説明

水族館濾過装置

【課題】1つ以上の微粒子、生物学的及び/又は容易に交換し得る化学的濾過カートリッジを有する水族館に又は該水族館の近くに取り付け得る濾過装置を提供する。
【解決手段】ポンプ、手動位置決め可能な弁組立体、及び、ポンプからの自身の位置に対して再位置付けしうる1つ又は複数の交換可能な濾過カートリッジを備える水族館濾過装置。濾過カートリッジは、水流を停止させる必要無しに交換可能かつ置換可能である。方法の形態で、水族館からの連続した水流を1つ又は複数の取り外し可能な濾過カートリッジに与える段階と、前記水流から何れか又は複数の前記濾過カートリッジを分離して該何れか又は複数の前記濾過カートリッジを1つ又は複数の未使用の濾過カートリッジと置き換える段階とを備える、水族館濾過装置で濾過カートリッジを交換する方法が開示される。これは全て、連続した前記水流が停止しないという条件の下に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には水族館濾過装置に関し、より詳細には、装置を止めずに交換し得る1つ以上の交換可能な濾過カートリッジを具備する濾過装置に関する。カートリッジは、水族館の生物学的、化学的及び/又は微粒子濾過を別々かつ独立して行う。装置は、取除き及び交換を簡素化するために濾過カートリッジの何れかを迂回できる弁組立体を含む。
【背景技術】
【0002】
水族館を清潔にし続けるために、濾過器は、水族館の水から粒状物質を取除くために何年もの間、水族館で使用されてきた。伝統的に、水族館濾過器の最も普通のタイプは、濾過器の頂部端縁を越えて該水族館の外部に垂下する動力濾過器である。この動力濾過器は、水族館からの水を濾過器室内に運ぶサイフォンチューブを含む。水から粒状物質を取り除くために、濾過器室に入る水は、種々のタイプの濾過媒体上に流れる。水は、濾過器ポンプを使用して水族館内にその後汲み戻される水から化学的不純物を取り除く炭素濾過器を通過する。こうした動力濾過器の例は、E.G.Danner製造会社によって販売されたSupreme Aqua King動力濾過器、Willinger Bros.製造会社によって販売されたSecond Nature Whisper動力濾過器、及びRolf Hagen製造会社によって販売されたAqua Clean 動力濾過器を含む。
【0003】
別のタイプの水族館濾過器は水族館の外かつ下に位置づけ得るキャニスタータイプである。汲入れ及び汲出しホースは水族館端縁に垂下し、かつ床上のキャニスター濾過器に連結される。水は水族館からキャニスターまで汲入れホースを介して重力によって供給される。水族館の水は、機械的及び化学的の両方で処理されかつキャニスターに含まれているポンプによって水族館内に汲み戻される。キャニスタータイプ濾過器の例は、Hagenアメリカ製造会社によって販売されたHagen Fluval濾過器、Aquaria社によって販売されたMarine Landキャニスター濾過器、及びEheim GmbH&Co.KGによって販売されたEheimクラシックキャニスター濾過器を含む。
【0004】
内部に取り付けられた動力濾過器はまた別のタイプの水族館濾過器である。こうした濾過器は、水族館内部に沈められた内蔵ポンプを具備する小さなキャニスターを備える。水は、キャニスターの底部に入りかつ微粒子と化学的廃棄物を取り除く濾過スリーブを通じて流れる。その後、濾過水はキャニスターの頂部から汲み出されて水族館内に汲み戻される。このタイプの濾過器の例は、Danner製造会社によって販売されたSupureme Ovation濾過器、及びHagenアメリカ製造会社によって販売されたHagen Fluval内部濾過器である。
【0005】
水族館で使用されたまた別のタイプの濾過器は、水族館の床に載っている穿孔されて隆起したプレートからなる砂利下(undergravel)濾過器である。上昇管は濾過器の何れかの端部に設けられて水族館の頂部内に延在する。砂利は、約2インチの厚さまでプレートの頂部に配置される。外部ポンプからの送気管は上昇管内で底板まで配置される。また、エア・ストーンは送気管の端部に配置される。空気はエア・ストーンを通じてポンプによって押し出され、これにより気泡が乱流又は流れを作り出す水面まで管を通じて上昇移動する。その後、水は砂利を通じて引き上げられて上昇管を昇る。バクテリアが何れかのアンモニア又は亜硝酸塩を危険の少ない硝酸塩に分解する箇所で、水族館からの廃水は砂利床を通じて引き抜かれる。しかしながら、生物学的濾過器は化学的廃棄物を取り除かない。こうした砂利下濾過器の例は、Perfecto製造所及びPenplex製造所によって販売された濾過器を含む。
