説明

波長変換組成物及び波長変換組成物からなる層を備えた光起電装置

【課題】製造コストを増大させることなく波長変換物質を均一に分散可能で、効率よく発光し波長変換する波長変換組成物及び、高効率の光起電装置を提供すること。
【解決手段】硬化性物質と、吸収した光の波長を変換する波長変換物質を含有する多孔質微粒子とを含有する波長変換組成物で、好ましくは、多孔質微粒子の空隙率が、50〜90%、多孔質微粒子の平均粒子径が30nm〜5μm、多孔質微粒子が、珪素、ジルコニウム、イットリウム、バナジウム、及びアルミニウムから選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有する酸化物多孔質微粒子である波長変換組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の波長を変換する波長変換組成物、特に、光起電装置に設けられ光の波長を変換して光起電装置の光起電層に供給する波長変換組成物に関する。本発明の光の波長を変換する波長変換組成物は、LEDや照明の波長変換フィルタとして使用することも可能である。
【背景技術】
【0002】
光起電装置は、太陽光を光電変換して電気エネルギーを取り出す太陽電池として用いられる。この種の光起電装置としては、光を起電力に変換する光起電層に単結晶シリコンやアモルファスシリコンを用いたものが主流である。これらの光起電装置の場合、分光感度が略可視光領域に限られており、太陽光線のうち紫外領域や赤外領域など可視光以外の領域を効率よく電気エネルギーに変換することができない。
【0003】
そこで、光起電装置において電気エネルギーへの変換効率を上げる技術として、特許文献1には、光起電装置において、光起電層の光の入射側の面に波長変換物質としてユーロピウム(Eu3+)、サマリウム(Sm2+)、テルビウム(Tb2+)などの希土類イオンが配合されたガラス板を設けることが記載されている。これにより、太陽光線のうち紫外領域が可視光領域に変換されて、光起電層に供給される。
【0004】
また、特許文献2には、光起電装置において、光起電層の光の入射側の面に設けた無反射膜に波長変換物質としてユーロピウム(Eu3+)をドープすることが記載されている。この光起電装置において、無反射膜中にユーロピウム(Eu3+)を均一に分散させるために、無反射膜中の形成とユーロピウム(Eu3+)の注入とが複数回にわたって繰り返される。これにより、太陽光線のうち紫外領域が可視光領域に変換されて、光起電層に供給される。
さらに、特許文献3には波長変換物質としてCdSe、CdTe、GaN、Si、InP、ZnOなどの半導体微粒子やそれらをコアシェル型にした粒子を用いた記載がある。半導体微粒子の合成法としては、特許文献4、5、6、非特許文献1にあるようにスパッタリング法、電気炉加熱法、エッチング法、噴霧熱分解法、陽極酸化法がある。非特許文献2にはゾル−ゲル法による酸化亜鉛半導体微粒子の合成について記載されている。非特許文献3には、酸化亜鉛半導体微粒子とシリカ微粒子の複合微粒子を噴霧乾燥法により作製する方法が記載されている。非特許文献4,5には、スプレー熱分解実験装置に関する詳細が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−142716号公報(0021段落,0022段落。及び図1)
【特許文献2】特開平8−204222号公報(0010段落及び図1)
【特許文献3】特開2006−216560号公報
【特許文献4】特開2006−70089号公報
【特許文献5】特開平6−90019号公報(0009段落)
【特許文献6】特開2003−019427号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】クリーンテクノロジー、 7、27−30(2007)
【非特許文献2】J.Am.Chem.Soc.,113,2826−2833(1991)
【非特許文献3】J.Appl.Phys.,89(11),6431−6434(2001)
【非特許文献4】W.-N.Wang,W.Widiyastuti,T.Ogi,I.W.Lenggoro,and K.Okuyama:Chem.Mater.19(2007)1723.
