波長変換素子、光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置
【課題】高い効率での波長変換を可能とする波長変換素子、その波長変換素子を用いる光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置を提供すること。
【解決手段】第1面15と、第1面15とは反対側に設けられた第2面16と、を有し、第1面15及び第2面16の間を透過する光の波長を変換させ、第1面15及び第2面16の少なくとも一方は、凸形状をなす凸面を備え、凸面は、第1方向、及び第1方向に略直交する第2方向のうち、第1方向について曲率を有する曲面であって、第1面15及び第2面16の間で光を収束させる。
【解決手段】第1面15と、第1面15とは反対側に設けられた第2面16と、を有し、第1面15及び第2面16の間を透過する光の波長を変換させ、第1面15及び第2面16の少なくとも一方は、凸形状をなす凸面を備え、凸面は、第1方向、及び第1方向に略直交する第2方向のうち、第1方向について曲率を有する曲面であって、第1面15及び第2面16の間で光を収束させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換素子、光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置、特に、レーザ光の波長を変換する波長変換素子の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタの光源装置としてレーザ光源を用いる技術が提案されている。レーザ光源は、高出力化及び多色化に伴い、プロジェクタの光源として開発されている。プロジェクタの光源として従来用いられているUHPランプと比較すると、レーザ光源は、高い色再現性、瞬時点灯が可能、長寿命である等の利点がある。レーザ光源は、光源からの基本波光をそのままの波長で射出するものの他、基本波光の波長を変換して射出するものが知られている。基本波光の波長を変換する波長変換素子として、例えば第二高調波発生(Second−Harmonic Generation;SHG)素子が知られている。SHG素子を用いることで、容易に入手可能な汎用の光源を用いて、所望の波長かつ十分な光量のレーザ光を供給することが可能となる。
【0003】
SHG素子へ入射する入射光に対する波長変換効率は、一般に30〜40%程度であることが知られている。光源からの基本波光をSHG素子へ入射させるのみでは、光源の出力に対して、波長変換後の高調波光の光量が非常に小さくなってしまう。そこで、従来、共振器構造内の光路中にSHG素子を設ける技術が提案されている。SHG素子が設けられた光路中にてレーザ光を往復させることで、波長変換効率を向上させる。例えば、非特許文献1のFig.5には、共振ミラーであるVBG(Volume Bragg Grating)とレーザ光源の間に、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)の分極反転結晶(Periodically Poled Lithium Niobate;PPLN)を配置する構成が示されている。
【0004】
【非特許文献1】グレッグ・ニブン(Greg Niven)他1名、「トレンズ・イン・レーザ・ライト・ソーシス・フォー・プロジェクション・ディスプレイ(Trends in Laser Light Sources for Projection Display)」、[online]、ノバラックス(Novalux, Inc.)、[平成19年5月14日検索]、インターネット<URL: http://www.novalux.com/assets/downloads/IDW%20Novalux%20Paper.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高効率かつ明るい画像を得るには、光源装置により高い効率で光を供給可能であることが望まれる。高い効率で光を供給するためには、従来の技術よりさらに高い波長変換効率を得られることが望ましい。本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、高い効率での波長変換を可能とする波長変換素子、その波長変換素子を用いる光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る波長変換素子は、第1面と、第1面とは反対側に設けられた第2面と、を有し、第1面及び第2面の間を透過する光の波長を変換させ、第1面及び第2面の少なくとも一方は、凸形状をなす凸面を備え、凸面は、第1面及び第2面の間で光を収束させることを特徴とする。
【0007】
波長変換素子は、通常、波長変換素子内を透過する光のエネルギー密度に略比例して、波長変換効率が向上することが知られている。凸面での屈折作用により第1面及び第2面の間で光を収束させることで、波長変換素子内を透過する光のエネルギー密度を高める。波長変換素子内を透過する光のエネルギー密度を高めることで、波長変換効率を向上させる。波長変換素子は、波長変換素子の長さ、及び凸面の形状を適宜設定することで、波長変換素子を配置する光源装置に容易に適合させることが可能である。また、他の光学素子を用いて光を収束させる場合と比較して、波長変換効率の低下を低減できる。これにより、高い効率での波長変換を可能とする波長変換素子を得られる。
【0008】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第1方向、及び第1方向に略直交する第2方向のうち、第1方向について曲率を有する曲面であることが望ましい。これにより、容易に形成可能な構成により光を収束させることができる。
【0009】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第1方向、及び第1方向に略直交する第2方向について曲率を有する曲面であることが望ましい。二方向について光を収束させることで、さらに高い効率での波長変換が可能になる。
【0010】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面及び第2面は、凸面を備えることが望ましい。第1面から入射した光は、第1面及び第2面の間の焦点を通過した後、第2面から射出する。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0011】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面に設けられた凸面、及び第2面に設けられた凸面は、略同じ形状をなすことが望ましい。これにより、波長変換素子を容易に製造することができる。
【0012】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面は、凸面を備え、第2面は、凹形状をなす凹面を備えることが望ましい。第1面から入射した光は、第1面及び第2面の間で収束した後、第2面から射出する。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0013】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面は、凸面を備え、第2面は、平面を備えることが望ましい。第1面から入射した光は、第1面及び第2面の間で収束した後、第2面から射出する。これにより、容易に形成可能な構成により、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0014】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面及び第2面は、光を発散させる光学系を構成することが望ましい。これにより、サーマルレンズ効果を持つ光源部と波長変換素子とを組み合わせる場合に、平行光を射出させる構成にできる。
【0015】
さらに、本発明に係る光源装置は、第1波長の光を射出する光源部と、光源部に設けられ、第1波長の光を反射する第1反射部と、光源部からの第1波長の光を反射し、第1波長とは異なる波長である第2波長の光を透過させる第2反射部と、光源部及び第2反射部の間の光路中に設けられ、光源部からの光の第1波長を第2波長へ変換させる波長変換素子と、を有し、波長変換素子は、光源部側に設けられた第1面と、第2反射部側に設けられた第2面と、を有し、第1面は、凸形状をなす凸面を備え、凸面は、第1面及び第2面の間で光を収束させることを特徴とする。これにより、高い波長変換効率により高い効率で光を供給することが可能な光源装置を得られる。
【0016】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第1面及び第2面の間の焦点を有することが望ましい。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0017】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第2面上の焦点を有することが望ましい。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0018】
また、本発明の好ましい態様としては、第2反射部は、第2面に設けられることが望ましい。第1波長の光の焦点に第2反射部を設けることで、第1反射部及び第2反射部の間で往復させる光の拡散を低減できる。また、第2面に第2反射部を設けることで、波長変換素子と第2反射部との間における光の損失を低減できる。
【0019】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、波長変換素子の外部の焦点を有することが望ましい。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0020】
また、本発明の好ましい態様としては、第2反射部は、焦点に設けられることが望ましい。第1波長の光の焦点に第2反射部を設けることで、第1反射部及び第2反射部の間で往復させる光の拡散を低減できる。
【0021】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、上記の光源装置を有し、光源装置からの光を用いて画像を表示することを特徴とする。上記の光源装置を用いることで、高い波長変換効率により高い効率で光を供給することができる。これにより、高い効率で明るい画像を表示することが可能なプロジェクタを得られる。
【0022】
さらに、本発明に係るモニタ装置は、上記の光源装置と、光源装置からの光により照明された被写体を撮像する撮像部と、を有することを特徴とする。上記の光源装置を用いることで、高い効率で被写体を照明することができる。これにより、高い効率で明るい像をモニタすることが可能なモニタ装置を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例1に係る光源装置10の概略断面構成を示す。光源装置10は、半導体素子11、SHG素子14、及び体積ホログラム17を有する半導体レーザである。半導体素子11、SHG素子14、及び体積ホログラム17は、図中Z軸に沿って並列している。X軸は、Z軸に垂直な軸である。Y軸は、Z軸及びX軸に垂直な軸である。半導体素子11は、XY平面上に配置されている。
