説明

油圧ショベルの旋回油圧回路

【課題】旋回モータの起動時や加速時のリリーフロスをなくすことによりエネルギロスを減少させると共に、発熱による油圧機器の損傷、劣化を防止し耐久性を向上する。
【解決手段】旋回モータの起動時または加速時の旋回リリーフのロスを抑えるために、旋回起動時は油圧ポンプの制御を一定圧力保持制御でおこない、旋回モータの起動時または加速時の旋回特性を確保すると共に、その制御圧より旋回起動時のリリーフ設定圧を高くして、旋回起動時のリリーフをなくし、エネルギロスを低減するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の旋回油圧回路に関わり、特に旋回モータの起動時または加速時の旋回リリーフのロスを抑えるために、旋回起動時は油圧ポンプの制御を一定圧力保持制御でおこない、旋回モータの起動時または加速時の旋回特性を確保すると共に、その制御圧より旋回起動時のリリーフ設定圧を高くして、旋回起動時のリリーフをなくし、エネルギロスを低減する油圧ショベルの旋回油圧回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧ショベルは、油圧ポンプにより駆動される旋回モータと、この旋回モータに連結された旋回体と、前記旋回モータの駆動を制御する制御弁と、この制御弁の開閉を制御する旋回レバーとを備えたものにおいて、前記旋回モータの回転数を検出する回転数検出器と、この回転数検出器で検出された回転数に基づいて旋回モータの必要流量を演算する演算手段と、前記旋回レバーの操作量に基づいて前記制御弁に対する指令流量を求める手段と、前記必要流量と予め定められた一定流量との和が前記指令流量以下であるときのみ前記和の流量を前記制御弁に対し指令値として出力する出力手段とを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出量を制御するサーボ機構と、油圧ポンプの吐出量を旋回モータへ圧油の供給を行う流量制御弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受けて流量制御弁の切換え操作をする旋回レバーと連動するパイロット弁とを備えた油圧ショベルの旋回油圧回路において、前記油圧ポンプの斜板角を制御するサーボピストンおよびサーボピストンに制御圧油を供給する第1制御弁とからなるサーボ機構と、前記第1制御弁の切換えを制御する第2制御弁と、前記パイロット弁からのパイロット圧を検知する第1検知手段と、前記流量制御弁と旋回モータとの間の管路に発生するリリーフ圧を検知する第2検知手段と、この第1および第2検知手段からの検知信号を受けて演算し、その演算結果に基づいて前記油圧ポンプの吐出流量を減じるように前記第2制御弁を切換える指令信号を出力する制御装置とを備えたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、旋回モータとブームシリンダとを別々の油圧ポンプで圧油供給する建設機械の油圧回路において、旋回モータを駆動する第1油圧ポンプの吐出圧を検出する第1圧力センサと、旋回モータのリモコン用油圧回路に旋回モータの操作を検出する圧力スイッチを設けて、該第1圧力センサの出力と、圧力スイッチの出力をコントローラの入力側に接続し、該コントローラの出力側を電磁弁のソレノイドに接続し、該電磁弁の出力側と第1油圧ポンプのネガコン圧帰還油路をシャトル弁の入力ポートに接続し、該シャトル弁の出力ポートを第1油圧ポンプの吐出流量を制御するレギュレータの信号ポートに接続して、該コントローラが旋回操作を検出し、第1油圧ポンプの吐出圧が旋回モータのリリーフ圧に達した場合に、該コントローラは該電磁弁の出力圧を引き下げるように制御するものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−45748号公報
【特許文献2】特開平9−195322号公報
【特許文献3】特開2003−294003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の発明は、従来、旋回起動時に大幅なリリーフ量があることからエネルギの大きな損失となっていたことに対しては効果があった。しかし、量は少ないがリリーフ量は依然として残っておりリリーフロスを無くしてしまうことはできない。
【0007】
また、特許文献2記載の発明も、特許文献1と同じように、旋回起動時に大幅なリリーフ量があることからエネルギの大きな損失となっていたことに対しては効果があった。しかし、量は少ないがリリーフ量は依然として残っておりリリーフロスを無くしてしまうことはできない。
【0008】
図6の上段の(A)の図は特許文献2の図10であり、下段の(B)の図は特許文献2の図11であり、(A)に示すリリーフロスを(B)に示すリリーフロスの如く改善したことを特許文献2の効果として示している。しかし、特許文献2においても(B)に示す如く、リリーフロスは依然として残っている。
