説明

水拡散性プラスチック体及び該プラスチック体の製造法

本発明は、プラスチック基材、少なくとも1種の水拡散性無機被覆(a)、及び前記プラスチック基材と無機被覆との間に存在する付着促進性中間層(b)を有する水拡散性プラスチック体において、中間層が2種のポリマー(A)及び(B)を含み、その際、水はポリマー(A)の層上で20℃で73゜以下の接触角を形成し、水はポリマー(B)の層上で20℃で75゜以上の接触角を形成することを特徴とする、水拡散性プラスチック体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック基材、水拡散性無機被覆及びプラスチック基材と無機被覆との間に存在する付着促進性中間層を有する水拡散性プラスチック体に関する。
【0002】
水拡散性プラスチックは、その表面上に到達した水がそこで寄せ集まって互いに離れた液滴となるのではなく、液滴が拡散し、接触した際に一緒に流れて凝集層となるという特性を有する。それにより、水で湿潤された表面上での改善された光反射及び −透明プラスチックの場合に− 改善された光透過性が達成され、プラスチック体の下面から水が滴下しにくくなる。
【0003】
架橋された親水性ポリマーから成る耐衝撃性被覆を撥水性プラスチック表面上に生じさせる試みが多数行われた。
【0004】
DE−OS2161645によれば、このような被覆は、架橋剤としての、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル及び4級アミノアルキルエステル及びメタクリルアミドのメチロールエーテルから成る混合ポリマーから製造される。これはまず膨潤下に水を吸収し、この場合徐々に水拡散状態に移行する。しかしながら、膨潤のために被覆は軟らかく、機械的損傷に対して敏感である。
【0005】
更に、水拡散性物体はEP−A−0149182から公知である。このプラスチック体はSiOをベースとする無機被覆を有する。
【0006】
しかしながら、EP−A−0149182に開示された水拡散性プラスチック体の欠点は、そのようなプラスチック体が熱変形の際にその水拡散性特性を完全に失い、その際、変形した物体上の被覆は乳白色に混濁し、かつ外観が損なわれることである。
【0007】
従って、ここで記載及び議論された公知技術に鑑み、本発明の課題は、水拡散性特性が熱変形によりマイナスの影響を受けることなく、又は混濁が生じることなく、熱的に変形し得る水拡散性プラスチック体を示すことであった。
【0008】
従って更に、本発明の課題は、水拡散性被覆がプラスチック基材上で殊に高い付着性を有する水拡散性プラスチック体を提供することであった。この特性は湿分によって妨げられないのが有利である。
【0009】
本発明の他の課題は、プラスチック体が高い耐久性、殊にUV照射に対する高い安定性又は耐候性を有するようにすることであった。
【0010】
更に本発明は、殊に容易に製造することができる水拡散性プラスチック体を提供するという課題に基づいていた。プラスチック体の製造のために、殊に、押出成形、射出成形により、並びに注型成形により得ることができる基材を使用することができる。
【0011】
本発明の他の課題は、卓越した機械的特性を示す水拡散性プラスチック体を示すことであった。この特性は殊に、プラスチック体が衝撃作用に対して高い安定性を有するのが有利である適用のために重要である。
【0012】
更に、プラスチック体は殊に良好な光学的特性を有するのが有利である。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、容易にサイズ及び形状を要求に適合させることのできるプラスチック体を提供することであった。
【0014】
上記課題、並びに、他の、特に表記されていないがここで議論される文脈から当然導き出すことができるか又はそこから必然的に生じる課題は、請求項1に記載されたプラスチック体により解決される。有利に、本発明によるプラスチック体の変化形は、請求項1に係る従属請求項において保護される。
【0015】
製造法に関して、請求項24は基礎をなす課題の解決をもたらす。
【0016】
プラスチック基材と水拡散性無機被覆(a)との間に存在する付着促進性中間層(b)が2種のポリマー(A)及び(B)を含み、その際、水はポリマー(A)の層上で20℃で73゜以下の接触角を形成し、水はポリマー(B)の層上で20℃で75゜以上の接触角を形成することにより、水拡散性特性が熱変形によりマイナスの影響を受けることなく、又は混濁が生じることなく、熱的に変形し得る水拡散性プラスチック体を提供することに成功する。
【0017】
本発明による方法により、特に以下の利点が達成される:
−本発明によるプラスチック体の水拡散性被覆はプラスチック基材上で殊に高い付着性を有し、その際、この特性は湿分の作用下においても妨げられない。
−本発明によるプラスチック体はUV照射に対する高い安定性を示す。
−本発明によるプラスチック体は廉価で製造することができる。
−本発明のプラスチック体は、所定の要求に適合し得る。殊に、プラスチック体のサイズ及び形状を、これらが変化することにより変形可能性を妨げることなく、広範囲で変化させることができる。更に、本発明は卓越した光学的特性を有するプラスチック体をも提供する。
−本発明のプラスチック体は良好な機械的特性を有する。
【0018】
本発明によるプラスチック体はプラスチック基材の被覆により得ることができる。本発明の目的のために適当なプラスチック基材は自体公知である。このような基材には、殊に、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、例えばグリコールで変性されていてもよいポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)、シクロオレフィン性ポリマー(COC)及び/又はポリ(メタ)アクリレートが含まれる。この場合、ポリカーボネート、シクロオレフィン性ポリマー及びポリ(メタ)アクリレートは有利であり、その際、ポリ(メタ)アクリレートは殊に有利である。
【0019】
ポリカーボネートは当業者に公知である。ポリカーボネートとは、形式的には、炭酸と脂肪族又は芳香族ジヒドロキシ化合物とからのポリエステルであると見なすことができる。これは、重縮合反応もしくはエステル交換反応におけるジグリコール又はビスフェノールとホスゲンないし炭酸ジエステルとの反応により容易に入手可能である。
【0020】
この場合、ビスフェノールから誘導されるポリカーボネートは有利である。このビスフェノールには、殊に2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン(ビスフェノールB)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールC)、2,2’−メチレンジフェノール、(ビスフェノールF)、2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラブロムビスフェノールA)及び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラメチルビスフェノールA)が含まれる。
【0021】
通常、このような芳香族ポリカーボネートは界面重縮合又はエステル交換反応により製造され、その際、詳細はEncycl. Polym. Sci. Engng. 11, 648-718に記載されている。
【0022】
