説明

波長ルータ、光通信システム及び光通信方法

【課題】リモートノードからOLTに接続する光ファイバ数が1本である構成で、分岐損を解消し、秘話性を確保し、かつ波長間での負荷分散を実現できる波長ルータを提供することを目的とする。
【解決手段】波長ルータ101は、第1合分波器の一の第1分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドが第2合分波器のいずれかひとつの第2分波ポートに割り当てられ、一の第1分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つのそれぞれが他と異なる第2分波ポートに割り当てられ、一の第2分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドはいずれかひとつの第1分波ポートに割り当てられ、一の第2分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つが他と異なる第1分波ポートに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長分割多重又は波長分割多重且つ時分割多重で信号光の送受信を行う際に用いる波長ルータ、これを備える光通信システム、及びその光通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットやイントラネットの急成長を背景に,大容量通信の需要が高まっており,高速光通信システムの普及が急ピッチで進んでいる中、経済的な高速光アクセスネットワークを実現する手段としてPON(Passive Optical Network)が知られている。また、PONに設置される受動素子(光スプリッタ等)の代わりに、光スイッチを備える光アクセスネットワークも多くの提案がなされている(例えば、非特許文献2を参照。)。
【0003】
これらの光アクセスシステムの送受信器には安価なSiGe−BiCMOSプロセスを用いた時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)を利用することで、経済的な光アクセスシステムを実現しているが、更なる高速化をターゲットとした場合、TDMをベースとした多重化では、電子デバイスの制約のため10Gbit/sが上限と考えられている。
【0004】
そこで、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を適用することで更なる高速化/広帯域化を実現する提案もなされている。しかし、ユーザ毎に異なる波長を用いるWDMを適用すると、局側装置であるOLT(Optical Line Terminal)には加入者側装置であるONU(Optical Network Unit)の数に応じた送受信機が必要となる。これは既存のONUやOLTの更改を要し、コスト上昇という課題が発生する。
【0005】
この課題に対して、ONU毎に異なる波長を用いる代わりに、ONUを複数のグループにグルーピングし、グループ間でWDMとグループ内でTDMを適用するWDM/TDM−PON(例えば、非特許文献1を参照。)がある。これは、波長を複数のONUで共用することで、総帯域拡張に伴うコスト上昇を抑えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「総帯域拡張型WDM/TDM−PONと動的波長帯域割当の一提案」、吉野學、原一貴、中村浩崇、木村俊二、吉本直人、雲崎清美、2009年電子情報通信学会総合大会、通信講演論文集2、p.426、B−10−107
【非特許文献2】「光パケットスイッチを適用したアクセスネットワークにおける効率的なディスカバリ方法の提案」、上田裕巳、坪井利憲、河西宏之、社団法人2009年4月CS方式研究会電子情報通信学会技術研究報告vol.109(4):CS2009−12,pp.69−74
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ONUとOLTを接続する光分配ネットワーク(ODN:Optical Distribution Network)として、OLTからの光を複数のONUに分岐し、複数のONUからの光をOLTに集線する合分岐で波長選択性の無いパワースプリッタを用いるため、分岐損失が発生する。この分岐損失は、ONU数の増大や伝送距離の拡大の制限要因となる課題がある。この分岐損失の課題は、WDM−PONで多用される波長スプリッタでOLTからの光を複数のONUに分岐し、複数のONUからの光をOLTに集線する合分岐で波長選択性のある波長スプリッタを用いることで解消することができる。更に波長スプリッタを用いると、秘話性も得られる。
【0008】
ODNでの無分岐損失と秘話性を具備するために波長スプリッタを、OLTからの光を複数のONUに分岐し、複数のONUからの光をOLTに集線する合分岐に用いると、ONUの送受する波長が固定的に決定する。この場合ONUとOLT内の送受信機で自由に通信するためには、OLT内部では信号光を波長選択性の無いパワースプリッタで合分岐してそれぞれ波長可変の送受信機に接続する形となる。そのため、OLT内部にて分岐損が発生する課題が生じる。
【0009】
分岐損無しに波長切替で方路を切り換える方法として図1や図2のAWGスターが提案されている。しかし、AWGスターはN方路からM方路へ方路切替であるため、PONの分岐点であるリモートノードに適用しようとすると、N個のONUからN本の光ファイバがリモートノードに接続し、リモートノードからM本の光ファイバがOLTに接続する形態となる。PONではリモートノードからOLTに接続する光ファイバが本来1本であることに対し、AWGスターとすると光ファイバ数が増大するため、AWGスターをPONに適用することは困難である。
【0010】
そこで、本発明は、リモートノードからOLTに接続する光ファイバ数が1本であるPONに適用でき、分岐損を解消し、秘話性を確保し、かつ波長間での負荷分散を実現できる波長ルータ、光通信システム及び光通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る波長ルータ、光通信システム及び光通信方法は、波長選択性のある1対の第1合分波器及び第2合分波器を設置し、第1合分波器において単一の第1分波ポートに入出力する複数の波長グリッドが、第2合分波器において複数の異なる第2分波ポートのいずれかに入出力する波長グリッドの組合せと構成を採用することとした。
【0012】
具体的には、本発明に係る波長ルータは、第1合波ポート及び前記第1合波ポートとの間で信号光を合分岐する複数の第1分波ポートを持つ第1合分波器と、第2合波ポート及び前記第2合波ポートとの間で信号光を合分岐する複数の第2分波ポートを持つ第2合分波器と、前記第1合分波器の前記第1合波ポートと前記第2合分波器の前記第2合波ポートとを接続する1つの光伝送路と、を備え、前記第1分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドはいずれかひとつの前記第2分波ポートに割り当てられ、一の前記第1分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つが他と異なる前記第2分波ポートに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもち、前記第2分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドはいずれかひとつの前記第1分波ポートに割り当てられ、一の前記第2分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つが他と異なる前記第1分波ポートに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもつ。
【0013】
