説明

波長モニタ

【課題】狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができる波長モニタを提供すること。
【解決手段】波長モニタ100は、所定波長の光を抽出する光フィルタ12と、入射光を直線偏光に変換する偏光子14と、偏光子14の出射光を被測定光の波長に応じて異なる光強度の光を出射する偏光変換部15と、偏光変換部15の出射光を偏波面が互いに直交する光に分離する偏光プリズム16と、偏光プリズム16によって分離された一方の光及び他方の光をそれぞれ光電変換するPD21及び22と、PD21及び22の出力信号から所定の周波数成分を抽出する周波数成分抽出部30と、周波数成分抽出部30が出力する各信号に基づいて被測定光の波長を算出する波長算出部25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光ネットワークにおいて波長分割多重されて伝送される光信号の波長を測定する波長モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光通信の大容量化に伴い、1波長当りの伝送量が40GbpsのWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)ネットワークが実用化されている。
【0003】
また、更なるフレキシブルな光ネットワークの実現を目指し、信号光波長によるルーティングや、制御専用のIPチャネルによる光信号のままのルーティングを行うGMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)によるダイナミックな経路設定の実現も近づいている。
【0004】
このようにダイナミックに波長パスが設定される光ネットワークにおいては、光ネットワークの信号品質や伝送効率を維持するためにも短時間にしかも正確に信号光波長を監視することが極めて重要となる。また、光ネットワークの保守においても同様である。
【0005】
従来、被測定光の波長を監視する波長モニタとして、回折格子やファブリペロー等の可動部を有し、測定時に可動部を調整する波長計が用いられていたが、この種の波長計はミリ秒オーダ以上の測定時間を要するため、高速応答の波長モニタとしては使用できない。
【0006】
そこで、高速応答の波長モニタとして、直線偏光を旋光子に入射し出射光の旋光の度合いから波長を測定する光波長測定装置(例えば、特許文献1参照)、エタロンや複屈折光部品を透過させてその出射光の干渉強度の変化から波長を計測する波長計測装置(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【特許文献1】特開2005−3495号公報
【特許文献2】特開平10−339668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、光ネットワークを流れる信号光は高速の変調信号で変調されており、その光スペクトルは変調によって基本波以外の上下側波帯が発生し、スペクトル拡がりを生じてしまう。また、WDM伝送では50GHz、又は100GHzの狭い波長間隔で波長が多重されており、AWG(Arrayed Waveguide Grating)等によって波長分波された信号光の中には、隣接チャネルの上下側波帯の光信号成分や、被測定信号光自体の上下側波帯の光信号成分が含まれている。
【0008】
これらの信号光の波長測定を短時間かつ高精度に行う方法として、光BPF(Band Pass Filter)で分離抽出した光信号成分の波長測定を、複屈折素子及び偏光分離素子から構成され複屈折素子の波長依存性を利用して行う方法が知られている。この場合、隣接チャネルの上下側波帯の光信号成分や、被測定信号光自体の上下側波帯の光信号成分を取り除いて被測定信号光成分を抽出する光BPFが必要だが、そのような狭帯域の光BPFを廉価に実現するのは困難である。
【0009】
しかしながら、特許文献1及び2に示されたものは、WDM伝送される光信号等の波長を測定する際には、狭帯域の光BPFを用いて被測定光成分を分離する必要があった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができる波長モニタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に記載の波長モニタは、予め定められた変調周波数の変調信号によって変調された被測定光の波長を測定する波長モニタであって、直線偏光に変換された前記被測定光を入射し互いに直交する偏波面において前記被測定光の波長に応じた光強度を有する2つの光成分を含む出射光を出射する偏光変換手段(15、62)と、該偏光変換手段(15、62)からの前記出射光を偏波面が互いに直交する2つの光に分離する光分離手段(16)と、該光分離手段(16)が分離した一方の光及び他方の光をそれぞれ光電変換する第1の光電変換手段(21)及び第2の光電変換手段(22)と、該第1の光電変換手段(21)及び該第2の光電変換手段(22)の各出力信号から前記変調周波数の信号成分をそれぞれ抽出する周波数成分抽出手段(30、40、50)と、該周波数成分抽出手段(30)が抽出した前記信号成分の強度比に基づいて前記被測定光の波長を算出する波長算出手段(25)とを備えた構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明の請求項1に記載の波長モニタは、偏波面が互いに直交する2つの光成分をそれぞれ光電変換した後、被測定光の搬送波に相当する電気信号成分の強度に基づいて波長を算出するので、狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の波長モニタは、前記波長算出手段(25)は、前記光分離手段(16)が分離した前記一方の光の光強度と前記他方の光の光強度との比と波長との関係を示すデータを保持する構成を有している。