界面重縮合の場合、ビスフェノールはアルカリ水溶液として不活性有機溶剤、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン又はテトラヒドロフラン中で乳化され、逐次反応においてホスゲンと反応される。触媒としてアミンが使用され、立体的に阻害されたビスフェノールの場合には相間移動触媒も使用される。生成されるポリマーは使用される有機溶剤中で可溶性である。
【0023】
ビスフェノールの選択により、ポリマーの特性を広範囲に変化させることができる。種々のビスフェノールを併用する場合、多段重縮合においてブロックポリマーを合成することもできる。
【0024】
シクロオレフィン性ポリマーは、環式オレフィン、殊に多環式オレフィンの使用下に得ることができるポリマーである。
【0025】
環式オレフィンには、例えば単環式オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン並びに1〜3個の炭素原子を有する前記単環式オレフィンのアルキル誘導体、例えばメチル、エチル又はプロピル、例えばメチルシクロヘキセン又はジメチルシクロヘキセン、並びに前記単環式化合物のアクリレート誘導体及び/又はメタクリレート誘導体が含まれる。更に、オレフィン性側鎖を有するシクロアルカン、例えばシクロペンチルメタクリレートも環式オレフィンとして使用することができる。
【0026】
架橋された多環式オレフィン化合物は有利である。この多環式オレフィン化合物は、二重結合を環中に有する(これは架橋された多環式シクロアルケンである)のみならず側鎖中にも有してよい。これは、多環式シクロアルカン化合物のビニル誘導体、アリルオキシカルボキシ誘導体及び(メタ)アクリルオキシ誘導体である。これらの化合物は更にアルキル−、アリール−又はアラルキル置換基を有してよい。
【0027】
例示的な多環式化合物は、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン(2,5−ノルボルナジエン)、エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(エチルノルボルネン)、エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(エチリデン−2−ノルボルネン)、フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3,8−デセン−(3,8−ジヒドロジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5,17,10]−3−ドデセン、エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、メチルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン,ペンタシクロ[4.7.0.12,5,0,03,13,19,12]−3−ペンタデセン、ペンタシクロ[6.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、ジメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、ビス(アリルオキシカルボキシ)トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカン、ビス(メタクリルオキシ)トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカン、ビス(アクリルオキシ)トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカンであるが、これに限定されるべきではない。
【0028】
シクロオレフィン性ポリマーは、前記のシクロオレフィン性化合物、殊に多環式炭化水素化合物の少なくとも1種の使用下に製造される。更に、シクロオレフィン性ポリマーを製造する際に、上記のシクロオレフィン性モノマーと共重合可能な他のオレフィンを使用することができる。これには特に、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、メチルペンテン、スチレン及びビニルトルエンが含まれる。
【0029】
前記のオレフィンの大部分、殊にシクロオレフィン及びポリシクロオレフィンも市販されている。更に、多数の環式及び多環式オレフィンをディールス−アルダー付加反応により得ることができる。
【0030】
シクロオレフィン性ポリマーの製造は公知の方法で行うことができ、これは特に日本国特許明細書第11818/1972号、第43412/1983号、第1442/1986号及び第19761/1987号及び日本国特許公開公報第75700/1975号、第129434/1980号、第127728/1983号、第168708/1985号、第271308/1986号、第221118/1988号及び第180976/1990号及び欧州特許出願EP−A−06610851、EP−A−06485893、EP−A−06407870及びEP−A−06688801に記載されている。
【0031】
シクロオレフィン性ポリマーは、例えば、触媒としてのアルミニウム化合物、バナジウム化合物、タングステン化合物又はホウ素化合物の使用下に溶剤中で重合させることができる。
【0032】
重合を、条件、殊に使用される触媒に応じて、開環下又は二重結合の開裂下に行うことができる。
【0033】
更に、シクロオレフィン性ポリマーをラジカル重合により得ることが可能であり、その際、光又は開始剤をラジカル形成剤として使用する。これは殊にシクロオレフィン及び/又はシクロアルカンのアクリロイル誘導体に当てはまる。この重合法は溶液中でも塊状物中でも実施することができる。
【0034】
他の有利なプラスチック基材には、ポリ(メタ)アクリレートが含まれる。このポリマーは一般に、(メタ)アクリレートを含有する混合物のラジカル重合により得られる。(メタ)アクリレートという表現には、メタクリレート及びアクリレート並びに双方からなる混合物が含まれる。
【0035】
前記モノマーは十分に公知である。前記モノマーには、特に飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert.−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート;
不飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリレート、例えばオレイル(メタ)アクリレート、2−プロピニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート;
アリール(メタ)アクリレート、例えばベンジル(メタ)アクリレート又はフェニル(メタ)アクリレート、その際、アリール基はその都度非置換であるか又は4回まで置換されていてよい;
シクロアルキル(メタ)アクリレート、、例えば3−ビニルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート;
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3,4−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;
グリコールジ(メタ)アクリレート、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エーテルアルコールの(メタ)アクリレート、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸のアミド及びニトリル、例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(ジエチルホスホノ)(メタ)アクリルアミド、1−メタクリロイルアミド−2−メチル−2−プロパノール;
