説明

油中水型メーキャップ化粧料

【課題】 油っぽいべたつき感がなく、肌や毛髪、睫等への付着性及び化粧膜の均一性に優れ、しかも塗布時の収まりの悪さが改善された油中水型メーキャップ化粧料を提供する。
【解決手段】 次の成分(a)及び(b);
成分(a)平均粒径40〜4000nmの固形油粉末
成分(b)シリコーン油
を配合することを特徴とする油中水型メーキャップ化粧料。また、前記成分(a)の固形油粉末の融点が70〜150℃であることを特徴とする前記油中水型メーキャップ化粧料。そして、前記成分(a)の固形油粉末を0.1〜15質量%配合することを特徴とする前記何れかの油中水型メーキャップ化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平均粒径40〜4000nmの固形油粉末を溶融又は他の油性成分に溶解せずに、シリコーン油を必須に含有する油相中に分散させた油中水型メーキャップ化粧料に関するものであり、更に詳しくは、シリコーン油を配合することによる、塗布時での収まりの悪さ(ずるずるといつまでも伸び広がる感触)、肌や毛髪、睫等への付着性の低下、化粧膜の不均一性等の欠点を改善する油中水型メーキャップ化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
油中水型メーキャップ化粧料は、外相の油剤中に水相を分散させ、外相や水相に着色顔料等の粉体を分散させた化粧料である。このような化粧料は、連続相が油相となるため、肌上に油性の化粧膜を形成することができることから、耐水性や化粧持続性に優れるファンデーションや口紅等のメーキャップ化粧料に応用されている。しかし、油中水型メーキャップ化粧料は、油剤の配合量が多くなるため、油っぽいべたつき感を有することが欠点であった。このため、油中水型メーキャップ化粧料では、油っぽいべたつき感を低減させるため、油剤としてシリコーン油を用いることが一般的である。
【0003】
しかし、油剤としてシリコーン油を主体として用いた油中水型メーキャップ化粧料は、油っぽいべたつき感は低減されるが、肌に化粧料を塗布して伸び広げる際に、ずるずるといつまでも伸び広がってしまい、塗布動作の終点が分かり難い、いわゆる収まりの悪さがあり、また、肌や毛髪、睫等への付着性の低下や化粧膜の不均一性等を引き起こしていた。そこで、これら欠点を解消するために、種々の検討がなされている。例えば、油中水型メーキャップ化粧料の油相中に固形油を溶解して配合し、肌や毛髪、睫等への付着性を向上させる技術(例えば、特許文献1参照。)、固形油を油相に溶解せずに水分散物として油中水型メーキャップ化粧料に配合する技術(例えば、特許文献2参照。)等が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−348310号公報(第1頁−第6頁)
【特許文献2】特表2004−512289号公報(第1頁−第37頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、油中水型メーキャップ化粧料に固形油を油相に溶解して配合する技術では、肌や毛髪、睫等への付着性を向上させることはできるが、化粧料の粘度や稠度が高くなると共に、塗布時の伸び広がりが悪くなり、均一な化粧膜を得にくかった。また、固形油を油相に溶解せずに水分散物として配合する技術では、水中での良好な分散状態を保ったまま油中水型メーキャップ化粧料に配合することが難しく、シリコーン油を配合することの欠点である塗布時の収まりの悪さを十分に解消することはできなかった。
【0006】
このため、油っぽいべたつき感がなく、肌や毛髪、睫等への付着性及び化粧膜の均一性に優れ、しかも塗布時の収まりの悪さが改善された油中水型メーキャップ化粧料の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、平均粒径40〜4000nmの固形油粉末を溶解せずに、シリコーン油を必須に含有する油相中に分散させることにより、上記課題が解決された油中水型メーキャップ化粧料を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち本発明は、
次の成分(a)及び(b);
成分(a)平均粒径40〜4000nmの固形油粉末
成分(b)シリコーン油
を配合することを特徴とする油中水型メーキャップ化粧料を提供するものである。
【0009】
また、前記成分(a)の固形油粉末の融点が70〜150℃であることを特徴とする前記油中水型メーキャップ化粧料を提供するものである。そして、前記成分(a)の固形油粉末を0.1〜15質量%配合することを特徴とする前記何れかの油中水型メーキャップ化粧料を提供するものである。
【0010】
更に、前記成分(a)の固形油粉末が、ガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末であることを特徴とする前記何れかの油中水型メーキャップ化粧料を提供するものである。
【0011】
そして、成分(a)を除いた油性成分中に成分(b)を40質量%以上含有することを特徴とする前記何れかの油中水型メーキャップ化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料は、油っぽいべたつき感がなく、肌や毛髪、睫等への付着性及び化粧膜の均一性に優れ、しかも塗布時の収まりの悪さが解消された油中水型メーキャップ化粧料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料は、成分(a)平均粒径40〜4000nmの固形油粉末を溶解せずに、成分(b)シリコーン油を必須に含有する油相中に分散させた油中水型メーキャップ化粧料である。