【非特許文献5】W.-N.Wang,W.Widiyastuti,I.W.Lenggoro,T.O.Kim,and K.Okuyama:J.Electrochem.Soc.154(2007)J121.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のように波長変換層を設けて電気エネルギーへの変換効率を向上させるためには、波長変換層における光の透過性を損なうことなく、波長変換効率を向上させる必要がある。このため、波長変換層に波長変換物質を均一に分散させる必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の光起電装置では、ガラス基板を形成する際に波長変換物質が凝集する可能性があり、波長換物質を均一に分散させることが困難である。一方、特許文献2に記載の光起電装置では、波長変換物質をある程度均一に分散させることができるものの、無反射膜層の形成と波長変換物質の注入とを複数回にわたって繰り返す必要があるため、工程が複雑化し製造コストが増大するという問題があった。また、特許文献3に記載の光起電装置では、波長変換されるものの、有毒性の問題や、光取出し効率が低いため光起電装置のエネルギー変換効率を十分に向上させることができないなどの問題があった。
本発明の目的は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストを増大させることなく波長変換物質を均一に分散可能なエネルギー変換効率の良い波長変換組成物及び、光起電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、硬化性物質と、吸収した光の波長を変換する波長変換物質を含有する多孔質微粒子とを含有する波長変換組成物である点にある。
【0009】
本構成のように吸収した光の波長を変換する波長変換物質を含有する微粒子を多孔質化することにより、同等の大きさの多孔質でない微粒子に比較して発光強度を増大させることができる。また、高価な無機原料の使用量を削減できるため、コストを低減でき、さらに軽量化が可能となる。これにより、光起電装置に用いた場合、低コストかつ軽量で光起電装置の光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、多孔質微粒子の空隙率が、50〜90%である点にある。
【0011】
本構成のように多孔質微粒子の空隙率を50〜90%にすることにより、発光強度を大きく増大させることができる。これにより、光起電装置に用いた場合、低コストかつ軽量で光起電装置の光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、多孔質微粒子の平均粒子径が30nm〜5μmである点にある。
【0013】
多孔質微粒子の平均粒子径を30nm〜5μmにすることにより、多孔質微粒子の分散性が向上し、波長変換組成物の透明性が向上される。これにより、光起電装置に用いた場合、波長変換組成物により吸収され波長変換される光以外の光起電装置に吸収されやすい波長の光が波長変換組成物に阻害されることなく光起電装置に到達し、透明性低下による光起電装置の光電変換効率低下を抑制することができる。
【0014】
本発明の第4特徴構成は、多孔質微粒子が、珪素又はジルコニウムの元素を含有する酸化物多孔質微粒子である点にある。
【0015】
多孔質微粒子としてシリカ又はジルコニアを選択することにより、酸化物微粒子の透明性を高めることができ、波長変換組成物の透明性、耐久性を高めることができる。
【0016】
本発明の第5特徴構成は、多孔質微粒子が、イットリウム、バナジウム、及びアルミニウムから選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有する酸化物多孔質微粒子である点にある。
【0017】
多孔質微粒子としてイットリウム、バナジウム、及びアルミニウムから選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有する酸化物多孔質微粒子を用いることにより、波長変換物質として希土類イオンであるユーロピウムイオンを用いた場合などに波長変換組成物の光の吸収波長帯域調整や吸収効率向上等の効果を発現させることができる。これにより、光起電装置に用いた場合、光起電装置の光吸収効率を向上向上させることが可能となり、光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0018】
本発明の第6特徴構成は、波長変換物質が半導体微粒子である点にある。
【0019】
波長変換物質として半導体微粒子を用いることにより、多孔質微粒子に紫外領域の太陽光線を可視光領域の光に変換する機能を付与することができる。また、半導体微粒子の粒子径を調整することにより、発光ピーク波長を容易に種々調整することが可能であり、各種光起電装置が吸収しやすい光を発光させることができる。これにより、単結晶シリコン、多結晶シリコン、各種化合物等を用いた各種光起電装置に好適な光を発光させることができるので、光起電装置の種類によらず光起電装置の光電変換効率を最大限に向上させることができる。
