説明

水栓装置

【課題】調圧弁から漏水したとしても漏水被害が発生することなく、また、調圧弁に安全弁を設ける必要のない水栓装置を提供する。
【解決手段】給水源に繋がる給水路125と、給水路125に設けられ、給水路125を流れる水の流量を調整する水流量調整部116と、水流量調整部116によって調整された水を吐水する吐水路と、水流量調整部116よりも上流側に設けられた調圧弁200と、を備えた装置において、調圧弁200は、2次側圧力の上昇に伴い1次側流路を絞る調圧弁体と、調圧弁体とはパッキンを介して水密であって、調圧弁体を2次側向けて付勢する付勢手段が収納された圧力室とを備え、圧力室の内部空間と吐水路とを繋ぐ排水流路を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量を調整できる水栓に係り、特に、流量調整に要する操作力を軽減する等の目的のために、調圧弁を内蔵した水栓装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の水栓装置として、例えばシングルレバー混合栓があり、その湯水混合弁体であるカートリッジバルブの上流側に調圧弁を設けたものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
このような場合、調圧弁によってカートリッジバルブに供給される、水の給水圧および湯の給湯圧を低下させておくことができるため、カートリッジバルブを開いて吐水中にカートリッジバルブの下流側のシャワーヘッドに設けられた止水機能を使って止水したとしても、元々カートリッジバルブに供給される、水の給水圧および湯の給湯圧が低く抑えられているのでカートリッジバルブ内部での圧力の急上昇を防ぐことができ、カートリッジバルブからの水漏れを防ぐことができるという効果がある。
【0004】
この特許文献1に記載されたシングルレバー混合栓においては、カートリッジバルブを収納している水栓本体に接続された給水管及び給湯管とに夫々調圧弁が取り付けられているため、その調圧弁の位置としては、水栓本体が固定されるカウンターよりも下側に位置している。
【0005】
調圧弁は2次側の圧力により1次圧力側の流路面積を調整する構成であり、そのために駆動される調圧弁体は圧力室に収納されたバネ等によって所望の力で2次側に向けて付勢され、圧力室は大気と連通され、圧力室と調圧弁体とはパッキンによって水密に仕切られている。従って、パッキンが磨耗などすると、圧力室へ水が浸入して、その水が大気と連通した孔から漏れ出す可能性がある。
【0006】
そのため、調圧弁からの水漏れによりカウンターの内部で漏水被害が発生することを防止するために、カウンターの下に水受けトレイを設けたり、または、特許文献2のように、圧力室に安全弁を設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−96643号公報
【特許文献2】特開2000−204614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、カウンター下に水受けトレイを設置すると、その水受けトレイによりカウンター下空間が占有されてしまい収納スペースが狭くなったり、漏水していることに気付きにくい点で好ましくなく、また、調圧弁に安全弁を設けると、調圧弁自体のコストアップとなり好ましくない。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、調圧弁から漏水したとしても漏水被害が発生することなく、また、調圧弁に安全弁を設ける必要のない水栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1記載の水栓装置によれば、給水源に繋がる給水路と、該給水路に設けられ、この給水路を流れる水の流量を調整する水流量調整部と、該水流量調整部によって調整された水を吐水する吐水路と、前記水流量調整部よりも上流側に設けられた調圧弁と、を備えた水栓装置において、前記調圧弁は、2次側圧力の上昇に伴い1次側流路を絞る調圧弁体と、該調圧弁体とはパッキンを介して水密であって、前記調圧弁体を2次側向けて付勢する付勢手段が収納された圧力室とを備えており、前記圧力室の内部空間と前記吐水路とを繋ぐ排水流路が設けられていることを特徴とする。