硫黄含有メタクリレート、例えば
エチルスルフィニルエチル(メタ)アクリレート、
4−チオシアナトブチル(メタ)アクリレート、
エチルスルホニルエチル(メタ)アクリレート、
チオシアナトメチル(メタ)アクリレート、
メチルスルフィニルメチル(メタ)アクリレート、
ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)スルフィド;
多価(メタ)アクリレート、例えば
トリメチロイルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリトリットトリ(メタ)アクリレート。
【0036】
本発明の有利な観点によれば、前記混合物は、モノマーの質量に対して、少なくとも40質量%、有利に少なくとも60質量%、殊に有利に少なくとも80質量%のメチルメタクリレートを含有する。
【0037】
前記の(メタ)アクリレートの他に、重合すべき組成物は、メチルメタクリレート及び上記の(メタ)アクリレートと共重合可能な他の不飽和モノマーを有してもよい。
【0038】
これには特に、1−アルケン、例えばヘキセン−1、ヘプテン−1;分枝鎖アルケン、例えばビニルシクロヘキサン、3,3−ジメチル−1−プロペン、3−メチル−1−ジイソブチレン、4−メチルペンテン−1;
アクリロニトリル;ビニルエステル、例えばビニルアセテート;
スチレン、側鎖にアルキル置換基を有する置換されたスチレン、例えばα−メチルスチレン及びα−エチルスチレン、環上にアルキル置換基を有する置換されたスチレン、例えばビニルトルエン及びp−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、例えばモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン及びテトラブロモスチレン;
複素環式ビニル化合物、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペリジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール及び水素化ビニルチアゾール、ビニルオキサゾール及び水素化ビニルオキサゾール;
ビニルエーテル及びイソプレニルエーテル;
マレイン酸誘導体、例えば無水マレイン酸、メチルマレイン酸無水物、マレインイミド、メチルマレインイミド;及び
ジエン、例えばジビニルベンゼンが含まれる。
【0039】
一般に、上記コモノマーはモノマーの質量に対して0〜60質量%、有利に0〜40質量%、殊に有利に0〜20質量%の量で使用され、その際、化合物は単独か又は混合物として使用することができる。
【0040】
重合は一般に公知のラジカル開始剤を用いて開始される。有利な開始剤には、特に当業者に広く公知であるアゾ開始剤、例えばAIBN及び1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、並びにペルオキシ化合物、例えばメチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、tert−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、ケトンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、tert.−ブチルペルオキシベンゾエート、tert.−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ビス(2−エチルヘキサノイル−ペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、tert.−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert.−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジクミルペルオキシド、1,1−ビス(tert.−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert.−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、クミルヒドロペルオキシド、tert.−ブチルヒドロペルオキシド、ビス(4−tert.−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、前記化合物の相互の2種以上の混合物、並びに、同様にラジカルを形成することのできる、前記化合物と記載されていない化合物との混合物が含まれる。
【0041】
前記化合物はしばしばモノマーの質量に対して0.01〜3質量%、有利に0.05〜1質量%の量で使用される。
【0042】
上記のポリマーは単独か又は混合物として使用することができる。この場合、例えば分子量又はモノマー組成物の点で異なる、種々のポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート又はシクロオレフィン性ポリマーを使用することもできる。
【0043】
本発明によるプラスチック基材は、例えば前記のポリマーの成形体から製造することができる。この場合、一般に熱可塑性成形法、例えば押出成形法又は射出成形法が使用される。
【0044】
プラスチック基材を製造するための成形材料として本発明により使用することができるホモポリマー及び/又はコポリマーの分子量の重量平均Mは広範囲で変動してよく、その際、分子量は通常成形材料の用途及び加工法に適合される。しかしながら前記分子量は、一般に20000〜1000000g/モル、有利に50000〜500000g/モル、殊に有利に80000〜300000g/モルの範囲内であるが、これに限定されるべきではない。この大きさは例えばゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
【0045】
更に、プラスチック基材は流し込みチャンバ法(Gusskammerverfahren)により製造することができる。この場合、例えば適当な(メタ)アクリル混合物を型に入れて重合させる。このような(メタ)アクリル混合物は一般に前記の(メタ)アクリレート、殊にメチルメタクリレートを有する。更に、(メタ)アクリル混合物は前記のコポリマーを含有してよく、かつ殊に粘度の調節のためにポリマー、殊にポリ(メタ)アクリレートを含有してよい。
【0046】
流し込みチャンバ法により製造されるポリマーの分子量の重量平均Mは、一般に成形材料中で使用されるポリマーの分子量よりも高い。これにより、一連の公知の利点が生じる。一般に、流し込みチャンバ法により製造されるポリマーの分子量の重量平均は、500000〜10000000g/モルの範囲内であるが、これに限定されるべきではない。
【0047】
流し込みチャンバ法により製造された有利なプラスチック基材は、Roehm GmbH & Co. KGから(R)Plexiglas GSの商品名で市販されている。
【0048】
更に、プラスチック基材の製造のために使用することができる成形材料並びにアクリル樹脂は、あらゆる種類の慣用の添加剤を含有してよい。これには、特に帯電防止剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、滑剤、着色剤、流動改善剤、充填剤、光安定剤及び有機リン化合物、例えばホスファイト、ホスホリナン、ホスホラン又はホスホネート、顔料、耐候安定剤及び可塑剤が含まれる。しかしながら、添加剤の量は用途に制限される。