【0020】
本発明の第7特徴構成は、半導体微粒子がシリコン半導体微粒子又は酸化亜鉛半導体微粒子である点にある。
【0021】
半導体微粒子としてシリコン半導体微粒子又は酸化亜鉛半導体微粒子を使用することにより、好適な発光特性を発現できると共に、半導体微粒子の原料コストを削減できる。これにより、光起電装置に用いた場合、低コストで光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0022】
本発明の第8特徴構成は、波長変換物質が、希土類イオンである点にある。
【0023】
波長変換物質として希土類イオンを使用することにより、紫外光を吸収し種々の色の可視光を発光させることが可能となる。これにより、単結晶シリコン、多結晶シリコン、各種化合物等を用いた各種光起電装置に好適な光を発光させることができるので、光起電装置の種類によらず光起電装置の光電変換効率を最大限に向上させることができる。
【0024】
本発明の第9特徴構成は、希土類イオンが、2価のユーロピウムイオン、3価のユーロピウムイオン、エルビウムイオン、ジスプロジウムイオン、セリウムイオン及びネオジムイオンから選ばれた少なくとも一種以上である点にある。
【0025】
希土類イオンとして2価のユーロピウムイオン、3価のユーロピウムイオン、エルビウムイオン、ジスプロジウムイオン、セリウムイオン及びネオジムイオンから選ばれた少なくとも一種以上を使用することにより、紫外光を吸収し種々の色の可視光を効率よく発光させることが可能となる。これにより、単結晶シリコン、多結晶シリコン、各種化合物等を用いた各種光起電装置に好適な光を効率よく発光させることができるので、光起電装置の種類によらず光起電装置の光電変換効率を最大限に向上させることができる。
【0026】
本発明の第10特徴構成は、上述の波長変換組成物が層状に形成された波長変換層である点にある。
【0027】
本発明の第11特徴構成は、上述の波長変換層を備えた光起電装置である点にある。
【0028】
本発明の第12特徴構成は、波長変換層が光起電装置の面内に凹凸構造を有する点にある。
【0029】
波長変換層が光起電装置の面内に凹凸構造を有することにより、波長変換層が波長変換する光の吸収効率を向上させることができる。また、凹凸形状の最適化により、光起電装置に到達する波長変換層により波長変換された光の量を増大させることができる。これにより、光起電装置の光吸収効率を向上させることが可能となり、光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0030】
本発明の第13特徴構成は、凹凸構造の高低差が300nm〜100μmの凹凸構造である点にある。
【0031】
凹凸構造の高低差が300nm〜100μmの凹凸構造とすることにより、波長変換層が波長変換する光の吸収効率を効率よく向上させることができる。また、光起電装置に到達する波長変換層により波長変換された光の量を最大限に増大させることができる。
【0032】
これにより、光起電装置の光吸収効率を向上させることが可能となり、光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0033】
本発明の第14特徴構成は、凹凸構造の面内周期が300nm〜50μmである点にある。
【0034】
凹凸構造の面内周期を300nm〜50μmとすることにより、波長変換層が波長変換する光の吸収効率を効率よく向上させることができる。また、光起電装置に到達する波長変換層により波長変換された光の量を最大限に増大させることができる。これにより、光起電装置の光吸収効率を向上させることが可能となり、光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0035】
本発明の第15特徴構成は、波長変換層がインクジェット方式により形成される点にある。
【0036】
波長変換層をインクジェット方式により形成することにより、ドット、L&S、四角錐など、各種形状の凹凸を低コストで容易に形成できるばかりか、各種波長変換組成物の積層塗布が可能となる。これにより、波長変換層に好適な波長変換機能を付与することができ、光起電装置に用いた場合、光起電装置の光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【0037】
本発明の第16特徴構成は、インクジェット方式により形成された波長変換層を備える光起電装置である点にある。
【0038】
インクジェット方式により形成された波長変換層を備える光起電装置とすることにより、上述に記載の効果が得られ、光起電装置の光電変換効率を効率よく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る光起電装置を示す図
【図2】波長変換層の詳細を示す図
【図3】本発明に係る光起電装置の別実施形態を示す図
【図4】本発明に係る光起電装置の別実施形態を示す図
【図5】本発明に係る波長変換層が凹凸構造を有する光起電装置の実施形態を示す図
【図6】本発明に係る波長変換層が凹凸構造を有する光起電装置の別実施形態を示す図
