説明

水処理装置および水処理方法

【課題】燃料電池装置の水自立を実現し、脱イオン処理に供給される水の炭酸イオン以外のイオンの濃度増加を緩和できる水処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の水処理装置1は、燃料電池装置から回収された凝縮水を脱炭酸処理して第1の脱炭酸水を得る第1の脱炭酸処理部10と、電気式脱イオン処理装置24を用いて第1の脱炭酸水を脱イオン処理して脱イオン水およびイオンの濃縮水を生成させる脱イオン処理部20と、前記濃縮水を回収し、前記凝縮水とは別に脱炭酸処理して第2の脱炭酸水を得る第2の脱炭酸処理部30と、前記第2の脱炭酸水の一部を前記第1の脱炭酸水に補給する補給部40とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池装置から回収された凝縮水を処理するための水処理装置および水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境への負荷抑制の観点から、燃料電池装置の普及が推し進められている。
家庭用等の燃料電池装置を用いた発電においては、水を使用する工程、例えば、水素を製造するために都市ガス(メタンガス)やプロパンガスを水蒸気改質する工程、電極接合体(MEA)を構成するイオン交換膜の電気抵抗を下げるために加湿する工程、燃料電池装置を冷却する工程などを有している。これらの工程で使用する水には、導電率が低い純水が用いられている。
純水の供給源として水道水を用いると、純水化処理を必要とするため、燃料電池装置が大型化する上にコストが高くなる傾向にある。そのため、電池反応において生成した水や、水蒸気改質で消費されなかった水蒸気の凝縮水を使用して、外部から水を補給せずに水を自立化させることが検討されてきた。
通常、水蒸気改質では副反応によって二酸化炭素が発生するため、燃料電池装置から回収された水には、炭酸イオンが溶け込まれている。また、塩化物イオンやケイ酸イオンも溶け込まれている。
そこで、特許文献1では、燃料電池装置から回収された水を脱炭酸処理し、さらに電気式脱イオン処理装置によって脱イオン処理して、純水化する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2001−232394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に記載の方法では、燃料電池装置から回収された水の使用効率を高めるために、電気式脱イオン処理装置にて生成した濃縮水を、燃料電池装置から回収された水を脱炭酸処理に供給する配管に戻して再利用している。
しかしながら、濃縮水を繰り返し循環させた場合、濃縮水中の炭酸イオンについては脱炭酸処理により除去することは可能であるものの、炭酸イオン以外のイオンについては濃度が次第に高くなる。そのため、稼働時間が長くなるにつれて、電気式脱イオン装置の負荷が次第に大きくなり、消費電力量が増加する。特に、ケイ酸イオンの濃度が高くなると、消費電力量の増加は顕著になる。燃料電池装置の付帯装置の消費電力量が多いと、燃料電池装置の発電効率が低くなるため、炭酸イオン以外のイオン濃度の増加は問題である。
そのため、特許文献1に記載の方法では、濃縮水を系外に排出する流路を設けて、適宜、濃縮水を脱炭酸処理に供給する流路から切り替えて濃縮水の一部を廃棄していた。また、この濃縮水の廃棄によって燃料電池装置に供給する水の量が不足するため、水道水を純水化処理したものを補給する手段を有していた。したがって、燃料電池装置の水の自立化を実現できていなかった。
そこで、本発明は、燃料電池装置の水自立を実現し、脱イオン処理に供給される水の炭酸イオン以外のイオンの濃度増加を緩和できる水処理装置および水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の構成を包含する。
[1] 燃料電池装置から回収された凝縮水を脱炭酸処理して第1の脱炭酸水を得る第1の脱炭酸処理部と、
電気式脱イオン処理装置を用いて第1の脱炭酸水を脱イオン処理して脱イオン水およびイオンの濃縮水を生成させる脱イオン処理部と、
前記濃縮水を回収し、前記凝縮水とは別に脱炭酸処理して第2の脱炭酸水を得る第2の脱炭酸処理部と、