【0011】
従って、調圧弁体と圧力室とを水密に保つためのパッキンが磨耗などによって破損して圧力室内から漏水が発生することになっても、圧力室は吐水路に連通しているので、その漏水は吐水路から通常の吐水と同じ経路を通じて排出されるので、漏水によって、水栓装置の外部に漏水被害が発生することなく、また、調圧弁に安全弁を設ける必要がないので調圧弁を小型化でき、水栓装置を大きくしなくてもそこに調圧弁を内蔵することを可能とした。
【0012】
また、請求項2記載においては、前記水栓装置において、前記給水路は設置面に固定される台座部に穿設され、そこに前記調圧弁が収納されており、前記排水流路の少なくとも1部は前記台座部に穿設されて前記吐水路と繋がれていることを特徴とする。
従って、台座部を利用して調圧弁から吐水路へと繋がる排水流路が形成されることで、水栓組み立て時における排水流路の形成を行いやすくする事ができる。
【0013】
また、請求項3記載においては、前記調圧弁は、前記台座部に穿設された前記給水路に、前記水流量調整部側から挿入されて収納されていることを特徴とする。
従って、調圧弁が破損したときに交換や補修するといったメンテナンス作業を行う場合に、台座部の下流側となる水量調整部側から調圧弁を取り外すことで作業することができ、その作業が容易となる。
【0014】
また、請求項4記載においては、前記水栓装置において、給湯源に繋がる給湯路と、該給湯路に設けられ、この給湯路を流れる水の流量を調整する湯流量調整部とを更に備えており、前記吐水路からは、前記水流量調整部と前記湯流量調整部によって調整された混合水が吐水されることを特徴とする。
従って、1般的に供給圧が高いのは給水路であるが、その給水路には調圧弁が収納されているため、供給圧を調圧値以下とすることで給水路と給湯路との間の供給圧の差を小さくすることができ、混合水の温度調整を行い易くすることができる。
【0015】
また、請求項5記載においては、前記水栓装置において、前記湯流量調整部よりも上流側の前記給湯路には調圧弁が設けられており、該調圧弁は、2次側圧力の上昇に伴い1次側流路を絞る調圧弁体と、該調圧弁体とはパッキンを介して水密であって、前記調圧弁体を2次側向けて付勢する付勢手段が収納された圧力室とを備えており、前記圧力室の内部空間と前記吐水路とを繋ぐ排水流路が設けられていることを特徴とする。
従って、給湯路の供給圧が高い場合においても、その給湯路に収納された調圧弁によって供給圧を調圧値以下とすることで、給水路と給湯路との間の供給圧の差を一定にする、好ましくは同圧とすることができ、混合水の温度調整を行い易くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調圧弁からの漏水によって、水栓装置の外部に漏水被害が発生することなく、また、調圧弁に安全弁を設ける必要がないので調圧弁を小型化でき、水栓装置を大きくしなくても調圧弁を内蔵することが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態における水栓装置の外観図である。
【図2】第1実施形態における水栓装置のA−A断面を示した断面図である。
【図3】第1実施形態における水栓装置のB−B断面を示した断面図である。
【図4】調圧弁の分解図である。
【図5】調圧弁の分解断面図である。
【図6】第2実施形態の水栓装置としての単水栓の断面図である。
【図7】第3実施形態における水栓装置の外観図である。
【図8】第3実施形態における水栓装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1実施形態を図に基づいて詳細に説明する。図1は第1実施形態における水栓装置の外観図である。図2は第1実施形態における水栓装置のA−A断面を示した断面図である。図3は第1実施形態における水栓装置のB−B断面を示した断面図である。
【0019】