【図7】本発明に係る波長変換層が凹凸構造を有する光起電装置の別実施形態を示す図
【図8】本発明に係る波長変換層が凹凸構造を有する光起電装置の別実施形態を示す図
【図9】本発明に係る波長変換層が凹凸構造を有する光起電装置の別実施形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0040】
[実施形態1]
以下に、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1に本発明に係る波長変換組成物からなる波長変換層3を備えた光起電装置1を示す。この光起電装置1は、光により起電力を生じる光起電層2を備え、光起電層2の光の入射面側に波長変換組成物からなる波長変換層3が設けられている。
【0041】
光起電層2は、光により起電力を生じるもので、p型半導体層、真空半導体層、n型半導体層からなる半導体層と、EVA樹脂組成物などの封止材、半導体層の片面又は両側の面に設けられた透明電極層を備える。半導体層は、特に限定はされないが、例えば、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などを用いることができる。透明電極は、特に限定はされないが、例えば、ITOや酸化錫などによって構成される。なお、光起電装置1の構成はこれに限定されるものではなく、本発明の波長変換組成物は、種々の光起電装置1に適用することができる。特に市販の光起電層2に波長変換層3を設ける場合、光起電層2の上にさらにガラス、透明電極、無反射層、保護層等が形成される場合がある。この場合は、ガラス、透明電極、無反射層、保護層等の上又は下に波長変換層3が形成される。
【0042】
この実施形態において、波長変換層3は、紫外領域の太陽光線を可視光領域に変換する。図2に示すように、この波長変換層3は、硬化性物質5と、硬化性物質5内に分散された多孔質微粒子4と、多孔質微粒子4中に分散された波長変換物質6とを備える。この波長変換層3は、後述する波長変換組成物を、例えば、光起電層2の表面に塗布して光硬化させることにより形成される。このため、例えば、市販の光起電装置1に波長変換組成物を塗布して光硬化させるだけで波長変換層3を形成することができる。
【0043】
以下、波長変換層3を構成する波長変換組成物の詳細について説明する。この波長変換組成物は、硬化性物質5と、吸収した光の波長を変換する波長変換物質を含有する多孔質微粒子4とを含有して構成される。
【0044】
硬化性物質5としては、光や熱等によりネットワークを形成し硬化するものであれば特に限定されないが、例えば光硬化性のアクリル樹脂、熱硬化性のエポキシ樹脂、アルコキシ基を有する化合物、架橋性を有するエチレンビニルアセテート樹脂、シリコーン樹脂、透明シルセスキオキサン樹脂等が挙げられる。
【0045】
エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはこれらの水添化物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂、カルド骨格を有するエポキシ樹脂、ポリシロキサン構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。直接、アモルファスシリコンなどの光起電層や反射防止膜を形成させるためなど、耐熱性を必要とする場合は、脂環式構造を有するものが好ましい。脂環式エポキシ樹脂としては例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3‘、4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端にそれぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの、水添ビフェニル骨格、及び水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0046】
アクリル樹脂としては2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートであれば、特に制限されないが、直接、アモルファスシリコンなどの光起電層や反射防止膜を形成させるためなど、耐熱性を必要とする場合は、脂環式構造を有するものが好ましい。脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、特に、化(1)及び化(2)より選ばれた少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートを重合したアクリル樹脂が好ましい。
【0047】
【化1】

(化(1)中、R1及びR2は、互いに異なっていても良く、水素原子又はメチル
基を示す。aは1又は2を示し、bは0又は1を示す。)
【0048】
【化2】

【0049】