【0049】
ポリ(メタ)アクリレートを含む殊に有利な成形材料は、特にPLEXIGLAS(R)の商品名でDegussa AG社から市販されている。シクロオレフィン性ポリマーを含む有利な成形材料は、(R)Topasの商品名でTiconaから、及び(R)Zeonexの商品名でNippon Zeonから市販されている。ポリカーボネート成形材料は例えば(R)Makrolonの商品名でBayerから、又は(R)Lexanの商品名でGeneral Electricから入手することができる。
【0050】
殊に有利に、プラスチック基材は、基材の全質量に対して少なくとも80質量%、殊に少なくとも90質量%のポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート及び/又はシクロオレフィン性ポリマーを含む。殊に有利に、プラスチック基材はポリメチルメタクリレートから成り、その際、ポリメチルメタクリレートは慣用の添加剤を含有してよい。
【0051】
有利な実施態様によれば、プラスチック基材はISO179/1による少なくとも10kJ/m、有利に少なくとも15kJ/mの衝撃強さを有してよい。
【0052】
プラスチック基材の形状並びに大きさは本発明にとって本質的ではない。一般に、しばしば、1mm〜200mm、殊に5〜30mmの範囲内の厚さを有するシート状又はパネル状の基材が使用される。
【0053】
プラスチック基材に被覆を施す前に、この被覆を適当な方法により活性化させ、付着性を改善させることができる。このために、例えばプラスチック基材を化学的及び/又は物理的方法で処理し、その際、それぞれの方法はプラスチック基材に依存する。
【0054】
本発明のプラスチック体に、まず2種のポリマー(A)及び(B)を含む、プラスチック基材と無機被覆との間に存在する付着促進性中間層(b)を施与し、その際、水はポリマー(A)の層上で20℃で73゜以下の接触角を形成し、水はポリマー(B)の層上で75゜以上の接触角を形成する。接触角は20℃でハンブルグ在のKruess社の接触角測定系G 40を用いて測定される。
【0055】
接触角の測定のための層厚はこの場合本質的ではないが、その際、水は単にポリマー(A)ないしポリマー(B)から成る一つの層と接触する。一般に、50μm又はそれ未満の層厚で十分である。しかしながら、接触角を正確に測定するためには層は平滑であるべきである。値は本質的に平滑な表面に関して当てはまる。このような表面の製造は当業者に公知である。層厚が十分である場合には、流し塗り法を用いた場合に平滑な表面が自然に生じる。
【0056】
付着促進性層の本質的な特性は、付着促進性層が、プラスチック表面への付着強度よりも大きな付着強度をプラスチック表面に対しても水拡散性層に対しても有することにある。撥水性プラスチック表面に良好に付着する多数の有機ポリマー材料が存在する一方で、水拡散性層に対する十分な付着性には所定の特性が求められる。
【0057】
上記特性は、付着促進性層中に存在する極性基を有するポリマー(A)に基づくものであり、その際、ポリマーは水中で低い溶解性及び低い膨潤性を示す。ポリマー(A)の極性は、ポリマー(A)から形成される層上で水が形成するわずかな接触角により明らかである。この層は無視できるわずかな量の添加剤又は溶剤残留物を含有してよく、その際、この添加物は接触角に影響を与えてはならない。ポリマー(A)の層が20℃で73゜以下の接触角を示す場合、有利にポリマー(A)の接触角は50゜〜72゜の範囲内、殊に有利に65゜〜71゜の範囲内にある。
【0058】
ポリマー(A)から成る表面上で水が形成する接触角により反映される極性が存在する場合には、ポリマー(A)の種類は特に制限されない。この極性は一般に、主鎖及び/又は側鎖の成分であってよい極性基により達成され得る。
【0059】
ポリマー(A)は重付加又は重縮合反応により得ることができる。これには、例えばポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂及びポリアミドが含まれる。
【0060】
ポリマー(A)として適当な化合物のもう1つの群は、ポリビニル化合物である。これには、例えばポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン;ポリアリール化合物、例えばポリスチレン;ポリ(メタ)アクリレート及びポリビニルアセテートが含まれる。前記ポリマーの製造のために適当なビニル化合物は前記の通りである。
【0061】
前記ポリマー(A)が前記の接触角を有するために、前記ポリマーは極性基を含んでよい。前記基は例えば適当なコポリマーの選択によりポリマー(A)中に組み込まれてよい。更に、前記基はグラフト共重合によりポリマーにグラフトされてもよい。
【0062】
極性基として、殊にヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、カルボン酸アミド基、ニトリル基及びシラノール基を挙げることができる、これらは有利に、同時に非極性基、例えばアルキル基、アルキレン基、アリール基又はアリーレン基を含む高分子化合物の成分である。
【0063】
ポリマー(A)の極性基と非極性基との割合は、付着性が撥水性、即ち非極性プラスチック表面のみならず水拡散性、即ち親水性層に対しても達成されるように選択されねばならない。極性は、付着促進性層の材料自体が水溶性となるか又は水膨潤性となるほど大きなものであってはならない。20℃での水での飽和の際の膨潤は10体積%を上回らず、有利に2体積%を上回らない。しかしながらまたポリマー(A)の極性は、材料が完全に非極性溶剤、例えばベンジン中で可溶性となるほど低いべきではない。極めて適当な材料は、限定的に極性である有機溶剤中で可溶性であり、例えば塩素化炭化水素、エステル、ケトン、アルコール又はエーテル又は前記化合物と芳香族化合物との混合物である。
【0064】
2つの隣り合う層に対して必要とされる親和性のバランスは、一般に、付着促進性層の材料がポリマー材料100gに対して0.4〜100ミリ当量の極性基を含む場合に達成される。
【0065】
極性基はその分極作用で区別される。分極作用はニトリル、ヒドロキシル、1級カルボン酸アミド、カルボキシル、スルホニル、シラノールの順に増加する。分極作用が強い程、ポリマー材料中で必要とされる含分は低くなる。弱極性基の場合ポリマー材料100g当たり4〜100ミリ当量の極性基が使用されるのに対して、0.4〜20ミリ当量/強極性基100gで十分である。極性基の含分があまりにも低く選択された場合、水拡散性層に対する十分な付着性は達成されない。それに対して、極性基の含分が高すぎる場合、水膨潤性が過度に上昇してしまい、これによりまたもや付着性が低下してしまう。
【0066】
重縮合又は重付加により得られる、ヒドロキシ基を含むポリマーの極性を、特に、ケイ素原子1つ当たり少なくとも2つの加水分解性基、例えばハロゲン原子、アルコキシ基及び/又はアリールオキシ基を有するシランとの反応により高めることができる。
【0067】
前記化合物には、特にテトラアルコキシシラン、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン;トリアルコキシシラン、例えばメチル−トリメトキシシラン、メチル−トリエトキシシラン、エチル−トリメトキシシラン、n−プロピル−トリメトキシシラン、n−プロピル−トリエトキシシラン、i−プロピル−トリエトキシシラン;ジアルコキシシラン、例えばジメチルジメトキシシラン、ジメチル−ジエトキシシラン、ジエチル−ジメトキシシラン、ジエチル−ジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピル−ジメトキシシラン、ジ−i−プロピル−ジエトキシシランが含まれる。
