説明

油性化粧料

【課題】 本発明は化粧崩れ防止効果(化粧持ち効果及び色移り防止効果)に優れる化粧料において化粧膜の均一性を改善し、乾燥感のなさ(使用感)を改善した油性化粧料に関し、口唇化粧料においては特にツヤ感と使用感(密着感のある軽いのび、乾燥感のなさ)に優れた油性化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(a)〜(c);(a)ダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物、(b)揮発性シリコーン油、(c)有機シリコーン樹脂を配合することを特徴とする油性化粧料に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特定のエステル化合物と揮発性シリコーン油と有機シリコーン樹脂とを配合する油性化粧料に関し、詳しくは化粧崩れ防止効果(化粧持ち効果及び色移り防止効果)に優れる化粧料において化粧膜の均一性を改善し、乾燥感のなさ(使用感)を改善した油性化粧料に関し、口唇化粧料においては特にツヤ感と使用感(密着感のある軽いのび、乾燥感のなさ)を改善したものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料は、顔や手足、体、髪に使用するものであって、それが衣類や接触したものに移らないこと、いわゆる二次付着(色移り)が低減されることは必要である。
【0003】
特に油性化粧料は、乳化化粧料や水系化粧料に比べ、化粧膜がしっかりしているため二次付着の低減はよく研究されている。例えば有機シリコーン樹脂、揮発性シリコーン油、及び粉体を組み合わせて用いる方法(例えば、特許文献1)が知られているが、化粧くずれの防止効果は得られるものの、色移り防止効果の点で必ずしも満足できるものではなかった。この欠点を解消するために、有機シリコーン樹脂をより高分子化したもの(重量平均分子量10000〜20000)と揮発性油分を組み合わせた技術(例えば、特許文献2)や、有機シリコーン樹脂の代わりにエラストマーオルガノポリシロキサンを用いる技術(例えば、特許文献3)、また、有機シリコーン樹脂、揮発性シリコーンに加え、不定形微粒子無水珪酸を用いる技術(例えば、特許文献4)やアクリルーシリコーン系グラフト共重合体を供に用いる技術がある(例えば、特許文献5)。特に口紅は、特に着色力が強く、色移りが目立つことによりこれら技術がよく応用されている。ところが、口紅は塗布具を用いず使用する場合が多いため、使用感(密着感のある軽いのび、乾燥感のなさ)が非常に重要な品質特性となる。そこで口紅においては、なめらかな使用感を改善するため、揮発性油分、撥水性ポリマー、特定の粉体及び特定の油分を配合する技術等が検討されてきた(例えば特許文献6、7)。
【0004】
更に、特定の油剤であるポリダイマージリノール酸ダイマージリノレイルを用いることにより、化粧膜に艶を与え、付着性、化粧持ちを向上させた技術(例えば、特許文献8)や、ダイマー酸と二価以上のアルコールとのオリゴマーエステルを、一価のアルコール又は/及び一価のカルボン酸でエステル化したエステル、若しくは、ダイマージオールと二価以上のカルボン酸とのオリゴマーエステルを、一価のアルコール又は/及び一価のカルボン酸でエステル化したエステルに関する技術(例えば、特許文献9)等がある。
【0005】
【特許文献1】特許昭61−161211号公報
【特許文献2】特開平9−124430号公報
【特許文献3】特許第3242874号公報
【特許文献4】特開2001−302456号公報
【特許文献5】特開2000−38313号公報
【特許文献6】特開平7−267826号公報
【特許文献7】特開平9−143033
【特許文献8】特開2002−128629号公報
【特許文献9】特開2004−256515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特に揮発性油やシリコーン樹脂を用いる油性化粧料において、油剤を用いて、膜の均一性や使用感(密着感のある軽いのび、乾燥感のなさ)を改善する技術は見出されていなかった。従来技術において、揮発性シリコーン油を揮発させることによって、有機シリコーンと油剤や粉体などで構成される化粧膜が形成させるが、特に口唇化粧料でこの技術に単に、ツヤのある油剤を配合しても、有機シリコーンとの相溶性や塗布部位との密着性が悪く、結果的に均一な化粧膜が得られず、その油剤のもつツヤの効果が発現できないことがあった。更に有機シリコーンの皮膜を形成してもそれが塗布部位との密着性が良くないと化粧持ちや色移り防止効果も落ちてしまうことになる。また、揮発することによる乾燥感を低減させるために抱水力の高い油剤を組み合わせた場合も、均一な化粧膜が形成されて且つ塗布部位と密着性がよいものでないと、部分的に保水力が弱まり、結果的に乾燥を感じることになる場合がある。一方、特に化粧料を直接塗布することの多い、口唇化粧料においては、塗布後の使用感(乾燥感のなさ)のみならず、使用中に密着感があって、軽くのびるものが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情において、本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のエステル化合物であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物と、揮発性油、及び有機シリコーン樹脂とを配合する油性化粧料が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。また口唇化粧料においては化粧膜の均一性がツヤとツヤの持続性につながり、また、使用感は乾燥感のなさに加えて密着感があって軽くのびることを見出すことができた。これは、唇上に有機シリコーン樹脂の膜が形成され、膜の空隙に特定のエステル化合物であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物の一部が入り、保水力を高めることにより乾燥感を防ぎ、更に、有機シリコーン樹脂で形成された膜の上にも前記エステル化合物が被覆しているため、ツヤ感を得ることができると考えられる。