【0006】
水族館で普通に使用される更に別のタイプの従来技術濾過器は、頂部が水族館の内側に垂下するスキマー室を含む、湿式/乾式細流タイプ濾過器である。サイフォンチューブは、水族館からの水を水族館の外部のスキマー室の真後ろに取り付けられた前置濾過器まで運ぶために設けられる。水は粒状物質を捕捉するために前置濾過器内の発泡体スリーブを通過する。その後、水は、水族館の真下に通常は位置付けられるタンクのホースを通じて移動する。水が水族館の真下のタンクに入ると、複数の形成力のある生物圏を含む濾過器の乾燥したチャンバーの滴下プレート又は噴霧バー上に流れる。水は、生物圏の上かつ該生物圏を通じてタンクの底部に滴る。バクテリアのコロニーは、これらのコロニーを通り越す水内の老廃物を餌にする全ての生物圏で生育する。そこから、水は濾過器タンクの底部に集まり、次に、水から化学廃棄物を取り除くために活性炭濾過器又は他の濾過器を通過する。水はそれからドロマイト、砕かれた珊瑚あるいは砕かれたクラムシェルに通されて、水族館に返却ホースを通じて汲み戻される水をバッファーに保留する。
【0007】
湿式/乾式濾過器は機械的濾過器、化学的濾過器、及び生物学的濾過器を含み得る。こうした濾過器の例は、Ocean System会社によって販売されたPlusシリーズ滴下濾過器、及びPerfecto製造会社によって販売されたPerfectoWet/Dry濾過装置である。湿式/乾式濾過器も水族館内に組み込まれてタンクの永久的部品を構成し得る。タンク内に永久的に組み込まれるような1つの湿式/乾式濾過器は、アリゾナ州テンペのTenecor会社によって販売されている。
【0008】
湿式/乾式濾過器の別形態は、小さな水族館用統合ポンプ及びヒーターを含む、内部に取り付けられた湿式/乾式濾過器である。この濾過器は、濾過器の頂部を水位に置いた状態で後壁に対して水族館内部に配置される。水は濾過器に入り、次に、微粒子と化学廃棄物質を取り除く濾過カートリッジを通過する。その後、水の一部は生物学的濾過のために、乾燥したチャンバーの滴下プレート内に汲み上げられる。その後、残りの水は、乾燥領域を迂回するように水族館内に直接汲み戻される。1つのこうした濾過器は、”Biolife”(登録商標)濾過器という名称でRolf Hagen製造所によって販売されている。
【0009】
上記から明らかであるべきとして、適切で連続した濾過は満足の行く健康な魚を飼うことに重要である。また、機械的、生物学的及び化学的濾過方法という3つの濾過方法がある。しかしながら、ずっと昔からの課題は、例えば、新たに充填された濾過媒体が、規定時間を越えて、意図する目標を成し遂げる間に、これらの濾過器は効率を失う傾向がある。
【0010】
例えば、機械式濾過は、これによって超過食物及び他の破片の大きな粒子が取り除かれるか、遮られるか、水から掬い取る装置は、意図された機能に対する能力を減じながらも規定時間を越えると塞ぐようになり得る。化学的濾過は、水から、アンモニアのような、悪臭、色及び有害物質を取り除くためにゼオライトのような活性炭とアンモニアの吸収剤を使用する。しかしながら、活性炭は、規定時間以上を越えるとその有効性を失い、同様に交換が必要である。
【0011】
さらに、機械的・化学的濾過の交換が最終的に必要な間、アンモニア及び亜硝酸塩(魚老廃物の副産物)を取り除く第1手段である生物学的濾過器基づいて配置しなければならないことに慎重に留意しなければならない。上手く落ち着いている水族館は、魚と、水族館に自然に発生する有益なバクテリアとが互いに上手くかつ健康に生きるべく互いに依存している自然生態系である。この相互関係の結果は、「窒素循環」と一般に呼称される。魚はアンモニアを食べて廃棄物として該アンモニアを作り出す。超過食物及び工場材料も腐食してアンモニアを作り出す。有益なバクテリアはアンモニアを中和し亜硝酸塩を作り出す。この亜硝酸塩は硝酸塩を作り出す他の有益なバクテリアによって今度は中和される。通常レベルの硝酸塩は淡水魚には無害であり、時間とともに、部分的に水が代わる水族館から容易に取り除くことができる。したがって、水族館の自然生態係は、化学薬品又は消費者の支援が全く無くても、有毒なアンモニアを無害な硝酸塩に変換する。
【0012】