【0014】
本発明に用いられる成分(a)は、平均粒径40〜4000nmの固形油粉末であり、成分(b)シリコーン油の配合による、ずるずるといつまでも伸び広がってしまい、塗布の終点が分かり難い、いわゆる収まりの悪さを解消し、塗布の終点を分かりやすくするための成分である。この固形油粉末は、同じような平均粒径を有する無機粉体や有機粉体に比べ、肌や睫との付着性が極めて優れる。また、この固形油粉末の平均粒径は100〜1000nmがより好ましい。固形油の平均粒径が40nm未満であると、凝集力が強すぎるため、肌や睫上で均一な化粧膜を形成し難くなり、平均粒径が4000nmを超えると、肌や睫への付着性が良好ではなくなるため、それぞれ好ましくない。尚、本発明において、平均粒径の測定方法は、レーザー回折式粒度分布測定法にて測定した値である。
【0015】
このような固形油粉末は、通常化粧料に用いられる固形油を微粒化し、平均粒径を40〜4000nmに調整したものである。前記固形油の微粒化方法としては、(1)ジェットマイザー等の機械的粉砕方法、(2)固形油を溶媒に溶解し、これを噴霧乾燥する方法、(3)固形油をマイクロエマルション化してこれを乾燥する方法、(4)液中で固形油を粒子状に析出させる方法、(5)ガス中蒸発法等がある。これら従来の方法の中でも、平均粒径を1μm以下にすることに適しているのは、(5)ガス中蒸発法である。また、(5)ガス中蒸発法により得られる粒子は、形状が丸みを帯びているため、油中水型メーキャップ化粧料に配合した場合に、塗布性がより良好になるため、より均一な化粧膜を形成させることできる。
【0016】
ガス中蒸発法とは、不活性ガスを導入した真空容器内で固形油を加熱し、蒸発させ、得られた蒸気を前記不活性ガス中で冷却・凝結させることにより、固形油粉末を得る方法である。この方法には、その加熱方法により、抵抗加熱法、プラズマジェット加熱法、誘導加熱法、電子ビーム加熱法、レーザービーム加熱法、スパッタリング法等が知られている。
【0017】
前記ガス中蒸発法に用いられる不活性ガスとは、ヘリウム、アルゴン、窒素等が挙げられる。また、前記ガス中蒸発法における真空度は、10Torr以下が好ましい。
【0018】
ガス中蒸発法における固形油粉末の粒径は、真空容器内の圧力に影響されるので、これを制御することにより、目的とする粒径の粉末を得ることができる。また、粒径と圧力の関係を物質ごとに予め測定しておき、これに基づく検量線を得ておくことが好ましい。一般に不活性ガス圧力が0.01Torr〜10Torrの範囲内で得られる固形油粉末の粒径は約50〜4000nmの範囲で変化し、不活性ガス圧力が小さい(すなわち、真空度が高い)程、粒径が小さい粉末を得ることができる。
【0019】
また、ガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末は、固形油をその融点により精製できるという効果も有している。化粧料において、配合成分中の不純物は、経時的な酸化反応の進行による変色や変臭、皮膚への刺激等の好ましくない現象を引き起こすため、できるだけ除去するのが好ましい。本ガス中蒸発法では、加熱条件の制御により、好ましくない融点範囲の物質を除去することが可能となり、微粒化された固形油粉末も精製される。
【0020】
本発明において、微粒化に用いられる固形油は、通常の化粧料に配合される室温で固形を呈する油剤である。具体的には、パルミチン酸セチル、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、合成炭化水素ワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、セラック、鯨ロウ、合成ゲイロウ、ミツロウ、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス、パラフィンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、シリコーンワックス、ステアリン酸コレステリル、含フッ素ワックス等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。本発明においては、これら油剤の中でも、フィッシャートロプシュワックス、合成炭化水素ワックス、鯨ロウ、合成ゲイロウ、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、シリコーンワックス、マイクロクリスタリンワックスから選ばれる融点が70〜150℃の固形油を用いることにより、肌や睫への付着性により優れた油中水型メーキャップ化粧料を得ることができる。
【0021】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料における、成分(a)の配合量は、特に限定されないが、0.1〜15質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、1〜10%がより好ましい。成分(a)の配合量がこの範囲であると、塗布時での収まりの悪さがより解消された油中水型メーキャップ化粧料を得ることができる。
【0022】
本発明において、成分(a)の平均粒径40〜4000nmの固形油粉末は、油中水型メーキャップ化粧料に配合される油相中に溶解せずに、分散した状態で存在するものである。このため、本発明の油中水型メーキャップ化粧料においては、油相を形成する配合油剤については、室温付近で成分(a)の固形油粉末を溶解しない油剤を選択して用いることが好ましい。
【0023】
