説明

油中水乳化型メイクアップ化粧料

【課題】油中水乳化型メイクアップ化粧料に関し、立体感強調効果及び化粧膜の均一性に優れ、その化粧持続効果が高く、且つ優れた使用感を有する油中水乳化型メイクアップ化粧料を提供する。
【解決手段】(A)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤、(B)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体、(C)の高粘度油、(D)揮発性シリコーン油、(E)粉体を配合することを特徴とする油中水乳化型メイクアップ化粧料に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は(A)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤、(B)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体、(C)の高粘度油、(D)揮発性シリコーン油、(E)粉体を配合することを特徴とする油中水乳化型メイクアップ化粧料に関するものであり、更に詳しくは、化粧膜に透明感のあるツヤ感を付与し立体感強調効果及び化粧膜の均一性に優れ、その化粧持続効果が高く、且つ優れた使用感を有するメイクアップ化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、油中水乳化型化粧料は、水性化粧料や水中油型化粧料に比べ、耐汗性、耐水性に優れている点より化粧効果の持続性を高める化粧料には好ましい剤型であることが知られている。また、更にフッ素油等の撥油性物質を配合したり、皮膜形成性の物質を配合したりすることにより、皮脂に対して化粧崩れを防止して化粧持続性を向上させてきた。ところが、シリコーン樹脂等の皮膜形成性の物質を配合して、化粧膜を強固にするとツッパリ感が生じるため、このような欠点を改善する研究もなされてきた。例えば、特定のシリコーン樹脂と特定の多価アルコール変性シリコーンと揮発性油剤を含有することにより、柔軟性に優れた化粧膜を形成する技術が挙げられる。(例えば、特許文献1参照)
一方、最近のメイクアップ化粧料は、まぶたや頬、唇等の立体的な部分がふっくらとした感じに仕上がるものが好まれており、多層状の干渉光を有する粉体により使用部位への色変化をもたらすことができる技術が検討され(例えば、特許文献2参照)更にこれらの粉体の効果である色変化を利用することで、化粧料を使用した際には立体感を強調する技術が検討されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−306860号公報
【特許文献2】特開2000−345096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、粉体を含有する油中水乳化型メイクアップ化粧料では、化粧料を皮膚に塗布する動作により、揮発性物質である水や揮発性油剤が揮発することで、急激に伸びが悪くなったり、逆に不揮発性の油性成分が多く配合されているといつまでもずるずる伸びる感触がするという欠点がある。また、塗布部位の動きにより、化粧膜が追従することができず、皮溝に粉体が集り化粧膜のよれが生じたり、特に動きの大きいまぶたに塗布した場合は、粉体がはがれ落ちてしまうことがあった。干渉光を有する粉体は、立体感を付与することで、若々しいメイクアップができる反面、皮溝に粉体が集まると、肌のきめや皺を強調することになり逆効果となることがあった。
そのため、立体感強調効果及び化粧膜の均一性に優れ、その化粧持続効果が高く、且つ優れた使用感を有するメイクアップ化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体及び高粘度シリコーン油を含む揮発性シリコーン油と水性成分とをHLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤を用いて乳化して得られる粉体配合の油中水乳化型メイクアップ化粧料が、課題を解決できることを見出した。それは、これらの成分を組み合わせることで、透明感のあるツヤを持つ化粧膜を形成することができるので、粉体の持つ効果を十分に発揮させて、化粧膜に立体感強調効果を付与することができた。また、柔軟性のある化粧膜が得られるため、表情の動きに追従し、粉体が塗布部位にしっかり付着するため化粧持続効果を高くすることができた。更に、均一な化粧膜が得られるため、立体感強調効果を向上することができた。そして、ツッパリ感や塗布する際の急激に伸びが悪くなったり、いつまでもずるずる伸びる感触は解消され優れた使用感を有する油中水乳化型メイクアップ化粧料が得られ、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(E);(A)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤、(B)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体、(C)の高粘度油、(D)揮発性シリコーン油、(E)粉体を配合することを特徴とする油中水乳化型メイクアップ化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料は化粧膜に透明液体の膜で覆われた様な透明感のあるツヤを持ち立体感強調効果及び化粧膜の均一性に優れ、その化粧持続効果が高く、且つ優れた使用感を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される成分(A)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤としては、安定な油中水乳化型化粧料を得るための必須成分であり、HLBが3〜7であると、成分(B)〜(D)を含む油剤中に水性成分を安定に配合することができる。