上記に基づいて詳述すると、バクテリアを濾過装置内で育てかつ成長させる場所が明らかに必要となる。バクテリアは濾過組立体の何れかの多孔質の表面上、例えば、バクテリアが生き続けるために定常流を汲むキャニスターの媒体上で成長することが判明している。すなわち、バクテリアが繁殖しかつ成長するために酸素を要求する時には、水に酸素を送りこまなければならない。有益なバクテリア上で水を適切に空気にさらしかつ良好な水の流れを具備する水族館は、有益なバクテリアを維持するために十分な酸素を供給する。また、勿論、バクテリアのために食物源(アンモニア)が存在しなければならない。魚又は植物を具備する何れのタンクも十分な食物を供給する。その後、濾過装置は、有益なバクテリア上でバクテリアが食べるためのアンモニアを担持する水を循環させる。
【0013】
一旦確立されると、例えば、キャニスター濾過器組立体内部のバクテリアは明らかに非常に貴重であり首尾のよい水族館のためには重要である。しかしながら、留意したように、濾過器(化学的及び機械的媒体)の部分を取り除きかつ規則的に交換する必要性もまた必要なものである。しかしながら、機械的及び化学的媒体を交換する場合、不運な結果に通じ得る、生物学的濾過器媒体を全体的に崩壊させないであろう態様で交換することが重要である。
【0014】
これが事実なら、水族館濾過技術は未だにホビイスト(hobbyist)が水の流れを乱さずに濾過媒体の部分を交換することを可能にするであろう濾過組立体装置を開発していない。より詳細には、水族館濾過技術は、規則的な水流を維持しかつ生物学的濾過器の床上の衝突を最小にしながらも、各々が都合よく取り除かれかつ新しい媒体と交換し得る1つ又は複数のカートリッジを備えるキャニスター組立体を未だに提供していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】実開平6−34714号公報
【特許文献2】特開平6−292483号公報
【特許文献3】特開平9−131505号公報
【特許文献4】特開昭51−45098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、1つ以上の微粒子、生物学的及び/又は容易に交換し得る化学的濾過カートリッジを有する水族館に又は該水族館の近くに取り付け得る濾過装置を提供することである。全体の装置を止めなければならない必然性無く、また完成した時に装置を準備すること無く、さらに他の濾過カートリッジ部分に影響を与えることなく、及びプロセスにおいて湿ることなく、使用者が濾過カートリッジの何れかを交換することを可能にする濾過装置を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
広範な態様では、本発明は、ポンプ、手動位置決め可能な弁組立体、及び1つ又は複数の交換可能な濾過カートリッジを具備する水族館濾過装置を備え、前記濾過カートリッジは水流を停止する必要なく交換可能である。濾過カートリッジは、ポンプからのこれらのカートリッジの相対位置に対して容易に再位置付けし得る。
【0018】
方法の形態では、水族館濾過器の濾過カートリッジを変更する方法が開示されている。この方法は、ポンプを供する段階と、前記水族館からの連続した水流を1つ又は複数の取り外し可能な濾過カートリッジに供するために水を汲む段階と、を備える。前記水流から何れか1つ又は複数の濾過カートリッジを分離する段階と、1つ又は複数の前記濾過カートリッジを1つ又は複数の未使用の濾過カートリッジと交換する段階とがこれに追従する。これは、連続する水流が、1つ又は複数の前記濾過カートリッジを分離と、これらの1つ又は複数の前記濾過カートリッジを1つ又は複数の前記未使用の濾過カートリッジと交換とを実施することによって遮断されないような状況下で行われる。
【0019】
より詳細には、本発明は、水族館からの水の流れを複数の濾過器によって、あるいはこれらの濾過器の周りに導きかつ水族館内に戻す装置を備える。装置は、第1及び第2位置間で可動な第1切換弁を備え、第1位置では水族館からの水流は第1濾過器に入り、そして第2位置では水族館からの水流は第1濾過器を迂回する。装置は第1及び第2位置間で可動な第2切換弁も含み、第1位置では、水族館からの水流は第2濾過器に入り、そして第2位置では、水族館からの水流は第2濾過器を迂回し、ここに、第2切換弁は第1切換弁とは独立して、第1及び第2位置間で可動である。
【0020】
