説明

没食子酸誘導体およびその調製方法

本発明は、植物成長調節活性を有する新規な生物活性合成分子であるメタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートを提供する。さらに詳しくは、本発明は、構造式(1)および分子式C2626を有する没食子酸誘導体の、強力な植物成長促進活性に関する。本発明はさらに、天然由来の化合物から前記分子を調整するため、およびCIMAPにおいて開発されたバコパ(Bacopa)試験システム(カーヌジャ(Khanuja)ら、2001)を使用してその成長調節活性を試験するための、新規な方法を提供する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物成長調節活性を有する新規な生物活性合成分子であるメタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートを提供する。さらに詳しくは、本発明は、構造式1および分子式C2626を有する没食子酸誘導体の、強力な植物成長促進活性に関する。本発明はさらに、天然由来の化合物から前記分子を調製するため、およびCIMAPにおいて開発されたバコパ(Bacopa)試験システム(カーヌジャ(Khanuja)ら、2001)を使用してその成長調節活性を試験するための、新規な方法を提供する。
【0002】
【化3】

【背景技術】
【0003】
植物成長物質は、すべての植物種の成長と発育過程において重要な役割を担っている。植物成長物質に関する先駆者たち、すなわち、チャールズ・ダーウィン(Charles Derwin)、ボイセン=ジェンセン(Boycen−Jensen)らは、植物の成長現象は、植物によって産生されるある種の化学物質の調節下にあることを認識していたし、1928年には、F.W.ウェント(F.W.Went)が、植物内に成長調節物質が存在していることを見事に実証した。それらの化合物は、収量を向上させたり、品質を改良したり、あるいは収穫を容易にしたりと、植物の生命現象や構造を有利な方向に変化させるのに有用である。植物成長ホルモン、オートムギの幼苗からのオーキシン、および真菌からのジベレリン、ならびにいくつかの植物二次産生物たとえばフェノール類、脂質、ステロイドおよびテルペノイドなどが、植物の成長および発育に関連していることが判っている。一つのタイプの植物ホルモンである、オーキシンおよびその合成模倣体は、特に興味深い。オーキシン様活性は、細胞分裂、芽の下端における発根、芽の伸長、頂芽優性、屈光性、および器官たとえばつぼみ、花、果実、葉などの器官脱離の調節などの植物プロセスの多くに影響していることが知られている。後者のいくつかは、内因性成長ホルモンと共に働いて、成長応答を促す。天然の成長物質とは異なるが、ある種の合成化合物も、同様の生物学的反応を誘導する。合成ポリヒドロキシル化ステロイドラクトンが、極めて効果的な植物成長促進物質であることが見出された[トンプソン(Thompson)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第44巻、p.5002〜5004、1979年(非特許文献1);トンプソン(Thompson)ら;米国特許第4,346,226号明細書(特許文献1)]。いくつかのオリゴサッカリン、ブラシノライドおよびジャスモネートが、植物成長、発育および遺伝子発現における従来になかった調節剤として報告された[クラウゼ・S.D.(Clouse,S.D.)、1996年、プラント・ジャーナル(Plant J.)、第10巻、p.1〜8(非特許文献2)]。
【0004】
オーキシン様活性を有する植物成長調節剤には、農業において使用するための重要な化学物質が含まれる。1994年の時点で、全世界で農業に使用することが認められた、オーキシン様活性を有する化合物は、約29種存在した。それらの化合物の内で、米国で使用が認められたのは21種であった[クロシュビッツ(Kroschwitz)ら編、『カーク=オスマー・エンサイクロペディア・オブ・ケミカル・テクノロジー(KIRK−OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY)』第4版、ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ(John wiley & Sons)、ニューヨーク(New York)、1994年(非特許文献3)]。特に広く使用されている合成オーキシンは、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)である。多くの使用法のうちでも特に、2,4−Dは、カリフォルニアやフロリダ(さらには、柑橘類の生長する国々、たとえばイスラエル、スペイン、モロッコ、南アフリカなど)において、収穫前の落果を防止し、果実のサイズを大きくさせるために柑橘類の樹木の葉にスプレーされている。
【0005】
食用作物に対して外因性の化学物質を農業用に撒布することに対する、社会の各種のセグメント、たとえば農産業者、農業従事者支援団体、環境グループ、消費者などによる監視の目が、ますます厳しくなってきている。米国においては、農産業者の関心は、植物成長調節剤は、連邦環境庁(Environmental Protection Agency、EPA)に公式に登録してから、使用または販売が許可されることにならねばならない、という点から来ている。さらに、植物成長調節剤の方が農薬よりも、収穫により近い時期に撒布されることが多いので、その安全に対する実務的な要請は、さらに厳しいものとなっている。
【0006】
好適な登録をしようとすると、そのスクリーニング工程は、時間がかかり、経費も高いものとなる。その工程に含まれるのは、ヒト、環境、および対象となっていない種に対する、植物成長調節剤の安全障害の評価である。さらに、急性および慢性毒性も調べなければならない。農産業者は、より経費のかかる登録前のプログラムのコストの一部を負担している。さらに、農産業者は典型的には、特定の用途のためにその化合物を再登録するための経費の一部を負担している。たとえば、カリフォルニアの柑橘産業では、収穫前の落果防止剤としての2,4−Dの再登録を有効とするために、約200万ドルを支払っている。それらの経費の問題に加えて、合成植物成長調節剤が有している可能性のある毒性が、それらの使用の安全性に関してさらなる関心を引き起こしている。
【0007】
