説明

泌尿器外部カテーテル

【課題】本発明は外泌尿器カテーテルに関する。
【解決手段】本発明による外泌尿器カテーテルは、先端部、および内側に接着剤を付けたシース部を含み、前記接着剤は、接着剤による少なくとも二つのリングの形態で付与され、少なくとも二つの前記リングは所定領域により分離している泌尿器外部カテーテルにおいて、前記領域は前記接着剤と異なる特性を有するコーティング材により被覆されている。接着剤による伝統的な幅広バンドを少なくとも二つのリングで置換することにより幾つかの利点を得ることを実現する。即ち、漏洩の傾向は減少し、ペニスへの皮膚刺激の程度が縮小、かつ接着特性が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外泌尿器カテーテルに関する。本発明の背景技術は接着剤タック(tack)(強度)の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ウリシース(urisheaths)としても知られる外泌尿器カテーテルは、男性の尿失禁を補助しかつ尿道疾患の処置または手術に関連して病院で使用するために泌尿器カテーテル装置に従来から使用されている。かかる外泌尿器カテーテルは、通常、ペニスの軸を封入するシースまたは本体部、および比較的短い排出管を有する先端部を含み、排出管はホースを介して、ベッドまたは使用者の脚へ締結される尿収集袋に連結される。
【0003】
今日、ワンピースシースとして商業的に知られるシースは、典型例として35−45mm幅の、接着剤による単一バンドを有する。商業的に知られるシースの欠点は、漏れが接着剤による幅広いバンドへ発展する唯一漏れ通路へ広がることである。更に、シースを除去することきに、接着剤の残留タックが、剥がされるときに皮膚に応力を与えることである。この既知帰結として皮膚が炎症する。最悪の場合、反復除去により、皮膚条件は、皮膚が治癒するまでシースを着用できなくなることである。
【0004】
USP4846909はウリシースに適用される感圧接着剤の可変パターンを利用するウリシースを開示する。かかるパターンの例は、二インチ幅よりも大きくない接着剤によるソリッドバンドを含み、接着剤による点マトリックスが接着剤点のランダム分散を形成し、または装置の反復使用による皮膚炎症の可能性を少なくする接着剤による三つのバンドを形成するように使用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】USP4846909
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、接着剤による伝統的幅広いバンドを少なくとも二つのバンドで置換することにより、幾つかの利点を達成することを具体化する。続く説明から理解されるように、漏れの傾向は減少し、ペニスの皮膚炎症の程度は低下し、かつ接着特性が改良できる−全てが外泌尿器カテーテル使用者にとって有意義な進展である。
【0007】
本発明の課題は、その二つの問題を解決することである。その解決策は接着剤による伝統的幅広いバンドを二つまたはそれ以上のバンドに分裂することである。バンドを導入することにより、発展的漏れ通路を破壊して進行を遅延させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するための本発明による泌尿器外部カテーテルは、先端部、および内側に接着剤を付けたシース部を含み、前記接着剤は、接着剤による少なくとも二つのリングの形態で付与され、少なくとも二つの前記リングは所定領域を介して分離している泌尿器外部カテーテルにおいて、前記領域は前記接着剤と異なる特性を有するコーティング材により被覆されている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の好適形態によれば、前記コーティング材はスキンケア剤である。
【0010】
本発明の好適形態によれば、前記コーティング材は吸収剤である。
【0011】
本発明の好適形態によれば、吸収剤はフォームを含む。
【0012】
本発明の好適形態によれば、前記コーティング材は表示手段である。
【0013】
本発明の好適形態によれば、前記表示手段は、尿中の尿素と接触するときに色が変化する。
【0014】
従って、本発明は、先端部、および接着剤を内側に付けたシース部を含み、前記接着剤が接着剤による少なくとも二つのリングとして設けられている。典型例として、前記リングはシースの長軸に垂直に設けられている。
【0015】
実質的にリングは連続的である。好適には、シースの長軸に対して垂直の円に構成されている。それにより、外泌尿器カテーテルの先端から数えて第一リングは、シース下の先端から尿が通過することを阻止する。しかしながら、第一リングが漏れた場合に、第二リングが先端からシース下へ尿が流れるのを阻止する。
【0016】