【0014】
この構成により、本発明の請求項2に記載の波長モニタは、偏波面が互いに直交する2つの光成分の比と、被測定光の搬送波に相当する電気信号成分の強度とに基づいて波長を算出するので、狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができる。
【0015】
さらに、本発明の請求項3に記載の波長モニタは、前記周波数成分抽出手段(30)は、前記第1の光電変換手段(21)及び前記第2の光電変換手段(22)の各出力信号がそれぞれ入力される第1のバンドパスフィルタ(31)及び第2のバンドパスフィルタ(32)と、該第1のバンドパスフィルタ(31)及び該第2のバンドパスフィルタ(32)をそれぞれ通過した信号成分を検波する第1の検波手段(33)及び第2の検波手段(34)とを備え、前記第1のバンドパスフィルタ(31)及び前記第2のバンドパスフィルタ(32)の通過帯域の中心周波数は、前記変調周波数と等しい構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明の請求項3に記載の波長モニタは、偏波面が互いに直交する2つの光成分をそれぞれ光電変換した後、被測定光の搬送波に相当する電気信号成分を2つのバンドパスフィルタから取り出すことができる。
【0017】
さらに、本発明の請求項4に記載の波長モニタは、前記周波数成分抽出手段(40)は、前記変調周波数に基づいて予め定められた周波数を有する局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(41)と、前記第1の光電変換手段(21)の出力信号と前記局部発振信号とを乗算して周波数変換する第1のミキサ(42)と、前記第2の光電変換手段(22)の出力信号と前記局部発振信号とを乗算して周波数変換する第2のミキサ(43)と、前記第1のミキサ(42)及び前記第2のミキサ(43)によって周波数変換された周波数変換信号がそれぞれ入力される第1のバンドパスフィルタ(31)及び第2のバンドパスフィルタ(32)と、該第1のバンドパスフィルタ(31)及び該第2のバンドパスフィルタ(32)をそれぞれ通過した信号成分を検波する第1の検波手段(33)及び第2の検波手段(34)とを備え、前記第1のバンドパスフィルタ(31)及び前記第2のバンドパスフィルタ(32)の通過帯域の中心周波数は、前記周波数変換信号の周波数と等しい構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明の請求項4に記載の波長モニタは、偏波面が互いに直交する2つの光成分をそれぞれ光電変換した後、被測定光の搬送波に相当する電気信号成分の周波数をビートダウンして2つのバンドパスフィルタから取り出すことができる。
【0019】
さらに、本発明の請求項5に記載の波長モニタは、前記周波数成分抽出手段(50)は、前記第1の光電変換手段(21)及び前記第2の光電変換手段(22)の各出力信号がそれぞれ入力される第1のローパスフィルタ(51)及び第2のローパスフィルタ(52)と、前記第1の検波手段(33)及び前記第2の検波手段(34)の出力信号と前記第1のローパスフィルタ(51)及び前記第2のローパスフィルタ(52)とのうちいずれか一方の出力信号を選択する出力信号選択手段(53)とを備えた構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明の請求項5に記載の波長モニタは、検波手段を経由する経路と、ローパスフィルタを経由する経路とを選択することにより、変調光及び無変調光の両方について波長を算出することができる。
【0021】
さらに、本発明の請求項6に記載の波長モニタは、前記偏光変換手段(15)は、前記互いに直交する偏波面間で伝播速度が異なることにより出射光の偏光状態が前記被測定光の波長に応じて変化する波長板効果を有する偏光デバイス(15a)を備えた構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明の請求項6に記載の波長モニタは、偏波面が互いに直交する2つの光成分を取り出すことができる。
【0023】
さらに、本発明の請求項7に記載の波長モニタは、前記偏光変換手段(62)に入射される直線偏光の一部を分岐し一方の光を前記偏光変換手段(62)に入射する光分岐手段(61)と、該光分岐手段(61)が分岐した他方の光が入射され該光の光強度を検出する光強度検出手段(63)とを備え、前記偏光変換手段(62)は、前記一方の光が入射され前記互いに直交する偏波面間での共振器長が異なることにより干渉光の透過光強度が前記被測定光の波長に応じて変化するエタロン効果を有する偏光デバイス(62a)を備えた構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明の請求項7に記載の波長モニタは、偏波面が互いに直交する2つの光成分を取り出すことができる。
