説明

油圧式運動制御装置

【課題】制御対象物の運動停止状態を保持する機能を低下させることなく、温度変化によるオイルの膨張・収縮に対応できる油圧式運動制御装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る油圧式運動制御装置は、オイルを蓄えることができる第5の室25と、第5通路55に設けられ、第1乃至第4の室21−24から第5の室25へオイルが流入することを阻止する一方で、第5の室25からのオイルの流出を許容するチェックバルブ64と、第6通路56に設けられ、第5の室25から第1及び第3の室21,23へオイルが流入することを阻止する一方で、第1及び第2圧力バルブ61,62を開弁させる圧力より大きな圧力を受けなければ開弁せず、開弁したときには、第5の室25へのオイルの流入を許容する第3圧力バルブ63とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧式運動制御装置に関し、より詳細には、油圧を利用して制御対象物の運動停止状態を保持し得る油圧式運動制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧を利用した装置では、温度の上昇によりオイルが膨張するため、オイルの体積の増加分を一時的に蓄える構成を備えている。例えば、下記特許文献1には、オイルの体積の増加分を蓄えるための第3ボアーが記載されている。この第3ボアーの内部には、フリーピストンにより区画された貯油室とガス室が形成されている。貯油室には、油路を通じてオイルが流入するが、前記油路には、オイルの流れを規制するバルブが設けられていない。したがって、オイルの膨張がない通常動作時においても、前記油路を通じて貯油室にオイルが流れ込むことになる。
【0003】
一方、油圧を利用して制御対象物の運動停止状態を保持する装置には、油圧を発生させる室の内圧が所定値を超えなければ開弁しない圧力バルブが設けられており、当該装置は、この圧力バルブが開弁することによって、加圧室からオイルが流出し、該オイルが負圧室へ流入する構成となっている(下記特許文献2参照)。
【0004】
したがって、当該装置に、オイルが通常動作時においても貯油室に流れ込む構成を採用した場合には、圧力バルブが開弁したときに、負圧室だけでなく貯油室にもオイルが流入してしまうため、負圧室に流入されるべきオイルの量が不足することになる。その結果、制御対象物が、例えば、自動車のドアである場合に、ドアの開動作を任意の開角度で停止させても、負圧室から加圧室へ十分な量のオイルが還流されないため、ドアを停止させた直後に圧力バルブが閉弁しても、加圧室の内圧が不足して、ドアの停止状態を保持できないという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特許第3778668号公報
【特許文献2】国際公開第WO2005/073589号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、制御対象物の運動停止状態を保持する機能を低下させることなく、温度変化によるオイルの膨張・収縮に対応できる油圧式運動制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下の油圧式運動制御装置を提供する。
ハウジング内に形成される第1乃至第4の室と、
第1乃至第4の室に充填されるオイルと、
ハウジング内で回転可能な回転軸に突設され、一方向へ回動することにより第1及び第3の室のオイルを押圧し、逆方向へ回動することにより第2及び第4の室のオイルを押圧するベーンと、
第1の室と第2の室とを連通させる第1通路と、
第1の室と第4の室とを連通させる第2通路と、
第1の室と第3の室とを連通させる第3通路と、
第2の室と第3の室とを連通させる第4通路と、
第1通路に設けられ、第2及び第4の室から第1の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第1の室の内圧が所定値を超えたときに開弁して、第1の室からオイルを流出させる第1圧力バルブと、
第4通路に設けられ、第1及び第3の室から第2の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第2の室の内圧が所定値を超えたときに開弁して、第2の室からオイルを流出させる第2圧力バルブとを備え、
第1又は第2の室の内圧が所定値を超えるまでは、回転軸の回転を停止させ得る油圧式運動制御装置であって、
オイルを蓄えることができる第5の室と、
第5の室に設けられるピストンと、
ピストンを付勢するばねと、
第1又は第2通路に連通し、第5の室に通じる第5通路と、