本発明に係る波長ルータは、第1分波ポートにONUの送受信機を接続し、第2分波ポートにOLT内部の送受信機を接続すれば、各ONUの送受信機とOLT内の送受信機とを異なる波長でそれぞれ接続し、波長毎に接続する対向の送受信機は一対一であるために分岐損失が発生しない。また、本発明に係る波長ルータは、信号光を通信対象とする送受信機間のみに伝搬させることができるため秘話性を確保できる。さらに、本発明に係る波長ルータは、第1合分波器と第2合分波器との間を1本の光ファイバで接続することができる。
【0014】
従って、本発明は、リモートノードからOLTに接続する光ファイバ数が1本であるPONに適用でき、分岐損を解消し、秘話性を確保し、かつ波長間での負荷分散を実現できる波長ルータを提供することができる。
【0015】
本発明に係る波長ルータの前記第1分波ポート及び前記第2分波ポートの少なくとも一方は、割り当てられている波長グリッドに周期性があることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る光通信システムは、前記波長ルータと、前記波長ルータが備える前記第1合分波器の前記第1分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第1分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドから選択して信号光を送受信する複数の第1送受信機と、前記波長ルータが備える前記第2合分波器の前記第2分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第2分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドから選択して信号光を送受信する複数の第2送受信機と、所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させ、所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させる制御機と、を有する。
【0017】
本発明に係る光通信方法は、所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させ、所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る他の光通信システムは、前記波長ルータと、前記波長ルータが備える前記第1合分波器の前記第1分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第1分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドの信号光を送受信する複数の第1送受信機と、前記波長ルータが備える前記第2合分波器の前記第2分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第2分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドの信号光を送受信する複数の第2送受信機と、所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第2送受信機に前記信号光を受信させ、所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第1送受信機に前記信号光を受信させる制御機と、を有する。
【0019】
本発明に係る他の光通信方法は、所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第2送受信機に前記信号光を受信させ、所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第1送受信機に前記信号光を受信させることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る光通信システム及び光通信方法は、波長ルータの第1分波ポートにONUの第1送受信機を接続し、第2分波ポートにOLT内部の第2送受信機を接続すれば、各ONUとOLTとを異なる波長でそれぞれ接続するために分岐損失が発生せず、また通信対象のONUにしか信号光が到達しないため秘話性を確保できる。さらに、本発明に係る波長ルータは、第1合分波器と第2合分波器との間を一つの伝送路例えば1本の光ファイバで接続することができる。
【0021】
従って、本発明は、リモートノードからOLTに接続する光ファイバ数が1本であるPONに適用でき、分岐損を解消し、秘話性を確保し、かつ波長間での負荷分散を実現できる光通信システム及び光通信方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、リモートノードからOLTに接続する光ファイバ数が1本であるPONに適用でき、分岐損を解消し、秘話性を確保し、かつ波長間での負荷分散を実現できる波長ルータ、光通信システム及び光通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の波長ルータを説明する図である。
【図2】従来の波長ルータを説明する図である。
【図3】本発明に係る波長ルータを説明する図である。
【図4】本発明に係る光通信システムを説明する図である。
【図5】本発明に係る光通信システムを説明する図である。
【図6】本発明に係る光通信システムを説明する図である。
【図7】本発明に係る光通信システムを説明する図である。
【図8】本発明に係る光通信システムを説明する図である。
【図9】本発明に係る光通信システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。また、枝番号を付さずに説明している場合は、当該符号の全ての枝番号に共通する説明である。
【0025】
(実施形態1)
図3は、実施形態1の波長ルータ101を説明する図である。波長ルータ101は、第1合波ポート11b及び第1合波ポート11bとの間で信号光を合分岐する複数の第1分波ポート11aを持ち、一の第1分波ポート11aに、他の第1分波ポート11aに割り当てられている波長グリッドとは異なる複数の波長グリッドが割り当てられている第1合分波器11と、第2合波ポート12b及び第2合波ポート12bとの間で信号光を合分岐する複数の第2分波ポート12aを持ち、一の第2分波ポート12aに、他の第2分波岐ポート12aに割り当てられている波長グリッドとは異なる複数の波長グリッドが割り当てられている第2合分波器12と、第1合分波器11の第1合波ポート11bと第2合分波器12の第2合波ポート12bとを接続する1つの伝送路と、を備える。ここで、一つの伝送路は例えば1本の光ファイバである。
【0026】
そして、波長ルータ101は、第1分波ポート11aそれぞれに割り当てられている各波長グリッドをいずれか一つの第2分波ポート12aに割り当て、第2分波ポート12aそれぞれに割り当てられている各波長グリッドをいずれか一つの第1分波ポート11aに割り当てる。さらに、波長ルータ101は、一の第1分波ポート11aに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つが他と異なる第2分波ポート12aに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもち、一の第2分波ポート12aに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つが他と異なる第1分波ポート11aに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもつ。
【0027】
