説明

水素製造装置および燃料電池発電装置

【課題】バイオマス原料の熱分解ガスのように固体成分を同伴する原料ガスを用いて水素を製造するため、原料ガス中の固体成分を除去することができる水素製造装置および燃料電池発電装置を提供すること。
【解決手段】水を電気分解して水素を製造する水素製造装置1であって、原料ガスGを改質して還元性ガスDを製造する改質器20と、還元性ガスDと水Sを導入し電気分解により水素を製造する電解槽30と、原料ガスG中の固体成分を除去する固体粒子除去部10とを備える水素製造装置。上記記載の水素製造装置1と、水素製造装置1で製造された水素を導入し発電を行う燃料電池80とを備える燃料電池発電装置5。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素製造装置および燃料電池発電装置に関し、特に原料ガス中の固体成分を除去する装置を備えた水素製造装置および燃料電池発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分散型発電システムとして開発が進められている燃料電池の多くは水素を燃料として発電している。燃料電池に用いる水素は、炭化水素系の原料を用いた改質反応により製造するのが一般的である。家庭用燃料電池などの場合は、炭化水素系の原料として都市ガスや灯油などを用いるので、原料ガスが固体成分の不純物を同伴しないことが一般的であり、原料ガス中に同伴される固体成分が問題となるケースは少なかった。しかし、都市ガスや灯油などの化石燃料を用いる原料ガスは、二酸化炭素排出による地球温暖化への影響等を有し、環境負荷が大きいという懸念がある。そこで、廃木材・生ゴミなどのバイオマス原料の熱分解ガスを原料ガスとして用い、高純度の水素を製造する方法が提案されている(特許文献−1参照)。
【特許文献1】特開2004−60041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなバイオマス原料を用いる場合、バイオマス原料に含まれるシロキサンが固体状シリカを析出させたり、バイオマス原料の固体粒子などが原料ガス中に不純物として同伴されたりすることがある。原料ガス中の固体粒子などが改質触媒層などに堆積すると、流路の閉塞が生じ、水素の製造効率が低下し、ひいては燃料電池の発電効率が低下するという問題を生ずる。そこで、本発明は、バイオマス原料の熱分解ガスのように固体成分を同伴する原料ガスを用いて水素を製造するため、原料ガス中の固体成分を除去することができる水素製造装置および燃料電池発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る水素製造装置は、例えば図1に示すように、炭化水素を含有する原料ガスGを用いて水素を製造する水素製造装置1であって:原料ガスGを改質する改質器20と;原料ガスG中の固体成分を除去する固体粒子除去部10とを備える。なお、ここでいう水とは、水蒸気を含む広い意味での水である。
【0005】
このように構成すると、固体粒子除去部で原料ガス中の固体成分を除去するので、改質器に導入される原料ガスは固体成分を同伴しないガスとなり、改質器が固体成分により閉塞することが防止される。
【0006】
また、請求項2に記載の発明に係る水素製造装置は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の水素製造装置1において、改質器20が、原料ガスGを改質して還元性ガスDを製造し;還元性ガスDと水Sを導入し、電気分解により水素を製造する電解槽30をさらに備える。
【0007】
このように構成すると、固体成分を同伴しない原料ガスを用いて改質器で還元性ガスに改質し、その還元性ガスを電解槽に導入して水の電気分解により水素を製造するので、改質器に固体成分が搬入されず、改質器が固体成分により閉塞することが防止されるとともに、電解槽にも固体成分が搬入されず、電解槽が固体成分により閉塞することも防止される。
【0008】
また、請求項3に記載の発明に係る水素製造装置は、例えば図1および図2に示すように、請求項1または請求項2に記載の水素製造装置1において、改質器20(20a)は改質触媒が充填された触媒層28を有し;固体粒子除去部10は、触媒層28へ原料ガスGを導入する位置に配置され、原料ガスG中の固体成分Xを捕捉する捕捉部11と、捕捉部11で捕捉した固体成分Xを捕捉部11から排除する排除機14とを有する。
【0009】