本発明は、水族館からの水流を複数の直列に連結された濾過器によって、あるいはこれらの濾過器の周りに導きかつ水族館内に戻す装置も備える。装置は、第1及び第2位置間で可動な第1切換弁を備え、第1位置では水族館からの水流は第1濾過器に入り、そして第2位置では水族館からの水流は第1濾過器を迂回する。装置は第1及び第2位置間で可動な第2切換弁も含み、第1位置では、水族館からの水流は第2濾過器に入り、そして第2位置では、水族館からの水流は第2濾過器を迂回する。装置は位置決め可能なアクチュエーターを含む。このアクチュエーターは第1及び第2切換弁に連結される。このアクチュエーターは少なくとも3つの位置間で移動可能である。第1位置では、水族館の水は第1濾過器及び第2の濾過器を通じて導かれる。第2の位置では、水族館の水は第1濾過器の周り及び第2濾過器を通じて導かれる。また、第3の位置では、水族館の水は第1濾過器を通じて及び第2濾過器の周りに導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による水族館装置の概略図である。
【図2A】本発明による第1実施形態の弁組立体の断面図である。
【図2B】本発明による第2実施形態の弁組立体の断面図である。
【図3】本発明による第1実施形態の切換弁の平面図である。
【図4】直線4−4を通して切った図3の切換弁の側面図である。
【図4A】本発明による第2実施形態の切換弁の側面図である。
【図5】直線5−5を通して切った図3の切換弁の側面図である。
【図6】本発明による第2実施形態の切換弁の平面図である。
【図7】図6のスピンドル及び対応する濾過器機能のアクチュエーター位置に関する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面と共に考慮した時、本発明の上記、他の目的及び利点は、以下の説明によって容易に明らかになる。
【0023】
図1は、本発明による水族館濾過装置100の基本概略図を示す。濾過すべき水はパイプ又は導管102を通じて水族館を出る。水はポンプ104によって付勢されて濾過装置内に入る。ポンプは弁組立体108の前後、あるいは内部に設置し得る。濾過される水は導管106を通じてポンプを離れて弁組立体108に入る。水の方向は、一連の制御可能な切換弁110、120及び130によって制御し得る。図示した実施形態では、図示した濾過器の数は3であり、濾過カートリッジ数は本発明から逸脱せずに増減し得る。濾過器は微粒子、生物学的かつ化学的濾過器を備え得るものであり、如何なる順序にも位置付け得る。第1の制御可能な切換弁110は、第1濾過器114内あるいはこの濾過器の周りに水を導き得る。第1位置では、切換弁は、導管112Aを通じて濾過用第1濾過器114に水を導く。水は、導管118と結合する導管116を通じて濾過器114を出る。第2の位置では、切換弁110は、導管118と結合する第1濾過器114を通じてではなく迂回導管112Bを通じて水を導く。第2の位置では、濾過器114は、連続した水流が弁組立体108を出ることを許容せずに取り除くことができる。水は、一方向又は逆止弁140A〜140Fの何れかを使用することによって、あるいは以下に示すように弁組立体を適切に構成することによって装置を通じて逆流するのを阻止し得る。
【0024】
水は導管118を通じて第2の制御可能な切換弁120に入る。第2切換弁120は、水を第2濾過器124内又はこの濾過器の周りに導き得る。第1位置では、切換弁は、導管122Aを通じて、機械的、化学的、あるいは生物学的な濾過のための第2濾過器124に水を導く。水は、導管128と結合する導管126を通じて濾過器124を出る。第2の位置では、切換弁120は、導管128と結合する、第2濾過器124を通じてではなく、迂回導管122Bを通じて水を導く。第2の位置では、濾過器124は、連続した水流が弁組立体108を出ることを可能とせずに取り外し得る。
【0025】
水は導管128を通じて第3の制御可能な切換弁130に入る。第3切換弁130は、第3濾過器134又はこの濾過器の周りに導き得る。第1位置では、切換弁は、導管132Aを通じて水を濾過のために第3濾過器134まで導く。水は、導管138と結合する導管136を通じて濾過器134を出る。第2の位置では、切換弁130は水を指図する、によって、1つの、3番目の濾過器134を通ってではなく迂回導管132Bによって、それは導管138と結合する。第2の位置では、連続した水流が弁組立体108を出ることを可能とせずに、濾過器134を取り外し得る。水は導管138を通じて水族館に戻る。所定の温度に水を維持するためのヒーターは図示していない。ヒーターは弁組立体108と直列又は別々に設置し得る。弁組立体108はハウジング108A又は108Bに収容し得る。
【0026】