言い換えると、一の第1分波ポート11aに割当てられている複数の波長グリットの内の少なくとも一つの波長グリット(αとする)は、当該第1分波ポート11aに割当てられている複数の波長グリットのα以外の波長グリッドと異なる第2分波ポート12aに割当てられ、一の第2分波ポート12aに割当てられている複数の波長グリットの内の少なくとも一つの波長グリット(βとする)は、当該第2分波ポート12aに割当てられている複数の波長グリットのβ以外の波長グリッドと異なる第1分波ポート11aに割当てられる。
【0028】
即ち、
(1)送受信機21からみると、1波長グリッドは第2分波ポート12aのいずれかのみに割り当てられ、送受信機26からみると、1波長グリッドは第1分波ポート11aのいずれかのみに割り当てられる。なお、送受信機と分波ポートの間が冗長で送受信機21と第1分波ポート11aとの間又は/及び送受信機26と第2分波ポート12aとの間が2接続である場合でも、それぞれの伝送路に着目すると波長グリッドは上記の通りに割り当てられる。
(2)ある分波ポートに着目すると、複数の波長グリッドが割り当てられており、そのうちの少なくとも一つの波長グリッドが他と異なる対向分波ポートに割り当てられ、波長ルーティングすることになる。
【0029】
以下は、上記記載の一例であるフルメッシュ接続についての説明である。
波長ルータ101は、周回性を考慮し、その一周回分に相当する波長グリッドの中では、一の第1分波ポート11aに割り当てられている複数の波長グリッドのそれぞれが互いに異なる第2分波ポート12aに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもち、一の第2分波ポート12aに割り当てられている複数の波長グリッドのそれぞれが互いに異なる第1分波ポート11aに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもつ。
【0030】
更に、いずれかの第1分波ポート11aに割り当てられている波長グリッドは重複なしにいずれか一つの第1分波ポート11aに割り当てられ、いずれかの第2分波ポート12aに割り当てられている波長グリッドは重複なしにいずれか一つの第2分波ポート12aに割り当てられる。各分波ポートは対向する分波ポート数以上の波長グリッドを割り当てられる。
【0031】
第1分波ポート11a及び第2分波ポート12aの少なくとも一方は、割り当てられている波長グリッドに周期性がある。
【0032】
より詳細には、少なくとも1対1で接続するためには、第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aのいずれか一方は、波長グリッドが所定の周期で割り当てられており、第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aの一方の所定の周期に含まれる波長グリットの数は他方の第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aに対して連続して割り当てられている波長グリットの数に等しいか又は第1分波ポート11aと第2分波ポート12aとで所定の周期に含まれる波長グリッドの数が異なる。異なるのは、同じ波長グリッドを割り当てられる対向する分波ポートが当該分波ポートに割り当てられた波長グリッド毎に、少なくとも1周回の間、異なる組合せとするためである。なお、対向する分波ポートが同じとなる波長グリッドが複数個存在していても、接続したい対向の全ての分波ポートと割り当てられる波長グリッドが同じとなる波長グリッドがあればよい。また、接続したい対向の全ての分波ポートと割り当てられる波長グリッドが同じとなる波長グリッドとなる並び順を実現できれば、所定の周期に含まれる波長グリッドの数が同じであってもよい。それぞれの所定の周期に含まれる波長グリッドの数が異なる場合、その数は互いに素の値が望ましい。全ての対向する分波ポート同士がフルメッシュ接続するためにはそれぞれの所定の周期に含まれる波長グリッド数の数の積以上の波長グリッド数が必要となる。対向する分波ポートの数が互いに素の値でない場合は対向する分波ポート数以上、かつ互いに素の値となる波長グリッドの数とすればよい。その場合、1対1のフルメッシュ接続ではない。また、それぞれの所定の周期に含まれる波長グリッドの数の公倍数で、波長グリッドが割り当てられる第1分波ポート及び第2分波ポートの組み合わせが繰り返してもよい。この場合、両分波ポートに異なる周期性と、その異なる周期性よりも大きな同一の周期性を有することになる。
【0033】
それぞれの所定の周期に含まれる波長グリッドの数が異なる例としては、2と3の組み合わせである。具体的にはある第1分波ポート11aの波長グリッドがλ1、λ3、λ5、他の第1分波ポート11aの波長グリッドがλ2、λ4、λ6、ある第2分波ポート12aの波長グリッドがλ1、λ4、次の第2分波ポート12aの波長グリッドがλ2、λ5、その次の第2分波ポート12aの波長グリッドがλ3、λ6である。
【0034】
なお、連続して波長グリッドを割り当てられている第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aに割り当てられる波長グリッドにも周期があってもよい。この場合、その周期は、連続して割り当てられている波長グリットの数に、当該第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aの数を乗じた波長グリット数を含む以上の周期となるのが望ましい。更に、連続して波長グリッドを割り当てられている第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aに当該第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aの数を乗じた波長グリット数と、周期的に波長グリッドを割り当てられている第2分波ポート12a又は第1分波ポート11aの周期に含まれる波長グリッド数に当該第2分波ポート12a又は第1分波ポート11aの数を乗じた波長グリッド数の公倍数以上の周期となってもよい。
【0035】
具体的には、第1合分波器11の第1分波ポート11aには、それぞれ複数の波長グリッドが割り当てられている。この割り当てられている波長グリッドは、第1合波ポート11b又は第2合分波ポート12b又は両者を接続する伝送路で観測すると、波長ルータ101でルーティングする対象のいずれの波長グリッドもいずれか一つの第1分波ポート11aに割り当てられ、複数の第1分波ポートに割り当てられない。即ち、割り当てられている波長グリッドは各第1分波ポート11aで互いに重複しない。第1合分波器11は、それぞれの第1分波ポート11aに入力されたそれぞれ異なる波長グリッドの信号光を合波して第1合波ポート11bに出力する。一方、第1合分波器11は、波長多重された信号光が第1合波ポート11bに入力されると、第1分波ポート11a毎の波長範囲に分波し、第1分波ポート11aに割り当てられた波長グリッドの波長範囲に含まれる波長グリッドの信号光を当該第1分波ポート11aから出力する。
【0036】
第2合分波器12は、それぞれの第2分波ポート12aには、それぞれ複数の波長グリッドが割り当てられている。第2合分波器12の第2分波ポート12aには、第1合分波器11の第1分波ポート11aに割り当てた波長グリッドの組合せと異なる組合せの波長グリッドが割り当てられている。この割り当てられている波長グリッドは、第1合波ポート11b又は第2合分波ポート12b又は両者を接続する伝送路で観測すると、波長ルータ101でルーティングする対象のいずれの波長グリッドもいずれか一つの第2分波ポート12aに割り当てられ、複数の第2分波ポートに割り当てられない。即ち、割り当てられている波長グリッドは各第2分波ポート12aで互いに重複しない。第2合分波器12は、それぞれの第2分波ポート12aに入力されたそれぞれ異なる波長グリッドの信号光を合波して第2合波ポート12bに出力する。一方、第2合分波器12は、波長多重された信号光が第2合波ポート12bに入力されると、第2分波ポート12a毎の波長範囲に分波し、第2分波ポート12aに割り当てられた波長グリッドの波長範囲に含まれる波長グリッドの信号光を当該第2分波ポート12aから出力する。
