説明

治療上の副作用を減少し、更に妊娠後の先天性異常のリスクを減少させつつ子宮内膜症を治療するための、(6S)−5−メチルテトラヒドロ葉酸と組み合わせてのゲネスタゲンの使用。

最高で排卵阻害用量の2倍に相当する1日単位用量の抗アンドロゲン性ゲスタゲンを、(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸と組み合わせて、骨密度/骨代謝への負の影響及び骨粗鬆症のリスク等の治療上の副作用を減少させ、更に妊娠後に発生する、神経腔欠損、口唇顎口蓋裂等の先天性異常、並びに胎盤早期剥離及び早産等の妊娠合併症のリスクを減少させつつ、子宮内膜症を治療するための医薬調製物を調製する。
本発明は、長期間の使用に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸と組み合わせてのゲスタゲンの使用に関し、ここで、該ゲスタゲンの1日用量は、最高で排卵阻害用量の2倍に相当し、骨密度/骨代謝及び骨粗鬆症に対する負の影響等の治療上の副作用を減少し、更に妊娠後に発生する、神経腔欠損、口唇顎口蓋裂等の先天性異常、並びに胎盤早期剥離及び早産等の妊娠合併症のリスクを減少させつつ、子宮内膜症を治療するための医薬調製物を調製するための該使用に関する。本発明は、長期間の使用に適している。
【背景技術】
【0002】
子宮内膜症は、主に出産年齢の女性の5〜20%に発症する慢性の婦人病である。技術文献によると、子宮内膜症は、子宮腔外部の子宮内膜又は子宮内膜様組織における発症が定義されている。典型的な子宮内膜症の症状は、月経困難症、性交疼痛、及び排便時疼痛である。子宮内膜症の患者は、しばしば骨盤領域の疼痛を訴える。月経周期の後半に発生し、疼痛期間が続き、その後次の月経周期の中盤まで症状から開放される腹部の疼痛は、しばしば子宮内膜症を示唆するが、疼痛が持続的であることも珍しくない。そうは言っても、約30〜40%の子宮内膜症の罹患者は、何の症状も有していない。故にこの疾患は、他の診断的測定に関連して付随的にのみ検出される。約50〜60%の「子宮内膜症」の診断は、不妊検査時の付随的な診断として行われる。
【0003】
技術文献及び特許文献から、ダナゾール、17α-エチニルテストステロン誘導体、GnRHアゴニスト、ゲスタゲン/オエストロゲンの組合せ、又はゲスタゲン単一調製物(monopreparation)を使用する、医薬による子宮内膜症の治療が知られている。
【0004】
US6,569,845は、1日用量が0.5〜10mgのジエノゲストを用いた血管新生疾患の治療を開示している。子宮内膜症の長期治療にも採用され得る例として特定される適切な医薬組成物は、ジエノゲストを400mg〜2g含有する。
【0005】
Moore, C. et al., The treatment of endometriosis, Drugs of Today 1999, 35 (suppl. C): 41-52は、臨床試験において、ダナゾール又はGnRHアゴニストを用いた投与計画と比較しての、子宮内膜症に対するジエノゲストの有効性を調査した。子宮内膜症の患者に1日2mgのジエノゲストを24週間投与した。この治療の結果は、ダナゾール又はGnRHアゴニストによる治療と対照的なものであった。最大90%の患者が周期の異常を報告した一方、不耐容期間を報告した者は無かった。ダナゾールを用いた標準的な治療の有効性は、顕著なアンドロゲンの作用により減衰するが、GnRHアゴニストは、「更年期症状」と関連する。
【0006】
Schweppe, K.-H, Stellenwert der Gestagene [Value of Gestagens], Zentralbl. Gynakol. 2003, 125: 276-280によると、ゲスタゲンの継続的な経口治療(例えば低用量と称され、子宮内膜症関連症状の活性治療原則(active treatment principle)として分類される、1日用量が5mg〜20mgの酢酸メドロキシプロゲステロン、ジエノゲスト、ジドロゲステロン又はリネストレノールを用いる)の間、エストロゲンレベルは低くあるべきである。出血(spotting)及び周期内の出血(intracyclic bleeding)がしばしば生じる。これは、エストロゲンの用量の増大又は投与を必要とする。長期的な再発の確率は、50%を超える。
【0007】
酢酸メドロキシプロゲステロン産物の2005年の安全性情報は、ゲスタゲン単一調製物が、特に長期治療中に骨密度に負の作用を有し得ることを実証している。
【0008】
一方、エストロゲンと幾つかのゲスタゲンとの組合せは、骨代謝に正の影響を有する。
【0009】
Depo-provera 104(商標)(酢酸メドロキシプロゲステロン104mg/0.65mlの筋肉内投与)における、NDA 21-584, FDA 22. 03. 2005の更なる安全性情報は、この調製物を使用する女性は、骨ミネラル密度の低下に苦しむことを指摘しており、この現象は該調製物の使用期間が長いほど増大し、一度低下した密度は決して元に戻らない。
【0010】