環境グループ、農業従事者支援団体、および消費者の関心は、植物成長調節剤が有している可能性のある毒性から起きている。たとえば、2,4−Dやその関連のフェノキシ酸のようなオーキシン模倣体は、中等度の急性毒性を有し、皮膚または眼に対する局所作用も中等度である。スウェーデンにおける細胞発生学研究の結果では、実際に2,4−Dが人の細胞発生において危険性があることが判った。さらに、2,4−Dが中枢神経系毒性を示すことも見出された。
【0008】
それらが収穫前の落果防止および果実のサイズ増大に使用されることを考慮し、さらに登録、再登録の出費、およびオーキシン模倣体における毒性の可能性なども考え合わせると、合成オーキシンの使用に代わる方法が積極的に探索されている。天然オーキシンおよび天然オーキシン前駆体を植物や土壌に撒布することは、合成オーキシン模倣体を使用することの特に有望な代替え方法である。たとえば、L−トリプトファンは、インドール−3−酢酸(IAA)の微生物形成のための前駆体として機能するとの報告がある[たとえば、アーシャッド(Arshad)およびフランケンベルガー(Frankenberger)、プラント・ソイル(Plant Soil)、第133巻、p.1〜8、1991年参照(非特許文献4)]。
【0009】
さらに、トリプトファンを土壌に撒布してIAAを合成させると、植物の成長が促進されることも判った。たとえば、トリプトファンを撒布し、トリプトファンからIAAを産生することが可能な菌を接種することによって、ベイマツ(Douglas fir)の成長が促進された。(トリプトファンを無菌状態の土壌(すなわち、蒸気滅菌した土壌)に撒布した場合には、IAAへのL−TRPの転化は観察されなかった[マルテンス(Martens)およびフランケンベルガー(Frankenberger)、ソイル・サイエンス(Soil Science),第155巻、p.263〜271、1993年(非特許文献5)]。したがって、トリプトファンからIAAへの転化は、微生物が介在する工程であると結論された。天然の成長物質とは異なるが、ある種の合成化合物も、同様の生物的応答を誘導する。
【0010】
合成ポリヒドロキシル化ステロイドラクトンは、極めて効果的な植物成長促進物質であることが見出された。いくつかのオリゴサッカリン、ブラシノライドおよびジャスモネートが、植物成長、発育および遺伝子発現における従来になかった調節剤として報告された。明確な応答により、環境危険性および生物活性分子を検出するためのバイオセンサーとしての、効果的で新規な植物システムが、CIMAPにおいて開発され、新規な分子について植物成長調節剤を含めてその生物学的活性を試験するために使用されている。
【特許文献1】米国特許第4,346,226号明細書
【非特許文献1】トンプソン(Thompson)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第44巻、p.5002〜5004、1979年
【非特許文献2】クラウゼ・S.D.(Clouse,S.D.)、1996年、プラント・ジャーナル(Plant J.)、第10巻、p.1〜8
【非特許文献3】クロシュビッツ(Kroschwitz)ら編、『カーク=オスマー・エンサイクロペディア・オブ・ケミカル・テクノロジー(KIRK−OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY)』第4版、ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ(John wiley & Sons)、ニューヨーク(New York)、1994年
【非特許文献4】アーシャッド(Arshad)およびフランケンベルガー(Frankenberger)、プラント・ソイル(Plant Soil)、第133巻、p.1〜8、1991年
【非特許文献5】マルテンス(Martens)およびフランケンベルガー(Frankenberger)、ソイル・サイエンス(Soil Science),第155巻、p.263〜271、1993年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、新規な生物活性合成化合物である、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートを提供する。さらに詳しくは、本発明は、構造式1を有する、強力な植物成長調節剤活性を有する新規な合成分子の開発に関する。本発明はさらに、天然由来の化合物から前記分子を調製するための方法を提供する。問題としている分子は、淡黄色の油状物で、分子式C2626を有する。さらに本発明は、植物バイオセンサーシステム「バコパ(Bacopa)試験」を使用した、没食子酸誘導体の植物成長促進活性を提供する。本発明はさらに、該分子を製造するための効率的かつ経済的な方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の主たる目的は、構造式(1)を有する、新規な没食子酸誘導体、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエート、C2626を提供することにある。
【0013】
本発明のもう一つの目的は、植物成長調節剤として有用な、構造式(1)によって表される、新規な没食子酸誘導体、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエート、C2626を提供することにある。
【0014】
本発明の別な目的は、構造式4と分子式C2018を有し、植物の発育における植物成長調節剤として有用な、新規な没食子酸誘導体、2−O−ナフチル,3’,4’,5’−トリメトキシベンゾエートを提供することにある。
【0015】
本発明のまた別な目的は、化合物1の合成の過程で得られ、構造式5および分子式C1718を有し、植物の成長を調節することが可能な化合物である、新規な没食子酸誘導体、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−オールを提供することにある。
【0016】
本発明のさらに別な目的は、容易に入手可能な出発物質から高い収率で得ることが可能な、構造式(1)で表されるこの生物活性化合物を調製するための、効率的かつ経済的な方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
したがって、本発明の主たる実施態様は、構造式1および分子式C2626を有する、新規な合成植物成長調節剤化合物、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートに関する。
【0018】
【化4】

