説明

油性生物体中の多価不飽和脂肪酸および含油量変更のためのジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ

油性酵母(例えばヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica))におけるω脂肪酸に富んだ微生物油の製造で使用するのに適したアシルトランスフェラーゼが提供される。具体的にはジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT1)をコードする遺伝子が、Y.リポリティカ(lipolytica)およびクサレケカビ・アルピナ(Mortierella alpina)から単離された。これらの遺伝子は、酵母における油生合成の最終段階に関与する酵素をコードする。それぞれは、油性酵母の油中に生成される多価不飽和脂肪酸量を変更するのに重要な役割を果たすことが期待される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号14および18よりなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
(b)0.1×SSC、0.1%SDSで65℃、および2×SSC、0.1%SDSで洗浄、次いで0.1×SSC、0.1%SDSのハイブリダイゼーション条件下で(a)とハイブリダイズする単離された核酸分子、または
(c)(a)または(b)と完全に相補である単離された核酸分子
よりなる群から選択される、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする単離された核酸分子。
【請求項2】
配列番号13および17よりなる群から選択される請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項3】
請求項1に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
【請求項4】
請求項2に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
【請求項5】
配列番号14に記載の配列を有するポリペプチドと比較して、BLASTP法によるアラインメントに基づいて少なくとも70%の同一性を有する少なくともアミノ酸526個のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、または
第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列
を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項6】
配列番号18に記載の配列を有するポリペプチドと比較して、BLASTP法によるアラインメントに基づいて少なくとも70%の同一性を有する少なくともアミノ酸525個のジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、または
第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列
を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項7】
(a)配列番号16に記載のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
(b)0.1×SSC、0.1%SDSで65℃、および2×SSC、0.1%SDSで洗浄、次いで0.1×SSC、0.1%SDSのハイブリダイゼーション条件下で(a)とハイブリダイズする単離された核酸分子、または
(c)(a)または(b)と完全に相補である単離された核酸分子
よりなる群から選択される、アシル−CoA:ステロール−アシルトランスフェラーゼをコードする単離された核酸分子。
【請求項8】
配列番号15よりなる群から選択される請求項7に記載の単離された核酸分子。
【請求項9】
請求項7に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
【請求項10】
請求項8に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
【請求項11】
配列番号16に記載の配列を有するポリペプチドと比較して、BLASTP法によるアラインメントに基づいて少なくとも70%の同一性を有する少なくともアミノ酸543個のアシル−CoA:ステロール−アシルトランスフェラーゼをコードする第1のヌクレオチド配列、または
第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列
を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項12】
適切な制御配列に作動的に結合した請求項1または7のいずれかに記載の単離された核酸分子を含んでなるキメラ遺伝子。
【請求項13】
請求項12に記載のキメラ遺伝子を含んでなる形質転換宿主細胞。
【請求項14】
藻類、細菌、カビ、真菌、および酵母よりなる群から選択される請求項13に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項15】
酵母が油性酵母である請求項14に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項16】
油性酵母細胞が、ヤロウィア(Yarrowia)、カンジダ(Candida)、ロドトルラ(Rhodotorula)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、トリコスポロン(Trichosporon)、およびリポミセス(Lipomyces)よりなる群から選択される請求項15に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項17】
宿主細胞がヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)である請求項16に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項18】
ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)が、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#20362、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#8862、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#18944、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#76982、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#90812、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)LGAMS(7)1よりなる群から選択される株である請求項17に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項19】