図2Aは、複数の濾過カートリッジに連結された、第1実施形態の弁組立体200の断面図を示す。弁組立体及びカートリッジは、水族館の側に、あるいは近接して連結することができる。弁組立体200は複数の別々に位置決め可能な切換弁110A、120A及び130Aを備え得る。図示しないガスケットは水漏れを防ぐために切換弁の周りに使用し得る。切換弁の一部152Aは、使用者が切換弁を2つの位置間又は複数の位置間に再位置付け可能にするために、弁組立体ハウジング108Aの外側に延在し得る。切換弁110A、120A及び130Aは、軸線156Aの周りで回転する回転可能なディスクとして図示されている。あるいは、切換弁は直線的に位置決めし得る。第1切換弁110Aは「濾過」位置に図示されている。到来する水は、第1切換弁110Aによって導管112Aを通じて第1濾過器114内に導かれる。導管は堅固又は曲げ易いプラスチックで作り得る。あるいは、第1切換弁110Aは、水が第1濾過器114を迂回可能にする「迂回」位置に位置付け得る。したがって、水は濾過器114に入らない。第1切換弁110Aを通じて流れた後に、水は第2切換弁120Aに導かれる。第2切換弁120Aは「迂回」位置に図示されている。第2切換弁120Aは、迂回路122Bを通じて到来する水を導く。したがって、水は濾過器124に入らない。あるいは、第2切換弁120Aは、水が導管122Aを通じて第2濾過器124に入ることを可能にする「濾過」位置に位置付け得る。第2切換弁120Aを通じて流れた後に、水は第3切換弁130Aに導かれる。第3切換弁130Aは「濾過」位置に図示されている。到来する水は第3切換弁130Aによって導管132Aを通じて第3濾過器134内に導かれる。あるいは、切換弁130Aは、水が第3濾過器134を迂回可能にする「迂回」位置に位置付け得る。したがって、水は濾過器134に入らない。
【0027】
切換弁の何れかが「迂回」位置にある場合、対応する濾過器は、連続した水流が濾過装置から出ることなく、濾過装置から取り外し得る。切換弁は、該切換弁が「濾過」位置又は「迂回」位置にある場合に、使用者に示すための視覚表示器158Aを含み得る。切換弁110A、120A及び130Aが互いに独立して位置付け得るため、1つ以上の濾過器を同時に交換し得る。
【0028】
したがって理解し得るように、濾過器114、124及び/又は134の何れか1つは濾過器組立体から分離して交換し得る。この点に関して、仮に、例えば、濾過器114が主に機械的濾過器として働き、濾過器124が主に化学的濾過のために設けられ、そして濾過器134が有益なバクテリアのための最大表面積を具備する濾過器媒体を含んでいるものとすると、濾過器114は濾過器134の有益なバクテリアに逆効果をもたらすことなく容易に取り外し得る。このように、ホビイストは、水流を完全に止める必要がないため、詳しく説明してきた生物学的濾過床を破壊しない態様で、今回は独自に濾過装置を都合良く清浄化する機会を与えられる。
【0029】
図2Bは、第2実施形態の弁組立体300の断面図を示す。弁組立体300は、弁組立体ハウジング108B内に収容された複数の連結された位置決め可能な切換弁110B、120B、及び130Bを備え得る。切換弁110B、120B及び130Bは、スピンドル160を通じて機械的に連結され、かつ一致して移動し得る。スピンドル160一部は、ハウジング108Bの頂部から外部に延在し、使用者が2つ又は3つ以上の複数の位置間でスピンドル160を再位置付け可能にするためのアクチュエーター162を構成し得る。切換弁110B、120B、及び130Bは、軸線156B周りに回転する回転可能なディスクとして図示されている。あるいは、切換弁は直線的に位置決めし得る。第1切換弁110Bは「濾過」位置に図示されている。到来する水は第1切換弁110Bによって第1濾過器114内に導かれる。あるいは、第1切換弁110Bは、水が第1濾過器114を迂回可能にするために、アクチュエーター162の回転によって「迂回」位置に位置付け得る。第1切換弁110Bを通じて流れた後に、水は第2切換弁120Bに導かれる。第2切換弁120Bは「迂回」位置に図示されている。第2切換弁120Bは到来する水を迂回路122Bを通じて導く。あるいは、第2切換弁120Bは、水が第2濾過器124に入ることを可能にする「濾過」位置に位置付け得る。第2切換弁120Bを通じて流れた後に、水は第3切換弁130Bに導かれる。第3切換弁130Bは「濾過」位置に図示されている。到来する水は第3切換弁130Bによって第3濾過器134内に導かれる。あるいは、切換弁130Bは、水が第3濾過器134を「迂回」可能にする「迂回」位置に位置付け得る。