【0025】
半導体素子11は、Z軸方向へ第1波長の基本波光を射出する光源部であって、例えば、面発光型の半導体素子である。第1波長は、例えば1064nmである。半導体素子11は、ミラー層12、及びミラー層12に積層された活性層13を有する。ミラー層12は、第1波長の光を反射する第1反射部である。ミラー層12は、高屈折率の誘導体と低屈折率の誘導体の積層体によって構成されている。ミラー層12の積層構造は、第1波長に対して最適化され、基本波光が干渉し強め合う条件に設定されている。活性層13は、不図示の電流供給部から所定量の電流が供給されることにより、第1波長の基本波光を射出する。
【0026】
SHG素子14は、第1波長の基本波光を入射させることにより、第2波長の高調波光を発生させる。SHG素子14は、半導体素子11からの光の第1波長を第2波長へ変換する波長変換素子である。SHG素子14は、半導体素子11及び体積ホログラム17の間の光路中に設けられている。第2波長は、第1波長の半分の波長であって、例えば532nmである。SHG素子14としては、例えば、非線形光学結晶を用いることができる。非線形光学結晶としては、例えば、PPLNを用いることができる。SHG素子14は、基本波光の第1波長に対応するピッチの分極反転構造を有する。
【0027】
SHG素子14は、第1面15、及び第2面16を有する。第1面15は、半導体素子11側に設けられている。第2面16は、第1面15とは反対側であって、体積ホログラム17側に設けられている。第1面15、及び第2面16のいずれも、凸形状をなす凸面である。第1面15、及び第2面16は、図示するYZ断面において略同一の曲率半径を持つ曲面である。SHG素子14は、第1面15及び第2面16の間を透過する基本波光の波長を変換させる。
【0028】
図2は、SHG素子14の斜視構成を示す。SHG素子14は、直方体のうち互いに対向する2つの面を凸形状に変形させた形状をなす。第1面15は、第1方向であるY方向、及び第1方向に略直交する第2方向であるX方向のうち、Y方向について曲率を有する曲面であって、シリンドリカルレンズと同様の形状をなす。第2面16は、第1面15と略同じ形状をなす。SHG素子14のZ軸方向への長さは、例えば5mmとする。第1面15、第2面16は、例えば曲率半径を1.34mmとする。
【0029】
図1に戻って、体積ホログラム17は、第1波長の光を選択的に反射し、第1波長とは異なる波長(第2波長を含む)の光を透過させる第2反射部である。体積ホログラム17には、二方向から入射させた入射光によって生じた干渉縞が記録されている。干渉縞は、高屈折率部分と低屈折率部分とが周期的に配列された周期構造として記録される。体積ホログラム17は、かかる干渉縞とブラッグ条件が適合する光のみを、回折により選択的に反射させる。
【0030】
ミラー層12及び体積ホログラム17は、半導体素子11からの基本波光を共振させる共振器を構成する。体積ホログラム17は、高い波長選択性を持つため、基本波光の狭帯域化に適している。光源装置10は、体積ホログラム17により基本波光を狭帯域化させることで、高い効率でレーザ光を供給できる。体積ホログラム17としては、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の結晶により形成された結晶型の体積ホログラムや、フォトポリマからなるフォトポリマ体積ホログラムを用いることができる。
【0031】
半導体素子11からの基本波光は、略平行に進行する。SHG素子14の第1面15へ入射した光は、第1面15で屈折作用を受ける。第1面15は、第1面15及び第2面16の中間付近の焦点を有する。SHG素子14内を透過した光は、第2面16での屈折作用により平行化される。第1面15の後側焦点位置と、第2面16の前側焦点位置とは、略一致する。第1面15及び第2面16は、ケプラー式望遠鏡タイプのアフォーカル光学系を構成する。アフォーカル光学系を採用することで、平行光としてSHG素子14へ入射した光を平行光として射出できる。
【0032】
SHG素子14で生じた高調波光は、体積ホログラム17を透過する。体積ホログラム17を透過した高調波光は、光源装置10外へ向けて射出される。第1面15側からSHG素子14を透過した基本波光は、体積ホログラム17で反射する。体積ホログラム17に対して略垂直に入射した基本波光は、体積ホログラム17で反射した後、体積ホログラム17へ入射したときと略同じ光路を逆に辿る。体積ホログラム17で反射した基本波光は、第2面16側からSHG素子14へ入射する。SHG素子14の第2面16へ入射した光は、第1面15側からSHG素子14へ入射したときと略同じ光路を逆に辿ってSHG素子14を透過する。SHG素子14は、第1面15及び第2面16を凸面とすることで、第1面15及び第2面16の間で光を収束させる。
【0033】
SHG素子14の第1面15から射出した光は、平行光となって半導体素子11へ入射する。半導体素子11へ入射した基本波光は、ミラー層12で反射し、半導体素子11から射出する。ミラー層12及び体積ホログラム17により反射された基本波光は、活性層13により新たに射出される基本波光と共振して増幅される。なお、SHG素子14を透過する光は、図示するYZ断面では収束するのに対して、XZ断面では屈折作用を受けず平行光のまま進行する。
【0034】
第1面15の凸面、及び第2面16の凸面を略同じ形状とすることで、SHG素子14を容易に製造することができる。さらに、第1面15の凸面、及び第2面16の凸面について、適切な半径を選定することで、半導体素子11及び体積ホログラム17間において略同じ光路にて基本波光を往復させることができる。よって、半導体素子11及び体積ホログラム17間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。
【0035】
第1面15及び第2面16の間で光を収束させることで、第1面15及び第2面16間にて平行光のまま光を透過させる場合と比較して、SHG素子14全体での光のエネルギー密度を高めることができる。YZ面内において第1面15及び第2面16の中間付近で焦点を形成することで、光のエネルギー密度は、平行光のまま光を透過させる場合と比較して、SHG素子14全体として約2倍となる。SHG素子14内を透過する光のエネルギー密度を高めることで、波長変換効率を向上させる。
【0036】
通常、光源装置10内でSHG素子14を配置できるスペースは限られている。仮に、レンズ等の他の光学素子を用いて光を収束させる場合、かかる光学素子を設ける分、SHG素子14を小型にする必要がある。SHG素子14は、光を透過させるZ軸方向へ長いほど、波長変換効率を高くすることができる。このため、他の光学素子を設ける分、波長変換効率が低下することになる。本発明では、第1面15、第2面16を用いて光を収束させるため、他の光学素子を不要とすることでSHG素子14の長さを十分確保可能とし、高い波長変換効率を実現できる。
【0037】
光源装置10は、SHG素子14で光を収束させるための光学素子を不要とすることで、半導体素子11及び体積ホログラム17間で光が往復する間に通過する界面の数を少なくできる。よって、界面での反射による光の損失も低減できる。以上により、高い効率での波長変換を可能とし、高い効率で光を供給できるという効果を奏する。
【0038】
例えば、SHG素子14は、PPLNを所望の形状に切削することにより形成できる。一方向について曲率を有する曲面は、比較的容易に形成できる。凸面は、Y方向について曲率を有するのみならず、X方向について曲率を有しても良く、X方向、Y方向の双方について曲率を有しても良い。X方向及びY方向について曲率を有する凸面については、後述する。凸面の形状は、第1面15及び第2面16の間で光を収束させることが可能であれば良く、適宜変更しても良い。例えば、凸面は、一定の曲率を有する曲面である場合に限られず、一定の曲率を持たない自由曲面であっても良い。さらに、凸面は、曲面である場合に限られず、複数の平面を組み合わせたものであっても良い。第2反射部は、基本波光を選択的に反射させる波長特性を持つものであれば良く、体積ホログラム17を用いる場合に限られない。第2反射部としては、例えば、ダイクロイックミラーを用いても良い。半導体素子11及びSHG素子14の間の光路中には、必要に応じて、偏光選択用フィルタ、波長選択用フィルタ等の光学素子を設けても良い。
【0039】
SHG素子14は、分極反転構造に対してSHG素子14を透過する光の進行方向が斜めになるほど、波長変換効率を低下させてしまう。このため、SHG素子14内を斜めに進行する光の成分をできるだけ少なくするために、第1面15、第2面16での光の屈折度合いをできるだけ小さくすることが望ましい。SHG素子14は、例えば、第1面15、第2面16により光を最大で数度程度屈折させる構成とすることで、SHG素子14内を斜めに進行する光の成分による波長変換効率への影響を少なくすることができる。
【0040】
図3−1は、本実施例の変形例1に係る光源装置20の概略断面構成を示す。本変形例の光源装置20は、サーマルレンズ効果を持つ半導体素子21を備える。半導体素子21の活性層13は、電流供給、及びレーザ光の照射により局所的に温度が上昇する。サーマルレンズ効果は、局所的な温度上昇からレーザ結晶に屈折率分布が生じる現象である。半導体素子21は、サーマルレンズ効果により、若干収束ぎみの基本波光を射出する。なお、図中活性層13内には、サーマルレンズのイメージを示している。
【0041】
半導体素子21からの光は、第1面15で屈折作用を受ける。第1面15の焦点は、図1に示す場合よりも若干第1面15側の位置となる。第2面16からSHG素子14を射出した光は、半導体素子21から射出するときと同じ程度収束しながら進行する。アフォーカル光学系を採用することで、SHG素子14へ入射する光の角度とSHG素子14から射出する光の角度を略一致させることができる。第2面16から収束しながら進行した光は、SHG素子14外部の所定の位置に焦点であるビームウェストを形成する。体積ホログラム17は、かかるビームウェストの位置に設けられている。
【0042】
ビームウェストの位置に体積ホログラム17を設けることで、体積ホログラム17に対して略垂直に光を入射させることができる。体積ホログラム17で反射した基本波光は、体積ホログラム17へ入射したときと略同じ光路を逆に辿り、半導体素子21の方向へ進行する。よって、半導体素子21及び体積ホログラム17間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。体積ホログラム17を透過した高調波光は、体積ホログラム17から若干拡散しながら、光源装置20外へ向けて射出される。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。
【0043】