a)ゲノムライブラリーを請求項1に記載の核酸分子で探索し、
b)請求項1に記載の核酸分子とハイブリダイズするDNAクローンを同定し、
c)ステップ(b)で同定されたクローンを含んでなるゲノム断片を配列決定することを含んでなり、
配列決定されたゲノム断片が、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする、
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする核酸分子の取得方法。
【請求項20】
a)配列番号13および17よりなる群から選択される配列の一部に対応する少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、
b)ステップ(a)のオリゴヌクレオチドプライマーを使用してクローニングベクター中に存在するインサートを増幅させることを含んでなり、
増幅されたインサートが、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1をコードするアミノ酸配列の一部をコードする
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする核酸分子の取得方法。
【請求項21】
請求項19または20に記載の方法の生成物。
【請求項22】
a)配列番号31、
b)配列番号32、
c)配列番号33、
d)配列番号34、
e)配列番号35、
f)配列番号36、
g)配列番号37、
h)配列番号23、
i)配列番号24、
j)配列番号25、
k)配列番号26、
l)配列番号27、
m)配列番号28、
n)配列番号29、および
o)配列番号30よりなる群から選択されるアミノ酸モチーフをコードする単離された核酸分子。
【請求項23】
a)配列番号31、
b)配列番号32、
c)配列番号33、
d)配列番号34、
e)配列番号35、
f)配列番号36、
g)配列番号37、
h)配列番号23、
i)配列番号24、
j)配列番号25、
k)配列番号26、
l)配列番号27、
m)配列番号28、
n)配列番号29、および
o)配列番号30よりなる群から選択されるアミノ酸モチーフ配列。
【請求項24】
(a)(i)適切な制御配列の制御下にある配列番号14、18、19、20、21、および22よりなる群から選択されるアミノ酸配列を有するジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子、および
(ii)脂肪酸供給源
を含んでなる、形質転換された宿主細胞を準備し、
(b)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子が発現する条件下でステップ(a)の細胞を生育させて、脂肪酸をトリアシルグリセロールに転移させ、
(c)ステップ(b)のトリアシルグリセロールを場合により回収すること
を含んでなる形質転換された宿主細胞中のトリアシルグリセロール含量の増大方法。
【請求項25】
(a)(i)機能性ω−3/ω−6脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子、
(ii)適切な制御配列の制御下にある配列番号14、18、19、20、21、および22よりなる群から選択されるアミノ酸配列を有するジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子
を含んでなる形質転換された宿主細胞を準備し、
(b)(i)および(ii)の遺伝子が発現する条件下でステップ(a)の細胞を生育させて、少なくとも1つのω−3またはω−6脂肪酸の生産、およびそのトリアシルグリセロールへの転移がもたらされ、
(c)ステップ(b)のトリアシルグリセロールを場合により回収すること
を含んでなる形質転換された宿主細胞中のトリアシルグリセロールのω−3またはω−6脂肪酸含量の増大方法。
【請求項26】
(a)(i)適切な制御配列の制御下にある、
1)配列番号31、
2)配列番号32、
3)配列番号33、
4)配列番号34、
5)配列番号35、
6)配列番号36、および
7)配列番号37に記載のアミノ酸モチーフの全てを含んでなる、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子、および
(ii)脂肪酸供給源
を含んでなる形質転換宿主細胞を準備し、
(b)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子が発現し、脂肪酸をトリアシルグリセロールに転移させる条件下で、ステップ(a)の細胞を生育させ、
(c)ステップ(b)のトリアシルグリセロールを場合により回収すること
を含んでなる形質転換宿主細胞中のトリアシルグリセロール含量の増大方法。
【請求項27】
(a)(i)適切な制御配列の制御下にある、
1)配列番号23、
2)配列番号24、
3)配列番号25、
4)配列番号26、
5)配列番号27、
6)配列番号28、
7)配列番号29、および
8)配列番号30に記載のアミノ酸モチーフの全てを含んでなる、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子、および
(ii)脂肪酸供給源
を含んでなる形質転換宿主細胞を準備し、
(b)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子が発現し、脂肪酸をトリアシルグリセロールに転移させる条件下で、ステップ(a)の細胞を生育させ、
(c)ステップ(b)のトリアシルグリセロールを場合により回収すること
を含んでなる形質転換宿主細胞中のトリアシルグリセロール含量の増大方法。
【請求項28】
(a)(i)機能性のω−3/ω−6脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子、および
(ii)適切な制御配列の制御下にある、
1)配列番号31、
2)配列番号32、
3)配列番号33、
4)配列番号34、
5)配列番号35、
6)配列番号36、および
7)配列番号37に記載のアミノ酸モチーフの全てを含んでなる、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子
を含んでなる形質転換宿主細胞を準備し、
(b)(i)および(ii)の遺伝子が発現し、少なくとも1つのω−3またはω−6脂肪酸の生成、およびそのトリアシルグリセロールへの転移がもたらされる条件下で、ステップ(a)の細胞を生育させ、
