説明

水中油型乳化組成物

【課題】皮膚に塗布した場合に、べたつきがなく、皮膚が柔軟になり、塗布後時間が経過してもうるおいの感じられる水中油型乳化組成物を提供する。
【解決手段】(a)下記一般式(1)で表されるペンタエリスリトール安息香酸エステル:


(式中、R1、R2は水素原子または炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖の脂肪酸残基もしくは安息香酸残基を表す。)と、(b)炭素数14〜30の高級アルコールと、(c)親水性界面活性剤と、(d)水と、を配合し、(b)の(c)に対するモル比率((b)/(c))を2以上、7.5以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化組成物に関し、さらに詳細には、浸透性、柔軟効果、経時でのうるおい等の実感に優れ、かつ安定性に優れた水中油型乳化組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乾燥から肌や髪を守り、うるおいや柔軟効果を付与することは化粧料のもたらす効果として極めて重要な事項であり、一般に水や保湿剤などの親水性成分によってもたらされる。しかしながら、これらは肌に塗布したのち、蒸発や拡散のような物理的変化や洗浄によって容易に除去されるため、長時間や長期間の効果として感じられるようにすることは困難であった。また保湿剤の多量配合は保湿効果を増大させるが、べたつきがあるなど、感触としては好ましくなかった。
また、これらの成分の浸透性を高めるには、肌が疎水的性質を有することから、両親媒性物質の添加が効果的であるが、両親媒性物質の代表成分である界面活性剤等は、肌への安全性の面から添加量が限られ、高い効果を得ることは困難であった。
またうるおいや柔軟効果を付与するために抱水性の油剤を配合することが知られている(特許文献1〜4参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−246354号公報
【特許文献2】特開2002−255738号公報
【特許文献3】特開2003−286126号公報
【特許文献4】特開2004−143068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単純に抱水性が高いだけでは、塗布後、時間の経過と共に水分が放たれ、保湿性が劣るようになり、長時間のうるおいや柔軟効果を得るには不充分であった。また皮膚を柔軟にすることも化粧料の役割としては大きいが、かかる効果に対しても必ずしも満足できるものではなく、またべたつきがあるなど使用性の点でも満足できるものではなかった。
そこで、本発明の目的は、皮膚や毛髪を柔軟にしながらべたつきがなく、長時間の保湿効果に優れる水中油型乳化組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題をふまえ鋭意研究を行った結果、本発明者らはある種のペンタエリスリトール安息香酸エステル、高級アルコール、HLB7以上の親水性界面活性剤、水を含有する水中油型乳化組成物が目的とする効果に優れていることを見い出し、本発明に至った。
【0006】
本発明は、(a)下記一般式(1)で表されるペンタエリスリトール安息香酸エステル:
【化1】