【0019】
本発明の別な実施態様は、化合物1の合成の過程で得られ、構造式5および分子式C1718を有し、植物の成長を調節することが可能な化合物である、新規な化合物、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−オールに関する。
【0020】
【化5】

【0021】
本発明のさらに別な実施態様は式1を有する前記化合物に関し、ここで該式1を有する化合物は、オーキシン様の植物成長調節活性を有している。
【0022】
本発明のまた別な実施態様は式1の化合物に関し、ここで該化合物は、芽の伸長を15日以内で約2cm促進する。
【0023】
本発明の別な実施態様は式1の化合物に関し、ここで該化合物は、芽の伸長を15日以内で約1.6cm促進する。
【0024】
本発明のさらにもう一つの実施態様は式1の化合物に関し、ここで該化合物は、培地A3において3週間以内に約2〜5本の芽を産出する。
【0025】
本発明のさらなる実施態様は式1の化合物に関し、ここで該化合物は、培地A3において3週間以内に約3〜4本の芽を産出する。
【0026】
本発明のまた別な実施態様は式1の化合物に関し、ここで該化合物は、低濃度においてもカルス形成および芽分化をより効率的に促進する。
【0027】
本発明のまた別な実施態様は構造式1、すなわち、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートで、分子式C2626を有する化合物を調製するための方法に関し、該方法には以下の工程を含む:
(a)没食子酸をメチル化する工程であって、没食子酸を反応媒体中の適切な溶媒中のメチル化剤およびアルカリを用いて処理することにより、構造式3を有する中間体、すなわち、3,4,5−トリメトキシ安息香酸を得る工程;
(b)工程(a)において得られた3,4,5−トリメトキシ安息香酸を、カルボン酸活性化剤、適切な塩基および有機溶媒の存在下に2−ナフトール反応させて、構造式4および分子式C2018を有する中間体化合物を得る工程;
(c)工程(b)において得られた構造式4を有する化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製する工程;
(d)工程(c)の構造式4を有する化合物を、適切なルイス酸の存在下、約50〜150℃の温度範囲でフリース(Fries)転位をさせ、次いで、カラムクロマトグラフィーによる精製を行って、構造式5および分子式C1718を有する中間体を約15〜40%の範囲で得る工程;および
(e)工程(d)からの構造式5を有する中間体を、塩基および適切な有機溶媒からなる適切な反応媒体中で、ハロクロトン酸アルキルと反応させて、構造式1および分子式C2626を有する、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートを、約45〜75%の範囲で得る工程。
【0028】
本発明のさらに別な実施態様は工程(a)におけるメチル化剤に関し、ここで該メチル化剤は、硫酸ジメチルまたはヨウ化メチルからなる群より選択される。
【0029】
本発明のまた別な実施態様はメチル化剤に関し、ここで使用されるメチル化剤は、硫酸ジメチルである。
【0030】
本発明のもう一つの実施態様は工程(a)におけるメチル化剤に関し、ここで該メチル化剤の量は約20〜30mlの範囲である。
【0031】
本発明のもう一つの実施態様は工程(a)におけるメチル化剤に関し、ここで該メチル化剤の量は約21〜28mlの範囲である。
【0032】
本発明のまた別な実施態様は工程(a)におけるアルカリに関し、ここで該アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムからなる群より選択される。
【0033】
本発明の別な実施態様はアルカリに関し、ここで使用されるアルカリは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
【0034】
本発明のさらに別な実施態様は工程(a)におけるアルカリに関し、ここで該アルカリの量は、約10〜25gの範囲である。
【0035】
本発明のさらに別な実施態様は工程(a)におけるアルカリに関し、ここで該アルカリの量は、約16〜20gの範囲である。
【0036】