本発明の第1実施形態における水栓装置は、図1、図2、図3に示すようなシングルレバー混合栓100である。シングルレバー混合栓100は、主として、給水源(図示しない)から延びる給水ホース110及び給湯源(図示しない)から延びる給湯ホース111と、給水ホース110及び給湯ホース111と接続される台座部112と、台座部112の外周を覆い隠し吐水路113を有するスパウト114と、スパウト114の先端に設けられた吐水部115と、台座部112の上方に配置される水流量調整部116、湯流量調整部117を備えた湯水混合部118と、湯水混合部118を台座部112へ押さえつけるカートリッジ押え119と、湯水の吐止水や温度調整を行う操作部120で構成されている。
【0020】
台座部112は、外観が略円柱状で底面側には、給水ホース110の継ぎ手部110aおよび給湯ホース111の継ぎ手部111aが挿入されるための水側継ぎ手開口部121と湯側継ぎ手開口部122が設けられている。
【0021】
また、水側継ぎ手開口部121と湯側継ぎ手開口部122の上方には、調圧弁200を内蔵するための水側調圧弁開口部123と湯側調圧弁開口部124とが設けられ、水側継ぎ手開口部121と水側調圧弁開口部123とが連通され給水路125を形成していて、湯側継ぎ手開口部122と湯側調圧弁開口部124とが連通され給湯路126を形成している。
また、台座部112には湯水混合部118で混合された湯水が流出する流出口(図示しない)とスパウト114に設けた吐水路113とを連通する湯水流出路(図示しない)が設けられている。
【0022】
さらに、図3に示すように水側調圧弁開口部123、湯側調圧弁開口部(図示しない)の周壁には、それぞれ吐水路113と連通された排水流路127が設けられ、排水流路127は後述する調圧弁200に設けた調圧弁連通孔128を通じて圧力室129の内部空間130と連通されるようになっている。
【0023】
次に、調圧弁200について説明する。図4に示すように、調圧弁200は、主として、1次側と2次側の圧力差によって伸縮するバネ部材201と、このバネ部材201に応じて可動する調圧弁体202と、調圧弁体202が収納される調圧弁基体部203と、調圧弁体202を覆うようにして調圧弁基体部203に取付けられるホルダー204で構成されている。
【0024】
図4、図5に示すように調圧弁基体部203は略円筒状の成形体であり、中央内部にはバネ部材201が収納される空間部130が形成されている。調圧弁基体部203の外周には、周方向に調圧弁200と台座部112の水密性を維持するためにシール材205が取付けられる第1溝206aと、第2溝206bと、後述するホルダー204の突片204aを係止する第1係止溝207と、調圧弁体202と調圧弁基体部203との水密性を維持するためのシール材208が取付けられる第3溝209が設けられている。また、第1溝206aと第2溝206bの間には空間部130から外周方向に延びる連通孔128が設けられている。
【0025】
バネ部材201は、一般的な螺旋状のコイルバネを用い調圧弁基体部203の内部に収容される。 調圧弁体202は略椀形に形成されており、凹部側をバネ部材201に向けてバネ部材201の上方に配置するものである。ホルダー204は、調圧弁体202を覆うように形成されたホルダー開口端部204bと、このホルダー開口端部204bから延び、調圧弁基体部203に係止する突片204aが相対する位置に2箇所設けられている。また、突片204aの外周方向にはホルダー204を調圧弁基体部203に取付けた際にホルダー204の動きを抑止するCリング210を取付けるための第2係止溝211が設けられている。
【0026】
これらの部品で構成された調圧弁200は、調圧弁基体部203の第1溝206a、第2溝206b、第3溝209に第1溝シール材205a、第2溝シール材205b、第3溝シール材208、を取り付けて、空間部130にバネ部材201を挿入した後、バネ部材201の上方に調圧弁体202を配置する。そして、ホルダー204を調圧弁体202の上方から包含するように被せてホルダー204の突片204aで調圧弁基体部203の第1係止溝207に係止して組み立てられる。そして、バネ部材201が挿入された空間部130が圧力室129となる。
【0027】