このような油剤は、通常化粧料に配合可能な油剤より選択されるものであり、その性状は、液体、ペーストが主骨格となるが、必要に応じて固形油を併用して用いることができる。具体的には、液体油として、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、ヒマシ油、液状ラノリン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、ペースト油としては、カカオ脂、シアバター、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン)エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。更に固形油としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセライド、トリベヘン酸グリセリル等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。本発明の油中水型メーキャップ化粧料における、油剤の配合量は、特に限定されないが、20〜95%が好ましく、30〜80%がより好ましい。
【0024】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料には、油性成分中に成分(b)として、シリコーン油を必須に含有するものである。このようなシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサン〔[(CHSiO]SiCH等〕等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0025】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料における成分(b)は、成分(a)を除いた油性成分中に40%以上含有することが好ましい。成分(b)をこの範囲で配合すると、より油っぽいべたつき感がなく、肌や毛髪、睫等への付着性及び化粧膜の均一性に優れる油中水型メーキャップ化粧料を得ることができる。また、成分(a)と成分(b)との配合質量比は、特に限定はされないが、1:1〜220の割合で配合されることが好ましく、1:1.5〜50がより好ましい。この範囲で配合すると、塗布時の収まりの悪さが一層改善された油中水型メーキャップ化粧料を得ることができる。
【0026】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料には、水相成分として水(精製水)を配合するものである。本発明の油中水型メーキャップ化粧料における、水の配合量は、4〜60%が好ましく、10〜40%がより好ましい。水をこの範囲で用いると、みずみずしい使用感に優れる油中水型メーキャップ化粧料を得ることができる。
【0027】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料には、メーキャップ効果を付与するために、粉体が配合される。このような粉体は、球状、板状、針状、繊維等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。本発明の油中水型メーキャップ化粧料における粉体の配合量は、特に限定されないが、0.05〜50%が好ましい。
【0028】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料には、乳化剤として、界面活性剤を配合することが好ましい。このような界面活性剤は、通常の化粧料に用いられる界面活性剤であれば何れのものでもよく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を適宜用いることができる。アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を適宜用いることができる。カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を適宜用いることができる。両性界面活性剤としては、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。本発明の油中水型メーキャップ化粧料に界面活性剤を配合する場合の配合量は、特に限定されないが、0.1〜10%が好ましく、更には0.5〜6%が好ましい。界面活活性剤をこの範囲で用いると、より乳化安定性に優れる油中水型メーキャップ化粧料を得ることができる。
【0029】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料は、成分(b)シリコーン油を外相中に必須に含有するため、乳化剤として、シリコーン系界面活性剤を選択することが好ましい。このような、シリコーン系界面活性剤は、親油基としてポリシロキサン鎖や炭化水素基等を有し、親水基としてポリオキシエチレン等のポリオキシアルキレン基等を有するものである。尚、前記親水基の位置は、ペンダント型、ブロック型、末端型等の何れでも良い。このようなシリコーン系界面活性剤は、具体的には、長鎖炭化水素基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、グリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられ、これより一種又は二種以上を用いることができる。また、このようなシリコーン系界面活性は、乳化安定性の観点より、HLBが6以下であることが好ましい。
【0030】
前記シリコーン系界面活性剤の一種である長鎖炭化水素基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、次の平均組成式(1)又は(2)で表される化合物等が挙げられる。