本発明のもう一つの実施態様は工程(a)の溶媒に関し、ここで該溶媒は水、メタノールおよびアセトンからなる群より選択される。
【0037】
本発明のまた別な実施態様は溶媒に関し、ここで工程において使用される溶媒は水である。
【0038】
本発明の別な実施態様は工程(a)における溶媒に関し、ここで該溶媒の量は約50〜120mlの範囲である。
【0039】
本発明の別な実施態様は工程(a)における溶媒に関し、ここで該溶媒の量は約60〜100mlの範囲である。
【0040】
本発明のさらに別な実施態様は工程(b)における2−ナフトールに関し、ここで2−ナフトールの量は、約2〜5gの範囲である。
【0041】
本発明のさらに別な実施態様は工程(b)における2−ナフトールに関し、ここで2−ナフトールの量は、約3.6〜4gの範囲である。
【0042】
本発明のまた別な実施態様は工程(b)の活性化剤に関し、ここで該活性化剤は、ジシクロヘキシカルボイイミド(DCC)およびN’(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボイイドミド塩酸塩(EDC)からなる群より選択される。
【0043】
本発明のさらに別な実施態様は活性化剤に関し、ここで使用される活性化剤はDCCである。
【0044】
本発明のもう一つの実施態様は工程(b)における活性化剤に関し、ここで該活性化剤の量は、約2〜5gの範囲である。
【0045】
本発明のもう一つの実施態様は工程(b)における活性化剤に関し、ここで該活性化剤の量は、約3.6〜4gの範囲である。
【0046】
本発明の別な実施態様は工程(b)の塩基に関し、ここで塩基は、ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはトリエチルアミン(TEA)からなる群より選択される。
【0047】
本発明のまた別な実施態様は工程(b)における塩基に関し、ここで該塩基の量は、約25〜60gの範囲である。
【0048】
本発明のまた別な実施態様は工程(b)における塩基に関し、ここで該塩基の量は、約30〜50gの範囲である。
【0049】
本発明のさらに別な実施態様は工程(b)における有機溶媒に関し、ここで該有機溶媒は、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドからなる群より選択される。
【0050】
本発明のもう一つの実施態様は有機溶媒に関し、ここで該有機溶媒はジクロロメタンである。
【0051】
本発明の別な実施態様は工程(b)における有機溶媒に関し、ここで該有機溶媒の量は、約30〜80mlの範囲である。
【0052】
本発明の別な実施態様は工程(b)における有機溶媒に関し、ここで該有機溶媒の量は、約40〜70mlの範囲である。
【0053】
本発明のさらに別な実施態様は、工程(c)および(d)のカラムクロマトグラフィーに関し、ここで該カラムクロマトグラフィーの吸着剤は、シリカゲル、ケイ酸またはフルオロシルからなる群より選択される。
【0054】
本発明のもう一つの実施態様は吸着剤に関し、ここで、使用される吸着剤はシリカゲルである。
【0055】
本発明の別な実施態様は工程(d)における温度に関し、ここで該温度は約60〜130℃の範囲である。
【0056】
本発明のまた別な実施態様は工程(d)のルイス酸に関し、ここで、該ルイス酸は、塩化アルミニウム、塩化亜鉛またはポリリン酸からなる群より選択される。
【0057】
本発明の別な実施態様はルイス酸に関し、ここで使用されるルイス酸は塩化アルミニウムである。
【0058】
本発明のもう一つの実施態様は工程(d)におけるルイス酸に関し、該ルイス酸の量は約1〜5gの範囲である。
【0059】
本発明のもう一つの実施態様は工程(d)におけるルイス酸に関し、該ルイス酸の量は約2〜3gの範囲である。
【0060】
本発明のさらに別な実施態様は工程(d)における構造式5および分子式C1718を有するメタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−オール中間体の収率に関し、ここで前記化合物の収率は約20〜31.2%の範囲である。
【0061】