図3−2は、本実施例の変形例2に係る光源装置25のYZ断面構成、及びXZ断面構成を示す。本変形例において、第1面15及び第2面16は、完全なアフォーカル系とは異なる光学系であって、光を若干発散させる光学系を構成する。YZ面内において、半導体素子21からの光は、上記変形例1の場合と同様に、第1面15及び第2面16の中間よりも若干第1面15側の位置で焦点を形成する。サーマルレンズ効果により若干収束しながら進行した光は、第2面16において平行化される。YZ面内において、SHG素子14は、体積ホログラム17へ向けて平行光を射出する。体積ホログラム17を透過した高調波光は、平行光のまま光源装置25外へ向けて射出される。このように、光を発散させる光学系を用いることで、サーマルレンズ効果を持つ光源部を用いる場合に、平行光を射出させることができる。
【0044】
XZ面内において、半導体素子21からの基本波光は、サーマルレンズ効果により若干収束しながらSHG素子14へ入射する。SHG素子14へ入射した光は、第1面15、第2面16では屈折作用は受けず、そのまま収束しながら進行する。収束しながら進行した光は、体積ホログラム17内にて、焦点であるビームウェストを形成する。体積ホログラム17で反射した基本波光は、体積ホログラム17へ入射するときと略同じ光路を逆に辿って半導体素子21の方向へ進行する。よって、半導体素子21及び体積ホログラム17の間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。
【0045】
体積ホログラム17を透過した高調波光は、XZ面内において、体積ホログラム17から若干拡散しながら、光源装置25外へ向けて射出される。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。本変形例においても、第1面15の凸面、及び第2面16の凸面について適切な半径を選定することにより、第1面15の凸面、及び第2面16の凸面を略同じ形状とすることができる。SHG素子14は、SHG素子14の長さ、及び凸面の形状を適宜設定することで、光源装置10、20、25の構成に容易に適合させることが可能である。
【実施例2】
【0046】
図4は、本発明の実施例2に係る光源装置30の概略断面構成を示す。本実施例の光源装置30は、SHG素子31の第2面32が、凹形状の凹面であることを特徴とする。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第2面32は、第1面15とは反対側であって、体積ホログラム17側に設けられている。SHG素子31は、第1面15及び第2面32の間を透過する基本波光の波長を変換させる。第2面32は、Y方向について曲率を有する曲面である。
【0047】
図5は、SHG素子31における光の振舞いを説明するものである。半導体素子11からの平行光は、第1面15での屈折作用により収束する。SHG素子31内を透過した光は、第2面32での屈折作用により平行化される。第1面15の後側焦点位置と、第2面32の後側焦点位置とは、略一致する。第1面15及び第2面32は、ガリレオ式望遠鏡タイプのアフォーカル光学系を構成する。第2面32から射出する光は、半導体素子11から射出する光と比較して、SHG素子31内で収束する分狭められている。体積ホログラム17で反射した基本波光は、体積ホログラム17へ入射するときと略同じ光路を逆に辿って半導体素子11の方向へ進行する。本実施例でも第1面15及び第2面32の間で光を収束させることで、高い効率で波長変換ができる。本実施例においても、サーマルレンズ効果を持つ光源部を用いる場合、第1面15及び第2面32は、光を発散させる光学系を構成するものとしても良い。第2面32の凹面は、各実施例で説明する凸面と同様に適宜変形しても良い。例えば、凹面は、X方向及びY方向の双方について曲率を有しても良い。
【実施例3】
【0048】
図6は、本発明の実施例3に係る光源装置40の概略断面構成を示す。本実施例の光源装置40は、SHG素子41の第2面42に設けられた波長選択ミラー層43を有することを特徴とする。上記実施例1、2と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第2面42は、XY平面に略平行な平面である。第2面42は、第1面15とは反対側であって、波長選択ミラー層43側に設けられている。SHG素子41は、第1面15及び第2面42の間を透過する基本波光の波長を変換させる。
【0049】
波長選択ミラー層43は、第1波長の光を選択的に反射し、第1波長とは異なる波長(第2波長を含む)の光を透過させる第2反射部である。波長選択ミラー層43は、例えば、誘電体多層膜により構成されている。誘電体多層膜は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成することが可能である。多層膜を構成する各層の厚さ、各層の材料、層の数は、求められる特性に応じて最適化される。
【0050】
半導体素子11からの平行光は、第1面15での屈折作用により収束する。SHG素子41内を透過した光は、第2面42の位置にて、焦点であるビームウェストを形成する。ビームウェストの位置に波長選択ミラー層43を設けることで、波長選択ミラー層43に対して略垂直に光を入射させることができる。波長選択ミラー層43で反射した基本波光は、波長選択ミラー層43へ入射するときと略同じ光路を逆に辿って半導体素子11の方向へ進行する。よって、半導体素子11及び波長選択ミラー層43の間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。
【0051】
波長選択ミラー層43を透過した高調波光は、波長選択ミラー層43から若干拡散しながら、光源装置40外へ向けて射出される。第2面42に波長選択ミラー層43を設けることで、SHG素子41と波長選択ミラー層43との間における光の損失を低減できる。光源装置40は、第2面42を平面とすることで、容易に形成可能な構成により、第1面15及び第2面42の間で光を収束させることができる。これにより、本実施例においても、高い効率で波長変換ができる。
【0052】
図7は、本実施例の変形例1に係る光源装置45の概略断面構成を示す。本変形例の光源装置45は、サーマルレンズ効果を持つ半導体素子21を備える。半導体素子21は、サーマルレンズ効果により、若干収束ぎみの基本波光を射出する。半導体素子21からの光は、第1面15で屈折作用を受けてさらに収束する。SHG素子41を透過した光は、第2面42の位置にて、焦点であるビームウェストを形成する。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。SHG素子41は、SHG素子41の長さ、及び凸面の形状を適宜設定することで、SHG素子41を配置する光源装置40、45の構成に容易に適合させることが可能である。
【0053】
図8は、本実施例の変形例2に係る光源装置48の概略断面構成を示す。本変形例の光源装置48は、凸面である第2面16に波長選択ミラー層43が設けられている。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。波長選択ミラー層43は、凹面である第2面32(図4参照)に設けることとしても良い。
【0054】
上記各実施例のSHG素子は、半導体素子の構成に応じて適宜変形しても良い。図9に示すSHG素子50は、複数の発光部を持つ半導体アレイ素子に対応させて構成されている。SHG素子50は、例えば、X方向へ並列された5本の光線に対応させて、X方向の幅が設定されている。第1面51、第2面52は、X方向及びY方向のうちY方向について曲率を有する曲面である。SHG素子50は、曲率を持たせた方向以外の方向であるX方向の幅を、半導体アレイ素子の幅に応じて設定できる。これにより、複数本の光線に容易に対応させることができる。
【0055】
曲面は、X方向及びY方向のいずれか一方について曲率を有する場合に限られず、X方向及びY方向について曲率を有することとしても良い。図10に示すSHG素子55は、複数の光線に対応させて設けられた複数の凸面58を有する。図11の上面構成に示すように、凸面58は、第1面56上、及び第2面57上にそれぞれ並列している。凸面58は、X方向及びY方向について曲率を有する曲面であって、マイクロレンズと同様の形状をなす。
【0056】
X方向及びY方向について曲率を有する凸面58により、SHG素子55内を透過する光は、二方向について収束する。二方向について光を収束させることで、光のエネルギー密度は、平行光のまま光を透過させる場合と比較して、SHG素子50全体として略4倍となる。二方向について光を収束させることで、一方向について光を収束させる場合よりも光のエネルギー密度を向上させることができる。これにより、さらに高い効率での波長変換が可能となる。凸面58の数は、光線の数に応じて適宜設定できる。SHG素子は、X方向及びY方向について曲率を有する凸面を備える他、X方向及びY方向について曲率を有する凹面を備える構成としても良い。また、半導体アレイ素子に対応させて構成されたSHG素子についても、第2面を平面としても良い。上記各実施例の光源装置は、光源部として半導体素子を用いる他、半導体レーザ励起固体(Diode Pumped Solid State;DPSS)レーザや、固体レーザ、液体レーザ、ガスレーザ等を用いる構成としても良い。
【実施例4】
【0057】
図12は、本発明の実施例4に係るモニタ装置60の概略構成を示す。モニタ装置60は、装置本体61と、光伝送部62とを有する。装置本体61は、上記実施例1の光源装置10を備える。上記実施例1と重複する説明は省略する。光伝送部62は、2つのライトガイド64、65を有する。光伝送部62のうち被写体(不図示)側の端部には、拡散板66及び結像レンズ67が設けられている。第1ライトガイド64は、光源装置10からの光を被写体へ伝送する。拡散板66は、第1ライトガイド64の射出側に設けられている。第1ライトガイド64内を伝播した光は、拡散板66を透過することにより、被写体側にて拡散する。
【0058】
第2ライトガイド65は、被写体からの光をカメラ63へ伝送する。結像レンズ67は、第2ライトガイド65の入射側に設けられている。結像レンズ67は、被写体からの光を第2ライトガイド65の入射面へ集光させる。被写体からの光は、結像レンズ67により第2ライトガイド65へ入射した後、第2ライトガイド65内を伝播してカメラ63へ入射する。
【0059】
第1ライトガイド64、第2ライトガイド65としては、多数の光ファイバを束ねたものを用いることができる。光ファイバを用いることで、レーザ光を遠方へ伝送させることができる。カメラ63は、装置本体61内に設けられている。カメラ63は、光源装置10からの光により照明された被写体を撮像する撮像部である。第2ライトガイド65から入射した光をカメラ63へ入射させることで、カメラ63による被写体の撮像ができる。上記実施例1の光源装置10を用いることにより、高い効率で被写体を照明することができる。これにより、高い効率で明るい像をモニタできるという効果を奏する。なお、モニタ装置60は、上記各実施例のいずれの光源装置を適用しても良い。
【実施例5】
【0060】