(c)ステップ(b)のトリアシルグリセロールを場合により回収すること
を含んでなる形質転換宿主細胞中のトリアシルグリセロールのω−3またはω−6脂肪酸含量の増大方法。
【請求項29】
(a)(i)機能性のω−3/ω−6脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子、および
(ii)適切な制御配列の制御下にある、
1)配列番号23、
2)配列番号24、
3)配列番号25、
4)配列番号26、
5)配列番号27、
6)配列番号28、
7)配列番号29、および
8)配列番号30に記載のアミノ酸モチーフの全てを含んでなる、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1酵素をコードする少なくとも1つの遺伝子
を含んでなる形質転換宿主細胞を準備し、
(b)(i)および(ii)の遺伝子が発現し、少なくとも1つのω−3またはω−6脂肪酸の生成、およびそのトリアシルグリセロールへの転移がもたらされる条件下で、ステップ(a)の細胞を生育させ、
(c)ステップ(b)のトリアシルグリセロールを場合により回収すること
を含んでなる形質転換宿主細胞中のトリアシルグリセロールのω−3またはω−6脂肪酸含量の増大方法。
【請求項30】
機能性のω−3/ω−6脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子が、デサチュラーゼおよびエロンガーゼよりなる群から選択される請求項25、28または29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
デサチュラーゼが、Δ9デサチュラーゼ、Δ12デサチュラーゼ、Δ6デサチュラーゼ、Δ5デサチュラーゼ、Δ17デサチュラーゼ、Δ8デサチュラーゼ、Δ15デサチュラーゼ、およびΔ4デサチュラーゼよりなる群から選択される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
宿主細胞が、藻類、細菌、カビ、真菌、および酵母よりなる群から選択される請求項24〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
宿主細胞が油性酵母である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
油性酵母が、ヤロウィア(Yarrowia)、カンジダ(Candida)、ロドトルラ(Rhodotorula)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、トリコスポロン(Trichosporon)、およびリポミセス(Lipomyces)よりなる群から選択される属のメンバーである請求項33に記載の方法。
【請求項35】
油性酵母がヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)が、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#20362、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#8862、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#18944、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#76982、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC#90812、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)LGAMS(7)1よりなる群から選択される株である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、γ−リノール酸、ジホモ−γ−リノール酸、アラキドン酸、α−リノール酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、エイコサジエン酸、およびエイコサトリエン酸よりなる群から選択される請求項24、25、26、27、28または29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
(a)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1活性を有することが疑われるポリペプチドのアミノ酸配列を得て、
(b)ステップ(a)のポリペプチドのアミノ酸配列中で、
1)配列番号31、
2)配列番号32、
3)配列番号33、
4)配列番号34、
5)配列番号35、
6)配列番号36、および
7)配列番号37に記載のアミノ酸モチーフ配列の全ての存在を同定すること
を含んでなり、
ポリペプチド中のステップ(a)のモチーフ配列全ての存在が、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1活性の徴候である
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1活性を有するポリペプチドの同定法。
【請求項39】
(a)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1活性を有することが疑われる真菌ポリペプチドのアミノ酸配列を得て、
(b)ステップ(a)のポリペプチドのアミノ酸配列中で、
1)配列番号23、
2)配列番号24、
3)配列番号25、
4)配列番号26、
5)配列番号27、
6)配列番号28、
7)配列番号29、および
8)配列番号30に記載のアミノ酸モチーフ配列の全ての存在を同定すること
を含んでなり、
ポリペプチド中のステップ(a)のモチーフ配列の全ての存在が、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1活性の徴候である
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−1活性を有する真菌ポリペプチドの同定法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【公表番号】特表2008−524984(P2008−524984A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540145(P2007−540145)
【出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/040345
【国際公開番号】WO2006/052914
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】