説明

油性化粧料

【課題】塗布時の滑らかさや密着感等の使用性を演出し、ツヤ感に優れ、また持続性、顔料分散性等の機能性にも優れた油性化粧料に関する。
【解決手段】固形油分の50%以上が動植物由来成分であり、キャンデリラレジンと、硬化ヒマシ油及び/又はモクロウとを必ず含有し、液状油分の50%以上が植物由来成分であることを特徴とする油性化粧料を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布時の滑らかさや密着感等の使用性、ツヤ感、及びその効果の持続性に優れ、顔料分散性が良好である油性化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、油性化粧料は、固形油、液状油、着色顔料、光輝性顔料、及び体質粉体等の配合量を変えることにより様々な官能や質感、色調を演出する試みがなされてきた。最近では、高質感、特にツヤ感を強調したインパクトのあるものが好まれるようになっている。
【0003】
加えて現在、油性化粧料に使用されるワックスは、品質的に安定していることから炭化水素類が主流となっており、油性化粧料において頻繁に使用されている。
【0004】
このような高質感、ツヤ感を有する化粧料としては、例えば、キャンデリラレジンと、エチレン・プロピレンコポリマー及び/又はポリエチレンワックスとを含有する口唇化粧料がある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−284645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来技術においては、油性化粧料に使用される炭化水素の多いワックスである場合、ツヤ感があまり得られていないという問題ばかりでなく、顔料との親和性が劣っているという問題点を有している。その結果、今までの油性化粧料は、発色が悪いものが多く、消費者に好まれるツヤ感や、華やかな色、官能等を演出することは困難であった。
【0007】
従って、顔料との親和性が良く、ツヤ感とその持続性に優れた油性化粧料を得るということに解決しなければならない課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる実情において、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、油性化粧料において、キャンデリラレジンと、硬化ヒマシ油及び/またはモクロウと、植物由来の液状油分とを含有させることによって、塗布時の滑らかさや密着感等の使用性、ツヤ感、持続性に優れた油性化粧料が得られ、更には顔料分散性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、上記した従来例の課題を解決する具体的手段として本発明に係る油性化粧料は、固形油分と液状油分とを混合した油分からなる油性化粧料であって、前記固形油分の50%以上が動植物由来成分であり、キャンデリラレジン、硬化ヒマシ油及び/またはモクロウを必ず含有し、前記液状油分の50%以上が植物由来成分であることを最も主要な特徴とするものである。
【0010】
この発明において、前記キャンデリラレジンの配合量が、1〜80質量%であることを付加的な要件として含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る油性化粧料は、固形油分と液状油分とを混合した油分からなる油性化粧料であって、前記固形油分の50%以上が動植物由来成分であり、キャンデリラレジン、硬化ヒマシ油及び/またはモクロウを必ず含有し、前記液状油分の50%以上が植物由来成分であるため、塗布時の滑らかさや密着感等の使用性、ツヤ感、及びその持続性に優れ、更に顔料分散性にも優れ、発色の良い油性化粧料を提供することができるようになるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明を具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。
本発明に係る油性化粧料は、所定の固形油分と液状油分とからなる油分を混合することにより得られる油性の化粧料である。これら固形油分と液状油分とにおいては、天然由来の油分を用いることが好ましいが、最終製品の品質・効果を損なわない油分であれば、天然由来の油分に限定するものではなく、いずれの油分を用いても良い。
【0013】
この固形油分においては、その50%以上が動植物由来成分からなるものであり、また、液状油分においては、その50%以上が植物由来成分からなるものである。そして、前記固形油分として少なくともキャンデリラレジン、硬化ヒマシ油及び/またはモクロウを含有するものである。
【0014】
また、最終製品としての油性化粧料(全成分)中における前記キャンデリラレジンの配合量としては、1〜80質量%程度の範囲であることが好ましいものである。
【0015】
本発明に使用される成分であるキャンデリラレジンとは、キャンデリラワックス中に15〜18%程度含まれるレジン分を分離した成分のことである。このキャンデリラレジンをキャンデリラワックスから分離する方法としては、種々の方法が考えられるが、例えば、遠心分離機を用いて分離する方法や、溶剤を用いて抽出する方法等が挙げられる。
【0016】
この溶剤を用いて抽出する方法として、該溶剤としてエタノールを用いる抽出方法の例を示す。このエタノールを用いてキャンデリラレジンの成分を抽出する方法においては、キャンデリラワックスにエタノールを添加して湯浴上等で加熱することによりキャンデリラワックスを溶解させる。
【0017】
次に、この溶解させたキャンデリラワックスを常温まで冷却し、該ワックスの結晶を析出させ、これを濾過することにより結晶と濾液とに分ける。このとき、樹脂分は濾液中に溶解しているため、濾液中のエタノールを蒸留回収することにより、樹脂分を得ることができる。
【0018】
キャンデリラレジンの成分は、軟化点が一般的に35〜55℃である。なお、溶剤を用いてキャンデリラレジンを抽出する際、前記軟化点を利用して抽出することが好ましいが、常温で固体のキャンデリラレジンを得ることができれば、前記方法に限定されず、他の方法・温度により抽出作業を行っても良い。
【0019】
このキャンデリラレジンの例としては、例えば、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)でキャンデリラワックスエキストラクト等が挙げられる。軟化点の測定方法は、化粧品原料基準一般試験法軟化点測定法に従った。
【0020】