第5通路に設けられ、第1乃至第4の室から第5の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第5の室からのオイルの流出を許容するチェックバルブと、
第3又は第4通路に連通し、第5の室に通じる第6通路と、
第6通路に設けられ、第5の室から第1及び第3の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第1及び第2圧力バルブを開弁させる圧力より大きな圧力を受けなければ開弁せず、開弁したときには、第5の室へのオイルの流入を許容する第3圧力バルブとをさらに有し、
第5の室に蓄えられたオイルは、前記ばねによって付勢されたピストンが第5の室のオイルを押圧することによって、第5の室から流出することを特徴とする油圧式運動制御装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第5通路に、第1乃至第4の室から第5の室へオイルが流入することを阻止するチェックバルブが設けられ、また、第6通路に、第1及び第2圧力バルブを開弁させる圧力より大きな圧力を受けなければ開弁せず、開弁したときには、第5の室へのオイルの流入を許容する第3圧力バルブが設けられているため、通常動作時において、第1又は第2圧力バルブが開弁しても、オイルが第5の室に流入することがない。したがって、ベーンの回動により負圧となる室に十分な量のオイルが流入し、当該室に流入されるべきオイルの量が不足することがない。その結果、第1又は第2圧力バルブが閉弁した直後に、第1乃至第4の室の内圧が低下することが抑制されるため、回転軸の停止状態が保持される。一方、温度が上昇し、オイルが膨張したときには、第3圧力バルブが開弁して、オイルの体積の増加分が第5の室に流入し、第5の室内に蓄えられる。他方、温度が低下し、オイルが収縮したときは、第5の室内に蓄えられたオイルが第5の室から流出し、第5通路に設けられるチェックバルブは、第5の室からのオイルの流出を許容するものであるため、オイルは第5通路を通過して、第2及び第4の室へ流入する。よって、本発明によれば、制御対象物の運動停止状態を保持する機能を低下させることなく、温度変化によるオイルの膨張・収縮に対応することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に示した実施例に従って説明する。
【実施例】
【0010】
図1乃至図4は、本発明の実施例に係る油圧式運動制御装置の内部構造を示す図であり、図5は、同実施例の油圧回路図である。これらの図に示したように、本実施例に係る油圧式運動制御装置(以下「本装置」という。)は、ハウジング10、第1乃至第5の室21−25、オイル、回転軸30、ベーン40、第1乃至第6通路51−56、第1乃至第3圧力バルブ61−63、チェックバルブ64、ピストン70及びばね80を有して構成される。
【0011】
ハウジング10は、外壁部11、上蓋部12、下蓋部13及び底壁部14を有して構成される。外壁部11は、円筒状に形成されたものである(図1及び図2参照)。上蓋部12は、外壁部11の一端側を閉塞するものであり、回転軸30が挿通される孔部を有している(図2参照)。下蓋部13は、外壁部11の他端側を閉塞するものである(図2参照)。底壁部14は、外壁部11の内部において、下蓋部13に隣接して設けられる(図2参照)。底壁部14には、回転軸30が嵌り込む凹部が形成されるとともに、第1乃至第6通路51−56、第1乃至第3圧力バルブ61−63及びチェックバルブ64が設けられている(図1乃至図4参照)。上蓋部12及び下蓋部13は、外壁部11の両端をかしめることによって取り付けられており、それにより、外壁部11、上蓋部12、下蓋部13及び底壁部14が強固に一体化されたハウジング10が構成される。
【0012】
ハウジング10の内部には、第1乃至第4の室21−24が形成される(図1参照)。より詳細には、外壁部11と回転軸30との間に形成される空間が隔壁90によって仕切られ、さらに、隔壁90によって仕切られた空間がベーン40によって仕切られることにより、上蓋部12と底壁部14との間に4つの空間が形成される。これらの4つの空間が第1乃至第4の室21−24である。
【0013】
第1乃至第4の室21−24には、オイルが充填される。第1乃至第4の室21−24に充填されたオイルが第1乃至第4の室21−24に形成される第1乃至第4通路51−54の開口部101−106のみから流出するようにするため、隔壁90には、隔壁90と回転軸30との間隙、隔壁90と外壁部11との間隙、隔壁90と上蓋部12との間隙、及び隔壁90と底壁部14との間隙からオイルが流出することを防止するシール部材110が設けられ、また、ベーン40には、ベーン40と外壁部11との間隙、ベーン40と上蓋部12との間隙、及びベーン40と底壁部14との間隙からオイルが流出することを防止するシール部材120が設けられている(図1及び図2参照)。