【0009】
また、特許文献3記載の発明も、油圧ポンプの吐出圧が旋回モータのリリーフ圧に達して圧油が廃棄される場合に油圧ポンプのレギュレータに低圧を作用させて、無駄に廃棄される圧油流量を減少させるので、エネルギの節約により、燃料消費の低減、作動油のヒートバランスが向上する等の効果が得られた。しかし、作業姿勢の変化等で慣性負荷は変動し、旋回速度最大になるまでの時間は一定でないため作業姿勢によってはリリーフしたり、旋回加速が遅れたりする恐れがある。
【0010】
そこで、本発明の主な目的は、旋回起動時は油圧ポンプの制御を一定圧力保持制御でおこない、旋回モータの起動時または加速時の旋回特性を確保すると共に、その制御圧より旋回起動時のリリーフ設定圧を高くして、旋回起動時のリリーフをなくし、エネルギロスを低減する油圧ショベルの旋回油圧回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる油圧ショベルの旋回油圧回路は、油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出量を制御するサーボ機構と、油圧ポンプの吐出量を旋回モータへ圧油の供給を行う方向切換弁と、前記方向切換弁と前記旋回モータとの間の管路に設置された旋回圧力制御手段とを備えた油圧ショベルの旋回油圧回路において、前記サーボ機構は前記油圧ポンプの斜板角を制御するサーボピストンおよびサーボピストンに制御圧油を供給する馬力制御部と、一定圧力保持制御部とからなり、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部の制御圧を旋回圧力制御手段の旋回起動時の設定圧より低くすることを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明にかかる油圧ショベルの旋回油圧回路は、上記の発明において、油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出量を制御するサーボ機構と、油圧ポンプの吐出量を旋回モータへ圧油の供給を行う方向切換弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受けて方向切換弁の切換え操作をする旋回レバーと連動するリモコン弁とを備えた油圧ショベルの旋回油圧回路において、前記油圧ポンプ21
の斜板角を制御するサーボピストン24 およびサーボピストン24 に制御圧油を供給する馬力制御部30 と、前記方向切換弁 35と旋回モータ41との間の管路に設置された旋回リリーフバルブ39、40の旋回起動時の設定圧より低い設定圧に設定された一定圧力保持制御部26とからなるサーボ機構と、前記一定圧力保持制御部26への圧油の切換えを制御する切換弁28と、前記リモコン弁37からのパイロット圧を前記切換弁28に接続し、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部26を作動させることにより、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部の制御圧を旋回圧力制御手段の旋回起動時の設定圧より低くすることを特徴とするものである。
【0013】
また、この発明にかかる油圧ショベルの旋回油圧回路は、上記の発明において、油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出量を制御するサーボ機構と、油圧ポンプの吐出量を旋回モータへ圧油の供給を行う方向切換弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受けて方向切換弁の切換え操作をする旋回レバーと連動するリモコン弁とを備えた油圧ショベルの旋回油圧回路において、前記油圧ポンプ21の斜板角を制御するサーボピストン24およびサーボピストン24に制御圧油を供給する馬力制御部30と一定圧力保持制御部52とからなるサーボ機構と、前記一定圧力保持制御部52の設定圧の切換えを制御する切換弁51と、前記リモコン弁37からのパイロット圧を前記切換弁51に接続し、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部52の設定圧を低い方に切換えて、前記方向切換弁 35と旋回モータ41との間の管路に設置された旋回リリーフバルブ39,40の旋回起動時の設定圧より低い設定圧にすることにより旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部の制御圧を旋回圧力制御手段の旋回起動時の設定圧より低くすることを特徴とするものである。
【0014】