さらに好ましくは、化(1)において、R1、R2が水素で、aが1、bが0である構造を持つジシクロペンタジエニルジアクリレート、一般式(2)において、Xが−CH2OCOCH=CH2、R3、R4が水素で、pが1である構造を持つパーヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン−2,3,7−(オキシメチル)トリアクリレート、 X、R3、R4がすべて水素で、pが0または1である構造を持つアクリレートより選ばれた少なくとも1種以上のアクリレートであり、粘度等の点を考慮すると、最も好ましくは、 X、R3、R4がすべて水素で、pが0である構造を持つノルボルナンジメチロールジアクリレートである。
【0050】
アルコキシ基を有する化合物としては、アルコキシ基を有する化合物であれば特に制限されないが、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等の珪素のアルコキシド化合物、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシランなどの珪素を含有する各種カップリング剤、アルミニウム、チタンなどの珪素以外の元素からなるアルコキシ基含有化合物等が挙げられる。
【0051】
架橋性を有するエチレンビニルアセテート樹脂としては、酢酸ビニル含有率が25%以上のものが好ましく、例えば、三井化学ファブロ株式会社のソーラーエバ(商標)等を好適に用いることができる。
シリコーン樹脂としては、市販のLED用シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0052】
多孔質微粒子4は、多孔質の微粒子中に波長変換物質6を含有して構成されている。
多孔質微粒子の空隙率は50〜90%が好ましく、さらに好ましくは、60〜80%である。空隙率が下限値未満では、多孔質でない微粒子に比べ発光強度の向上が顕著に見られなくなる。また、上限値を超えると、微粒子としての形状を維持することが困難となる。
【0053】
多孔質微粒子の平均粒径としては、30nm〜5μmが好ましく、微粒子の発光性と波長変換組成物の透明性のバランスから、さらに好ましくは、30nm〜1μmである。波長変換物質として半導体微粒子を用いる場合は、さらに、30nm〜60nmが好ましく、希土類イオンを用いる場合は微粒子の結晶性の低下による発光特性の低下を抑制するため、700nm〜1μmが好ましい。多孔質微粒子の平均粒径が下限値未満では、微粒子の結晶性低下が発生し、発光強度が低下したり、硬化物質への均一分散が困難となるばかりか、多孔質微粒子の硬化性物質に対する充填量を増大させることも困難となる。また、上限値を超えると、波長変換物質の透明性が著しく低下し、波長変換物質により波長変換される波長の光以外の波長の光(可視光)の透過性が著しく低下する。
【0054】
多孔質微粒子としては、酸化物、硫化物の多孔質微粒子が好適に用いられ、コスト、安全性の観点から、酸化物の多孔質微粒子が好ましい。
酸化物の多孔質微粒子を構成する元素として、半導体微粒子を波長変換材として用いる場合などは、珪素(Si)又はジルコニウム(Zr)が、コスト、安定性の観点から好適に用いられる。例えば、シリカ(SiO)、ジルコニア(ZrO)等である。また、希土類イオンを波長変換材として用いる場合などは、酸化物及び又は硫化物の多孔質微粒子を構成する元素として、イットリウム(Y)、バナジウム(V)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、ストロンチウム(Sr)、マグネシウム(Mg)などが挙げられる。コスト、実績の観点から、イットリウム、バナジウム、アルミニウムから選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有する酸化物多孔質微粒子が好ましい。例えば、YAG(YAl12)やイットリウムとバナジウムの酸化物(YVO)が好適に用いられる。これらの多孔質微粒子は単独で用いてもよく複数種類を混合して用いてもよい。
【0055】
波長変換組成物中における多孔質微粒子の含有量は、1〜90vol%が好ましく、さらに好ましくは、1〜50vol%である。下限値未満では、十分な波長変換機能を発現することができない。また、上限値を超えると波長変換膜としての強度、屈曲性がなくなり、脆く割れやすくなる。多孔質微粒子の形状は、球形が好ましい。ただし、波長変換組成物中に分散後は、元の形状(球形)を維持していても、元の形状(球形)が粉砕され破壊されていても、どちらでも良い。
【0056】
また、波長変換物質6としては、光の波長を変換する機能を付与するまた向上させる物質であれば特に制限されないが、光起電装置に用いる場合、紫外、近赤外などの光起電装置が吸収できない波長領域の光を、光起電装置が吸収し発電できる波長領域の光に波長変換する物質が望ましい。また、照明などに用いる場合は、近紫外や青色などの波長領域の光を青色、緑色、赤色などの可視光に変換する物質が好ましい。例えば、希土類イオン、半導体微粒子、遷移金属を含有する物質、有機色素等が挙げられる。耐久性、耐熱性の観点から希土類イオン、半導体微粒子が好ましい。
【0057】