図13は、本発明の実施例5に係るプロジェクタ70の概略構成を示す。プロジェクタ70は、スクリーン88へ光を射出し、スクリーン88で反射する光を観察することで画像を鑑賞するフロント投写型のプロジェクタである。プロジェクタ70は、赤色(R)光用光源装置80R、緑色(G)光用光源装置80G、青色(B)光用光源装置80Bを有する。各色光用光源装置80R、80G、80Bは、上記実施例1の光源装置10(図1参照)と同様の構成を有する。プロジェクタ70は、各色光用光源装置80R、80G、80Bからの光を用いて画像を表示する。
【0061】
R光用光源装置80Rは、R光を供給する光源装置である。拡散素子81は、照明領域の整形、拡大、照明領域におけるレーザ光の光量分布の均一化を行う。拡散素子81としては、例えば、回折光学素子である計算機合成ホログラム(Computer Generated Hologram;CGH)を用いることができる。フィールドレンズ82は、拡散素子81からのレーザ光を平行化させ、R光用空間光変調装置83Rへ入射させる。R光用空間光変調装置83Rは、R光用光源装置80RからのR光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。R光用空間光変調装置83Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム84へ入射する。
【0062】
G光用光源装置80Gは、G光を供給する光源装置である。拡散素子81及びフィールドレンズ82を経たレーザ光は、G光用空間光変調装置83Gへ入射する。G光用空間光変調装置83Gは、G光用光源装置80GからのG光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。G光用空間光変調装置83Gで変調されたG光は、クロスダイクロイックプリズム84のうちR光が入射する面とは異なる面へ入射する。
【0063】
B光用光源装置80Bは、B光を供給する光源装置である。拡散素子81及びフィールドレンズ82を経たレーザ光は、B光用空間光変調装置83Bへ入射する。B光用空間光変調装置83Bは、B光用光源装置80BからのB光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。B光用空間光変調装置83Bで変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム84のうちR光が入射する面、及びG光が入射する面とは異なる面へ入射する。透過型液晶表示装置としては、例えば高温ポリシリコンTFT液晶パネル(High Temperature Polysilicon;HTPS)を用いることができる。
【0064】
クロスダイクロイックプリズム84は、互いに略直交させて配置された2つのダイクロイック膜85、86を有する。第1ダイクロイック膜85は、R光を反射し、G光及びB光を透過させる。第2ダイクロイック膜86は、B光を反射し、R光及びG光を透過させる。クロスダイクロイックプリズム84は、それぞれ異なる方向から入射したR光、G光及びB光を合成し、投写レンズ87の方向へ射出する。投写レンズ87は、クロスダイクロイックプリズム84で合成された光をスクリーン88に向けて投写する。
【0065】
上記の光源装置10と同様の構成の各色光用光源装置80R、80G、80Bを用いることで、高い波長変換効率により高い効率で光を供給することができる。これにより、高い効率で明るい画像を表示できるという効果を奏する。なお、プロジェクタ70は、上記各実施例のいずれの光源装置と同様の構成の各色光用光源装置を適用しても良い。
【0066】
プロジェクタは、空間光変調装置として透過型液晶表示装置を用いる場合に限られない。空間光変調装置としては、反射型液晶表示装置(Liquid Crystal On Silicon;LCOS)、DMD(Digital Micromirror Device)、GLV(Grating Light Valve)等を用いても良い。プロジェクタは、色光ごとに空間光変調装置を備える構成に限られない。プロジェクタは、一の空間光変調装置により2つ又は3つ以上の色光を変調する構成としても良い。プロジェクタは、空間光変調装置を用いる場合に限られない。プロジェクタは、ガルバノミラー等の走査手段により光源装置からのレーザ光を走査させ、被照射面において画像を表示するレーザスキャン型のプロジェクタであっても良い。プロジェクタは、画像情報を持たせたスライドを用いるスライドプロジェクタであっても良い。プロジェクタは、スクリーンの一方の面に光を供給し、スクリーンの他方の面から射出される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタであっても良い。
【0067】
本発明の光源装置は、モニタ装置やプロジェクタに適用される場合に限られない。本発明の光源装置は、例えば、レーザ光を用いて露光を行う露光装置やレーザ加工装置等の光学系に用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明に係る光源装置は、モニタ装置やプロジェクタに用いる場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例1に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図2】SHG素子の斜視構成を示す図。
【図3−1】実施例1の変形例1に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図3−2】実施例1の変形例2に係る光源装置のYZ、XZ断面構成を示す図。
【図4】本発明の実施例2に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図5】SHG素子における光の振舞いを説明する図。
【図6】本発明の実施例3に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図7】実施例3の変形例1に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図8】実施例3の変形例2に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図9】半導体アレイ素子に対応させたSHG素子を示す図。
【図10】複数の凸面を有するSHG素子を示す図。
【図11】SHG素子の上面構成を示す図。
【図12】本発明の実施例4に係るモニタ装置の概略構成を示す図。
【図13】本発明の実施例5に係るプロジェクタの概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0070】
10 光源装置、11 半導体素子、12 ミラー層、13 活性層、14 SHG素子、15 第1面、16 第2面、17 体積ホログラム、20 光源装置、21 半導体素子、25 光源装置、30 光源装置、31 SHG素子、32 第2面、40 光源装置、41 SHG素子、42 第2面、43 波長選択ミラー層、45 光源装置、48 光源装置、50 SHG素子、51 第1面、52 第2面、55 SHG素子、56 第1面、57 第2面、58 凸面、60 モニタ装置、61 装置本体、62 光伝送部、63 カメラ、64 第1ライトガイド、65 第2ライトガイド、66 拡散板、67 結像レンズ、70 プロジェクタ、80R R光用光源装置、80G G光用光源装置、80B B光用光源装置、81 拡散素子、82 フィールドレンズ、83R R光用空間光変調装置、83G G光用空間光変調装置、83B B光用空間光変調装置、84 クロスダイクロイックプリズム、85 第1ダイクロイック膜、86 第2ダイクロイック膜、87 投写レンズ、88 スクリーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換素子、光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置、特に、レーザ光の波長を変換する波長変換素子の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタの光源装置としてレーザ光源を用いる技術が提案されている。レーザ光源は、高出力化及び多色化に伴い、プロジェクタの光源として開発されている。プロジェクタの光源として従来用いられているUHPランプと比較すると、レーザ光源は、高い色再現性、瞬時点灯が可能、長寿命である等の利点がある。レーザ光源は、光源からの基本波光をそのままの波長で射出するものの他、基本波光の波長を変換して射出するものが知られている。基本波光の波長を変換する波長変換素子として、例えば第二高調波発生(Second−Harmonic Generation;SHG)素子が知られている。SHG素子を用いることで、容易に入手可能な汎用の光源を用いて、所望の波長かつ十分な光量のレーザ光を供給することが可能となる。
【0003】
SHG素子へ入射する入射光に対する波長変換効率は、一般に30〜40%程度であることが知られている。光源からの基本波光をSHG素子へ入射させるのみでは、光源の出力に対して、波長変換後の高調波光の光量が非常に小さくなってしまう。そこで、従来、共振器構造内の光路中にSHG素子を設ける技術が提案されている。SHG素子が設けられた光路中にてレーザ光を往復させることで、波長変換効率を向上させる。例えば、非特許文献1のFig.5には、共振ミラーであるVBG(Volume Bragg Grating)とレーザ光源の間に、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)の分極反転結晶(Periodically Poled Lithium Niobate;PPLN)を配置する構成が示されている。
【0004】
【非特許文献1】グレッグ・ニブン(Greg Niven)他1名、「トレンズ・イン・レーザ・ライト・ソーシス・フォー・プロジェクション・ディスプレイ(Trends in Laser Light Sources for Projection Display)」、[online]、ノバラックス(Novalux, Inc.)、[平成19年5月14日検索]、インターネット<URL: http://www.novalux.com/assets/downloads/IDW%20Novalux%20Paper.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高効率かつ明るい画像を得るには、光源装置により高い効率で光を供給可能であることが望まれる。高い効率で光を供給するためには、従来の技術よりさらに高い波長変換効率を得られることが望ましい。本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、高い効率での波長変換を可能とする波長変換素子、その波長変換素子を用いる光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る波長変換素子は、第1面と、第1面とは反対側に設けられた第2面と、を有し、第1面及び第2面の間を透過する光の波長を変換させ、第1面及び第2面の少なくとも一方は、凸形状をなす凸面を備え、凸面は、第1面及び第2面の間で光を収束させることを特徴とする。