【0008】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)下記化学式(1)に示すダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
(b)揮発性シリコーン油
(c)有機シリコーン樹脂
を配合する油性化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油性化粧料は、化粧崩れ防止効果(化粧持ち効果及び色移り防止効果)に優れる化粧料において、化粧膜の均一性を改善し、乾燥感のなさ(使用感)を改善した油性化粧料に関し、口唇化粧料においては特にツヤ感と使用感(密着感のある軽いのび、乾燥感のなさ)を改善した化粧料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に用いられる成分(a)のダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物(以下、単に「エステル化合物」と表す場合がある)は、下記一般式(1)で表すことができる。
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
【0011】
本発明に用いられる成分(a)のエステル化合物は、ダイマー酸とダイマージオールから得られるオリゴマーエステルの両末端に存在するカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物である。
出発物質である、ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られるが、炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸を2量化して得られ、炭素数36程度の二塩基酸が主成分である。CAS番号で、61788−89−4が該当する。また、ダイマー化反応において、二重結合を水素化した、水素添加ダイマー酸が好ましい。市販品としては、例えばPRIPOL1006、同1009、同1015、同1025等(ユニケマ社製)が挙げられる。
ダイマージオールは、前記ダイマー酸及び/又はその低級アルコールエステルを触媒存在下で水素添加して、ダイマー酸のカルボン酸部分をアルコールとした炭素数36程度のジオールを主成分としたものである。市販品としては、例えばPRIPOL2033等(ユニケマ社製)が挙げられる。
イソステアリルアルコールは、ダイマー酸の副産物から得られた脂肪酸を還元して得られるものや、ガーベット法により得られるもの、アルドール縮合法により得られるもの等が挙げられるが、特に限定されずいずれのものを使用することもできる。市販品としては、例えばSpeziol C18 ISOC(コグニス社製)等が挙げられる。
【0012】
成分(a)のエステル化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、ダイマー酸とダイマージオールをエステル化してオリゴマーエステルを得た後、更にイソステアリルアルコールで、カルボキシル基をエステル化することにより得ることができる。また、ダイマー酸とダイマージオール及びイソステアリルアルコールを一度にエステル化させることにより得ることができる。
成分(a)の製造において、中間体としてオリゴマーエステルを得る場合、中間体であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルは、それぞれの仕込み比を変えることにより、得られるエステルの平均エステル化度や平均分子量を調整することができる。その仕込み比の範囲は、ダイマー酸1モル当量に対してダイマージオールを0.4〜0.9モル当量であることが好ましい。更に、イソステアリルアルコールでエステル化する場合、残存するカルボキシル基に対し0.8〜1.5モルであることが好ましい。
【0013】
成分(a)のエステル化合物を得る場合の、エステル化反応の条件は特に限定されず、通常用いられる方法で行われる。例えば、触媒としてパラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体等を用い、溶媒としてヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等を用いて、50〜260℃で行うことができる。あるいは無溶剤、無触媒でも100〜260℃でエステル化を行うことができる。
【0014】
成分(a)のエステル化合物は、25℃における粘度が10,000〜20,000mPa・sであることが好ましい。このようなエステル化合物としては、LUSPLAN DA−DD−IS(日本精化社製)が挙げられる。尚、粘度は、コーンプレート型粘度計(Haake社製ROTO visco1)を用い、条件は、ずり速度100(1/s)、コーン直径35mm、角度2°で測定した。
【0015】
本発明の油性化粧料における成分(a)の配合量は、特に限定されないが、1〜40質量%(以下、単に「%」と称す)が好ましく、特に、1〜20%がより好ましい。この範囲で配合させると、化粧膜の均一性と持続性に特に優れるものとなる。
【0016】