親油基としてポリシロキサン鎖や炭化水素基を有し、親水基としてポリオキシエチレン等のポリオキシアルキレン基、グリセリン基、ポリグリセリン基を有するものであれば、いずれのものも使用することができる。尚、前記親水基の位置は、シリコーン鎖に対して、ペンダント型、ブロック型、末端型等の何れでも良い。このようなシリコーン系界面活性剤は、具体的には、長鎖炭化水素基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、グリセリン変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられ、これより一種又は二種以上を使用することができる。中でも、ポリオキシアルキレン基を有するものが化粧料の経時安定性の点において好ましく、更に長鎖炭化水素基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンが化粧料の経時安定性の点において好ましい。
【0009】
例えば、長鎖炭化水素基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(1)で示されるのものが挙げられ、市販品としては、ABIL EM−90(ゴールドシュミット社製)等が挙げられる。
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、Rは炭素数1〜5の炭化水素基又はフェニル基を示す。Rは−Q−O−(CO)−(CO)−Rで示され、Qは炭素数1〜5の二価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜5炭化水素基又はアセチル基を示す。aは1〜50の整数、bは0〜50の整数である。Rは−(CO)−Rで示され、cは0〜5の整数、Rは炭素数6〜16の炭化水素基である。dは5〜150の整数、eは5〜40の整数、fは2〜40の整数である。]
【0012】
例えば、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(2)で示されるのものが挙げられ、市販品としては、ABIL EM−97(ゴールドシュミット社製)、SH−3772C、SH3775C(何れも東レ・ダウコーニング社製)、KF−6012、KF−6015、KF−6016、KF−6017(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0013】
【化2】

【0014】
[式中、Rは炭素数1〜5の炭化水素基、又はフェニル基。Rは−Q−O−(CO)−CO)−R(但し、Qは炭素数1〜5の二価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜5炭化水素基又はアセチル基を示す。gは1〜50の整数、hは0〜50の整数である。)、G及びGは同一でも異なっても良く、それぞれ、RまたはRを示す。iは0〜150の整数、jは0〜50の整数を示す。但し、j=0のとき、G、Gの少なくとも一方はRである。]
【0015】
例えば、グリセリン基含有オルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(3)で示されるグリセリン基含有オルガノポリシロキサンが挙げられ、具体的に特開2004-231608号公報に記載されているもの等があげられる。市販品としては、KF−6105(信越化学工業社製)等が挙げられる。
1011SiO(4−k−l−m)/2 ・・・(3)
〔但し、式中Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシ置換アルキル基及び下記一般式(4)
−C2n−O−(CO)(CO)−R12 ・・・(4)
で示される有機基から選択される同種または異種の有機基を示し(式中、R12は炭素数4〜30の炭化水素基、又はR13−(CO)−で示される有機基、R13は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、nは0≦n≦15の整数、o、pはそれぞれ0≦o≦50、0≦p≦50の整数を示す。)、
10は下記一般式(5)
−Q−O−X ・・・(5)
で示し(式中、Qはエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方を含有してもよい炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、Xは水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す。)、
11は下記一般式(6)
【0016】
【化3】

【0017】
で表されるオルガノシロキサンを示し(式中、Rは上記と同様であり、qは1≦q≦5の整数、rは0≦r≦500の整数を示す。)、
k、l、mはそれぞれ1.0≦k≦2.5、0.001≦l≦1.5、0.001≦m≦1.5を示す。〕
この中でも、柔軟性のある膜を形成するためには、Rは長鎖アルキル基(炭素数10〜30)を含有し、R10は−CO[CHCH(OH)CHO]H(但しs=1〜5)のものが好ましい。
更に下記一般式(7)で表されるものが好ましい。
【0018】
【化4】

【0019】
Sx:−C(CH)SiO[(CH)SiO]Si(CH)
Gly:−CO[CHCH(OH)CHO]
t=30〜50、u=1〜2、v=1〜2、w=5〜15、x=3〜9、y=1〜5
【0020】