【0068】
重縮合又は重付加により得ることができるポリマーに相応して、例えばビニル化合物のラジカル重合により得ることができるポリマーを変性することもできる。
【0069】
前記ポリビニル化合物の変性のために、殊に、加水分解不可能なビニル基を含むシランを使用することができる。特に適当なビニル系シラン化合物には、特にCH=CH−Si(OCH、CH=CH−Si(OC、CH=CH−SiCl、CH=CH−Si(CH)(OCH、CH=CH−CO−C−Si(OCH、CH=CH−CO−C−Si(OCH、CH=C(CH)−CO−C−Si(OCH、CH=C(CH)−CO−C−Si(OC及びCH=C(CH)−CO−C−SiClが含まれる。
【0070】
更に、中間層(b)の形成の際及び/又は後に架橋を生じる基を有するポリマー(A)は有利である。このために、殊に3つの加水分解性基とビニル系基とを有するシランが適当であり、その際、前記シランのための例はすでに記載されている。
【0071】
極性ポリマー(A)は単独か又は混合物として付着促進性中間層(b)中に存在していてよい。
【0072】
付着促進性中間層(b)中のポリマー(A)の量は広範囲であってよい。これは殊にポリマー(B)の種類及び極性に依存している。一般に、割合は、中間層(b)の質量に対して30〜95質量%、有利に40〜90質量%、殊に有利に50〜85質量%の範囲内であるが、これに限定されるべきではない。
【0073】
極性ポリマー(A)の他に、付着促進性中間層(b)は、非極性特性を有する少なくとも1種のポリマー(B)を含む。この特性は、ポリマー(B)から形成される表面上で水が形成する接触角に反映される。この層は無視できるわずかな量の添加剤又は溶剤残留物を含有してよく、その際、この添加物は接触角に影響を与えてはならない。水中でのポリマー(B)の溶解度はわずかである。一般に、この溶解度は1g/l未満である。
【0074】
ポリマー(B)からの表面上で水が形成する接触角により高い疎水性がもたらされる場合には、ポリマー(B)の種類は特に制限されない。それに応じて、ポリマー(B)として適当なポリマー化合物は高い割合の非極性基を有する。
【0075】
ポリマー(B)の疎水性は、ポリマー(B)の層上で水が形成する大きな接触角により明らかである。例えば、ポリマー(B)の層は75゜以上の接触角を示し、有利にポリマー(B)の接触角が75゜〜90゜の範囲内、殊に有利に76゜〜80゜の範囲内である。
【0076】
ポリマー(B)は、重付加反応又は重縮合反応により得ることができる。これには、例えばポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン及びポリアミドが含まれる。
【0077】
ポリマー(B)として適当な化合物のもう1つの群は、ポリビニル化合物である。これには、例えばポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン;ポリアリール化合物、例えばポリスチレン;ポリ(メタ)アクリレート及びポリビニルアセテートが含まれる。前記ポリマーの製造のために適当なビニル化合物は前記の通りである。
【0078】
前記ポリマーは部分的に極性の基を含む。これは、その極性により、水がポリマー(B)から成る層と形成する、上記の範囲外にある接触角が生じない限り、重大ではない。この場合、前記ポリマーの極性を疎水性側鎖、例えばアルキル鎖により低下させることができ、従って前記の接触角値が達成されることを確認することができる。
【0079】
有利なポリマー(B)は、ビニル化合物の質量に対して、以下の成分
(メタ)アクリレート 50〜100質量%
メチル(メタ)アクリレート 0〜60質量%
有利に0〜50質量%
エチル(メタ)アクリレート 0〜60質量%
有利に0〜50質量%
〜C(メタ)アクリレート 0〜100質量%
≧(メタ)アクリレート 0〜50質量%
多価(メタ)アクリレート 0〜5質量%
コモノマー 0〜50質量%
ビニル芳香族化合物 0〜30質量%
ビニルエステル 0〜30質量%
を有する混合物のラジカル重合により得ることができる。
【0080】
非極性ポリマー(B)は、単独か又は混合物として付着促進性中間層(b)中に存在していてよい。
【0081】
付着促進性中間層(b)中に存在するポリマー(B)の量は広範囲であってよい。これは殊にポリマー(B)の種類及び極性に依存している。一般に、割合は、中間層(b)の質量に対して5〜70質量%、有利に10〜60質量%、殊に有利に15〜50質量%の範囲内であるが、これに限定されるべきではない。
【0082】
更に、中間層(b)は慣用の添加剤及び混和物を含有してよい。これには殊に界面活性剤及び流展助剤が含まれる。
【0083】
中間層(b)を製造するために、例えばポリマー(A)とポリマー(B)とを適当な溶剤又は分散剤中で混合することによって被覆混合物を製造することができ、この被覆混合物は前記の添加剤を含有してよい。ポリマー(A)の極性とポリマー(B)の極性とが異なることに基づき、溶剤混合物の使用は不可欠であることがある。
【0084】
前記の被覆混合物を、あらゆる公知の方法を用いてプラスチック基材上に施与することができる。これには、特に浸漬法、噴霧法、ブレード塗布法、流し塗り法及びローラー塗り法又はロール塗り法が含まれる。
【0085】
そのように施与された被覆を、一般に比較的短時間で、例えば1分〜1時間以内で、通常は約3分〜30分間以内で、有利に約5分間〜20分間以内で、比較的低温で、例えば70〜110℃、有利に約80℃で硬化又は乾燥させることができる。
【0086】
中間層の層厚は特に厳密ではない。しかしながら経済的な理由から、この層厚は出来る限り相対的に低く選択され、その際、下限は全体的な被覆(a)及び(b)の安定性からもたらされる。しかしながら一般には、付着促進性中間層の厚さは硬化の後に0.05μm〜10μm、有利に0.1μm〜2μm、殊に有利に0.2μm〜1μmの範囲内であるが、これに限定されるべきではない。被覆(a)及び/又は(b)の層厚は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。
【0087】
水が20℃で中間層(b)上に形成する接触角は、本発明の特別な観点によれば、63゜〜80゜の範囲内、殊に65゜〜78゜の範囲内、殊に有利に68゜〜77゜の範囲内ににあるが、これに限定されるべきではない。
【0088】
付着促進性中間層(b)の乾燥後、この上に水拡散性無機被覆(a)が施与される。
【0089】
水拡散性、という概念は、表面上の水滴が最高で20゜、有利に最高で10゜の接触角を形成することを意味する。大きさは20℃でハンブルグ在のKruess社の接触角測定系G 40を用いて測定される。
【0090】
本発明の範囲内では、無機という概念は、無機被覆の炭素分が、無機被覆(a)の質量に対して最大で25質量%、有利に最大で17質量%、極めて殊に有利に最大で10質量%であることを意味する。大きさを元素分析を用いて測定することができる。
【0091】
無機被覆として、殊にポリシロキサン、シラン共縮合物及びシリカゾルを施与することができ、その際、その炭素分は前記の範囲に限定されている。
【0092】
被覆(a)の製造のために利用することのできるシラン共縮合物は自体公知であり、ポリマーのガラス化材料の仕上げのために使用される。これはその無機特性に基づき、UV照射に対する良好な安定性及び耐候性が顕著である。
【0093】
前記のシラン共縮合物は特に一般式(I)
