの粉末が挙げられる。
【0058】
また、メチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン処理;金属石鹸処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシラン等のフッ素処理、デキストリン脂肪酸エステル処理等により、疎水化処理した紫外線散乱剤も、剤型に応じて適宜配合できる。
【0059】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、液状ラノリン、ジョジョバロウ等が挙げられる。
【0060】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス等が挙げられる。
【0061】
脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、ミツロウ脂肪酸2−オクチルドデシル等が挙げられる。
【0062】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、平均分子量20万以上のシリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0063】
多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール,グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール,エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
【0064】
水溶性高分子としては、例えば、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カードラン、コンドロイチン硫酸、デンプン、グリコーゲン、アラビアガム、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天等が挙げられる。
【0065】
高級アルコールとしては、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、トリアコンチルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等が挙げられる。
【0066】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0067】
薬剤としては、例えば、L−アスコルビン酸およびその誘導体の塩、トラネキサム酸およびその誘導体の塩、アルコキシサリチル酸およびその誘導体の塩、グルタチオンおよびその誘導体の塩などが挙げられ、より具体的には、L−アスコルビン酸誘導体としては、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレートなどのL−アスコルビン酸モノアルキルエステル類;L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレートなどのL−アスコルビン酸ジアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレートなどのL−アスコルビン酸トリアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸トリエステル類;L−アスコルビン酸2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類などが挙げられる。本発明では、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシドの各塩の形で好適に用いられる。
【0068】
トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体、(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド、トランス−4−(p−メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)などが挙げられる。本発明ではトラネキサム酸の塩あるいはトラネキサム酸誘導体の塩の形で好適に用いられる。
【0069】
アルコキシサリチル酸は、サリチル酸の3位、4位または5位のいずれかの水素原子がアルコキシ基にて置換されたものであり、置換基であるアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基のいずれかであり、さらに好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。具体的に化合物名を例示すれば、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポキシサリチル酸などが挙げられる。本発明ではアルコキシサリチル酸およびその誘導体(エステルなど)の各塩の形で好適に用いられる。
【0070】
上記薬剤の塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のほか、アンモニウム塩、アミノ酸塩等の塩が挙げられる。
【0071】
また、ビタミンA、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート等のビタミンA誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、アルブチン、セファランチン等の各種薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、オウゴン、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サクラリーフ等の植物の抽出物、β−カロチン等の色素等も配合することができる。
【0072】
その他、エタノール等の低級アルコール;ブチルヒドロキシトルエン、δ−トコフェロール、フィチン等の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、フェノキシエタノール、ヘキサクロロフェン、ε−ポリリジン等の防腐剤;クエン酸、乳酸、ヘキサメタリン酸等の有機または無機酸よびその塩等が挙げられる。
【0073】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料の具体例としては、乳液、スキンクリーム、ヘアクリーム、リキッドファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ等の乳液状あるいはクリーム状の製品が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
【実施例】
【0074】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
【0075】
まず、本発明に用いた評価方法について説明する。
【0076】
[安定性試験]
試料を50℃で1ヶ月間放置した後の外観を目視にて観察し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
○:分離が全くみられなかった。
△:分離がほとんどみられなかった。
×:液相(油相または水相)の分離が生じた。
【0077】
[使用性(のび)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌へののびについて判定してもらい、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
○:7〜9名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
△:3〜6名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
×:0〜2名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
【0078】
[使用性(べたつき)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、べたつきについて判定してもらい、下記評価規準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
○:7〜9名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
△:3〜6名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
×:0〜2名が、べたつきがなく、しっとりした判定した。
【0079】
[使用性(さっぱりさ)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、さっぱりさについて判定してもらい、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、さっぱりさがあると判定した。
○:7〜9名が、さっぱりさがあると判定した。
△:3〜6名が、さっぱりさがあると判定した。
×:0〜2名が、さっぱりさがあると判定した。
【0080】
[肌改善効果(肌のはり)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌のはりについて判定してもらい、下記評価規準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、肌にはりがあると判定した。
○:7〜9名が、肌にはりがあると判定した。
△:3〜6名が、肌にはりがあると判定した。
×:0〜2名が、肌にはりがあると判定した。
【0081】
[肌改善効果(肌のうるおい感)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌のうるおい感について判定してもらい、下記評価規準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、肌にうるおい感があると判定した。
○:7〜9名が、肌にうるおい感があると判定した。
△:3〜6名が、肌にうるおい感があると判定した。
×:0〜2名が、肌にうるおい感があると判定した。
【0082】
[貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’、G’とG’’との交点]
コーンプレート型粘断性測定機MCR300(Anton Paar GermanyGmbH社製)を用い、測定温度25℃において、コーンプレートとして、CP25−2(Radius 12.5mm、Angle of measuring cone:2°)を用い、試料0.16mLを歪み測定範囲0.01〜100%で歪み分散測定法により歪み0.01〜100%の範囲で、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。