そして、調圧弁200は、調圧弁200に設けた連通孔128と台座部112に設けた排水流路127が合致するように水側調圧弁開口部123及び湯側調圧弁開口部124にそれぞれ収容され、調圧弁200の上部に調圧弁固定部材212を取付けて台座部112に組み込まれることになる。
【0028】
前述のように組み立てられた台座部112は、その外周部を覆うように吐水路113を備えたスパウト114が配置され、上部には前述した周知の湯水混合部118が、台座部112の給水路125、給湯路126、湯水供給路(図示しない)と合致するように配置され、湯水混合部118の上方からカートリッジ押え119を台座部112に螺合し、スパウト114と、湯水混合部118と台座部112とが組みつくことになる。
【0029】
そして、湯水混合部118に操作部120を取付け、台座部112の底部の水側継ぎ手挿開口部121、湯側継ぎ手開口部122にはそれぞれ給水ホース110の継ぎ手部110a、給湯ホース111の継ぎ手部111aを挿入し、ホース留め金具213で止めることでシングルレバー混合栓100となって、キッチンや洗面化粧台のカウンター面上に取付けられるようになっている。
【0030】
前述のようにキッチンや洗面化粧台に設けられたシングルレバー混合栓100は、操作部120を上向きに操作すると吐水するようになっており、正面視で操作部120を右側に回動すると水が、左側に回動すると湯が吐水される。
【0031】
まず、操作部120を右側に回動し上向きに操作すると、給水源(図示しない)から水が給水ホース110を通過して台座部112の給水路125、調圧弁200、湯水混合部118、湯水流出路(図示しない)、吐水路113を通過して吐水部115より吐水されることになる。
【0032】
このとき、調圧弁200は給水路125より供給される高圧水が調圧弁基体部203の内側を通過する。高圧水は調圧弁基体部203と調圧弁体202の隙間を通過する際に減圧されて湯水混合部118へと流れる。このとき、調圧弁基体部203と調圧弁体202の隙間は調圧弁体202が調圧弁体202より下流側の圧力を受けることで適宜調整される。また、その隙間の設定は、バネ部材201の荷重設定により自由に調整が可能である。よって、調圧弁体202より下流側の圧力が高くなった場合、バネ部材201が調圧弁体202を下流側へ付勢する力よりも調圧弁体202を上流側へ付勢する力が強くなり調圧弁体202が高圧水が通過する隙間を狭くする。一方で、調圧弁体202より下流側の圧力が低くなった場合、調圧弁体202が上流側に付勢する力に対して、バネ部材201が調圧弁体202を下流側に付勢する力が強くなるため、調圧弁体202は高圧水が通過する隙間を広くする。最終的には、調圧弁体202が受ける受圧力とバネ部材の荷重がバランスし、安定した隙間を保持する。前述の状態から操作部120を下向きに操作すると給水路125が閉状態となり、調圧弁体202の下流側の圧力が上流側の高圧水と同じ圧力状態になることで、調圧弁体202は上流側と同じ圧力で受圧することになる。
【0033】
このとき、受圧力がバネ部材201が調圧弁体202を下流側へ付勢する力よりも高い場合は、調圧弁体202は、調圧弁基体部203の端面に接地して高圧水の流入を防止する。また、受圧力がバネ部材201が調圧弁体202を下流側へ付勢する力が設定荷重よりも低い場合は、調圧弁体202はバネ部材201により調圧弁体202は隙間が最大となりホルダ204で係止する。
【0034】
そして、操作部120を上向きに操作した状態(給水路125が開状態)で、例えば吐水部115の先端に設けられた開閉弁(図示しない)を閉止した場合、調圧弁200の下流となる2次側の圧力が調圧弁200の上流となる1次側の圧力よりも一時的に高くなることがある。このような場合においても、吐水部115の先端に設けられた開閉弁(図示しない)よりも上流側に調圧弁200を配置することで、給水圧力をある一定の圧力に制限することが可能になる。つまりは、供給圧力を制限することで水栓装置内の急激な圧力上昇値を低く抑えることができる。このため、従来のように水栓装置や配管に影響を与える水撃の発生が防止できるため、水撃に耐えるような強固な構造にする必要がない。
【0035】