SiX4−n (I)
[式中、
は1〜20個の炭素原子を有する基であり、
Xは1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基であるか又はハロゲンであり、
nは0〜3の整数であり、有利に0又は1であり、
ここで、種々の基X又はRはそれぞれ同じか又は異なっていてよい]
の有機ケイ素化合物の縮合又は加水分解により得ることができる。
【0094】
「1〜20個の炭素原子を有する基」という表現は、1〜20個の炭素原子を有する有機化合物の基を表す。これには、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、アルケニル基及びアルキニル基、並びに複素脂肪族基及び複素芳香族基が含まれ、これらは炭素原子及び水素原子の他に殊に酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びリン原子を有する。この場合、上記の基は分枝鎖又は非分枝鎖であってよく、その際、基Rは置換又は非置換であってよい。置換基には、殊にハロゲン、1〜20個の炭素原子を有する基、ニトロ基、スルホン酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、スルホン酸エステル基、スルフィン酸基、スルフィン酸エステル基、チオール基、シアニド基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基及びヒドロキシ基が含まれる。本発明の範囲内では、「ハロゲン」という表現は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
【0095】
有利なアルキル基には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチルプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基及び2−メチルブチル基が含まれる。
【0096】
有利なシクロアルキル基には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が含まれ、これらは分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル基で置換されていてもよい。
【0097】
有利なアルコキシ基には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−メチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基又はドデシルオキシ基が含まれる。
【0098】
有利なシクロアルコキシ基には、炭化水素基が上記の有利なシクロアルキル基のうちの1つであるシクロアルコキシ基が含まれる。
【0099】
極めて殊に有利に、基Rはメチル基又はエチル基である。
【0100】
1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基並びにハロゲンに関する式(I)における基Xの定義に関して、上記の定義が指摘される。有利に、基Xはメトキシ基又はエトキシ基又は臭素原子又は塩素原子である。
【0101】
シラン共縮合物を製造するために、前記化合物を単独か又は混合物として使用することができる。
【0102】
有利に、縮合性シランの質量に対して少なくとも80質量%、殊に少なくとも90質量%の使用されるシラン化合物は、4個のアルコキシ基又はハロゲン原子を有する。
【0103】
テトラアルコキシシランには、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン及びテトラ−n−ブトキシシランが含まれる。
【0104】
テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランは殊に有利である。本発明の特別な観点によれば、前記の殊に有利なテトラアルコキシシランの割合は、使用されるシラン化合物の質量に対して少なくとも80質量%、殊に少なくとも90質量%である。
【0105】
本発明の他の観点によれば、コロイド状に溶解されたSiO粒子を含有するシラン縮合物を使用することもできる。このような溶液はゾルゲル法により得ることができ、その際、殊にテトラアルコキシシラン及び/又はテトラハロゲンシランが縮合される。
【0106】
通常、ケイ素有機化合物を、加水分解のために十分な量の水、即ち加水分解のために予定される基、例えばアルコキシ基1モル当たり0.5モルを上回る水を用いて、有利に酸触媒下で加水分解することにより、前記のシラン化合物から含水被覆剤が製造される。酸として、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等又は有機酸、例えばカルボン酸、有機スルホン酸等、又は酸性イオン交換体を添加することができ、その際、加水分解反応のpHは通常2〜4.5、有利に3である。
【0107】
一般に、反応パートナーを一緒にした後に温度の上昇が明らかとなる。場合により、反応を開始させるために、例えばバッチを40〜50℃に加熱することにより外部から熱を供給することが必要である。一般に、反応温度が55℃を超えないように留意する。反応時間は通常比較的短く、通常1時間未満、例えば45分である。
【0108】
シラン化合物を縮合し、一般に100〜20000、有利に200〜10000、殊に有利に500〜1500g/モルの分子量の重量平均Mを有するポリマーにすることができる。分子量は例えばNMR分光法により測定することができる。
【0109】
例えば0℃未満の温度に冷却するか、又は、適当な塩基、例えば有機塩基、例えばアミン、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を用いてpH値を上昇させることにより縮合反応を中断させることができる。
【0110】
更なる処理のために、水−アルコール混合物の一部及び揮発性酸を、例えば蒸留により反応混合物から分離することができる。
【0111】
本発明により使用可能なシラン共縮合物は、硬化触媒を、例えば亜鉛化合物及び/又は他の金属化合物、例えばコバルト化合物、銅化合物又はカルシウム化合物、殊にそのオクトエート又はナフテネートの形で含有することができる。硬化触媒の割合は、全シラン共縮合物に対して通常0.1〜2.5質量%、殊に0.2〜2質量%であるが、これに限定されるべきではない。殊に、例えばナフテン酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛等が挙げられる。
【0112】
更に、酸化物層、殊に半金属及び金属酸化物を水拡散性被覆(a)として使用することもできる。適当な化合物には、殊に、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛及び/又はクロムから誘導される酸化物及び水酸化物が含まれる。
【0113】
前記酸化物は、単独か又は混合物として、例えば混合酸化物として使用することができる。水中での前記酸化物及び/又は水酸化物の溶解度は出来る限り低いことが有利であり、例えば水中での溶解度は20℃で1000μg/l未満、有利に200μg/l未満であるのが有利である。
【0114】
前記酸化物は例えば、アルコキシ化合物の加水分解により取得されるコロイド溶液の形で施与されてよい。このようなコロイド溶液は例えばEP−A−0149182、EP−A−0826663、EP−A−0850203及びEP−1022318から公知である。
【0115】
