説明

水位検知装置及び加熱調理器

【課題】 水タンク内の水位を検知するための光センサの工作精度が得られる水位検知装置およびそれを備えた加熱調理器を得る。
【解決手段】 液体の有無によって光の反射量及び透過量が変化する反射透過部を備えたタンクのうち、前記反射透過部に向けて光を発光する発光手段、及び前記反射透過部を通して受光し、光量に応じた信号を生成して出力する受光手段を備えた水位検知手段と、前記水位検知手段からの信号に基づいて水タンクに貯留されている水の水位を判定する水位判定部と、前記水検知手段及び水位判別部を前記水タンクの所定の位置に固定する支持具を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水タンク内の水位を検出する水位検知装置及びこの水位検知装置を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンク内の水位を検出する水位検知装置として、例えば「インクタンクのプリズム20は液室に液体が存在しないときには外部から入射した光を外部へ反射するが、液室に液体が存在する場合は外部から入射した光を外部へ反射しない機能を有し、かつ、一辺40mmの正方形断面をもち厚さ1.7mmの直方体の光学特性をJIS K7136に従った規格で測定したときに全光線透過率が80%以上でありヘイズ値は75%以上85%以下であることと同等の光学特性を有する。」というものが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の光センサの形態では、基板上に発光手段、受光素子が接するように実装する事で位置ズレを低減し、検知精度を確保していた。しかし光センサの対象付近に基板を設置できない場合、基板上から浮かせて、発光手段と受光素子との距離を可能な限り短くして実装する。発光手段及び受光素子を基板から浮かせて実装する場合、組み付けの際の位置決めが困難であり、誤って設計値からずれて取り付けられ、検知性能のバラツキが大きくなる。従って量産品において検知性能のばらつきを低減し、一定の検知精度を保つのが困難であるという課題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、水タンク7内の水位を検知するための光センサの工作精度が得られる水位検知装置およびそれを備えた加熱調理器を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に関る水位検知装置は、液体の有無によって光の反射量および透過量が変化する反射透過部を備えたタンクのうち、前記反射透過部に向けて光を発光する発光手段、及び前記反射透過部を通して受光し、光量に応じた信号を生成して出力する受光手段を備えた水位検知手段と、前記水位検知手段を高さ方向に沿って複数個設け、それらを工作ばらつき及び設置ばらつきを小さくしてタンク周囲に組み付けるための治具を備えたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によって、水位検知手段基板の工作を容易にし、量産過程において不良が減少して市場において誤検知が抑制され、水位の検知精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】この発明の実施の形態1に係る加熱調理器の側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る水位検知装置のブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る水タンクと水位検知手段の斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る水位検知手段の構造図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る水位検知手段と支持具の構成図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る支持具の発光手段側の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係る支持具の発光手段側の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る支持具の発光手段側の断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係る支持具の発光手段側の断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係る支持具の受光素子側の断面図である。