(式中、R1、R2は水素原子または炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖の脂肪酸残基もしくは安息香酸残基を表す。)
(b)炭素数14〜30の高級アルコール
(c)親水性界面活性剤
(d)水
を含有し、(b)の(c)に対するモル比率((b)/(c))が2以上、7.5以下であることを特徴とする水中油型乳化組成物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば皮膚に塗布した場合に、べたつきがなく、皮膚が柔軟になり、塗布後時間が経過してもうるおいの感じられる水中油型乳化組成物を提供することができる。また、使用時にみずみずしく口唇のめくれや乾燥を長時間抑えることができる口唇用の水中油型乳化組成物を提供できる。また、毛髪に適用した場合にはしなやかさを付与し、優れた整髪性をもたらす頭髪用の水中油型乳化組成物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明においては、(a)上記一般式(1)で表されるペンタエリスリトール安息香酸エステルを油分の一部または全部として含有する。前記一般式(1)で表されるペンタエリスリトール安息香酸エステルのうち、特にR1が2−エチルヘキサン酸残基であり、R2がベヘニン酸残基であるものが好ましい。
【0009】
本発明で用いられるペンタエリスリトール安息香酸エステル(a)は一般的な合成法により製造することが可能である。例えば適当な反応容器にペンタエリスリトール、安息香酸、直鎖または分岐の脂肪酸を入れ(添加順序は特に限定しない)、酸、アルカリ、その他の金属触媒の存在下または非存在下、好ましくは該反応に不活性な有機溶媒または/および気体中で150〜250℃において数時間〜30時間程度まで副生する水を除去しながら反応を行う。
【0010】
本発明においては、水中油型乳化組成物の油分の一部あるいは全部としてペンタエリスリトール安息香酸エステルを配合することにより、使用性とうるおい、肌のやわらかさなどの効果感を満足させることが可能となった。
【0011】
本発明にかかるペンタエリスリトール安息香酸エステルは液体〜半固形油分(常温)であるので、製品配合が容易であり、配合後に低温で結晶が析出することがない。更にはその極性から皮膚外用組成物の他の配合成分同士のなじみを向上し、処方系の安定性が向上する。また、経時で劣化や揮散することがなく、効果が低下することがない。
【0012】
本発明で用いられるペンタエリスリトール安息香酸エステル(a)は、低湿度条件下において高抱水性を示す油分である。すなわち、高湿度(湿度90%)下に24時間静置して十分抱水させたのち、低湿度(20%)下に24時間放置した時の含水量が0.1mg/g以上となる油分である。ただし、半固形油分については、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットと質量比1:1にして測定した。
【0013】
本発明において、ペンタエリスリトール安息香酸エステル(a)の配合量は、組成物全量中、0.2〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。ペンタエリスリトール安息香酸エステルの配合量が0.2質量%未満では皮膚のうるおいや柔軟効果が極めて小さくなり、20質量%を超えて用いると、べたつきが強くなる。
【0014】
本発明においては、上記ペンタエリスリトール安息香酸エステル(a)の他に、さらに別の油分を配合することができる。かかる油分としては、一般に化粧品で使用される油分が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス等の融点が80℃未満の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等の油性ゲル化剤、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン油等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0015】
本発明において、ペンタエリスリトール安息香酸エステル(a)は、ペンタエリスリトール安息香酸エステル(a)を含む総油分量の10〜100質量%を占めることが望ましい。10質量%未満である場合は、皮膚のうるおいや柔軟効果が極めて小さくなる。
【0016】
また本発明の水中油型乳化組成物における油分の含有量は、組成物全量中、0.2〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜40質量%である。
【0017】
本発明に用いられる炭素数14〜30の高級アルコール(b)としては、具体的には、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖の脂肪族アルコールおよびそれらの混合物のほか、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールのように分岐鎖を有するもの、オレイルアルコールのような2重結合を有するもの、ホホバアルコール、ナタネ油アルコール、ラノリンアルコールのように天然油脂類を還元して得られる脂肪族アルコール混合物等が挙げられる。
【0018】
高級アルコール(b)の配合量は、水中油型乳化組成物全量中、0.05〜8質量%であり、より好ましくは0.08〜6質量%である。高級アルコール(b)の配合量が0.05質量%未満では、安定性が悪くなり、8質量%を超えると、塗布時の使用感が重くなる。
【0019】
本発明に用いられる親水性界面活性剤(c)は、HLBが7以上の界面活性剤をさす。かかる親水性界面活性剤(c)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエステル、ポリエチレングリコールアルキルエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリグリセリンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ピログルタミン酸エステル、ジメチコンコポリオール、アルカロイルアルキルタウリン塩、アルカロイルグルタミン酸塩、アルカロイル乳酸塩、脂肪酸石けん、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドアミン等が挙げられる。
【0020】
親水性界面活性剤(c)として好ましいものは、下記一般式(2):
3CO−A−(CH2)nSO31 ‥‥(2)
(式中、R3CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基を示し、Aは−O−または−NR4−(ただし、R4は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す。)を示し、M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し、nは1〜3の整数を示す。)
で表される長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤が好ましく、肌への浸透感の良さからステアロイルメチルタウリン塩がもっとも好ましい。
【0021】
炭素数14〜30の高級アルコール(b)の、親水性界面活性剤(c)に対するモル比率((b)/(c))は、2以上、7.5以下であり、好ましくは2以上、5.5以下である。(b)/(c)が2未満では組成物を安定に維持することが困難であり、7.5を越えると浸透性が劣り、肌等へのなめらかさや、やわらかさを付与する効果に劣るようになる。
【0022】
本発明における水(d)の配合量は、水中油型乳化組成物全量中、30〜95質量%であり、より好ましくは40〜95質量%である。
【0023】
本発明においては水溶性多価アルコールをさらに配合することで、長時間の保湿効果が更に高められる。水溶性多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ポリグリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどが挙げられる。
【0024】
水溶性多価アルコールの配合量は、水中油型乳化組成物全量中、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜20質量%である。
【0025】
本発明による水中油型乳化組成物は、皮膚、口唇、毛髪等に適用可能であるが、さらに好適には皮膚化粧料として用いた場合に特に優れた機能を発揮し、皮膚柔軟化化粧料として用いることが出来る。
【0026】