【0025】
さらに、本発明の請求項8に記載の波長モニタシステムは、請求項6に記載の波長モニタを第1の波長モニタとして備え、請求項7に記載の波長モニタを第2の波長モニタとして備え、前記第1及び前記第2の波長モニタのいずれかを選択して前記被測定光の波長を測定するようにした構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明の請求項8に記載の波長モニタシステムは、波長板効果を有する偏光デバイスを含む経路において大まかな波長測定を行い、一方、エタロン効果を有する偏光デバイスを含む経路において精密な波長測定を行うことができるので、広い波長範囲に渡って高精度の波長測定が可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができるという効果を有する波長モニタを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明に係る波長モニタを、WDM伝送される光信号の波長を監視するものに適用した例を挙げて説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1〜図5は、本発明に係る波長モニタの第1の実施の形態を示す図である。
【0030】
まず、本実施の形態における波長モニタの構成について説明する。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態における波長モニタ100は、WDM伝送された光信号を入射する光入射端子11と、所定波長の光を抽出する光フィルタ12と、光フィルタ12の出射光を平行光に変換するコリメータレンズ13と、コリメータレンズ13の出射光を直線偏光に変換する偏光子14と、偏光子14の出射光を被測定光の波長に応じた光強度を有する光を出射する波長板15aを含む偏光変換部15と、偏光変換部15の出射光を偏波面が互いに直交する光に分離する偏光プリズム16とを備えている。なお、波長板15aは、本発明に係る偏光デバイスを構成する。
【0032】
また、波長モニタ100は、偏光プリズム16によって分離された一方の光及び他方の光をそれぞれ入射するレンズ17及び18と、レンズ17及び18が集光した光をそれぞれ光電変換するフォトダイオード(以下「PD」という。)21及び22と、PD21及び22の出力信号から所定の周波数成分を抽出する周波数成分抽出部30と、周波数成分抽出部30が出力する各アナログ信号をそれぞれデジタル信号に変換するADコンバータ(以下「AD」という。)23と、波長を算出する波長算出部25とを備えている。
【0033】
光フィルタ12は、光入射端子11からWDM伝送された光信号を入射し、その光信号から被測定光を抽出するようになっている。例えば、変調周波数が40GHzの光信号が入射される場合、光フィルタ12は、次のように被測定光を抽出する。
【0034】
1550nmの光キャリアを伝送速度40GbpsのRZ信号で振幅変調すると、図2に示す(A)の位置の40GHz帯から(B)の位置の1550nm(193.548THz)帯に周波数シフトし、1550nm帯においては中心周波数成分の上下に上下側波帯成分が発生する。WDM伝送では、図2においてCh1及びCh2として示すように、互いに隣接したチャネルが存在し複数の波長成分が混在している状態となる。そこで、光フィルタ12は、例えばCh2として示す中心周波数成分及びその上下側波帯成分を抽出するようになっている。
【0035】
コリメータレンズ13は、光フィルタ12が抽出した光信号を平行光に変換し、平行光を偏光子14に出射するようになっている。
【0036】
偏光子14、偏光変換部15及び偏光プリズム16は、例えば図3に示すように構成される。図3は偏光変換部15の2とおりの構成例を示したものであり、図3(a)及び(b)は、それぞれ、偏光変換部15を水晶波長板及び方解石で構成した例を示す。なお、図中において2方向を示す矢印は偏波面の方向を表している。
【0037】
偏光子14は、コリメータレンズ13の出射光を直線偏光に変換して偏光変換部15に出射するようになっている。
【0038】
偏光変換部15は、互いに直交する偏波面間において伝播速度が異なることにより2光束間に光路差を与え、被測定光の波長変化に応じて出射光の偏光状態が変化するような複屈折素子、例えば水晶波長板や方解石等で構成される。また、偏光変換部15は、偏光子14が出射する直線偏光の振動方向に対し、水晶波長板の光学軸が45度になるよう配置されている。この構成により、水晶波長板の光学軸方向と、この光学軸方向に直交する方向とで屈折率が異なるため、偏光変換部15が出射する光信号は、常光成分及び異常光成分を含むものとなり、常光成分及び異常光成分のそれぞれの光強度は波長に応じて変化するものとなる。なお、偏光変換部15は、本発明に係る偏光変換手段を構成する。
【0039】
偏光プリズム16は、偏光変換部15からの光信号を常光と異常光とに分離するようになっている。なお、偏光プリズム16に換えて偏光ビームスプリッタを用いてもよい。なお、偏光プリズム16は、本発明に係る光分離手段を構成する。
【0040】