前記第2の脱炭酸水の一部を前記第1の脱炭酸水に補給する補給部とを有することを特徴とする水処理装置。
[2] 前記第1の脱炭酸処理部および/または前記第2の脱炭酸処理部が、曝気式脱炭酸塔を備える[1]に記載の水処理装置。
[3] 前記補給部は、第1の脱炭酸水を貯留する第1の貯水部と、第2の脱炭酸水を貯留する第2の貯水部とを備え、
第1の貯水部と第2の貯水部とは、同じ高さにオーバーフロー口が各々設けられ、かつ、第2の脱炭酸水の位置水頭が第1の脱炭酸水の位置水頭より大きくなったときのみ開放される逆止弁を介して接続されている[1]または[2]に記載の水処理装置。
[4] 燃料電池装置から回収された凝縮水を脱炭酸処理して第1の脱炭酸水を得る工程と、
第1の脱炭酸水を脱イオン処理して脱イオン水および濃縮水を生成させる工程と、
前記濃縮水を回収し、前記凝縮水とは別に脱炭酸処理して第2の脱炭酸水を得る工程と、
第2の脱炭酸水の一部を第1の脱炭酸水に補給する工程とを有することを特徴とする水処理方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明の水処理装置および水処理方法は、燃料電池装置の水自立を実現し、脱イオン処理に供給される水の炭酸イオン以外のイオンの濃度増加を緩和できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の水処理装置の一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例の水処理装置を示す。この水処理装置1は、燃料電池装置から凝縮された凝縮水を脱炭酸処理して第1の脱炭酸水を得る第1の脱炭酸処理部10と、第1の脱炭酸水を脱イオン処理して脱イオン水および濃縮水を生成させる脱イオン処理部20と、濃縮水を前記凝縮水とは別に脱炭酸処理して第2の脱炭酸水を得る第2の脱炭酸処理部30と、第2の脱炭酸水の一部を第1の脱炭酸水に補給する補給部40とを有する。
【0007】
第1の脱炭酸処理部10は、第1の脱炭酸室11と、燃料電池装置から第1の脱炭酸室11に凝縮水を供給するための第1の配管12を備える。
第2の脱炭酸処理部30は、第2の脱炭酸室31と、脱イオン処理部20から第2の脱炭酸室31に濃縮水を供給するための第5の配管32を備える。
【0008】
本実施形態例では、一つの曝気式脱炭酸塔Aの内部に鉛直方向に沿って仕切り板Bが設けられて、2つの室に分割されている。曝気式脱炭酸塔Aの一方の室は第1の脱炭酸室11に、他方の室は第2の脱炭酸室31にされている。したがって、第1の脱炭酸室11には凝縮水が、第2の脱炭酸室31には濃縮水が、互いに混合されずに通過するようになっている。
ここで、曝気式脱炭酸塔とは、脱炭酸処理する水に空気を通して、水中の炭酸ガスを空気に含ませるものである。
【0009】
第1の脱炭酸室11の下部には、上方に向けて空気を噴出させる空気噴出ノズル11aと、空気噴出ノズル11aに空気を供給するための空気供給管11bとが設けられている。第1の脱炭酸室11の上部には、第1の脱炭酸室11の内部の空気を外部に排出させるための排出口11cが設けられている。
【0010】
同様に、第2の脱炭酸室31の下部には、上方に向けて空気を噴出させる空気噴出ノズル31aと、空気噴出ノズル31aに空気を供給するための空気供給管31bとが設けられている。また、第2の脱炭酸室31の上部には、第2の脱炭酸室31の内部の空気を外部に排出させるための排出口31cが設けられている。
【0011】
第1の脱炭酸室11および第2の脱炭酸室31では、流下する水(凝縮水または濃縮水)に空気を向流で接触させることで曝気して、脱炭酸処理を行う。
【0012】
補給部40は貯水タンクCが仕切り板Dによって仕切られて設けられた第1の貯水室41および第2の貯水室42と、水平に配置され、第1の貯水室41および第2の貯水室42を同じ高さで接続する逆止弁43とを備える。
【0013】
第1の貯水室41は第1の脱炭酸室11の下方に設けられて接続されている。したがって、第1の脱炭酸水は第1の貯水室41に貯留されるようになっている。第2の貯水室42は第2の脱炭酸室31の下方に設けられて接続されている。したがって、第2の脱炭酸水は第2の貯水室42に貯留されるようになっている。
【0014】