半導体微粒子としては、化合物半導体微粒子やシリコン半導体微粒子などが挙げられる。化合物半導体微粒子としては、III−V族半導体微粒子、II−VI族半導体微粒子が挙げられ、中でも、コスト、毒性などの観点から、酸化亜鉛半導体微粒子が好ましい。半導体微粒子の平均粒径は2〜7nmが好ましく、この範囲で粒径を調整することにより様々な色を再現できる。また、酸化亜鉛半導体微粒子に2価又は3価のユーロピウムイオンをドープすることにより発光色を調整することも可能である。
【0058】
希土類イオンとしては、2価のユーロピウムイオン、3価のユーロピウムイオン、エルビウムイオン、ジスプロジウムイオン、セリウムイオン、ビスマスイオン及びネオジムイオンから選ばれた少なくとも一種以上の希土類イオンを用いることが好ましく、コスト、機能(色調整)のなどの観点から、ユーロピウムイオン、セリウムイオンが好適に用いられる。
これらの波長変換物質は、単独で用いても、併用しても良い。
【0059】
多孔質微粒子4において、多孔質微粒子のマトリックス中に波長変換物質6が分散されている。多孔質微粒子4中の波長変換物質6の含有量は、入射光の波長変換を確実に行う観点からは多い方が好ましく、一方で、含有量が多すぎると凝集して均一に分散しなくなる。そこで、両者のバランスから、酸化物微粒子4中における波長変換物質6の含有量は、0.01〜70vol%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜50vol%である。
【0060】
吸収した光の波長を変換する波長変換物質6を含有する多孔質微粒子4の作製方法としては、特に限定はされないが、例えばゾルーゲル法、錯体重合法、PVA法、錯体均一沈殿法、逆ミセル法、コロイド析出法、ホットソープ法超臨界水熱法、ソルボサーマル法、噴霧乾燥法、スプレー熱分解法などが挙げられる。これらは、単独で用いても、併用しても良い。
【0061】
中でも、スプレー熱分解法を用いる方法は、多孔質微粒子の孔径や空隙率を容易に調整することが可能である。例えば、ポリスチレンラテックスなどの微小微粒子と各種多孔質微粒子の各種原料とを混合し、スプレー熱分解法により、ポリスチレンラテックスとの複合微粒子を作製し、これを高熱に保たれた炉の中に通し、ポリスチレンラテックスを焼いて除去することにより、孔径や空隙率の調整された多孔質微粒子を得ることができる。
【0062】
吸収した光を変換する波長変換物質6である半導体微粒子の作製法としては、特に制限されないが、例えば噴霧乾燥法、噴霧熱分解法、スプレー熱分解法、スパッタリング法、CVD法、レーザーアブレーション法、陽極酸化法などが挙げられる。これらは単独で用いても、併用してもよい。
【0063】
[実施形態2]
上述の実施形態において、図3に示すように、波長変換層3として、紫外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第1波長変換層31と、赤外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第2波長変換層32とを設けてもよい。この実施形態では、図3に示すように、光の入射側から順に第1波長変換層31、第2波長変換層32の順に形成されている。光は、波長が長いほど透過しやすくなる。従って、波長の短い紫外領域を可視光領域に変換する第1波長変換層31を光の入射側に設け、波長の長い赤外領域を可視光領域に変換する第2波長変換層32をその内側に設けることにより、波長変換の効率を高めることができる。
【0064】
[実施形態3]
また、波長変換層3として、紫外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第1波長変換層3と、赤外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第2波長変換層3とを設ける場合、図4に示すように、光起電層2の光の入射面側に第1波長変換層3を形成し、光起電層2の裏面に第2波長変換層3を形成し、さらに第2波長変換層3の光起電層2側とは反対の側に反射層7を設けてもよい。
【0065】
[実施形態4]
上述の実施形態において、波長変換組成物を光起電装置1に塗布し硬化させて波長変換層3を形成する例について説明したがこれに限られるものではない。例えば、波長変換組成物を硬化させたフィルムを形成し、これを接着剤等によって、光起電装置1に設けることにより波長変換層3を形成してもよい。
【0066】
[実施形態5]
上述の実施形態において、波長変換層3が光起電装置の面内に凹凸構造を有するように設置されても良い。これにより、光の透過ロス、波長変換層と光起電装置界面における反ロス等を削減することができ、波長変換層で変換された光を効率よく光起電装置に供給することができる。
【0067】
前記凹凸構造の高低差は、斜め方向からの太陽光の吸収とコストのバランスから、300nm〜100μmが好ましく、さらに好ましくは、1〜50μmであり、最も好ましくは、10〜50μmである。凹凸構造の高低差の測定には、原子間力顕微鏡、共焦点顕微鏡、レーザー顕微鏡等の顕微鏡を用いて測定することができる。
【0068】