Knauthe, R. and Habenicht U.F., Levonorgestrel has beneficial effects, Exp. Clin. Endocrinol. Diabetes 106(1998) Suppl. 1: 37は、1998年の時点で既に、ゲスタゲン(レボノルゲストレル)のゲスタゲン的作用ではなく、部分的なアンドロゲン的作用が、文中の骨代謝に対する正の影響を規定することを実証している。
【0011】
Kuhl, H., Klimakterium, Postmenopause and Hormonsubstitution [Menopause, Postmenopause and Hormone Replacement], 3rd ed., Bremen, UNI-MED, 2006, 117も、特定のゲスタゲンが、それらの部分的なアンドロゲン的作用を介して活性化することを強調している。Kuhlは、アンドロゲンが、骨密度に対するエストロゲンの正の作用を顕著に強化すると主張している。
【0012】
骨粗鬆症は、技術文献では、骨の脆弱性の増大を伴う、不可逆的な骨分解と定義される。男性より女性が罹患しやすい。骨粗鬆症は、痛みが無く、ゆっくりと進行し、その間、骨材料の減少に加え、骨の「構造」も、通常の加重に耐えられない形態に変化する。骨粗鬆症の通常の結末は、大腿骨の首部の骨折又は激しい痛みを伴う脊椎の骨折である。治療にもかかわらず、更なる骨折のリスクが非常に高い。骨粗鬆症に対する基礎医薬は、カルシウムとビタミンDとの組合せ剤である。骨粗鬆症に治療において最初に選択される薬物は、アレンドロン酸ビスホスホネート及びリセドロン酸ビスホスホネート、並びに選択的なエストロゲン受容体調節剤のラロキシフェンである。
【0013】
Broll, H.らは、"Konsensus-Statement: Therapie der postmenopausalen Osteoporosis [Consensus Statement: Therapy of Postmenopausal Osteoporosis]", J. Miner. Stoffwechs. 1/2007. 45-58で、副作用が、経口ビスホスホネートを中止する主要な理由であると述べている。記載されているビスホスホネートの副作用には、腹部疼痛、インフルエンザ様症候群、便秘、末梢浮腫、耳鳴り及び気管支炎が含まれる。同様に、該文献は、ビスホスホネートが、粘膜の炎症のリスクを避けるため、厳格に指示に従い服用されなければならないという短所を示す。患者は、朝の空腹時に立ったまま大きなグラスの水と共に服用し、嚥下後少なくとも30分は横になってはならない。
【0014】
該文献において、ラロキシフェンの短所として、熱感(hot flush)、ひ腸筋痙攣(calf cramp)及び浮腫が記載されている。
【0015】
エストロゲン含有調製物は、骨体積を維持するための、ホルモン補充療法において使用される。エストロゲン含有治療も同様に、幾つかのリスクに関連する。該調製物は、未通の女性においてのみ、子宮内膜癌の回避に使用されるべきである。
【0016】
また、子宮内膜症は、生殖能力の低下に関連し、しばしば不妊検査の過程で診断される。従って、子宮内膜症の治療の目的の一つは、しばしば妊娠の可能性を増大させることでもある。
【0017】
更に、妊娠過程での葉酸塩状態が不十分であると、例えば先天性心不全、尿路先天性異常、急性リンパ芽球性白血病、口唇顎口蓋裂、又は神経欠損等の中枢神経系の異常(脊椎披裂又は無能症)等の、先天的異常を引き起こし得ることが理解される。
【0018】
故に、Deutsche Gesellsbgaft fur Ernahrung e.V.は、葉酸の1日用量は、原則として400μg、妊娠女性において600μg、及び授乳母体において600gであることを推奨している。これは世界的な提示(statement)である。ビタミンB12の欠乏及び葉酸の欠乏は、血球数において同様の変化を生じる。葉酸塩/葉酸を投与することにより、葉酸欠乏は補償されるが、ビタミンB12の欠損は示されない。故に、ビタミンB12の欠乏のリスクが遮蔽されている恐れがある。
【0019】
葉酸、あるいはプテロイル-モノグルタミン酸、N-(4-(((2-アミノ-1,4-ジヒドロ-4-オキソ-6-プテリジニル)メチル)-アミノ)ベンゾイル)グルタミン酸(実験式:C10H19N7)O6)、フォリン酸は、光及び熱に感受性である、ビタミンB複合体由来の水溶性ビタミン(ビタミンB9)である。
【0020】
葉酸は、プテロイルポリグルタミン酸として優勢に食物中に存在することが知られている。食物摂取の後、これらは第一に、粘膜細胞中でプテロイルモノグルタミン酸に加水分解され、それから主として能動輸送により小腸吸収される。
【0021】
肝臓において、非メチル化葉酸がメチル化葉酸に優勢に転換し、アルブミン及びα-マクログロブリンと結合した5-メチルテトラヒドロ葉酸(5-MTHF)として更に細胞に主として輸送され、細胞に吸収され、脱メチル化され、ポリグルタミン酸型に転換する。
【0022】
アミノ酸ホモシステイン及び補酵素としてビタミンB13を必要とする酵素が、脱メチル化に関与する。
【0023】