本発明のもう一つの実施態様は工程(e)におけるハロクロトン酸アルキルに関し、ここで該ハロクロトン酸アルキルは、クロロクロトン酸メチル、ブロモクロトン酸メチルまたはブロモクロトン酸エチルからなる群より選択される。
【0062】
本発明のさらに別な実施態様はハロクロトン酸アルキルに関し、ここで該ハロクロトン酸アルキルはブロモクロトン酸エチルである。
【0063】
本発明の別な実施態様は工程(e)におけるハロクロトン酸アルキルに関し、ここで該ハロクロトン酸アルキルの量は、約0.1〜1.5mlの範囲である。
【0064】
本発明の別な実施態様は工程(e)におけるハロクロトン酸アルキルに関し、ここで該ハロクロトン酸アルキルの量は、約0.2〜0.5mlの範囲である。
【0065】
本発明のもう一つの実施態様は工程(e)における塩基に関し、ここで該塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸カリウムからなる群より選択される。
【0066】
本発明のさらに別な実施態様は塩基に関し、ここで、使用される塩基は炭酸カリウムである。
【0067】
本発明のまた別な実施態様は工程(e)における塩基に関し、ここで該塩基の量は、約0.5〜3gの範囲である。
【0068】
本発明のまた別な実施態様は工程(e)における塩基に関し、ここで該塩基の量は、約1〜2gの範囲である。
【0069】
本発明の別な実施態様は工程(e)における有機溶媒に関し、ここで該有機溶媒は、ジメチルホルムアミド、アセトンまたはメタノールからなる群より選択される。
【0070】
本発明のもう一つの実施態様は有機溶媒に関し、ここで使用される有機溶媒はアセトンである。
【0071】
本発明のさらに別な実施態様は工程(e)における有機溶媒に関し、ここで該有機溶媒の量は、約5〜15mlの範囲である。
【0072】
本発明のさらに別な実施態様は工程(e)における有機溶媒に関し、ここで該有機溶媒の量は、約6〜10mlの範囲である。
【0073】
本発明のもう一つの実施態様は、工程(e)における、構造式1および分子式C2626を有するメタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートの収率に関し、ここで、前記化合物の収率は、約47〜70%の範囲である。
【0074】
以下に示す実施例において本発明を詳細に説明するが、それらの実施例は本発明を説明するために提供されるものであって、本発明の範囲を限定するものと受け取ってはならない。
【実施例】
【0075】
実施例1:バコパ(Bacopa)センサーシステムを使用した、化合物1の成長促進活性
メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートの成長促進効果を試験するために、この化合物をDMSO中に溶解させ、培地に1.0g/mlの濃度で加えた。比較実験においては対照として溶媒だけを使用した。CIMAPにおける組織培養からバイオセンサーシステムとして開発されたバコパ・モンニエリ(Bacopa monnieri)の高速増殖系列(カーヌジャ(Khanuja)ら、ジャーナル・オブ・エンバイロメンタル・パソロジー・トキシコロジー・アンド・オンコロジー(J.Environ.Pathol.Toxicol.Oncol.)(JEPTO)、2001年、第20巻、p.15〜22)をこの試験では用いた。試験においては、試験化合物を補植したMS基本培地(ムラシゲ(Murashige)およびスクーグ(Skoog)、フィジオロジア・プランタルム(Physiol.olanta)、1962年、第15巻、p.473〜497)を使用した。0.5〜1.0mlの培地を測定して、1.5mlの目盛付きミクロ遠心管の中に注いだ。2.5cmの小枝片(twig cutting)を挿し枝した(inoculate)が、それぞれの処理について10個の反復試験片とした。それら挿し枝をした遠心管を、半透明のデシケータ中に入れ、開口通気部に固定した滅菌綿栓を通して空気を流通させた。遠心管は、発根がある筈のその管の培地を含む部分を、サーモコル(thermocol)シートで作成したスタンドの孔に挿入した。それらのデシケータを通常の周囲温度25〜28℃で、明14時間、暗10時間のサイクルでインキュベートした。第2日から第14日まで24時間ごとに、発根、芽の伸長、カルスの誘導、芽の増殖と「しおれ」を記録した。
【0076】
【表1】