【0037】
図4で説明する。図4では第1分波ポート11aに波長グリッドが周期的に割り当てられている。その周期は32波長グリット周期である。一方、対向する第2分波ポート12aに連続して割り当てられている波長グリットの数は32であり、第1分波ポート11aの周期と等しい。
【0038】
より詳細には、図4に示すように、第1合分波器11の一つの第1分波ポート11aにλ01、λ33、λ65、λ97の波長グリッド、次の第1分波ポート11aにλ02、λ34、λ66、λ98の波長グリッド、・・・、第N番目(1≦N≦32)の第1分波ポート11aにλN、λN+32、λN+64、λN+96の波長グリッドのように、順次32波長グリッド周期で同一の第1分波ポートaに割り当てられている場合、第2合分波器12の一つの第2分波ポート12aにはλ01〜λ32の波長グリッド、次の第2分波ポート12aにはλ33〜λ64の波長グリッド、その次の第2分波ポート12aにはλ65〜λ96の波長グリッド、さらにその次の第2分波ポート12aにはλ97〜λ128の波長グリッドと順次32波長グリッド連続で同一の第2分波ポートaに割り当てられる。
【0039】
図5で説明する。図5では第2分波ポート12aに波長グリッドが周期的に割り当てられている。その周期は4波長グリッド周期である。一方、対向する第1分波ポート11aに連続して割り当てられている波長グリッドの数は4であり、第2分波ポート12aの周期と等しいかその整数倍であることが望ましい。等しいかその整数倍である場合、対向する分波ポート同士が1対1以上のフルメッシュ接続することができる。
【0040】
より詳細には、図5に示すように、第1合分波器11の一つの第1分波ポート11aにλ01、λ02、λ03、λ04の波長グリッドが、次の第1分波ポート11aにλ05、λ06、λ07、λ08の波長グリッド、その次の第1分波ポート11aにλ09、λ10、λ11、λ12の波長グリッド、・・・、第N番目(1≦N≦7)の第1分波ポート11aにλ4N−3、λ4N−2、λ4N−1、λ4Nと、順次4波長グリット連続で同一の第1分波ポート11aに割り当てられている場合、第2合分波器12の一つの第2分波ポート12aにはλ01、λ05、λ09、・・・、λ4M−3(1≦M≦7)、・・・、λ25の波長グリッド、次の第2分波ポート12aにはλ02、λ06、λ10、・・・、λ4M−2(1≦M≦7)、・・・、λ26の波長グリッド、その次の第2分波ポート12aにはλ03、λ07、λ11、・・・、λ4M−1(1≦M≦7)、・・・、λ27の波長グリッド、さらにその次の第2分波ポート12aにはλ04、λ08、λ12、・・・、λ4M(1≦M≦7)、・・・、λ28の波長グリッドが割り当てられる。
【0041】
図6で説明する。図6の上の図は、図6の下の表に示すように周回性のある合分波器、例えば周回性AWGを組み合わせることで実現した例である。図6では第2分波ポート12aに波長グリッドが周期的に割り当てられている。その周期は3波長グリット周期である。一方、対向する第1分波ポート11aに連続して割り当てられている波長グリットの数は2である。
【0042】
図6の中の図は第2分波ポート12aに波長グリッドが周期的に割り当てられている。その周期は2波長グリッド周期である。一方、対向する第1分波ポート11aに連続して割り当てられている波長グリッドの数は2であり、第2分波ポート12aの周期と等しい。
【0043】
より詳細には、図6の上の図に示すように第1合分波器11の一つの第1分波ポート11aにλ01、λ02の波長グリッドが、次の第1分波ポート11aにλ03、λ04の波長グリッド、その次の第1分波ポート11aにλ05、λ06の波長グリッドと、順次2波長グリット連続で同一の第1分波ポート11aに割り当てられている場合、第2合分波器12の一つの第2分波ポート12aにはλ01、λ04の波長グリッド、次の第2分波ポート12aにはλ02、λ05の波長グリッド、その次の第2分波ポート12aにはλ03、λ06の波長グリッドが割り当てられる。
【0044】
ここで、図6の上の図では説明のために、第1合分波器11及び第2合分波器12は図6の下の表で示すように6波長グリッドの周期で周回する6×6の周回性AWGのポートの組合せによって構成するとしている。ここでは、ポート11dIとポート11dIIIとポート11dVがそれぞれポート11a、ポート11cIとポート11cIIを合波してポート11b、ポート12cIとポート12cIVを合波してポート12b、ポート11dIとポート11dIIとポート11dIIIがそれぞれポート12aとすればよい。
【0045】
図6の中の図に示すように、第1合分波器11の一つの第1分波ポート11aにλ01、λ02の波長グリッドが、次の第1分波ポート11aにλ03、λ04の波長グリッド、その次の第1分波ポート11aにλ05、λ06の波長グリッドと、順次2波長グリット連続で同一の第1分波ポート11aに割り当てられている場合、第2合分波器12の一つの第2分波ポート12aにはλ01、λ03、λ05の波長グリッド、次の第2分波ポート12aにはλ02、λ04、λ06の波長グリッドが割り当てられる。ここで光伝送路として上側の光ファイバ13−1に着目して説明した。逆に、下の光ファイバ13−2に着目すると、第1合分波器11の一つの第1分波ポート11aにλ03、λ04の波長グリッドが、次の第1分波ポート11aにλ05、λ06の波長グリッド、その次の第1分波ポート11aにλ01、λ02の波長グリッドと、順次2波長グリット連続で同一の第1分波ポート11aに割り当てられている場合、第2合分波器12の一つの第2分波ポート12aにはλ02、λ04、λ06の波長グリッド、次の第2分波ポート12aにはλ01、λ03、λ05の波長グリッドが割り当てられる。第1合分波器11及び第2合分波器12は図6の下の表で示すように6波長グリッドの周期で周回する6×6の周回性AWGのポートの組合せによって構成するとしている。ここではポート11dIとポート11dIIIとポート11dVがそれぞれポート11a、ポート11cIとポート11cIIを合波して一方のポート11b、ポート11cIIIとポート11cIVを合波して他方のポート11b、ポート12cIとポート12cIIIとポート12cVを合波して一方のポート12b、ポート12cIIとポート12cIVとポート12cVIを合波して他方のポート12b、ポート11dIとポート11dIIがそれぞれポート12aとすればよい。図6の中の図では、異なる光伝送路を経由することで、同一の波長グリットを第一分波ポート11aの間で、また第2分波ポート12aの間で利用しつつ、分岐損を発生しないことが可能である。なおこの構成は光伝送路の冗長を目的とし二つの光伝送路即ち光ファイバ13−1,2で第1合分波器11及び第2合分波器12を接続しているが、冗長を目的としない場合、または片系運用する場合は、いずれか一方の光ファイバ13のみでよい。
【0046】
また、第1合分波器11及び第2合分波器12への波長の割り当ては6波長グリッドの周期で周回するとしているが、この周期は第2合分波器12のクロストークを低減するために使用しない波長グリッドを含めた波長グリッド数での周期である。
【0047】
図7は、図6の下の表に示すように周回性のある合分波器、例えば周回性AWGを組み合わせることで実現した例である。図7では第1分波ポート11a及び第2分波ポート12aに波長グリッドが周期的に割り当てられている。第1分波ポート11aの周期は3波長グリット周期である。一方、対向する第2分波ポート12aの周期は2波長グリット周期であり、第1分波ポート11aの周期と異なる。それぞれの所定の周期に含まれる波長グリッドの数の公倍数である6で、波長グリッドが割り当てられる第1分波ポート及び第2分波ポートの組み合わせが繰り返す。従って、両分波ポートに異なる周期性(2波長グリット周期、3波長グリッド周期)と、その異なる周期性よりも大きな同一の周期性(6波長グリッド周期)を有することになる。