更に、食品の葉酸含有量が、調製(調理)及び貯蔵により低下し得ることが知られている。更に、ヒトの皮膚に作用する強いUV放射が、体内の葉酸を減少させることが知られている。青白い肌のヒトは、特にこの影響を受けやすい。
【0024】
葉酸及び/又はビタミンB12の摂取量が不十分であると、ホモシステイン代謝が妨げられ、その結果、血中のホモシステインの濃度が増大する。よって、血中ホモシステイン濃度は、葉酸含有量の指標として使用され得る。
【0025】
高ホモシステイン血症の状態は、Malinow, M.R. et al., Homocyst(e)ine, diet, and cardiovascular disease, Statement for healthcare professionals from the Nutrition Committee, American Heart Association Circulation 99, 178-182, 1999により、以下の血漿中濃度:16〜30μmol/l(中等度);31〜100μmol/l(平均);>100μmol/l(重度)により定義される。10μmol/lを上回る濃度は重篤とみなされ、12μmol/lは何らかの行動を起こすことを必要とする。
【0026】
葉酸及びビタミンB12の欠乏に加えて、酵素の欠損もホモシステインの濃度増大を引き起こしうる。血中ホモシステイン濃度の増大と、血管疾患との間の関係も、時には心臓血管疾患の危険因子として議論されている。
【0027】
同様に、そのDNAメチル化及びDNA鎖の安定性における重要性に鑑み、葉酸/葉酸塩が、悪性疾患を防御しうるか否かも議論されている。
【0028】
欧州特許EP0898965の明細書には、神経腔欠損を防ぐための、5−メチル-(6R)-テトラヒドロ葉酸又はその医薬として許容される塩の使用を主張する。
【0029】
欧州特許EP1044975の明細書には、5-メチル-(6R,S)-、-(6S)-及び-(6R)-テトラヒドロ葉酸の結晶塩、並びにその食品添加物としての使用を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明の目的は、子宮内膜症患者を骨粗鬆症のリスクから守り、及び子宮内膜症を減少する可能性を見出すこと、並びに子宮内膜症減少の目的を達成すること、即ち副作用の無い妊娠を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
今回、本発明に従って、ゲスタゲンと(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸(メタフォリン)とを組み合わせて使用することにより、前記目的が達成されることが見出され、ここで、ゲスタゲンの1日用量は、最大で排卵阻害用量の2倍、少なくとも排卵阻害用量に相当し、1つ以上の医薬として許容される補助物質/担体と一緒に又は別個に医薬調製物が調製される。
【0032】
驚くべきことに、前記調製物は、子宮内膜症を減少するだけでなく、骨代謝において骨密度の低下/減少等のいかなる負の影響をも引き起こさず、更に妊娠後に発生する神経腔欠損及び口唇顎口蓋裂等の先天性異常、並びに胎盤早期剥離及び早産等の妊娠合併症も同様に低下させ得ることが見出された。
【0033】
それにも拘らず、本発明に係る医薬調製物を使用した場合、例えば熱感、脂質プロフィールの変化等の子宮内膜症治療用の既知の医薬において知られている副作用は、驚異的かつ成功裡に耐容レベルに維持される。
【0034】
本発明において使用される抗アンドロゲン活性を有するゲスタゲンは、ジエノゲスト、酢酸シプロテロン、又は酢酸クロルマジノンである。
【0035】
ゲスタゲンの1日用量は、最大で排卵阻害用量の2倍であり得る。
【0036】
ジエノゲストの1日用量は、1mg〜最大で2mgである。酢酸シプロテロン又は酢酸クロルマジノンは、本発明において、排卵阻害用量の2倍までの1日用量まで採用される。酢酸シプロテロンの排卵阻害用量は1mgであり、酢酸クロルマジノンは1.7mgである。
【0037】
また、前記本発明の目的は、(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量を0.1〜10mgとして、好ましくは(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量を0.4〜1mgとして、特に好ましくは(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量を451μgとして使用することにより達成される。
【0038】
また、本発明に係る使用は、少なくとも169日又は25週間から数年、好ましくは2年より長く剤形の継続的投与が行われる医薬調製物の調製を実現し、故に長期間投与に驚異的に適する。
【0039】
本発明に係る使用に、錠剤、カプセル、コーティング錠剤、ウエハー、経皮治療系、アンプル、坐薬、ゲル、軟膏、インプラント、膣リング、又は鼻腔スプレーが採用され得る。
【0040】
ここで、経皮治療系、アンプル、坐薬、ゲル、軟膏、インプラント、膣リング、又は鼻腔スプレー等の、非経口形態の医薬調製物により放出されるゲスタゲンの1日用量は、経口形態での排卵阻害用量の1日投与単位の1倍〜2倍に等しい量であり、又は最大でジエノゲスト2mg分の活性を示す量である。