【0077】
実施例−2:芳香植物種メンタ・アルベンシス(Mentha arvensis)を使用した化合物1の成長促進活性
メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートの成長促進活性を確認するために、薬用芳香植物種のメンタ・アルベンシス(Mentha arvensis)を用いた試験を行った。使用した外植片は、脇芽から形成させて栽培した芽の第二節間と第三節間の長さ0.5cmの小片であった。当該節間の部分を、MS基本培地(ムラシゲ(Murashige)およびスクーグ(Skoog)、フィジオロジー・プランタ(Physiol.plant)、1962年、第15巻、p.473〜497)に外植したが、該培地には、ビタミン類100μg/ml、ミオイノシトール3(w/v)%、スクロース1.5(w/v)%、寒天および各種濃度のオーキシンおよびサイトカイニンが含まれていた。各種濃度(0.0、0.2、2.0μg/ml)の1−ナフタレン酢酸(NAA)を、各種濃度(0、10および5μg/ml)の6ベンジルアミノプリン(BAP)と組み合わせて使用した。それぞれのタイプの培地に、10個の反復試験片を3枚のペトリ板の中に外植し、それぞれの板が4本の外植片を有するようにした。化合物1を逐次に、NAAおよびBAPのそれぞれの濃度で置きかえて、それぞれについてその成長促進活性を観察した。その実験は、完全無作為化計画(CRD)の形になるようにアレンジした。
【0078】
栽培系は25±2℃に維持して、16時間の光周期では400〜600ルクスの光度とした。外植片の応答を4週間にわたって、24時間毎に記録した。それぞれの外植片を2週間の間隔で観察して、同一の新しい培地で二次栽培をした。二次栽培の間に成長している組織のフレッシュな質量を測定し、その増加を元の質量で割り算することにより、バイオマスにおける比例的な増加を記録した。
【0079】
外植してから12週間経過したところで、芽を分離して、発根のためのビタミンを含むMS基本培地に個々に移植した。次いで根付いた植物を温室の中の容器に移植した。
【0080】
培地A3の組成:
応答を検討するための基本培地はMS0(ムラシゲ(Murashige),Tおよびスクーグ(Skoog),F.、フィジオロジー・プランタ(Physiol.planta)、1962年、第15巻、p.473〜497)に、2mg/lのIAA(インドール酢酸)および10mg/lのBAP(ベンゼンアミノプリン)を添加したものであった。
【0081】
培地A2の組成:
応答を検討するための基本培地はMS0(ムラシゲ(Murashige),Tおよびスクーグ(Skoog),F.、フィジオロジー・プランタ(Physiol.planta)、1962年、第15巻、p.473〜497)に、0.2mg/lのIAA(インドール酢酸)および5mg/lのBAP(ベンゼンアミノプリン)を添加したものであった。
【0082】
【表2】