このように構成すると、原料ガスを触媒層に導入する位置に配置された捕捉部で固体成分を捕捉するので、触媒層に固体成分が侵入することを防止でき、改質器が固体成分により閉塞することが防止される。また、捕捉部で捕捉した固体成分を排除機を用いて排除することにより、捕捉部が固体成分により閉塞されることがない。排除機とは、例えば、捕捉部の固体成分を除去するための加圧水蒸気供給機であり、捕捉部を振動させて固体成分を落とすためのハンマーであり、捕捉部に捕捉された固体成分を掻き落とすための掻取り装置である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る水素製造装置は、例えば図1および図5に示すように、請求項1または請求項2に記載の水素製造装置1において、固体粒子除去部10(110)が、原料ガスGの流路断面積が変化する流路を有する。
【0011】
このように構成すると、流路断面積が変化するので、原料ガスの流速が変化し、流速が遅くなると固体成分を搬送する力が減少し、固体成分が原料ガスに搬送されなくなり、改質器が固体成分により閉塞することが防止される。よって、流路断面積が大断面積へと変化するところで、固体成分が原料ガスから除去される。また、固体成分を除去するのが、流路断面積の相対的に大きな部分であるので、固体成分が堆積したとしても、流路が閉塞されにくい。
【0012】
また、請求項5に記載の発明に係る水素製造装置は、例えば図1および図6に示すように、請求項1または請求項2に記載の水素製造装置1において、固体粒子除去部10(120)が、原料ガスGの流れに対し並列に配置された、固体成分Xを捕捉する2以上のフィルタ123、126を有する。
【0013】
このように構成すると、原料ガスの流れに対し並列に配置されたフィルタで固体成分を捕捉するので、改質器に送られる原料ガスからは固体成分が除去され、改質器が固体成分により閉塞することが防止される。また、フィルタが原料ガスの流れに対し並列に配置されるので、一のフィルタで原料ガスから固体成分を除去しつつ、他のフィルタに堆積した固体成分を排除することができ、原料ガスから固体成分を除去するフィルタを交互に交換することにより、流路の閉塞を防止することができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明に係る燃料電池発電装置は、例えば図1に示すように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の水素製造装置1と;製造された水素を導入し、発電を行う燃料電池80とを備える。
【0015】
このように構成すると、固体成分を不純物として同伴する原料ガスを用いて、効率よく水素を製造し、製造した水素を用いて発電する燃料電池が提供される。よって、例えばバイオマス原料から得られた原料ガスを用いた燃料電池発電装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る炭化水素を含有する原料ガスGを用いて水素を製造する水素製造装置によれば、原料ガスを改質する改質器と、原料ガス中の固体成分を除去する固体粒子除去部とを備えるので、固体粒子除去部で原料ガス中の固体成分を除去し、改質器に導入される原料ガスは固体成分を同伴しないガスである水素製造装置を提供できる。
【0017】
また、本発明に係る燃料電池発電装置によれば、上述の水素製造装置と、製造された水素を導入し発電を行う燃料電池とを備えるので、固体成分を不純物として同伴する原料ガスを用いて、効率よく水素を製造し、製造した水素を用いて発電する燃料電池が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0019】
図1に、水素製造装置1の構成を説明するブロック図を示す。なお、図1は、燃料電池80も含み、燃料電池発電装置5の構成を説明するブロック図でもあるが、燃料電池80および燃料電池発電装置5は後で説明することにする。水素製造装置1は、系外のガス化装置90でガス化された原料ガスGから固体成分を除去する固体粒子除去部10と、原料ガスGを改質反応して還元性ガスDを製造する改質器20と、水蒸気Sと還元性ガスDとを導入して電気分解により水素Hを含む水素ガスhを製造する電解槽30と、電解槽30から排出される排気ガスEおよび水素ガスhから熱を回収する熱交換器42、44とを、この順序で備える。ガス化装置90は、廃木材・生ゴミなどバイオマスを原料とし、熱分解により可燃性ガスを製造する装置であるが、例えばメタン発酵等、他の原料からあるいは他のプロセスにより可燃性ガスを製造する装置であってもよい。または、原料ガスGを他の装置等から搬入してもよい。原料ガスGは、可燃性ガスであるのが一般的であり、典型的には、炭化水素、一酸化炭素、水素などを含有するガスである。
【0020】