【0014】
隔壁90は、ハウジング10に固定され、ベーン40は、回転軸30の回転に伴ってハウジング10の内部で回動するように、回転軸30に突設されている。回転軸30は、一端が底壁部14に形成された凹部に嵌め込まれ、他端側が上蓋部12に形成された孔部に挿通されることにより、ハウジング10に支持されており、ハウジング10の内部で回転可能なものである。回転軸30の他端は、ハウジング10の外に突出しており、この突出端には、制御対象物が連結される。
【0015】
ベーン40は、一方向へ回動することにより第1及び第3の室21,23のオイルを押圧し、逆方向へ回動することにより第2及び第4の室22,24のオイルを押圧することができるように設けられている(図1参照)。
【0016】
第5の室25は、回転軸30の内部に形成される(図1乃至図3参照)。第5の室25の内部には、ピストン70が設けられ、このピストン70によって、第5の室25の内部は2分割される。分割された一方の空間25a(以下「貯油室」という。)は、オイルを一時的に蓄えることができるアキュムレータとして機能する。分割された他方の空間25bには、ピストン70を一方向に付勢するばね80が装填される(図2及び図3参照)。第5の室25は、貯油室25aに形成される開口部107を通じて流入するオイルを蓄えることができる(図1乃至図4参照)。
【0017】
第1通路51は、第1の室21と第2の室22とを連通させるように形成されるオイルの通路であり、底壁部14に形成されている(図4及び図5参照)。第1通路51は、第1の室21に開口する開口部101と、第2の室22に開口する開口部104とを有して構成される(図1、図4及び図5参照)。
【0018】
第2通路52は、第1の室21と第4の室24とを連通させるように形成されるオイルの通路であり、底壁部14に形成されている(図4及び図5参照)。第2通路52は、第1の室21に開口する開口部101と、第4の室24に開口する開口部106とを有して構成される(図1、図4及び図5参照)。なお、第2通路52における第1の室21に開口する開口部101は、第1通路51における第1の室21に開口する開口部101と同一である。
【0019】
第3通路53は、第1の室21と第3の室23とを連通させるように形成されるオイルの通路であり、底壁部14に形成されている(図4及び図5参照)。第3通路53は、第1の室21に開口する開口部102と、第3の室23に開口する開口部105とを有して構成される(図1、図4及び図5参照)。
【0020】
第4通路54は、第2の室22と第3の室23とを連通させるように形成されるオイルの通路であり、底壁部14に形成されている(図4及び図5参照)。第4通路54は、第2の室22に開口する開口部103と、第3の室23に開口する開口部105とを有して構成される(図1、図4及び図5参照)。なお、第4通路54における第3の室23に開口する開口部105は、第3通路53における第3の室23に開口する開口部105と同一である。
【0021】
第5通路55は、第2通路52に連通し、第5の室25に通じる、オイルの通路であり、底壁部14に形成されている(図4及び図5参照)。第5通路55は、第5の室25(貯油室25a)に開口する開口部108を有して構成される(図2乃至図5参照)。なお、第5通路55は、第1通路51に連通するように形成することもできる。
【0022】
第6通路56は、第4通路54に連通し、第5の室25に通じる、オイルの通路であり、底壁部14に形成されている(図4及び図5参照)。第6通路56は、第5の室25(貯油室25a)に開口する開口部107を有して構成される(図2乃至図5参照)。なお、第6通路56は、第3通路53に連通するように形成することもできる。
【0023】
第1乃至第3圧力バルブ61−63は、いずれも弁体にばね圧を加えることによって、弁体が受けるオイルの圧力が一定の大きさにならなければ開弁しない構造を有するものである。また、第1乃至第3圧力バルブ61−63は、いずれも一方向性の弁である。
【0024】
第1圧力バルブ61は、図3及び図5に示したように、第1通路51に設けられ、第2及び第4の室22,24から第1の室21へオイルが流入することを阻止する一方で、第1の室21の内圧が所定値を超えたときに開弁して、第1の室21からオイルを流出させるものである。
【0025】