【0083】
またG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となった歪み範囲(%)につき調べた。
【0084】
(実施例1〜5および比較例1〜7)
下記表1〜3に示す処方で、水中油型乳化皮膚化粧料のクリームを常法により製造した。得られた組成物(試料)について、上記試験方法により、安定性、使用性および肌改善効果を評価した。また貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’を測定した。結果を表1〜3に示す。なお表1中、「アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体」(*1)は「Simulgel EG」(Sepc社製、有効分37.5%)を用いた。
【0085】
【表1】
【0086】
表1の実施例1および比較例1〜4のレオロジー測定データ(G’、G’’)のグラフを下記のとおり図2〜6に示す。
【0087】
図2: 実施例1のレオロジー測定データのグラフ
図3: 比較例1のレオロジー測定データのグラフ
図4: 比較例2のレオロジー測定データのグラフ
図5: 比較例3のレオロジー測定データのグラフ
図6: 比較例4のレオロジー測定データのグラフ。
【0088】
図2から明らかなように、実施例1は本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、その使用性並びに肌改善効果も良好なものであることが確認された。図3〜5から明らかなように、比較例1〜3は、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’とG’’が本発明の条件を満たしているが、G’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲外のため、使用性あるいは肌改善効果に劣る。また図6から明らかなように、比較例4は、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’が10,000Paを超えているため、肌改善効果には優れるものの、使用性に劣る。
【0089】
【表2】
【0090】
表2より明らかなように、実施例2は、本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、使用性および肌改善効果が良好なものであることがわかる。
【0091】
表2の実施例2および比較例5のレオロジー測定データのグラフを図7に示す。比較例5は、(b)成分を欠き、G’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲内であるが、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’が10,000Pa以上となり、肌改善効果には優れるが、使用性に劣る。
【0092】
【表3】
【0093】
表3より明らかなように、実施例3は、本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、使用性および肌改善効果が良好なものであることがわかる。
【0094】
表3の実施例3および比較例6のレオロジー測定データのグラフを図8に示す。比較例6は、(c)成分が10質量%未満であり、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’とG’’が本発明範囲内であるが、G’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲外のため、使用性および肌改善効果に劣る。
【0095】
【表4】
【0096】
表4より明らかなように、実施例4は、本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、使用性および肌改善効果が良好なものであることがわかる。
【0097】
表4の実施例4および比較例7のレオロジー測定データのグラフを図9に示す。比較例7は、(a)成分を欠き、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’とG’’が本発明範囲内であるが、G’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲外のため、肌改善効果には優れるが、使用性には劣る。
【0098】
以下に、さらに本発明のその他の実施例を示す。
【0099】
(実施例5:美白スキンクリーム)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)流動パラフィン 2.0
(2)イソヘキサデカン 4.0
(3)イソデシルベンゾエート 2.0
(4)POE(21)ステアリルエーテル(HLB15.5) 2.0
(5)POE(2)ステアリルエーテル(HLB4.9) 0.5
(6)セチルアルコール 0.15
(7)バチルアルコール 0.1
(8)ミリスチン酸ミリスチル 5.0
(9)香料 0.1
(10)イオン交換水 残 余
(11)ジプロピレングリコール 2.0
(12)グリセリン 13.0
(13)トラネキサム酸 2.0
(14)フェノキシエタノール 0.7
(15)エタノール 3.0
(16)ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸アンモニウム共重合体 0.1
(「ARISTOFLEX AVC」、CLARIANT社製)
(17)クエン酸 0.02
(18)クエン酸ナトリウム 0.08
(製法)
(1)〜(9)を70℃にて均一に混合溶解した(油相)。一方、(9)〜(18)を70℃にて均一に混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながら、ホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的の美白スキンクリームを得た。
(製品の性状)
得られた美白アンチエイジングクリームについて、上記評価方法により貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。その結果、歪み0.01%におけるG’は1,672Pa、G’’は396Paで(G’>G’’)、G’<G’’となるのは歪み1〜10%の範囲内であった。レオロジー測定のグラフを図10に示す。
【0100】
上記評価方法に基づき安定性、使用性、肌改善効果について評価を行ったところ、安定性、使用性(使用性評価:肌へののび、べたつき、さっぱりさは全て◎)、肌改善効果(肌のはり、うるおい感はいずれも◎)に全て優れるものであった。
【0101】
(実施例6:日焼け止めスキンクリーム)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
(2)ジパラメトキシケイ皮酸グリセリルオクチル 2.0
(3)4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
(4)ミリスチン酸ミリスチル 3.0
(5)2−エチルヘキサン酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)ジメチルポリシロキサン(20mPa・s) 2.0
(7)ワセリン 0.5
(8)イソステアリン酸PEG(40)グリセリル(HLB15.0) 1.2
(9)トリステアリン酸ソルビタン(HLB2.1) 0.25
(10)イオン交換水 残 余
(11)グリセリン 10.0
(12)1,3−ブチレングリコール 1.0
(13)アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体 1.0(実分0.38)
(「Simulgel EG」、有効分37.5%、SEPIC社製)
(14)香料 0.1
(製法)
(1)〜(9)を70℃にて均一に混合溶解した(油相)。一方、(10)〜(14)を70℃にて均一に混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながらホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的の日焼け止めスキンクリームを得た。
(製品の性状)
得られた日焼け止めスキンクリームについて、上記評価方法により貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。その結果、歪み0.01%におけるG’は1,720Pa、G’’は430Paで、G’<G’’となる交点は、歪み1〜10%の範囲内にあった。レオロジー測定のグラフを図11に示す。
【0102】
上記評価方法に基づき安定性、使用性、肌改善効果について評価を行ったところ、安定性、使用性(使用性評価:肌へののび、べたつき、さっぱりさは全て◎)、肌改善効果(肌のはり、うるおい感はいずれも◎)に全て優れるものであった。
【0103】
(実施例7:アンチエイジングスキンクリーム)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)水添ポリイソブテン 2.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
(3)イソノナン酸トリデシル 1.0
(4)POE(30)ベヘニルエーテル(HLB18.0) 2.7
(5)トリオレイン酸ソルビタン(HLB4.0) 0.3
(6)ミリスチン酸ミリスチル 1.5
(7)ベヘニルアルコール 2.5
(8)バチルアルコール 2.0
(9)香料 0.1
(10)1,3−ブチレングリコール 2.0
(11)グリセリン 11.0
(12)アスコルビン酸グルコシド 0.1
(13)アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム 0.1
(14)パラベン 0.15
(15)水酸化カリウム 0.05
(16)ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体 0.5
(「SUpolymer G−1」;東邦化学工業(株)製)
(17)クエン酸 0.01
(18)クエン酸ナトリウム 0.09
(製法)
(1)〜(9)を70℃にて均一に混合溶解した(油相)。一方、(10)〜(18)を70℃にて均一にて混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながら、ホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的のアンチエイジングスキンクリームを得た。