第1の貯水室41の上部および第2の貯水室42の上部には、各々、内部の脱炭酸水の一部を外部に溢れ出させるためのオーバーフロー口41a,42aが設けられている。第1の貯水室41のオーバーフロー口41aと第2の貯水室42のオーバーフロー口42aとは、同じ高さに配置されている。
【0015】
逆止弁43は、第2の脱炭酸水の位置水頭が第1の脱炭酸水の位置水頭より大きくなったときのみ開放される弁である。
【0016】
上記補給部40では、第2の脱炭酸水の位置水頭が第1の脱炭酸水の位置水頭より大きくなったときに、逆止弁43が開放されて、第2の貯水室42から第1の貯水室41に第2の脱炭酸水が流出するようになっている。
また、第1の貯水室41中の第1の脱炭酸水と第2の貯水室42中の脱炭酸水との液面高さが同じになっているとき、第1の脱炭酸水の位置水頭が第2の脱炭酸水の位置水頭より大きくなっているときには、逆止弁43が開放されないから、第1の貯水室41から第2の貯水室42に第1の脱炭酸水が流出することはない。
【0017】
上記の補給部40では、第1の貯水室41への第1の脱炭酸水の供給量が減少して、または、第1の貯水室41中の第1の脱炭酸水の消費量が増加して、燃料電池装置で必要な水量に対して第1の脱炭酸水が不足したときに、第2の脱炭酸水を第1の脱炭酸水に補給できるようになっている。
【0018】
上記補給部40において、逆止弁43を、第2の脱炭酸水の位置水頭が第1の脱炭酸水の位置水頭より所定量大きくなった状態のみ開放される弁にすると、第2の脱炭酸水を断続的に第1の脱炭酸水に添加するようになる。
【0019】
脱イオン処理部20は、第1の貯水室41に接続された第2の配管21と、第2の配管21の下流側に接続されたポンプ22と、ポンプ22の吐出側に接続された第3の配管23と、第3の配管23の下流側に接続された電気式脱イオン処理装置24と、電気式脱イオン処理装置24によって生成された脱イオン水を排出させる第4の配管25とを備える。
【0020】
電気式脱イオン処理装置24は、イオン交換体が内蔵された装置であって、電気泳動と電気透析とが組み合わされて、第1の炭酸水が脱イオンされた脱イオン水と、イオンの濃縮水を生成させるものである。
【0021】
図2に、電気式脱イオン処理装置の一例を示す。この例の電気式脱イオン処理装置50は、陽極51aを具備する陽極室51、陰極52aを具備する陰極室52、陽極室51と陰極室52との間に設けられた脱塩室53を備えるものが挙げられる。
陽極室51にはカチオン交換樹脂が充填され、陰極室52および脱塩室53には、アニオン交換樹脂が充填されている。
陽極室51または陰極室52と、脱塩室53とは、アニオン交換膜54によって仕切られている。
本実施形態例においては、脱塩室53に第3の配管23が接続されて第1の脱炭酸水が導入されるようになっている。また、脱塩室53から流出した脱イオン水の一部は陰極室52、陽極室51を経て、第5の配管32を介して濃縮水として排出されるようになっている。
【0022】
上記水処理装置1を用いた水処理方法について説明する。
本実施形態例における水処理方法は、燃料電池装置から回収された凝縮水を脱炭酸処理して第1の脱炭酸水を得る工程と、第1の脱炭酸水を脱イオン処理して脱イオン水および濃縮水を生成させる工程と、前記濃縮水を回収し、前記凝縮水とは別に脱炭酸処理して第2の脱炭酸水を得る工程と、第2の脱炭酸水の一部を第1の脱炭酸水に補給する工程とを有する。
以下、具体的に説明する。
【0023】
まず、燃料電池装置から回収された凝縮水を、第1の配管12を介して第1の脱炭酸室11の上部に供給し、第1の脱炭酸室11の下部に向かって流下させる。それと同時に、空気供給管11bによって供給した空気を、空気噴出ノズル11aを用いて第1の脱炭酸室11の下部より上方に向けて噴出させる。これにより、凝縮水と空気とを向流で接触させて脱炭酸処理して、第1の脱炭酸水を得る。炭酸ガスを含んだ空気は、排出口11cを介して第1の脱炭酸室11の外部に排出させる。
【0024】
次いで、第1の脱炭酸水を第1の貯水室41に貯留する。第1の脱炭酸水の液面高さがオーバーフロー口41aに達すると、第1の脱炭酸水の一部はオーバーフロー口41aから溢れ出て排出される。
【0025】