第2圧力バルブ62は、図3及び図5に示したように、第4通路54に設けられ、第1及び第3の室21,23から第2の室22へオイルが流入することを阻止する一方で、第2の室22の内圧が所定値を超えたときに開弁して、第2の室22からオイルを流出させるものである。
【0026】
第3圧力バルブ63は、図2、図3及び図5に示したように、第6通路56に設けられ、第5の室25から第1及び第3の室21,23へオイルが流入することを阻止する一方で、第1及び第2圧力バルブ61,62を開弁させる圧力より大きな圧力を受けなければ開弁せず、開弁したときには、第5の室25へのオイルの流入を許容するものである。
【0027】
チェックバルブ64は、第1乃至第3圧力バルブ61−63と異なり、単純な一方向性の弁であり、弁体が受けるオイルの圧力の大きさにかかわらず開弁するものである。チェックバルブ64は、第5通路55に設けられ、第1乃至第4の室21−24から第5の室25へオイルが流入することを阻止する一方で、第5の室25からのオイルの流出を許容するものである。
【0028】
上記のように構成される本装置は、回転軸30に連結された制御対象物が停止状態にあるときには、第1乃至第3圧力バルブ61−63が閉じており、第1乃至第4の室21−24のオイルは流出することなく停滞している。
【0029】
制御対象物に外力が加えられることにより、回転軸30に回転力が付与されたときには、回転軸30の回転に伴ってベーン40が回動する。もっとも、第1圧力バルブ61は、第1の室21の内圧が所定値を超えなければ開弁せず、また、第2圧力バルブ62は、第2の室22の内圧が所定値を超えなければ開弁しないため、ベーン40がオイルを押圧する力が弱いときには、第1又は第2の室21,22からオイルが流出しない。したがって、回転軸30は回転することができず、制御対象物の停止状態が保持される。つまり、本装置は、第1又は第2の室21,22の内圧が所定値を超えるまでは、回転軸30の回転を停止させ、制御対象物の停止状態を保持することができる。
【0030】
一方、ベーン40がオイルを押圧する力が、第1又は第2の室21,22の内圧が所定値を超える程強いときには、第1又は第2圧力バルブ61,62が開弁して、第1又は第2の室21,22からオイルが流出する。もっとも、この場合でも、第5通路55には、第1乃至第4の室21−24から第5の室25へオイルが流入することを阻止するチェックバルブ64が設けられているため、第1又は第2の室21,22から流出したオイルが第5通路55を通過して第5の室25に流入することがなく、また、第6通路56に設けられた第3圧力バルブ63は、第1及び第2圧力バルブ61,62を開弁させる圧力より大きな圧力を受けなければ開弁しないため、第1又は第2の室21,22から流出したオイルが第6通路56を通過して第5の室25に流入することもない。
【0031】
したがって、ベーン40が一方向へ回動して第1及び第3の室21,23のオイルを押圧した場合であって、第1圧力バルブ61が開弁したときには、第1の室21から流出したオイルは、第5の室25に流入することなく、第1通路51を通過して、このとき負圧となる第2の室22に流入し、また、第1通路51と連通する第2通路52を通過して、このとき負圧となる第4の室24に流入する(図5参照)。また、第3の室23から流出したオイルは、第5の室25に流入することなく、第3通路53を通過して第1の室21に流入する(図5参照)。
【0032】
ベーン40が逆方向へ回動して第2及び第4の室22,24のオイルを押圧した場合であって、第2圧力バルブ62が開弁したときには、第2の室22から流出したオイルは、第5の室25に流入することなく、第4通路54を通過して、このとき負圧となる第3の室23に流入し、また、第4通路54と連通する第3通路53を通過して、このとき負圧となる第1の室21に流入する(図5参照)。また、第4の室24から流出したオイルは、第5の室25に流入することなく、第2及び第1通路52,51を経由して第2の室22に流入する(図5参照)。
【0033】
上記のように本装置によれば、ベーン40の回動により負圧となる室に十分な量のオイルが流入し、当該室に流入されるべきオイルの量が不足することがないため、第1又は第2圧力バルブ61,62が閉弁した直後に、第1乃至第4の室21−24の内圧が低下することを抑制することができる。よって、本装置によれば、通常動作時において、制御対象物の停止状態を保持する機能が低下しない。
【0034】
一方、温度の上昇によりオイルが膨張したときには、第3圧力バルブ63が開弁して、オイルの体積の増加分が第5の室25(貯油室25a)に流入して蓄えられる(図5参照)。したがって、オイルの膨張により本装置が破損することが防止される。
【0035】