本発明に使用される成分(A)のHLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤の配合量は、化粧料全量中0.5〜10質量%(以下、「質量%」を単に「%」と示す。)が好ましく、更に1〜5%であることが好ましい。この範囲であれば、経時安定性を損なうことなく良好な使用感の化粧料を得ることができる。
【0021】
本発明に使用される成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体は、分子中にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、これ以外のラジカル重合性モノマーの1種又は2種以上とを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体であり、皮膜を形成し、耐水性および耐油性を向上できるものであれば、いずれのものも使用することができる。
具体的には、特開平2−25411号公報、特開平2−132141号公報等に記載されているものや、特開平3−162442号公報、特開2003−104825号公報等に記載のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を使用することができる。また市販品としては、KP−541(イソプロパノール溶液)、KP−543(酢酸ブチル溶液)、KP−545(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP−548(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP−549(メチルトリメチコン溶液)、KP−550(イソドデカン溶液)(いずれも信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0022】
本発明に使用される成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量は、化粧料全量中3〜15%が好ましく、更に5〜10%であることが好ましい。この範囲であれば、経時安定性及び使用感を損なうことなく良好な化粧持続性を有する油中水乳化型メイクアップ化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明に使用される成分(C)の高粘度油としては、25℃での粘度が1万mm/sec以上の液体で、化粧膜に透明感のあるツヤを与え付着性の高いものであれば、特に制限されず使用することができる。
具体的には、25℃での粘度が1万mm/sec以上のジメチルポリシロキサンやポリイソブチレン、ポリブテン、重質流動イソパラフィン等の炭化水素油が、化粧膜に透明感のあるツヤを与え化粧持続性を得る点で好ましい。更に、25℃での粘度が10万mm/sec以上であることがより好ましい。
中でも、25℃での粘度が10万〜500万mm/secのジメチルポリシロキサンが、化粧膜に透明感のあるツヤを与え化粧持続性を得る点で好ましい。
【0024】
市販品としては、KF−96H(100万CS)(信越化学工業社製)、L−45(10万)(東レ・ダウコーニング社製)、精製ポリブテンHV−100F(SB)(日本ナチュラルプロダクツ社製)、ポリブテン2000H(出光興産社製)、パールリーム24、パールリーム46(何れも日油社製)等があげられる。
配合量は化粧料全量中0.1〜3%が好ましく、更に0.5〜2.5%が好ましい。この範囲であれば、経時安定性、使用感、化粧持続性を損なうことなく、良好な立体感強調効果を有する油中水乳化型メイクアップ化粧料を得ることができる。
【0025】
本発明に使用される成分(D)の揮発性シリコーン油としては、通常化粧料に用いられるものであればいずれのものも使用することができ、例えば、25℃での粘度が2mm/sec以下のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられ、市販品としては、DC345 FLUID、SH245 FLUID、SH344 FLUID(何れも東レ・ダウコーニング社製)、KF−994、KF−995、TMF1.5(何れも信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0026】
本発明に使用される成分(D)の揮発性シリコーン油の配合量は、化粧料全量中20〜40%が好ましく、更に25〜35%が好ましい。この範囲であれば、経時安定性、使用感を損なうことなく、良好な立体感強調効果及び化粧持続性を有する油中水乳化型メイクアップ化粧料を得ることができる。
【0027】
本発明に使用される成分(E)の粉体としては、着色剤、紫外線遮蔽剤、賦形剤、感触調整剤等の目的で、配合されるものであり、通常、化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、ラメ類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
具体的には、合成金雲母、雲母、セリサイト、タルク、カオリン、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、無水ケイ酸被覆雲母チタン、紺青処理雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化鉄被覆無水ケイ酸、魚鱗箔、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄酸化チタン被覆ガラス末、無水ケイ酸酸化チタン被覆ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の樹脂積層末のラメ剤、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体類、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体類、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。