本発明に用いられる成分(b)の揮発性シリコーン油は通常化粧料に用いられるものであればいずれのものも使用することができるが、例えば直鎖状のシリコーン油で粘度が5.0〜7.0mm/Sであるジメチルポリシロキサンが挙げられる。市販品としては、例えばKF−96A(2cs)、KF−96A(5cs)(以上、信越化学工業社製)が挙げられる。また、環状シリコーンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられ、市販品としては、例えばKF−995、KF−994(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。更に、メチルトリメチコンを用いることができ、市販品としてはシリコーンTMF1.5(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0017】
本発明の油性化粧料における成分(b)の配合量は、特に限定されないが1〜50%が好ましく、特に10〜40%がより好ましい。この範囲で配合させると、化粧崩れ防止効果(化粧持ち効果及び色移り防止効果)と化粧膜の均一性に優れるものとなる。
【0018】
本発明に用いられる成分(c)の有機シリコーン樹脂は通常化粧料に用いられるものであればいずれのものも使用することができるが、具体的には、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体、長鎖アルキル変性アクリル−シリコーングラフト共重合体、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。市販品としては、アクリル−シリコーングラフト共重合体を溶剤に溶解したものとして、KP541、KP543、KP545(以上、信越化学工業社製)がある。またトリメチルシロキシケイ酸をシリコーン油で溶解したものとして、例えば、KF7312F、KF7312J、KF7312K、KF9011、KF9021、X−21−5249、X−21−5250、(以上、信越化学工業社製)、DC593、BY11−018(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TSF4600(東芝シリコーン社製)等が挙げられる。
【0019】
成分(c)の配合量は、特に限定されないが、固形分として0.1〜20%が好ましく、特に、1〜15%が好ましい。この範囲で配合させると、二次付着防止効果及び化粧膜の均一性に優れるものとなる。
【0020】
本発明の油性化粧料には、上記した必須成分の他に、通常の化粧料に使用される成分、例えば炭化水素、高級脂肪酸エステル、動植物油脂、シリコーン油、フッ素系油等の油性成分や、有機顔料、無機顔料等の粉体、水溶性高分子、アルコール類、水等の水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0021】
油性成分としては、必須成分(a)〜(c)以外で、更に油剤を配合することにより、硬さや塗布時の感触を調整できる。ここで用いる油剤としては、通常化粧料に用いられる油分であれば特に制約なく使用することができ、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤等を利用することができる。具体的には、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モンタンワックス等のロウ類、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ホホバ油等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、部分架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類が挙げられ、油性ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリンのデキストリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸スクロース、酢酸ステアリン酸スクロースのショ糖脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、およびジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0022】
粉体としては、球状、板状、針状等の形状や煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、あるいは多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等を使用することがでる。具体的な粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、二酸化珪素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等を例示することができる。これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。なお、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0023】
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等及び水が挙げられる。
【0024】
界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0025】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸系としては、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としては、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