(製品の性状)
得られたアンチエイジングスキンクリームについて、上記評価方法により貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。その結果、歪み0.01%におけるG’は1,524Pa、G’’は641Paで、G’とG’’の交点は、歪み1〜10%の範囲内にあった。レオロジー測定のグラフを図12に示す。
【0104】
上記評価方法に基づき安定性、使用性、肌改善効果について評価を行ったところ、安定性、使用性(使用性評価:肌へののび、べたつき、さっぱりさは全て◎)、肌改善効果(肌のはり、うるおい感はいずれも◎)に全て優れるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明により、レオロジー特性に着目して、G’、G’’を指標として化粧料の使用性評価を行う評価方法が新たに提案され、これにより、簡易に使用性評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明におけるG’とG’’と歪み%との関係を示すグラフである。
【図2】実施例1におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図3】比較例1におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図4】比較例2におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図5】比較例3におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図6】比較例4におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図7】実施例2および比較例5におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図8】実施例3および比較例6におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図9】実施例4および比較例7におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図10】実施例5におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図11】実施例6におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図12】実施例7におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用性および肌改善効果に優れた水中油型乳化皮膚化粧料に関する。さらに詳しくは、グリセリンを高配合した系であって、使用性、肌改善効果に優れる水中油型乳化皮膚化粧料に関する。本発明はまた化粧料の使用性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、グリセリンは高い保湿効果、肌荒れ改善効果といった高い肌改善効果を有した化粧品成分として知られている。しかし、優れた肌改善効果を得るためにグリセリンを高配合する場合、高い肌改善効果が得られる反面、配合量に応じて、みずみずしさ、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に欠け、べたつきを生じるという欠点を有するようになる。
【0003】
そこで近年、グリセリン配合によるべたつきを低減させ、さっぱりさせるために、脂肪酸グリセリンエステル、特定の水溶性固型シリコーン、粉末を配合することなどが試みられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
しかしながら、これらの従来技術では、グリセリンによる高い肌改善効果を確実に得るためにグリセリンを10質量%程度以上という高配合する系においては、べたつきの低減効果を十分満足し得るまでには至っていない等の不具合がある。
【0005】
一方、アクリルアミド系増粘剤は、肌なじみやのびなどの使用性の優れた化粧料用増粘剤として用いられている(例えば、特許文献4〜5参照)。このアクリルアミド系増粘剤は、従来、化粧料増粘剤として多用されてきたカルボキシビニルポリマーやキサンタンガム、あるいはヒドロキシエチルセルロースなどに代わる増粘剤として有用なものであるが、肌改善効果の高いグリセリンを高配合した場合には、アクリルアミド系増粘剤の使用性の良さはかき消され、またグリセリン由来のべたつきを低減させることができないという問題も生じている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−246329号公報
【特許文献2】特開2000−191428号公報
【特許文献3】特開2002−356416号公報
【特許文献4】特開平10−67685号公報
【特許文献5】特開2001−114641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解消し、グリセリンを高配合した系において、皮膚上でのびが軽く、べたつかず、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に優れ、うるおいを与え、しっとりとし、しかもグリセリンによる高い肌改善効果を発揮し得る水中油型乳化皮膚化粧料を提供することを目的とする。また本発明は化粧料の使用性評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意研究を重ねた結果、レオロジーの測定法の一つであるコーンプレート型粘断性測定機を用いて、25℃における歪み分散測定により得られる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)を評価指標として、水中油型乳化皮膚化粧料の使用性についてレオロジーの観点から検討を行い、G’とG’’との関係を所定範囲内に規定する系とすることにより、肌改善効果に優れる一方でべたつき感のあるグリセリンを高配合した系においても、使用時には肌なじみがよく、べたつかず、かつ肌改善効果を確実に発揮し得る水中油型乳化皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、下記(1)に示す(a)〜(c)成分を含有し、かつ、下記(2)に示すレオロジー特性を有する水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
(1)化粧料全量中に、(a)アクリルアミド系増粘剤を0.1〜1.0質量%、(b)融点が40℃以上のエステル油(ワックスエステル)を0.5〜5.0質量%、および(c)グリセリンを10〜20質量%含有する。
(2)コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持する。
【0010】
また本発明は、さらに(d)非イオン性界面活性剤を0.5〜7.0質量%質量%含有する、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0011】
また本発明は、(a)成分が、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸(塩)の混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)のホモポリマー、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体の中から選ばれる1種または2種以上である、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0012】
また本発明は、(b)成分がミリスチン酸ミリスチルである、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0013】
また本発明は、(d)成分として、HLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤とを含有する、上記水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0014】
また本発明は、化粧料の使用性評価方法であって、コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するレオロジー特性を有するようにすることを使用性評価指標とする、化粧料の使用性評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、グリセリンを高配合した系において、皮膚上でのびが軽く、べたつかず、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に優れ、うるおいを与え、しっとりとし、しかもグリセリンによる高い肌改善効果を発揮し得る水中油型乳化皮膚化粧料が提供されるという効果を奏する。また本発明により簡易な化粧料の使用性評価方法が提供されるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について詳述する。
【0017】
(a)成分としてのアクリルアミド系増粘剤としては、特に限定されるものでないが、本発明ではビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸(塩)の混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)のホモポリマー、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体等が好適例として挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。上記において塩としては、アルカリ金属塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機アミン類塩(例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などが好適例として挙げられる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