【0083】
実施例3
生物活性化合物、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートの合成
(a)没食子酸を適切な有機溶媒反応媒体中でメチル化剤と反応させることにより、没食子酸をメチル化して3,4,5−トリメトキシ安息香酸とする工程(没食子酸は3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、C(OH)COHであり、無色無臭、結晶性有機酸で、没食子、ウルシ、茶葉、オークの樹皮、およびその他多くの植物の中に、遊離の状態またはタンニン分子(ガロタンニン)の一部分として存在している(コロンビア・エンサイクロペディア(Columbia Encyclopedia)、第6版、著作権2003年)。異なった医薬品活性を有する数種類の没食子酸誘導体が報告されている);
(b)3,4,5−トリメトキシ安息香酸を、適切な有機溶媒媒体の中でカルボン酸活性化剤、適切な塩基の存在下に2−ナフトールと反応させて、縮合反応生成物を得て、当該生成物を適切なカラムクロマトグラフィーを通して精製する工程;
(c)前記縮合反応生成物を、適切なルイス酸の存在下、60〜130℃でフリース(Fries)転位を行わせ、次いで、適切なカラムクロマトグラフィーにより、フェノール性ナフトフェノン誘導体を精製する工程;および最後に、
(d)前記フェノール性ナフトフェノン誘導体を、塩基と適切な有機溶媒とからなる適切な反応媒体中でハロクロトン酸アルキルを用いて処理することにより、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートを得る工程。
(e)工程(a)において使用されるメチル化剤は、硫酸ジメチルであっても、ヨウ化メチルであってもよい。
(f)工程(a)において使用されるアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群より選択される。
(g)工程(a)において使用される有機溶媒は、水、メタノールおよびアセトンからなる群より選択される。
(h)工程(a)におけるメチル化剤の量は、約21〜28mlの範囲である。
(i)工程(a)におけるアルカリの量は、約16〜20gの範囲である。
(j)2−ナフトールの量は、約3.6〜4gの範囲である。
(k)工程(a)における溶媒の量は、約60〜100mlの範囲である。
(l)工程(b)における活性化剤の量は、約3.6〜4gの範囲である。
(m)工程(b)における塩基の量は、約30〜50gの範囲である。
(n)工程(b)における有機溶媒の量は、約40〜70mlの範囲である。
(o)工程(b)において使用されるカルボン酸活性化剤は、DCCおよびEDCからなる群より選択される。
(p)工程(b)においてカルボン酸活性化剤と共に使用される塩基は、DMAPおよびTEAからなる群より選択される。
(q)工程(b)において使用される有機溶媒は、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドからなる群より選択される。
(r)工程(b)において使用されるカラムクロマトグラフィー吸着剤は、シリカゲル、ケイ酸およびフルオロシルからなる群より選択される。
(s)工程(c)において使用されるルイス酸は、塩化アルミニウム、塩化亜鉛およびポリリン酸からなる群より選択される。
(t)工程(c)において使用されるカラムクロマトグラフィー吸着剤は、シリカゲル、ケイ酸およびフルオロシルからなる群より選択される。
(u)工程(d)におけるルイス酸の量は、約2〜3gの範囲である。
(v)工程(d)において、フェノール性ナフトフェノンをエーテル化するために使用されるハロクロトン酸アルキルは、クロロクロトン酸メチル、ブロモクロトン酸メチルおよびブロモクロトン酸エチルからなる群より選択される。
(w)工程(d)におけるエーテル化反応において使用される塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群より選択される。
(x)反応(d)において使用される有機溶媒は、ジメチルホルムアミド、アセトンおよびメタノールからなる群より選択される。
(y)工程(e)におけるハロクロトン酸アルキルの量は、約0.2〜0.5mlの範囲である。
(z)工程(d)における塩基の量は、約1〜2gの範囲であり、そして工程(d)における有機溶媒の量は、約6〜10mlの範囲である。
【0084】
本明細書において工程(a)〜(d)に記載した反応の生成物は、以下の化学式で表される;
工程(a)
【0085】
【化6】