次いで、第1の貯水室41中の第1の脱炭酸水を、ポンプ22を用い、第2の配管21および第3の配管23を介して、電気式脱イオン処理装置24に供給する。そして、電気式脱イオン処理装置24を常法に従って使用し、第1の脱炭酸水を脱イオン処理して、脱イオン水と濃縮水とを生成させる。
【0026】
本実施形態例の電気式脱イオン処理装置24に上記電気式脱イオン処理装置50を用いた場合には、以下のように脱イオン処理する。
すなわち、第3の配管23を介して脱塩室53に第1の脱炭酸水を導入して、脱塩室53内のアニオン交換体でアニオンを捕捉する。それと共に、陽極51aと陰極52aとを直流電圧で印加することで、アニオン交換体で捕捉したアニオンを陽極51a側に誘引させ、さらに、アニオン交換膜54を通過させて陽極室51内に移動させる。このように、脱塩室53にて第1の脱炭酸水を脱イオン処理することで脱イオン水を得る。また、陽極室51においては、アニオンが移動してくるため、イオン濃度が向上して濃縮水が生成する。
【0027】
得られた脱イオン水は、第4の配管25を介して、燃料電池装置に供給される。ただし、脱イオン水の一部は、陰極室52を経て、陽極室51を通過するようになっており、濃縮水用の水として使用される。
濃縮水は、第5の配管32を介して、第2の脱炭酸室31に供給される。
【0028】
次いで、濃縮水を第2の脱炭酸室31の下部に向かって流下させる。それと同時に、空気供給管31bによって供給した空気を、空気噴出ノズル31aを用いて第2の脱炭酸室31の下部より上方に向けて噴出させる。これにより、濃縮水と空気とを向流で接触させて脱炭酸処理して、第2の脱炭酸水を得る。炭酸ガスを含んだ空気は、排出口31cを介して第2の脱炭酸室31の外部に排出させる。
【0029】
次いで、第2の脱炭酸水を第2の貯水室に貯留する。第2の脱炭酸水の液面高さがオーバーフロー口42aに達すると、第2の脱炭酸水の一部はオーバーフロー口42aから溢れ出て排出される。
【0030】
第1の貯水室41中の第1の脱炭酸水と第2の貯水室42中の第2の脱炭酸水とが共にオーバーフロー口41a,42aから流出している際には、液面高さが同じになるため、第1の脱炭酸水と第2の脱炭酸水の位置水頭が等しくなり、逆止弁43は閉止した状態になる。したがって、第2の脱炭酸水は第1の脱炭酸水に添加されない。
【0031】
第1の貯水室41への第1の脱炭酸水の供給量の減少または第1の貯水室41中の第1の脱炭酸水の消費量の増加によって、第1の貯水室41中の第1の脱炭酸水の貯水量が減少した際には、第1の脱炭酸水の液面が第2の脱炭酸水よりも低くなる。そのため、第1の脱炭酸水よりも第2の脱炭酸水の位置水頭が大きくなり、逆止弁43は、第2の脱炭酸水によって押し込まれて開放された状態になる。したがって、第2の脱炭酸水が第1の脱炭酸水に添加されるようになる。
【0032】
第2の脱炭酸水の液面が第1の脱炭酸水よりも低くなった際には、第2の脱炭酸水よりも第1の脱炭酸水の位置水頭が大きくなる。しかし、逆止弁43は、第1の脱炭酸水の押し込みによっても開放されないから、第1の脱炭酸水が第2の脱炭酸水に添加されることはない。
【0033】
上記工程を連続的に行うことにより、脱イオン水を連続的に生成させることができる。特に、脱イオン処理部20から流出した濃縮水を第2の脱炭酸処理部30によって第2の脱炭酸水とし、その第2の脱炭酸水を補給部40によって第1の脱炭酸水に補給するため、外部から水を補給しなくても、充分な量の脱イオン水を確保できる。そのため、水の自立化を実現できる。
【0034】
また、上記水処理装置1では、凝縮水の脱炭酸処理を第1の脱炭酸処理部10にて行い、濃縮水の脱炭酸処理を第2の脱炭酸処理部30にて行うため、脱炭酸処理にて凝縮水と濃縮水とが混ざることはない。また、補給部40によって、第2の脱炭酸水を必要最低限の量だけ第1の脱炭酸水に添加するようになっている。したがって、上記水処理装置1では、濃縮水の全量を第1の脱炭酸水に添加しないため、濃縮水を循環利用しているにもかかわらず、電気式脱イオン処理装置24に供給される水の炭酸イオン以外のイオンの濃度増加を緩和できる。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態例に限定されない。例えば、上記実施形態例では、一つの脱炭酸塔を2分割して使用していたが、凝縮水専用の脱炭酸塔と濃縮水専用の脱炭酸塔とを別々に備えてもよい。しかし、コストの面からは、一つの脱炭酸塔を2分割して使用することが好ましい。