(a)成分は市販品を好適に用いることができる。例えば、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体としては、「SIMULGEL EG」(Sepic社製)、「FLOCARE ET30」(SNF社製)、「SIMLUGEL EPG」(Sepic社製)、「Viscolam AT64」(Lamberti社製)、「Viscolam AT64 P」(Lamberti S.p.A社製)等が挙げられる。その他、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アンモニウム塩共重合体としては、「Aristoflex AVC−1」(Clariant社製)等が挙げられ、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体としては、「Acudyne SCP」(Rohm&Haas社製)等が挙げられ、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体としては、「S 600」(Sepic社製)等が挙げられ、ポリアクリルアミドとしては、「Sepigel 305」(Sepic社製)、「Sepigel 501」(Sepic社製)等が挙げられ、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アンモニウム塩共重合体としては、「Aristoflex AVC」(Clariant社製)等が挙げられ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アンモニウム塩のホモポリマーとしては、「Gransil APK−1」(Grant Industries社製)、「SilDerm Formulating Base」(Active Concepts LLC社製)、「SilDerm Formulating Base IF」(Active Concepts LLC社製)等が挙げられ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩のホモポリマーとしては、「Simulgel 800」(Sepic社製)、「Viscolam AT 100」(Lamberti社製)等が挙げられ、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0019】
(a)成分の配合量は、化粧料全量に対して0.1〜1.0質量%であり、好ましくは0.2〜0.8質量%である。(a)成分の配合は塗布時の肌へのなじみやのびと関連し、(a)成分の配合量が上記範囲を逸脱すると、本発明化粧料に要求される使用性指標であるG’、G’’の条件を満足しない場合があり、硬くなりすぎて肌なじみやのびが悪くなったり、柔らかすぎて安定性が悪くなったりすることがあり、好ましくない。
【0020】
(b)成分は融点が40℃以上のエステル油(ワックスエステル)で、具体的には、アラキン酸メチル、ヘンエイコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、トリコサン酸メチル、リグノセリン酸メチル、ペンタコサン酸メチル、セロチン酸メチル、モンタン酸メチル、メリシン酸メチル、メリシン酸メチル、ドトリアコンタン酸メチル、テトラトリアコンタン酸メチル、ヘキサトリアコンタン酸メチル、オクタトリアコンタン酸メチルなどの脂肪酸メチルエステル類;アラキン酸エチル、ヘンエイコサン酸エチル、ベヘン酸エチル、トリコサン酸エチル、リグノセリン酸エチル、ペンタコサン酸エチル、セロチン酸エチル、オクタコサン酸エチル、モンタン酸エチル、メリシン酸エチル、ドトリアコンタン酸エチル、テトラトリアコンタン酸エチル、ヘキサトリアコンタン酸エチル、オクタトリアコンタン酸エチルなどの脂肪酸エチルエステル類;ミリスチン酸テトラデシル(=ミリスチン酸ミリスチル)、パルミチン酸ドデシル、パルミチン酸テトラデシル、パルミチン酸ペンタデシル、パルミチン酸ヘキサデシル、パルミチン酸オクタデシル、パルミチン酸トリアコンチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸ヘプタデシル、ステアリン酸オクタデシル、ステアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸トリアコンチル、ベヘン酸ドコシル、リグノセリン酸テトラコシル、メリシン酸ミリシルなどの脂肪酸の一価アルコールエステル類;コハク酸メチル、セバシン酸メチル、シュウ酸ジメチルなどの飽和二塩基酸のモノおよびジエステル類、パルミチン酸エチレングリコール、マルガリン酸エチレングリコール、ステアリン酸エチレングリコール、ジ安息香酸エチレングリコール、ジサリチル酸エチレングリコール、ジラウリン酸エチレングリコール、ジミリスチン酸エチレングリコール、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジマルガリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコールなどのエチレングリコールエステル類;パルミチン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、ジパルミチン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコールエステル類などが挙げられる。中でも肌へのなじみ、べたつきのなさ、安価である等の点から、ミリスチン酸ミリスチルが好ましく用いられる。
【0021】
ミリスチン酸ミリスチルは、市販品を好適に用いることができる。市販品としては、「AEC yristyl yristate」(A&E onnock社製)、「Botanester M」(Botanigenics社製)、「Cetinol M」(Fabriquimica社製)、「Cetiol M」(Cognis社製)、「Crodamol M」(Croda社製)、「Customate M」(Custom ngredients社製)、「Dub M」(Stearinerie ubois ils社製)、「HallStar M」(RTD allStar社製)、「Jeechem M」(Jeen nternational orporation社製)、「Liponate M」(Lipo hemicals社製)、「Myristate e yristyle」(Laboratoires rod’Hyg社製)、「Nikkol M」(日光ケミカルズ(株)製)、「Pelemol M」(Protameen hemicals社製)、「Saboderm M」(Sabo社製)、「Schercemol M」(Noveon社製)、「Tegosoft M」(Degussa are pecialties社製)、「Uniester M」(Chemyunion uimica社 TDA社製)等が挙げられる。
【0022】
(b)成分の配合量は、化粧料全量に対して0.5〜5.0質量%であり、好ましくは1.0〜4.0質量%である。(b)成分の配合量が上記範囲を逸脱すると、本発明化粧料に要求される使用性指標であるG’、G’’の条件を満足しない場合があり、硬くなりすぎて肌なじみやのびが悪くなったり、柔らかすぎて安定性が悪くなったりすることがあり、好ましくない。
【0023】
(c)成分としてのグリセリンは市販品を用いることができる。本発明においては、肌改善効果は高いが、べたつくものとして知られている(c)成分を、確実に肌改善効果が得られる10〜20質量%配合することを必須要件とするが、好ましくは10〜15質量%である。本発明では、(c)成分を10質量%以上という高配合しても、上述した(a)成分、(b)成分を配合することにより、さらには後述する(d)非イオン性界面活性剤を配合することにより、前述したレオロジー特性を確実に有することができ、(c)成分のもつ高い肌改善効果を有しながらも、べたつきのない化粧料を得ることができる。
【0024】
(d)成分としての非イオン性界面活性剤は、特に限定されるものでないが、HLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤を併用するのが、特に安定性の点から好ましい。
【0025】
HLBは下記数1
【0026】
【数1】
【0027】
(ただし、MWは親水基部の分子量を表し、MOは親油基部の分子量を表す)
で表される川上式により算出される。
【0028】
[1]HLB9以上の非イオン性界面活性剤としては、以下のものが例示される。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0029】
モノラウリン酸ヘキサグリセリル〔HLB14.5〕、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル〔HLB11〕、モノステアリン酸ヘキサグリセリル〔HLB9.0〕、モノオレイン酸ヘキサグリセリル〔HLB9.0〕、モノラウリン酸デカグリセリル〔HLB15.5〕、モノミリスチン酸デカグリセリル〔HLB14.0〕、モノステアリン酸デカグリセリル〔HLB12.0〕、モノイソステアリン酸デカグリセリル〔HLB12.0〕、モノオレイン酸デカグリセリル〔HLB12.0〕、ジステアリン酸デカグリセリル〔HLB9.5〕、ジイソステアリン酸デカグリセリル〔HLB10.0〕等のポリグリセリン脂肪酸エステル類。
【0030】
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)(5)グリセリル〔HLB9.5〕、モノステアリン酸POE(15)グリセリル〔HLB13.5〕、モノオレイン酸POE(5)グリセリル〔HLB9.5〕、モノオレイン酸POE(15)グリセリル〔HLB14.5〕等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類。
【0031】
モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン〔HLB16.9〕、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン〔HLB15.6〕、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン〔HLB14.9〕、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン〔HLB9.5〕、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン〔HLB10.5〕、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン〔HLB15.0〕、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン〔HLB15.0〕、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン〔HLB10.0〕、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン〔HLB11.0〕等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類。