また、この発明にかかる油圧ショベルの旋回油圧回路は、上記の発明において、前記方向切換弁と前記旋回モータとの間の管路に設置され、該管路内の圧力を可変に制御する圧力制御手段を備え、旋回起動操作がされたときに、前記圧力制御手段の制御圧を高い方に切換えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明にかかる油圧ショベルの旋回油圧回路は、旋回起動操作がされたときに、油圧ポンプの制御を一定圧力保持制御でおこない、油圧システムの圧力を一定に保ち、ポンプは旋回モータが必要とする油量のみを供給する。なお、旋回起動操作がされたときには、旋回リリーフバルブの旋回起動時の設定圧は上記制御圧より高いため、リリーフする油量はない。これにより、起動時の旋回特性を確保した上で、旋回起動時のリリーフをなくし、エネルギロスを低減できる。以上より、この発明にかかる油圧ショベルの旋回油圧回路により、良好な旋回操作性を維持した上で燃費の低減が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】油圧ショベルの概略側面図である。
【図2】本発明の第1の旋回油圧回路図である。
【図3】本発明の第2の旋回油圧回路図である。
【図4】本発明の第3の旋回油圧回路図である。
【図5】本発明の旋回起動時の油圧ポンプにおける流量と圧力の模式図である。
【図6】従来の改善技術の改善効果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、油圧ショベルの概略側面図である。図1において、ショベル1は、下部走行体2と、上部旋回体3と、掘削アタッチメント4とから構成されている。下部走行体2は、左右のクローラを回転駆動する左右の走行用モータ(図示せず)を有している。上部旋回体3は、旋回フレーム、キャビン5などから成っている。旋回フレームには、図2以降に示す、動力源としてのエンジン61と、エンジン61に連結された油圧ポンプ21、22と、旋回用方向切換弁35と、上部旋回体3を回転させるための旋回モータ41と、ショベル全体の制御を行うコントローラ58と、旋回モータ用リモコン弁37とが設置されている。掘削アタッチメント4は、ブーム6と、伸縮作動してブーム6を起伏させるブームシリンダ9と、アーム7と、アーム7を回動させるアームシリンダ10と、バケット8と、バケット8を回動させるバケットシリンダ11とを具備している。
【0019】
実施例1を図2の本発明の第1の旋回油圧回路図に従って詳述する。エンジン61により油圧ポンプ21、22およびパイロットポンプ23を駆動している。この油圧ポンプ21は管路を介して旋回用方向切換弁35と接続している。この旋回用方向切換弁35は管路を介して旋回モータ41と接続している。パイロットポンプ23は旋回用リモコン弁と接続している。旋回用リモコン弁は旋回用方向切換弁35と接続し、またシャトル弁36を介して切換弁28と接続している。油圧ポンプ21と旋回用方向切換弁35との間の管路にメインリリーフバルブ32を接続し、旋回用方向切換弁35と旋回モータ41との間の管路に旋回リリーフバルブ39,40を接続している。
【0020】
前記油圧ポンプ21は斜板角を制御するサーボ機構を備えている。このサーボ機構はサーボピストン24,全馬力制御部30、負流量制御部(ネガティブ)27および一定圧力保持制御部26とからなっている。またこの一定圧力保持制御部26には切換弁28が接続されている。
【0021】
全馬力制御部30は油圧ポンプ21、22の両方のポンプ吐出圧の上昇に従って、ポンプの傾転角を自動的に減少させて、両方のポンプのトルクの和を一定に保つ制御を行っている。また、前記負流量制御部(ネガティブ)27は、絞り38によるネガコン圧を管路42から入力し負流量制御を行っている。また、前記一定圧力保持制御部26は、ポンプの制御範囲内で油圧システムの圧力を一定に保つ制御を行っている。
【0022】
前記旋回モータ用リモコン弁37を左右何れかに操作すると、パイロット圧が発生して旋回用方向切換弁35が左旋回あるいは右旋回位置に切り換わる。またこのパイロット圧はシャトル弁36を介して管路44により、切換弁28に入力される。
【0023】
旋回用方向切換弁35が例えば右旋回位置(イ) に切り換わると、油圧ポンプ21の吐出油が旋回用方向切換弁35を介して旋回モータ41の一方のポートへ供給されるとともに、旋回モータ41の他方のポートから圧油が排出されてタンクに戻り、旋回モータ41が右回転して機体の右旋回動作が行われる。
【0024】
このとき、センタバイパスが遮断されているため、旋回用方向切換弁35下流のネガコン圧が低下し、もし、旋回の単独操作であれば、ネガコン圧が低くなったことにより、負流量制御部(ネガティブ)27の作用で油圧ポンプ21の吐出量が増加する制御が行われる。一方、切換弁28が切換ったことにより、一定圧力保持制御部26は、旋回リリーフバルブ39、40の旋回起動時の設定圧より低い設定圧を一定に保つ制御を行う。
【0025】
これにより、油圧ポンプ21は旋回モータ41が必要とする油量のみを供給し、旋回リリーフバルブ39,40からリリーフする油量は無い。したがって、旋回用油圧ポンプ21のポンプ負荷が軽減され、省エネを図ることができる。