図3において、P(λ)及びP(λ)は、それぞれ、常光及び異常光の光強度の波長特性を示し、λは光フィルタ12によって抽出された光信号の中心周波数に対応する波長を示す。なお、図3(b)に示すように、偏光変換部15として方解石を用いた場合も、P(λ)及びP(λ)が得られる。
【0041】
図1に戻り、レンズ17及び18は、それぞれ、偏光プリズム16からの常光及び異常光をPD21及び22に集光するようになっている。
【0042】
PD21及び22は、それぞれ、被測定光の変調周波数に対し、十分に高速応答可能な受光素子で構成されている。PD21は、常光を光電変換し、常光の光強度に対応する電気信号(以下「常光変換信号」という。)を周波数成分抽出部30に出力するようになっている。PD22は、異常光を光電変換し、異常光の光強度に対応する電気信号(以下「異常光変換信号」という。)を周波数成分抽出部30に出力するようになっている。なお、PD21及び22は、それぞれ、本発明に係る光電変換手段を構成する。
【0043】
周波数成分抽出部30は、常光変換信号が流れる経路上にBPF31及び包絡線検波器33を備え、異常光変換信号が流れる経路上にBPF32及び包絡線検波器34を備えている。なお、周波数成分抽出部30は、本発明に係る周波数成分抽出手段を構成する。
【0044】
BPF31及び32は、それぞれ、フィルタの中心周波数が被測定光の変調周波数と等しく(例えば40GHz)、任意の周波数帯域を有し、常光変換信号及び異常光変換信号から不要な周波数成分を除去し、中心周波数成分のみを抽出するようになっている。具体的には、図2の(A)に示すように、入力された電気信号が40GHzの中心周波数成分と、上下側波帯成分とを含む場合、BPF31及び32は、それぞれ、40GHzの中心周波数成分のみを取り出すものである。なお、フィルタの中心周波数が被測定光の変調周波数と等しいとは、両者が完全に一致することのみを意味するものではなく、被測定光の波長が所望の測定精度で得られる程度であればよい。
【0045】
包絡線検波器33及び34は、それぞれ、BPF31及び32の出力信号を包絡線検波し、変調信号の直流成分及び搬送波成分を除去するようになっている。なお、包絡線検波器33及び34は、それぞれ、本発明に係る検波手段を構成する。
【0046】
AD23及び24は、それぞれ、包絡線検波器33及び34の出力信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、波長算出部25に出力するようになっている。
【0047】
波長算出部25は、図示を省略したが、波長対強度比特性のデータを記憶するメモリと、AD23及び24の出力信号と波長対強度比特性とに基づいて被測定光の波長を算出するCPUと、波長の算出結果を示すディスプレイとを備えている。ここで、波長対強度比特性は、常光の光強度に対応する電気信号の振幅と、異常光の光強度に対応する電気信号の振幅との比を、被測定光の波長に対して表したデータであり、詳細は後述する。なお、波長算出部25は、本発明に係る波長算出手段を構成する。
【0048】
次に、本実施の形態における波長モニタ100の原理について図3を用いて説明する。
【0049】
図3(a)に示した構成において、水晶波長板の光学軸を直線偏光の振動方向に対して45度に設定した場合、直交偏波の出力光強度(P(λ),P(λ))は、式(1)及び(2)で表される。ここで、P(λ):被測定光の光強度(P(λ)=P(λ)+P(λ))、φ:直交偏波間の位相差(φ=2π・Δn・d/λ)、Δn:水晶波長板の複屈折率差、d:水晶波長板の厚さを示す。
【0050】
(λ)=P(λ)・cos(φ/2) (1)
(λ)=P(λ)・sin(φ/2) (2)
式(1)及び(2)は、偏光変換部15が、光フィルタ12によって抽出された被測定光の波長λに応じた光強度信号であるP(λ)及びP(λ)を出射することを示している。
【0051】
d=0.6mmの水晶波長板(Δn=0.00835)を用いた場合、波長λに対するcos(φ/2)及びsin(φ/2)の変化は図4に示すようになる。
【0052】
また、P(λ)とP(λ)との比に基づいて、下記のように波長λを求めることができる。
【0053】
(λ)/P(λ)=P(λ)・sin(φ/2)/P(λ)・cos(φ/2)
=sin(φ/2)/cos(φ/2)
=tan(φ/2) (3)
ここで、1/tan(φ/2)の対数、すなわち10・log10{1/tan(φ/2)}を算出する。この算出結果を直交偏波光の強度比と呼ぶこととすると、図5に示すような、直交偏波光の強度比と波長との関係を示す特性(以下「波長対強度比特性」という。)が得られる。具体的には、d=0.6mmの水晶波長板(Δn=0.00835)を用いた場合の波長対強度比特性は、図5に示すようになる。
【0054】
したがって、例えば、出射光の波長を可変することができる無変調光源を用いて波長対強度比特性を予め求め、波長算出部25のメモリに波長対強度比特性のデータを記憶しておくことにより、本実施の形態における波長モニタ100は、偏光プリズム16が分離した常光及び異常光の光強度にそれぞれ対応する電気信号の平均強度に基づいて、被測定光の波長λを算出することができる。
【0055】