貯油室25aのオイルは、ピストン70に押圧されているため、その後の温度の低下によりオイルが収縮していくのに従って、貯油室25aから流出し、このときチェックバルブ64は開弁するため、第1、第2及び第5通路51,52,55を経由して、第2及び第4の室22,24に流入する(図5参照)。なお、このとき、本装置では、第1及び第3の室21,23に第5の室25からのオイルが流入しないため、第1及び第3の室21,23が負圧となるが、ベーン40の回動により第1又は第2圧力バルブ61,62が開弁したときに、即座にオイルが第1及び第3の室21,23に流入するため、安定した圧力状態が回復可能である。
【0036】
上記のように本装置よれば、温度変化によるオイルの膨張・収縮に十分に対応することできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例に係る油圧式運動制御装置の内部構造を示す図であって、図2におけるC−C部断面図である。
【図2】図1におけるA−A部断面図である。
【図3】図1におけるB−B部断面図である。
【図4】図2におけるD−D部断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る油圧式運動制御装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
【0038】
10 ハウジング
11 外壁部
12 上蓋部
13 下蓋部
14 底壁部
21 第1の室
22 第2の室
23 第3の室
24 第4の室
25 第5の室
25a 貯油室
30 回転軸
40 ベーン
51 第1通路
52 第2通路
53 第3通路
54 第4通路
55 第5通路
56 第6通路
61 第1圧力バルブ
62 第2圧力バルブ
63 第3圧力バルブ
64 チェックバルブ
70 ピストン
80 ばね
90 隔壁
101−108 開口部
110,120 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に形成される第1乃至第4の室と、
第1乃至第4の室に充填されるオイルと、
ハウジング内で回転可能な回転軸に突設され、一方向へ回動することにより第1及び第3の室のオイルを押圧し、逆方向へ回動することにより第2及び第4の室のオイルを押圧するベーンと、
第1の室と第2の室とを連通させる第1通路と、
第1の室と第4の室とを連通させる第2通路と、
第1の室と第3の室とを連通させる第3通路と、
第2の室と第3の室とを連通させる第4通路と、
第1通路に設けられ、第2及び第4の室から第1の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第1の室の内圧が所定値を超えたときに開弁して、第1の室からオイルを流出させる第1圧力バルブと、
第4通路に設けられ、第1及び第3の室から第2の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第2の室の内圧が所定値を超えたときに開弁して、第2の室からオイルを流出させる第2圧力バルブとを備え、
第1又は第2の室の内圧が所定値を超えるまでは、回転軸の回転を停止させ得る油圧式運動制御装置であって、
オイルを蓄えることができる第5の室と、
第5の室に設けられるピストンと、
ピストンを付勢するばねと、
第1又は第2通路に連通し、第5の室に通じる第5通路と、
第5通路に設けられ、第1乃至第4の室から第5の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第5の室からのオイルの流出を許容するチェックバルブと、
第3又は第4通路に連通し、第5の室に通じる第6通路と、
第6通路に設けられ、第5の室から第1及び第3の室へオイルが流入することを阻止する一方で、第1及び第2圧力バルブを開弁させる圧力より大きな圧力を受けなければ開弁せず、開弁したときには、第5の室へのオイルの流入を許容する第3圧力バルブとをさらに有し、
第5の室に蓄えられたオイルは、前記ばねによって付勢されたピストンが第5の室のオイルを押圧することによって、第5の室から流出することを特徴とする油圧式運動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−127697(P2009−127697A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301669(P2007−301669)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000198271)株式会社ソミック石川 (91)
【Fターム(参考)】