本発明に使用される成分である硬化ヒマシ油とは、ヒマシ油に水素を添加することによって得れれる脂肪のことである。この硬化ヒマシ油は、白色蝋様の物質であり、融点は82〜86℃程度である。
【0021】
本発明に使用される成分であるモクロウとは、ハゼノキ(Rhus succedanea L.(Anacardiaceae))の果皮から得た脂肪を漂白して製造したものである。このモクロウは、白色〜微黄白色の塊からなる物質であり、融点は50〜53.5℃程度である。市販品としては、例えば、モクロウ100・脱臭精製白蝋(セラリカNODA社製)等が挙げられる。
【0022】
本発明に使用される植物由来の液状油分としては、例えば、植物の種子などから、圧搾や溶剤抽出等により得られる液状の油分を用いることができる。このような天然の植物由来成分は、合成のものとは組成が異なるため、軋みが少なく天然物特有のなめらかな使用感が特徴である。また、合成の成分に比べてツヤも優れていることが知られている。
【0023】
前記植物由来の液状油分について、具体的に例示すれば、例えば、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、米油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、マゾラ油、ナタネ油、パーシック油、杏仁油、桃仁油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、ローズヒップ油、ククイナッツ油、月見草油、小麦胚芽油、落花生油、ツバキ油、サザンカ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、ホホバ油等の液状の油分が挙げられ、これら植物由来の液状油分(植物オイル)は、その1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】
前記植物由来の液状油分の配合量としては、全成分中10〜90%が好ましく、更に好ましくは20〜80%である。この範囲であれば、使用性、ツヤ感、持続性の点で優れたものを得ることができるのである。なお、ここで言う植物由来とは、水素添加品も含むものであり、水素添加しても液状である場合には植物由来成分とみなすものである。
【0025】
本発明の油性化粧料には、本発明の効果を損なわない程度の範囲で、固形油分(固形油性成分)として、動植物由来ワックス(動植物由来成分)等を、様々な感触を演出する目的で適宜配合することができる。
【0026】
前記動植物由来の固形油分について、具体的に提示すれば、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、雪ロウ、ミツロウ、シュガーケンワックス、漆ロウ、セラック、パームロウ、ベイベリーワックス、水添オレンジラフィー、水添ホホバ油、ラノリン等の固形の油分が挙げられ、これら動植物由来の固形油分(動植物ワックス)は、その1種又は2種以上を用いることができる。なお、ここで言う動植物由来とは、水素添加品も含むものである。ただし、シュガーワックスやデキストリンエステルのように植物由来成分を分解・再編成したものについては含むものではない。
【0027】
本発明の油性化粧料には、本発明の効果を損なわない程度の範囲で、必要に応じて、前記必須成分以外の各種成分、例えば、粉体成分、油性成分、界面活性剤、水性成分、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、ラメ剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0028】
前記粉体成分としては、経時安定性の確保や様々な官能を演出する事ができるが、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、シリカ、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0029】
また、前記必須成分と、前記各種成分の他に、様々な感触を演出したり、経時安定性を確保する目的で、前述の植物油・動植物ワックス(植物由来の液状油分・動植物由来の固形油分)以外の化合物も使用できる。
【0030】
前記化合物としては、例えば、固形油、液状油、揮発性油等の性状を問わず、石油等を起源とする炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、オゾケライトワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリ‐2‐エチルヘキサン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレスレロール脂肪酸エステル、モンタンワックス等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12‐ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン類、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
【0031】
前記界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、例えば、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0032】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA)誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ヒダントイン誘導体等が挙げられる。
【0033】
前記酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられ、前記美容成分としては、例えば、ビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられ、防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0034】
本発明の油性化粧料としては、例えば、スキンケア、メイクアップ、頭髪用等の化粧料が挙げられるが、顔料分散性に優れることからメイクアップ用の化粧料(油性化粧料)として用いることが好ましい。
【0035】