【0028】
本発明に使用される成分(E)の粉体の配合量は化粧料全量中10〜40%が好ましく、更に、化粧料全量中15〜30%がより好ましい。この範囲であれば使用感や化粧持続性を損なうことなく、良好な立体感強調効果を有する油中水乳化型メイクアップ化粧料を得ることができる。
【0029】
更に本発明の成分(E)の粉体は、粉体全量中に合成金雲母を2〜100%含有することが好ましい。この範囲であれば、使用感において、急激に伸びが悪くなることがなく、滑らかな使用感を与えることができ、化粧膜の均一性が高く良好な立体感強調効果に優れる油中水乳化型メイクアップ化粧料を得ることができる。
【0030】
本発明に使用される成分(E)の合成金雲母としては、例えば市販品としては、PDM−40L、PDM−20L、PDM−10L(何れもトピー工業社製)等が挙げられる。
【0031】
本発明に使用される成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体と成分(C)の高粘度油の配合量の合計と成分(E)の粉体の配合量が質量比で、(B+C):E=1:2〜1:8が好ましく、更に、(B+C):E=1:3〜1:5が化粧持続性及び立体感強調効果の点で好ましい。
【0032】
本発明に更に成分(F)の一価の脂肪族アルコールと一価の脂肪酸とのモノエステルで、且つ炭素数の合計がC16〜C30で、25℃で液状である油性成分を配合することによって、表情(塗布部)の動きに対する化粧膜の追従性が格段に向上する。
【0033】
本発明に使用される成分(F)の一価の脂肪族アルコールと一価の脂肪酸とのモノエステルで、且つ炭素数の合計がC16〜C30で、25℃で液状である油性成分としては、ノナン酸ノニル、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソトリデシル等が挙げられる。中でも、2−エチルヘキサン酸セチルが使用感や化粧持続性を損なうことなく化粧膜の肌への追従性を向上させる点において好ましい。
【0034】
本発明に使用される成分(F)の一価の脂肪族アルコールと一価の脂肪酸とのモノエステルで、且つ炭素数の合計がC16〜C30で、25℃で液状である油性成分の配合量は、化粧料全量中0.1〜5%が好ましく、更に0.5〜2%が化粧膜の肌への追従性の点で好ましい。
【0035】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧における水の配合量は、成分(A)〜(F)の配合量にも依存するが、概ね10〜80%が好ましい。
【0036】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料には、上記の成分(A)〜(F)に加えて必要に応じて、本発明の効果をそこなわない範囲において、前記成分以外の各種成分、例えば、成分(B)〜(D)、(F)以外の油性成分、成分(A)以外の界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0037】
様々な感触を演出する目的で用いる油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、エステル油類、硬化油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素類、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、モクロウ、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トリ2―エチルヘキサン酸グリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、オレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、低粘度で非揮発性のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン等のシリコーン油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上用いることができる。
但し、常温で固形状である、炭化水素類、油脂類、ロウ類、エステル類、脂肪酸類、高級アルコール類は、透明感のあるツヤを持つ化粧膜を形成するためには、化粧料全量中1%以下であることが好ましい。
【0038】
乳化や粉体の分散性向上を目的とする界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、HLB8以上のポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質が挙げられる。
【0039】
モイスチャー効果やみずみずしい感触を付与する目的で用いる水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられる。
感触の改善を目的で用いる水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、タンパク質、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、グリコール等が挙げられる。