固体粒子除去部10は、原料ガスG中に同伴される固体成分を除去する装置である。バイオマスを原料とし熱分解により製造された原料ガスGは、固体成分を同伴していることが多い。固体成分とは、例えば、原料中に含まれていた炭素系粒子、熱分解の際に高温環境下で生成した炭素粒子、シロキサンが高温で酸化することにより発生した固体状シリカの粒子や、ガス化装置や配管系などの破片や腐食物、あるいは、微粉化した触媒などである。これらの固体成分は、たとえ原料ガスGと同一の原料から生じても、原料ガスGとは区別して固体成分とする。固体成分は、下流の改質器20において、改質触媒中に滞留し、原料ガスGの触媒中の流通を妨げ、その結果、改質効率の低下を導く。また、下流の電解槽30において、電解質膜を閉塞し、電解槽30での水素製造効率の低下を導く。そのため、改質器20に送られる原料ガスGから固体粒子である固体成分を除去することは有益である。
【0021】
改質器20は、原料ガスGと水蒸気Sとを導入し、不図示の改質触媒を用いた改質反応により炭化水素を分解し、軽質化(小炭素数化)し、また一酸化炭素COや水素Hに転換し、還元性ガスDとする。炭化水素が軽質化されることにより、原料ガスGは炭素析出反応などが生じにくくなる。還元性ガスDの主な成分は、例えば、メタンCH、一酸化炭素CO、水素Hなどである。改質反応は、例えば400℃〜700℃の高温で行われる反応である。
【0022】
電解槽30は、還元性ガスDをアノード室34に、水蒸気Sをカソード室36に導入し、水蒸気Sを電気分解して、水素ガスhを製造する装置である。カソード室36の水蒸気Sは、電気分解することにより水素Hと酸素イオンO2−とに分解される。酸素イオンO2−は、アノード室34とカソード室36との間に配置された固体電解質膜32を浸透して、アノード室34に至る。アノード室34において、酸素イオンO2−は還元性ガスDと酸化反応を生じ、還元性ガスDを酸化して排ガスEとなる。例えば、還元性ガスDとしてのメタンCHと反応して二酸化炭素COと水HOとになり、還元性ガスDとしての一酸化炭素COと反応して二酸化炭素COになり、還元性ガスDとしての水素Hと反応して水HOになる。固体電解質膜32のイオン伝導性は高温になるほど良くなるので、電解槽30は、例えば500℃〜1100℃の高温で使用される。このように酸素イオンO2−がカソード室36からアノード室34に固体電解質膜32を浸透し移動するので、電解槽30のアノードとカソードに印加する電解電圧を小さくすることができ、低電圧・低電力消費量で効率よく水素を製造することができる。なお、電解槽30は、上述の固体電解質膜32を隔膜とするタイプでなく、如何なるタイプの電解槽であってもよい。
【0023】
アノード室34には熱交換器42が接続し、カソード室36には熱交換器44が接続する。2つの熱交換器42、44は、電解槽30から高温のまま排出される排ガスEおよび水素ガスhの熱を回収する装置で、プレート型熱交換器が好適に用いられるが、シェルアンドチューブ型熱交換器、二重管型熱交換器等、如何なる熱交換器であっても良い。熱交換器42、44で回収した熱は、水蒸気Sを加熱する加熱源、ガス化装置90を加熱する加熱源あるいは原料ガスGを加熱する加熱源として用いるのが一般的である。しかし、回収した熱を他の用途に用いても良く、あるいは、例えば固体酸化物型燃料電池(SOFC)用の燃料とするなど水素ガスhを高温環境で利用する場合などには、熱交換器42あるいは熱交換器44は備えていなくてもよい。
【0024】
続いて、図1を参照して水素製造装置1の作用について説明する。バイオマスなどの原料をガス化装置90で、例えば500℃の高温で熱分解し、炭化水素を含有する可燃性ガスとしての原料ガスGを製造する。原料ガスGには、原料中にあった炭素系粒子等の固体成分が同伴されている。原料ガスGは、ガス化装置90から例えば500℃の高温のまま排出される。原料ガスGは、固体粒子除去部10に導かれ、そこで原料ガスGに同伴された固体成分が除去される。固体成分を除去された原料ガスGは、改質器20に送られる。改質器20では、高温下での原料ガスGと水蒸気Sとの改質触媒を用いた改質反応により、原料ガスGに含まれる炭化水素の炭素量が小さくなった還元性ガスDが製造される。すなわち、ガス化装置90から排出された原料ガスGから固体成分は除去するものの温度を低下せずに、原料ガスGを高温で改質反応が行われる改質器20に送るので、熱を無駄にせずエネルギー効率を低下させることがない。
【0025】