このように、本発明の一実施形態において、シースは接着剤による二つのリングを含む。他の実施形態において、シースは三、四、五、六、七、八、九、更には十個のリング含む。
【0017】
一実施形態において、接着剤による少なくとも二つのリングは一領域により分離している。
【0018】
それにより、リングシステムの第二利点は、使用に際して、シースが交換時に正確に同一位置に設置されないことである。皮膚の同一パッチがバンドの接着剤により反復的応力を受けず、皮膚への刺激は減少する。この利点は、接着剤による二つのリング間の領域がスキンケア剤を含む場合に更に強調される。
【0019】
付加的または他の実施形態において、接着剤による二つのリング間の領域はフォームまたは類似の吸収材を含む。
【0020】
広範囲の接着剤が存在する。かかる接着剤は、例えば、アクリル系、熱可塑性ヒドロコリド系、またはゲル状接着剤であってよい。
【0021】
出願人は、接着剤の効果に個人間で幅広い違いがあることを観察している。即ち、一つの接着剤はある人に非常に適しているが、他の人には全く接着効果がないかまたは非常に低い接着特性しか得られない。これは、一部で、人種、食餌、ライフスタイル、および衛生状況、または個別遺伝因子に基づき、個人間の皮膚条件における幅広い変化に起因する。異なる条件下で、一定範囲の個人に適したウリシースを得るために、一つの実施形態は上述のごとき外泌尿器カテーテルに関し、接着剤による少なくとも一つのリングが、接着剤による少なくとも一つの他のリングと異なる接着剤により形成される。
【0022】
少なくとも二つのリングが一領域により分離されてよく、例えば、この領域はスキンケア剤、吸収剤、または流体指示器(indicator)等の接着剤と異なる特性を有する材料でコートされてよい。
【0023】
少なくとも二つのリングは、選択的により、当接しているか、または重なっていてよい。
【0024】
重ねることにより、接着剤によるリングを組み合わせた特性が利点として得られる。
【0025】
一実施形態において、タック等の異なる特性を有する二つまたはそれ以上の接着剤を交互に重ねたバンドが上記リングのパターンとして使用される。そのようにして、破断しない長さの接着剤が、相互に異なる特性をもって維持される。
【0026】
他の実施形態において、異なる接着剤による二つのリングが、ウリシースの内側上に渦巻きパターンとして付与される。この実施形態は、比較的簡単に、回転しかつウリシースに対して長手へ移動しながら接着剤を散布する二つのノズルを必要とすることだけにより具体化される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】当分野で提供されるウリシースを示す。
【図2a】図1のII−II線に沿った、本発明の実施形態による断面図を示す。
【図2b】図1のII−II線に沿った、本発明の実施形態による他の断面図を示す。
【図2c】図1のII−II線に沿った、本発明の実施形態による他の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は当分野で提供されるウリシース1を示す。ウリシース1はシース部2および先端部3を有する。使用時に、シース部2はペニスの周りに適用され、かつ先端部3はカテーテルに連結される。
【0029】
シース部2と先端部3との連結は波形部4により提供される。波形部4は捩じれ抵抗手段を提供する。
【0030】
先端部3の端にリブ5が設けられている。リブ5は先端部3へのカテーテルの取付けを改良する。
【0031】
使用時に、シース部2はペニスの軸の周りに適用される(図示せず)。典型的には、シース部2はペニス上で回転させるが、シース部2を適用するための他の手段が当分野で既知である。しかし、それらの適用手段は本発明に関係なく、かつ従ってこれ以上説明しない。
【0032】
シース部2が適用されるときに、カテーテル(図示せず)は先端部3に連結される。カテーテルは袋(図示せず)に連結される。これにより尿はペニスから袋へ案内される。
【0033】
図2aは、本発明の第一実施形態を示す。接着剤によるリングが、ウリシース1の内側上に塗布された第一接着剤バンド6および第二接着剤バンド7として形成される。接着剤の塗布されない領域8は、A−A軸に沿って軸方向に二つを分離している。
【0034】
第一接着剤バンドが破壊されるときに、液体、典型的には尿は、漏洩する危険がある。接着剤バンドの破損はウリシースのシーリング特性に重要なファクタである。ウリシースは漏れることなく数日間装着できるが、通常は衛生理由から一回に24時間装着されるだけであり、第一液体が接着剤バンドへ染み込み始めるのは時間の問題であり、おそらく接着剤バンドにより提供されるシールが破壊される前である。従って、接着剤を伴わない領域により分離された複数の接着剤バンドを設けることにより、防壁の数量は相対的に増加する。
【0035】