次に、操作部120を左側に回動して上向きに操作した場合は、給水路125、給湯路126が開状態になり、前述と同様に水は給水源(図示しない)から給水ホース110、湯水混合栓体100の給水路125、調圧弁200を通過し、湯水混合部118に流入する。一方、湯は給湯源(図示しない)から給湯ホース111、湯水混合栓体100の給湯路126、調圧弁200を通過し、湯水混合部118に流入する。そして、水と湯は、湯水混合部118で混合され吐水部115より吐水されることになる。このとき、台座部112に内蔵された水側および湯側の調圧弁200は、前述したように、水側の調圧弁200と同様に湯側の調圧弁200も適宜作動する。前述の状態から操作部120を下向きに操作すると給水路125、給湯路126が閉状態となるが、前述したように、水側の調圧弁と同様に湯側の調圧弁202もある一定の圧力に制限するので、水栓装置内の圧力上昇値を低く抑えることができる。
【0036】
以上、第1実施形態の水栓装置として、シングルレバー混合栓100に調圧弁200を組み込んだ例を説明したが、その他にも単水栓300、サーモスタット水栓400においても同様に調圧弁200を組み込むことができる。
【0037】
次に、第2実施形態の水栓装置としての単水栓300について説明する。図6に示すように、単水栓300は主としてスパウト301を備えた水栓本体部302と、操作部303と、水流量調整部となるバルブユニット304と、バルブユニット304の上流側に設置される調圧弁200とで構成され、水栓本体部302の底面側に給水ホース(図示しない)が接続される。
【0038】
水栓本体部302の内部は給水源(図示しない)から給水ホース(図示しない)を通じて水が流れる給水路305と、調圧弁200を受け止めるための台座部306と、調圧弁200が内蔵される調圧弁開口部307と、バルブユニット304が内蔵されるバルブ開口部308と、スパウト301内部の吐水路309とが形成されている。また、調圧弁開口部307の周壁には吐水路309と連通された排水流路310が設けられ、バルブ開口部308の周壁には吐水路309と開口孔311が設けられている。
【0039】
単水栓300に用いるバルブユニット304は、それぞれに開口孔(図示しない)を有する内筒312と外筒313で構成された周知のシリンダー型バルブユニット304で、操作部303の回動操作によって内筒312が回動して水の吐止水及び吐水量を調整するものである。
【0040】
そして、調圧弁200は、調圧弁連通孔128と排水流路310が一致するように調圧弁開口部307に内蔵され、調圧弁200の上方にアダプター314を配置した後、バルブユニット304を取付けることで調圧弁200を内蔵した単水栓300は第1実施形態と同様の効果を発揮することになる。
【0041】
次に、第三実施形態の水栓装置としてのサーモスタット水栓400について説明する。図7に示すようにサーモスタット水栓400は、主として、水栓本体部401と、水流量調整部及び湯流量調整部としての周知のサーモバルブユニット(図示しない)と、使用者が所望の吐水温度に設定する温度調整ハンドル402と、スパウト403またはシャワーヘッド(図示しない)からの吐止水を操作する操作部404で構成されている。
【0042】
図8に示すように水栓本体部401の後部側には給水源(図示しない)から給水脚405を通じ水栓本体部404の内部に水が流れる給水路406と、給湯源(図示しない)から給湯脚407を通じ水栓本体部404の内部に湯が流れる給湯路408が設けられ、給水路406と給湯路408のほぼ中間位置にシャワーヘッド(図示しない)に繋がる吐水路409が設けられている。また、給水路406と給湯路408それぞれの周壁には吐水路409と連通された排水流路410が設けられている。
【0043】
サーモスタット水栓400に使用する調圧弁200は、上側アダプター411と下側アダプター412に挟まれるようにして組み立てられ、給水路406及び給湯路408に取付けられる。尚、上側アダプター411、下側アダプター412は調圧弁200を給水路406及び、給湯路408に取付けても調圧弁200の配置がずれないようにするために設けたもので、上側アダプター411にはアダプター連通孔413が設けられており、水栓本体部401の排水流路410と、調圧弁連通孔128と連通するようになっている。