【0032】
モノラウリン酸POE(6)ソルビット〔HLB15.5〕、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット〔HLB13.0〕、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット〔HLB11.5〕、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット〔HLB12.5〕、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット〔HLB14.0〕等のPOEソルビット脂肪酸エステル類。
【0033】
POE(10)ラノリン〔HLB12.0〕、POE(20)ラノリン〔HLB13.0〕、POE(30)ラノリン〔HLB15.0〕、POE(5)ラノリンアルコール〔HLB12.5〕、POE(10)ラノリンアルコール〔HLB15.5〕、POE(20)ラノリンアルコール〔HLB16.0〕、POE(40)ラノリンアルコール〔HLB17.0〕、POE(20)ソルビットミツロウ〔HLB9.5〕等のPOEラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体類。
【0034】
POE(20)ヒマシ油〔HLB10.5〕、POE(40)ヒマシ油〔HLB12.5〕、POE(50)ヒマシ油〔HLB14.0〕、POE(60)ヒマシ油〔HLB14.0〕、POE(20)硬化ヒマシ油〔HLB10.5〕、POE(30)硬化ヒマシ油〔HLB11.0〕、POE(40)硬化ヒマシ油〔HLB13.5〕、POE(60)硬化ヒマシ油〔HLB14.0〕、POE(80)硬化ヒマシ油〔HLB16.5〕、POE(40)硬化ヒマシ油(100)硬化ヒマシ油〔HLB16.5〕等のPOEヒマシ油・硬化ヒマシ油類。
【0035】
POE(5)フィトステロール〔HLB9.5〕、POE(10)フィトステロール〔HLB12.5〕、POE(20)フィトステロール〔HLB15.5〕、POE(30)フィトステロール〔HLB18.0〕、POE(25)フィトステロール〔HLB14.5〕、POE(30)コレスタノール〔HLB17.0〕等のPOEステロール・水素添加ステロール類。
【0036】
POE(2)ラウリルエーテル〔HLB9.5〕、POE(4.2)ラウリルエーテル〔HLB11.5〕、POE(9)ラウリルエーテル〔HLB14.5〕、POE(5.5)セチルエーテル〔HLB10.5〕、POE(7)セチルエーテル〔HLB11.5〕、POE(10)セチルエーテル〔HLB13.5〕、POE(15)セチルエーテル〔HLB15.5〕、POE(20)セチルエーテル〔HLB17.0〕、POE(23)セチルエーテル〔HLB18.0〕、POE(4)ステアリルエーテル〔HLB9.0〕、POE(20)ステアリルエーテル〔HLB18.0〕、POE(7)オレイルエーテル〔HLB10.5〕、POE(10)オレイルエーテル〔HLB14.5〕、POE(15)オレイルエーテル〔HLB16.0〕、POE(20)オレイルエーテル〔HLB17.0〕、POE(50)オレイルエーテル〔HLB18.0〕、POE(10)ベヘニルエーテル〔HLB10.0〕、POE(20)ベヘニルエーテル〔HLB16.5〕、POE(30)ベヘニルエーテル〔HLB18.0〕、POE(2)(C12-15)アルキルエーテル〔HLB9.0〕、POE(4)(C12-15)アルキルエーテル〔HLB10.5〕、POE(10)(C12-15)アルキルエーテル〔HLB15.5〕、POE(5)2級アルキルエーテル〔HLB10.5〕、POE(7)2級アルキルエーテル〔HLB12.0〕、POE(9)アルキルエーテル〔HLB13.5〕、POE(12)アルキルエーテル〔HLB14.5〕等のPOEアルキルエーテル類。
【0037】
POE(1)ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)(4)セチルエーテル〔HLB9.5〕、POE(10)POP(4)セチルエーテル〔HLB10.5〕、POE(20)POP(8)セチルエーテル〔HLB12.5〕、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル〔HLB11.0〕、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル〔HLB12.0〕等のPOE・POPアルキルエーテル類。
【0038】
モノラウリン酸ポリエチレングリコール(以下、PEGと略す)(10)〔HLB12.5〕、モノステアリン酸PEG(10)〔HLB11.0〕、モノステアリン酸PEG(25)〔HLB15.0〕、モノステアリン酸PEG(40)〔HLB17.5〕、モノステアリン酸PEG(45)〔HLB18.0〕、モノステアリン酸PEG(55)〔HLB18.0〕、モノステアリン酸PEG(100)〔HLB18.8〕、モノオレイン酸PEG(10)〔HLB11.0〕、ジステアリン酸PEG〔HLB16.5〕、ジイソステアリン酸PEG〔HLB9.5〕等のPEG脂肪酸エステル類。
【0039】
イソステアリン酸PEG(8)グリセリル〔HLB10.0〕、イソステアリン酸PEG(10)グリセリル〔HLB10.0〕、イソステアリン酸PEG(15)グリセリル〔HLB12.0〕、イソステアリン酸PEG(20)グリセリル〔HLB13.0〕、イソステアリン酸PEG(25)グリセリル〔HLB14.0〕、イソステアリン酸PEGグリセリル(30)〔HLB15.0〕、イソステアリン酸PEG(40)グリセリル〔HLB15.0〕、イソステアリン酸PEG(50)グリセリル〔HLB16.0〕、イソステアリン酸PEG(60)グリセリル〔HLB16.0〕等のイソステアリン酸POEグリセリル類。
【0040】
[2]HLB2〜5の非イオン性界面活性剤としては、以下のものが例示される。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0041】
POE(2)ステアリルエーテル〔HLB4.0〕、自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール〔HLB4.0〕、ミリスチン酸グリセリル〔HLB3.5〕、モノステアリン酸グリセリル〔HLB4.0〕、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル〔HLB4.0〕、モノイソステアリン酸グリセリル〔HLB4.0〕、モノオレイン酸グリセリル〔HLB2.5〕、トリステアリン酸ヘキサグリセリル〔HLB2.5〕、ペンタステアリン酸デカグリセリル〔HLB3.5〕、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル〔HLB3.5〕、ペンタオレイン酸デカグリセリル〔HLB3.5〕、モノステアリンソルビタン〔HLB4.7〕、トリステアリン酸ソルビタン〔HLB2.1〕、モノイソステアリン酸ソルビタン〔HLB5.0〕、セスキイソステアリン酸ソルビタン〔HLB4.5〕、モノオレイン酸ソルビタン〔HLB4.3〕、ヘキサステアリン酸POE(6)ソルビット〔HLB3.0〕、POE(3)ヒマシ油〔HLB3.0〕、モノステアリン酸PEG(2)〔HLB4.0〕、モノステアリン酸エチレングリコール〔HLB3.5〕、ステアリン酸PEG(2)〔HLB4.5〕等が挙げられる。
【0042】
(d)成分は1種または2種以上を用いることができる。(d)成分の配合量は化粧料全量に対して、0.5〜7.0質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜6.0質量%である。0.5質量%未満では、系の安定性に乏しく、一方、7.0質量%を超えて配合しても、効果を増強するものではなく、かえってべたつきを生じる場合がある。
【0043】
(d)成分としてHLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤を併用する場合、HLB9以上の非イオン性界面活性剤とHLB2〜5の非イオン性界面活性剤の配合量比(質量比)は、HLB9以上の非イオン性界面活性剤/HLB2〜5の非イオン性界面活性剤=0.5〜1.5が好ましい。上記範囲で併用することにより、使用性、安定性をより向上させることができる。
【0044】
次に、本発明の使用性指標として採用したレオロジーの条件について詳述する。
【0045】
本発明においては、コーンプレート型粘断性測定機MCR300(Anton Paar GermanyGmbH社製)を用い、測定温度25℃において、コーンプレートとして、CP25−2(Radius 12.5mm、Angle of measuring cone:2°)を用い、試料0.16mLを、歪み測定範囲0.01〜100%で測定する歪み分散測定法により規定した。
【0046】
本発明では、高い肌改善効果を有しながらも、べたつかず、肌なじみ、浸透感に優れた使用性の水中油型乳化皮膚化粧料を得るための条件として、25℃の歪み分散測定における歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するという条件を満足する必要がある。
【0047】
これにつき図1を参照しながら説明する。図1は横軸に歪み%を、縦軸に貯蔵弾性率G’および損失弾性率G’’(これらをまとめて「粘弾性率」と記すこともある)をとったものである。
【0048】
貯蔵弾性率G’は物質(ポリマーなど)の物質の弾性(硬さ)を示す弾性率であり、損失弾性率G’’は物質(ポリマーなど)の粘性(ねばり)を示す弾性率である。G’>G’’の領域では物質がゲル状態を示し、G’<G’’の領域では物質がゾル状態を示す。したがってG’とG’’との関係が逆転する点、すなわちG’=G’’となる点がゲルとゾルの転移点となる。G’に対するG’’の比率(G’’/G’。tanδ。Damping Factor)はレオロジーのパラメーターの1つであり、これを本発明の使用性評価指標とした。
【0049】
本発明では、化粧料の歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’は10,000Pa未満である。この歪み範囲におけるG’の値が大きいほど、化粧料が硬いゲル状を示すことになる。化粧料の剤型により一概に言えないが、歪み0.01%以上1%未満の範囲における本発明化粧料のG’は好ましくは500〜9,000Paであり、より好ましくは1,000〜8,000Paである。また損失弾性率G’’は100Pa以上(G’’≧100Pa)であり、好ましくは100〜5,000Paであり、より好ましくは100〜1,000Paである。歪み0.01%以上1%未満の範囲ではG’>G’’、すなわちG’’/G’(tanδ)<1の関係を満足する。歪み0.01%以上1%未満の範囲においてG’’/G’(tanδ)<1とすることで、化粧料を肌へ塗着した際のなじみや浸透感等に優れる等の効果が得られる。