【0031】
abcSiO(4-a-b-c)/2 …(1)[前記式中、R;同一又は異なってもよく、炭素数1〜10のアルキル基、水素原子、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基。R;−C2m−O−(CO)−(CO)e−Rで示される基(式中、m;1〜5の整数、d、eは1以上の整数、且つ、d+e≧1〜200であり、R;水素原子若しくは炭素数1〜5の一価炭化水素基又は−(CO)−Rで示される有機基、R;炭素数1〜5の一価炭化水素基)。R;炭素数10〜30の一価炭化水素基。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5である。]
【0032】
abcSiO(4-a-b-c)/2 …(2)[前記式中、R;同一又は異なってもよく、炭素数1〜10のアルキル基、水素原子、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基。R;−C2m−O−(CO)−(CO)e−Rで示される基(式中、m;1〜5の整数、d、eは1以上の整数、且つ、d+e≧1〜200であり、Rは水素原子若しくは炭素数1〜5の一価炭化水素基又は−(CO)−R10で示される有機基、R10は炭素数1〜5の一価炭化水素基)。R;−C2n−O−(CO)−(CO)−R11(式中、nは1〜5の整数、f、gは0以上の整数、且つ、f+g≧0〜200であり、R11は炭素数10〜30の一価炭化水素基)。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5である。]
【0033】
これら平均組成式で示される長鎖炭化水素基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの中でも、セチルジメチコンコポリオール、(PEGメチコン/オレイルPPGメチコン/ジメチコン)コポリマー等が好ましく、これらは、市販品として、ABIL EM−90、ABIL B9806、ABIL WE09(何れも、ゴールドシュミット社製)、シリコンKF−6026(信越化学工業社製)等が挙げられる
【0034】
また、前記シリコーン系界面活性剤の他の一種であるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしては、市販品として、KF6015、KF6016、KF6017、KF6028、X−22−4991(何れも、信越化学工業社製)、NUCシリコンL7002(日本ユニカー社製)、SH−3772C、SH−3775C(何れも、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる。
【0035】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料には、前記成分の他に、通常の化粧料に使用される成分として、水性成分、紫外線吸収剤、パルミチン酸デキストリン、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト等の油ゲル化剤、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、酸化防止剤、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0036】
本発明に配合可能な水性成分としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、デンプン糖等の糖類、グアーガム、スクレロチウムガム、ジェランガム、ペクチン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。本発明の油中水型メーキャップ化粧料に水性成分を配合する場合の配合量は、概ね0.1〜30%が好ましい。
【0037】
本発明に配合可能な紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−パラ−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1、3、5−トリアジン等のベンゾフェノン系、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラ−アミノ安息香酸グリセリル、パラ−ジメチルアミノ安息香酸アミル、パラ−ジメチルアミノ安息香酸アミル−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のPABA系、パラ−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシ桂皮酸−2−エトキシエチル等のシンナメート系、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系、オキシベンゾン系、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリシンプロピオン酸−2−エチルヘキシル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0038】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料は、ファンデーション、下地料、コントロールカラー、コンシーラー、アイカラー、アイブロウ、アイシャドウ、口紅、マスカラ、ヘアマニキュア等に適用可能である。また、本発明の油中水型メーキャップ化粧料の形態は、液状、乳液状、クリーム状、固形状等の何れでも良い。
【0039】