図2bは本発明の第二実施形態を示す。ここでは、接着剤バンドによる第一セクション9および第二セクション10が設けられている。各セクションは第一接着剤バンド11,12および第二接着剤バンド13,14を有し、第一および第二接着剤バンドは相互に対して当接している。接着剤を伴わない領域15が二つのセクションを分離している。
【0036】
経験則から異なる皮膚タイプは接着剤に対して異なる接着の仕方をすることが知られている。従って、第一および第二接着剤バンドは異なるタイプの接着剤で形成される。それにより、広範囲の使用者に適用できるウリシースが提供できる。
【0037】
一実施例として、ウエットタック(wet-tack)接着剤がアクリル系接着剤に隣接して適用できる。ウエットタック接着剤は、湿気を吸収しなおかつ接着するので、洗浄後の使用者の湿った皮膚に対応する点で有利である。皮膚が乾燥するとアクリル系接着剤は接着する。
【0038】
更に、複数の接着剤による異なるバンドで構成されるセクションを提供することにより、多数の漏れ防壁を提供できる。
【0039】
第三実施形態が図2cに示されている。ここには接着剤を伴わない領域22により分離した接着剤による第一セクション16および第二セクション17が設けられている。各セクションは、第一接着剤18,19および第二接着剤20,21を含む。各セクション内の接着剤バンドは相互に重合している。この重合は異なる接着特性を示し、それにより単に二つの接着剤を使用することによって上述の接着剤を当接させる場合よりも一層広範囲の使用者に適用できる。
【0040】
図2a−2cに示された実施形態に関する説明から理解されるように、接着剤を伴わない領域8,15,22が設けられ、これらの領域は、漏洩の危険を減少する防壁を形成するために、複数の接着剤バンドを分離する。
【0041】
図示されていないが、かかる領域はウリシースと異なる一つまたはそれ以上の材料で付加的に設けられてよい。かかる材料は、例えば、スキンケア剤、吸収剤、または指示剤であってよい。指示剤は物質、例えば尿中の尿素、との接触により色彩を変化する材料であってよい。これは、防壁が破損したとき、または使用者がウリシースを変更するときを視覚的に表示する。
【0042】
更に、理解されるように、一領域が接着剤バンドを分離することは必須ではない。図2bおよび2cを参照して説明したように、より多くの群の使用者に対して改良された接着剤を提供する等の利点は、二つまたはそれ以上の当接する接着剤バンドまたは重合する接着剤バンドを含む単一セクションを提供することによっても実現できる。
【符号の説明】
【0043】
1 ウリシース
2 シース部
3 先端部
4 波形部
5 リブ
6 第一接着剤バンド
7 第二接着剤バンド
8 領域
9 第一セクション
10 第二セクション
11,12 第一接着剤バンド
13,14 第二接着剤バンド
15 領域
16 第一セクション
17 第二セクション
18,19 第一接着剤
20,21 第二接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部(3)、および内側に接着剤(6,7,11,12,13,14,18,19,20,21)を付けたシース部(2)を含み、
前記接着剤(6,7,11,12,13,14,18,19,20,21)は、接着剤による少なくとも二つのリングの形態で付与され、
少なくとも二つの前記リングは所定領域(8,15,22)を介して分離している泌尿器外部カテーテルにおいて、
前記領域(8,15,22)は前記接着剤(6,7,11,12,13,14,18,19,20,21)と異なる特性を有するコーティング材により被覆されていることを特徴とする、泌尿器外部カテーテル。
【請求項2】
前記コーティング材はスキンケア剤である、請求項1による泌尿器外部カテーテル。
【請求項3】
前記コーティング材は吸収剤である、請求項1による泌尿器外部カテーテル。
【請求項4】
吸収剤はフォームを含む、請求項3による泌尿器外部カテーテル。
【請求項5】
前記コーティング材は表示手段である、請求項1による泌尿器外部カテーテル。
【請求項6】
前記表示手段は、尿中の尿素と接触するときに色が変化する、請求項5による泌尿器外部カテーテル。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【公開番号】特開2010−214210(P2010−214210A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157138(P2010−157138)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【分割の表示】特願2007−528603(P2007−528603)の分割
【原出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】