還元性ガスDは、改質器20から電解槽30のアノード室34に高温のまま送られる。電解槽30のカソード室36には、水蒸気Sが導入される。カソード室36に導入される水蒸気Sは、改質器20で用いられる水蒸気Sと同じものであってもよい。同じ水蒸気を用いることにより、水蒸気発生装置、配管などが共用でき、温度や圧力を変化させるための装置、例えばオリフィス等が不要となるので、装置を簡略化できる。水蒸気Sは、電解槽30で電気分解され、水素Hを生成する。水蒸気Sの電気分解により生じた酸素イオンO2−は固体電解質の隔膜32を浸透し、還元性ガスDを酸化する。カソード室36からは、電気分解された水素Hと残留する水蒸気Sとが、水素ガスhとして搬出され、アノード室34からは、酸化された還元性ガスを含む排ガスEが搬出される。ここで、カソード室36の水素ガスhを搬出する経路に、水素Hだけを透過する水素分離膜(不図示)を配設してもよい。水素分離膜を備えることにより、電解槽30から排出される水素ガスhの水素濃度が極めて高くなると共に、カソード室36に導入された水蒸気Sがほぼ100%水素Hを製造するのに消費され、水蒸気Sの使用効率が高まる。
【0026】
電解槽30を出た水素ガスhは、熱交換器44で熱を回収され後段の装置に送られる。また、電解槽30を出た排ガスEは、熱交換器42で熱を回収され、大気に開放され、あるいは、後段の排ガス処理装置に送られる。水素製造装置1によれば、原料ガスG中の固体成分を固体粒子除去部10で除去した後、改質器20へ送り還元性ガスDを製造し、還元性ガスDを電解槽30に送り、水素ガスhを製造する。したがって、原料ガスGが、バイオマスを原料として熱分解されたガスで、固体成分を同伴していても、改質器20の上流で原料ガスGから固体成分が除去されるので、改質触媒において固体成分により原料ガスG(還元性ガスD)の流路が閉塞することが防止され、また、電解槽30の固体電解質の隔膜32が固体成分により閉塞することも防止される。
【0027】
これまでの説明では、水素製造装置1は、改質器20で原料ガスGを改質して還元性ガスDとし、電解槽30で還元性ガスDと水蒸気Sとを導入し電気分解により水素Hを製造する高温水蒸気電解による水素製造装置として説明したが、水蒸気改質により水素Hを製造しもよい。水蒸気改質により水素Hを製造する水素製造装置では、改質器20で水蒸気改質することにより水素を多く含有する水素ガスhが製造され、電解槽30は不要となる。水蒸気改質による水素製造装置であっても、固体粒子除去装置10により固体成分が除去された原料ガスGが改質器20に供給されることで、改質器20の改質触媒中に固体成分が滞留することが防止され、原料ガスGの触媒中の流通が妨げられず、改質効率の低下を防ぐことができる。
【0028】
次に、図2〜図6を参照して、固体粒子除去部10(図1参照)の実施例を詳細に説明する。図2〜図6中の上下は、実際に固体粒子除去部10等を設置する上下方向に対応している。図2は、改質器20aの触媒層28で固体成分Xを捕捉し、加圧水蒸気Pで捕捉された固体成分Xを排除する、改質器20aと組み合わされた固体粒子除去部10を説明する断面図である。改質器20aは、容器22と、容器22の鉛直下側から原料ガスGを導入する導入流路24と、改質された改質ガスDを容器22の鉛直上側に排出する排出流路26とを備え、容器22の上部に改質触媒が充填された触媒層28を有する。容器22の触媒層28の下部は、空間となっている。触媒層28は、改質触媒をスクリーン(不図示)で支えており、改質触媒は典型的にはアルミナAlにルテニウムRuやニッケルNiを担持した粒径2〜5mm程度のほぼ球形の粒子で、スクリーンは触媒の粒径以下で触媒が脱落しない程度の荒さを持つステンレス製メッシュである。なお、スクリーンはさらに目の細かなメッシュを使用し、原料ガスG中の固体成分Xが通過することがないようにしてもよい。また、スクリーンはメッシュでなく、改質触媒を支持し、かつ、原料ガスGが流通できる他の構成、例えば多孔質板であってもよい。
【0029】
改質触媒の下端11、すなわちスクリーンの下の位置で、容器22の側壁に排除機としての加圧水蒸気ノズル14が配設される。加圧水蒸気ノズル14は不図示の加圧水蒸気生成装置に連接し、加圧水蒸気Pを改質触媒の下端11に噴射する構成となっている。また、導入流路24は、ガス化装置等から改質器20aの設置された位置まで水平方向に配設され、容器22の直下から鉛直上方に曲折し、容器22の下端に接続する。導入流路24が容器22の直下で上方に曲折する曲がり部にはT字管が用いられ、T字管の他端は、鉛直下方を向き、その下で固体粒子回収箱12に連接する。
【0030】
続いて、改質器20aと組み合わされた固体粒子除去部の作用を説明する。原料ガスGは、導入流路24を水平に、そして鉛直上方に流れ、容器22に下端から流入する。原料ガスGは、容器22中を上昇し、不図示の水蒸気ノズルから導入される水蒸気S(図1参照)と混合し、触媒層28に至る。原料ガスGが、触媒層28に流入しようとすると、原料ガスG中の固体成分Xは充填された改質触媒の隙間に入り込むことができず、触媒層28の下端11にて捕捉される。すなわち、触媒層28の下端11が捕捉部となる。固体成分Xを同伴しなくなったまたは固体成分Xの同伴が大幅に減少された原料ガスGは、触媒層28に流入し、水蒸気Sと共に改質触媒の下で改質反応し、還元性ガスDとなる。還元性ガスDは、触媒層28を上方に通過し、容器22の上端の排出流路26から流出する。