【0048】
より詳細には、図7に示すように第1合分波器11の一つの第1分波ポート11aにλ01、λ04の波長グリッドが、次の第1分波ポート11aにλ02、λ05の波長グリッド、その次の第1分波ポート11aにλ03、λ06の波長グリッドと、3波長グリット周期で同一の第1分波ポート11aに割り当てられている場合、第2合分波器12の一つの第2分波ポート12aにはλ01、λ03、λ5の波長グリッド、次の第2分波ポート12aにはλ02、λ04、λ06の波長グリッドと、2波長グリッド周期で同一の第2分波ポート12aに割り当てられる。ここで光伝送路として上側の光ファイバ13−1に着目して説明した。逆に、下の光ファイバ13−2に着目すると、第1合分波器11の一つの第1分波ポート11aにλ02、λ05の波長グリッドが、次の第1分波ポート11aにλ03、λ06の波長グリッド、その次の第1分波ポート11aにλ04、λ01の波長グリッドと、3波長グリット周期で同一の第1分波ポート11aに割り当てられている場合、第2合分波器12の一つの第2分波ポート12aにはλ01、λ03、λ5の波長グリッド、次の第2分波ポート12aにはλ02、λ04、λ06の波長グリッドが割り当てられる。ここで、図6と同様に説明のために、第1合分波器11及び第2合分波器12は図6の下の表で示すように6波長グリッドの周期で周回する6×6の周回性AWGのポートの組合せによって構成するとしている。ここでは、ポート11dIとポート11dIIとポート11dIIIがそれぞれポート11a、ポート11cIとポート11cIVを合波して一方のポート11b、ポート11cIIとポート11cVを合波して他方のポート11b、ポート12cIとポート12cIIIとポート12cVを合波して一方のポート12b、ポート12cIIとポート12cIVとポート12cVIを合波して他方のポート12b、ポート11dIとポート11dIIがそれぞれポート12aとすればよい。即ち図6の上の図の第2合分波器を第1合分波器とし、図6の中の図の第2合分波器を第2合分波器として用いる。図7では、異なる光伝送路を経由することで、同一の波長グリットを第一分波ポート11aの間で、また第2分波ポート12aの間で利用しつつ、分岐損を発生しないことが可能である。なおこの構成は光伝送路の冗長を目的とし二つの光伝送路即ち光ファイバ(13−1,13−2)で第1合分波器11及び第2合分波器12を接続しているが、いずれか一方の光ファイバ13のみでよいのは図6の中の図と同様である。
【0049】
図4及び図5に示す波長グリッドを割り当てられる合分波器の組み合わせの例としては、周期的に割り当てられる合分波器はその周期性に対応する周期の波長グリッドを透過する周回性AWG、連続して割り当てられる合分波器は透過波長がその連続する波長グリッドとなる合分器の組み合わせである。連続して割り当てられる合分波器は透過波長の幅が連続して割り当てられる波長グリッドを含む幅であれば、周回性が連続する波長グリットの数に、当該分波ポートの数を乗じた数以上の波長グリッドを含むとしてもよい。特に、両合分波器が周回性AWG等の周回性のある合分波器で、その周回する波長グリットの数が、対向する分波ポートの数の積の公倍数であれば、複数波長グリッドを対向する分波ポート同士に割り当てることが出来る。例えば、図4の例で波長グリッド番号に128の整数倍を番号加えた或いは減じた番号の波長グリッド同士が同一の組み合わせの対向する分波ポート同士に割り当てられる。このことは以降の実施形態でも同様である。
【0050】
なお、上記のいずれの例でも、第1合分波器11と第2合分波器12は互いに入れ替えてもよい。周期と連続して割り当てられている波長グリットの数も任意でよい。図5は周期と連続して割り当てられている波長グリットの数を図4と入れ替えた例であるが、それ以外の値でもよいことは明らかである。その際に、図4と図5の例と同様に、1対1接続する例として、周期的に割り当てられている波長グリットの総数、即ち前者の場合全波長グリット数を周期に含まれる波長グリット数で除した値、及び連続して割り当てられている波長グリッドの数は対向する分波ポートの数と等しくしてもよい。また、単一の分波ポートの組み合わせに複数波長グリッドを割り当てる場合は、対向する分波ポートの数より多くてもよいし、対向する全分波ポートと少なくとも一つの同じ波長グリッドの割当しない場合は、対向する分波ポートの数より少なくてもよいのは明らかである。それぞれ対向する分波ポートと1対1接続するフルメッシュ構成でない例が図6の上の図の例であるこの例では対向する3分波ポートの内それぞれ2分波ポートとのみ同じ波長グリッドが割り当てられる例である。
【0051】
以上示したように、波長ルータ101は、第1分波ポート11aと第2分波ポート12aとを異なる波長でそれぞれ接続するために分岐損失が発生しない。また、波長ルータ101は、波長グリッドを選択することで第1分波ポート11a及び第2分波ポート12aを決定できるため、選択した以外の第1分波ポート11a及び第2分波ポート12aに信号光が到達せず、秘話性を確保できる。さらに、波長ルータ101は、第1合分波器11と第2合分波器12との間を多数の光ファイバで接続する必要がない。
【0052】
図4と図5に示したように第1分波ポート11aと第2分波ポート12aのいずれか一方に複数波長グリッドを連続して割り当てる場合、波長グリッドを連続して割り当てる合分波器は周期性がなくてもよい。周期性がない場合は周期性のない合分波器を用いることができるので、利用可能な合分波器の種類を増やせる効果がある。また、複数波長グリッドを連続して割り当てる場合、所定の分波ポート11a又は分波ポート12aに波長グリッドを連続して割り当てた後に、周期性を持たせてもよい。この場合、ある周期の連続する複数波長グリッドは第1分波ポート11aから第2分波ポート12aへの通信用に別の周期の連続する複数波長グリッドは第2分波ポート12aから第1分波ポート11aへの通信用に用いてもよい。
【0053】
図6の中の図及び図7に示したように第1分波ポート11aと第2分波ポート12aの両方に周期性を持たせる場合、後述の実施形態で示すように複数対の第1合波ポート11bと第2合波ポート12bをそれぞれ伝送路で接続し、伝送路が切れた場合の冗長系を組むことが可能となる効果がある。
【0054】
(実施形態2)
図4は、実施形態2の光通信システム301を説明する図である。光通信システム301は、波長ルータ101と、波長ルータ101が備える第1合分波器11の第1分波ポート11aのそれぞれに接続し、接続する第1分波ポート11aに割り当てられている波長グリッドの内の複数の波長グリッドから波長グリッドを選択して信号光を送受信する複数の第1送受信機21と、波長ルータ101が備える第2合分波器12の第2分波ポート12aのそれぞれに接続し、接続する第2分波ポート12aに割り当てられている波長グリッドの内の複数のグリッドから波長グリッドを選択して信号光を送受信する複数の第2送受信機26と、所望の第1送受信機21から所望の第2送受信機26へ信号光を送信する際に、所望の第2送受信機26に伝搬される波長の波長グリッドを所望の第1送受信機21に指定して信号光を送信させ、所望の第2送受信機26から所望の第1送受信機21へ信号光を送信する際に、所望の第1送受信機21に伝搬される波長の波長グリッドを所望の第2送受信機26に指定して信号光を送信させる制御機(不図示)と、を有する。
【0055】
光通信システム301は、第1合分波器11に第1送受信機21を32個接続し、第2合分波器12に送受信器26を4個接続する。波長ルータ101の波長グリッドは128とした。なお波長グリッドは、送受信機(21、26)を1対1のフルメッシュで接続するために128としたが、一部又は全ての送受信機(21,26)間を複数の波長グリッドで接続しても良いし、逆に接続しない組み合わせがあってもよい。また、光通信システム301は、チャネル間でのクロストークを低減するために、第1合分波器11及び第2合分波器12のチャネルの間に使用しない波長グリッドを挿入してもよい。