【0026】
図5は本発明の旋回起動時の油圧ポンプにおける流量と圧力の模式図であり、最大吐出量はQmである。また、最大吐出圧はPmであり、これはメインリリーフバルブ32の設定圧により決まる。全馬力制御部30によって制御される部分は図5の出力線図に示す如くである。一方、旋回起動時における旋回リリーフバルブ設定圧はPsであるが、一定圧力保持制御部26が制御する制御設定圧Pcは、若干のオーバライド△Pは有るがPsよりも低く設定されている。これにより図5からも明らかなように、旋回起動時には油圧ポンプ21は旋回モータ41が必要とする油量のみを供給、リリーフすることは無い。
【実施例2】
【0027】
実施例2は一定圧力保持制御部52の設定圧を可変とし、通常の高圧時はメインリリーフバルブの設定圧Pmより高い設定圧にしておき、旋回起動時にその設定圧を低圧の設定圧Pcに切換えるものである。図3は本発明の実施例2に係る油圧ショベルの旋回油圧回路を示す図であり、図3中、図2に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0028】
図3に従って、図2と異なるところを以下に説明する。前記旋回モータ用リモコン弁37を左右何れかに操作すると、パイロット圧が発生して旋回用方向切換弁35が左旋回あるいは右旋回位置に切り換わる。またこのパイロット圧はシャトル弁36を介して管路44により、切換弁51に入力される。
【0029】
前記一定圧力保持制御部52の設定圧は通常はリリーフバルブ54の設定圧のアシストを受けた高い設定圧となっているが、切換弁51が切換るとアシスト圧油は排出されてタンクに戻り、低い設定圧Pcに切換り、一定圧力保持制御部52は、旋回リリーフバルブ39、40の旋回起動時の設定圧力より低い設定圧力を一定に保つ制御を行う。
【0030】
これにより、油圧ポンプ21は旋回モータ41が必要とする油量のみを供給し、旋回リリーフバルブ39,40からリリーフする油量を無くすことになる。したがって、旋回用油圧ポンプ21のポンプ負荷が軽減され、省エネを図ることができる。
【実施例3】
【0031】
実施例3は旋回リリーフバルブ55、56の設定圧を可変とし、旋回起動操作がされたときに、旋回リリーフバルブ55、56の設定圧を高い方に切換えるものである。図4は本発明の実施例3に係る油圧ショベルの旋回油圧回路を示す図であり、図4中、図2に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0032】
前記旋回リリーフバルブ55、56は電磁比例式のソレノイド部を備えることにより設定圧可変式のリリーフ弁として構成されている。したがって、後述のコントローラ58から制御信号が出力されることにより、この制御信号の電流値に応じて旋回リリーフバルブ55、56のリリーフ設定圧を変化させる。また、圧力センサ57は旋回モータ用リモコン弁からシャトル弁を介した管路44のパイロット圧に接続している。この検出信号はコントローラ58に出力される。
【0033】
前記旋回モータ用リモコン弁37を左右何れかに操作すると、パイロット圧が発生して旋回用方向切換弁35が左旋回あるいは右旋回位置に切り換わる。またこのパイロット圧はシャトル弁36を介して管路44により、切換弁28に入力されると同時に、圧力センサ57は旋回操作信号をコントローラ58に入力する。コントローラ58は制御信号を出力し、旋回リリーフバルブ55、56の設定圧を高める。
【0034】
これにより、一定圧力保持制御部26又は52の制御圧より旋回リリーフバルブ55、56の旋回起動時の設定圧を高くしてリリーフを防ぐと同時に、旋回モータ用リモコン弁を中立の状態にして、回転中の旋回回転を制動するときのリリーフの設定圧は従来と同じ低い圧のままとして過度のブレーキが掛かることを防止する。
【0035】
図4は図2の実施例の旋回リリーフバルブ39,40を旋回リリーフバルブ55、56とし、設定圧を可変としたものであるが、図3の実施例にも全く同様に旋回リリーフバルブ39,40から旋回リリーフバルブ55、56とすることができる。
【0036】
以上より、油圧ポンプ21は旋回モータ41が必要とする油量のみを供給し、旋回リリーフバルブからリリーフする油量は無い。したがって、旋回用油圧ポンプ21のポンプ負荷が軽減され、省エネを図ることができると共に、発熱による油圧機器の損傷、劣化を防止し耐久性を向上することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 掘削アタッチメント
5 キャビン
6 ブーム
7 アーム
8 バケット
9 ブームシリンダ
10 アームシリンダ
11 バケットシリンダ
21 油圧ポンプ
22 油圧ポンプ
23 パイロットポンプ
24 サーボピストン
25 サーボピストン
26 一定圧力保持制御部
27 負流量制御部(ネガティブ)
28 切換弁
29 負流量制御部(ネガティブ)
30 全馬力制御部
31 全馬力制御部
32 メインリリーフバルブ