【0050】
なお、歪み0.01%以上1%未満の範囲では、上記G’、G’’の値は、できるだけ変動することなく、それぞれ一定値を維持するものであることが好ましい。
【0051】
そして歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、ゲル−ゾルの転移点を有し、歪み10%以上の範囲においてもG’<G’’の関係が維持される。このことは化粧料の皮膚上でのびが軽く、有効成分が肌に浸透していく感じの浸透感に優れることを意味する。
上記ゲル−ゾルの転移点(すなわちG’曲線とG’’曲線とが交差する点)は、図1中、網掛けで示した範囲内で生じる必要がある。ゲル−ゾルの転移点が上記歪み%範囲を逸脱した範囲で生じる場合は、高い肌改善効果が得られても使用性の面で肌なじみや肌上でののびが悪かったり、べたついたりするが、この網掛け部分でゲル−ゾルの転移点が生じる場合は、使用性の面で肌なじみやのびが良く、かつ高い肌改善効果が得られる。
【0052】
本発明では上記レオロジーパラメーターの条件を満足することにより、(c)成分を10%以上配合していても使用時には、みずみずしく、べたつかず、かつ高い肌改善効果が得られることとなるのである。
【0053】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、油相成分に水相成分が配合され、常法によりホモジナイザー等で攪拌混合して製造される。水相成分は、水若しくは水を主成分とする水相に、これに各種水溶性成分を含むものである。水相成分は、水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して50.0〜80.0質量%配合するのが好ましい。水相成分が50.0質量%未満では、重さを感じ、べたつきを生じる場合があり、一方、80.0質量%を超えると、さっぱりしているが、しっとりせず、本発明の効果である高い肌改善効果を得難いことがある。
【0054】
本発明の水中油型乳化組成物においては、上記必須成分のほかに、通常乳化化粧料に配合され得る成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0055】
このような成分としては、例えば紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ロウ類、炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーン油、多価アルコール、水溶性高分子、高級アルコール、高級脂肪酸、薬剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキサン)シリルイソペンチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェニル−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、ジモルホリノピリダジノン、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0057】
紫外線散乱剤としては、例えば、平均粒径10〜100nmの微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、微粒子酸化セリウムなどの粉末が挙げられる。
【0058】
また、メチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン処理;金属石鹸処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシラン等のフッ素処理、デキストリン脂肪酸エステル処理等により、疎水化処理した紫外線散乱剤も、剤型に応じて適宜配合できる。
【0059】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、液状ラノリン、ジョジョバロウ等が挙げられる。
【0060】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス等が挙げられる。
【0061】
脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、ミツロウ脂肪酸2−オクチルドデシル等が挙げられる。
【0062】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、平均分子量20万以上のシリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0063】
多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール,グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール,エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
【0064】
水溶性高分子としては、例えば、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カードラン、コンドロイチン硫酸、デンプン、グリコーゲン、アラビアガム、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天等が挙げられる。
【0065】
高級アルコールとしては、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、トリアコンチルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等が挙げられる。
【0066】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0067】
薬剤としては、例えば、L−アスコルビン酸およびその誘導体の塩、トラネキサム酸およびその誘導体の塩、アルコキシサリチル酸およびその誘導体の塩、グルタチオンおよびその誘導体の塩などが挙げられ、より具体的には、L−アスコルビン酸誘導体としては、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレートなどのL−アスコルビン酸モノアルキルエステル類;L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレートなどのL−アスコルビン酸ジアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレートなどのL−アスコルビン酸トリアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸トリエステル類;L−アスコルビン酸2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類などが挙げられる。本発明では、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシドの各塩の形で好適に用いられる。
【0068】
トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体、(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド、トランス−4−(p−メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)などが挙げられる。本発明ではトラネキサム酸の塩あるいはトラネキサム酸誘導体の塩の形で好適に用いられる。
【0069】
アルコキシサリチル酸は、サリチル酸の3位、4位または5位のいずれかの水素原子がアルコキシ基にて置換されたものであり、置換基であるアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基のいずれかであり、さらに好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。具体的に化合物名を例示すれば、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポキシサリチル酸などが挙げられる。本発明ではアルコキシサリチル酸およびその誘導体(エステルなど)の各塩の形で好適に用いられる。
【0070】
上記薬剤の塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のほか、アンモニウム塩、アミノ酸塩等の塩が挙げられる。
【0071】
また、ビタミンA、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート等のビタミンA誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、アルブチン、セファランチン等の各種薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、オウゴン、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サクラリーフ等の植物の抽出物、β−カロチン等の色素等も配合することができる。
【0072】
その他、エタノール等の低級アルコール;ブチルヒドロキシトルエン、δ−トコフェロール、フィチン等の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、フェノキシエタノール、ヘキサクロロフェン、ε−ポリリジン等の防腐剤;クエン酸、乳酸、ヘキサメタリン酸等の有機または無機酸よびその塩等が挙げられる。
【0073】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料の具体例としては、乳液、スキンクリーム、ヘアクリーム、リキッドファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ等の乳液状あるいはクリーム状の製品が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
【実施例】
【0074】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
【0075】
まず、本発明に用いた評価方法について説明する。
【0076】
[安定性試験]