このように構成したのでサーモスタット水栓においても第1実施形態と同様の効果を発揮することになる。
【符号の説明】
【0044】
100;シングルレバー混合栓、110;給水ホース、111;給湯ホース、112;台座部、113;吐水路、114;スパウト、115;吐水部、116;水流量調整部、117;湯流量調整部、118;湯水混合部、119;カートリッジ押え、120;操作部、121;水側継ぎ手開口部、122;湯側継ぎ手開口部、123;水側調圧弁開口部、124;湯側調圧弁開口部、125;給水路、126;給湯路、127;排水流路、128;調圧弁連通孔、129;圧力室、130;内部空間、200;調圧弁、201;バネ部材、202;調圧弁体、203;調圧弁基体部、204;ホルダー、205;シール材、205a;第1溝シール材、205b;第2溝シール材、206a;第1溝、206b;第2溝、207;第1係止溝、208;シール材、209;第3溝、210;Cリング、211;第2係止溝、212;調圧弁固定部材、213;ホース留め金具、300;単水栓、301;スパウト、302;水栓本体部、303;操作部、304;バルブユニット、305;給水路、306;台座部、307;調圧弁開口部、308;バルブ開口部、309;吐水路、310;排水流路、311;開口孔、312;内筒、313;外筒、314;アダプター、400;サーモスタット水栓、401;水栓本体部、402;温度調整ハンドル、403;スパウト、404;操作部、405;給水脚、406;給水路、407;給湯脚、408;給湯路、409;吐水路、410;排水流路、411;上側アダプター、412;下側アダプター、413;アダプター連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水源に繋がる給水路と、
該給水路に設けられ、この給水路を流れる水の流量を調整する水流量調整部と、
該水流量調整部によって調整された水を吐水する吐水路と、
前記水流量調整部よりも上流側に設けられた調圧弁と、
を備えた水栓装置において、
前記調圧弁は、2次側圧力の上昇に伴い1次側流路を絞る調圧弁体と、該調圧弁体とはパッキンを介して水密であって、前記調圧弁体を2次側に向けて付勢する付勢手段が収納された圧力室とを備えており、
前記圧力室の内部空間と前記吐水路とを繋ぐ排水流路が設けられていることを特徴とする水栓装置。
【請求項2】
前記水栓装置において、前記給水路は設置面に固定される台座部に穿設され、そこに前記調圧弁が収納されており、
前記排水流路の少なくとも1部は前記台座部に穿設されて前記吐水路と繋がれていることを特徴とする請求項1記載の水栓装置。
【請求項3】
前記調圧弁は、前記台座部に穿設された前記給水路に、前記水流量調整部側から挿入されて収納されていることを特徴とする請求項2記載の水栓装置。
【請求項4】
前記水栓装置において、給湯源に繋がる給湯路と、該給湯路に設けられ、この給湯路を流れる水の流量を調整する湯流量調整部とを更に備えており、
前記吐水路からは、前記水流量調整部と前記湯流量調整部によって調整された混合水が吐水されることを特徴とする請求項1〜請求項3何れか1項に記載の水栓装置。
【請求項5】
前記水栓装置において、前記湯流量調整部よりも上流側の前記給湯路には調圧弁が設けられており、該調圧弁は、2次側圧力の上昇に伴い1次側流路を絞る調圧弁体と、該調圧弁体とはパッキンを介して水密であって、前記調圧弁体を2次側に向けて付勢する付勢手段が収納された圧力室とを備えており、前記圧力室の内部空間と前記吐水路とを繋ぐ排水流路が設けられていることを特徴とする請求項4記載の水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−214992(P2012−214992A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79730(P2011−79730)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】