従来、狭帯域光フィルタを用いて被測定光の中心周波数成分のみを取り出すことは技術的にもコスト的にも容易ではなかったが、本実施の形態における波長モニタ100は、被測定光の中心周波数成分及びその上下側波帯成分を抽出し、常光と異常光とに分離して各電気信号に変換後、周波数成分抽出部30において中心周波数成分のみを容易に抽出することができる。
【0056】
なお、前述のように、φ/2は波長λの関数であり、直交偏波の出力光強度P(λ)と、P(λ)との比は被測定光の光強度P(λ)に依存しない。したがって、P(λ)とP(λ)との和から被測定光の光強度P(λ)を求め、P(λ)及びP(λ)をP(λ)で正規化するなり、P(λ)とP(λ)との比から被測定光の波長λを求めるようにすれば、被測定光強度に関係なく、P(λ)及びP(λ)の関係から被測定光の波長λを求めることができる。
【0057】
次に、本実施の形態における波長モニタ100の動作について説明する。
【0058】
光入射端子11は、WDM伝送された光信号を入射し、光フィルタ12に出射する。光フィルタ12は、WDM伝送された光信号から、予め定められた中心周波数成分と、その上下側波帯成分とを抽出し、コリメータレンズ13に出射する。コリメータレンズ13は、光フィルタ12の出射光を平行光に変換して偏光子14に出射する。
【0059】
偏光子14は、コリメータレンズ13の出射光を直線偏光に変換して偏光変換部15に出射する。偏光変換部15は、波長に応じて光強度が異なる常光及び異常光を含む光信号を偏光プリズム16に出射する。偏光プリズム16は、常光及び異常光をそれぞれレンズ17及び18に出射する。
【0060】
まず、常光に対しては、以下のように処理される。
【0061】
レンズ17は、常光をPD21に集光し、PD21は、常光を光電変換した常光変換信号をBPF31に出力する。BPF31は、入力された常光変換信号から例えば40GHzの中心周波数成分のみを取り出す。
【0062】
包絡線検波器33は、BPF31の出力信号を包絡線検波してAD23に出力し、AD23は入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して波長算出部25に出力する。
【0063】
一方、異常光に対しては、前述と同様に、レンズ18、PD22、BPF32、包絡線検波器34、AD24によって、異常光変換信号から例えば40GHzの中心周波数成分のみが取り出されて波長算出部25に入力される。
【0064】
波長算出部25は、常光変換信号及び異常光変換信号の平均強度に基づき、直交偏波光の強度比に対応する電気信号の強度比を求める。そして、波長算出部25は、求めた電気信号強度比と、メモリに予め記憶してある波長対強度比特性とに基づいて被測定光の波長λを算出する。
【0065】
以上のように、本実施の形態における波長モニタ100によれば、偏波面が互いに直交する2つの光成分をそれぞれ光電変換した後、被測定光の搬送波に相当する電気信号成分の平均強度に基づいて波長を算出する構成としたので、狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができる。
【0066】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明に係る波長モニタの第2の実施の形態を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施の形態における波長モニタ200は、周波数成分抽出部40を備えたものであり、これ以外の構成は第1の実施の形態における波長モニタ100(図1参照)と同様である。したがって、周波数成分抽出部40以外の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
周波数成分抽出部40は、所定周波数の局部発振信号を生成する局部発振器41と、PD21が出力する常光変換信号と局部発振信号とを乗算して周波数変換するミキサ42と、ミキサ42の後段にBPF31及び包絡線検波器33と、PD22が出力する異常光変換信号と局部発振信号とを乗算して周波数変換するミキサ43と、ミキサ43の後段にBPF32及び包絡線検波器34とを備えている。なお、局部発振器41は、本発明に係る局部発振信号生成手段を構成する。
【0068】
この構成により、周波数成分抽出部40は、常光変換信号及び異常光変換信号の各周波数をビートダウンして中間周波数の電気信号を生成し、BPF31及び32による中心周波数成分の抽出と、包絡線検波器33及び34による包絡線検波を行うようになっている。
【0069】
具体的には、例えば、被測定光の変調周波数が40GHzの場合、すなわち、常光変換信号及び異常光変換信号の各周波数が40GHzの場合、局部発振器41が生成する局部発振信号の周波数を例えば45GHzとしたとき、ミキサ42及び43からは中間周波数5GHzの電気信号がそれぞれ出力される。このとき、BPF31及び32のフィルタの中心周波数をそれぞれ5GHzとすれば、周波数成分抽出部40は、常光変換信号及び異常光変換信号の中心周波数成分のみを取り出すことができる。なお、前述した各周波数は一例であるが、局部発振信号の周波数を被測定光の変調周波数の近傍に設定するのが好ましい。
【0070】