【0056】
制御機は、次のように第1送受信機21と第2送受信機26の動作を制御する。制御機は、所望の第1送受信機21から所望の第2送受信機26へ信号光を送信する際に、所望の第2送受信機26に伝搬される波長の波長グリッドを所望の第1送受信機21に指定して信号光を送信させる。また、制御機は、所望の第2送受信機26から所望の第1送受信機21へ信号光を送信する際に、所望の第1送受信機21に伝搬される波長の波長グリッドを所望の第2送受信機26に指定して信号光を送信させる。具体的には、第1送受信機21は、送信可能な時間に、受信対象の第2送受信機26に対応する波長の信号光を送信し、第2送受信機26は、送信可能な時間に、受信対象の第1送受信機21に対応する波長の信号光をする。
【0057】
制御機は、次のように第1送受信機21と第2送受信機26の動作を制御してもよい。制御機は、所望の第1送受信機21から所望の第2送受信機26へ信号光を送信する際に、所望の第2送受信機26に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の第1送受信機21に指定して信号光を送信させて所望の第2送受信機26のみに前記信号光を受信させる。また、制御機は、所望の第2送受信機26から所望の第1送受信機21へ信号光を送信する際に、所望の第1送受信機21に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の第2送受信機26に指定して信号光を送信させて所望の第1送受信機21のみに前記信号光を受信させる。具体的には、第1送受信機21は、所望の第2送受信機26が受信可能なグリッドを含む複数波長グリッドに対応する複数の波長の信号光を複数送信するか又は所望の第2送受信機26が受信可能なグリッドを含む複数波長グリッドに広がるに広帯域の波長の信号光を送信する。広帯域の波長の信号光は、例えばSLD(super luminescent diode)光源やASE(Amplified Spontaneous Emission)光源やスーパーコンティニュアム光源等からの広帯域な光を用いる。第2送受信機26は、到着する信号光の中からその時々の受信対象とする第1送受信機21が使用する波長グリッドの波長に受信波長を合わせて受信する。また、第2送受信機26が同時に複数の第1送受信器21からの信号光を受信できない場合は、第2送受信機26に到着する信号光の中に当該第2送受信機26が受信しようとする信号光の波長グリッド以外の波長グリッドを用いた信号光が含まれないように、第1送受信機21は送信タイミングを考慮してもよい。
【0058】
また、第2送受信機26が到着する波長グリッド光のいずれかを選択できる場合、第1送受信機21は、送信する波長を切り換えずに、送信先の第2送受信機26の複数の波長グリッドを含む広帯域の波長の光や複数の波長グリッドの複数の波長の光で、且つ必要な強度の光で信号光を送信してもよい。さらに、第1送受信機21と第2送受信機26は、双方に対応する波長グリッドの信号光のみを選択的に送受信してもよい。
【0059】
第1合分波器11と第2合分波器12は、少なくとも一方は、割り当てられている波長グリッドに周期性があり、前記第1分波ポートと前記第2分波ポートの両方に周期性がある場合はその周期に相当する波長グリットの組み合わせが異なる。例えば、第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aのいずれか一方は、波長グリットが所定の周期で割り当てられており、第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aの一方の所定の周期に含まれる波長グリットの数は他方の第1分波ポート11a又は第2分波ポート12aに対して連続して割り当てられている波長グリットの数に等しいか又は第1分波ポート11aと第2分波ポート12aとで所定の周期に含まれる波長グリッドの数が異なる合分波器である。本実施形態では、第1合分波器11の第1分波ポート11aへの波長グリッドの割り当てに周期があるとした。この周期性により、第1送受信機21−1からのλ1、λ33、λ65、λ97の波長グリッドの信号光が第2送受信機26に波長ルータ101を介して到着する。ここで、第1合分波器11が32波長グリッドで1周期するとしているが、この周期は第2合分波器12でのクロストークを低減するために使用しない波長グリッドを含めた波長グリッド数での周期とする。第1合分波器11は、例えば、AWGやマッハツエンダ干渉計を複数組み合わせたラティスフィルタである。
【0060】
例として、第1送受信機21−1からの信号光について説明する。第1送受信機21−1は、送信先の第2送受信機26に応じて、λ1、λ33、λ65、λ97の波長グリッドのいずれかで信号光を送信する。第2合分波器12に到着したλ1、λ33、λ65、λ97の波長グリッドの信号光は、第2合分波器12で分岐される。第2合分波器12は、波長グリッドをλ1〜λ32、λ33〜λ64、λ65〜λ96、λ96〜λ128のように分波し、それぞれの波長範囲にある信号光を第2送受信機26に入力する。
【0061】
従って、光通信システム301は、第1送受信機21−1において信号光の波長グリッド(λ1、λ33、λ65、λ97)を選択することで送信先の第2送受信機26を切り換えることができる。また、光通信システム301は、第1送受信機21−1が全波長グリッド(λ1、λ33、λ65、λ97)で信号光を送信し、その信号光を受信する第2送受信機26を選択することでも、送信先の第2送受信機26を切り換えることができる。
【0062】
(実施形態3)
図5は、実施形態3の光通信システム302を説明する図である。光通信システム302は、第1合分波器11の代わりに第2合分波器12が周期性を有している点、送受信機21が7つである点、及び波長ルータ101の波長グリッドが28である点で図4の光通信システム301と異なる。第2合分波器12は4波長グリッドで1周期としているが、この周期は第2合分波器12のクロストークを低減するために使用しない波長グリッドを含めた波長グリッド数での周期である。
【0063】
制御機は、図4の光通信システム301と同様に第1送受信機21と第2送受信機26の動作を制御する。例として、第1送受信機21−1からの信号光について説明する。第1合分波器11は、第1送受信機21−1からの波長グリッド(λ1〜λ28)の信号光を合波し、光ファイバ13に入力する。第1合分波器11は、光ファイバ13からの波長多重の信号光を、波長グリッド(λ1、λ5、λ9、・・・、λ25)の組、波長グリッド(λ2、λ6、λ10、・・・、λ26)の組、波長グリッド(λ3、λ7、λ11、・・・、λ27)の組、波長グリッド(λ4、λ8、λ12、・・・、λ28)の組に分波し、それぞれ送受信機(26−1〜26−4)に入力する。
【0064】
従って、光通信システム302は、第1送受信機21−1において信号光の波長グリッド(λ1、λ2、λ3、λ4)を選択することで送信先の第2送受信機26を切り換えることができる。また、光通信システム302は、第1送受信機21−1が複数波長グリッド(λ1〜λ4)で信号光を送信し、その信号光を受信する第2送受信機26が選択することでも、送信先の第2送受信機26を切り換えることができる。
【0065】
実施形態2及び実施形態3では、第2送受信機21が、単一の波長で通信する例で説明したが、同時に複数の波長を用いて通信する場合も同様である。更に、上記の説明では、第1送受信機21から第2送受信機26への信号光の例で説明したが、逆方向への信号光の場合も同様である。また実施形態2及び3では例示しなかったが、第1合分波器11と第2合分波器12が共に周期性があってもよい。例えば、実施形態2で第2合分波器12が128波長グリッドの周期をもち、λ1〜λ32の波長グリットが割当てられた第1分波ポート及び第2分波ポートにλ129〜λ160も割当てられる。第1分波ポート及び第2分波ポートに接続する送受信機21及び26はλ129〜λ160の波長グリットの信号光を送信又は受信できることが望ましい。更にλ1〜λ32は受信用の波長グリッドで、λ129〜λ160は送信用の波長グリッドのように使い分けてもよい。これは実施形態3の例でも同様である。