【図11】この発明の実施の形態4に係る支持具の受光素子側の断面図である。
【図12】この発明の実施の形態4に係る支持具の受光素子側の断面図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係る支持具の受光素子側の断面図である。
【図14】この発明の実施の形態4に係る支持具の受光素子側の断面図である。
【図15】この発明の実施の形態5に係る支持具の受光素子側の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構成を側面から見た状態を示す側面図である。
この加熱調理器100は、被加熱物(米や水等)を入れた内鍋を誘導加熱コイル等の加熱手段で加熱することで被加熱物を炊きあげ、そのとき発生する蒸気を水槽で回収する。なお、図1を含めて以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0008】
加熱調理器100は、上面が蓋体3に開閉自在に覆われ、炊飯釜2及び水タンク7を着脱自在に収納される本体1と、調理される被加熱物が入れられ、本体1の内部に着脱自在に収納される炊飯釜2と、本体1の後方上部に軸支されたヒンジ部(図示省略)を介して本体1の上面を開閉自在に覆う蓋体3と、蓋体3の内側に着脱自在に取り付けられ、炊飯釜2の上部開口部を開閉自在に覆う内蓋4と、炊飯釜2を加熱する誘導加熱コイル等の加熱体5と、所定量の水が貯留され、蒸気を冷却して復水することで蒸気を回収する水タンク7と、炊飯釜2と水タンク7とを連結し、蒸気を導通させる蒸気パイプ6とから構成されている。
【0009】
本体1は、上面が開口形成されており、内部に炊飯釜2及び水タンク7の他に加熱体5も収納する。炊飯釜2は、上面が開口形成されており、この開口部が内蓋4で覆われることで内部が密閉状態になる。蓋体3は、ユーザにより開閉スイッチ等(図示省略)が操作されることで、本体1の上面を開閉自在に覆うものである。また、蓋体3には、蒸気パイプ6が着脱自在に装着されるようになっている。内蓋4は、調理時に炊飯釜2の上部開口部を閉塞し、炊飯釜2の内部を密閉するものである。加熱体5は、炊飯釜2の底面側に配設されており、通電制御されることで炊飯釜2を加熱して調理したり保温したりするものである。
【0010】
蒸気パイプ6は、一端(紙面右側端部)が内蓋4の略中央部に、他端(紙面左側端部)が水タンク7の内部に挿入されている蒸気導入パイプ13に接続され、炊飯釜2と水タンク7とを連結している。水タンク7は、内部に所定量の水が貯留され、蒸気パイプ6を介して流通した蒸気を冷却して回収する。この水タンク7は、炊飯釜2が収納されている位
置の脇に収納されるようになっている。また、水タンク7は、上面が開口形成されており、この開口部を着脱自在に覆うタンク蓋12を有している。さらに、タンク蓋12には、蒸気導入パイプ13が貫通するように固定されている。
【0011】
蒸気導入パイプ13は、タンク蓋12が水タンク7に装着された状態において、一端(上端)が蒸気パイプ6に着脱自在に接続され、他端(下端)が水タンク7内部下側に位置するようになっている。つまり、蓋体3が開けられたとき蒸気パイプ6が蒸気導入パイプ13から離れ、蓋体3が閉じられたときに蒸気パイプ6が蒸気導入パイプ13に接続されるようになっている。蒸気パイプ6及び蒸気導入パイプ13は、炊飯時に発生した蒸気を水タンク7内に導く蒸気案内路として機能するものであり、水タンク7は、蒸気導入パイプ13を介して流入した蒸気を水で結露させ、回収水9として貯留するものであり、これらで蒸気回収装置を構成している。
【0012】