以上のように、本実施の形態における波長モニタ200によれば、偏波面が互いに直交する2つの光成分をそれぞれ光電変換した後、被測定光の搬送波に相当する電気信号成分の周波数をビートダウンしてBPF31及び32から中間周波数の電気信号を取り出す構成としたので、狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができる。
【0071】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明に係る波長モニタの第3の実施の形態を示すブロック図である。
【0072】
図7に示すように、本実施の形態における波長モニタ300は、周波数成分抽出部50及び信号切替部53を備えたものであり、これら以外の構成は第1の実施の形態における波長モニタ100(図1参照)と同様である。したがって、周波数成分抽出部50及び信号切替部53以外の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
周波数成分抽出部50は、常光変換信号が流れる経路上にBPF31及び包絡線検波器33に加えてLPF(Low Pass Filter)51を備え、異常光変換信号が流れる経路上にBPF32及び包絡線検波器34に加えてLPF52を備えている。
【0074】
LPF51は、常光変換信号から所定周波数以下の周波数成分を通過させるようになっている。同様に、LPF52は、異常光変換信号から所定周波数以下の周波数成分を通過させるようになっている。
【0075】
信号切替部53は、AD23及び24にそれぞれ出力する電気信号を被測定光に応じて切り替えるようになっている。なお、信号切替部53は、本発明に係る出力信号選択手段を構成する。
【0076】
具体的には、信号切替部53は、被測定光が変調光の場合、包絡線検波器33及び34の出力信号をAD23及び24にそれぞれ出力するよう切り替える。一方、信号切替部53は、被測定光が無変調光の場合、LPF51及び52の出力信号をAD23及び24にそれぞれ出力するよう切り替える。
【0077】
以上のように、本実施の形態における波長モニタ300によれば、被測定光に応じて周波数成分抽出部50の出力信号を切り替える構成としたので、変調光及び無変調光の両方について波長を短時間かつ高精度に測定することができる。
【0078】
(第4の実施の形態)
図8〜10は、本発明に係る波長モニタの第4の実施の形態を示す図である。
【0079】
図8に示すように、本実施の形態における波長モニタ400は、分岐部61と、偏光変換部62と、光強度検出器63とを備えたものであり、これら以外の構成は第1の実施の形態における波長モニタ100(図1参照)と同様である。したがって、分岐部61、偏光変換部62及び光強度検出器63以外の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
分岐部61は、偏光子14の出射光を2つに分岐し、一方の光を偏光変換部62に、他方の光を光強度検出器63に、それぞれ出射するようになっている。なお、分岐部61は、本発明に係る光分岐手段を構成する。
【0081】
偏光変換部62は、複屈折素子である方解石を用いて構成されたエタロン62aを備えている。なお、偏光変換部62は、本発明に係る偏光変換手段を構成する。また、エタロン62aは、本発明に係る偏光デバイスを構成する。
【0082】
光強度検出器63は、被測定光の光強度を検出し、その検出データを波長算出部25に出力するようになっている。なお、光強度検出器63は、本発明に係る光強度検出手段を構成する。
【0083】
次に、偏光変換部62の詳細な構成について図9を用いて説明する。図9(a)は入射面及び出射面にミラーを備えたエタロン62aの構成を示す図であり、図9(b)は偏光変換部62の周辺の構成を示す図である。なお、図中において2方向を示す矢印は偏波面の方向を表している。
【0084】
偏光変換部62では互いに直交する偏波面間で共振器長が異なる2つの共振器が形成され、互いに直交する偏波面の光は、被測定光の波長に応じて異なった干渉強度の透過として出力される。
【0085】
エタロン62aによる常光の干渉信号透過強度の波長特性T(λ)は、次式で表される。
【0086】
(λ)=(1−R/{(1−R+4R・sin(φ/2)} (4)
【0087】
【数5】

【0088】
ここで、n:常光屈折率、R:ミラー両面の反射率、θ:空気中からの入射角、λ:被測定光の波長、d:エタロン62aの厚さを示す。
【0089】
同様に、エタロン62aによる異常光の干渉信号透過強度の波長特性T(λ)は、次式で表される。
【0090】
(λ)=(1−R/{(1−R+4R・sin(φ/2)} (6)
【0091】
【数7】

【0092】
ここで、n:異常光屈折率、R:ミラー両面の反射率、θ:空気中からの入射角、λ:被測定光の波長、d:エタロン62aの厚さを示す。
【0093】
エタロン62aによる常光の干渉信号透過強度の波長特性T(λ)と、異常光の干渉信号透過強度の波長特性T(λ)は、図10に示すようなグラフで表される。なお、図10に示したグラフを、第1の実施の形態と同様に波長対強度比特性と呼ぶこととする。
【0094】
図10は、d=5mmの方解石(反射率R=0.1、入射角θ=0deg、常光屈折率n=1.486、異常光屈折率n=1.658)を用いた場合の波長対強度比特性を示す図である。図10に示したグラフは、d=5mmの方解石を共振器長とした例であるが、共振器長を短くすれば波長周期を広くすることができる。第1の実施の形態において説明したように、この波長対強度比特性のデータを予め求め、波長算出部25のメモリに記憶しておく。