【0066】
前述のAWGスターを採用する光通信システムは、第1送受信機21と第2送受信機26との間の距離が長い場合、用意する伝送路例えば光ファイバの本数が増え、その量が多くなる。例えば、N×NであればN本の伝送路を用意する。しかし、光通信システム(301、302)は、第1合分波器11と第2合分波器12との間の光ファイバ13を1本とすることができる波長ルータ101を備えるため、第1送受信機21と第2送受信機26との間の距離が長い場合であっても光ファイバ13の長さを調節するだけであり、光ファイバの本数を1/Nとすることが出来るので、その量を低減することができる。
【0067】
(実施形態4)
図7は実施形態4の光通信システムを説明する図である。この光通信システムは、第1合分波器11の分波ポート11aに割り当てる波長グリッドと、第2合分波器12の分波ポート12bとが異なる周期を有している点、及び波長ルータ101の波長グリッドが6である点, 送受信機21が3つである点、送受信機26が2つである点、複数対の第1合波ポート11bと第2合波ポート12bをそれぞれ伝送路で接続し伝送路が切れた場合の冗長系を組む点で図4の光通信システム301と異なる。ここでは説明のために、6×6の周回性合分波器を用いて第1合分波器11及び第2合分波器12を構成している。ポート11dIとポート11dIIとポート11dIIIがそれぞれポート11a、ポート11cIとポート11cIVを合波して一方のポート11b、ポート11cIIとポート11cVを合波して他方のポート11b、ポート12cIとポート12cIIIとポート12cVを合波して一方のポート12b、ポート12cIIとポート12cIVとポート12cVIを合波して他方のポート12b、ポート11dIとポート11dIIとポート11dIIIがそれぞれポート12aとすればよい。第1合分波器11及び第2合分波器12への波長の割り当ては6波長グリッドの周期で周回するとしているが、この周期は第2合分波器12のクロストークを低減するために使用しない波長グリッドを含めた波長グリッド数での周期である。図7では、第1分波ポートの所定の周期に含まれる波長グリッドの数が3であり、第2分波ポートの所定の周期に含まれる波長グリッドの数が2であり、それぞれの所定の周期に含まれる波長グリットの数が異なる。
【0068】
制御機は、図4の光通信システム301と同様に第1送受信機21と第2送受信機26の動作を制御する。例として、冗長系の片系(ここでは0系とする)について、第1送受信機21−1からの信号光について説明する。第1合分波器11は、第1送受信機21−1からの波長グリッド(λ1、λ4)の信号光を合波し、光ファイバ13−1に入力する。第2合分波器12は、光ファイバ13からの波長多重の信号光を、波長グリッド(λ1、λ3、λ5)の組、波長グリッド(λ2、λ4、λ6)の組に分波し、それぞれ送受信機(26−1、26−2)に入力する。
【0069】
従って、この光通信システムは、第1送受信機21−1において信号光の波長グリッド(λ1、λ4)を選択することで送信先の第2送受信機26を切り換えることができる。また、光通信システム302は、第1送受信機21−1が複数波長グリッド(λ1〜λ4)で信号光を送信し、その信号光を受信する第2送受信機26が選択することでも、送信先の第2送受信機26を切り換えることができる。
【0070】
次に冗長系のもう一方の系(ここでは1系とする)について、第1送受信機21−1からの信号光について説明する。第1合分波器11は、第1送受信機21−1からの波長グリッド(λ2、λ5)の信号光を合波し、光ファイバ13−2に入力する。第1合分波器11は、光ファイバ13からの波長多重の信号光を、波長グリッド(λ2、λ4、λ6)の組、波長グリッド(λ1、λ3、λ5)の組に分波し、それぞれ送受信機(26−1、26−2)に入力する。従って、第1送受信機21−1は送受信機26−1に入力するには0系ではλ1を選択し、1系ではλ2を選択すればよい。
【0071】
実施形態4では、第2送受信機26が、同時に単一の波長で通信する例で説明したが、同時に複数の波長を用いて通信する場合も同様である。更に、上記の説明では、第1送受信機21から第2送受信機26への信号光の例で説明したが、逆方向への信号光の場合も同様である。以上示したように本実施形態は伝送路が切れた場合の冗長系を組むことが可能となる効果がある。
【0072】
(実施形態5)
図8は、実施形態5の光通信システム303を説明する図である。光通信システム303は、図4の光通信システム301の第2送受信機26と第2合分波器12を同一装置内に配置してOLT102としたものである。また、光通信システム303は、第1送受信機21をONUとしている。従って、光通信システム303は、図4の光通信システム301と同様に動作するWDM/TDM−PONである。
【0073】
本実施形態のWDM/TDM−PONあるいはWDM/TDM−PONの波長の切替速度を遅くしたとみられるWDM−PONを構成する際、波長選択性をOLT側の送受信機26に具備し、ONU側の送受信機21は広帯域性を具備させることがシステム構成上望ましい。即ち、OLT側の送受信機26に通信対象とするONUにのみ到達する波長グリッドに含まれる波長の信号光を送信させ、通信対象とするONU以外から到着する波長グリッドに含まれる波長の信号光を遮断かつ通信対象とするONUから到着する波長グリッドに含まれる波長の信号光を選択的に透過する濾波器を透過することで通信対象とするONUからの信号光を受信する。ONU側の送受信器21は通信対象となりうる全ての送受信機26と割り当てられた波長グリッド同じ即ち通信対象となりうる全ての送受信機26から到着しうる全ての波長グリッドに含まれる信号光を広帯域に受信させ、通信対象となりうる全ての送受信機26と割り当てられた波長グリットが同じ波長グリッドに掛かる広帯域な信号光を送信する即ち通信対象となりうる全ての送受信機26に到着しうる全ての波長グリッドに含まれる信号光を広帯域に送信する。このようにすると通信対象のONUの波長を、OLT側の指示で変更させる必要がなくなる効果がある。また、ONUの単品種化できる効果もある。この構成は他の実施形態でも同様である。
【0074】
(実施形態6)
図9は、実施形態6の光通信システム304を説明する図である。光通信システム304は、図5の光通信システム302の第2送受信機26と第2合分波器12を同一装置内に配置してOLT103としたものである。また、光通信システム304は、第1送受信機21をONUとしている。従って、光通信システム304は、図5の光通信システム302と同様に動作するWDM/TDM−PONである。
【0075】
(実施形態7)
本実施形態と実施形態4との違いは、図7の光通信システムの第2送受信機26と第1合分波器12を同一装置内に配置してOLT103としたものである。また、光通信システム304は、第1送受信機21をONUとしている。従って、この光通信システムは、図5の光通信システム302と同様に動作するWDM/TDM−PONである。
【0076】
以上の説明は例であって、上記の実施形態で示した例えば合分波器のポート数、波長グリッド数、周期、連続する波長グリッド数、合分波器に接続する送受信機の数も増減してよい。単一の分波ポートに合分岐器を介して複数の送受信機を接続してもよい。
【0077】
光通信システム303及び光通信システム304は、波長ルータ101を形成しており、光通信システム303の場合、第1合分波器11とOLT102との間、光通信システム304の場合、第2合分波器12とOLT103との間を1本の光ファイバ13で接続できる。このため、光通信システム303及び光通信システム304は、合分波器とOLTとの間の距離が長くなった場合に設置する光ファイバの量を低減する効果が大きい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、受動部品で構成したODNを有するPONで説明したが、光スイッチ等の能動部品を用いた光ネットワークにも適用できる。