また、本体1内には、水タンク7の水位を判定するとともに加熱体5の通電制御を行う判定制御手段11と、水タンク7内に貯留されている回収水9の水位を検知する水位検知手段(水位検知センサ)8とが設けられている。判定制御手段11は、本体1の底面であって、加熱体5の下側に配置され、水位検知手段8から出力される信号に基づいて水位を判定し、その判定結果に基づいて加熱体5への通電を制御するものである。水位検知手段8は、水タンク7の側面に対向して設けられており、水タンク7の回収水9の水位が予め設定されている水位に達しているかどうかを検知するものである。この水位検知手段8は、3つの水位をそれぞれ検出するように発光素子及び受光素子の組が3組設けられており(詳細は後述する)、その出力信号を判定制御手段11に出力し、判定制御手段11は水位検知手段8の出力に基づいて回収水9の水位が或る設定された水位に達しているかどうかを判定する。このように水位検知手段8及び判定制御手段11は本発明の水位検知装置20を構成しており、その詳細を図2に基づいて説明する。
【0013】
図2は水位検知装置20の構成を示したブロック図である。 この水位検知装置20においては、上記のように水位検知手段8及び判定制御手段11から構成されている。水位検知手段8は、水タンク7を介して発光及び受光する発光手段21及び受光手段22を備えている(この両者の配置の詳細は図3等において詳細に説明する)。なお、本実施の形態1において、発光手段21及び受光手段22は、発光素子と受光素子の組が高さ方向に3組設けられている。
また、判定制御手段11は、水位検知装置20の構成として、受光手段22の出力を増幅する増幅器23と、増幅器23の出力を信号処理する制御・信号処理回路24とを備えている。この制御・信号処理回路24は、本発明の水位判定手段に相当するものであり、例えばマイコン等によって構成される。 また、この水位検知手段8は、更に、制御・信号処理回路24により演算結果を表示する表示機25を備えている。表示機25は、例えばランプや液晶ディスプレイから構成されており蓋体3のように水タンク7よりも上方に位置する部位に設置され、水タンク7を出し入れした際に水が零れるようなことがあってもその水がかからないようにしてある。
【0014】
このような構成の水位検知装置20において、制御・信号処理回路24は、発光手段21に対して発光指令信号を供給するとともに、受光手段22に対して受光命令信号を出力する。これによって、発光手段21は発光し、受光手段22は水タンク7を介して受光する。発光手段21及び受光手段22が設置されている部位に対応する位置に水タンク7に
回収水がある場合とない場合とでは、受光手段22の受光量は異なったものとなる(水がある場合には受光量小、水がない場合には受光量大)。受光手段22の出力は、増幅器23で増幅された後に制御・信号処理回路24に供給される。制御・信号処理回路24は、増幅器23からの信号が所定の水位レベルに相当するものであるかどうかを判定し、例えばその水位に応じて炊飯を停止し、或いは回収水9の排水を促すメッセージを表示してユーザに報知する。この報知についてはブザー等を設けてそれを鳴動させるようにしてもよい。
【0015】
次に、上記の水位検知装置20の水位検知手段8の取付け構造について説明する。
【0016】
図3は、水タンク7と水位検知手段8との関係を示した説明図であり(但し、同図においては本体1の筐体部分の図示は省略されている)、図4はその横断面図である。 水タンク7は、光を透過する材料(例えばポリスチレン等)から構成されており、その側面(水タンク7の長手方向の側面の本体1側の側面)の一部には凹部71が形成されている。凹部71は、水タンク7の高さ方向に沿って所定の深さとなるように構成されており(平面視で台形)、2つの屈曲部(入射面、出射面)71a、71bと、それを結ぶ伝達部71cとを備えている。この凹部71は本発明の反射透過部72として機能する。なお、反射透過部72は上記の形態に限定されるものではなく、例えば平面視で3角形状であってもよい。
水タンク7は、このように構成されており、水タンク7の外側の屈曲部71aに投光した際に、水タンク7の内側において水の有無による(水と空気の)屈折率の違いを利用して光が反射又は透過して光路が変化するよう形成されており、水がない場合には屈曲部71bから反射光が得られる。この凹部71の形状の一例として、タンク厚2.0mm、屈曲部角度45度(内側)、10度(外側)、伝達部距離20mm、伝達部厚さ3.0mmで構成する。
【0017】
水タンク7の凹部71に対向し、且つ測定水位に対応する位置に、水位検知手段8(8a〜8c)が配置されている。水位検知手段8は、発光素子21a〜21c及び受光素子22a〜22cの3組が基板31(図4参照)に取り付けられており、各組を必要に応じて水位検知手段8a、8b、8cと称する。
【0018】