【0026】
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0027】
本発明の油性化粧料の剤型は、特に限定されないが固形状、半固形状、液状等の形状をとることができる。用途別の化粧料としては、メイクアップ、スキンケア、頭髪製品等種々の化粧料とすることが出来、例えば口紅、リップグロス、リップクリーム、口紅オーバーコート、アイシャドウ、フェイスカラー、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、ハンドクリーム、ファンデーション、化粧下地、コントロールカラー、日焼け止め乳液、乳液、クリーム等が挙げられ、中でも、油性のメイクアップ化粧料とすることが好ましい。更に、口紅、リップグロス、下地用のリップベース、口紅オーバーコート、リップクリーム等の口唇化粧料とすると、より効果を発揮することができるため好ましい。
【0028】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
(合成例1)
「ダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステルイソステアリルアルコールエステル化合物」
水素添加ダイマー酸(PRIPOL1006:ユニケマ社製)200g(0.348モル)及びダイマージオール(PRIPOL2033:ユニケマ社製)132g(0.243モル)を反応器に仕込み、窒素気流中210〜220℃に加熱し、生成する水を留去しながら5時間エステル化反応を行い、中間体であるダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステル(ダイマー酸:ダイマージオール=1:0.7)323gを得た。さらに、当該オリゴマーエステル307gとイソステアリルアルコール(Speziol C18 ISOC:コグニス社製)59g(0.217モル)を反応器に仕込み、窒素気流中210〜220℃に加熱し、生成する水を留去しながら10時間エステル化反応を行い、目的のエステル化合物351gを得た。得られたエステル化合物は、色相ガードナー2、酸価5.2、ケン化価111、粘度15,000mPa・s、屈折率1.48であった。
【0030】
(実施例1〜8及び比較例1〜3) スティック状口紅
表1に示す処方及び下記に示す製法により、スティック状口紅を製造した。得られた各スティック状口紅について、膜の均一性は光沢計の測定値にてツヤを測定することにより評価した。また、官能評価により、乾燥感のなさ(使用感)、密着感のある軽いのびを評価し、膜の均一性は塗布後のツヤ感も評価した。その結果を表1にあわせて示す。尚、評価項目としてはあげていないが、化粧崩れ防止効果である化粧もち効果と色移り防止効果については、各試料を唇に塗布し、一時間後の化粧持ちを評価したのち、ティッシュペーパーを唇にあて、ティッシュペーパーへの転写のなさの程度を評価した。
【0031】
【表1】

【0032】
注1:EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)
注2:合成例1のエステル化合物
注3:PLANDOOL−S(日本精化社製)
注4:KF−994(信越化学工業社製)
注5:KF−995(信越化学工業社製)
注6:KF−7312J(50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(信越化学工業社製)
注7:X−21−5250(50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(信越化学工業社製)
注8:KP−545(30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(信越化学工業社製)
注9:トレフィルE−505C(東レ・ダウ・コーニング社製)
(製造方法)
A、成分(1)〜(15)を均一に110℃にて均一溶解する。
B、Aに成分(16)〜(21)を加えて均一混合し、脱泡後、成分(22)を添加し均一混合する。
C、口紅容器に充填して口紅を得る。
【0033】
(評価方法)
1.(ニ)ツヤ
各スティック状口紅を三本ローラーで2回処理を行いペースト状にし、ガラス板上に膜厚10μmのアプリケーターで皮膜を形成させ、測定サンプルとする。これを光沢計VG−1D(日本電色工業社製)にて、光沢度を測定した。その測定値を下記の基準により判断し、◎〜××の5段階にて判定した。
(光沢度) :(判定)
45.0以上 :非常に良好:◎
40.0以上45.0未満:良好 :○
35.0以上40.0未満:やや良好 :△
30.0以上35.0未満:不良 :×
30.0未満 :非常に不良:××
【0034】
2.官能評価
(イ)の膜の均一性、(ロ)の乾燥感のなさ(使用感)、(ハ)の密着感のある軽いのび、(ホ)の塗布後のツヤ感については、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
なお、(ロ)の乾燥感のなさ(使用感)については各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、3時間後の乾燥感のなさ(使用感)について評価し、(ホ)の塗布後のツヤ感については塗布直後のものを評価した。
(絶対評価)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(判定基準)
(評点平均値) (判定)
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超えて5点以下 :良好 :○