33 方向切換弁
34 絞り
35 旋回用方向切換弁
36 シャトル弁
37 旋回モータ用リモコン弁
38 絞り
39 旋回リリーフバルブ
40 旋回リリーフバルブ
41 旋回モータ
51 切換弁
52 一定圧力保持制御部
53 絞り
54 リリーフバルブ
55 旋回リリーフバルブ
56 旋回リリーフバルブ
57 圧力センサ
58 コントローラ



















【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出量を制御するサーボ機構と、油圧ポンプの吐出量を旋回モータへ圧油の供給を行う方向切換弁と、前記方向切換弁と前記旋回モータとの間の管路に設置された旋回圧力制御手段とを備えた油圧ショベルの旋回油圧回路において、前記サーボ機構は前記油圧ポンプの斜板角を制御するサーボピストンおよびサーボピストンに制御圧油を供給する馬力制御部と、一定圧力保持制御部とからなり、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部の制御圧を旋回圧力制御手段の旋回起動時の設定圧より低くすることを特徴とする油圧ショベルの旋回油圧回路。
【請求項2】
油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出量を制御するサーボ機構と、油圧ポンプの吐出量を旋回モータへ圧油の供給を行う方向切換弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受けて方向切換弁の切換え操作をする旋回レバーと連動するリモコン弁とを備えた油圧ショベルの旋回油圧回路において、前記油圧ポンプ(21) の斜板角を制御するサーボピストン(24) およびサーボピストン(24) に制御圧油を供給する馬力制御部(30)
と、前記方向切換弁 (35) と旋回モータ(41)との間の管路に設置された旋回リリーフバルブ(39、40)の旋回起動時の設定圧より低い設定圧に設定された一定圧力保持制御部(26)とからなるサーボ機構と、前記一定圧力保持制御部(26)への圧油の切換えを制御する切換弁(28) と、前記リモコン弁(37) からのパイロット圧を前記切換弁(28)に接続し、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部(26)を作動させることにより、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部の制御圧を旋回圧力制御手段の旋回起動時の設定圧より低くすることを特徴とする請求項1に記載の油圧ショベルの旋回油圧回路。
【請求項3】
油圧ショベルの上部旋回体を旋回駆動する旋回モータと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出量を制御するサーボ機構と、油圧ポンプの吐出量を旋回モータへ圧油の供給を行う方向切換弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受けて方向切換弁の切換え操作をする旋回レバーと連動するリモコン弁とを備えた油圧ショベルの旋回油圧回路において、前記油圧ポンプ(21) の斜板角を制御するサーボピストン(24) およびサーボピストン(24) に制御圧油を供給する馬力制御部(30)
と一定圧力保持制御部(52)とからなるサーボ機構と、前記一定圧力保持制御部(52)の設定圧の切換えを制御する切換弁(51) と、前記リモコン弁(37) からのパイロット圧を前記切換弁(51)に接続し、旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部(52)の設定圧を低い方に切換えて、前記方向切換弁 (35) と旋回モータ(41)との間の管路に設置された旋回リリーフバルブ(39,40)の旋回起動時の設定圧より低い設定圧にすることにより旋回起動操作がされたときに、前記一定圧力保持制御部の制御圧を旋回圧力制御手段の旋回起動時の設定圧より低くすることを特徴とする請求項1に記載の油圧ショベルの旋回油圧回路。
【請求項4】
前記方向切換弁と前記旋回モータとの間の管路に設置され、該管路内の圧力を可変に制御する圧力制御手段を備え、旋回起動操作がされたときに、前記圧力制御手段の制御圧を高い方に切換えることを特徴とする請求項1〜3に記載の油圧ショベルの旋回油圧回路。




























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−226491(P2011−226491A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93703(P2010−93703)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(709006552)
【Fターム(参考)】