【0030】
切換弁の何れかが「迂回」位置にある場合、対応する濾過器は、連続した水流が装置を出ることなく、濾過装置から取外し得る。ハウジング108Bの頂部面のアクチュエーター162に配置された表示器は、たとえあるとしても何れの濾過器が装置からの水の損失を招くことなく取り外し得るかを使用者に視覚的に示し得る。
【0031】
図3は、図2Aに示す弁組立体200で使用する切換弁400の第1実施形態の平面図を示す。切換弁400は、複数の開口404A、404B及び406Cを有するディスク402として図示されている。開口404Aは、ディスク中央軸線から離隔された距離に始まり、ディスク402の端縁まで延在し得る。同様に形作られた開口404Bは、ディスクの反対側表面に配置し得る。開始404Aおよび404Bは、頂面408及びディスク402の底面410に沿って図示されているが、あるいは図4Aに示すように表面より下に離隔された距離に位置付け得る。開口406Cは、頂面408から底面410まで延在する貫通穴とし得る。開口404A及び406は45°だけ角度が偏倚されている。開口は、本発明から逸脱せずに、任意の角度だけ偏倚させることができる。開口の寸法及び角変位によって、装置は、アクチュエーターが再位置付けされた時に、一時的に水流を停止することなく、装置を通じて水流を維持し得る。
【0032】
図4は、直線4−4を通して切った図3の切換弁400の側面図である。開口404Aを通じて切換弁408に入る水は、濾過器114、124、あるいは134に向けて半径方向外向きに導かれる。濾過器114、124、あるいは134からの水は、開口404Bを通じて切換弁に再び入り、下向きに導かれる。切換弁が、入口導管106、118、128と整合された開口404Aを有する場合、清浄化される水は濾過器114、124、あるいは134内に導かれる。切換弁が入口導管106、118、128と整合された開口406Aを有する場合、清浄化される水は濾過器114、124、あるいは134を迂回する。
【0033】
図5は、直線5−5を通して切った図3の切換弁400の側面図である。開口406Cを通じて入る水は濾過器114、124、あるいは134に入らずに通過する。
【0034】
図6は、図2Bに示す弁組立体300で使用する切換弁500の第2実施形態の平面図を示す。切換弁500は、複数の開口504A〜504E及び506を有するディスク502として図示されている。開口504は、ディスクの中央軸線から離隔された距離に始まり、ディスク502の端縁まで延在し得る。同様に形作られた開口504A´〜504E´(図示せず)は、ディスクの反対側表面に設置し得る。開口504A〜504Eは頂面508に沿って図示されている。対応する開口504A´〜504E´(図示せず)はディスク502の底面410に沿って設置されるが、あるいは図4Aと同様にして、表面より下に離隔された距離に位置付け得る。開口506は、頂面508から底面510まで延在する貫通穴とし得る。開口504A〜504E及び506は45°の角度をなして偏倚される。開口は、本発明から逸脱せずに任意の角度偏倚だけ偏倚させることができる。切換弁500は、切換弁軸線周りに構成された多重側部開口510を含み得る。
【0035】
図2Bに示すように、複数の切換弁は弁組立体300を構成するために積み重ね得る。多重側部スピンドル160は、切換弁110B、120B、及び130Bを連結するために開口510を通じて挿入し得る。図2Bに示すように、切換弁は互いに離隔し得るか、あるいは離隔し得ない。切換弁500及びハウジング108A及び108Bは射出モールド成形によって製造し得る。同じ切換弁500を、切換弁110B、120B、及び130Bを構成するために3つの位置A、B及びCの各々で使用し得る。位置Aに設置された場合の切換弁500は、アクチュエーター162に対する第1角度位置でスピンドル160に連結し得る。位置Bに設置された場合の切換弁500は、アクチュエーター162に対する第2角度位置でスピンドルに連結し得る。そして、位置Cに設置された場合の切換弁500は、アクチュエーター162に対する第3角度位置でスピンドルに連結し得る。
【0036】
図7は、アクチュエーター162の角度位置及び対応する濾過器機能に関する表である。アクチュエーター162が第1角度位置P1に位置付けられる場合、全ての濾過器は直列に連結される。開口504Cは、水を第1濾過器114内に導く導管106と整合される。開口504Bは、水を第2濾過器124内に導く導管118と整合される。そして、開口504Aは、水を第3濾過器134内に導く導管128と整合される。