試料を50℃で1ヶ月間放置した後の外観を目視にて観察し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
○:分離が全くみられなかった。
△:分離がほとんどみられなかった。
×:液相(油相または水相)の分離が生じた。
【0077】
[使用性(のび)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌へののびについて判定してもらい、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
○:7〜9名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
△:3〜6名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
×:0〜2名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
【0078】
[使用性(べたつき)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、べたつきについて判定してもらい、下記評価規準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
○:7〜9名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
△:3〜6名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
×:0〜2名が、べたつきがなく、しっとりした判定した。
【0079】
[使用性(さっぱりさ)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、さっぱりさについて判定してもらい、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、さっぱりさがあると判定した。
○:7〜9名が、さっぱりさがあると判定した。
△:3〜6名が、さっぱりさがあると判定した。
×:0〜2名が、さっぱりさがあると判定した。
【0080】
[肌改善効果(肌のはり)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌のはりについて判定してもらい、下記評価規準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、肌にはりがあると判定した。
○:7〜9名が、肌にはりがあると判定した。
△:3〜6名が、肌にはりがあると判定した。
×:0〜2名が、肌にはりがあると判定した。
【0081】
[肌改善効果(肌のうるおい感)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌のうるおい感について判定してもらい、下記評価規準により評価した。
(評価基準)
◎:10名全員が、肌にうるおい感があると判定した。
○:7〜9名が、肌にうるおい感があると判定した。
△:3〜6名が、肌にうるおい感があると判定した。
×:0〜2名が、肌にうるおい感があると判定した。
【0082】
[貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’、G’とG’’との交点]
コーンプレート型粘断性測定機MCR300(Anton Paar GermanyGmbH社製)を用い、測定温度25℃において、コーンプレートとして、CP25−2(Radius 12.5mm、Angle of measuring cone:2°)を用い、試料0.16mLを歪み測定範囲0.01〜100%で歪み分散測定法により歪み0.01〜100%の範囲で、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。
【0083】
またG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となった歪み範囲(%)につき調べた。
【0084】
(実施例1〜5および比較例1〜7)
下記表1〜3に示す処方で、水中油型乳化皮膚化粧料のクリームを常法により製造した。得られた組成物(試料)について、上記試験方法により、安定性、使用性および肌改善効果を評価した。また貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’を測定した。結果を表1〜3に示す。なお表1中、「アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体」(*1)は「Simulgel EG」(Sepc社製、有効分37.5%)を用いた。
【0085】
【表1】
【0086】
表1の実施例1および比較例1〜4のレオロジー測定データ(G’、G’’)のグラフを下記のとおり図2〜6に示す。
【0087】
図2: 実施例1のレオロジー測定データのグラフ
図3: 比較例1のレオロジー測定データのグラフ
図4: 比較例2のレオロジー測定データのグラフ
図5: 比較例3のレオロジー測定データのグラフ
図6: 比較例4のレオロジー測定データのグラフ。
【0088】
図2から明らかなように、実施例1は本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、その使用性並びに肌改善効果も良好なものであることが確認された。図3〜5から明らかなように、比較例1〜3は、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’とG’’が本発明の条件を満たしているが、G’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲外のため、使用性あるいは肌改善効果に劣る。また図6から明らかなように、比較例4は、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’が10,000Paを超えているため、肌改善効果には優れるものの、使用性に劣る。
【0089】
【表2】
【0090】
表2より明らかなように、実施例2は、本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、使用性および肌改善効果が良好なものであることがわかる。
【0091】
表2の実施例2および比較例5のレオロジー測定データのグラフを図7に示す。比較例5は、(b)成分を欠き、G’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲内であるが、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’が10,000Pa以上となり、肌改善効果には優れるが、使用性に劣る。
【0092】
【表3】
【0093】
表3より明らかなように、実施例3は、本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、使用性および肌改善効果が良好なものであることがわかる。
【0094】
表3の実施例3および比較例6のレオロジー測定データのグラフを図8に示す。比較例6は、(c)成分が10質量%未満であり、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’とG’’が本発明範囲内であるが、G’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲外のため、使用性および肌改善効果に劣る。
【0095】
【表4】
【0096】
表4より明らかなように、実施例4は、本発明で規定するレオロジーパラメーターを全て満足し、使用性および肌改善効果が良好なものであることがわかる。
【0097】
表4の実施例4および比較例7のレオロジー測定データのグラフを図9に示す。比較例7は、(a)成分を欠き、歪み0.01%以上1%未満の範囲におけるG’とG’’が本発明範囲内であるが、G’<G’’となるのが歪み1〜10%の範囲外のため、肌改善効果には優れるが、使用性には劣る。
【0098】
以下に、さらに本発明のその他の実施例を示す。
【0099】
(実施例5:美白スキンクリーム)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)流動パラフィン 2.0
(2)イソヘキサデカン 4.0
(3)イソデシルベンゾエート 2.0
(4)POE(21)ステアリルエーテル(HLB15.5) 2.0
(5)POE(2)ステアリルエーテル(HLB4.9) 0.5
(6)セチルアルコール 0.15
(7)バチルアルコール 0.1
(8)ミリスチン酸ミリスチル 5.0
(9)香料 0.1
(10)イオン交換水 残 余
(11)ジプロピレングリコール 2.0
(12)グリセリン 13.0
(13)トラネキサム酸 2.0
(14)フェノキシエタノール 0.7
(15)エタノール 3.0
(16)ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸アンモニウム共重合体 0.1
(「ARISTOFLEX AVC」、CLARIANT社製)
(17)クエン酸 0.02
(18)クエン酸ナトリウム 0.08
(製法)
(1)〜(9)を70℃にて均一に混合溶解した(油相)。一方、(9)〜(18)を70℃にて均一に混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながら、ホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的の美白スキンクリームを得た。
(製品の性状)
得られた美白アンチエイジングクリームについて、上記評価方法により貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。その結果、歪み0.01%におけるG’は1,672Pa、G’’は396Paで(G’>G’’)、G’<G’’となるのは歪み1〜10%の範囲内であった。レオロジー測定のグラフを図10に示す。
【0100】
上記評価方法に基づき安定性、使用性、肌改善効果について評価を行ったところ、安定性、使用性(使用性評価:肌へののび、べたつき、さっぱりさは全て◎)、肌改善効果(肌のはり、うるおい感はいずれも◎)に全て優れるものであった。
【0101】
(実施例6:日焼け止めスキンクリーム)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
(2)ジパラメトキシケイ皮酸グリセリルオクチル 2.0
(3)4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
(4)ミリスチン酸ミリスチル 3.0