本発明の油中水型メーキャップ化粧料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、成分(a)を成分(b)に分散させ、必要に応じて乳化剤として界面活性剤を添加し、これに水を添加、分散することにより得ることができる。
【実施例】
【0040】
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0041】
固形油粉末の製造例1:
融点88℃のポリエチレンワックス(PERFORMALEN 500:ニューフェーズテクノロジー社製)をTaヒーターを巻きつけた石英製のルツボに入れ、ヘリウムガス1Torrの雰囲気中で200〜240℃に加熱し、蒸発したワックスをルツボ上に設置したアルミホイルに付着させ、これを回収することにより平均粒径220nm(レーザー回折式粒度分布測定法)の固形油粉末を得た。尚、この固形油粉末の粒子は、電子顕微鏡観察により、粒子は均一で丸みを帯びていた。
【0042】
固形油粉末の製造例2:
前記製造例1と同様にして、融点120℃のフィッシャートロプシュワックス(サゾールワックスH1:サゾール社製)を加熱条件170〜530℃として、平均粒径180nm(レーザー回折式粒度分布測定法)の固形油粉末を得た。尚、この固形油粉末の粒子は、電子顕微鏡観察により、粒子端面が丸みを帯びていた。
【0043】
固形油粉末の製造例3:
融点120℃のフィッシャートロプシュワックス(サゾールワックスH1:サゾール社製)シングルトラックジェットミルにて微粉砕し、平均粒径3000nmの(レーザー回折式粒度分布測定法)の固形油粉末を得た。尚、この固形油粉末の粒子は電子顕微鏡観察により、粒子は不定形であった。
【0044】
実施例1〜8及び比較例1〜5:油中水型ファンデーション(クリーム状)
表1〜3に示す組成の油中水型ファンデーションを以下に示す製造方法により調製し、「油っぽいべたつき感の無さ」、「肌への付着性の良さ」、「化粧膜の均一性」、「塗布時の収まりの良さ」について、以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1〜3に示した。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
(製造方法)
A:成分12〜19を90℃にて均一に混合する。
B:Aに成分1〜11を添加し、三本ローラーにより均一分散する。
C:Bに成分20〜21を添加し、均一に混合する。
D:Cをディスパーミキサーで攪拌しながら、成分23〜29を添加し、
乳化する。
E:Dに成分22、成分30〜32を添加し、ディスパーミキサーで均一分散する。
F.Eを容器に充填して、油中水型ファンデーションを得た。
【0049】
〔評価方法〕
化粧品評価専門パネル20名に実施例及び比較例の油中水型ファンデーションを使用してもらい、「油っぽいべたつき感の無さ」、「肌への付着性の良さ」、「化粧膜の均一性」、「塗布時の収まりの良さ」について、各自が以下の基準に従って5段階評価し、ファンデーション毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0050】
表1〜3の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜8の油中水型ファンデーションは、「油っぽいべたつき感の無さ」、「肌への付着性の良さ」、「化粧膜の均一性」、「塗布時の収まりの良さ」の全ての項目に優れた油中水型メーキャップ化粧料であった。一方、成分(a)の固形油粉末を配合していない比較例1は、「塗布時の収まりの良さ」に劣り、「肌への付着性の良さ」も良好ではなかった。また、製造例1に用いた固形油を油相に溶解して配合した比較例2も、「塗布時の収まりの良さ」と「油っぽいべたつき感の無さ」に劣り、「化粧膜の均一性」も良好ではなかった。そして、成分(b)のシリコーン油を配合していない比較例3は、「油っぽいべたつき感の無さ」に劣っていた。更に、成分(a)の代わりに固形油粉末の水分散物を配合した比較例4は、「化粧膜の均一性」に劣り、「塗布時の収まりの良さ」も良好ではなかった。そして更に、成分(a)の代わりに平均粒径約300nmのポリメチルメタクリル酸を配合した比較例5は、「肌への付着性の良さ」と「塗布時の収まりの良さ」に劣っていた。
【0051】
実施例9:油中水型下地化粧料(乳液状)
(成分) (%)
1.フッ素化合物処理酸化チタン 1.0
2.フッ素化合物処理タルク 4.0
3.フッ素化合物処理微粒子酸化チタン 5.0
4.雲母チタン 1.0
5.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.3
6.ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 0.3
7.シリコーン系界面活性剤(注6) 2.0
8.シリコーン系界面活性剤(注7) 2.0
9.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
10.水素添加大豆リン脂質 0.3
11.パルミチン酸デキストリン 0.2
12.パルミチン酸・2−エチルヘキサン酸デキストリン(注8) 0.4
13.ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 5.0
14.2−エチルヘキサン酸グリセリル 6.0
15.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
16.デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