【0037】
アクチュエーター162が第2の角度位置P2に位置付けられる場合、濾過器114は迂回され、濾過器124及び134が直列に連結される。開口506は、水を第1濾過器114の周りに導く導管106と整合される。開口504Cは、水を第2濾過器124内に導く導管118と整合される。そして、開口504Bは、水を第3濾過器134内に導く導管128と整合される。
【0038】
アクチュエーター162が第3角度位置P3に位置付けられる場合、濾過器124は迂回され、濾過器114及び134が直列に連結される。開口504Dは、水を第1濾過器114内に導く導管106と整合される。開口506は、水を第2濾過器124の周りに導く導管118と整合される。そして、開口504Cは、水を第3濾過器134内に導く導管128と整合される。
【0039】
アクチュエーター162が第4角度位置P4に位置付けられる場合、濾過器134は迂回され、濾過器114及び124が直列に連結される。開口504Eは、水を第1濾過器114内に導く導管106と整合される。開口504Dは、水を第2濾過器124内に導く導管118と整合される。そして、開口506は、水を第3濾過器134の周りに導く導管128と整合される。1つ以上の濾過器を同時に交換可能にするためにより多くの開口504及び506をディスク502に加え得る。
【0040】
さらに、本発明を広く解釈すると、背圧が最小化されるように、濾過器に水流のための独特な細路を設けることも好ましいことに留意すべきである。例えば、本明細書に開示された濾過器が螺旋状細路を具備するように構成することは好ましい。これは濾過効率のための表面積を増加させ、かつ背圧を減少させ、これにより付加的かつ独特な動作上の利点を与える。
【0041】
本発明を本明細書に詳細に述べてきたが、本発明は、本発明の原理から逸脱せずに別様に実施することができる。そしてこうした他の実施形態は特許請求の範囲に規定された本発明の範囲内に該当することを意味する。
【符号の説明】
【0042】
100 水族館濾過装置
102 導管
104 ポンプ
106 導管
108 弁組立体
108A ハウジング
108B ハウジング
110 第1の制御可能な切換弁
110A 第1切換弁
110B 第1切換弁
112A 導管
112B 迂回導管
114 第1濾過器
116 導管
118 導管
120 第2の制御可能な切換弁
120A 第2切換弁
120B 第2切換弁
122A 導管
122B 迂回導管
124 第2濾過器
126 導管
128 導管
130 第3の制御可能な切換弁
130A 第3切換弁
130B 第3切換弁
132A 導管
132B 迂回導管
134 第3濾過器
136 導管
138 導管
140A〜140F 逆止弁
152A 切換弁の一部
156A、156B 軸線
158A 視覚表示器
160 多重側部スピンドル
162 アクチュエーター
200 弁組立体
300 弁組立体
400 切換弁
402 ディスク
404A、404B,406C 開口
406A 開口
408 頂面
410 底面
500 切換弁
502 ディスク
504A〜504E、506 開口
504A´〜504E´ 開口
508 頂面
510 底面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水族館濾過装置であって、ポンプ、複数の濾過カートリッジ及び水族館からの水流を、複数の濾過カートリッジを通じて導き且つ水族館内に戻すか又は該複数の濾過カートリッジを通さずに導き且つ前記水流を一時中断させることなく水族館内に戻すための弁組立体を備えた前記水族館濾過装置において、
切換弁は前記濾過カートリッジへの水流を各々が制御して、複数の前記濾過カートリッジのうちの1つが交換される間に、前記装置は他の前記濾過カートリッジを通じて前記水流を濾過し、
前記弁組立体は、
(i)第1の位置と第2の位置との間で移動可能な第1切換弁であって、前記第1の位置では前記水族館からの水流が第1濾過カートリッジに入り且つ前記第2の位置では前記水族館からの水流が第1濾過カートリッジを迂回するような前記第1切換弁と、
(ii)第1の位置と第2の位置との間で移動可能な第2切換弁であって、前記第1の位置では前記水族館からの水流が第2濾過カートリッジに入り且つ前記第2の位置では前記水族館からの水流が第2濾過カートリッジを迂回し、前記第2切換弁は、前記第1の位置と、前記第2の位置と、の間で切換可能である、前記第2切換弁と、