【0031】
上記の運転において、触媒層28の下端11、すなわち捕捉部11で、固体成分Xはスクリーンあるいは改質触媒の粒子の間を通過することができず、堆積する。固体成分Xの堆積量が多くなると、捕捉部11において原料ガスGおよび水蒸気Sが流れにくくなる。あるいは、流路が閉塞される。そこで、ある程度固体成分Xが堆積すると、原料ガスGや水蒸気Sの導入を止め、加圧水蒸気ノズル14から捕捉部11に加圧水蒸気Pを噴射する。加圧水蒸気ノズル14は、図2に示すように容器22の側壁に固定したノズルでもよいが、ノズル先端が捕捉部11の下部を移動し、加圧水蒸気Pを噴射する位置を変えることができる構成としてもよい。加圧水蒸気Pの噴射を受けると、堆積した固体成分Xは加圧水蒸気Pの急速な流れと共に捕捉部11から容器22の触媒層28の下部の空間に飛散する。飛散した固体成分Xは、自重により落下する。固体成分Xは触媒層28の下部の空間で落下することにより、導入流路24の鉛直方向に配設された部分に落ち込む。固体成分Xは、T字管の部分でもそのまま落下し、導入流路24の水平方向に配設された方向ではなく、鉛直に配設された固体粒子回収箱12に収納される。固体粒子回収箱12に収納された固体成分Xは、その後に導入流路24から原料ガスGが送られるようになっても、固体粒子回収箱12中から出ることはなく、固体成分Xを原料ガスGから排除することができる。
【0032】
図2に示す実施例では、上記説明から分かるように、固体粒子除去部10(図1参照)は、捕捉部11、加圧水蒸気ノズル14(および加圧水蒸気生成装置、配管)並びに固体粒子回収箱12を備えている。この場合、捕捉部11が、触媒層28へ原料ガスGを導入する位置である触媒層28の下端であるので、固体粒子除去部10が触媒層28へ原料ガスGを導入する位置に配置されていることになる。上記の説明では、捕捉部11に堆積した固体成分Xを排除するのに加圧水蒸気Pを噴射するものとして説明した。加圧水蒸気Pを用いると、加圧水蒸気Pが容器22内に残留しても、改質反応に用いられる水蒸気Sと一緒になり改質反応に用いられるので好適である。しかし、噴射する気体は加圧水蒸気P以外の気体であってもよく、例えば、窒素等の不活性なガスは、容器22内に残留した気体が改質反応、あるいは、還元性ガスDの酸化反応に影響することがないので、好適に用いられる。
【0033】
次に、図3は、改質器20bの触媒層28の下端の捕捉部11で固体成分Xを捕捉し、容器22を振動させることにより捕捉した固体成分Xを排除する、改質器20bと組み合わされた固体粒子除去部10(図1参照)を説明する断面図である。容器22、触媒層28および改質触媒、スクリーン並びに導入流路24、固体成分回収箱12、排出流路26は、図2に示した実施例と同様であるので、重複する説明は省略し、相違点のみを説明する。改質器20bでは、容器22に加圧水蒸気ノズル14が配設されず、容器22に衝撃力を与え、容器22全体を振動させる振動励起器としてのハンマー16を備えている。ハンマー16は、容器22に振動を与え、容器22が振動することによって、触媒層28が振動し、その結果、触媒層28の下端の捕捉部11が振動することにより、捕捉部11に堆積した固体成分Xを揺り落とすための器具である。典型的には、原料ガスGを流通しながら、周期的にハンマー16で容器22を打撃することにより、固体成分11の捕捉部11への堆積を防止する。あるいは、固体成分Xが捕捉部11に大量に堆積し、原料ガスGの流通が悪くなったときに、原料ガスGの導入を一時的に停止し、ハンマー16で容器22を打撃し、その結果生ずる捕捉部11の振動により、堆積した固体成分Xを落下させてもよい。落下した固体成分は、触媒層28の下部の空間に飛散する。飛散した固体成分Xが、導入流路24を逆流し、T字管で鉛直下方に落下し、固体成分回収箱12に収納されるのは、図2に示した実施例と同じである。
【0034】
図3では、ハンマー16として、ハンマーヘッドを下方にしたハンマー16が揺動して容器22の側壁を打撃し、振動を励起するように示されている。ハンマー16を揺動する手段は、周知の技術を用いることができる。なお、ハンマー16で容器22を打撃し振動を励起するのは、他の構成であってもよい。また、振動を励起する振動励起器は、ハンマー16ではなく、例えばバネの付勢を解放することによりバネの一端が容器22の側壁を打撃して振動を励起する構成でもよく、電磁エネルギーにより容器22に振動を励起してもよい。図3に示す実施例では、上記説明から分かるように、固体粒子除去部10(図1参照)は、捕捉部11および固体成分回収箱12と排除機としてのハンマー16とを備えている。