本発明の水中油型乳化組成物には、本発明の効果を決定的に妨げない限度で、水中油型乳化組成物に添加されうる成分を含有させることが可能である。これらの成分としては、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、粉末類、顆粒類、薬剤、紫外線吸収剤、防腐剤、緩衝剤、香料等が挙げられる。
【0027】
本発明による水中油型乳化組成物の形態としては、化粧水、乳液、美容液、クリーム、マッサージ化粧料、紫外線防御化粧料、化粧下地、ファンデーション、口紅、ヘアリンス、ヘアトリートメント、整髪料等を例示可能である。
【実施例】
【0028】
以下に具体例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、この実施例により本発明の範囲が限定されるべきものではない。また、本実施例における配合量は、特に断らない限り、質量%である。
実施例において評価した詳細を以下に述べる。後述する試験品が本発明の効果を発揮するか否かの評価は、以下に記載する方法により行った。
【0029】
(クリームの評価)
各実施例および比較例のクリームの効果感について、専門パネル10名に夜、洗顔後にクリームを顔面に使用してもらい、塗布直後と翌朝の肌に対する効果感を評価してもらった。塗布直後については、べたつきのなさと肌のやわらかさについて、翌朝は肌のやわらかさと肌のなめらかさについて評価を行った。
【0030】
(評価基準)
(1)塗布直後のべたつきのなさ
○:べたつかないと評価したパネルが8名以上
△:べたつかないと評価したパネルが4名以上8名未満
×:べたつかないと評価したパネルが4名未満
【0031】
(2)塗布直後の肌のやわらかさ
○:肌がやわらかいと評価したパネルが8名以上
△:肌がやわらかいと評価したパネルが4名以上8名未満
×:肌がやわらかいと評価したパネルが4名未満
【0032】
(3)翌朝の肌のやわらかさ
○:肌がやわらかいと評価したパネルが8名以上
△:肌がやわらかいと評価したパネルが4名以上8名未満
×:肌がやわらかいと評価したパネルが4名未満
【0033】
(4)翌朝の肌のなめらかさ
○:肌がなめらかと評価したパネルが8名以上
△:肌がなめらかと評価したパネルが4名以上8名未満
×:肌がなめらかと評価したパネルが4名未満
【0034】
(5)経時安定性
試料を50℃にて3ヶ月間保管し、その安定性を評価した。
○:外観の変化なし
×:分離を起こしている
【0035】
実施例1〜4、比較例1〜6
以下に示す方法で、表1、表2に示す処方の水中油型乳化組成物を調製し、得られた各乳化組成物について上記の方法に従って、塗布直後のべたつきのなさ,肌のやわらかさ、翌朝の肌のやわらかさ,肌のなめらかさ、および経時安定性を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0036】
(製造方法)
70℃の水相に、同じく70℃の加温した油相を加え、ホモミキサーで均一に分散し、30℃に冷却してクリームを得た。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
※1:エルデュウPS−306(味の素社製)
※2:リソカスタDA−H(高級アルコール工業社製)
【0040】
以上得られた結果より、必須の各成分が好適範囲にある実施例1〜4は、経時安定性を保ちながら、べたつきがなく、肌のやわらかさやなめらかさの持続性に優れ、経時安定性も良好なものであった。比較例1〜6では、添加される油分が、ペンタエリスリトール安息香酸エステル以外の油分のみで構成されており、べたつきのなさと、肌のやわらかさやなめらかさの持続性と、経時安定性のすべてを満足させるものはなかった。
【0041】
以下、本発明の処方例について実施例を挙げて説明する。これらの実施例の化粧料は、常法により調製され、高い経時安定性を有しながら、べたつきのなさ、皮膚柔軟効果、なめらかさの持続において良好なものであった。
【0042】
(実施例5)クリーム
テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット 5 質量%
流動パラフィン 8
ワセリン 3
ジメチルポリシロキサン 2
ステアリルアルコール 1
ベヘニルアルコール 3
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(60)グリセリル 1
親油型モノステアリン酸グリセリン 0.5
ステアロイルメチルタウリンナトリウム 1
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 4
トレハロース 1
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
水酸化カリウム 0.015
油溶性甘草エキス 0.1
レチノールパルミテート(100万単位) 0.25
酢酸トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸三ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン 0.01
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
β−カロチン 0.01
ポリビニルアルコール 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
カルボキシビニルポリマー 0.05
精製水 残余
香料 適量
【0043】
(実施例6)クリーム
テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット 7 質量%
メチルフェニルポリシロキサン 5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
オクチルメトキシシンナメート 2
ワセリン 5
ステアリルアルコール 2
ベヘニルアルコール 2
ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル 2
ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.5
水酸化カリウム 0.08
グリセリン 6
ジプロピレングリコール 5
1,3−ブチレングリコール 3
ソルビット液(70%) 5
4−メトキシサリチル酸カリウム 1
スクワラン 4
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記一般式(1)で表されるペンタエリスリトール安息香酸エステル:
【化1】


(式中、R1、R2は水素原子または炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖の脂肪酸残基もしくは安息香酸残基を表す。)
(b)炭素数14〜30の高級アルコール
(c)親水性界面活性剤
(d)水
を含有し、(b)の(c)に対するモル比率((b)/(c))が2以上、7.5以下であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項2】
前記ペンタエリスリトール安息香酸エステルのR1が2−エチルヘキサン酸残基であり、R2がベヘニン酸残基であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
前記親水性界面活性剤が下記一般式(2):
3CO−A−(CH2)nSO31 ‥‥(2)
(式中、R3CO−は平均炭素原子数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基を示し、Aは−O−または−NR4−(ただし、R4は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す。)を示し、M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し、nは1〜3の整数を示す。)
で表される長鎖アシルスルホン酸塩型陰イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
前記親水性界面活性剤がN−ステアロイル−N−メチルタウリン塩であることを特徴とする請求項3に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
さらに水溶性多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】
皮膚化粧料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。

【公開番号】特開2007−314430(P2007−314430A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142317(P2006−142317)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】