(iii)第1の位置と第2の位置との間で移動可能な第3切換弁であって、前記第1の位置では前記水族館からの水流が第3濾過カートリッジに入り且つ前記第2の位置では前記水族館からの水流が第3濾過カートリッジを迂回し、前記第3切換弁は、前記第1の位置と、前記第2の位置と、の間で切換可能である、前記第3切換弁と、
を具備し、
(iv)前記水族館濾過装置は位置決め可能なアクチュエーターをさらに具備し、該アクチュエーターは前記第1切換弁、前記第2切換弁および前記第3切換弁に機械的に連結され、前記アクチュエーターは少なくとも4つの位置の間で切換可能であり、第1の位置において前記水流は前記第1濾過カートリッジ、前記第2濾過カートリッジおよび前記第3濾過カートリッジを通して導かれ、第2の位置において前記水流は前記第1濾過カートリッジを迂回し且つ前記第2濾過カートリッジおよび前記第3濾過カートリッジを通して導かれ、第3位置において前記水流は前記第1濾過カートリッジおよび前記第3濾過カートリッジを通して導かれ且つ前記第2濾過カートリッジを迂回して導かれ、第4位置において前記第3濾過カートリッジを迂回し且つ前記第1濾過カートリッジおよび前記第2濾過カートリッジを通して導かれることを特徴とする水族館濾過装置。
【請求項2】
前記複数の濾過カートリッジは機械的濾過、化学的濾過及び/又は生物学的濾過を行うことを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項3】
前記ポンプと連通しかつ該ポンプに配置された前記3つの濾過カートリッジを備え、
前記複数の濾過カートリッジの1つは機械的濾過を行い、
前記複数の濾過カートリッジの1つは化学的濾過を行い、及び
前記複数の濾過カートリッジの1つは生物学的濾過を行うことを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項4】
前記生物学的濾過は、アンモニアを消費しかつ亜硝酸塩を作り出すバクテリアを供給することを含んでいることを特徴とする請求項3に記載の濾過装置。
【請求項5】
前記第1切換弁が第1閉位置にある場合に、前記第1濾過カートリッジは、水流が前記濾過装置から漏出することなく取り外し得ることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項6】
前記第1切換弁、前記第2切換弁及び前記第3切換弁は、前記弁組立体に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項7】
前記アクチュエーターが前記第2位置にある時、前記第1濾過カートリッジは、水流が前記濾過装置から漏出することなく取り外し得ることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項8】
前記第1切換弁、前記第2切換弁及び前記第3切換弁は、前記弁組立体内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項9】
請求項1に記載の濾過装置において、水族館濾過装置の1つ又は複数の濾過カートリッジを交換する方法であって、
(a)ポンプを提供して水族館からの水流を1つ又は複数の濾過カートリッジに送出する段階と、
(b)前記水流から前記1つ又は複数の濾過カートリッジを分離し且つ前記1つ又は複数の濾過カートリッジを1つ又は複数の未使用の濾過カートリッジと交換する段階と、を含み、
前記水流から前記1つ又は複数の濾過カートリッジを分離し且つ前記1つ又は複数の濾過カートリッジを1つ又は複数の未使用の濾過カートリッジと交換する作業によって、前記連続した水流が遮断されないようにすることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−162047(P2010−162047A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93038(P2010−93038)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【分割の表示】特願2003−501267(P2003−501267)の分割
【原出願日】平成14年6月3日(2002.6.3)
【出願人】(500013142)ティー.エフ.エイチ.パブリケーションズ、インコーポレーテッド (18)
【Fターム(参考)】