【0040】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料は、形状として液状、ゲル状、固形状(スティック状、流し込み皿状)等のものがあげられ、また、用途としては、アイカラー、アイブロウ、マスカラ等のアイメークアップ化粧料、チークカラー、ハイライトカラー(Tソーンや目の下等の高く見せたいところに塗布する化粧料)、フェイスカラー、ファンデーション等、口紅、リップグロス、下地用のリップベース、口紅オーバーコート、リップクリーム等の口唇化粧料等があげられる。中でもアイカラー、ハイライトカラーまたはチークカラーに応用することが好ましい。
【0041】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料の製法としては、特に限定されないが、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)を均一に混合溶解し、成分(E)を均一分散させた後、水系成分を加えて乳化して容器に充填する方法が挙げられる。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0042】
実施例1〜10及び比較例1〜6:油中水乳化型メイクアップ化粧料ゲル状(アイカラー)
表1に示す処方の油中水乳化型メイクアップ化粧料を調製し、化粧膜の透明感のあるツヤ、化粧膜の均一性、化粧持続性、使用感について下記の方法により官能評価を行った。その結果もあわせて表1及び表2に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
*1 メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体:ABIL EM−90(EVONIC GOLDSCHMIDT社製)
*2 コスモール82(日清オイリオグループ社製)
*3 メタクリル変性メチルポリシロキサン30%デカメチルシクロペンタポリシロキサン溶液:KP−545(信越化学工業社製)
*4 50%デカメチルシクロペンタポリシロキサン溶液:シリコンKF−7312J(信越化学工業社製)
*5 高重合度メチルポリシロキサン50%メチルポリシロキサン溶液:KF−9012(信越化学工業社製)
*6 重質流動イソパラフィン:パールリーム46(日油社製)
*7 シリコンKF−96(100CS)(信越化学工業社製)
*8 デカメチルシクロペンタシロキサン:KF−995(信越化学工業社製)
*9 サラコス816T(PATECH FINE CHEMICAL社製)
*10 PDM−20L(トピー工業社製)
【0046】
(製法)
実施例1〜10および比較例1〜6
A.成分(1)〜(10)を室温にて均一に混合溶解する。
B.Aに成分(11)〜(16)をロールミルにて均一に分散させる。
C.成分(17)〜(19)を室温にて均一に混合溶解する。
D.BにCを加えて室温にて乳化する。
E.Dを容器に充填して製品とする。
【0047】
(評価方法)
20名の官能検査パネルにより、各試料をまぶたに塗布し、下記a〜dについて、パネル各人が絶対評価にて7段階に評価し、各試料ごとのパネル全員の評点の平均値から4段階判定基準により判定した。尚、表1及び表2には、平均値を記載した。
透明感のあるツヤ及び化粧膜の均一性については、塗布後の化粧膜を目視により官能評価をした。ツヤや均一性たけでなく、それにより立体感強調効果が得られているかどうかも評価基準とした。
化粧持続性は8時間経過後の化粧効果をそれぞれ目視により官能評価をした。主に、ツヤがあるかどうかや皮溝に粉体が集まっていないかどうかを評価基準とした。
使用感については、塗布時に急激に伸びが悪くなったり、いつまでもずるずる伸びる感触のない自然な止まりや塗布後のべたつき感のなさ及びツッパリ感のなさを官能評価をした。
【0048】
(評価項目)
a.透明感のあるツヤ
b.化粧膜の均一性
c.化粧持続性
d.使用感
(1)絶対評価
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
(2)評価基準
5点を以上 :非常に優れる
3.5点以上5点未満:優れる
1点以上3.5点未満:劣る
1点未満 :非常に劣る
【0049】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明品である実施例1〜10の油中水乳化型メイクアップ化粧料は、化粧膜に透明感のあるツヤがあり、化粧膜の均一性が高く良好な立体感強調効果を有し、使用感に優れ、且つ化粧持続性の点で比較例に比べはるかに優れた特性を有していることがわかる。
成分(A)のHLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤の配合量を多くした本発明の実施例2では、実施例1と比較すると、界面活性剤により化粧膜が弱くなるため、化粧持続性がわずかに劣るものの、立体感強調効果を有し、使用感は同等に優れる特性を有していた。
成分(A)のHLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤の配合量を少なくした実施例3では、実施例1と比較すると、揮発性成分の揮発が速くなるため、塗布時の使用感がわずかに劣るものの、立体感強調効果を有し、化粧持続性は同等に優れる特性を有していた。
成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量を多くした本発明の実施例4では、実施例1と比較すると、形成される化粧膜の強度が上昇するため、塗布後にツッパリ感が多少生じ、使用感の点でわずかに劣るものの、立体感強調効果を有し、化粧持続性は同等に優れる特性を有していた。
成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量を少なくした本発明の実施例5では、実施例1と比較すると、形成される化粧膜の強度が低下するため、化粧持続性の点でわずかに劣るものの、立体感強調効果を有し、使用感は同等に優れる特性を有していた。