1点を超えて3点以下 :やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
【0035】
表1から明らかなごとく、本発明のスティック状口紅は、化粧膜の均一性に優れ、その結果塗布時のツヤ感にも優れるものが得られた。また乾燥感がなく、密着感があって軽くのばすことができ、使用感に優れるものであった。また評価項目にはあげていないが、色移り防止効果が損なわれることなく、優れたものであった。
これに対して成分(a)が配合されていない比較例1では、特に密着感、ツヤとツヤ感の持続性、乾燥感のなさの点で良いものが得られなかった。成分(a)の替わりに、ツヤの向上が期待できるポリブテンを配合した比較例2では、特に、密着感のある軽いのびと化粧膜の均一性の点で良いものが得られず、ダイマー酸ジリノールを配合した比較例3では密着感のある軽いのび、ツヤ、塗布時のツヤ感といった点で満足いくものが得られなかった。成分(c)の替わりに色移り防止効果が期待されるエラストマーオルガノポリシロキサンを配合した比較例4では、密着感のある軽いのびといった点で満足いくものが得られなかった。
【0036】
(実施例9)油性ゲル状口紅
(成分) (%)
1.デキストリン脂肪酸エステル(注10) 6
2.エステル化合物(注2) 30
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
4.ポリイソブチレン 10
5.流動パラフィン 5
6.重質流動イソパラフィン 10
7.揮発性シリコーン油(注4) 10
8.有機シリコーン樹脂(注5) 10
9.煙霧状シリカ(注11) 3
10.赤色202号 0.1
11.黄色4号 0.6
12.酸化チタン 0.5
13.黒酸化鉄 0.1
14.パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 0.5
15.ビタミンE 0.5
16.香料 適量
注10:レオパールKL(千葉製粉社製)
注11:AEROSIL 380S(日本エアロジル社製)
【0037】
(製造方法)
A:1〜8を90℃にて均一溶解する。
B:Aに9〜16を加え均一に分散する。
C:アプリケータ付き容器に充填して油性ゲル状口紅を得た。
実施例9は、化粧膜の均一性に優れるため塗布時のツヤ感にも優れ、乾燥感がなく、密着感があって軽くのばすことができ、使用感に優れるものであった。また色移り防止効果も損なわれることなく優れた油性ゲル状口紅であった。
【0038】
(実施例10)固形状口紅
(成分) (%)
1.セレシンワックス 6
2.ポリエチレンワックス 2
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
4.ポリイソブチレン 5
5.流動パラフィン 10
6.エステル化合物(注2) 10
7.揮発性シリコーン油(注3) 10
8.有機シリコーン樹脂(注6) 10
9.煙霧状シリカ(注12) 2
10.フッ素化合物処理雲母チタン(注13) 5
11.赤色202号 0.3
12.黄色4号 1.0
13.酸化チタン 2
14.黒酸化鉄 0.2
15.赤色104号アルミニウムレーキ 1.5
16.ビタミンE 0.5
17.香料 適量
注12:AEROSIL R976S(日本エアロジル社製)
注13:5%パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン処理
【0039】
(製造方法)
A:1〜8を100℃にて均一溶解する。
B:Aに9〜17を加え均一に分散する。
C:Bを金皿に流し込み、冷却固化して固形状口紅を得た。
実施例10は、化粧膜の均一性に優れるため塗布時のツヤ感にも優れ、乾燥感がなく、密着感があって軽くのばすことができ、使用感に優れるものであった。また色移り防止効果も損なわれることなく優れた固形状口紅であった。
【0040】
(実施例11)口紅トップコート(ゲル状)
(成分) (%)
1.有機シリコーン樹脂(注6) 20
2.揮発性シリコーン油(注3) 50
3.エステル化合物(注2) 10
4.ジメチルポリシロキサン(注14) 残量
5.煙霧状シリカ(注15) 6
6.無水ケイ酸 10
7.パラメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル 0.5
注14:KF−96(20−cs)(信越化学工業社製)
注15:AEROSIL R972(日本エアロジル社製)
【0041】
(製造方法)
A:1〜4を90℃にて均一溶解する。
B:Aに5〜7を加え均一に分散する。
C:Bを容器に充填して口紅トップコートを得た。
実施例11は、使用性がよく市販の口紅の上に塗布することにより、化粧膜の均一性に優れるため塗布時のツヤ感にも優れ、乾燥感がなく、密着感があって軽くのばすことができ、使用感に優れるものであった。また色移り防止効果も損なわれることなく優れた口紅トップコートであった。
【0042】
(実施例12)ファンデーション(ゲル状)
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス(注16) 3
2.セレシン 3
3.キャンデリラワックス(注17) 5
4.トリイソステアリン酸グリセリル 1
5.ジメチルポリシロキサン(注14) 3
6.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 残量
7.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・
ベヘニル・オクチルドデシル) 5
8.ポリオキシアルキル変性オルガノポリシロキサン(注18) 3
9.有機シリコーン樹脂(注6) 8
10.エステル化合物(注2) 8