また、前記凹凸構造の面内周期は、300nm〜50μmが好ましい。波長変換組成物の光吸収波長領域とほぼ同程度の周期にすることが好ましい。面内直角方向(X方向、Y方向)の凹凸周期は同じであっても異なっていても良い。また同じ方向における面内周期のばらつきがあっても良い。凹凸構造の面内周期は、原子間力顕微鏡、共焦点顕微鏡、レーザー顕微鏡等の顕微鏡を用いて測定した画像情報をフーリエ変換することにより求めることができる。
【0069】
前記凹凸構造の形状としては、ドット、マイクロレンズ、L&S、ハニカム、セル、四角錐、モスアイ、円錐形など、さまざまな形状を用いることができる。コストと効率の観点から、ドット、マイクロレンズ、L&S、セル、四角錐の形状が好ましく、さらに好ましくは、ドット、マイクロレンズの形状である。以上の凹凸構造の例を図5〜9に示す。
【0070】
前記凹凸構造は、光起電装置の面、光起電装置側と反対の面、又は両面に形成することができる。光起電装置側の面に形成する場合は、あらかじめ、光起電装置表面に波長変換組成物やその他の樹脂組成物で微細凹凸形状を形成した後、その上に波長変換組成物を塗布すると良い。また、この場合、光起電装置側の面の凹凸形状の面内周期は、300nm〜1μmの範囲にすることが好ましい。光起電装置と反対の面、光起電装置側の面の両面に凹凸構造を形成する場合は、光起電装置側の面の凹凸形状の面内周期を、光起電装置と反対の面の凹凸形状の面内周期より小さくすることが好ましい。
【0071】
前記凹凸構造は、隣り合う凹凸が同じ波長変換組成物であっても、異なる波長変換組成物であっても良い。波長変換組成物の光吸収波長範囲が比較的狭い場合は、光吸収波長範囲を広げるなどの目的で、隣り合う凹凸の波長変換組成物を異なるものに設定することにより、効率よく光起電装置の発電効率を向上させることができる。
【0072】
前記凹凸構造を形成した後、前記凹凸構造の上にさらに別の樹脂組成物をオーバーコートすることができる。これにより、耐汚性、耐久性などの低下を抑制できる。
【0073】
[実施形態6]
上述の実施形態において、前記波長変換層3の塗布方法には、スプレー、ディスペンサー、インクジェット等、さまざまな方法を用いることができる。塗布速度、装置コスト、微細形状描画精度等を考慮すると、インクジェット方式を用いた塗布が好ましく、中でも、比較的高粘度にも対応できるピエゾ方式のインクジェット、微細構造塗布に適する静電方式のインクジェットが好ましい。
また、インクジェット方式では10μm以下の凹凸形状付与が困難な場合がある。このような場合は、ナノインプリントなどの技術を用いて、凹凸構造を形成することも可能である。
【実施例】
【0074】
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
【0075】
[実施例1]
(1)多孔質微粒子の作製
(a)酸化亜鉛半導体微粒子を含有する多孔質シリカ微粒子
非特許文献2〜5記載の方法に準じて以下のように多孔質微粒子を作製した。先ず酸化亜鉛半導体微粒子のエタノール溶液を作製した。作製した溶液は紫外線(中心波長365nm)照射により、緑色の発光を示した。又、この酸化亜鉛半導体微粒子の平均1次粒径は約3nmであった。次いで、この酸化亜鉛半導体微粒子のエタノール溶液と平均1次粒径5nmのコロイダルシリカのエタノール溶液を用い、作製する複合微粒子の酸化亜鉛微粒子とコロイダルシリカの体積比率が1:1になるように配合した。これに、粒径15〜50nmのポリスチレンラテックスを所定量混合し、スプレー熱分解法により多孔質微粒子を作製した。作製した多孔質微粒子の大きさは、約400nmで空隙率は約70%であった。
【0076】
(b)セリウムイオン(Ce3+)をドープしたYAl12の多孔質微粒子
1,4−ブチレングリコール中で、アルミニウムトリイソプロポキシド、酢酸イットリウム四水和物、酢酸セリウム(III)水和物をCe3+の仕込み比をYに対して1.0mol%となるように混合し、これに、平均粒径300nmのポリスチレンラテックスを所定量混合し、スプレー熱分解法により多孔質微粒子を作製した。作製した多孔質微粒子の大きさは約800nmで空隙率は約80%であった。
【0077】
(c)ユーロピウムイオン(Eu3+)とビスマスイオン(Bi3+)をドープしたYVOの多孔質微粒子
硝酸イットリウム、硝酸ユーロピウム(III)水溶液中で、クエン酸ビスマスをY3+とEu3+のクエン酸塩前駆体と共存させオルトバナジン酸ナトリウム添加後に、十分混合した。これに、平均粒径300nmのポリスチレンラテックスを所定量混合し、スプレー熱分解法により多孔質微粒子を作製した。作製した多孔質微粒子の大きさは約700nmで空隙率は約80%であった。
【0078】
(2)波長変換組成物
一般式(2)において、X、R3、R4がすべて水素で、pが0である構造を持つノルボルナンジメチロールジアクリレート[試作品番 TO−2111;東亞合成(株)製]、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、(1)で作製した各種多孔質微粒子をビーズミルにより約10分攪拌し分散した。ノルボルナンジメチロールジアクリレート、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、多孔質微粒子の配合比率は、体積比で8:1:1とした。分散処理後の波長変換組成物は、樹脂単体の透明性と同程度の透明性を有することを肉眼で確認した。