【0035】
次に、図4は、改質器20cの触媒層28の下端の捕捉部11で固体成分Xを捕捉し、捕捉部11に堆積した固体成分Xを掻き落とすための掻き取り装置18を用いた固体粒子除去部10(図1参照)を説明する断面図である。容器22、触媒層28および改質触媒、スクリーン並びに導入流路24、固体成分回収箱12、排出流路26は、図2に示した実施例と同様であるので、重複する説明は省略し、相違点のみを説明する。改質器20cでは、容器22に加圧水蒸気ノズル14が配設されず、捕捉部11に堆積した固体成分を機械的に掻き取る掻き取り装置18を備える。掻き取り装置18は、捕捉部11の直下に配置され、捕捉部11を、具体的にはスクリーンの下面を掻く爪を有する。爪は、爪を移動するアーム(不図示)あるいはレールを走行する移動具(不図示)に保持され、捕捉部11の略全面を移動する。爪の形状は、捕捉部11に堆積した固体成分Xを掻き取れる構造であればよく、1枚のヘラのような形状であっても、熊手のように複数の細い爪を有していてもよい。捕捉部11に固体成分Xが堆積すると、掻き取り装置18の爪が捕捉部11の面に沿って移動しながら、固体成分Xを掻き取る。掻き取られることにより、堆積した固体成分Xは落下し、触媒層28の下部の空間に飛散する。飛散した固体成分Xは、導入流路24を逆流し、T字管で鉛直下方に落下し、固体成分回収箱12に収納されるのは、図2に示した実施例と同じである。
【0036】
上記の説明では、堆積した固体成分Xを爪で掻き取るものとして説明し、爪は掻き取りに適するように、例えば金属製の剛な構造であるのが一般的である。しかし、例えばブラシあるいは刷毛のように、柔軟性を有するもので、捕捉部11に堆積した固体成分Xを掻き取り、あるいは、捕捉部11をなでることにより、固体成分Xを落下させてもよく、このような構成も、掻き取り装置18の範疇に含まれるものとする。ブラシや刷毛のように柔軟性のあるもので固体成分Xを落下させると、スクリーンを爪で痛めることがない。しかし、剛な爪で掻き取ることにより、硬く堆積した固体成分Xも排除することができるので、排除する能力は高くなる。また、捕捉部11を掻き取るのは、固体成分Xの堆積した後でなく、連続的にあるいは短周期で掻き取ってもよい。特に刷毛のような柔らかい素材で掻き取るときには、固体成分Xが捕捉部11で堆積し固化する前に掻き取るのがよい。図4に示す実施例では、上記説明から分かるように、固体粒子除去部10(図1参照)は、捕捉部11および固体成分回収箱12と排除機としての掻き取り装置18とを備えている。
【0037】
次に、図5および図6を参照して、改質器20(図1参照)とは別体に構成された固体粒子除去部10(図1参照)の実施例を説明する。図5は、原料ガスGの流路断面積が変化する流路で固体を除去する固体粒子除去部110の断面図である。固体粒子除去部110では、固体成分Xを同伴する原料ガスGが、細い流路112から太い流路114へ流れる。細い流路112から太い流路114へ至ることにより、流路断面積が急激に大きくなり、原料ガスGの流速は急激に低下する。流速が低下することにより、原料ガスGが固体成分Xを搬送する能力が低下し、その結果、固体成分Xは原料ガスGに同伴せず、太い流路114で落下する。太い流路114を水平に配置することにより、原料ガスGに同伴せず落下した固体成分Xは、太い流路114の管底に堆積することになる。太い流路114では、管底に固体成分Xが堆積しても、断面積の減少は微々たるものであり、原料ガスGの流速に及ぼす影響はほとんどない。なお、太い流路114を水平ではなく、下流側に向けて下方に傾斜させ、流路断面積が変化する位置の近傍にだけ固体成分Xが堆積するのを防止してもよい。また、流路断面積が変化する位置の近傍の管底に、あるいは、下流側の管底に固体成分回収箱12(図2参照)を連接し、固体成分回収箱12で管底へ落下した固体成分Xを収納し、管底への固体成分Xの堆積を低減させてもよい。
【0038】
図5では、細い流路112と太い流路114とが同心(コンセントリック)に接続されているが、異心(エクセントリック)に接続されてもよい。異心に接続されるときには細い流路112は、太い流路114の上半分、好ましくは管断面の上端付近に接続するのがよい。細い流路112が太い流路114の管断面の上端付近に接続することにより、太い流路114に固体成分Xが堆積しても、流路を狭め、一旦堆積した固体成分Xが狭められた流路を原料ガスGが流速を速めて流れることにより、再度原料ガスGに同伴されてしまうことが防ぎ易い。また、細い流路112と太い流路114との管底の段差が大きければ、段差の位置に固体成分回収箱12(図2参照)を連接することもできる。なお、これまでの説明では、太い流路112と細い流路114とは管路として説明したが、ダクトあるいはコンジットで構成してもよい。また太い流路114は、その間で原料ガスG中に同伴される固体成分Xが除去される長さを有していればよく、その先で再び細い流路となってもよい。図5では管自体の断面が変化しているが、均一の断面の管において、じゃま板等を設置することにより流路を狭める構成としてもよい。