図4は水位検知手段8の取付け構造を示した図である。ここでは、水位検知手段8aについて説明する。 水位検知手段8a(例えば発光素子21a及び受光素子22a)と水タンク7との間に介在する本体1の筐体1aには、窓部材33、34が設けられている。この窓部材33、34は、例えば発光素子21aおよび受光素子22aの少なくとも水位検知に用いる光の波長帯域において光を80%以上透過する。それ以外の波長、特に可視光域の波長帯域において光の透過率を20%以下とした窓材を用いても良く、このような窓部材33,34を用いることにより、ユーザーから本体1内部に設置した水位検知手段8が見えず意匠性を高められる。
【0019】
また、水位検知手段8と筐体1aとの間には支持具35が介在しており、この支持具35は水位検知手段8を支持するとともに筐体1aに取り付ける役割をしている。加えて、支持具35には、発光素子及び受光素子を水位検知手段8に半田付けする際に、発光素子及び受光素子を精度よく所定の位置に導くもしくは矯正する役割もしている。
支持具35には、発光素子21a及び受光素子22aに対向する位置に開口部36a、37aが形成されている。開口部36a、37aの内壁や、窓部材33、34の周辺には、カーボンブラックなどの炭素材料からなる、光を吸収する部材や塗料を塗布する。以下の説明においては、塗料を塗布する例について説明し、それを光吸収塗膜51と称するものとする。このように光吸収塗膜51を開口部36a、37aの内壁や、窓部材33、34の周辺に設けることにより、光路周辺の部材の検知のため以外の光が当たる箇所での反射光を抑制して迷光を低減し、誤検知を低減している。
【0020】
次に、図4に基づいて水位検知手段8及び水タンク7における光の反射及び透過について説明する。
発光素子21aは制御・信号処理回路24からの発光命令信号を受信すると発光し、それは支持具33の開口部36a及び窓部材33を介して屈曲部71aに入射し、水タンク7内に回収水9がないときには、屈曲部71aの内面で反射して伝達部71cを介して屈曲部71bに到達し、屈曲部71bの内面で反射して屈曲部71bから外に出る。その屈曲部71bからの反射光は、窓部材34及び支持具33の開口部37aを介して受光素子22aが受光し、増幅器23を介して制御・信号処理回路24に送信する。なお、水タンク7内に回収水9があるときには、発光素子21aからの赤外光は、屈曲部71a、71bで透過し、受光素子22aの受光量は少なく、それによって回収水9がそのレベルに達していることが把握される。
【0021】
以上のように本実施の形態1においては、水位検知手段8を設ける際に、基板上に発光手段21及び受光手段22の位置ズレ及び屈曲を効率良く補正して設置ばらつきを抑制する事により、検知精度の高い水位検知装置を実現している。
また、本実施の形態1においては、上記の水位検知装置20を加熱調理器100に組み込んでおり、上記のように水タンク7の水位を精度良く検知することができ、このため、その水位に基づいた適切な制御が可能になっている。
実施の形態2
【0022】
本実施の形態2においては、前述した水位検知手段8を筐体1aに固定するための支持具35について、発光手段21及び受光手段22を所定の位置に矯正及び誘導するための形状について記述する。
【0023】
図5は水位検知手段8と支持具35の一例を示した構成図である。基板31上に発光手段21、受光手段22および支持具35が設置される。支持具35において発光手段21及び受光手段22の光路に位置する部分が少なくとも一部開放された開口部36aが形成されている。
この開口部の形状が発光素子側の開口部36aと受光素子側の開口部36aとで異なり、発光素子側の開口部36aの最小径は少なくとも発光手段21の最大径よりも小さく、受光素子側の開口部36aの最大径は少なくとも受光手段22の最小部の径よりも大きくなるよう形成されている。
発光手段側の開口部36aの径を小さくする事により水位検知用の光線以外の放射光を遮光する事で誤検知を防ぐ事ができる。また、受光素子側の開口部36あの径を大きくすることにより広く受光面を放射方向へ向けられるため、水位検知手段8を構成する光学系の位置ずれに対して尤度を持てる。
以上のように支持具35の開口部36aの径を発光手段側と受光素子側とで変える事により精度良く水位を検知できるようになる。
実施の形態3
【0024】