【0079】
(3)透明性評価
(3−1)透明性と線膨張係数
(2)で得られた波長変換組成物と光触媒とを混合し、ガラス板上に作成した厚み0.15mmの枠内に注入し、上部よりガラス板をのせ枠内に充填した。ガラス板の両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して波長変換組成物を硬化させ、ガラスからシートを剥離した。得られたシートを、それぞれ、真空オーブン中で、約100℃で3時間加熱後、さらに約275℃で3時間加熱して、シート状サンプルを得た。得られたシート状サンプルの厚みをマイクロメーターで測定した結果、約100μmであった。
上記シート状サンプルに関して日本電色工業株式会社製NDH2000を用いてヘイズ測定を測定した結果、5以下であり、分光光度計UV−2400PC(島津製作所製)で平行光線透過率を測定した結果、平行光線透過率は80%以上であった。肉眼で見ても、非常に透明なシートであることが確認できた。
【0080】
(3−2)発電効率
市販の結晶シリコン太陽電池セルの表面に、(2)で得られた各種波長変換組成物と光触媒とを混合し、ピエゾ方式のインクジェットを用いて図5に示されるようなマイクロレンズ形状に塗布し、UV光を照射して最終の太陽電池セルとした。顕微鏡観察により得られたマイクロレンズ形状の直径、凹凸構造の高低差、周期は、それぞれ、約30μm、約10μm、約40μmであった。このセルについて発電効率を測定したところ、各種波長変換組成物に対し、約3〜5%の発電効率向上を確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の波長変換組成物は、光を電気エネルギーに変換する光起電装置に適用することができる。また、電圧の印加、電子線照射、太陽光の紫外線、近赤外線などにより可視領域の波長を有する光を発光するので、バイオイメージング、セキュリティ用塗料、ディスプレイ、照明等にも好適に利用できる。波長変換物質としてナノクリスタルを用いた場合には、光起電装置そのものにも活用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 光起電装置
2 光起電層
3 波長変換層
4 多孔質微粒子
5 硬化性物質
6 波長変換物質
7 反射層
8 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性物質と、吸収した光の波長を変換する波長変換物質を含有する多孔質微粒子とを含有する波長変換組成物。
【請求項2】
前記多孔質微粒子の空隙率が、50〜90%である請求項1に記載の波長変換組成物。
【請求項3】
前記多孔質微粒子の平均粒子径が、30nm〜5μmである請求項1又は2に記載の波長変換組成物。
【請求項4】
前記多孔質微粒子が、珪素又はジルコニウムの元素を含有する酸化物多孔質微粒子である請求項1〜3の何れか一項に記載の波長変換組成物。
【請求項5】
前記多孔質微粒子が、イットリウム、バナジウム、及びアルミニウムから選ばれた少なくとも一種以上の元素を含有する酸化物多孔質微粒子である請求項1〜3の何れか一項に記載の波長変換組成物。
【請求項6】
前記波長変換物質が、半導体微粒子である請求項1〜5の何れか一項に記載の波長変換組成物。
【請求項7】
前記半導体微粒子がシリコン半導体微粒子又は酸化亜鉛半導体微粒子である請求項6記載の波長変換組成物。
【請求項8】
前記波長変換物質が、希土類イオンである請求項1〜5の何れか一項に記載の波長変換組成物。
【請求項9】
前記希土類イオンが、2価のユーロピウムイオン、3価のユーロピウムイオン、エルビウムイオン、ジスプロジウムイオン、セリウムイオン、ビスマスイオン及びネオジムイオンから選ばれた少なくとも一種以上である請求項8記載の波長変換組成物。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載の波長変換組成物からなる層を形成した波長変換層。
【請求項11】
請求項10記載の波長変換層を備えた光起電装置。
【請求項12】
前記波長変換層が光起電装置の面内に凹凸構造を有する請求項11に記載の光起電装置。
【請求項13】
前記凹凸構造の高低差が300nm〜100μmの凹凸構造である請求項12に記載の光起電装置。
【請求項14】
前記凹凸構造の面内周期が300nm〜50μmである請求項12又は13に記載の光起電装置。
【請求項15】
インクジェット方式により形成される請求項10記載の波長変換層。
【請求項16】
波長変換層が、インクジェット方式により形成される請求項11〜14の何れか一項に記載の光起電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−202708(P2010−202708A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46938(P2009−46938)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】