【0039】
次に、図6は、原料ガスGの流路に並列に配置された2つのフィルタ123、126で固体成分Xを捕捉し、原料ガスGから固体成分Xを除去する固体粒子除去部120の構成断面図である。改質器20に原料ガスGを導入する流路25が2本の並列する流路122、125に分かれている。2本の流路122、125にはそれぞれフィルタ123、126が配設されている。フィルタ123、126には、原料ガスGは通過するが、同伴されている固体成分Xは通過できないフィルタ要素124、127が流路断面に備えられている。2本の並列する流路123、126にそれぞれ閉止弁(不図示)を設置し、あるいは、導入流路25が2本の並列する流路123、126に分岐するところに三方弁(不図示)を設置し、2本の並列する流路123、126のうちいずれかの流路にのみ原料ガスGが流れるようにする。固体成分Xを同伴している原料ガスGは、2つのフィルタ123、126のうちいずれかを通過する際に、固体成分Xがフィルタ要素124、127に捕捉され、改質器20には固体成分Xが除去された原料ガスGが導入される。なお、図6では、触媒層28が改質器20の容器22の下方に形成されているが、触媒層28は容器の中段あるいは上部に形成されてもよく、あるいは、容器22中の総てが改質触媒で充填された触媒層28であってもよい。
【0040】
フィルタ要素124、127に固体成分Xが捕捉され堆積すると、原料ガスGの流れ抵抗が増大する。そこで、2つのフィルタ123、126の内、原料ガスGが流れていない方のフィルタのフィルタ要素124、127に堆積した固体成分Xを排除する。例えば、フィルタ123、126の上流側と下流側とに閉止弁(不図示)を設置し、流路122、125と絶縁した後、フィルタ123、126を流路122、125から取り外して、フィルタ要素124、127を掃除することによりあるいは交換することにより、堆積した固体成分Xを排除してもよい。この場合、フィルタ123、126の上流側と下流側との閉止弁は、2本の並列する流路123、126のうちいずれかの流路にのみ原料ガスGが流れるようにするために設置された閉止弁と同一でよい。あるいは、流路122、125に例えば排ガスE(図1参照)などを逆流するように配管(不図示)を接続し、フィルタ123、126中を排ガスEを逆流させて、フィルタ要素124、127に堆積した固体成分Xをフィルタ123、126から流路122、125に逆流させてもよい。この場合には、流路122、125を逆流する排ガスEと固体成分Xとを原料ガスGと混ぜることなく、別の配管(不図示)に流出させる。途中に固体成分回収箱12(図2参照)を備えて固体成分を収納してもよい。
【0041】
このように、固体粒子除去部120では原料ガスを流す2本の並列した流路122、125と、流路122、125にそれぞれ配設されたフィルタ123、126とを備えることにより、一のフィルタ123、126で原料ガスGから固体成分Xを除去しながら、他のフィルタ要素124、127に堆積した固体成分Xを排除することができるので、原料ガスGの流れを止めることなく、すなわち、水素製造装置1の運転を停止することなく、フィルタ要素124、127に堆積した固体成分Xを排除できるので、運転効率が高くなる。なお、図6では、原料ガスGが下方から上方に流れるように図示されているが、固体粒子除去部120では原料ガスGの流れ方向は、上向きでなくてもよく、水平、あるいは下向きであってもよい。
【0042】
続いて、図1を参照して、これまで説明した水素製造装置1で製造された水素ガスhを用いて発電を行う燃料電池発電装置5について説明する。なお、水素製造装置1については、既に説明しているので、重複する説明は省略する。水素製造装置1で製造された水素ガスhが燃料電池80の燃料極84に送られる。燃料電池80の空気極86には、酸化剤ガスとしての空気Oが送られる。燃料電池80は、燃料極84と空気極86との間に高分子電解質膜82を備えており、燃料極84の水素ガスhの水素Hと、空気極86の空気O中の酸素Oとの間の電気化学的反応により、発電が行われる。高分子電解質膜82を用いた、いわゆる固体高分子型燃料電池は、典型的には80℃〜100℃で運転されるので、たとえば500℃で反応する電解槽30から排出される水素ガスhを熱交換器44で、80℃〜100℃に冷却する。さらに、空気Oを80℃〜100℃に加温するため、水素ガスhと空気Oとの熱交換を行う熱交換器(不図示)を備えてもよい。また、燃料電池として高温域で運転される固体酸化物燃料電池(SOFC)を利用する場合には、熱交換器による冷却を不要とすることができる。