図6は支持具35の発光手段側の断面図を示している。支持具35の円筒部は先端で支持具厚が厚く、内側に凸となり、発光手段21から投光された光の一部を遮断するよう設計されている。この凸形状がない場合、図6のようにタンク表面などで反射した光を誤って受光し、誤検知する可能性がある。
前述の水タンク7の凹部の形状の例において水タンク7の外側(10度としている部分)の寸法が5mmで、水位検知手段8が水タンク7から8mm離れた位置に設置した場合、発光手段21から投光された光のうち32度の光のみが水位検知に有効であり、それよりも放射角が大きい光は水位検知には無効であり、タンク表面で反射されることによる誤検知を引き起こす可能性がある。
以上の事は発光手段を用いる際に、レンズなどの光学系を追加する必要がなく、砲弾型LEDなどの汎用的な発光手段を用いる事ができ、安価に精度の高い水位検知手段を実現する上で有効である。
【0025】
図7は支持具35の発光手段側の断面図を示し、支持具35の円筒部の内側は円錐の形状をなしており、支持具35の先端に行くに従って径が小さくなるように設計されている。図8は支持具35の円筒内部構造はリブを形成することで、支持具35自体の成形精度が向上し、より発光素子21の取付精度が向上する。図9に示したように発光手段21を半田付けした基板31に支持具35を押し込んで設置するときに、工作途中で生じる発光手段21の足の部分での屈曲を支持具の円錐形状に沿って挿入されることで屈曲が矯正され、設置ばらつきが小さくなる。
実施の形態4
【0026】
図10は支持具35の受光素子側の断面図を示している。支持具35の円筒部は先端で支持具厚を薄くし、内側に薄くなり、支持具35の円筒部は先端に向かうほど径が大きくなるよう設計されている。このような形状でない場合、入射すべき光が遮断されて検知精度が低下する。
【0027】
図11は支持具35の受光素子側の断面図を示している。支持具35の内側はすり鉢状の形状をなしており、支持具35の円筒部40の奥に行くに従って径が小さくなるよう設計されており、すり鉢の奥の径が少なくとも受光手段22の最大径よりも小さく、受光素子の電極部26の径より大きくなるよう設計されている。基板上には支持具35を設置した後受光手段22を円筒部40に挿入して設置する。
このような支持具35を用いる事で受光手段22を円筒部40から挿入する際に、図12のように受光素子の最大径となる位置で支持具35の内側と接して挿入が確実に止まり、安定して基板上に半田付けすることができるため、設置ばらつきを低減する効果が得られる。
【0028】
図13のすり鉢状となった内側の傾斜角を変更する事により、受光手段22と支持具35の内側の接する高さを変えることができ、容易に発光手段と受光素子の光路長を変更する事ができる。光路長が短くなるほど受光感度が上げられ、部品を追加することなく受光感度の調整が可能となる。
例えば経年劣化などで水位検知手段の検知性能が低下した場合を考える。前述の実施の形態1の加熱調理器の水位検知手段8A、8B、8Cのどれか1つが特性劣化した場合、8Aで強い光及び強い光に応じた信号が検知できていれば8B、8Cの特性劣化による弱い光及び弱い光に応じた信号で誤検知は、論理回路から検知する事ができる。しかし、8A自身の特性劣化は、水タンク7内の水の有無と分離できず、検知する事ができない。従って少なくとも8Aの感度は8B、8Cよりも高くする必要がある。このような場合に、水位検知手段8Aの支持具35の内側のすり鉢形状の傾斜角を8B、8Cの支持具の傾斜角よりも大きくして受光素子を前方に出して感度を上げるようにすれば良い。
【0029】
前述の支持具35の円筒部40の内側形状は図14に示すようにリブで形成しても良い。
【0030】
図15は支持具35の受光素子側の断面図を示している。支持具35の内側の、受光手段22の電極部26の高さに位置する形状が電極部26の径とほぼ同じになるようにし、支持具35に受光素子を挿入する際に電極部26の屈曲を矯正し、基板上の所定の位置に誘導するよう設計したものである。
例えば、受光素子の電極部の径を0.4mmとした時に、支持具35の受光素子側の径は0.8mmとすることで電極部26の屈曲を矯正する効果が得られる。
【0031】
従って前述の支持具形状を満たすよう、水位検知手段8の工作順序は基板31上に発光手段21を半田付けした後、支持具35を設置して受光手段22を開口部36aから挿入し、基板に半田付けする。これにより実施の形態2に記載の支持具35の開口部形状を実現し、かつ本実施の形態3に記載の発光手段21及び受光手段22の位置ずれの矯正及び誘導の役割を満たす事ができ、精度良く水位を検知出来る水位検知装置を提供する事ができる。