【0095】
以上の構成により、本実施の形態における波長モニタ400は、測定波長範囲に応じた共振器長を有するエタロン62aを適切に選択することにより、エタロン62aが検出したT(λ)及びT(λ)から被測定光の波長λを特定することができる。
【0096】
また、本実施の形態における波長モニタ400は、光強度検出器63を備えているので、エタロン62aによる常光の干渉信号透過強度の波長特性T(λ)と異常光の干渉信号透過強度の波長特性T(λ)を求める際、検出した常光の干渉信号透過強度及び異常光の干渉信号透過強度を光強度検出器63で検出した光パワーで正規化することで、被測定光強度が変化しても波長の測定は可能となる。
【0097】
また、本実施の形態における波長モニタ400の偏光変換部62において、エタロン62aに加えて例えば第1の実施の形態における波長板15aを併用することにより、波長板15aを用いた広波長範囲の測定と、エタロン62aを用いた高分解能の測定とを両立することもできる。
【0098】
(第5の実施の形態)
図11は、本発明に係る波長モニタシステムの実施の形態を示すブロック図である。
図11に示すように、本実施の形態における波長モニタシステム500は、第1の実施の形態における波長モニタ100(図1参照)に類似した構成と、第4の実施の形態における波長モニタ400(図8参照)に類似した構成とを組み合わせ、さらに、偏光ビームスプリッタ(偏光BS)71と、信号切替部72とを備えたものである。したがって、偏光BS71及び信号切替部72以外の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
偏光BS71は、コリメータレンズ13の出射光を直線偏光のP偏光成分とS偏光成分とに分波し、それぞれ、波長板15a及びエタロン62aに出射するようになっている。
【0100】
信号切替部72は、波長板15aを含む経路において光電変換された電気信号と、エタロン62aを含む経路において光電変換された電気信号とを切り替えて、AD23及び24に出力するようになっている。
【0101】
この構成により、本実施の形態における波長モニタシステム500は、波長板15aを含む経路において大まかな波長測定を行い、一方、エタロン62aを含む経路において精密な波長測定を行うことができるので、広い波長範囲に渡って高精度の波長測定が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明に係る波長モニタは、狭帯域の光BPFを用いることなく、変調された被測定光の波長を短時間かつ高精度に測定することができるという効果を有し、光ネットワークにおいて波長分割多重されて伝送される光信号の波長を測定する波長モニタ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明に係る波長モニタの第1の実施の形態における構成を示すブロック図
【図2】本発明に係る波長モニタの第1の実施の形態において、光フィルタ及び電気フィルタで抽出する信号の説明図
【図3】本発明に係る波長モニタの第1の実施の形態において、偏光変換部の構成例を示す図 (a)を水晶波長板で構成した例を示す図 (b)偏光変換部を方解石で構成した例を示す図
【図4】本発明に係る波長モニタの第1の実施の形態において、波長λに対するcos(φ/2)及びsin(φ/2)の変化を示す図
【図5】本発明に係る波長モニタの第1の実施の形態における波長対強度比特性を示す図
【図6】本発明に係る波長モニタの第2の実施の形態における構成を示すブロック図
【図7】本発明に係る波長モニタの第3の実施の形態における構成を示すブロック図
【図8】本発明に係る波長モニタの第4の実施の形態における構成を示すブロック図
【図9】本発明に係る波長モニタの第4の実施の形態における偏光変換部の構成を示す図 (a)エタロンの構成を示す図 (b)偏光変換部の周辺の構成を示す図
【図10】本発明に係る波長モニタの第4の実施の形態における波長対強度比特性を示す図
【図11】本発明に係る波長モニタシステムの実施の形態における構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0104】
11 光入射端子
12 光フィルタ
13 コリメータレンズ
14 偏光子
15、62 偏光変換部(偏光変換手段)
15a 波長板(偏光デバイス)
16 偏光プリズム(光分離手段)
17、18 レンズ
21、22 PD(光電変換手段)
23、24 AD
25 波長算出部(波長算出手段)
30、40、50 周波数成分抽出部(周波数成分抽出手段)
31、32 BPF
33、34 包絡線検波器(検波手段)
41 局部発振器(局部発振信号生成手段)
42、43 ミキサ
51、52 LPF
53 信号切替部(出力信号選択手段)
61 分岐部(光分岐手段)
62a エタロン(偏光デバイス)
63 光強度検出器(光強度検出手段)
71 偏光BS
72 信号切替部
100、200、300、400 波長モニタ
500 波長モニタシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた変調周波数の変調信号によって変調された被測定光の波長を測定する波長モニタであって、