【0007】
波長変換素子は、通常、波長変換素子内を透過する光のエネルギー密度に略比例して、波長変換効率が向上することが知られている。凸面での屈折作用により第1面及び第2面の間で光を収束させることで、波長変換素子内を透過する光のエネルギー密度を高める。波長変換素子内を透過する光のエネルギー密度を高めることで、波長変換効率を向上させる。波長変換素子は、波長変換素子の長さ、及び凸面の形状を適宜設定することで、波長変換素子を配置する光源装置に容易に適合させることが可能である。また、他の光学素子を用いて光を収束させる場合と比較して、波長変換効率の低下を低減できる。これにより、高い効率での波長変換を可能とする波長変換素子を得られる。
【0008】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第1方向、及び第1方向に略直交する第2方向のうち、第1方向について曲率を有する曲面であることが望ましい。これにより、容易に形成可能な構成により光を収束させることができる。
【0009】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第1方向、及び第1方向に略直交する第2方向について曲率を有する曲面であることが望ましい。二方向について光を収束させることで、さらに高い効率での波長変換が可能になる。
【0010】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面及び第2面は、凸面を備えることが望ましい。第1面から入射した光は、第1面及び第2面の間の焦点を通過した後、第2面から射出する。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0011】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面に設けられた凸面、及び第2面に設けられた凸面は、略同じ形状をなすことが望ましい。これにより、波長変換素子を容易に製造することができる。
【0012】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面は、凸面を備え、第2面は、凹形状をなす凹面を備えることが望ましい。第1面から入射した光は、第1面及び第2面の間で収束した後、第2面から射出する。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0013】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面は、凸面を備え、第2面は、平面を備えることが望ましい。第1面から入射した光は、第1面及び第2面の間で収束した後、第2面から射出する。これにより、容易に形成可能な構成により、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0014】
また、本発明の好ましい態様としては、第1面及び第2面は、光を発散させる光学系を構成することが望ましい。これにより、サーマルレンズ効果を持つ光源部と波長変換素子とを組み合わせる場合に、平行光を射出させる構成にできる。
【0015】
さらに、本発明に係る光源装置は、第1波長の光を射出する光源部と、光源部に設けられ、第1波長の光を反射する第1反射部と、光源部からの第1波長の光を反射し、第1波長とは異なる波長である第2波長の光を透過させる第2反射部と、光源部及び第2反射部の間の光路中に設けられ、光源部からの光の第1波長を第2波長へ変換させる波長変換素子と、を有し、波長変換素子は、光源部側に設けられた第1面と、第2反射部側に設けられた第2面と、を有し、第1面は、凸形状をなす凸面を備え、凸面は、第1面及び第2面の間で光を収束させることを特徴とする。これにより、高い波長変換効率により高い効率で光を供給することが可能な光源装置を得られる。
【0016】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第1面及び第2面の間の焦点を有することが望ましい。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0017】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、第2面上の焦点を有することが望ましい。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0018】
また、本発明の好ましい態様としては、第2反射部は、第2面に設けられることが望ましい。第1波長の光の焦点に第2反射部を設けることで、第1反射部及び第2反射部の間で往復させる光の拡散を低減できる。また、第2面に第2反射部を設けることで、波長変換素子と第2反射部との間における光の損失を低減できる。
【0019】
また、本発明の好ましい態様としては、凸面は、波長変換素子の外部の焦点を有することが望ましい。これにより、第1面及び第2面の間で光を収束させることができる。
【0020】
また、本発明の好ましい態様としては、第2反射部は、焦点に設けられることが望ましい。第1波長の光の焦点に第2反射部を設けることで、第1反射部及び第2反射部の間で往復させる光の拡散を低減できる。
【0021】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、上記の光源装置を有し、光源装置からの光を用いて画像を表示することを特徴とする。上記の光源装置を用いることで、高い波長変換効率により高い効率で光を供給することができる。これにより、高い効率で明るい画像を表示することが可能なプロジェクタを得られる。
【0022】
さらに、本発明に係るモニタ装置は、上記の光源装置と、光源装置からの光により照明された被写体を撮像する撮像部と、を有することを特徴とする。上記の光源装置を用いることで、高い効率で被写体を照明することができる。これにより、高い効率で明るい像をモニタすることが可能なモニタ装置を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例1に係る光源装置10の概略断面構成を示す。光源装置10は、半導体素子11、SHG素子14、及び体積ホログラム17を有する半導体レーザである。半導体素子11、SHG素子14、及び体積ホログラム17は、図中Z軸に沿って並列している。X軸は、Z軸に垂直な軸である。Y軸は、Z軸及びX軸に垂直な軸である。半導体素子11は、XY平面上に配置されている。
【0025】
半導体素子11は、Z軸方向へ第1波長の基本波光を射出する光源部であって、例えば、面発光型の半導体素子である。第1波長は、例えば1064nmである。半導体素子11は、ミラー層12、及びミラー層12に積層された活性層13を有する。ミラー層12は、第1波長の光を反射する第1反射部である。ミラー層12は、高屈折率の誘導体と低屈折率の誘導体の積層体によって構成されている。ミラー層12の積層構造は、第1波長に対して最適化され、基本波光が干渉し強め合う条件に設定されている。活性層13は、不図示の電流供給部から所定量の電流が供給されることにより、第1波長の基本波光を射出する。
【0026】
SHG素子14は、第1波長の基本波光を入射させることにより、第2波長の高調波光を発生させる。SHG素子14は、半導体素子11からの光の第1波長を第2波長へ変換する波長変換素子である。SHG素子14は、半導体素子11及び体積ホログラム17の間の光路中に設けられている。第2波長は、第1波長の半分の波長であって、例えば532nmである。SHG素子14としては、例えば、非線形光学結晶を用いることができる。非線形光学結晶としては、例えば、PPLNを用いることができる。SHG素子14は、基本波光の第1波長に対応するピッチの分極反転構造を有する。
【0027】
SHG素子14は、第1面15、及び第2面16を有する。第1面15は、半導体素子11側に設けられている。第2面16は、第1面15とは反対側であって、体積ホログラム17側に設けられている。第1面15、及び第2面16のいずれも、凸形状をなす凸面である。第1面15、及び第2面16は、図示するYZ断面において略同一の曲率半径を持つ曲面である。SHG素子14は、第1面15及び第2面16の間を透過する基本波光の波長を変換させる。
【0028】
図2は、SHG素子14の斜視構成を示す。SHG素子14は、直方体のうち互いに対向する2つの面を凸形状に変形させた形状をなす。第1面15は、第1方向であるY方向、及び第1方向に略直交する第2方向であるX方向のうち、Y方向について曲率を有する曲面であって、シリンドリカルレンズと同様の形状をなす。第2面16は、第1面15と略同じ形状をなす。SHG素子14のZ軸方向への長さは、例えば5mmとする。第1面15、第2面16は、例えば曲率半径を1.34mmとする。
【0029】
図1に戻って、体積ホログラム17は、第1波長の光を選択的に反射し、第1波長とは異なる波長(第2波長を含む)の光を透過させる第2反射部である。体積ホログラム17には、二方向から入射させた入射光によって生じた干渉縞が記録されている。干渉縞は、高屈折率部分と低屈折率部分とが周期的に配列された周期構造として記録される。体積ホログラム17は、かかる干渉縞とブラッグ条件が適合する光のみを、回折により選択的に反射させる。
【0030】
ミラー層12及び体積ホログラム17は、半導体素子11からの基本波光を共振させる共振器を構成する。体積ホログラム17は、高い波長選択性を持つため、基本波光の狭帯域化に適している。光源装置10は、体積ホログラム17により基本波光を狭帯域化させることで、高い効率でレーザ光を供給できる。体積ホログラム17としては、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の結晶により形成された結晶型の体積ホログラムや、フォトポリマからなるフォトポリマ体積ホログラムを用いることができる。
【0031】
半導体素子11からの基本波光は、略平行に進行する。SHG素子14の第1面15へ入射した光は、第1面15で屈折作用を受ける。第1面15は、第1面15及び第2面16の中間付近の焦点を有する。SHG素子14内を透過した光は、第2面16での屈折作用により平行化される。第1面15の後側焦点位置と、第2面16の前側焦点位置とは、略一致する。第1面15及び第2面16は、ケプラー式望遠鏡タイプのアフォーカル光学系を構成する。アフォーカル光学系を採用することで、平行光としてSHG素子14へ入射した光を平行光として射出できる。
【0032】
SHG素子14で生じた高調波光は、体積ホログラム17を透過する。体積ホログラム17を透過した高調波光は、光源装置10外へ向けて射出される。第1面15側からSHG素子14を透過した基本波光は、体積ホログラム17で反射する。体積ホログラム17に対して略垂直に入射した基本波光は、体積ホログラム17で反射した後、体積ホログラム17へ入射したときと略同じ光路を逆に辿る。体積ホログラム17で反射した基本波光は、第2面16側からSHG素子14へ入射する。SHG素子14の第2面16へ入射した光は、第1面15側からSHG素子14へ入射したときと略同じ光路を逆に辿ってSHG素子14を透過する。SHG素子14は、第1面15及び第2面16を凸面とすることで、第1面15及び第2面16の間で光を収束させる。