【0086】
1012(3,4,5−トリメトキシ安息香酸、3)
工程(b)
【0087】
【化7】

【0088】
2018[2−O−ナフチル,3’,4’,5’−トリメトキシ ベンゾエート、4]
工程(c)
【0089】
【化8】

【0090】
1718[メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−オール、5]
工程(d)
【0091】
【化9】

【0092】
2626[メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエート、1]

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式1を有し、分子式C2626を有する、新規な合成植物成長調節剤化合物である、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエート。
【化1】

【請求項2】
化合物1の合成の過程で得られ、構造式5および分子式C1718を有し、植物の成長を調節することが可能な化合物であって、新規な化合物である、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−オール。
【化2】

【請求項3】
前記分子が、オーキシン様の植物成長調節活性を有する、請求項1に記載の新規な化合物。
【請求項4】
前記式1の化合物が、15日以内に約2cmまでの芽伸長を促進する、請求項1に記載の新規な化合物。
【請求項5】
前記式1の化合物が、15日以内に約1.6cmまでの芽伸長を促進する、請求項4に記載の新規な化合物。
【請求項6】
前記式1の化合物が、培地A3中において、3週間以内に約2〜5本の芽を産生する、請求項1に記載の新規な化合物。
【請求項7】
前記式1の化合物が、培地A3中において、3週間以内に約3〜4本の芽を産生する、請求項6に記載の新規な化合物。
【請求項8】
前記式1の化合物が、低濃度において、カルス形成および芽分化を促進することに、より有効である、請求項1に記載の新規な化合物。
【請求項9】
構造式1すなわち、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートを有し、分子式C2626を有する化合物を調製するための方法であって、
前記方法が以下の:
(a)没食子酸をメチル化する工程であって、没食子酸を反応媒体中の適切な溶媒中のメチル化剤およびアルカリを用いて処理することにより、構造式3を有する中間体、すなわち、3,4,5−トリメトキシ安息香酸を得る工程;
(b)工程(a)において得られた3,4,5−トリメトキシ安息香酸を、適切な塩基および有機溶媒の存在下のカルボン酸活性化剤の存在下に2−ナフトール反応させて、構造式4および分子式C2018を有する中間体化合物を得る工程;
(c)工程(b)において得られた構造式4を有する化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製する工程;
(d)工程(c)の構造式4を有する化合物を、適切なルイス酸の存在下、約50〜150℃の温度範囲でフリース(Fries)転位をさせ、次いで、カラムクロマトグラフィーによる精製を行って、構造式5および分子式C1718を有する中間体を約15〜40%の範囲で得る工程;および
(e)工程(d)からの構造式5を有する中間体を、塩基および適切な有機溶媒からなる適切な反応媒体中で、ハロクロトン酸アルキルと反応させて、構造式1および分子式C2626を有する、メタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートを、約45〜75%の範囲で得る工程、を含む方法。
【請求項10】
工程(a)におけるメチル化剤が、硫酸ジメチルまたはヨウ化メチルからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
使用されるメチル化剤が硫酸ジメチルである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(a)におけるメチル化剤の量が、約20〜30mlの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)におけるメチル化剤の量が、約21〜28mlの範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程(a)におけるアルカリが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
使用されるアルカリが、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(a)における前記アルカリの量が、約10〜25gの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
工程(a)における前記アルカリの量が、約16〜20gの範囲である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
工程(a)の溶媒が、水、メタノールおよびアセトンからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
工程において使用される溶媒が水である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程(a)における溶媒の量が、約50〜120mlの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項21】
工程(a)における溶媒の量が、約60〜100mlの範囲である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
2−ナフトールの量が、約2〜5gの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項23】
2−ナフトールの量が、約3.6〜4gの範囲である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
工程(b)の活性化剤が、ジシクロヘキシカルボイイミド(DCC)およびN’(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボイイドミド塩酸塩(EDC)からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項25】
使用される活性化剤がDCCである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
工程(b)における活性化剤の量が、約2〜5gの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項27】
工程(b)における活性化剤の量が、約3.6〜4gの範囲である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
工程(b)の塩基が、ジメチルアミノピリジン(DMAP)およびトリエチルアミン(TEA)からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項29】
工程(b)における塩基の量が、約25〜60gの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項30】
工程(b)における塩基の量が、約30〜50gの範囲である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
工程(b)における有機溶媒が、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項32】
有機溶媒がジクロロメタンである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
工程(b)における有機溶媒の量が、約30〜80mlの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項34】
工程(b)における有機溶媒の量が、約40〜70mlの範囲である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
工程(c)および(d)のカラムクロマトグラフィーの吸着剤が、シリカゲル、ケイ酸またはフルオロシルからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項36】
使用される吸着剤がシリカゲルである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
工程(d)における温度が、約60〜130℃の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項38】
工程(d)のルイス酸が、塩化アルミニウム、塩化亜鉛またはポリリン酸からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項39】
使用される前記ルイス酸が塩化アルミニウムである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
工程(d)におけるルイス酸の量が、約1〜5gの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項41】
工程(d)におけるルイス酸の量が、約2〜3gの範囲である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
工程(d)における構造式5および分子式C1718を有するメタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−オール中間体の収率が、約20〜31.2%の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項43】
工程(e)におけるハロクロトン酸アルキルが、クロロクロトン酸メチル、ブロモクロトン酸メチルまたはブロモクロトン酸エチルからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項44】
ハロクロトン酸アルキルがブロモクロトン酸エチルである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
工程(e)におけるハロクロトン酸アルキルの量が、約0.1〜1.5mlの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項46】
工程(e)におけるハロクロトン酸アルキルの量が、約0.2〜0.5mlの範囲である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
工程(e)における塩基が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸カリウムからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項48】
使用される塩基が炭酸カリウムである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
工程(e)における塩基の量が、約0.5〜3gの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項50】
工程(e)における塩基の量が、約1〜2gの範囲である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
工程(e)における有機溶媒が、ジメチルホルムアミド、アセトンまたはメタノールからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項52】
使用される有機溶媒がアセトンである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
工程(e)における有機溶媒の量が、約5〜15mlの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項54】
工程(e)における有機溶媒の量が、約6〜10mlの範囲である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
工程(e)における、構造式1および分子式C2626を有するメタノン−(3’,4’,5’−トリメトキシ)フェニル,1−ナフチル,2−O−4”−エチル ブテ−2”−エノエートの収率が、約47〜70%の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項56】
前記式1の化合物が、15日以内に約2cmまでの芽伸長を促進する、請求項9に記載の方法。
【請求項57】
前記式1の化合物が、15日以内に約1.6cmまでの芽伸長を促進する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記式1の化合物が、培地A3中において、3週間以内に約2〜10本の芽を産生する、請求項9に記載の方法。
【請求項59】
前記式1の化合物が、培地A3中において、3週間以内に約3〜4本の芽を産生する、請求項58に記載の方法。

【公表番号】特表2007−535467(P2007−535467A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512736(P2005−512736)
【出願日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【国際出願番号】PCT/IN2003/000436
【国際公開番号】WO2005/063677
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(505185709)カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (35)
【Fターム(参考)】