前記酸化物粒子の粒径は厳密ではないが、しかしながらその際、透明度は粒径に依存する。有利に、粒子は最高で300nmのサイズを有し、その際、粒径は殊に1〜200nm、有利に1〜50nmの範囲内に存在する。
【0116】
前記の被覆剤は、(R)Ludox(Grace, Worms社);(R)Levasil(Bayer, Leverkusen);(R)Klebosol(Clariant社)の商品名で市販されている。
【0117】
更に、無機被覆(a)を製造するための被覆材料は慣用の添加剤及び加工助剤を含有してよい。これには、特に界面活性剤及び流展助剤が含まれる。
【0118】
無機被覆(a)を製造するための前記の被覆材料は、例示的に前記された全ての公知の方法を用いてプラスチック基材上に施与されてよい。
【0119】
そのように施与された塗料は、一般に比較的短時間で、例えば0.5分〜1時間以内で、通常約1分〜30分以内で、有利に3分〜20分以内で、比較的低温で、例えば60〜110℃、有利に約80℃の温度で硬化され、極めて付着強度の高い被覆となることができる。
【0120】
無機被覆(a)の層厚は比較的厳密ではない。しかしながら一般に、この大きさは硬化後に0.05μm〜2μm、有利に0.05μm〜1μm、殊に有利に0.05μm〜0.5μmの範囲内であるが、これに限定されるべきではない。被覆(a)及び(b)の層厚は有利に0.1〜3μmの範囲内である。
【0121】
本発明のプラスチック体は、熱変形により水拡散性被覆が損傷されることなく優れた熱変形が可能である。変形は当業者に公知である。この場合、プラスチック体は加熱され、適当な型により変形される。変形が生じる温度はプラスチック体の製造の基礎となる基材の軟化温度に依存する。このような方法は殊に流し込み透明板の加工の際に使用される。
【0122】
本発明の水拡散性被覆を施されたプラスチック体は、高い摩耗抵抗を示す。有利に、DIN 53778による摩耗抵抗は3000サイクル以上、殊に5000サイクル以上、殊に有利に10000サイクル以上である。
【0123】
本発明の特別な観点によれば、プラスチック体は透明であり、その際、DIN 5033による透明度τD65/10は少なくとも70%、有利に少なくとも75%である。
【0124】
有利に、プラスチック体は、ISO527−2による少なくとも1000MPa、殊に少なくとも1500MPaのE−モジュラスを有するが、これに限定されるべきではない。
【0125】
本発明によるプラスチック体は、一般に風化に対して極めて安定である。例えば、DIN 53387(キセノン灯耐候試験)による耐候性は少なくとも5000時間である。
【0126】
5000時間を上回る長いUV照射の後であっても、有利なプラスチック体のDIN 6167による黄色度指数(D65/10)は8以下、有利に5以下であるが、これに限定されるべきではない。
【0127】
本発明のプラスチック体を、例えば建築分野において、殊に温室又は室内庭園を製造を製造するために、又は騒音防止壁として利用することができる。
【0128】
以下に本発明を実施例及び比較例により詳説するが、本発明はこの例に限定されるべきではない。
【実施例】
【0129】
実施例1
付着促進性中間層の製造
メチルメタクリレート88%とガンマ−メタクリロイルオキシ−プロピル−トリメトキシシラン12%とから成る第一のコポリマーと、メチルメタクリレート20%とブチルメタクリレート80%とから成る第二のコポリマーとを1:1の割合でブチルアセテート中に溶解させ、流し塗りによりPMMAシート上に施与し、薄い層にした。液の流去後、被覆したシートを80℃で20分間炉中で乾燥させる。
【0130】
乾燥した中間層は、20℃で水と76.5゜の接触角を有していた。これと比較して、第一のコポリマーから製造された中間層の接触角は20℃で約66゜であり、その際、ガンマ−メタクリロイルオキシ−プロピル−トリメトキシシランのメトキシ基は部分的に加水分解されていた。第二のコポリマーからの中間層は、20℃で77.5゜の接触角を有していた。
【0131】
水拡散性層の製造
アニオン性シリカゾル(固体含分30%)25%を、(O−エチル−ジチオ炭酸−(3−スルホプロピル)−エステル、カリウム塩)0.1%及びエトキシル化脂肪酸アルコール0.4%と共に完全脱塩水を用いて100部に補完し、流し塗りによって、付着促進性層を備えたシートを被覆し、薄い層にした。
【0132】
被覆液体中での泡形成を回避又は抑制するために、必要であれば市販の消泡剤を添加することができる。
【0133】
付着促進性層の層厚及び作用物質層の層厚を、必要であれば、場合により他の界面活性剤を添加しながら完全脱塩水を用いた希釈により任意に調節することができる。殊に、比較的長いシートの場合、層厚が下端部で高過ぎないこと、及び上方から下方へ向かっての層厚の勾配が出来る限りわずかとなることを保証するために希釈度を高めることが有利である。極度に薄い層の層厚の測定は、薄片を用いて透過型電子顕微鏡において行うことができる。
【0134】
空気乾燥後、付着促進性層と水拡散性層とを施したシートを80℃で20分間循環空気乾燥炉中で乾燥させる。
【0135】
被覆の付着の測定を、DIN 53778による湿潤摩耗試験により、Gardner社の湿潤摩耗試験装置Modell M 105/Aを用いて実施した。12000サイクルの値が測定された。
【0136】
更に、プラスチック体を熱変形させた。熱変形を、被覆されたシートを循環空気乾燥炉中で150〜170℃に加熱することにより行った。温度の選択は基材の熱形状安定性に依存する。注型PMMAと比較して、可塑性コモノマー、例えばアクリレートが特徴的であり、かつより低い分子量を有する押出成形されたPMMAの場合、比較的低温であっても十分である。百万〜数百万を上回る分子量を有し、かつしばしば純粋なMMAホモポリマーから成り、かつ場合により弱架橋されている注型PMMAの場合、比較的高温で使用される。シートが軟化した後、これを所定の曲げ半径を有する半円形の型により曲げ、冷却させる。
【0137】
実施例1で製造されたシートは、47.5mmの曲げ半径での変形後、被覆中に混濁又は亀裂を有しておらず、低い接触角で水を良好に拡散させる。
【0138】
水の拡散の評価を、曲げられた基材に関して視覚的にのみ行うことができ、それというのも、曲げられた試験体はゴニオメーターではもはや測定することができないためである。この場合、水の拡散は定性的に良好に評価された。
【0139】
曲げられた試験体に関しては湿潤摩耗試験を行うこともできず、それというのも、この試験にも平坦な基材が必要であるためである。
【0140】
比較例1
実施例1を本質的に繰り返したが、但し、付着促進性中間層はメチルメタクリレート20%とブチルメタクリレート80%とからなる第二のコポリマーを有していなかった。中間層の接触角は66゜であった。
【0141】
摩耗抵抗は同様に12000サイクルであった。熱変形の際に強度の混濁が生じ、その際、目視により評価された水拡散は劣悪であった。
【0142】
実施例2
実施例1を繰り返すが、但しコポリマーはメチルメタクリレート88%及びガンマ−メタクリロイル−プロピル−トリメトキシシラン12%から成り、かつ、メチルメタクリレート20%とブチルメタクリレート80%とからなる第二のコポリマーを8:1の割合でブチルアセテート中に溶解させ、かつ流し塗りによりPMMAシート上に施与し、薄い層にする。中間層の接触角は69.5゜であった。
【0143】
摩耗抵抗は20000サイクルであった。熱変形の後、シートは透明でかつ水を良好に拡散させる。
【0144】
比較例2
実施例1を本質的に繰り返したが、但し付着促進性中間層はメチルメタクリレート19%、メタクリル酸1%及びブチルメタクリレート80%とからなる第二のコポリマーを有していた。中間層の接触角は61゜であった。第二のコポリマーからの中間層は20℃で約55゜の接触角を有していた。