【0033】
SHG素子14の第1面15から射出した光は、平行光となって半導体素子11へ入射する。半導体素子11へ入射した基本波光は、ミラー層12で反射し、半導体素子11から射出する。ミラー層12及び体積ホログラム17により反射された基本波光は、活性層13により新たに射出される基本波光と共振して増幅される。なお、SHG素子14を透過する光は、図示するYZ断面では収束するのに対して、XZ断面では屈折作用を受けず平行光のまま進行する。
【0034】
第1面15の凸面、及び第2面16の凸面を略同じ形状とすることで、SHG素子14を容易に製造することができる。さらに、第1面15の凸面、及び第2面16の凸面について、適切な半径を選定することで、半導体素子11及び体積ホログラム17間において略同じ光路にて基本波光を往復させることができる。よって、半導体素子11及び体積ホログラム17間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。
【0035】
第1面15及び第2面16の間で光を収束させることで、第1面15及び第2面16間にて平行光のまま光を透過させる場合と比較して、SHG素子14全体での光のエネルギー密度を高めることができる。YZ面内において第1面15及び第2面16の中間付近で焦点を形成することで、光のエネルギー密度は、平行光のまま光を透過させる場合と比較して、SHG素子14全体として約2倍となる。SHG素子14内を透過する光のエネルギー密度を高めることで、波長変換効率を向上させる。
【0036】
通常、光源装置10内でSHG素子14を配置できるスペースは限られている。仮に、レンズ等の他の光学素子を用いて光を収束させる場合、かかる光学素子を設ける分、SHG素子14を小型にする必要がある。SHG素子14は、光を透過させるZ軸方向へ長いほど、波長変換効率を高くすることができる。このため、他の光学素子を設ける分、波長変換効率が低下することになる。本発明では、第1面15、第2面16を用いて光を収束させるため、他の光学素子を不要とすることでSHG素子14の長さを十分確保可能とし、高い波長変換効率を実現できる。
【0037】
光源装置10は、SHG素子14で光を収束させるための光学素子を不要とすることで、半導体素子11及び体積ホログラム17間で光が往復する間に通過する界面の数を少なくできる。よって、界面での反射による光の損失も低減できる。以上により、高い効率での波長変換を可能とし、高い効率で光を供給できるという効果を奏する。
【0038】
例えば、SHG素子14は、PPLNを所望の形状に切削することにより形成できる。一方向について曲率を有する曲面は、比較的容易に形成できる。凸面は、Y方向について曲率を有するのみならず、X方向について曲率を有しても良く、X方向、Y方向の双方について曲率を有しても良い。X方向及びY方向について曲率を有する凸面については、後述する。凸面の形状は、第1面15及び第2面16の間で光を収束させることが可能であれば良く、適宜変更しても良い。例えば、凸面は、一定の曲率を有する曲面である場合に限られず、一定の曲率を持たない自由曲面であっても良い。さらに、凸面は、曲面である場合に限られず、複数の平面を組み合わせたものであっても良い。第2反射部は、基本波光を選択的に反射させる波長特性を持つものであれば良く、体積ホログラム17を用いる場合に限られない。第2反射部としては、例えば、ダイクロイックミラーを用いても良い。半導体素子11及びSHG素子14の間の光路中には、必要に応じて、偏光選択用フィルタ、波長選択用フィルタ等の光学素子を設けても良い。
【0039】
SHG素子14は、分極反転構造に対してSHG素子14を透過する光の進行方向が斜めになるほど、波長変換効率を低下させてしまう。このため、SHG素子14内を斜めに進行する光の成分をできるだけ少なくするために、第1面15、第2面16での光の屈折度合いをできるだけ小さくすることが望ましい。SHG素子14は、例えば、第1面15、第2面16により光を最大で数度程度屈折させる構成とすることで、SHG素子14内を斜めに進行する光の成分による波長変換効率への影響を少なくすることができる。
【0040】
図3−1は、本実施例の変形例1に係る光源装置20の概略断面構成を示す。本変形例の光源装置20は、サーマルレンズ効果を持つ半導体素子21を備える。半導体素子21の活性層13は、電流供給、及びレーザ光の照射により局所的に温度が上昇する。サーマルレンズ効果は、局所的な温度上昇からレーザ結晶に屈折率分布が生じる現象である。半導体素子21は、サーマルレンズ効果により、若干収束ぎみの基本波光を射出する。なお、図中活性層13内には、サーマルレンズのイメージを示している。
【0041】
半導体素子21からの光は、第1面15で屈折作用を受ける。第1面15の焦点は、図1に示す場合よりも若干第1面15側の位置となる。第2面16からSHG素子14を射出した光は、半導体素子21から射出するときと同じ程度収束しながら進行する。アフォーカル光学系を採用することで、SHG素子14へ入射する光の角度とSHG素子14から射出する光の角度を略一致させることができる。第2面16から収束しながら進行した光は、SHG素子14外部の所定の位置に焦点であるビームウェストを形成する。体積ホログラム17は、かかるビームウェストの位置に設けられている。
【0042】
ビームウェストの位置に体積ホログラム17を設けることで、体積ホログラム17に対して略垂直に光を入射させることができる。体積ホログラム17で反射した基本波光は、体積ホログラム17へ入射したときと略同じ光路を逆に辿り、半導体素子21の方向へ進行する。よって、半導体素子21及び体積ホログラム17間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。体積ホログラム17を透過した高調波光は、体積ホログラム17から若干拡散しながら、光源装置20外へ向けて射出される。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。
【0043】
図3−2は、本実施例の変形例2に係る光源装置25のYZ断面構成、及びXZ断面構成を示す。本変形例において、第1面15及び第2面16は、完全なアフォーカル系とは異なる光学系であって、光を若干発散させる光学系を構成する。YZ面内において、半導体素子21からの光は、上記変形例1の場合と同様に、第1面15及び第2面16の中間よりも若干第1面15側の位置で焦点を形成する。サーマルレンズ効果により若干収束しながら進行した光は、第2面16において平行化される。YZ面内において、SHG素子14は、体積ホログラム17へ向けて平行光を射出する。体積ホログラム17を透過した高調波光は、平行光のまま光源装置25外へ向けて射出される。このように、光を発散させる光学系を用いることで、サーマルレンズ効果を持つ光源部を用いる場合に、平行光を射出させることができる。
【0044】
XZ面内において、半導体素子21からの基本波光は、サーマルレンズ効果により若干収束しながらSHG素子14へ入射する。SHG素子14へ入射した光は、第1面15、第2面16では屈折作用は受けず、そのまま収束しながら進行する。収束しながら進行した光は、体積ホログラム17内にて、焦点であるビームウェストを形成する。体積ホログラム17で反射した基本波光は、体積ホログラム17へ入射するときと略同じ光路を逆に辿って半導体素子21の方向へ進行する。よって、半導体素子21及び体積ホログラム17の間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。
【0045】
体積ホログラム17を透過した高調波光は、XZ面内において、体積ホログラム17から若干拡散しながら、光源装置25外へ向けて射出される。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。本変形例においても、第1面15の凸面、及び第2面16の凸面について適切な半径を選定することにより、第1面15の凸面、及び第2面16の凸面を略同じ形状とすることができる。SHG素子14は、SHG素子14の長さ、及び凸面の形状を適宜設定することで、光源装置10、20、25の構成に容易に適合させることが可能である。
【実施例2】
【0046】
図4は、本発明の実施例2に係る光源装置30の概略断面構成を示す。本実施例の光源装置30は、SHG素子31の第2面32が、凹形状の凹面であることを特徴とする。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第2面32は、第1面15とは反対側であって、体積ホログラム17側に設けられている。SHG素子31は、第1面15及び第2面32の間を透過する基本波光の波長を変換させる。第2面32は、Y方向について曲率を有する曲面である。
【0047】
図5は、SHG素子31における光の振舞いを説明するものである。半導体素子11からの平行光は、第1面15での屈折作用により収束する。SHG素子31内を透過した光は、第2面32での屈折作用により平行化される。第1面15の後側焦点位置と、第2面32の後側焦点位置とは、略一致する。第1面15及び第2面32は、ガリレオ式望遠鏡タイプのアフォーカル光学系を構成する。第2面32から射出する光は、半導体素子11から射出する光と比較して、SHG素子31内で収束する分狭められている。体積ホログラム17で反射した基本波光は、体積ホログラム17へ入射するときと略同じ光路を逆に辿って半導体素子11の方向へ進行する。本実施例でも第1面15及び第2面32の間で光を収束させることで、高い効率で波長変換ができる。本実施例においても、サーマルレンズ効果を持つ光源部を用いる場合、第1面15及び第2面32は、光を発散させる光学系を構成するものとしても良い。第2面32の凹面は、各実施例で説明する凸面と同様に適宜変形しても良い。例えば、凹面は、X方向及びY方向の双方について曲率を有しても良い。
【実施例3】
【0048】
図6は、本発明の実施例3に係る光源装置40の概略断面構成を示す。本実施例の光源装置40は、SHG素子41の第2面42に設けられた波長選択ミラー層43を有することを特徴とする。上記実施例1、2と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第2面42は、XY平面に略平行な平面である。第2面42は、第1面15とは反対側であって、波長選択ミラー層43側に設けられている。SHG素子41は、第1面15及び第2面42の間を透過する基本波光の波長を変換させる。
【0049】
波長選択ミラー層43は、第1波長の光を選択的に反射し、第1波長とは異なる波長(第2波長を含む)の光を透過させる第2反射部である。波長選択ミラー層43は、例えば、誘電体多層膜により構成されている。誘電体多層膜は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成することが可能である。多層膜を構成する各層の厚さ、各層の材料、層の数は、求められる特性に応じて最適化される。
【0050】