直線偏光に変換された前記被測定光を入射し互いに直交する偏波面において前記被測定光の波長に応じた光強度を有する2つの光成分を含む出射光を出射する偏光変換手段(15、62)と、該偏光変換手段(15、62)からの前記出射光を偏波面が互いに直交する2つの光に分離する光分離手段(16)と、該光分離手段(16)が分離した一方の光及び他方の光をそれぞれ光電変換する第1の光電変換手段(21)及び第2の光電変換手段(22)と、該第1の光電変換手段(21)及び該第2の光電変換手段(22)の各出力信号から前記変調周波数の信号成分をそれぞれ抽出する周波数成分抽出手段(30、40、50)と、該周波数成分抽出手段(30)が抽出した前記信号成分の強度比に基づいて前記被測定光の波長を算出する波長算出手段(25)とを備えたことを特徴とする波長モニタ。
【請求項2】
前記波長算出手段(25)は、前記光分離手段(16)が分離した前記一方の光の光強度と前記他方の光の光強度との比と波長との関係を示すデータを保持することを特徴とする請求項1に記載の波長モニタ。
【請求項3】
前記周波数成分抽出手段(30)は、前記第1の光電変換手段(21)及び前記第2の光電変換手段(22)の各出力信号がそれぞれ入力される第1のバンドパスフィルタ(31)及び第2のバンドパスフィルタ(32)と、該第1のバンドパスフィルタ(31)及び該第2のバンドパスフィルタ(32)をそれぞれ通過した信号成分を検波する第1の検波手段(33)及び第2の検波手段(34)とを備え、
前記第1のバンドパスフィルタ(31)及び前記第2のバンドパスフィルタ(32)の通過帯域の中心周波数は、前記変調周波数と等しいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の波長モニタ。
【請求項4】
前記周波数成分抽出手段(40)は、前記変調周波数に基づいて予め定められた周波数を有する局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(41)と、前記第1の光電変換手段(21)の出力信号と前記局部発振信号とを乗算して周波数変換する第1のミキサ(42)と、前記第2の光電変換手段(22)の出力信号と前記局部発振信号とを乗算して周波数変換する第2のミキサ(43)と、前記第1のミキサ(42)及び前記第2のミキサ(43)によって周波数変換された周波数変換信号がそれぞれ入力される第1のバンドパスフィルタ(31)及び第2のバンドパスフィルタ(32)と、該第1のバンドパスフィルタ(31)及び該第2のバンドパスフィルタ(32)をそれぞれ通過した信号成分を検波する第1の検波手段(33)及び第2の検波手段(34)とを備え、
前記第1のバンドパスフィルタ(31)及び前記第2のバンドパスフィルタ(32)の通過帯域の中心周波数は、前記周波数変換信号の周波数と等しいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の波長モニタ。
【請求項5】
前記周波数成分抽出手段(50)は、前記第1の光電変換手段(21)及び前記第2の光電変換手段(22)の各出力信号がそれぞれ入力される第1のローパスフィルタ(51)及び第2のローパスフィルタ(52)と、前記第1の検波手段(33)及び前記第2の検波手段(34)の出力信号と前記第1のローパスフィルタ(51)及び前記第2のローパスフィルタ(52)とのうちいずれか一方の出力信号を選択する出力信号選択手段(53)とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の波長モニタ。
【請求項6】
前記偏光変換手段(15)は、前記互いに直交する偏波面間で伝播速度が異なることにより出射光の偏光状態が前記被測定光の波長に応じて変化する波長板効果を有する偏光デバイス(15a)を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の波長モニタ。
【請求項7】
前記偏光変換手段(62)に入射される直線偏光の一部を分岐し一方の光を前記偏光変換手段(62)に入射する光分岐手段(61)と、該光分岐手段(61)が分岐した他方の光が入射され該光の光強度を検出する光強度検出手段(63)とを備え、
前記偏光変換手段(62)は、前記一方の光が入射され前記互いに直交する偏波面間での共振器長が異なることにより干渉光の透過光強度が前記被測定光の波長に応じて変化するエタロン効果を有する偏光デバイス(62a)を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の波長モニタ。
【請求項8】
請求項6に記載の波長モニタを第1の波長モニタとして備え、請求項7に記載の波長モニタを第2の波長モニタとして備え、前記第1及び前記第2の波長モニタのいずれかを選択して前記被測定光の波長を測定するようにしたことを特徴とする波長モニタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−103573(P2009−103573A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275349(P2007−275349)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】