【符号の説明】
【0079】
11:第1合分波器
11a:第1分波ポート
11b:第1合波ポート
11cI、11cII、・・・:ポート
11dI、11dII,・・・:ポート
12:第2合分波器
12a:第2分波ポート
12b:第2合波ポート
12cI、12cII、・・・:ポート
12dI、12dII,・・・:ポート
13:光ファイバ
21、21−1、21−2、・・・、21−32:第1送受信機
26、26−1、26−2、26−3、26−4:第2送受信機
101:波長ルータ
102、103:OLT
301〜304:光通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1合波ポート及び前記第1合波ポートとの間で信号光を合分岐する複数の第1分波ポートを持つ第1合分波器と、
第2合波ポート及び前記第2合波ポートとの間で信号光を合分岐する複数の第2分波ポートを持つ第2合分波器と、
前記第1合分波器の前記第1合波ポートと前記第2合分波器の前記第2合波ポートとを接続する1つの光伝送路と、
を備え、
前記第1分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドはいずれかひとつの前記第2分波ポートに割り当てられ、一の前記第1分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つが他と異なる前記第2分波ポートに割り当てられ、
前記第2分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドはいずれかひとつの前記第1分波ポートに割り当てられ、一の前記第2分波ポートに割り当てられている複数の波長グリッドの少なくとも一つが他と異なる前記第1分波ポートに割り当てられる波長グリッドの組み合わせをもつ波長ルータ。
【請求項2】
前記第1分波ポート及び前記第2分波ポートの少なくとも一方は、割り当てられている波長グリッドに周期性があることを特徴とする請求項1に記載の波長ルータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の波長ルータと、
前記波長ルータが備える前記第1合分波器の前記第1分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第1分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドから選択して信号光を送受信する複数の第1送受信機と、
前記波長ルータが備える前記第2合分波器の前記第2分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第2分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドから選択して信号光を送受信する複数の第2送受信機と、
所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させ、
所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させる制御機と、
を有する光通信システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の波長ルータと、
前記波長ルータが備える前記第1合分波器の前記第1分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第1分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドの信号光を送受信する複数の第1送受信機と、
前記波長ルータが備える前記第2合分波器の前記第2分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第2分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドの信号光を送受信する複数の第2送受信機と、
所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第2送受信機に前記信号光を受信させ、
所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第1送受信機に前記信号光を受信させる制御機と、
を有する光通信システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の波長ルータと、
前記波長ルータが備える前記第1合分波器の前記第1分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第1分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドから波長グリッドを選択して信号光を送受信する複数の第1送受信機と、
前記波長ルータが備える前記第2合分波器の前記第2分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第2分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドから波長グリッドを選択して信号光を送受信する複数の第2送受信機と、
を備える光通信システムの光通信方法であって、
所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させ、
所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長の波長グリッドを所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させることを特徴とする光通信方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の波長ルータと、
前記波長ルータが備える前記第1合分波器の前記第1分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第1分波ポートに割り当てられた波長グリッドの信号光を送受信する複数の第1送受信機と、
前記波長ルータが備える前記第2合分波器の前記第2分波ポートのそれぞれに接続し、接続する前記第2分波ポートに割り当てられた波長グリッドの内の複数の波長グリッドの信号光を送受信する複数の第2送受信機と、
を備える光通信システムの光通信方法であって、
所望の前記第1送受信機から所望の前記第2送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第2送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第1送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第2送受信機に前記信号光を受信させ、
所望の前記第2送受信機から所望の前記第1送受信機へ信号光を送信する際に、所望の前記第1送受信機に伝搬される波長グリッドを含む複数の波長グリッドで所望の前記第2送受信機に指定して信号光を送信させて所望の前記第1送受信機に前記信号光を受信させることを特徴とする光通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−23628(P2012−23628A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160918(P2010−160918)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】