【0041】
更に、前記目的は、骨密度/骨代謝への負の影響及び骨粗鬆症のリスク等の治療上の副作用を減少させ、更に神経腔欠損、口唇顎口蓋裂、胎盤早期剥離、及び早産等の、妊娠後に発生する先天性異常及び妊娠合併症のリスクを減少させつつ、子宮内膜症を治療し、1つ以上の医薬として許容される補助物質/担体と一緒に又は別個に、ゲスタゲンと(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸と組み合わせを含有する、医薬調製物の調製のためのプロセスによっても達成され、ここで該ゲスタゲンの1日用量は、少なくとも排卵阻害用量に相当する量〜最高で排卵阻害用量の2倍に相当する量である。
【0042】
本発明のプロセスにより調製される医薬調製物の更なる態様は、請求項11、12、13、14、15、16、17及び18に対応する。
【実施例】
【0043】
実施例1
以下の成分を含有する錠剤が調製される:
コア:
ジエノゲスト 2.000mg
メタフォリン 0.451mg
ラクトース一水和物 46.349mg
微結晶セルロース 24.800mg
ヒドロキシプロピルセルロース 1.600mg
全ての物質を適切な手法で混合して、その混合物を錠剤に成形して、そしてそれらの錠剤を任意でフィルムコーティングする。
【0044】
実施例2
以下の成分を含有する錠剤が調製される:
微粉化ジエノゲスト 2.000mg
min. 99%≦20μm, 100%<30μm
ラクトース一水和物 62.800mg
微結晶セルロース 18.000mg
ジャガイモの澱粉 36.000mg
ポビドンK25 8.100mg
ステアリン酸マグネシウム 1.350mg
滑石 4.050mg
クロスポビドン 2.700mg
【0045】
ジエノゲストは、平均粒子サイズが20μmの微粉化形態で採用され、これをラクトース一水和物、微結晶セルロース及びジャガイモの澱粉と混合する。顆粒化の過程で、ポビドンK25を噴霧する。乾燥させ、そして滑石、クロスポビドン及びステアリン酸マグネシウムの混合後、該混合物を、直径7mm、重量135mgの錠剤形に圧縮する。
【0046】
別途、451μgの(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸を、既知の方法により、1つ以上の医薬として許容される補助剤物質/担体と共に処理し、そして前記ジエノゲスト製剤と同時に投与する。
【0047】
臨床研究において、腹腔鏡検査により診断された252人の子宮内膜症の女性患者を、6ヶ月の期間中、GnRHアゴニストである酢酸ロイプロレリン(LA)の4週間ごと3.75mg皮下注射、又はゲスタゲンジエノゲスト(DNG)の2mg/日の経口投与のいずれかで処置した。128人の患者をランダムにLA群に割り当て、124人の患者をDNG群に割り当てた。具体的な治療の有効性を、とりわけ、患者により完了されるべきペインスケール(視覚的アナログスケール、VAS)により調査した。2つの比較群において、研究開始時と比較して、処置の終了時に、疼痛の同様な減少(DNGで-47.5mm、LAでー46.0mm)が認められた。統計的な解析により、DNGはLAと比較して劣るところがないことが示された。同時に、1つの小集団において、ジエノゲスト群では骨密度の減少が生じていないのに対して、LA群では、骨密度が4%近く減少したことが実証された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸と組み合わせるゲスタゲンの使用であり、ここで、該ゲスタゲンの1日用量が、少なくとも排卵を阻害する用量であり、最大で排卵を阻害する用量の2倍であり、骨密度/骨代謝への負の影響及び骨粗鬆症のリスク等の治療上の副作用を減少させ、更に妊娠後に発生する先天性異常及び妊娠合併症のリスクを減少させつつ、子宮内膜症を治療する医薬調製物の調製のための前記使用。
【請求項2】
前記先天性異常及び妊娠初期の妊娠合併症が、神経腔欠損、口唇顎口蓋裂、胎盤早期剥離、及び早産である、請求項1に記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項3】
前記ゲスタゲン成分が、17α-シアノメチル-17β-ヒドロキシエストラ-4,9-ジエン-3-オン(ジエノゲスト)、酢酸シプロテロン、又は酢酸クロルマジノンであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項4】
前記1日ゲスタゲン用量が、1〜2mgのジエノゲスト、又は当量の酢酸シプロテロン若しくは酢酸クロルマジノンであることを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項5】
前記(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量が0.1〜10mgであることを特徴とする、請求項1、2、3、又は4に記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項6】