【0043】
燃料電池発電装置5では、水素製造装置1を備えているので、バイオマスなどを原料とし、バイオマスを熱分解した熱分解ガスのように固体成分を同伴する原料ガスGから水素ガスhを製造し、水素ガスhを用いて燃料電池80で発電することができるので、カーボンニュートラルなバイオマスを原料とした、環境に優しく、かつ、効率のよい発電装置となる。なお、上記の説明では、酸化剤ガスとして空気Oを用いて説明したが、酸化剤ガスは空気Oに限られず、水素ガスh中の水素Hを酸化する酸素Oを含有するガスであればよく、酸素ガス等も好適に用いられる。さらに、上記の説明では、燃料電池80は、固体高分子型燃料電池として説明したが、燃料電池は他のいかなるタイプの燃料電池であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による水素製造装置の構成と、水素製造装置で製造された水素を用いて発電を行う燃料電池発電装置を説明するブロック図である。
【図2】改質器の触媒層で固体成分を捕捉し、加圧水蒸気で捕捉された固体成分を排除する、改質器と組み合わされた固体粒子除去部を説明する断面図である。
【図3】改質器の触媒層で固体成分を捕捉し、容器を振動させることにより捕捉した固体成分を排除する、改質器と組み合わされた固体粒子除去部を説明する断面図である。
【図4】改質器の触媒層で固体成分を捕捉し、捕捉部に堆積した固体成分を掻き落とすための掻き取り装置を用いた固体粒子除去部を説明する断面図である。
【図5】原料ガスの流路断面積が変化する流路で固体を除去する固体粒子除去部の断面図である。
【図6】原料ガスの流路に並列に配置された2つのフィルタで固体成分を捕捉し、原料ガスから固体成分を除去する固体粒子除去部の構成断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 水素製造装置
5 燃料電池発電装置
10、110、120 固体粒子除去部
11 捕捉部(固体粒子除去部)
12 固体粒子回収箱(固体粒子除去部)
14 加圧水蒸気ノズル(排除機、固体粒子除去部)
16 ハンマー(排除機、固体粒子除去部)
18 掻き取り装置(排除機、固体粒子除去部)
20、20a〜c 改質器
22 容器
24 導入流路
26 排出流路
28 触媒層
30 電解槽
34 アノード室
36 カソード室
80 燃料電池
82 高分子電解質膜
84 燃料極
86 空気極
112 細い流路
114 太い流路
122、125 並列な流路
123、126 フィルタ
124、127 フィルタ要素
D 還元性ガス
G 原料ガス
h 水素ガス(水素)
O 空気(酸化剤)
P 加圧水蒸気
S 水蒸気(水)
X 固体成分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素を含有する原料ガスを用いて水素を製造する水素製造装置であって:
原料ガスを改質する改質器と;
前記原料ガス中の固体成分を除去する固体粒子除去部とを備える;
水素製造装置。
【請求項2】
前記改質器が、原料ガスを改質して還元性ガスを製造し;
前記還元性ガスと水を導入し、電気分解により水素を製造する電解槽をさらに備える;
請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】
前記改質器は改質触媒が充填された触媒層を有し;
前記固体粒子除去部は、前記触媒層へ前記原料ガスを導入する位置に配置され、前記原料ガス中の固体成分を捕捉する捕捉部と、前記捕捉部で捕捉した固体成分を前記捕捉部から排除する排除機とを有する;
請求項1または請求項2に記載の水素製造装置。
【請求項4】
前記固体粒子除去部が、前記原料ガスの流路断面積が変化する流路を有する;
請求項1または請求項2に記載の水素製造装置。
【請求項5】
前記固体粒子除去部が、前記原料ガスの流れに対し並列に配置された、前記固体成分を捕捉する2以上のフィルタを有する;
請求項1または請求項2に記載の水素製造装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の水素製造装置と;
前記製造された水素を導入し、発電を行う燃料電池とを備える;
燃料電池発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−270212(P2007−270212A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95529(P2006−95529)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】