また、剤型としては、固形状ないしペースト状であり、ゲル状、皿状、スティック状等が挙げられる。なお、本発明においてペースト状とは、粘度が3Pa・s以上のものを示すものである。この粘度の測定方法は、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第二法に準ずるものとする。
【0036】
前記メイクアップ用の化粧料としては、例えば、口唇化粧料、ファンデーション、頬紅、アイカラーなどが挙げられる。この口唇化粧料としては、例えば、口紅、リップグロス、下地用リップベース、口紅オーバーコート、リップクリーム等の口唇化粧料が挙げられ、このように口唇化粧料として用いた場合、使用時の滑らかさや密着感等の使用感、ツヤ感、持続性、顔料分散性の点において特に顕著な効果を得ることができるものである。
【0037】
(実施例1〜5)
次に、より具体的な実施例をもって本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0038】
この実施例1〜5においては、油性化粧料の剤型として、ペースト状の口唇化粧料にしたものを用いて表1に示した使用感、ツヤ感、持続性、顔料分散性の下記に示す各種評価の試験を行った。このペースト状の口唇化粧料においては、表1に示した組成の成分に基づいて下記に示した製造方法により製造したものを用いた。また、対照として比較例1〜5についても前記実施例1〜5と同様に評価の試験を行った。
【0039】
[製造方法]
A.表1のそれぞれに示した成分(1)〜(13)を均一に加熱して混合させた後、成分(14)〜(15)を加え、均一に混合する。
B.前記Aを所定の容器に充填して実施例1〜5、及び比較例1〜5の製品を得た。
【0040】
[評価方法]
下記評価項目について各々評価を行った。
評価項目としては、イ.なめらかな使用感 ロ.密着性 ハ.ツヤ感 ニ.持続性 ホ.顔料分散性を評価した。前記イの項目の使用した時の感触(使用性)、ロの項目の密着性、ハの項目のツヤ感、ニの項目の持続性については、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定規準により判定した。なお、ニの持続性については、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の化粧効果について評価した。ホの顔料分散性の評価については、各試料の発色の具合を観察し、下記4段階判定基準により評価した。
【0041】
[評価項目]
(使用性評価、密着感評価、ツヤ感評価、持続性評価)
「絶対評価評点:評価」
6:非常に良い 5:良い 4:やや良い 3:普通 2:やや悪い 1:悪い 0:非常に悪い
「4段階判定規準」
5点を超える :非常に良い(◎)
3点を超えて5点以下:良好(○)
2点を超えて3点以下:やや不良(△)
2点未満 :不良(×)
(顔料分散性評価)
◎:発色が非常に良好。
○:発色が良好。
△:発色がやや不良。
×:発色が不良。
【0042】
【表1】

【0043】
本発明に係る実施例1〜5のペースト状の口唇化粧料(リップグロス)は、いずれも使用感・密着感・ツヤ感・持続性、顔料分散性に優れた油性化粧料であった。一方、比較例1は、滑らかな使用感・密着性・ツヤ感・持続性、比較例2と3は密着性・ツヤ感・持続性、比較例4は持続性・顔料分散性、比較例5は密着性・ツヤ感・持続性・顔料分散性の点で満足いくものではなかった。
【0044】
(実施例6)
スティック状口紅(成分) (%)
1.モクロウ(固形) 15
2.キャンデリラレジン(固形) 25
3.オリーブ油(液状) 20
4.ヒマシ油(液状) 24.6
5.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(液状) 15
6.無水ケイ酸(固形) 0.34
7.赤色202号(固形) 0.02
8.黄色4号(固形) 0.04
[製造方法]
A.前記成分(1)〜(8)を均一に加熱して混合する。
B.前記Aを充填成型して製品とする。
[評価]
本発明のスティック状口紅は、透明性に優れ、塗布時に滑らかで密着感のある使用性が得られ、ツヤ感、顔料分散性の点において優れたものだった。
【0045】
(実施例7)
固形状ファンデーション(成分) (%)
1.硬化ヒマシ油(液状) 0.5
2.キャンデリラレジン(固形) 8
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(液状) 10
4.ホホバ油(液状) 20
5.オリーブ油(液状) 9.7
6.セレシンワックス(固形) 5
7.マイカ(固形) 20
8.酸化チタン(固形) 15
9.無水ケイ酸(固形) 10
10.ベンガラ(固形) 0.5
11.黄酸化鉄(固形) 1
12.黒酸化鉄(固形) 0.2
13.酸化防止剤(天然ビタミンE)(固形) 0.1
[製造方法]
A.成分(1)〜(6)を均一に加熱して混合した後に、成分(7)〜(13)を加え、均一に混合する。
B.前記Aを皿に充填し、製品とする。
[評価]
本発明の固形状ファンデーションは、塗布時に滑らかで密着感のある使用性が得られ、ツヤ感、顔料分散性の点において優れたものだった。
【0046】
(実施例8)
ペースト状油性整髪料(成分) (%)
1.ヒマシ油(液状) 82
2.モクロウ(固形) 10
3.キャンデリラレジン(固形) 5
4.香料(固形) 2.8
5.染料(液状) 0.1
6.酸化防止剤(固形) 0.1
[製造方法]
A.成分(1)〜(6)を均一に加熱して混合し、均一に混合する。
B.前記Aを皿に充填し、製品とする。
[評価]
本発明のペースト状油性整髪料は、透明性に優れ、塗布時に滑らかで密着感のある使用性が得られ、ツヤ、顔料分散性の点において優れたものだった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形油分と液状油分とを混合した油分からなる油性化粧料であって、
前記固形油分の50%以上が動植物由来成分であり、
キャンデリラレジン、硬化ヒマシ油及び/またはモクロウを必ず含有し、
前記液状油分の50%以上が植物由来成分であること
を特徴とする油性化粧料。
【請求項2】
前記キャンデリラレジンの配合量が、1〜80質量%であること
を特徴とする請求項1に記載の油性化粧料。

【公開番号】特開2008−222673(P2008−222673A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66600(P2007−66600)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000155506)株式会社セラリカ野田 (2)
【Fターム(参考)】