11.揮発性シリコーン油(注5) 30
12.微粒子酸化チタン 1
13.微粒子酸化亜鉛 1
14.酸化チタン 8
15.硫酸バリウム 2
16.セリサイト 10
17.ベンガラ 1
18.黄酸化鉄 2
19.黒酸化鉄 0.5
20.美容成分(油溶性ローズマリーエキス) 0.1
21.紫外線吸収剤(メトキシケイヒ酸オクチル) 0.5
22.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.1
23.香料 0.1
注16:PERFORMALENE 655(ニューフューズテクノロジー社製)
注17:脱臭精製キャンデリラワックス(セラリカ野田社製)
注18:シリコンKF−6017(信越化学工業社製)
【0043】
(製造方法)
A.成分(1)〜(7)を100℃で均一溶解する。
B.成分(8)〜(11)を均一に溶解する。
C.AにBを加えて均一混合する。
D.Cに成分(12)〜(19)を加えて混合する。
E.Dに成分(20)〜(23)を加え均一に混合した後、脱泡し、容器に充填する。
実施例12は、化粧膜の均一性に優れ、乾燥感がなく、密着感があって軽くのばすことができ、使用感に優れるものであった。また色移り防止効果も損なわれることなく優れた油性ファンデーションであった。
【0044】
(実施例13)アイカラー(ゲル状)
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス(注19) 3
2.カルナウバワックス 3
3.炭酸ジアルキル(14,15)(注20) 15
4.セスキオレイン酸ソルビタン 1
5.有機シリコーン樹脂(注6) 6
6.エステル化合物(注2) 10
7.揮発性シリコーン油(注5) 45
8.2−エチルヘキサン酸セチル 残量
9.赤色202 3
10.群青 2
11.雲母チタン 5
12.タルク 5
13.美容成分(精製オリーブ油) 0.1
14.紫外線吸収剤(メトキシケイヒ酸オクチル) 0.5
15.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.1
16.香料 0.1
注19:PERFORMALENE 500(ニューフューズテクノロジー社製)
注20:LIALCARB SR−1000/R(ミテックス社製)
【0045】
(製造方法)
A.成分(1)〜(8)を90℃で均一溶解する。
B.Aに成分(9)〜(12)を加えて均一混合する。
C.Bに成分(13)〜(16)を加えて混合した後、脱泡し、所定の容器に充填する。
実施例13は、化粧膜の均一性に優れ、乾燥感がなく、密着感があって軽くのばすことができ、使用感に優れるものであった。また色移り防止効果も損なわれることなく優れたアイカラーであった。
【0046】
(実施例14)ハンドクリーム(ゲル状)
(成分) (%)
1.ショ糖脂肪酸エステル(注21) 5
2.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(注22) 3
3.ワセリン 15
4.エステル化合物(注2) 30
5.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・
ベヘニル・2−オクチルドデシル)(注23) 15
6.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
7.有機シリコーン樹脂(注6) 5
8.揮発性シリコーン油(注5) 15
7.流動パラフィン 残量
8.ビタミンE 0.5
9.香料 適量
注21:シュガーワックスS−10E(第一工業製薬社製)
注22:KF−6028(信越化学工業社製)
注23:エルデュウPS−304(味の素社製)
【0047】
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を90℃にて均一溶解する。
B:Aに成分(7)〜(9)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを冷却後、チューブに充填し、ハンドクリームを得た。
実施例20は、化粧膜の均一性に優れ、乾燥感がなく、密着感があって軽くのばすことができ、使用感に優れるものであった。また、化粧持ちにも優れたハンドクリームであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(c);
(a)下記一般式(1)に示すダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
(b)揮発性シリコーン油
(c)有機シリコーン樹脂
を配合することを特徴とする油性化粧料。
【請求項2】
成分(b)の揮発性シリコーン油の配合量が1〜50質量%、成分(c)の有機シリコーン樹脂の配合量が0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1記載の油性化粧料。
【請求項3】
成分(c)の有機シリコーン樹脂が、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体、長鎖アルキル変性アクリル−シリコーングラフト共重合体、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサンから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の油性化粧料。

【公開番号】特開2007−269763(P2007−269763A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101049(P2006−101049)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】