【0036】
同様に、上記実施形態例では、一つの貯水タンクを2分割して使用していたが、第1の脱炭酸水専用の貯水タンクと、第2の脱炭酸水専用の貯水タンクとを別々に備えてもよい。しかし、コストの面からは、一つの貯水タンクを2分割して使用することが好ましい。
【0037】
補給部40は、逆止弁43を用いたものに限らない。例えば、第1の貯水室、第2の貯水室、第1の貯水室と第2の貯水室とを接続する電磁式開閉弁、第1の貯水室に取り付けたレベル計を備えたものであってもよい。この場合、レベル計によって測定した液面高さが規定下限値以下になった際に、第1の貯水室と第2の貯水室との間に設けた電磁式開閉弁を開放して第2の脱炭酸水を添加し、液面高さが規定上限値以上になった際に、電磁式開閉弁を閉止して第2の脱炭酸水の添加を停止する。さらに、電磁式開閉弁の代わりにポンプを用いてもよい。
【0038】
脱炭酸処理においては、曝気式脱炭酸塔の他に、例えば、中空糸膜を用いて炭酸ガスを分離する方法などを適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の水処理装置の一実施形態例を示す模式図である。
【図2】図1の水処理装置に使用される電気式脱イオン処理装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0040】
1 水処理装置
10 第1の脱炭酸処理部
11 第1の脱炭酸室
11a 空気噴出ノズル
11b 空気供給管
11c 排出口
12 第1の配管
20 脱イオン処理部
21 第2の配管
22 ポンプ
23 第3の配管
24 電気式脱イオン処理装置
30 第2の脱炭酸処理部
31 第2の脱炭酸室
31a 空気噴出ノズル
31b 空気供給管
31c 排出口
32 第5の配管
40 補給部
41 第1の貯水室
41a オーバーフロー口
42 第2の貯水室
42a オーバーフロー口
43 逆止弁
50 電気式脱イオン処理装置
51 陽極室
51a 陽極
52 陰極室
52a 陰極
53 脱塩室
54 アニオン交換膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池装置から回収された凝縮水を脱炭酸処理して第1の脱炭酸水を得る第1の脱炭酸処理部と、
電気式脱イオン処理装置を用いて第1の脱炭酸水を脱イオン処理して脱イオン水およびイオンの濃縮水を生成させる脱イオン処理部と、
前記濃縮水を回収し、前記凝縮水とは別に脱炭酸処理して第2の脱炭酸水を得る第2の脱炭酸処理部と、
前記第2の脱炭酸水の一部を前記第1の脱炭酸水に補給する補給部とを有することを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記第1の脱炭酸処理部および/または前記第2の脱炭酸処理部が、曝気式脱炭酸塔を備える請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記補給部は、第1の脱炭酸水を貯留する第1の貯水部と、第2の脱炭酸水を貯留する第2の貯水部とを備え、
第1の貯水部と第2の貯水部とは、同じ高さにオーバーフロー口が各々設けられ、かつ、第2の脱炭酸水の位置水頭が第1の脱炭酸水の位置水頭より大きくなったときのみ開放される逆止弁を介して接続されている請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項4】
燃料電池装置から回収された凝縮水を脱炭酸処理して第1の脱炭酸水を得る工程と、
第1の脱炭酸水を脱イオン処理して脱イオン水および濃縮水を生成させる工程と、
前記濃縮水を回収し、前記凝縮水とは別に脱炭酸処理して第2の脱炭酸水を得る工程と、
第2の脱炭酸水の一部を第1の脱炭酸水に補給する工程とを有することを特徴とする水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−137200(P2010−137200A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318551(P2008−318551)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【Fターム(参考)】