半導体素子11からの平行光は、第1面15での屈折作用により収束する。SHG素子41内を透過した光は、第2面42の位置にて、焦点であるビームウェストを形成する。ビームウェストの位置に波長選択ミラー層43を設けることで、波長選択ミラー層43に対して略垂直に光を入射させることができる。波長選択ミラー層43で反射した基本波光は、波長選択ミラー層43へ入射するときと略同じ光路を逆に辿って半導体素子11の方向へ進行する。よって、半導体素子11及び波長選択ミラー層43の間で往復させる基本波光の拡散による損失を低減できる。
【0051】
波長選択ミラー層43を透過した高調波光は、波長選択ミラー層43から若干拡散しながら、光源装置40外へ向けて射出される。第2面42に波長選択ミラー層43を設けることで、SHG素子41と波長選択ミラー層43との間における光の損失を低減できる。光源装置40は、第2面42を平面とすることで、容易に形成可能な構成により、第1面15及び第2面42の間で光を収束させることができる。これにより、本実施例においても、高い効率で波長変換ができる。
【0052】
図7は、本実施例の変形例1に係る光源装置45の概略断面構成を示す。本変形例の光源装置45は、サーマルレンズ効果を持つ半導体素子21を備える。半導体素子21は、サーマルレンズ効果により、若干収束ぎみの基本波光を射出する。半導体素子21からの光は、第1面15で屈折作用を受けてさらに収束する。SHG素子41を透過した光は、第2面42の位置にて、焦点であるビームウェストを形成する。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。SHG素子41は、SHG素子41の長さ、及び凸面の形状を適宜設定することで、SHG素子41を配置する光源装置40、45の構成に容易に適合させることが可能である。
【0053】
図8は、本実施例の変形例2に係る光源装置48の概略断面構成を示す。本変形例の光源装置48は、凸面である第2面16に波長選択ミラー層43が設けられている。本変形例の場合も、高い効率で波長変換ができる。波長選択ミラー層43は、凹面である第2面32(図4参照)に設けることとしても良い。
【0054】
上記各実施例のSHG素子は、半導体素子の構成に応じて適宜変形しても良い。図9に示すSHG素子50は、複数の発光部を持つ半導体アレイ素子に対応させて構成されている。SHG素子50は、例えば、X方向へ並列された5本の光線に対応させて、X方向の幅が設定されている。第1面51、第2面52は、X方向及びY方向のうちY方向について曲率を有する曲面である。SHG素子50は、曲率を持たせた方向以外の方向であるX方向の幅を、半導体アレイ素子の幅に応じて設定できる。これにより、複数本の光線に容易に対応させることができる。
【0055】
曲面は、X方向及びY方向のいずれか一方について曲率を有する場合に限られず、X方向及びY方向について曲率を有することとしても良い。図10に示すSHG素子55は、複数の光線に対応させて設けられた複数の凸面58を有する。図11の上面構成に示すように、凸面58は、第1面56上、及び第2面57上にそれぞれ並列している。凸面58は、X方向及びY方向について曲率を有する曲面であって、マイクロレンズと同様の形状をなす。
【0056】
X方向及びY方向について曲率を有する凸面58により、SHG素子55内を透過する光は、二方向について収束する。二方向について光を収束させることで、光のエネルギー密度は、平行光のまま光を透過させる場合と比較して、SHG素子50全体として略4倍となる。二方向について光を収束させることで、一方向について光を収束させる場合よりも光のエネルギー密度を向上させることができる。これにより、さらに高い効率での波長変換が可能となる。凸面58の数は、光線の数に応じて適宜設定できる。SHG素子は、X方向及びY方向について曲率を有する凸面を備える他、X方向及びY方向について曲率を有する凹面を備える構成としても良い。また、半導体アレイ素子に対応させて構成されたSHG素子についても、第2面を平面としても良い。上記各実施例の光源装置は、光源部として半導体素子を用いる他、半導体レーザ励起固体(Diode Pumped Solid State;DPSS)レーザや、固体レーザ、液体レーザ、ガスレーザ等を用いる構成としても良い。
【実施例4】
【0057】
図12は、本発明の実施例4に係るモニタ装置60の概略構成を示す。モニタ装置60は、装置本体61と、光伝送部62とを有する。装置本体61は、上記実施例1の光源装置10を備える。上記実施例1と重複する説明は省略する。光伝送部62は、2つのライトガイド64、65を有する。光伝送部62のうち被写体(不図示)側の端部には、拡散板66及び結像レンズ67が設けられている。第1ライトガイド64は、光源装置10からの光を被写体へ伝送する。拡散板66は、第1ライトガイド64の射出側に設けられている。第1ライトガイド64内を伝播した光は、拡散板66を透過することにより、被写体側にて拡散する。
【0058】
第2ライトガイド65は、被写体からの光をカメラ63へ伝送する。結像レンズ67は、第2ライトガイド65の入射側に設けられている。結像レンズ67は、被写体からの光を第2ライトガイド65の入射面へ集光させる。被写体からの光は、結像レンズ67により第2ライトガイド65へ入射した後、第2ライトガイド65内を伝播してカメラ63へ入射する。
【0059】
第1ライトガイド64、第2ライトガイド65としては、多数の光ファイバを束ねたものを用いることができる。光ファイバを用いることで、レーザ光を遠方へ伝送させることができる。カメラ63は、装置本体61内に設けられている。カメラ63は、光源装置10からの光により照明された被写体を撮像する撮像部である。第2ライトガイド65から入射した光をカメラ63へ入射させることで、カメラ63による被写体の撮像ができる。上記実施例1の光源装置10を用いることにより、高い効率で被写体を照明することができる。これにより、高い効率で明るい像をモニタできるという効果を奏する。なお、モニタ装置60は、上記各実施例のいずれの光源装置を適用しても良い。
【実施例5】
【0060】
図13は、本発明の実施例5に係るプロジェクタ70の概略構成を示す。プロジェクタ70は、スクリーン88へ光を射出し、スクリーン88で反射する光を観察することで画像を鑑賞するフロント投写型のプロジェクタである。プロジェクタ70は、赤色(R)光用光源装置80R、緑色(G)光用光源装置80G、青色(B)光用光源装置80Bを有する。各色光用光源装置80R、80G、80Bは、上記実施例1の光源装置10(図1参照)と同様の構成を有する。プロジェクタ70は、各色光用光源装置80R、80G、80Bからの光を用いて画像を表示する。
【0061】
R光用光源装置80Rは、R光を供給する光源装置である。拡散素子81は、照明領域の整形、拡大、照明領域におけるレーザ光の光量分布の均一化を行う。拡散素子81としては、例えば、回折光学素子である計算機合成ホログラム(Computer Generated Hologram;CGH)を用いることができる。フィールドレンズ82は、拡散素子81からのレーザ光を平行化させ、R光用空間光変調装置83Rへ入射させる。R光用空間光変調装置83Rは、R光用光源装置80RからのR光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。R光用空間光変調装置83Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム84へ入射する。
【0062】
G光用光源装置80Gは、G光を供給する光源装置である。拡散素子81及びフィールドレンズ82を経たレーザ光は、G光用空間光変調装置83Gへ入射する。G光用空間光変調装置83Gは、G光用光源装置80GからのG光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。G光用空間光変調装置83Gで変調されたG光は、クロスダイクロイックプリズム84のうちR光が入射する面とは異なる面へ入射する。
【0063】
B光用光源装置80Bは、B光を供給する光源装置である。拡散素子81及びフィールドレンズ82を経たレーザ光は、B光用空間光変調装置83Bへ入射する。B光用空間光変調装置83Bは、B光用光源装置80BからのB光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。B光用空間光変調装置83Bで変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム84のうちR光が入射する面、及びG光が入射する面とは異なる面へ入射する。透過型液晶表示装置としては、例えば高温ポリシリコンTFT液晶パネル(High Temperature Polysilicon;HTPS)を用いることができる。
【0064】
クロスダイクロイックプリズム84は、互いに略直交させて配置された2つのダイクロイック膜85、86を有する。第1ダイクロイック膜85は、R光を反射し、G光及びB光を透過させる。第2ダイクロイック膜86は、B光を反射し、R光及びG光を透過させる。クロスダイクロイックプリズム84は、それぞれ異なる方向から入射したR光、G光及びB光を合成し、投写レンズ87の方向へ射出する。投写レンズ87は、クロスダイクロイックプリズム84で合成された光をスクリーン88に向けて投写する。
【0065】
上記の光源装置10と同様の構成の各色光用光源装置80R、80G、80Bを用いることで、高い波長変換効率により高い効率で光を供給することができる。これにより、高い効率で明るい画像を表示できるという効果を奏する。なお、プロジェクタ70は、上記各実施例のいずれの光源装置と同様の構成の各色光用光源装置を適用しても良い。
【0066】
プロジェクタは、空間光変調装置として透過型液晶表示装置を用いる場合に限られない。空間光変調装置としては、反射型液晶表示装置(Liquid Crystal On Silicon;LCOS)、DMD(Digital Micromirror Device)、GLV(Grating Light Valve)等を用いても良い。プロジェクタは、色光ごとに空間光変調装置を備える構成に限られない。プロジェクタは、一の空間光変調装置により2つ又は3つ以上の色光を変調する構成としても良い。プロジェクタは、空間光変調装置を用いる場合に限られない。プロジェクタは、ガルバノミラー等の走査手段により光源装置からのレーザ光を走査させ、被照射面において画像を表示するレーザスキャン型のプロジェクタであっても良い。プロジェクタは、画像情報を持たせたスライドを用いるスライドプロジェクタであっても良い。プロジェクタは、スクリーンの一方の面に光を供給し、スクリーンの他方の面から射出される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタであっても良い。
【0067】