前記(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量が0.4〜1mgであることを特徴とする、請求項1、2、3、4、又は5に記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項7】
前記(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量が、451μgの(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸のカルシウム塩であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、又は6に記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項8】
子宮内膜症の治療中又は治療後に、骨密度/骨代謝への負の影響及び骨粗鬆症のリスク等の副作用を回避し、更に妊娠後に発生する先天性異常のリスクを減少させるために、少なくとも169日又は25週間から数年、好ましくは2年より長く継続的投与が行われる医薬調製物を調製するための、請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項9】
前記医薬調製物が、錠剤、カプセル、コーティング錠剤、経皮治療系、アンプル、坐薬、ゲル、軟膏、インプラント、膣リング、又は鼻腔スプレーの形態で存在することを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8に記載のゲスタゲン及び(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の使用。
【請求項10】
骨密度/骨代謝への負の影響及び骨粗鬆症のリスク等の治療上の副作用を減少させ、更に妊娠後に発生する先天性異常及び妊娠合併症のリスクを減少させつつ、子宮内膜症を治療するための医薬調製物を調製するためのプロセスであり、ゲスタゲンと(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸とを組み合わせて使用されることを特徴とし、ここでゲスタゲンの1日用量が、少なくとも排卵を阻害する用量に相当し、最大で排卵を阻害する用量の2倍に相当する、前記プロセス。
【請求項11】
前記先天性異常及び妊娠初期の妊娠合併症が、神経腔欠損、口唇顎口蓋裂、胎盤早期剥離、及び早産であることを特徴とする、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記ゲスタゲン成分が、17α-シアノメチル-17β-ヒドロキシエストラ-4,9-ジエン-3-オン(ジエノゲスト)、酢酸シプロテロン、又は酢酸クロルマジノンであることを特徴とする、請求項10又は11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記1日用量が、1〜2mgのジエノゲスト、又は当量の酢酸シプロテロン若しくは酢酸クロルマジノン、及び、(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸であることを特徴とする、請求項10、11、又は12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量が0.1〜10mgであることを特徴とする、請求項10、11、12、又は13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の1日用量が0.4〜1mgであることを特徴とする、請求項10、11、12、13、又は14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記1日用量が、451μgの(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸のカルシウム塩であることを特徴とする、請求項10、11、12、13、14、又は15に記載のプロセス。
【請求項17】
少なくとも169日又は25週間から数年、好ましくは2年より長く継続的投与が行われる医薬調製物を調製するための、請求項10、11、12、13、14、15、又は16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記医薬調製物が、錠剤、カプセル、コーティング錠剤、ウエハー、経皮治療系、アンプル、坐薬、ゲル、軟膏、インプラント、膣リング、又は鼻腔スプレーの形態で存在することを特徴とする、請求項10、11、12、13、14、15、16、又は17に記載のプロセス。

【公表番号】特表2010−536808(P2010−536808A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521333(P2010−521333)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006253
【国際公開番号】WO2009/027003
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】