成分(C)の高粘度油の配合量を多くした本発明の実施例6では、実施例1と比較すると、高粘度油の感触の影響を受けるため、塗布時の伸びが多少悪くなり、使用感の点でわずかに劣るものの、立体感強調効果を有し、化粧持続性は同等に優れる特性を有していた。
成分(C)の高粘度油の配合量を少なくした本発明の実施例7では、実施例1と比較すると、高粘度油による化粧膜が薄くなるため、化粧膜に透明感のあるツヤが多少減少するものの、化粧膜の均一性は良く立体感強調効果は得られ、化粧持続性及び使用感は同等に優れる特性を有していた。
成分(C)の高粘度油を高重合度メチルポリシロキサンから重質流動イソパラフィンに変えた本発明の実施例8では、実施例1と比較すると、高粘度油の感触の影響を受けるため、塗布時の伸びが多少悪くなり、使用感の点でわずかに劣った。しかし、立体感強調効果を有し、化粧持続性は優れる特性を有していた。
成分(C)の高粘度油を重質流動イソパラフィンにして、配合量を少なくした本発明の実施例9では、実施例1と比較すると、使用感は良くなるが、化粧膜が薄くなり、化粧膜は透明感のあるツヤがわずかに減少した。しかし化粧膜の均一性は良く立体感強調効果は得られ、化粧持続性及び使用感は優れる特性を有していた。
成分(E)の粉体として合成金雲母を配合していない本発明の実施例10では、実施例1と比較すると、スライド感が減少し、粉体の肌への付着が速まるため、塗布時の伸びが多少悪くなり、使用感や化粧膜の均一性の点でわずかに劣るものの、化粧膜に透明感のあるツヤはあり立体感強調効果は得られ、化粧持続性は優れる特性を有していた。
【0050】
一方、表2の結果より、成分(A)のHLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤を配合していない比較例1及び、成分(A)の代わりに、セスキオレイン酸ソルビタンを配合した比較例2では、油中水乳化型化粧料が得られず、評価不能であった。
成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を配合していない比較例3では、皮膜を形成しないため、化粧膜の強度が弱く粉体成分の付着性も低く、化粧膜が均一にならずに立体感強調効果が得られなかった。また化粧膜はすぐによれてしまい化粧持続性の点で満足のいくものが得られなかった。
成分(B)の代わりにトリメチルシロキシケイ酸を配合した比較例4では化粧膜が硬すぎるため皮膚の動きに対する追従性が悪く、ツッパリ感があり、特に使用感の面で満足のいくものではなかった。
成分(C)の高粘度油を配合していない比較例5においては、化粧膜の透明感のあるツヤ及び粉体の付着性に劣り、化粧膜が均一にならずに、立体感強調効果を得ることができなかった。また、皮膜が硬いため、皮膚の動きに対する追従性が悪く崩れやすくなり化粧持続性の点で満足いくものではなかった。また、塗布時に急激に伸びが悪くなり、使用感の点でも満足のいくものではなかった。
成分(C)の代わりに低粘度シリコーン油を配合した比較例6では、化粧膜にツヤがなく立体感強調効果が得られなかった。また、化粧膜が弱くなるためよれ易くなり化粧持続性の点で満足いくものではなかった。
【0051】
実施例11:油中水乳化型メイクアップ化粧料ゲル状(ハイライトカラー)
(成分) (%)
(1)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤*11 3
(2)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*3 27
(3)高粘度油*5 5
(4)ジプロピレングリコール 0.5
(5)有機変性ベントナイト 1
(6)酸化チタン 1
(7)酸化鉄 0.5
(8)タルク 2
(9)酸化チタン被覆ガラス末 5
(10)ジメチコン5%処理無水ケイ酸・酸化チタン被覆雲母 15
(11)合成金雲母*12 3
(12)エチルアルコール 7
(13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(14)精製水 残量
*11 ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:KF−6105(信越化学工業社製)
*12 PDM−40L(トピー工業社製)
【0052】
(製法)
A.成分(1)〜(4)を室温にて均一に混合溶解する。
B.Aに成分(5)〜(11)をロールミルにて均一に分散させる。
C.成分(12)〜(14)を室温にて均一に混合溶解する。
D.BにAを加え室温にて乳化する。
E.Dを容器に充填し製品とする。
【0053】
実施例11の油中水乳化型メイクアップ化粧料(ハイライトカラー)について、実施例1〜10で使用した評価方法と同様に評価を行った結果、化粧膜は透明感のあるツヤに優れ、化粧膜の均一性も高く、立体感強調効果、化粧持続性、使用感の点で優れた化粧料であった。尚、塗布部位は、ハイライト効果(Tゾーンと目の下)を得たい部分とした。
【0054】
実施例12:油中水乳化型メイクアップ化粧料ゲル状(口紅)
(成分) (%)
(1)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤*1 3
(2)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*13 25
(3)高粘度油*6 5
(4)2−エチルヘキサン酸セチル*9 1
(5)紫外線吸収剤*14 0.5
(6)ジプロピレングリコール 0.5
(7)香料 適量
(8)有機変性ベントナイト 1
(9)赤色226号 0.2
(10)黄色4号アルミニウムレーキ 0.1
(11)酸化チタン 0.1
(12)タルク 3