(5)2−エチルヘキサン酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)ジメチルポリシロキサン(20mPa・s) 2.0
(7)ワセリン 0.5
(8)イソステアリン酸PEG(40)グリセリル(HLB15.0) 1.2
(9)トリステアリン酸ソルビタン(HLB2.1) 0.25
(10)イオン交換水 残 余
(11)グリセリン 10.0
(12)1,3−ブチレングリコール 1.0
(13)アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体 1.0(実分0.38)
(「Simulgel EG」、有効分37.5%、SEPIC社製)
(14)香料 0.1
(製法)
(1)〜(9)を70℃にて均一に混合溶解した(油相)。一方、(10)〜(14)を70℃にて均一に混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながらホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的の日焼け止めスキンクリームを得た。
(製品の性状)
得られた日焼け止めスキンクリームについて、上記評価方法により貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。その結果、歪み0.01%におけるG’は1,720Pa、G’’は430Paで、G’<G’’となる交点は、歪み1〜10%の範囲内にあった。レオロジー測定のグラフを図11に示す。
【0102】
上記評価方法に基づき安定性、使用性、肌改善効果について評価を行ったところ、安定性、使用性(使用性評価:肌へののび、べたつき、さっぱりさは全て◎)、肌改善効果(肌のはり、うるおい感はいずれも◎)に全て優れるものであった。
【0103】
(実施例7:アンチエイジングスキンクリーム)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)水添ポリイソブテン 2.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
(3)イソノナン酸トリデシル 1.0
(4)POE(30)ベヘニルエーテル(HLB18.0) 2.7
(5)トリオレイン酸ソルビタン(HLB4.0) 0.3
(6)ミリスチン酸ミリスチル 1.5
(7)ベヘニルアルコール 2.5
(8)バチルアルコール 2.0
(9)香料 0.1
(10)1,3−ブチレングリコール 2.0
(11)グリセリン 11.0
(12)アスコルビン酸グルコシド 0.1
(13)アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム 0.1
(14)パラベン 0.15
(15)水酸化カリウム 0.05
(16)ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体 0.5
(「SUpolymer G−1」;東邦化学工業(株)製)
(17)クエン酸 0.01
(18)クエン酸ナトリウム 0.09
(製法)
(1)〜(9)を70℃にて均一に混合溶解した(油相)。一方、(10)〜(18)を70℃にて均一にて混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながら、ホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的のアンチエイジングスキンクリームを得た。
(製品の性状)
得られたアンチエイジングスキンクリームについて、上記評価方法により貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。その結果、歪み0.01%におけるG’は1,524Pa、G’’は641Paで、G’とG’’の交点は、歪み1〜10%の範囲内にあった。レオロジー測定のグラフを図12に示す。
【0104】
上記評価方法に基づき安定性、使用性、肌改善効果について評価を行ったところ、安定性、使用性(使用性評価:肌へののび、べたつき、さっぱりさは全て◎)、肌改善効果(肌のはり、うるおい感はいずれも◎)に全て優れるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明により、レオロジー特性に着目して、G’、G’’を指標として化粧料の使用性評価を行う評価方法が新たに提案され、これにより、簡易に使用性評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明におけるG’とG’’と歪み%との関係を示すグラフである。
【図2】実施例1におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図3】比較例1におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図4】比較例2におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図5】比較例3におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図6】比較例4におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図7】実施例2および比較例5におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図8】実施例3および比較例6におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図9】実施例4および比較例7におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図10】実施例5におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図11】実施例6におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【図12】実施例7におけるレオロジー測定データを示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)に示す(a)〜(c)成分を含有し、かつ、下記(2)に示すレオロジー特性を有する水中油型乳化皮膚化粧料。
(1)化粧料全量中に、(a)アクリルアミド系増粘剤を0.1〜1.0質量%、(b)融点が40℃以上のエステル油(ワックスエステル)を0.5〜5.0質量%、および(c)グリセリンを10〜20質量%含有する。
(2)コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持する。
【請求項2】
さらに(d)非イオン性界面活性剤を0.5〜7.0質量%質量%含有する、請求項1記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項3】
(a)成分が、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸(塩)の混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)のホモポリマー、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項4】
(b)成分がミリスチン酸ミリスチルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項5】
(d)成分として、HLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤とを含有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項6】
化粧料の使用性評価方法であって、コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するレオロジー特性を有するようにすることを使用性評価指標とする、化粧料の使用性評価方法。
【請求項1】
下記(1)に示す(a)〜(c)成分を含有し、かつ、下記(2)に示すレオロジー特性を有する水中油型乳化皮膚化粧料。
(1)化粧料全量中に、(a)アクリルアミド系増粘剤を0.1〜1.0質量%、(b)融点が40℃以上のエステル油(ワックスエステル)を0.5〜5.0質量%、および(c)グリセリンを10〜20質量%含有する。
(2)コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持する。
【請求項2】
さらに(d)非イオン性界面活性剤を0.5〜7.0質量%質量%含有する、請求項1記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項3】
(a)成分が、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸(塩)の混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)のホモポリマー、ビニルホルムアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項4】
(b)成分がミリスチン酸ミリスチルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項5】
(d)成分として、HLBが9以上の非イオン性界面活性剤と、HLBが2〜5の非イオン性界面活性剤とを含有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項6】
化粧料の使用性評価方法であって、コーンプレート型粘断性測定機による25℃の歪み分散測定で、歪み0.01%以上1%未満の範囲における貯蔵弾性率G’が10,000Pa未満(G’<10,000Pa)で、かつ損失弾性率G’’が100Pa以上(G’’≧100Pa)であって、G’>G’’の関係を維持し、歪み1%以上10%未満の範囲においてG’とG’’の大小関係の逆転が生じてG’<G’’となり、歪み10%以上の範囲ではG’<G’’の関係を維持するレオロジー特性を有するようにすることを使用性評価指標とする、化粧料の使用性評価方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−74779(P2008−74779A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256848(P2006−256848)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】
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