本発明の光源装置は、モニタ装置やプロジェクタに適用される場合に限られない。本発明の光源装置は、例えば、レーザ光を用いて露光を行う露光装置やレーザ加工装置等の光学系に用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明に係る光源装置は、モニタ装置やプロジェクタに用いる場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例1に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図2】SHG素子の斜視構成を示す図。
【図3−1】実施例1の変形例1に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図3−2】実施例1の変形例2に係る光源装置のYZ、XZ断面構成を示す図。
【図4】本発明の実施例2に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図5】SHG素子における光の振舞いを説明する図。
【図6】本発明の実施例3に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図7】実施例3の変形例1に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図8】実施例3の変形例2に係る光源装置の概略断面構成を示す図。
【図9】半導体アレイ素子に対応させたSHG素子を示す図。
【図10】複数の凸面を有するSHG素子を示す図。
【図11】SHG素子の上面構成を示す図。
【図12】本発明の実施例4に係るモニタ装置の概略構成を示す図。
【図13】本発明の実施例5に係るプロジェクタの概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0070】
10 光源装置、11 半導体素子、12 ミラー層、13 活性層、14 SHG素子、15 第1面、16 第2面、17 体積ホログラム、20 光源装置、21 半導体素子、25 光源装置、30 光源装置、31 SHG素子、32 第2面、40 光源装置、41 SHG素子、42 第2面、43 波長選択ミラー層、45 光源装置、48 光源装置、50 SHG素子、51 第1面、52 第2面、55 SHG素子、56 第1面、57 第2面、58 凸面、60 モニタ装置、61 装置本体、62 光伝送部、63 カメラ、64 第1ライトガイド、65 第2ライトガイド、66 拡散板、67 結像レンズ、70 プロジェクタ、80R R光用光源装置、80G G光用光源装置、80B B光用光源装置、81 拡散素子、82 フィールドレンズ、83R R光用空間光変調装置、83G G光用空間光変調装置、83B B光用空間光変調装置、84 クロスダイクロイックプリズム、85 第1ダイクロイック膜、86 第2ダイクロイック膜、87 投写レンズ、88 スクリーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、を有し、前記第1面及び前記第2面の間を透過する光の波長を変換させ、
前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方は、凸形状をなす凸面を備え、
前記凸面は、前記第1面及び前記第2面の間で光を収束させることを特徴とする波長変換素子。
【請求項2】
前記凸面は、第1方向、及び前記第1方向に略直交する第2方向のうち、前記第1方向について曲率を有する曲面であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
【請求項3】
前記凸面は、第1方向、及び前記第1方向に略直交する第2方向について曲率を有する曲面であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
【請求項4】
前記第1面及び前記第2面は、前記凸面を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項5】
前記第1面に設けられた前記凸面、及び前記第2面に設けられた前記凸面は、略同じ形状をなすことを特徴とする請求項4に記載の波長変換素子。
【請求項6】
前記第1面は、前記凸面を備え、
前記第2面は、凹形状をなす凹面を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項7】
前記第1面は、前記凸面を備え、
前記第2面は、平面を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項8】
前記第1面及び前記第2面は、光を発散させる光学系を構成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項9】
第1波長の光を射出する光源部と、
前記光源部に設けられ、前記第1波長の光を反射する第1反射部と、
前記光源部からの前記第1波長の光を反射し、前記第1波長とは異なる波長である第2波長の光を透過させる第2反射部と、
前記光源部及び前記第2反射部の間の光路中に設けられ、前記光源部からの光の前記第1波長を前記第2波長へ変換させる波長変換素子と、を有し、
前記波長変換素子は、前記光源部側に設けられた第1面と、前記第2反射部側に設けられた第2面と、を有し、
前記第1面は、凸形状をなす凸面を備え、
前記凸面は、前記第1面及び前記第2面の間で光を収束させることを特徴とする光源装置。
【請求項10】
前記凸面は、前記第1面及び前記第2面の間の焦点を有することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記凸面は、前記第2面上の焦点を有することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項12】
前記第2反射部は、前記第2面に設けられることを特徴とする請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記凸面は、前記波長変換素子の外部の焦点を有することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項14】
前記第2反射部は、前記焦点に設けられることを特徴とする請求項13に記載の光源装置。
【請求項15】
請求項9〜14のいずれか一項に記載の光源装置を有し、前記光源装置からの光を用いて画像を表示することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項16】
請求項9〜14のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光により照明された被写体を撮像する撮像部と、を有することを特徴とするモニタ装置。
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、を有し、前記第1面及び前記第2面の間を透過する光の波長を変換させ、
前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方は、凸形状をなす凸面を備え、
前記凸面は、前記第1面及び前記第2面の間で光を収束させることを特徴とする波長変換素子。
【請求項2】
前記凸面は、第1方向、及び前記第1方向に略直交する第2方向のうち、前記第1方向について曲率を有する曲面であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
【請求項3】
前記凸面は、第1方向、及び前記第1方向に略直交する第2方向について曲率を有する曲面であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
【請求項4】
前記第1面及び前記第2面は、前記凸面を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項5】
前記第1面に設けられた前記凸面、及び前記第2面に設けられた前記凸面は、略同じ形状をなすことを特徴とする請求項4に記載の波長変換素子。
【請求項6】
前記第1面は、前記凸面を備え、
前記第2面は、凹形状をなす凹面を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項7】
前記第1面は、前記凸面を備え、
前記第2面は、平面を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項8】
前記第1面及び前記第2面は、光を発散させる光学系を構成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長変換素子。
【請求項9】
第1波長の光を射出する光源部と、
前記光源部に設けられ、前記第1波長の光を反射する第1反射部と、
前記光源部からの前記第1波長の光を反射し、前記第1波長とは異なる波長である第2波長の光を透過させる第2反射部と、
前記光源部及び前記第2反射部の間の光路中に設けられ、前記光源部からの光の前記第1波長を前記第2波長へ変換させる波長変換素子と、を有し、
前記波長変換素子は、前記光源部側に設けられた第1面と、前記第2反射部側に設けられた第2面と、を有し、
前記第1面は、凸形状をなす凸面を備え、
前記凸面は、前記第1面及び前記第2面の間で光を収束させることを特徴とする光源装置。
【請求項10】
前記凸面は、前記第1面及び前記第2面の間の焦点を有することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記凸面は、前記第2面上の焦点を有することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項12】
前記第2反射部は、前記第2面に設けられることを特徴とする請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記凸面は、前記波長変換素子の外部の焦点を有することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項14】
前記第2反射部は、前記焦点に設けられることを特徴とする請求項13に記載の光源装置。
【請求項15】
請求項9〜14のいずれか一項に記載の光源装置を有し、前記光源装置からの光を用いて画像を表示することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項16】
請求項9〜14のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光により照明された被写体を撮像する撮像部と、を有することを特徴とするモニタ装置。
【図1】
【図2】
【図3−1】
【図3−2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3−1】
【図3−2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−310102(P2008−310102A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158356(P2007−158356)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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