17.エタノール 5.0
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
19.1,3−ブチレングリコール 2.0
20.塩化ナトリウム 0.3
21.精製水 残量
22.製造例3の微粒子固形油 8.0
(注6)KF−6028(信越化学社製)
(注7)KF−6105(信越化学社製)
(注8)レオパールTT(千葉製粉社製)
【0052】
(製造方法)
A:成分11〜16を90℃にて均一に混合する。
B:Aに成分1〜10を添加し、三本ローラーにより均一分散する。
C:Bに成分17を添加し、均一に混合する。
D:Cをディスパーミキサーで攪拌しながら、成分18〜21を添加し、
乳化する。
E:Dに成分22を添加し、ディスパーミキサーで均一分散する。
F.Eを容器に充填して、油中水型下地化粧料を得た。
本発明品である実施例9の油中水型下地化粧料は、「油っぽいべたつき感の無さ」、「肌への付着性の良さ」、「化粧膜の均一性」、「塗布の収まりの良さ」の全ての項目に優れた油中水型メーキャップ化粧料であった。
【0053】
実施例10:油中水型マスカラ(クリーム状)
(成分) (%)
1.ロジン酸ペンタエリストール 12.0
2.水添ポリイソブテン(軽質・揮発性) 残量
3.パルミチン酸デキストリン 2.0
4.マイクロクリスタリンワックス 2.5
5.セレシン 3.0
6.ミツロウ 2.0
7.大豆リン脂質 0.3
8.軽質流動水添ポリイソブテン(揮発性) 3.0
9.トリメチルシロキシケイ酸 2.0
10.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
11.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 5.0
12.炭酸プロピレン 1.0
14.シリコーン処理黒色酸化鉄 5.0
15.フッ素化合物処理タルク 12.0
16.無水ケイ酸(平均粒子径80nm) 3.0
17.精製水 12.0
18.製造例1の微粒子固形油 5.0
【0054】
(製造方法)
A:成分1〜7を110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分8〜16を添加し、三本ローラーにより均一分散する。
C.Bをディスパーミキサーで攪拌しながら、成分17を添加する。
D.Cに成分18を添加し、デスパミキサーで均一分散する。
E.Dを容器に充填して、油中水型マスカラを得た。
本発明品である実施例10の油中水型マスカラは、「油っぽいべたつき感の無さ」、「肌への付着性の良さ」、「化粧膜の均一性」、「塗布時の収まりの良さ」の全ての項目に優れた油中水型メーキャップ化粧料であった。
【0055】
実施例11:油中水型口紅(クリーム状)
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 6.0
2.リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
3.流動パラフィン 15.0
4.重質流動イソパラフィン 10.0
5.トリ−2−エチルヘキサン酸トリグリセリル 残量
6.ジメチルポリシロキサン(10CS) 20.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.シリコーン処理雲母チタン 5.0
9.シリル化処理無水ケイ酸 2.0
10.赤色226 0.5
11.シリコーン処理黄色酸化鉄 0.2
12.シリコーン処理黒色酸化鉄 0.05
13.シリコーン系界面活性剤(注9) 2.0
14.精製水 15.0
15.製造例2の微粒子固形油 2.0
(注9)KF−6026(信越化学社製)
【0056】
(製造方法)
A:成分1〜7を90℃にて均一に混合混合する。
B:Aに成分8〜13混合し、三本ローラーにより均一分散する。
C:Bにディスパーミキサーで攪拌しながら、成分14を添加し、乳化
する。
D.Cに成分15を添加し、デスパミキサーで均一分散する。
E.Dを容器に充填して、油中水型口紅を得た。
本発明品である実施例11の油中水型口紅は、「油っぽいべたつき感の無さ」、「肌への付着性の良さ」、「化粧膜の均一性」、「塗布時の収まりの良さ」の全ての項目に優れた油中水型メーキャップ化粧料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)及び(b);
成分(a)平均粒径40〜4000nmの固形油粉末
成分(b)シリコーン油
を配合することを特徴とする油中水型メーキャップ化粧料。
【請求項2】
前記成分(a)の固形油粉末の融点が70〜150℃であることを特徴とする請求項1記載の油中水型メーキャップ化粧料。
【請求項3】
前記成分(a)の固形油粉末を0.1〜15質量%配合することを特徴とする請求項1又は2に記載の油中水型メーキャップ化粧料。
【請求項4】
前記成分(a)の固形油粉末が、ガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の油中水型メーキャップ化粧料。
【請求項5】
成分(a)を除いた油性成分中に成分(b)を40質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかの1項に記載の油中水型メーキャップ化粧料。

【公開番号】特開2006−257038(P2006−257038A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78271(P2005−78271)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】