(13)酸化チタン被覆ガラス末 3
(14)(PET/ポリメタクリル酸メチル)積層末 4
(15)合成金雲母*12 5
(16)1,3−ブチレングリコール 7
(17)フェノキシエタノール*15 0.5
(18)精製水 残量
*13 メタクリル変性メチルポリシロキサン40%メチルトリメチコン溶液:KP−549(信越化学工業社製)
*14 パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル:ユビナールMC−80(BASF社製)
*15 フェノキシエタノール:フェニルグリコールS(日本乳化剤社製)
【0055】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を室温にて均一に混合溶解する。
B.Aに成分(8)〜(15)をロールミルにて均一に分散させる。
C.成分(16)〜(18)を室温にて均一に混合溶解する。
D.BにAを加え室温にて乳化する。
E.Dを容器に充填し製品とする。
【0056】
実施例12の油中水乳化型メイクアップ化粧料(口紅)について、実施例1〜10で使用した評価方法と同様に評価を行った結果、化粧膜は透明感のあるツヤに優れ、化粧膜の均一性も高く、立体感強調効果、化粧持続性、使用感の点で優れた化粧料であった。
【0057】
実施例13:油中水乳化型メイクアップ化粧料ゲル状(チークカラー)
(成分) (%)
(1)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤*1 1.5
(2)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体*13 15
(3)高粘度油*16 2.5
(4)ミリスチン酸イソプロピル*17 2
(5)ジプロピレングリコール 0.4
(6)有機変性ベントナイト 0.8
(7)赤色226号 0.5
(8)酸化鉄 0.1
(9)酸化チタン 0.1
(10)3%パーフルオロアルキルシラン処理タルク 1.5
(11)3%パーフルオロアルキルシラン処理
酸化鉄被覆雲母チタン 10
(12)無水ケイ酸・酸化チタン被覆マイカ 5
(13)合成金雲母*12 3
(14)合成金雲母*18 2
(15)1,2−ペンタンジオール 7
(16)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(17)精製水 残量
(18)ローズマリー抽出液 0.1
*16 ポリブテン:ポリブテン2000H食添(出光興産社製)
*17 ミリスチン酸イソプロピル:IPM−EX(日本サーファクタント工業社性)
*18 合成金雲母:PDM−5L(トピー工業社製)
【0058】
(製法)
A.成分(1)〜(5)を室温にて均一に混合溶解する。
B.Aに成分(6)〜(14)をロールミルにて均一に分散させる。
C.成分(15)〜(18)を室温にて均一に混合溶解する。
D.BにAを加え室温にて乳化する。
E.Dを容器に充填し製品とする。
【0059】
実施例13の油中水乳化型メイクアップ化粧料(チークカラー)について、実施例1〜10で使用した評価方法と同様に評価を行った結果、化粧膜は透明感のあるツヤに優れ、化粧膜の均一性も高く、立体感強調効果、化粧持続性、使用感の点で優れた化粧料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(E);
(A)HLB3〜7の親油性シリコーン系界面活性剤
(B)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体
(C)高粘度油
(D)揮発性シリコーン油
(E)粉体
を配合することを特徴とする油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項2】
成分(B)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量が化粧料全量中3〜15質量%、成分(C)の高粘度油の配合量が化粧料全量中0.1〜3質量%、成分(E)の粉体の配合量が化粧料全量中10〜40質量%であることを特徴とする請求項1記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項3】
成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体及び成分(C)の高粘度油の配合量の合計と成分(E)の粉体の配合量が質量比で、(B+C):E=1:2〜1:8であることを特徴とする請求項1または2記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項4】
成分(E)の粉体として、合成金雲母を粉体全量中2〜100質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項5】
更に成分(F)一価の脂肪族アルコールと一価の脂肪酸とのモノエステルで、且つ炭素数の合計がC16〜C30で、25℃で液状である油性成分を配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項6】
化粧料がアイカラー、ハイライトカラーまたはチークカラーである請求項1〜5のいずれかの項に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。

【公開番号】特開2009−184975(P2009−184975A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27094(P2008−27094)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】