熱変形の際に強度の混濁が生じ、その際、目視により評価された水拡散は劣悪であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック基材、少なくとも1種の水拡散性無機被覆(a)、及び前記プラスチック基材と無機被覆との間に存在する付着促進性中間層(b)を有する水拡散性プラスチック体において、中間層が2種のポリマー(A)及び(B)を含み、その際、水はポリマー(A)の層上で20℃で73゜以下の接触角を形成し、水はポリマー(B)の層上で20℃で75゜以上の接触角を形成することを特徴とする、水拡散性プラスチック体。
【請求項2】
プラスチック基材が、シクロオレフィン−コポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及び/又はポリ(メタ)アクリレートを含む、請求項1記載のプラスチック体。
【請求項3】
プラスチック基材がポリメチルメタクリレートから成る、請求項2記載のプラスチック体。
【請求項4】
プラスチック基材がISO179/1による少なくとも10kJ/mの衝撃強さを有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項5】
プラスチック基材が1mm〜200mmの範囲内の厚さを有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項6】
水中でのポリマー(A)の溶解度が1g/l未満である、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項7】
水中でのポリマー(B)の溶解度が1g/l未満である、請求項1から6までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項8】
付着促進性中間層(b)の厚さが0.05〜2.0μmの範囲内である、請求項1から7までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項9】
付着促進性中間層(b)中でのポリマー(A)の割合が、付着促進性中間層(b)の質量に対して30〜95質量%の範囲内である、請求項1から8までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項10】
付着促進性中間層(b)中でのポリマー(B)の割合が、付着促進性中間層(b)の質量に対して5〜70質量%の範囲内である、請求項1から9までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項11】
ポリマー(A)が極性基で変性されたビニルポリマーである、請求項1から10までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項12】
ポリマー(B)がアルキル(メタ)アクリレートである、請求項1から11までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項13】
ポリマー(B)が、ビニル化合物の質量に対して、以下の成分
(メタ)アクリレート 50〜100質量%
メチル(メタ)アクリレート 0〜60質量%
エチル(メタ)アクリレート 0〜60質量%
〜C(メタ)アクリレート 0〜100質量%
≧(メタ)アクリレート 0〜50質量%
多価(メタ)アクリレート 0〜5質量%
コモノマー 0〜50質量%
ビニル芳香族化合物 0〜30質量%
ビニルエステル 0〜30質量%
を有する混合物のラジカル重合により得られる、請求項1から12までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項14】
無機被覆(a)の炭素含分が、被覆(a)の質量に対して最高で17質量%である、請求項1から13までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項15】
無機被覆(a)を、無機及び/又は金属有機化合物のコロイド溶液の硬化により得ることができる、請求項1から14までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項16】
無機被覆(a)を、縮合性シランの含分に対して少なくとも80質量%のアルキルトリアルコキシシラン及び/又はテトラアルコキシシランを含む組成物の縮合により得ることができる、請求項1から15までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項17】
無機被覆a)が、500〜1500g/モルの範囲内の分子量を有する縮合性ポリシロキサンを含む、請求項1から16までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項18】
被覆(a)及び(b)の層厚が0.1〜3μmの範囲内である、請求項1から17までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項19】
DIN 53778によるプラスチック体の摩耗抵抗が少なくとも10000サイクルである、請求項1から18までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項20】
プラスチック体が、ISO527−2による少なくとも1500MPaのE−モジュラスを有する、請求項1から19までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項21】
プラスチック体がDIN53387による少なくとも5000時間の耐候性を有する、請求項1から20までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項22】
プラスチック体がDIN5033による少なくとも70%の透明度を有する、請求項1から21までのいずれか1項記載のプラスチック体。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか1項記載の水拡散性プラスチック体の製造法において、プラスチック基材上に、
a)2種のポリマーA)及びB)を含む付着促進性被覆(b)を施与し、硬化させ、その際、水はポリマー(A)の層上で20℃で73゜以下の接触角を形成し、水はポリマー(B)の層上で20℃で75゜以上の接触角を形成し、引き続き、
b)水拡散性無機被覆(a)を施与し、硬化させることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項記載の水拡散性プラスチック体の製造法。

【公表番号】特表2006−509656(P2006−509656A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559668(P2004−559668)
【出願日】平成15年10月18日(2003.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011536
【国際公開番号】WO2004/055102
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(390009128)レーム ゲゼルシャフト ミツト ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (293)
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】