【符号の説明】
【0032】
1本体、1a筐体、2炊飯釜、3蓋体、4、内蓋、5加熱体、6蒸気パイプ、7水タンク、8水位検知手段、9回収水、11判定制御手段、12タンク蓋、13蒸気導入パイプ、20水位検知装置、21発光手段、21a発光素子、22受光手段、22a受光素子、23増幅器、24制御・信号処理回路、25表示機、26電極部、31基板、33窓材、34窓材、35支持具、36a開口部、37a開口部、38a支持具、39a支持具、40円筒部、41凸部、42凹部、43誌治具、44凸部、45上蓋留め具、51光吸収膜、52膜、71凹部、71a屈曲部、71b屈曲部、71c伝達部、72反射透過部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の有無によって光の反射量及び透過量が変化する反射透過部を備えたタンクのうち、前記反射透過部に向けて光を発光する発光手段、及び前記反射透過部を通して受光し、光量に応じた信号を生成して出力する受光手段を備えた水位検知手段と、前記水位検知手段からの信号に基づいて水タンクに貯留されている水の水位を判定する水位判定部と、前記水検知手段及び水位判別部を前記水タンクの所定の位置に固定する支持具を備えたことを特徴とする水位検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水位検知装置で支持具を設置するための筐体と前記水タンクを設置するための筐体とは同一で、この筐体を通して支持具と水タンクの位置が所定の位置に配置されることを特徴とする水位検知装置。
【請求項3】
請求項1に記載の水位検知装置で水位検知手段に少なくとも一対の発光手段と受光手段を備え、それらを前記水タンクの所定の位置に固定する前記の支持具において、支持具の発光手段と受光手段の設置箇所の断面形状が、先端部と根元部を結んだ時の角度が発光素子と受光素子とで異なることを特徴とする水位検知装置。
【請求項4】
請求項1に記載の水位検知装置で支持具の発光素子を納める箇所の断面形状が、先端部で根元部よりも内側に凸となり口径が小さくなり、少なくとも発光手段の最大径より小さいことを特徴とする水位検知装置。
【請求項5】
請求項1に記載の水位検知装置で発光素子を納める支持具の断面形状において、先端部で根元部よりも内側に凸となる時に段差式に変わることを特徴とする水位検知装置。
【請求項6】
請求項1に記載の水位検知装置で発光素子を納める支持具の断面形状において、先端部で根元部よりも内側に凸となる時に連続的に変わることを特徴とする水位検知装置。
【請求項7】
請求項1に記載の水位検知装置で支持具の受光素子を納める箇所の断面形状が先端部で根元部よりも薄く、先端から根元に向かうほど口径が小さくなり、先端部の口径は少なくとも受光手段の最大径よりも大きく、かつ根元部の口径が少なくとも受光素子の電極の径よりも大きいもしくは同じであることを特徴とする水位検知装置。
【請求項8】
請求項1に記載の水位検知装置で受光素子を納める支持具の断面形状において、先端部で根元部よりも内側に薄くなる時に段差式に変わることを特徴とする水位検知装置。
【請求項9】
請求項1に記載の水位検知装置で受光素子を納める支持具の断面形状において、先端部で根元部よりも内側に薄くなる時に連続的に変わることを特徴とする水位検知装置。
【請求項10】
請求項1に記載の水位検知装置で受光素子を納める支持具の断面形状が内側に連続的に薄くなり先端から根元に向かって厚さを厚くて内壁に傾斜を有する支持具において、傾斜角を変更することで受光素子の位置を調整でき、水位検知精度を調整できることを特徴とする水位検知装置。
【請求項11】
請求項1に記載の水位検知装置を備えたことを特徴とする蒸気回収装置。
【請求項12】
請求項11に記載の蒸気回収装置を備えたことを特徴とする加熱調理器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−164470(P2010−164470A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7736(P2009−7736)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】